JP4016249B2 - 画像符号化装置および符号化方法、画像復号装置および復号方法、記録媒体、プログラム、並びに、画像処理システム - Google Patents

画像符号化装置および符号化方法、画像復号装置および復号方法、記録媒体、プログラム、並びに、画像処理システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像符号化装置および符号化方法、画像復号装置および復号方法、記録媒体プログラム、並びに、画像処理システムに関し、特に、原画像とほぼ同一の復号画像が得られるように、画像を、例えば間引くことにより符号化する場合において、伝送量が少なくて済むようにした、画像符号化装置および符号化方法、画像復号装置および復号方法、記録媒体プログラム、並びに、画像処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像の符号化方法については、種々の方法が提案されているが、そのうちの1つに、例えば、画像を、その画素を間引くこと(subsampling)により圧縮して符号化する方法がある。
【0003】
しかしながら、このように間引いて圧縮した画像を、単純に補間により伸張した場合、その結果得られる復号画像の解像度が劣化する。
【0004】
このように復号画像の解像度が劣化する原因として、第1に、間引いた画像には、元の画像に含まれる高周波数成分が含まれていないことと、第2に、間引き後の画像を構成する画素の画素値が、元の画像を復元するのに、必ずしも適当でないことが考えられる。
【0005】
そこで、本出願人は、例えば、特願平9−208483号として、図1に示されるような画像符号化装置を先に提案した。
【0006】
図1の例においては、縮小画像作成部11が、入力された画像データを、例えば9個の画素から1つの画素だけを選択する(間引く)ことで縮小画像データを生成する。補正部12は、制御部15より供給される制御信号に基づいて、縮小画像作成部11より供給される縮小画像データを補正して、補正データを生成する。ローカルデコード部13は、補正部12により生成された補正データを、クラス分類適応処理を利用してデコードし、元の画像を予測する予測値を生成する。誤差算出部14は、ローカルデコード部13により算出された予測値を入力画像データと比較し、その誤差を予測誤差として算出して、制御部15に供給する。
【0007】
制御部15は、誤差算出部14により算出された予測誤差に基づいて制御信号を生成し、補正部12に供給する。補正部12は、この制御信号に基づいて縮小画像データを補正して、ローカルデコード部13に供給する。
【0008】
以上のような処理が繰り返し実行されることで、予測誤差が所定値以下になったとき、制御部15は、そのとき補正部12より出力される補正データを最適圧縮データとして、そのときローカルデコード部13により予測処理に用いられた予測係数とともに多重化部16に供給し、多重化させ、符号化データとして出力させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先の提案においては、ローカルデコード部13において、予測処理に用いられた予測係数が、最適圧縮データとともに伝送されるため、データの伝送量が多くなる課題があった。
【0010】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、データの伝送量を少なくすることができるようにするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像符号化装置は、原画像の画素数を少なくすることにより圧縮し、第1の圧縮データを生成する第1の圧縮手段と、第1の圧縮手段により生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された原画像の予測値の原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで、補正データを生成する補正手段と、補正手段により生成された補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する第2の圧縮手段と、第2の圧縮手段により生成された第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、補正手段により生成された補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成手段と、予測係数生成手段により生成された第1の予測係数を、補正手段により生成された補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値を生成する予測手段と、予測手段により生成された原画像の予測値の、原画像に対する予測誤差を算出する予測誤差算出手段と、補正データを出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
予測手段は、第2の予測係数と、補正データとの線形結合により、原画像の予測値を演算することができる。
補正手段により生成された補正データを、その値に基づく性質に応じて所定のクラスに分類する第1のクラス分類手段をさらに備え、予測手段は、第1のクラス分類手段により分類されたクラスに対応する第2の予測係数と補正データとを、第2の予測式に代入することで原画像の予測値を演算し、予測係数生成手段は、第2の圧縮手段により生成された第2の圧縮データを、その値に基づく性質に応じて所定のクラスに分類する第2のクラス分類手段を有し、第2のクラス分類手段により分類されたクラスごとに、第1の予測係数を演算することができる。
【0013】
予測誤差算出手段により算出された予測誤差が所定の値以下であるか、または補正回数が所定回数以上であるかのいずれかである場合、前記補正データが適正であると判定する判定手段をさらに備え、出力手段は、判定手段により補正データが適正であると判定された場合、補正データを出力することができる。
第2の圧縮手段により生成された第2の圧縮データを複数の領域に分割する分割手段をさらに備え、予測係数生成手段は、補正手段により生成された補正データと、分割手段により領域毎に分割された第2の圧縮データを用いて、第1の予測係数を、領域毎に演算することができる。
【0014】
本発明の画像符号化方法は、原画像の画素数を少なくすることにより圧縮し、第1の圧縮データを生成する第1の圧縮ステップと、第1の圧縮ステップの処理により生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された原画像の予測値の原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで、補正データを生成する補正ステップと、補正ステップの処理により生成された補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する第2の圧縮ステップと、第2の圧縮ステップの処理により生成された第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、補正手段により生成された補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成ステップと、予測係数生成ステップの処理により生成された第1の予測係数を、補正手段により生成された補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値を生成する予測ステップと、予測ステップの処理により生成された原画像の予測値の、原画像に対する予測誤差を算出する予測誤差算出ステップと、補正データを出力する出力ステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の第1の記録媒体のプログラムは、原画像の画素数を少なくすることにより圧縮し、第1の圧縮データを生成する第1の圧縮ステップと、第1の圧縮ステップの処理により生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された原画像の予測値の原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで、補正データを生成する補正ステップと、補正ステップの処理により生成された補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する第2の圧縮ステップと、第2の圧縮ステップの処理により生成された第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、補正手段により生成された補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成ステップと、予測係数生成ステップの処理により生成された第1の予測係数を、補正手段により生成された補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値を生成する予測ステップと、予測ステップの処理により生成された原画像の予測値の、原画像に対する予測誤差を算出する予測誤差算出ステップと、補正データを出力する出力ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の第1のプログラムは、原画像の画素数を少なくすることにより圧縮し、第1の圧縮データを生成する第1の圧縮ステップと、第1の圧縮ステップの処理により生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された原画像の予測値の原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで、補正データを生成する補正ステップと、補正ステップの処理により生成された補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する第2の圧縮ステップと、第2の圧縮ステップの処理により生成された第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、補正手段により生成された補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成ステップと、予測係数生成ステップの処理により生成された第1の予測係数を、補正手段により生成された補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値を生成する予測ステップと、予測ステップの処理により生成された原画像の予測値の、原画像に対する予測誤差を算出する予測誤差算出ステップと、補正データを出力する出力ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0017】
本発明の画像復号装置は、補正データを取得する取得手段と、補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する圧縮手段と、圧縮手段により生成された第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、取得手段により取得された補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成手段と、予測係数生成手段により生成された第1の予測係数を、取得手段により取得された補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値を生成する予測手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
予測手段は、第2の予測係数と、補正データとの線形結合により、原画像の予測値を演算することができる。
取得手段により取得された補正データを、その値に基づく性質に応じて所定のクラスに分類する第1のクラス分類手段をさらに備え、予測手段は、第1のクラス分類手段により分類されたクラスに対応する第2の予測係数と補正データとを、第2の予測式に代入することで原画像の予測値を演算し、予測係数生成手段は、圧縮手段により生成された第2の圧縮データを、その値に基づく性質に応じて所定のクラスに分類する第2のクラス分類手段を有し、第2のクラス分類手段により分類されたクラスごとに、第1の予測係数を演算することができる。
【0019】
圧縮手段により生成された第2の圧縮データを複数の領域に分割する分割手段をさらに備え、予測係数生成手段は、補正データと、分割手段により領域毎に分割された第2の圧縮データを用いて、原画像を予測するのに用いる第1の予測係数を、領域毎に演算することができる。
【0020】
