JP4016112B2 - 運動情報−神経情報変換装置及び方法、運動情報−神経情報変換プログラム及び該プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

運動情報−神経情報変換装置及び方法、運動情報−神経情報変換プログラム及び該プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、運動情報−神経情報変換装置及び方法、運動情報−神経情報変換プログラム及び該プログラムを記録した記録媒体に関する。
ヒトは、他人の動作を外から観察して、その人の内部状態をある程度推測することができる。例えば、話をよく聞いているかそれともうわの空であるか、緊張しているかあるいはリラックスしているか、といったことがある程度分かる。このような機能を実現する仕組みを明らかにし、計算機上に実装することができれば、人が考えていることや感じていることを踏まえた上で人に働きかけをするロボットや情報システムを作ることができる。現在、脳の大局的な活動状態を非侵襲で計測することが技術的に可能である。脳の活動に必要なエネルギーを供給する血流の大きさや、神経信号が伝達する際に生じる磁場を可視化することができる。また、微小な電極を神経に埋め込むことによって、神経の発火状態を直接検出することも可能である。しかし、脳や神経の活動状態を明らかにしても、その人が何を考えているか、何を感じているかが直接分かるわけではない。むしろ、脳や神経によって制御されている器官、例えば筋の運動を計測することによって、ヒトの意識的あるいは潜在的な心の状態を知ることができる可能性がある。
ヒトの動作は、複数の筋が協調することにより生じる。従って、筋一本ずつの運動だけでなく、全身に分布する筋の協調状態によって、動作を評価することができると考えられる。人は緊張するとぎこちない動きをすることがあるが、このぎこちない動きとは、筋の協調状態が不均衡である結果と捉えることができるからである。ベルンシュタインは、運動器官が冗長な自由度を有することを指摘し、これを制御可能なシステムへと転換することを協応と定義した。そして、冗長な自由度を克服するためには、感覚器官、特に筋や腱、関節に内在する感覚器官からの情報に基づいて運動を調節することが不可欠であるとし、感覚調整の原理と呼んだ。
本発明の目標は、これまで動作の観測により定性的に議論されてきたヒトの感覚と運動の問題を、計算によって定量的に扱う手法を明らかにすることである。このことを通じ、人の内部状態に外側から近づくことを目指す。骨の