本発明の画像復号方法は、補正データを取得する取得ステップと、補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する圧縮ステップと、圧縮ステップの処理により生成された第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、取得ステップの処理により取得された補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成ステップと、予測係数生成ステップの処理により生成された第1の予測係数を、取得ステップの処理により取得された補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値を生成する予測ステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の第2の記録媒体のプログラムは、原画像の画素数を少なくすることにより圧縮することで生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された原画像の予測値の原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで生成された補正データを復号する画像復号装置のプログラムであって、補正データを取得する取得ステップと、補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する圧縮ステップと、圧縮ステップの処理により生成された第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、取得ステップの処理により取得された補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成ステップと、予測係数生成ステップの処理により生成された第1の予測係数を、取得ステップの処理により取得された補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値を生成する予測ステップとを含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の第2のプログラムは、原画像の画素数を少なくすることにより圧縮することで生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された原画像の予測値の原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで生成された補正データを復号する画像復号装置を制御するコンピュータに、補正データを取得する取得ステップと、補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する圧縮ステップと、圧縮ステップの処理により生成された第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、取得ステップの処理により取得された補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成ステップと、予測係数生成ステップの処理により生成された第1の予測係数を、取得ステップの処理により取得された補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値を生成する予測ステップとを実行させることを特徴とする。
本発明の画像処理システムは、画像符号化装置および画像復号装置からなる画像処理システムにおいて、画像符号化装置は、原画像の画素数を少なくすることにより圧縮し、第1の圧縮データを生成する第1の圧縮手段と、第1の圧縮手段により生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された原画像の予測値の原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで、補正データを生成する補正手段と、補正手段により生成された補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する第2の圧縮手段と、第2の圧縮手段により生成された第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、補正手段により生成された補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する第1の予測係数生成手段と、第1の予測係数生成手段により生成された第1の予測係数を、補正手段により生成された補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値を生成する第1の予測手段と、第1の予測手段により生成された原画像の予測値の、原画像に対する予測誤差を算出する第1の予測誤差算出手段と、補正データを出力する出力手段とを備え、画像復号装置は、補正データを取得する取得手段と、補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する第3の圧縮手段と、圧縮手段により生成された第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、取得手段により取得された補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する第2の予測係数生成手段と、第2の予測係数生成手段により生成された第1の予測係数を、取得手段により取得された補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値を生成する第2の予測手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明の画像符号化装置および方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、原画像の画素数を少なくすることにより圧縮し、生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された原画像の予測値の原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで、補正データが生成される。補正データは、その数を少なくすることによりさらに圧縮され、第2の圧縮データとされる。2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数が生成される。この第1の予測係数を、補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値が生成される。そして、その原画像の予測値の、原画像に対する予測誤差が算出され、補正データが出力される。
【0024】
本発明の画像復号装置および方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、補正データが取得され、補正データが、その数を少なくすることにより圧縮され、生成された第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、取得された補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数が演算される。その第1の予測係数を、取得された補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値が生成される。
本発明の画像処理システムにおいては、画像符号化装置において、原画像の画素数を少なくすることにより圧縮し、生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された原画像の予測値の原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで、補正データが生成される。補正データは、その数を少なくすることによりさらに圧縮され、第2の圧縮データとされる。第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数が生成される。この第1の予測係数を、補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値が生成される。そして、その原画像の予測値の、原画像に対する予測誤差が算出され、補正データが出力される。また、画像復号装置において、補正データが取得され、補正データが、その数を少なくすることにより圧縮され、生成された第2の圧縮データから補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、第2の圧縮データを代入することにより演算された補正データの予測値と、取得された補正データとの誤差を最小にするように、第1の予測式の係数である第1の予測係数が演算される。その第1の予測係数を、取得された補正データから原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、補正データと第2の予測係数を第2の予測式に代入することで原画像の予測値が生成される。
【0025】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成を示している。
【0026】
送信装置41には、ディジタル化された画像データが供給される。送信装置41は、入力された画像データを、例えば図3に示されるように、1/9に間引くこと(その画素数を少なくすること)により圧縮、符号化する。なお、その際、1/9に間引かれた圧縮データが、さらに1/9に圧縮され、予測係数を学習生成するのに用いられる。圧縮、符号化の結果得られた符号化データは、さらにクラス分類適応処理により予測され、例えば、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、相変化ディスク、その他でなる記録媒体42に記録されたり、または、例えば、地上波、衛星回線、電話回線、CATV網、インターネット、その他の伝送路43を介して伝送される。
【0027】
受信装置44では、記録媒体42に記録された符号化データが再生され、または、伝送路43を介して伝送されてくる符号化データが受信される。その符号化データは、図4に示されるように、クラス分類適応処理に基づいて、伸張、復号される。この場合においても、受信された原画像が1/9に圧縮されている画像データが、さらに1/9に圧縮され、予測係数の学習生成に利用される。そして、復号の結果得られた復号画像は、図示せぬディスプレイに供給されて表示される。
【0028】
なお、以上のような画像処理装置は、例えば、光ディスク装置や、光磁気ディスク装置、磁気テープ装置、その他の、画像の記録または再生を行う装置、あるいはまた、例えば、テレビ電話装置、テレビジョン放送システム、CATVシステム、その他の、画像の伝送を行う装置などに適用される。また、後述するように、送信装置41が出力する符号化データのデータ量が少ないため、図2の画像処理装置は、伝送レートの低い、例えば、携帯電話機、その他の、移動に便利な携帯端末などにも適用可能である。
【0029】
図5は、図2の送信装置41のハードウェアの構成例を示している。
【0030】
I/F(InterFace)61は、外部から供給される画像データの受信処理と、送信機/記録装置66に対しての、符号化データの送信処理を行う。ROM(Read Only Memory)62は、IPL(Initial Program Loading)用のプログラムその他を記憶している。RAM(Random Access Memory)63は、外部記憶装置65に記録されているシステムプログラム(OS(Operating System))やアプリケーションプログラムを記憶したり、また、CPU(Central Processing Unit)64の動作上必要なデータを記憶する。CPU64は、ROM62に記憶されているIPLプログラムにしたがい、外部記憶装置65からシステムプログラムおよびアプリケーションプログラムを、RAM63に展開し、そのシステムプログラムの制御の下、アプリケーションプログラムを実行することで、I/F61から供給される画像データについての、後述するような符号化処理を行う。
【0031】
外部記憶装置65は、例えば、磁気ディスク71、光ディスク72、光磁気ディスク73、または半導体メモリ74などでなり、上述したように、CPU64が実行するシステムプログラムやアプリケーションプログラムを記憶している他、CPU64が動作上必要とするデータも記憶している。送信機/記録装置66は、I/F61から供給される符号化データを、記録媒体42に記録したり、または伝送路43を介して伝送する。
【0032】
なお、I/F61,ROM62,RAM63,CPU64、および外部記憶装置65は、相互にバスを介して接続されている。
【0033】
以上のように構成される送信装置41においては、I/F61に画像データが供給されると、その画像データは、CPU64に供給される。CPU64は、画像データを符号化し、その結果得られる符号化データを、I/F61に供給する。I/F61は、符号化データを受信すると、それを、送信機/記録装置66に供給する。送信機/記録装置66は、I/F61からの符号化データを、記録媒体42に記録したり、または伝送路43を介して伝送する。
【0034】
図6は、図5の送信装置41の、送信機/記録装置66を除く部分の機能的な構成例を示している。
【0035】
符号化すべき画像データは、縮小画像作成部110および誤差算出部115に供給される。縮小画像作成部110は、画像データを、その画素を、例えば、単純に間引くことにより圧縮し、その結果得られる第1の圧縮データ(間引きが行われた後の縮小画像データ)(第1の縮小画像データ)を補正部111に出力する。補正部111は、制御部116からの制御信号にしたがって、第1の圧縮データを補正する。補正部111における補正の結果得られる補正データは、縮小画像作成部112、予測係数生成部113、ローカルデコード部114、および制御部116に供給される。
【0036】
縮小画像作成部112は、補正部111より供給された補正データ(第1の圧縮データ)を、さらに1/9に圧縮し、第2の圧縮データ(第2の縮小画像データ)を生成し、予測係数生成部113に出力する。予測係数生成部113は、補正部111より供給される補正データを教師データとし、縮小画像作成部112より供給される第2の圧縮データを学習データとして、予測係数を生成し、ローカルデコード部114に出力する。
【0037】
ローカルデコード部114は、補正部111からの補正データと予測係数生成部113からの予測係数に基づいて、元の画像を予測し、その予測値を、誤差算出部115に供給する。なお、ローカルデコード部114は、後述するように、補正データと予測係数との線形結合により、予測値を算出する。
【0038】
誤差算出部115は、そこに入力される、元の画像データ(原画像)に対する、ローカルデコード部114からの予測値の予測誤差を算出する。この予測誤差は、誤差情報として、制御部116に供給される。
【0039】
制御部116は、誤差算出部115からの誤差情報に基づいて、補正部111が出力した補正データを、元の画像の符号化結果とすることの適正さを判定する。そして、制御部116は、補正部111が出力した補正データを、元の画像の符号化結果とすることが適正でないと判定した場合には、補正部111を制御し、さらに、圧縮データを補正させ、その結果得られる新たな補正データを出力させる。また、制御部116は、補正部111が出力した補正データを、元の画像の符号化結果とすることが適正であると判定した場合には、補正部111から供給された補正データを、最適な圧縮データ(以下、適宜、最適圧縮データという)として多重化部117に供給する。
【0040】
多重化部117は、制御部116からの最適圧縮データ(補正データ)を、必要に応じてその他のデータと多重化し、その多重化結果を、符号化データとして、送信機/記録装置66(図5)に供給する。
【0041】
次に、図7のフローチャートを参照して、送信装置41が実行する符号化処理について説明する。縮小画像作成部110に対して、画像データが供給されると、縮小画像作成部110は、ステップS11において、縮小画像作成処理を実行する。
【0042】
図8は、縮小画像作成処理の1つの例としての単純間引き処理を表している。最初に、ステップS31において、縮小画像作成部110は、圧縮される前の画像データを、m×n個の画素データで構成されるブロックに分割する。次に、ステップS32において、m×n個の画素データの中から1つの画素データを抽出し、その画素データをそのブロックを代表する1つの画素データとする。
【0043】
ステップS33において、縮小画像作成部110は、以上の処理が、そのフレームの全てのブロックについて終了したか否かを判定し、まだ処理していないブロックが残っている場合には、ステップS31に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。全てのブロックについての処理が終了したと判定された場合、処理は終了される。
【0044】
すなわち、この例においては、図9に示されるように、例えば3×3個(m=n=3)の画素データa1乃至a9の中から、中央の1個の画素a5が選択される。同様にして、隣の3×3個のb1乃至b9の9個の画素の中から、中央の画素b5が選択される。
【0045】
以上のような単純間引き処理が繰り返し実行されることで、入力された画像データは、1/9の縮小画像データに圧縮される。
【0046】
図10は、縮小画像作成処理の他の例を表している。この例においては、ステップS51において、縮小画像作成部110は、入力された画像データをm×n個のブロックに分割する。ステップS52において、縮小画像作成部110は、ステップS51の処理で分割されたm×n個の画素の平均値を計算する。そして、その平均値をm×n個の画素で構成されるブロックを代表する1つの画素とする。
【0047】
ステップS53において、縮小画像作成部110は、全てのブロックについて同様の処理を実行したか否かを判定し、まだ処理していないブロックが残っている場合にはステップS51に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。全てのブロックについての処理が終了したと判定された場合、処理は終了される。
【0048】
このようにして、例えば、図11に示されるように、a1乃至a9の3×3個の画素の平均値Aが、次式に基づいて演算される。
【0049】
【数1】
Figure 0004016249
【0050】
また、画素b1乃至b9の3×3個の画素の平均値Bが次式に基づいて演算される。
【0051】
【数2】
Figure 0004016249
【0052】
さらに、同様に、画素c1乃至c9の3×3個の画素の平均値Cが次式に基づいて演算される。
【0053】
【数3】
Figure 0004016249
【0054】
縮小画像作成部110で生成された第1の縮小画像データ(第1の圧縮データ)は、補正部111に供給され、ステップS12で最適化処理(補正処理)が行われる。ただし、最初はまだ、予測誤差が算出されていないので、補正が行われずに、そのまま補正データとして、ローカルデコード部114、縮小画像作成部112および予測係数生成部113に供給される。
【0055】
ステップS13において、縮小画像作成部112は、補正部111より供給された補正データ(第1の圧縮データ)をさらに1/9に圧縮し、第2の縮小画像データ(第2の圧縮データ)を生成する。この場合の処理は、ステップS11における処理と同様の処理である。
【0056】
ステップS14において、予測係数生成部113は、縮小画像作成部112より供給された第2の圧縮データと、補正部111より供給された補正データ(第1の圧縮データ)とに基づいて、クラス分類適応処理を施すことで、予測係数を生成する。この処理の詳細は、図14乃至図19を参照して後述する。
【0057】
ローカルデコード部114は、ステップS15において、ローカルデコード処理を実行する。すなわち、ローカルデコード部114は、ステップS14の処理で予測係数生成部113により生成された予測係数を利用して、補正データ(第1の圧縮データ)に対してクラス分類適応処理を施すことで予測値を演算する。
【0058】
ステップS16において、誤差算出部115は、ステップS15の処理でローカルデコード部114により生成された予測値の元の画像(原画像)の画像データとの差(予測誤差)を算出し、誤差情報として制御部116に出力する。
【0059】
制御部116は、ステップS17において、補正部111により生成された補正データを、原画像の符号化結果とすることの適正さを判定する。具体的には、例えば、予測誤差が所定の閾値εより小さいか否か、あるいは最適化処理を行った回数が、予め設定された所定の回数に達したか否かが判定される。予測誤差が所定の閾値εより大きい場合、あるいは、最適化の処理回数がまだ所定の回数に達していない場合、ステップS12に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0060】
なお、この2回目以降の、ステップS12における最適化処理においては、誤差算出部115から誤差情報が供給されているので、制御部116は、その誤差情報に基づいて、制御信号を生成し、補正部111を制御して、縮小画像作成部110が生成した第1の縮小画像を補正して、補正データを生成させる。
【0061】
ステップS17において、予測誤差が所定の閾値εより小さくなったと判定された場合、あるいは最適化処理が所定の回数実行されたと判定された場合、制御部116は、補正データを原画像の符号化結果とすることが適正であると判定し、ステップS18において、補正部111より、そのとき得られる補正データを最適圧縮データとして多重化部117に供給する。多重化部117は、制御部116より供給される最適圧縮データを、他のデータと多重化し、符号化データとして送信機/記録装置66に供給する。
【0062】
送信機/記録装置66は、この符号化データを、記録媒体42に記録したり、伝送路43を介して伝送する。
【0063】
以上のように、予測誤差が所定の閾値ε以下となるか、または、最適化処理が所定回数に達したときにおける、縮小画像データを補正した補正データを、原画像の符号化結果とするようにしたので、受信装置44側においては、その補正データに基づいて、元の画像(原画像)とほぼ同一の画像を得ることが可能となる。
【0064】
図12は、図6の補正部111の構成例を示している。
【0065】
補正回路131は、制御部116(図6)からの制御信号にしたがって、補正値ROM132にアドレスを与え、これにより、補正値Δを読み出す。そして、補正回路131は、縮小画像作成部110からの第1の縮小画像データ(第1の圧縮データ)に対して、補正値ROM132からの補正値Δを、例えば加算することで、補正データを生成し、縮小画像作成部112、予測係数生成部113、ローカルデコード部114、および制御部116に供給する。補正値ROM132は、縮小画像作成部110が出力する圧縮データを補正するための、各種の補正値Δの組合せ(例えば、1フレーム分の圧縮データを補正するための補正値の組合せなど)を記憶しており、補正回路131から供給されるアドレスに対応する補正値Δの組合せを読み出して、補正回路131に供給する。
【0066】
次に、図13を参照して、図12の補正部111の処理について説明する。
【0067】
補正回路131は、縮小画像作成部110から圧縮データを受信すると、ステップS71において、制御部116(図6)から制御信号を受信したかどうかを判定する。ステップS71において、制御信号を受信していないと判定された場合、ステップS72およびS73の処理をスキップしてステップS74に進み、補正回路131は、縮小画像作成部110からの第1の圧縮データを、そのまま補正データとして、縮小画像作成部112、予測係数生成部113、ローカルデコード部114、および制御部116に出力し、ステップS71に戻る。
【0068】
即ち、制御部116は、上述したように、誤差情報に基づいて、補正部111(補正回路131)を制御するようになされており、縮小画像作成部110から第1の圧縮データが出力された直後は、まだ、誤差情報が得られないため(誤差情報が、誤差算出部115から出力されないため)、制御部116からは制御信号は出力されない。このため、縮小画像作成部110から圧縮データが出力された直後は、補正回路131は、その圧縮データを補正せず(0を加算する補正をして)、そのまま補正データとして、縮小画像作成部112、予測係数生成部113、ローカルデコード部114、および制御部116に出力する。
【0069】
一方、ステップS71において、制御部116からの制御信号を受信したと判定された場合、ステップS72に進み、補正回路131は、その制御信号にしたがったアドレスを、補正値ROM132に出力する。これにより、ステップS72では、補正値ROM132から、そのアドレスに記憶されている、1フレーム分の圧縮データを補正するための補正値Δの組合せ(集合)が読み出され、補正回路131に供給される。補正回路131は、補正値ROM132から補正値Δの組合せを受信すると、ステップS73において、1フレームの圧縮データそれぞれに、対応する補正値Δを加算し、これにより、圧縮データを補正した補正データを算出する。その後は、ステップS74に進み、補正データが、補正回路131から縮小画像作成部112、予測係数生成部113、ローカルデコード部114、および制御部116に出力され、ステップS71に戻る。
【0070】
以上のようにして、補正部111は、制御部116の制御にしたがって、第1の圧縮データを、種々の値に補正した補正データを出力することを繰り返す。
【0071】
なお、制御部116は、例えば、1フレームの画像についての符号化を終了すると、その旨を表す制御信号を、補正部111に供給するようになされており、補正部111は、ステップS71において、そのような制御信号を受信したかどうかも判定する。ステップS71において、1フレームの画像についての符号化を終了した旨の制御信号を受信したと判定された場合、補正部111は、そのフレーム(フィールド)に対する処理を終了し、次のフレームが供給された場合、ステップS71乃至S74の処理を繰り返す。
【0072】
図14は、予測係数生成部113の構成例を表している。この構成例においては、画像分割部151は、補正部111より供給された補正データ(第1の圧縮データ)をn個の領域(後述する図16の領域A乃至F)に分割し、各領域の補正データ(第1の圧縮データ)を、それぞれの領域に対応して設けられている学習部152−1乃至152−nのn個の学習部に供給する。
【0073】
画像分割部151は、また、縮小画像作成部112により補正データ(第1の圧縮データ)を1/9に縮小することで作成された第2の圧縮データを、n個の領域(後述する図16の領域a乃至f)に分割し、対応する学習部152−1乃至152−nに供給する。
【0074】
学習部152−1乃至152−nには、それぞれ対応して予測係数作成部153−1乃至153−nが接続されており、予測係数作成部153−1乃至153−nは、それぞれ対応する学習部152−1乃至152−nより供給された学習結果に基づいて、対応する領域の予測係数を作成し、ローカルデコード部114に出力する。
【0075】
次に、図15のフローチャートを参照して、予測係数生成部113の予測係数処理について説明する。
【0076】
ステップS91において、画像分割部151は、変数iを0に初期設定する。ステップS92において、画像分割部151は、画像をn個の領域に分割する処理を実行する。すなわち、例えば、図16に示されるように、画像分割部151は、補正部111より供給された補正データ(第1の縮小画像)161を、領域A乃至領域Fの3×2(=6)個の領域に分割する。同様に、第2の縮小画像162を、領域a乃至領域fの3×2(=6)個の領域に分割する。領域A乃至領域Fと、領域a乃至領域fの位置は、それぞれ対応している。この例においては、画面を3×2個の領域に分割するようにしたが、分割の数およびその方法は、これに限定されるものではない。
【0077】
ステップS93において、学習部152−1乃至152−nのうち、学習部152−1が領域Aと領域aにおける学習処理を実行する。ステップS94において、予測係数作成部153−1は、ステップS93における学習処理の結果に応じて、領域Aと領域aにおける予測係数waを作成する。ステップS95において、予測係数作成部153−1は、生成した予測係数waを内蔵するメモリに保存する。
【0078】
ステップS96において、画像分割部151は、変数iがnより小さいか否かを判定し、小さい場合には、ステップS97に進み、変数iを1だけインクリメントして、いまの場合、i=1とする。
【0079】
その後、ステップS93に戻り、学習部152−2により学習処理が行われ、ステップS94において、予測係数作成部153−2により予測係数作成処理が行われ、ステップS95において、予測係数wbを保存する処理が実行される。以上のようにして、学習部152−2と予測係数作成部153−2において、領域Bと領域bの予測係数wbが生成、保存される。
【0080】
以上の処理が順次繰り返されることで、図16に示される領域A乃至F(領域a乃至f)の予測係数wa乃至wfが生成される。
【0081】
なお、学習部152−1乃至152−nの処理は、同時に行われるようにしてもよい。予測係数作成部153−1乃至153−nについても同様である。
【0082】
ステップS96において、変数iの値がnと等しいか、それより大きいと判定された場合、すなわち、領域A乃至領域Fの全ての予測係数が求められたと判定された場合、ステップS98に進み、予測係数作成部153−1乃至153−nは、保存されている予測係数wa乃至wfを(nセットの予測係数を)ローカルデコード部114に出力する。
【0083】
図16に示されるように、生成する予測係数を領域毎に区分することにより、より正確に元の画像データを予測生成することが可能となる。
【0084】
図17は、予測係数生成部113を構成する学習部152−1乃至152−nと予測係数作成部153−1乃至153−nのより詳細な構成例を表している。図17においては、学習部152−1と予測係数作成部153−1の構成のみを示しているが、学習部152−2乃至152−n、並びに予測係数作成部153−2乃至153−nも同様に構成されている。
【0085】
なお、学習部152−1と予測係数作成部153−1の区分は、便宜上のものであり、図17に示される以外の組み合わせで区分することも可能である。すなわち、図17の例においては、学習部152−1が、教師用ブロック化回路171、教師データメモリ172、学習用ブロック化回路173、ADRC処理回路174、クラス分類回路175、および学習データメモリ176により構成され、予測係数作成部153−1が、演算回路177により構成されるようにしたが、例えば、教師データメモリ172と学習データメモリ176を、予測係数作成部153−1を構成するものとして考えることもできる。すなわち、学習部152−1と予測係数作成部153−1は、一体化した構成と考えることができる。
【0086】
画像分割部151は、補正部111より供給される補正データ(図16に示される第1の縮小画像データ161)から、学習部152−1が対応する領域であるところの領域Aの補正データを抽出し、教師用ブロック化回路171に出力する。また、画像分割部151は、縮小画像作成部112により作成された第2の圧縮データ(図16に示される第2の縮小画像データ162)のうちの学習部152−1が対応する領域である領域a(領域Aに対応する領域)のデータを、学習用ブロック化回路173に出力する。
【0087】
教師用ブロック化回路171は、図16の領域Aの第1の縮小画像データの中から、所定の範囲の教師用ブロックを抽出し、教師データメモリ172に出力し、記憶させる。
【0088】
学習用ブロック化回路173は、図16に示される領域aの第2の縮小画像データのうち、所定の範囲の学習用ブロックを抽出し、学習データメモリ176に供給し、記憶させる。
【0089】
なお、教師用ブロックが領域A全体とされ、学習用ブロックが領域a全体とされる場合には、教師用ブロック化回路171と学習用ブロック化回路173は、省略することができる。
【0090】
ADRC処理回路174は、学習用ブロック化回路173より供給された学習用ブロックを1ビットADRC処理して、クラス分類回路175に出力する。クラス分類回路175は、ADRC処理回路174より供給されたデータに基づいて、クラスコードを決定し、教師データメモリ172と学習データメモリ176のアドレスに供給する。
【0091】
教師データメモリ172と学習データメモリ176は、それぞれクラス分類回路175より指定されたアドレス(クラス)に対応する教師データまたは学習データを読み出し、演算回路177に出力する。演算回路177は、教師データと学習データとを演算し、予測係数を生成する。
【0092】
なお、画像分割部151で画像を細かく分割した場合、クラス分類を行わないという手法も考えられる。
【0093】
次に、図18のフローチャートを参照して、図17の学習部152−1と予測係数作成部153−1の処理について説明する。
【0094】
学習用ブロック化回路173は、ステップS111において、入力される第2の圧縮データ(図19において、黒い円形の印の外側に、さらに円を付加した印で表される画素)から、例えば、25(5×5)個の圧縮データを抽出し、学習用ブロックとして、ADRC処理回路174に出力するとともに、学習データメモリ176に供給する。
【0095】
なお、図19において、白い円形の印は原画像の画素を表し、黒い円形の印は、原画像を1/9に圧縮した場合の画素(第1の圧縮データ)を表し、黒い円形の印の外側に、さらに円を付加した印は、第1の圧縮データを、さらに1/9に圧縮した、第2の圧縮データを表している。
【0096】
勿論、単純間引の場合、第1の圧縮データと第2の圧縮データは、原画像の画素でもあり、第2の圧縮データは、第1の圧縮データでもある。
【0097】
教師用ブロック化回路171は、ステップS112において、画像分割部151より供給される図16の領域Aの第1の圧縮データ(図19において、黒い円形の印で表されている画素)から、例えば、5×5個の第2の圧縮データの中央に位置する1個の第1の圧縮データで構成されるブロックを生成し、教師用ブロックとして、教師データメモリ172に出力する。
【0098】
ステップS113において、ADRC処理回路174は、学習用ブロック化回路173より供給される学習用ブロックを構成する第2の圧縮データに対して、1ビットのADRC処理を施す。ADRC処理の施されたデータは、クラス分類回路175に供給される。クラス分類回路175は、ステップS114において、ADRC処理回路174からの出力に基づいて、クラスコードを決定し、教師データメモリ172と学習データメモリ176のアドレスとして供給する。なお、ADRC処理とクラス分類の意義については、図23乃至図26を参照して後述する。
【0099】
学習データメモリ176と教師データメモリ172は、それぞれステップS115とステップS116において、それぞれに供給されるクラス情報に対応するアドレスに、学習用ブロック化回路173から供給される学習用ブロック、または教師用ブロック化回路171から供給される教師用ブロックを記憶する。
【0100】
同様の処理が、予め用意された全ての学習用の画像データについて繰り返され、これにより、学習ブロックと教師用ブロックとが、学習データメモリ176と教師データメモリ172に同一のアドレスに記憶される。
【0101】
学習データメモリ176と教師用データメモリ172においては、同一アドレスに複数の情報を記憶することができるようになされており、これにより、同一アドレスには、複数の学習用ブロックと教師用ブロックが記憶される。
【0102】
学習用画像全てについての学習用ブロックと教師用ブロックとが、学習データメモリ176と教師データメモリ172に記憶されると、ステップS117において、学習データと教師データが、演算回路177に供給される。演算回路177は、あらゆるクラスについての学習用ブロックのセットと、教師用ブロックのセットとを受信すると、それらを用いて最小自乗法により、誤差を最小とする予測係数を算出する。
【0103】
即ち、例えば、いま、学習用ブロックを構成する第2の圧縮データの値を、x1,x2,x3,・・・とし、求めるべき予測係数をw1,w2,w3,・・・とするとき、これらの線形1次結合により、教師用ブロックを構成する、ある第1の圧縮データの値yを求めるには、予測係数w1,w2,w3,・・・は、次式を満たす必要がある。
【0104】
y=w11+w22+w33+・・・
【0105】
そこで、演算回路177は、同一クラスの学習用ブロックと、対応する教師用ブロックとから、真値yに対する、予測値w11+w22+w33+・・・の自乗誤差を最小とする予測係数w1,w2,w3,・・・を、後述する式(7)に示す正規方程式をたてて解くことにより求める。
【0106】
このように、この発明においては、原画像の画像データは用いられず、第1の圧縮データと第2の圧縮データのみにより、予測係数が学習、生成される。
【0107】
図20は、図6のローカルデコード部114の構成例を示している。
【0108】
補正部111からの補正データは、クラス分類用ブロック化回路261および予測値計算用ブロック化回路262に供給される。クラス分類用ブロック化回路261は、現在フレームの補正データを、その性質に応じて所定のクラスに分類するための単位である、注目補正データを中心としたクラス分類用ブロックにブロック化する。
【0109】
即ち、いま、図21において、上からi番目で、左からj番目の補正データ(第1の圧縮データ)(または画素)(図中、黒の円形の印で示す部分)をXijと表すとすると、クラス分類用ブロック化回路261は、注目補正データXijの左上、上、右上、左、右、左下、下、右下に隣接する8つの補正データX(i-1)(j-1),X(i-1)j,X(i-1)(j+1),Xi(j-1),Xi(j+1),X(i-1)(j-1),X(i-1)j,X(i+1)(j+1)に、自身を含め、合計9個の補正データで構成されるクラス分類用ブロック242を構成する。このクラス分類用ブロック242は、クラス分類適応処理回路263に供給される。
【0110】
なお、この場合、クラス分類用ブロック242は、3×3画素でなる正方形状のブロックで構成されることとなるが、クラス分類用ブロック242の形状は、正方形である必要はなく、その他、例えば、図22に示されるように菱形にしたり、長方形、十文字形、その他の任意な形とすることが可能である。また、クラス分類用ブロックを構成する画素数も、3×3の9画素に限定されるものではない。
【0111】
予測値計算用ブロック化回路262は、補正データを、元の画像の予測値を計算するための単位である、注目補正データを基準とした予測値計算用ブロックにブロック化する。即ち、現在フレームにおいては、図21に示されるように、補正データXij(図中、黒い円形の印で示す部分)を中心とする、元の画像(原画像)における3×3の9画素の画素値を、その最も左から右方向、かつ上から下方向に、Yij(1),Yij(2),Yij(3),Yij(4),Yij(5),Yij(6),Yij(7),Yij(8),Yij(9)と表すとすると、画素Yij(1)乃至Yij(9)の予測値の計算のために、予測値計算用ブロック化回路262は、例えば、注目補正データXijを中心とする5×5の25画素X(i-2)(j-2),X(i-2)(j-1),X(i-2)j,X(i-2)(j+1),X(i-2)(j+2),X(i-1)(j-2),X(i-1)(j-1),X(i-1)j,X(i-1)(j+1),X(i-1)(j+2),Xi(j-2),Xi(j-1),Xij,Xi(j+1),Xi(j+2),X(i+1)(j-2),X(i+1)(j-1),X(i+1)j,X(i+1)(j+1),X(i+1)(j+2),X(i+2)(j-2),X(i+2)(j-1),X(i+2)j,X(i+2)(j+1),X(i+2)(j+2)で構成される正方形状の予測値計算用ブロック251を構成する。
【0112】
具体的には、例えば、図21において四角形で囲む、元の画像における画素Y33(1)乃至Y33(9)の9画素の予測値の計算のために、現在フレームにおいては、画素X11,X12,X13,X14,X15,X21,X22,X23,X24,X25,X31,X32,X33,X34,X35,X41,X42,X43,X44,X45,X51,X52,X53,X54,X55により、予測値計算用ブロックが構成される(この場合の注目補正データは、X33となる)。
【0113】
予測値計算用ブロック化回路262において得られた予測値計算用ブロック251の補正データは、クラス分類適応処理回路263に供給される。
【0114】
なお、予測値計算用ブロック251についても、クラス分類用ブロック242における場合と同様に、その画素数および形状は、上述したものに限定されるものではない。但し、予測値計算用ブロック251を構成する画素数は、クラス分類用ブロック242を構成する画素数よりも多くするのが望ましい。
【0115】
また、上述のようなブロック化を行う場合において(ブロック化以外の処理についても同様)、画像の画枠付近では、対応する画素(補正データ)が存在しないことがあるが、この場合には、例えば、画枠を構成する画素と同一の画素が、その外側に存在するものとして処理を行う。
【0116】
クラス分類適応処理回路263は、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)処理回路264、クラス分類回路265、および予測回路266で構成され、クラス分類適応処理を行う。予測回路266のメモリ266Aには、予測係数生成部113で生成された予測係数が記憶されている。
【0117】
クラス分類適応処理とは、入力信号を、その特徴に基づいて幾つかのクラスに分類し、各クラスの入力信号に、そのクラスに適切な適応処理を施すもので、大きく、クラス分類処理と適応処理とに分かれている。
【0118】
ここで、クラス分類処理および適応処理について簡単に説明する。
【0119】
まず、クラス分類処理について説明する。
【0120】
いま、例えば、図23に示されるように、ある注目画素と、それに隣接する3つの画素により、2×2画素でなるブロック(クラス分類用ブロック)を構成し、また、各画素は、1ビットで表現される(0または1のうちのいずれかのレベルをとる)ものとする。この場合、注目画素を含む2×2の4画素のブロックは、各画素のレベル分布により、図24に示されるように、16(=(214)パターンに分類することができる。従って、いまの場合、注目画素は、16のパターンに分類することができ、このようなパターン分けが、クラス分類処理であり、クラス分類回路245において行われる。
【0121】
なお、クラス分類処理は、画像(ブロック内の画像)のアクティビティ(画像の複雑さ)(変化の激しさ)などをも考慮して行うようにすることが可能である。
【0122】
ところで、通常、各画素には、例えば8ビット程度が割り当てられる。また、本実施の形態においては、上述したように、クラス分類用ブロック242は、3×3の9個の補正データで構成される。従って、このようなクラス分類用ブロック242を対象にクラス分類処理を行うものとすると、(289という膨大な数のクラスが発生することになる。
【0123】
そこで、本実施の形態においては、ADRC処理回路264において、クラス分類用ブロック242に対して、ADRC処理が施され、これにより、クラス分類用ブロック242を構成する補正データのビット数を小さくすることで、クラス数が削減される。
【0124】
即ち、例えば、いま、説明を簡単にするため、図25に示されるように、4個の画素(補正データ)で構成されるブロックを考えると、ADRC処理においては、その画素値の最大値MAXと最小値MINが検出される。そして、DR=MAX−MINが、そのブロックの局所的なダイナミックレンジとされ、このダイナミックレンジDRに基づいて、ブロックを構成する画素の画素値がKビットに再量子化される。
【0125】
即ち、ブロック内の各画素値から、最小値MINが減算され、その減算された値がDR/2Kで除算される。そして、各画素値は、その結果得られる除算値に対応するコード(ADRCコード)に変換される。具体的には、例えば、K=2とした場合、図26に示されるように、除算値が、ダイナミックレンジDRを4(=22)等分して得られるいずれの範囲に属するかが判定され、除算値が、最も下のレベルの範囲、下から2番目のレベルの範囲、下から3番目のレベルの範囲、または最も上のレベルの範囲に属する場合には、それぞれ、例えば、00B,01B,10B、または11Bなどの2ビットにコード化される(Bは2進数であることを表す)。そして、復号側(受信装置44)において、ADRCコード00B,01B,10B、または11Bは、ダイナミックレンジDRを4等分して得られる最も下のレベルの範囲の中心値L00、下から2番目のレベルの範囲の中心値L01、下から3番目のレベルの範囲の中心値L10、または最も上のレベルの範囲の中心値L11にそれぞれ変換され、その値に、最小値MINが加算されることで復号が行われる。
【0126】
このようなADRC処理はノンエッジマッチングと呼ばれる。
【0127】
なお、ADRC処理については、本件出願人が先に出願した、例えば、特開平3−53778号公報などに、その詳細が開示されている。
【0128】
ブロックを構成する画素に割り当てられているビット数より少ないビット数で再量子化を行うADRC処理を施すことにより、上述したように、クラス数を削減することができ、このようなADRC処理が、ADRC処理回路264において行われる。
【0129】
なお、本実施の形態では、クラス分類回路265において、ADRC処理回路264から出力されるADRCコードに基づいて、クラス分類処理が行われるが、クラス分類処理は、その他、例えば、DPCM(予測符号化)や、BTC(Block Truncation Coding)、VQ(ベクトル量子化)、DCT(離散コサイン変換)、アダマール変換などを施したデータを対象に行うようにすることも可能である。
【0130】
次に、適応処理について説明する。
【0131】
例えば、いま、元の画像の画素値yの予測値E[y]を、その周辺の幾つかの画素の画素値(補正データの値)(以下、適宜、学習データという)x1,x2,・・・と、所定の予測係数w1,w2,・・・の線形結合により規定される線形1次結合モデルにより求めることを考える。この場合、予測値E[y]は、次式で表すことができる。
【0132】
E[y]=w11+w22+・・・・・・(1)
【0133】
そこで、一般化するために、予測係数wの集合でなる行列W、学習データの集合でなる行列X、および予測値E[y]の集合でなる行列Y’を、
【数4】
Figure 0004016249
で定義すると、次のような観測方程式が成立する。
【0134】
XW=Y’・・・(2)
【0135】
そして、この観測方程式に最小自乗法を適用して、元の画像の画素値yに近い予測値E[y]を求めることを考える。この場合、元の画像の画素値(以下、適宜、教師データという)yの集合でなる行列Y、および元の画像の画素値yに対する予測値E[y]の残差eの集合でなる行列Eを、
【数5】
Figure 0004016249
で定義すると、式(2)から、次のような残差方程式が成立する。
【0136】
XW=Y+E・・・(3)
【0137】
この場合、元の画像の画素値yに近い予測値E[y]を求めるための予測係数wiは、自乗誤差
【数6】
Figure 0004016249
を最小にすることで求めることができる。
【0138】
従って、上述の自乗誤差を予測係数wiで微分したものが0になる場合、即ち、次式を満たす予測係数wiが、元の画像の画素値yに近い予測値E[y]を求めるため最適値ということになる。
【0139】
【数7】
Figure 0004016249
Figure 0004016249
【0140】
そこで、まず、式(3)を、予測係数wiで微分することにより、次式が成立する。
【0141】
【数8】
Figure 0004016249
Figure 0004016249
【0142】
式(4)および(5)より、式(6)が得られる。
【0143】
【数9】
Figure 0004016249
Figure 0004016249
【0144】
さらに、式(3)の残差方程式における学習データx、予測係数w、教師データy、および残差eの関係を考慮すると、式(6)から、次のような正規方程式を得ることができる。
【0145】
【数10】
Figure 0004016249
Figure 0004016249
【0146】
式(7)の正規方程式は、求めるべき予測係数wの数と同じ数だけたてることができ、従って、式(7)を解くことで、最適な予測係数wを求めることができる。なお、式(7)を解くにあたっては、例えば、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などを適用することが可能である。
【0147】
以上のようにして、クラスごとに最適な予測係数wを求め、さらに、その予測係数wを用い、式(1)により、元の画像の画素値yに近い予測値E[y]を求めるのが適応処理であり、この適応処理に基づく予測処理が、予測回路266において行われる。
【0148】
なお、適応処理は、間引かれた画像(圧縮データ)には含まれていない、元の画像に含まれる成分が再現される点で、単なる補間処理とは異なる。即ち、適応処理は、式(1)だけを見る限りは、いわゆる補間フィルタを用いての補間処理と同一であるが、その補間フィルタのタップ係数に相当する予測係数wが、教師データyを用いての、いわば学習により求められるため、元の画像に含まれる成分を再現することができる。このことから、適応処理は、いわば画像の創造作用がある処理ということができる。
【0149】
次に、図27のフローチャートを参照して、図20のローカルデコード部114の処理について説明する。
【0150】
ローカルデコード部114においては、まず最初に、ステップS121において、補正部111からの補正データがブロック化される。即ち、クラス分類用ブロック化回路261において、補正データが、注目補正データ(図21の補正データX33)を中心とする3×3画素のクラス分類用ブロック242(図21)にブロック化され、クラス分類適応処理回路263に供給されるとともに、予測値計算用ブロック化回路262において、現在フレームの補正データが、注目補正データ211(X33)を中心とする5×5画素の予測値計算用ブロック251(図21)にブロック化される。
【0151】
クラス分類適応処理回路263において、クラス分類用ブロック242はADRC処理回路264に供給され、予測値計算用ブロック251は予測回路266に供給される。
【0152】
ADRC処理回路264は、クラス分類用ブロック242を受信すると、ステップS122において、そのクラス分類用ブロック242に対して、例えば、1ビットのADRC(1ビットで再量子化を行うADRC)処理を施し、これにより、補正データを、1ビットに変換(符号化)して、クラス分類回路265に出力する。クラス分類回路265は、ステップS123において、ADRC処理が施されたクラス分類用ブロック242に基づいて、クラス分類処理を実行する。即ち、ADRC処理が施されたクラス分類用ブロック242を構成する各補正データのレベル分布の状態を検出し、そのクラス分類用ブロックが属するクラス(そのクラス分類用ブロック242を構成する注目補正データ211(中心に配置された補正データ)のクラス)(図22)を判定する。このクラスの判定結果は、クラス情報として、メモリ266Aに供給される。
【0153】
なお、本実施の形態においては、1ビットのADRC処理が施された3×3の9個の補正データで構成されるクラス分類用ブロック242に対して、クラス分類処理が施されるので、各クラス分類用ブロック242は、512(=(219)のクラスのうちのいずれかに分類されることになる。
【0154】
そして、ステップS124に進み、メモリ266Aにおいて、クラス分類回路265からのクラス情報に基づいて、予測係数が読み出される。予測回路266は、ステップS125において、各クラスごとに適応処理を施し、これにより、1フレームの元の画像データ(原画像データ)の予測値を算出する。
【0155】
即ち、本実施の形態においては、例えば、クラスごとに25×9個の予測係数が読み出される。さらに、ある1つの補正データに注目した場合に、その注目補正データに対応する元画像の画素と、その画素の周りに隣接する8個の元画像の画素の、合計9個の画素についての予測値が、注目補正データのクラス情報に対応する25×9個の予測係数と、その注目補正データを中心とする5×5画素でなる予測値計算用ブロックとを用いて、適応処理が行われることにより算出される。
【0156】
具体的には、例えば、いま、図21に示した補正データ(注目補正データ)X33を中心とする3×3の補正データX22,X23,X24,X32,X33,X34,X42,X43,X44でなるクラス分類用ブロック242についてのクラス情報Cが、クラス分類回路265から出力され、また、そのクラス分類用ブロック242に対応する予測値計算用ブロック251として、現在フレームの補正データX33を中心とする5×5画素の補正データX11,X12,X13,X14,X15,X21,X22,X23,X24,X25,X31,X32,X33,X34,X35,X41,X42,X43,X44,X45,X51,X52,X53,X54,X55でなる予測値計算用ブロック251が、予測値計算用ブロック化回路262から出力される。
【0157】
そして、クラス情報Cについての予測係数w1乃至w25と、予測値計算用ブロック251とを用い、式(1)に対応する次式にしたがって、予測値E[Y33(k)]が求められる。
【0158】
Figure 0004016249
【0159】
ステップS125では、以上のようにして、25×9個のクラスごとの予測係数を用いて、注目補正データを中心とする3×3個の原画像の画素の予測値が求められる。
【0160】
その後、ステップS126に進み、3×3個の予測値は誤差算出部115に供給される。そして、ステップS121に戻り、以下同様の処理が、例えば、上述したように1フレーム単位で繰り返される。
【0161】
メモリ266Aに記憶された予測係数は、第1の圧縮データ(補正データ)を教師データとし、それを1/9に圧縮した第2の圧縮データを学習データとして学習、生成されたものであり、原画像を教師データとし、それを1/9に圧縮した第1の圧縮データ(補正データ)を学習データとして生成されたものではない。しかしながら、教師データと学習データの圧縮率は1/9であるので、同じ圧縮率の関係にある第1の圧縮データ(補正データ)から、それを9倍に伸張した原画像を予測することができる。
【0162】
そして、原画像を用いていないので、予測係数は受信装置44においても学習、生成することができ、その結果、送信装置41から受信装置44に予測係数を伝送する必要がなくなる。
【0163】
図28は、図6の誤差算出部115の構成例を示している。
【0164】
ブロック化回路351には、元の画像データ(縮小される前の原画像の画像データ)が供給されている。ブロック化回路351は、その画像データを、ローカルデコード部114から出力される予測値に対応する9個単位でブロック化し、その結果得られる3×3画素のブロック(例えば、図21に四角形で囲んで示すような3×3画素のブロック)を、自乗誤差算出回路352に出力する。自乗誤差算出回路352には、上述したように、ブロック化回路351から元の画像データのブロックが供給される他、ローカルデコード部114から予測値が、9個単位(3×3画素のブロック単位)で供給される。自乗誤差算出回路352は、原画像に対する、予測値の予測誤差としての自乗誤差を算出し、積算部355に供給する。
【0165】
即ち、自乗誤差算出回路は352は、演算器353および354で構成されている。演算器353は、ブロック化回路351からのブロック化された画像データそれぞれから、対応する予測値を減算し、その減算値を、演算器354に供給する。演算器354は、演算器353の出力(元の画像データと予測値との差分)を自乗し、積算部355に供給する。
【0166】
積算部355は、自乗誤差算出回路352から自乗誤差を受信すると、メモリ356の記憶値を読み出し、その記憶値と自乗誤差とを加算して、再び、メモリ356に供給して記憶させることを繰り返すことで、自乗誤差の積算値(誤差分散)を求める。さらに、積算部355は、所定量(例えば、1フレーム分など)についての自乗誤差の積算が終了すると、その積算値を、メモリ356から読み出し、誤差情報として、制御部116に供給する。メモリ356は、1フレームについての処理が終了するごとに、その記憶値をクリアしながら、積算部355の出力値を記憶する。
【0167】
次に、その動作について、図29のフローチャートを参照して説明する。誤差算出部115では、まず最初に、ステップS131において、メモリ356の記憶値が、例えば0にクリア(初期化)され、ステップS132に進み、ブロック化回路351において、画像データが、上述したようにブロック化され、その結果得られるブロックが、自乗誤差算出回路352に供給される。自乗誤差算出回路352では、ステップS133において、ブロック化回路351から供給されるブロックを構成する、元の画像(原画像)の画像データと、ローカルデコード部114から供給される予測値との自乗誤差が算出される。
【0168】
即ち、ステップS133では、演算器353において、ブロック化回路351より供給されたブロック化された画像データそれぞれから、対応する予測値が減算され、演算器354に供給される。演算器354は、演算器353の出力を自乗し、積算部355に供給する。
【0169】
積算部355は、自乗誤差算出回路352から自乗誤差を受信すると、ステップS134において、メモリ356の記憶値を読み出し、その記憶値と自乗誤差とを加算することで、自乗誤差の積算値を求める。積算部355において算出された自乗誤差の積算値は、メモリ356に供給され、前回の記憶値に上書きされることで記憶される。
【0170】
そして、積算部355では、ステップS135において、所定量としての、例えば、1フレーム分についての自乗誤差の積算が終了したかどうかが判定される。ステップS135において、1フレーム分についての自乗誤差の積算が終了していないと判定された場合、ステップS132に戻り、再び、ステップS132からの処理が繰り返される。また、ステップS135において、1フレーム分についての自乗誤差の積算が終了したと判定された場合、ステップS136に進み、積算部355は、メモリ356に記憶された1フレーム分についての自乗誤差の積算値を読み出し、誤差情報として、制御部116に出力する。そして、ステップS131に戻り、次のフレームについての原画像および予測値が供給されるのを待って、再び、ステップS131からの処理が繰り返される。
【0171】
従って、誤差算出部115では、元の画像データをYij(k)とするとともに、その予測値をE[Yij(k)]とするとき、次式にしたがった演算が行われることで、誤差情報Qが算出される。
【0172】
Q=Σ(Yij(k)−E[Yij(k)])2
但し、Σは、1フレーム分についてのサメーションを意味する。
【0173】
図30は、図6の制御部116の構成例を示している。
【0174】
補正データメモリ361は、補正部111から供給される補正データを記憶する。
【0175】
なお、補正データメモリ361は、補正部111において、圧縮データが新たに補正され、これにより、新たな補正データが供給された場合には、既に記憶している補正データ(前回の補正データ)に代えて、新たな補正データを記憶する。
【0176】
誤差情報メモリ362は、誤差算出部115から供給される誤差情報を記憶する。なお、誤差情報メモリ362は、誤差算出部115から、今回供給された誤差情報の他に、前回供給された誤差情報も記憶する(新たな誤差情報が供給されても、さらに新たな誤差情報が供給されるまでは、既に記憶している誤差情報を保持する)。また、誤差情報メモリ362は、新たなフレームについての処理が開始されるごとにクリアされる。
【0177】
比較回路364は、誤差情報メモリ362に記憶された今回の誤差情報と、予め設定されている所定の閾値εとを比較し、さらに、必要に応じて、今回の誤差情報と前回の誤差情報との比較も行う。比較回路364における比較結果は、制御回路363に供給される。
【0178】
制御回路363は、比較回路364における比較結果に基づいて、補正データメモリ361に記憶された補正データを、元の画像の符号化結果とすることの適正(最適)さを判定し、最適でないと認識(判定)した場合には、新たな補正データの出力を要求する制御信号を、補正部111(補正回路131)(図12)に供給する。また、制御回路363は、補正データメモリ361に記憶された補正データを、元の画像の符号化結果とすることが最適であると認識した場合には、補正データメモリ361に記憶されている補正データを読み出し、最適圧縮データとして、多重化部117に供給する。さらに、この場合、制御回路363は、1フレームの画像についての符号化を終了した旨を表す制御信号を、補正部111に出力し、これにより、上述したように、補正部111に、次のフレームについての処理を開始させる。
【0179】
次に、図31を参照して、制御部116が実行する最適化処理(補正処理)について説明する。
【0180】
制御部116では、まず最初に、ステップS141において、誤差算出部115から誤差情報を受信したかどうかが、比較回路364によって判定され、誤差情報を受信していないと判定された場合、ステップS141に戻る。また、ステップS141において、誤差情報を受信したと判定された場合、即ち、誤差情報メモリ362に誤差情報が記憶された場合、ステップS142に進み、比較回路364において、誤差情報メモリ362に、いま記憶された誤差情報(今回の誤差情報)と、所定の閾値εとが比較され、いずれが大きいかが判定される。
【0181】
ステップS142において、今回の誤差情報が、所定の閾値ε以上であると判定された場合、比較回路364において、誤差情報メモリ362に記憶されている前回の誤差情報が読み出される。そして、比較回路364は、ステップS143において、前回の誤差情報と、今回の誤差情報とを比較し、いずれが大きいかを判定する。
【0182】
なお、1フレームについての処理が開始され、最初に誤差情報が供給された場合には、誤差情報メモリ362には、前回の誤差情報は記憶されていない。そこで、この場合には、制御部116においては、ステップS143以降の処理は行われず、制御回路363において、所定の初期アドレスを補正値ROM132に出力するように、補正回路131(図12)を制御する制御信号が出力される。
【0183】
ステップS143において、今回の誤差情報が、前回の誤差情報以下であると判定された場合、即ち、圧縮データの補正を行うことにより誤差情報が減少した場合、ステップS144に進み、制御回路363は、補正値Δを、前回と同様に変化させるように指示する制御信号を、補正回路131に出力し、ステップS141に戻る。また、ステップS143において、今回の誤差情報が、前回の誤差情報より大きいと判定された場合、即ち、圧縮データの補正を行うことにより誤差情報が増加した場合、ステップS145に進み、制御回路363は、補正値Δを、前回と逆に変化させるように指示する制御信号を、補正回路131に出力し、ステップS141に戻る。
【0184】
なお、減少し続けていた誤差情報が、あるタイミングで上昇するようになったときは、制御回路363は、補正値Δを、いままでの場合の、例えば1/2の大きさで、前回と逆に変化させるように指示する制御信号を出力する。
【0185】
そして、ステップS141乃至S145の処理を繰り返すことにより、誤差情報が減少し、これにより、ステップS142において、今回の誤差情報が、所定の閾値εより小さくなったと判定された場合、ステップS146に進み、制御回路363は、補正データメモリ361に記憶されている1フレームの補正データを、最適圧縮データとして読み出し、多重化部117に供給する。そして、処理が終了される。
【0186】
その後は、次のフレームについての誤差情報が供給されるのを待って、再び、図31に示すフローチャートにしたがった処理が繰り返される。
【0187】
なお、補正回路131には、圧縮データの補正は、1フレームすべての圧縮データについて行わせるようにすることもできるし、その一部の圧縮データについてだけ行わせるようにすることもできる。一部の圧縮データについてだけ補正を行う場合においては、制御回路363に、例えば、誤差情報に対する影響の強い画素を検出させ、そのような画素についての圧縮データだけを補正するようにすることができる。誤差情報に対する影響の強い画素は、例えば、次のようにして検出することができる。即ち、まず最初に、例えば、間引き後に残った画素についての圧縮データをそのまま用いて処理を行うことにより、その誤差情報を得る。そして、間引き後に残った画素についての圧縮データを、1つずつ、同一の補正値Δだけ補正するような処理を行わせる制御信号を、制御回路363から補正回路131に出力し、その結果得られる誤差情報を、圧縮データをそのまま用いた場合に得られた誤差情報と比較し、その差が、所定値以上となる画素を、誤差情報に対する影響の強い画素として検出すれば良い。
【0188】
以上のように、誤差情報を所定の閾値εより小さくする(以下にする)まで、圧縮データの補正が繰り返され、誤差情報が所定の閾値εより小さくなったときにおける補正データが、画像の符号化結果として出力されるので、受信装置44(図2)においては、間引き後の画像を構成する画素の画素値を、元の画像を復元するのに最も適当な値にした補正データから、原画像と同一(ほぼ同一)の復号画像を得ることが可能となる。
【0189】
また、画像は、間引き処理により圧縮される他、ADRC処理およびクラス分類適応処理などによっても圧縮されるため、非常に高圧縮率の符号化データを得ることができる。なお、送信装置41における、以上のような符号化処理は、間引きによる圧縮処理と、クラス分類適応処理とを、いわば有機的に統合して用いることにより、高能率圧縮を実現するものであり、このことから統合符号化処理ということができる。
【0190】
図32は、図2の受信装置44のハードウェアの構成例を表している。
【0191】
受信機/再生装置446は、送信装置41が符号化データを記録した記録媒体42を再生したり、送信装置41が伝送路43を介して伝送した符号化データを受信する。I/F461は、受信機/再生装置466に対しての符号化データの受信処理を行うとともに、復号された画像データを図示せぬ装置に出力する処理を実行する。
【0192】
ROM(Read Only Memory)462は、IPL(Initial Program Loading)用のプログラムその他を記憶している。RAM(Random Access Memory)463は、外部記憶装置465に記録されているシステムプログラム(OS(Operating System))やアプリケーションプログラムを記憶したり、また、CPU(Central Processing Unit)464の動作上必要なデータを記憶する。CPU464は、ROM462に記憶されているIPLプログラムにしたがい、外部記憶装置465からシステムプログラムおよびアプリケーションプログラムを、RAM463に展開し、そのシステムプログラムの制御の下、アプリケーションプログラムを実行することで、I/F461から供給される符号化データについての、後述するような復号処理を行う。
【0193】
外部記憶装置465は、例えば、磁気ディスク471、光ディスク472、光磁気ディスク473、または半導体メモリ474などでなり、上述したように、CPU464が実行するシステムプログラムやアプリケーションプログラムを記憶している他、CPU464の動作上必要なデータも記憶している。
【0194】
なお、I/F461,ROM462,RAM463,CPU464、および外部記憶装置465は、相互にバスを介して接続されている。
【0195】
以上のように構成される受信装置44においては、I/F461に受信機/再生装置466から符号化データが供給されると、その符号化データは、CPU464に供給される。CPU464は、符号化データを復号し、その結果得られる復号データを、I/F461に供給する。I/F461は、復号データ(画像データ)を受信すると、それを、図示せぬディスプレイ等に出力し、表示させる。
【0196】
図33は、図32の受信装置44の受信機/再生装置466を除く部分の機能的な構成例を示している。
【0197】
受信機/再生装置466においては、記録媒体42に記録された符号化データが再生されるか、または伝送路43を介して伝送されてくる符号化データ(処理対象データ)が受信され、補正データ(最適圧縮データ)は、クラス分類用ブロック化回路573、縮小画像作成部571、予測係数生成部572、および予測値計算用ブロック化回路577に供給される。
【0198】
クラス分類用ブロック化回路573、ADRC処理回路574、クラス分類回路575、予測回路576、または予測値計算用ブロック化回路577は、図20のローカルデコード部114におけるクラス分類用ブロック化回路261、ADRC処理回路264、クラス分類回路265、予測回路266、または予測値計算用ブロック化回路262と、それぞれ同様に構成されている。また、縮小画像作成部571と予測係数生成部572は、図6(図14、図17)の縮小画像作成部112と予測係数生成部113と同様に構成されている。
【0199】
そこで、本明細書においては、クラス分類用ブロック化回路573、ADRC処理回路574、クラス分類回路575、予測回路576、予測値計算用ブロック化回路577、縮小画像作成部571、および予測係数生成部572の構成として、上述したクラス分類用ブロック化回路261、ADRC処理回路264、クラス分類回路265、予測回路266、予測値計算用ブロック化回路262、縮小画像作成部112、および予測係数生成部113に関して、説明した構成をそのままそれらの回路の構成としても引用する。従って、これらのブロックにおいては、図14、図17、および図20における場合と同様の処理が行われる。
【0200】
予測値計算用ブロック化回路577からは予測値計算用ブロックが出力され、また、クラス分類回路575からはクラス情報が出力される。これらの予測値計算用ブロックおよびクラス情報は、予測回路576に供給される。
【0201】
なお、図17における場合と同様に、画像が細かく分割されている場合、クラス分類処理は省略することができる。
【0202】
縮小画像作成部571により補正データから第2の圧縮データが生成され、補正データと第2の圧縮データに基づいて、予測係数生成部572により生成された予測係数は、予測回路576のメモリ576Aに供給され、記憶される。
【0203】
予測回路576は、クラス分類回路575から供給されるクラス情報に対応した25×9個の予測係数を、メモリ576Aから読み出し、その25×9個の予測係数と、予測値計算用ブロック化回路577から供給される5×5画素の予測値計算用ブロック251を構成する補正データとを用い、式(1)にしたがって、原画像の3×3画素の予測値を算出し、そのような予測値で構成される画像を、復号画像として、例えば、1フレーム単位で出力する。この復号画像は、上述したように、元の画像とほぼ同一の画像となる。
【0204】
次に、図33の受信装置44の復号処理について、図34のフローチャートを参照して説明する。
【0205】
最初に、ステップS160において、受信機/再生装置466は、記録媒体42または伝送路43から符号化データを取得する。ステップS161において、縮小画像作成部571は、受信機/再生装置466により取得された補正データに基づいて、縮小画像を作成する。ステップS162において、予測係数生成部572は、予測係数を生成する。以上の処理は、図6の縮小画像作成部112と予測係数生成部113が実行する図15と図18のフローチャートに示される処理と同様の処理である。
【0206】
ステップS163において、クラス分類用ブロック化回路573は、クラス分類用ブロック化処理を行い、クラス分類用ブロックをADRC処理回路574に供給する。
【0207】
ステップS164において、ADRC処理回路574は、クラス分類用ブロック化回路573より供給されたクラス分類用ブロックの補正データを1ビットADRC処理し、クラス分類回路575に出力する。
【0208】
クラス分類回路575は、ステップS165において、ADRC処理回路574より供給されたデータに基づいて、クラス分類処理を行い、クラスコードを予測回路576に出力する。
【0209】
ステップS166において、予測回路576は、メモリ576Aに記憶されている、クラスコードに対応する予測係数を読み出す。
【0210】
予測値計算用ブロック化回路577は、ステップS167において、補正データの中から、予測値計算用ブロックを構成する補正データを抽出する。
【0211】
ステップS168において、予測回路576は、ステップS166の処理で読み出した、クラス分類回路575から供給されるクラス情報に対応した25×9個の予測係数と、予測値計算用ブロック化回路577から供給される25個の予測値計算用ブロックを構成する補正データとを用い、式(1)に従って、原画像の3×3画素の予測値を算出する。
【0212】
その後、ステップS169に進み、予測回路576は、ステップS168の処理で算出した予測値を復号結果として出力する。これらのステップS163乃至S169の処理は、基本的に、図27のステップS121乃至S126の処理と同様の処理である。
【0213】
なお、受信側においては、図33に示すような受信装置44でなくても、間引きされた画像を単純な補間により復号する装置により、予測係数を用いずに、復号画像を得ることができる。但し、この場合に得られる復号画像は、画質(解像度)が劣化したものとなる。
【0214】
以上、本発明を適用した画像処理装置について説明したが、このような画像処理装置は、例えば、NTSC方式などの標準方式のテレビジョン信号を符号化する場合の他、データ量の多い、いわゆるハイビジョン方式のテレビジョン信号などを符号化する場合に、特に有効である。
【0215】
なお、本実施の形態においては、誤差情報として、誤差の自乗和を用いるようにしたが、誤差情報としては、その他、例えば、誤差の絶対値和や、その3乗以上したものの和などを用いるようにすることが可能である。いずれを誤差情報として用いるかは、例えば、その収束性などに基づいて決定するようにすることが可能である。
【0216】
また、本実施の形態では、誤差情報が、所定の閾値ε以下になるまで、圧縮データの補正を繰り返し行うようする場合において、圧縮データの補正の回数に、上限を設けるようにすることも可能である。即ち、例えば、リアルタイムで画像の伝送を行う場合などにおいては、1フレームについての処理が、所定の期間内に終了することが必要であるが、誤差情報は、そのような所定の期間内に収束するとは限らない。そこで、補正の回数に上限を設けることにより、所定の期間内に、誤差情報が閾値ε以下に収束しないときは、そのフレームについての処理を終了し(そのときにおける補正データを、符号化結果とし)、次のフレームについての処理を開始するようにすることが可能である。
【0217】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0218】
この記録媒体は、図5と図32に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク71,471(フロッピディスクを含む)、光ディスク72,472(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク73,473(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリ74,474などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM62,462や、ハードディスクなどで構成される。
【0219】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0220】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0221】
【発明の効果】
本発明によれば、予測係数を受信側で生成することができ、伝送する必要がなくなり、データの伝送効率を向上させることができる。そして、より原画像に近い復号画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の画像圧縮処理を行う装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の送信装置における圧縮処理を説明する図である。
【図4】図2における受信装置の復号処理を説明する図である。
【図5】図2の送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】図2の送信装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【図7】図6の送信装置の動作を説明するフローチャートである。
【図8】単純間引き処理を説明するフローチャートである。
【図9】単純間引き処理を説明する図である。
【図10】画像平均処理を説明するフローチャートである。
【図11】画像平均処理を説明する図である。
【図12】図6の補正部の構成例を示すブロック図である。
【図13】図12の補正部の動作を説明するフローチャートである。
【図14】図6の予測係数生成部の構成を示すブロック図である。
【図15】図14の予測係数生成部の処理を説明するフローチャートである。
【図16】図15のステップS92における画像の分割を説明する図である。
【図17】図14の学習部と予測係数作成部のより詳細な構成例を示すブロック図である。
【図18】図17の学習部と予測係数作成部の処理を説明するフローチャートである。
【図19】原画像、第1の縮小画像および第2の縮小画像の関係を説明する図である。
【図20】図6のローカルデコード部の構成例を示すブロック図である。
【図21】クラス分類用ブロックを説明する図である。
【図22】クラス分類用ブロックの他の例を説明する図である。
【図23】クラス分類処理を説明するための図である。
【図24】クラス分類処理を説明するための図である。
【図25】ADRC処理を説明するための図である。
【図26】ADRC処理を説明するための図である。
【図27】図20のローカルデコード部の動作を説明するフローチャートである。
【図28】図6の誤差算出部の構成例を示すブロック図である。
【図29】図28の誤差算出部の動作を説明するフローチャートである。
【図30】図6の制御部の構成例を示すブロック図である。
【図31】図30の制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図32】図2の受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図33】図2の受信装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【図34】図33の受信装置の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
41 送信装置, 42 記録媒体, 43 伝送路, 44 受信装置, 110 縮小画像生成部, 111 補正部, 112 縮小画像作成部, 113 予測係数生成部, 114 ローカルデコード部, 115 誤差算出部, 116 制御部, 117 多重化部, 131 補正回路, 132 補正値ROM, 151 画像分割部, 152−1乃至152−n 学習部, 153−1乃至153−n 予測係数作成部, 171 教師用ブロック化回路, 172 教師データメモリ, 173 学習用ブロック化回路, 174 ADRC処理回路, 175 クラス分類回路, 176 学習データメモリ, 177 演算回路, 261 クラス分類用ブロック化回路, 262 予測値計算用ブロック化回路, 263 クラス分類適応処理回路, 264 ADRC処理回路, 265 クラス分類回路, 266 予測回路, 351 ブロック化回路, 352 自乗誤差算出回路, 353,354 演算器, 355積算部, 356 メモリ, 361 補正データメモリ, 362 誤差情報メモリ, 363 制御回路, 364 比較回路, 571 縮小画像作成部, 572 予測係数生成部, 573 クラス分類用ブロック化回路, 574 ADRC処理回路, 575 クラス分類回路, 576 予測回路, 576A メモリ, 577 予測値計算用ブロック化回路

Claims (16)

  1. 原画像の画素数を少なくすることにより圧縮し、第1の圧縮データを生成する第1の圧縮手段と、
    前記第1の圧縮手段により生成された前記第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された前記原画像の予測値の前記原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで、前記補正データを生成する補正手段と、
    前記補正手段により生成された前記補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する第2の圧縮手段と、
    前記第2の圧縮手段により生成された前記第2の圧縮データから前記補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、前記第2の圧縮データを代入することにより演算された前記補正データの予測値と、前記補正手段により生成された前記補正データとの誤差を最小にするように、前記第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成手段と、
    前記予測係数生成手段により生成された前記第1の予測係数を、前記補正手段により生成された前記補正データから前記原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、前記補正データと前記第2の予測係数を前記第2の予測式に代入することで前記原画像の予測値を生成する予測手段と、
    前記予測手段により生成された前記原画像の予測値の、前記原画像に対する前記予測誤差を算出する予測誤差算出手段と、
    前記補正データを出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする画像符号化装置。
  2. 前記予測手段は、前記第2の予測係数と、前記補正データとの線形結合により、前記原画像の予測値を演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
  3. 前記補正手段により生成された前記補正データを、その値に基づく性質に応じて所定のクラスに分類する第1のクラス分類手段をさらに備え、
    前記予測手段は、前記第1のクラス分類手段により分類された前記クラスに対応する前記第2の予測係数と前記補正データとを、前記第2の予測式に代入することで前記原画像の予測値を演算し、
    前記予測係数生成手段は、
    前記第2の圧縮手段により生成された第2の圧縮データを、その値に基づく性質に応じて所定のクラスに分類する第2のクラス分類手段を有し、
    前記第2のクラス分類手段により分類された前記クラスごとに、前記第1の予測係数を演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
  4. 前記予測誤差算出手段により算出された前記予測誤差が所定の値以下であるか、または補正回数が所定回数以上であるかのいずれかである場合、前記補正データが適正であると判定する判定手段をさらに備え、
    前記出力手段は、前記判定手段により前記補正データが適正であると判定された場合、前記補正データを出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
  5. 前記第2の圧縮手段により生成された前記第2の圧縮データを複数の領域に分割する分割手段をさらに備え、
    前記予測係数生成手段は、前記補正手段により生成された前記補正データと、前記分割手段により前記領域毎に分割された前記第2の圧縮データを用いて、前記第1の予測係数を、前記領域毎に演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
  6. 原画像の画素数を少なくすることにより圧縮し、第1の圧縮データを生成する第1の圧縮ステップと、
    前記第1の圧縮ステップの処理により生成された前記第1の圧縮データの画素値を補正 した補正データから予測された前記原画像の予測値の前記原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで、前記補正データを生成する補正ステップと、
    前記補正ステップの処理により生成された前記補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する第2の圧縮ステップと、
    前記第2の圧縮ステップの処理により生成された前記第2の圧縮データから前記補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、前記第2の圧縮データを代入することにより演算された前記補正データの予測値と、前記補正ステップにおいて生成された前記補正データとの誤差を最小にするように、前記第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成ステップと、
    前記予測係数生成ステップの処理により生成された前記第1の予測係数を、前記補正ステップにおいて生成された前記補正データから前記原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、前記補正データと前記第2の予測係数を前記第2の予測式に代入することで前記原画像の予測値を生成する予測ステップと、
    前記予測ステップの処理により生成された前記原画像の予測値の、前記原画像に対する前記予測誤差を算出する予測誤差算出ステップと、
    前記補正データを出力する出力ステップと
    を含むことを特徴とする画像符号化方法。
  7. 原画像の画素数を少なくすることにより圧縮し、第1の圧縮データを生成する第1の圧縮ステップと、
    前記第1の圧縮ステップの処理により生成された前記第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された前記原画像の予測値の前記原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで、前記補正データを生成する補正ステップと、
    前記補正ステップの処理により生成された前記補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する第2の圧縮ステップと、
    前記第2の圧縮ステップの処理により生成された前記第2の圧縮データから前記補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、前記第2の圧縮データを代入することにより演算された前記補正データの予測値と、前記補正ステップにおいて生成された前記補正データとの誤差を最小にするように、前記第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成ステップと、
    前記予測係数生成ステップの処理により生成された前記第1の予測係数を、前記補正ステップにおいて生成された前記補正データから前記原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、前記補正データと前記第2の予測係数を前記第2の予測式に代入することで前記原画像の予測値を生成する予測ステップと、
    前記予測ステップの処理により生成された前記原画像の予測値の、前記原画像に対する前記予測誤差を算出する予測誤差算出ステップと、
    前記補正データを出力する出力ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  8. 原画像の画素数を少なくすることにより圧縮し、第1の圧縮データを生成する第1の圧縮ステップと、
    前記第1の圧縮ステップの処理により生成された前記第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された前記原画像の予測値の前記原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで、前記補正データを生成する補正ステップと、
    前記補正ステップの処理により生成された前記補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する第2の圧縮ステップと、
    前記第2の圧縮ステップの処理により生成された前記第2の圧縮データから前記補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、前記第2の圧縮データを代入することにより演算された前記補正データの予測値と、前記補正ステップにおいて生成された前記補正データとの誤差を最小にするように、前記第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成ステップと、
    前記予測係数生成ステップの処理により生成された前記第1の予測係数を、前記補正ステップにおいて生成された前記補正データから前記原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、前記補正データと前記第2の予測係数を前記第2の予測式に代入することで前記原画像の予測値を生成する予測ステップと、
    前記予測ステップの処理により生成された前記原画像の予測値の、前記原画像に対する前記予測誤差を算出する予測誤差算出ステップと、
    前記補正データを出力する出力ステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  9. 原画像の画素数を少なくすることにより圧縮することで生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された前記原画像の予測値の前記原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで生成された補正データを復号する画像復号装置において、
    前記補正データを取得する取得手段と、
    前記補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する圧縮手段と、
    前記圧縮手段により生成された前記第2の圧縮データから前記補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、前記第2の圧縮データを代入することにより演算された前記補正データの予測値と、前記取得手段により取得された前記補正データとの誤差を最小にするように、前記第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成手段と、
    前記予測係数生成手段により生成された前記第1の予測係数を、前記取得手段により取得された前記補正データから前記原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、前記補正データと前記第2の予測係数を前記第2の予測式に代入することで前記原画像の予測値を生成する予測手段と
    を備えることを特徴とする画像復号装置。
  10. 前記予測手段は、前記第2の予測係数と、前記補正データとの線形結合により、前記原画像の予測値を演算する
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像復号装置。
  11. 前記取得手段により取得された前記補正データを、その値に基づく性質に応じて所定のクラスに分類する第1のクラス分類手段をさらに備え、
    前記予測手段は、前記第1のクラス分類手段により分類された前記クラスに対応する前記第2の予測係数と前記補正データとを、前記第2の予測式に代入することで前記原画像の予測値を演算し、
    前記予測係数生成手段は、
    前記圧縮手段により生成された第2の圧縮データを、その値に基づく性質に応じて所定のクラスに分類する第2のクラス分類手段を有し、
    前記第2のクラス分類手段により分類された前記クラスごとに、前記第1の予測係数を演算する
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像復号装置。
  12. 前記圧縮手段により生成された前記第2の圧縮データを複数の領域に分割する分割手段をさらに備え、
    前記予測係数生成手段は、前記補正データと、前記分割手段により前記領域毎に分割された前記第2の圧縮データを用いて、前記原画像を予測するのに用いる前記第1の予測係数を、前記領域毎に演算する
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像復号装置。
  13. 原画像の画素数を少なくすることにより圧縮することで生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された前記原画像の予測値の前記原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで生成された補正データを復号する画像復号装置の画像復号方法において、
    前記補正データを取得する取得ステップと、
    前記補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する圧縮ステップと、
    前記圧縮ステップの処理により生成された前記第2の圧縮データから前記補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、前記第2の圧縮データを代入することにより演算された前記補正データの予測値と、前記取得ステップの処理により取得された前記補正データとの誤差を最小にするように、前記第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成ステップと、
    前記予測係数生成ステップの処理により生成された前記第1の予測係数を、前記取得ステップの処理により取得された前記補正データから前記原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、前記補正データと前記第2の予測係数を前記第2の予測式に代入することで前記原画像の予測値を生成する予測ステップと
    を含むことを特徴とする画像復号方法。
  14. 原画像の画素数を少なくすることにより圧縮することで生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された前記原画像の予測値の前記原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで生成された補正データを復号する画像復号装置のプログラムであって、
    前記補正データを取得する取得ステップと、
    前記補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する圧縮ステップと、
    前記圧縮ステップの処理により生成された前記第2の圧縮データから前記補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、前記第2の圧縮データを代入することにより演算された前記補正データの予測値と、前記取得ステップの処理により取得された前記補正データとの誤差を最小にするように、前記第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成ステップと、
    前記予測係数生成ステップの処理により生成された前記第1の予測係数を、前記取得ステップの処理により取得された前記補正データから前記原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、前記補正データと前記第2の予測係数を前記第2の予測式に代入することで前記原画像の予測値を生成する予測ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録され
    ている記録媒体。
  15. 原画像の画素数を少なくすることにより圧縮することで生成された第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された前記原画像の予測値の前記原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで生成された補正データを復号する画像復号装置を制御するコンピュータに、
    前記補正データを取得する取得ステップと、
    前記補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する圧縮ステップと、
    前記圧縮ステップの処理により生成された前記第2の圧縮データから前記補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、前記第2の圧縮データを代入することにより演算された前記補正データの予測値と、前記取得ステップの処理により取得された前記補正データとの誤差を最小にするように、前記第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する予測係数生成ステップと、
    前記予測係数生成ステップの処理により生成された前記第1の予測係数を、前記取得ステップの処理により取得された前記補正データから前記原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、前記補正データと前記第2の予測係数を前記第2の予測式に代入することで前記原画像の予測値を生成する予測ステップと
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  16. 画像符号化装置および画像復号装置からなる画像処理システムにおいて、
    前記画像符号化装置は、
    原画像の画素数を少なくすることにより圧縮し、第1の圧縮データを生成する第1の圧縮手段と、
    前記第1の圧縮手段により生成された前記第1の圧縮データの画素値を補正した補正データから予測された前記原画像の予測値の前記原画像に対する予測誤差が収束するように繰り返し補正することで、前記補正データを生成する補正手段と、
    前記補正手段により生成された前記補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する第2の圧縮手段と、
    前記第2の圧縮手段により生成された前記第2の圧縮データから前記補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、前記第2の圧縮データを代入することにより演算された前記補正データの予測値と、前記補正手段により生成された前記補正データとの誤差を最小にするように、前記第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する第1の予測係数生成手段と、
    前記第1の予測係数生成手段により生成された前記第1の予測係数を、前記補正手段により生成された前記補正データから前記原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、前記補正データと前記第2の予測係数を前記第2の予測式に代入することで前記原画像の予測値を生成する第1の予測手段と、
    前記第1の予測手段により生成された前記原画像の予測値の、前記原画像に対する前記予測誤差を算出する第1の予測誤差算出手段と、
    前記補正データを出力する出力手段と
    を備え、
    前記画像復号装置は、
    前記補正データを取得する取得手段と、
    前記補正データを、その数を少なくすることにより圧縮し、第2の圧縮データを生成する第3の圧縮手段と、
    前記圧縮手段により生成された前記第2の圧縮データから前記補正データの予測値を演算するための第1の予測式に、前記第2の圧縮データを代入することにより演算された前記補正データの予測値と、前記取得手段により取得された前記補正データとの誤差を最小にするように、前記第1の予測式の係数である第1の予測係数を演算する第2の予測係数生成手段と、
    前記第2の予測係数生成手段により生成された前記第1の予測係数を、前記取得手段により取得された前記補正データから前記原画像の予測値を演算するための第2の予測式の係数である第2の予測係数とし、前記補正データと前記第2の予測係数を前記第2の予測式に代入することで前記原画像の予測値を生成する第2の予測手段と
    を備える
    ことを特徴とする画像処理システム。
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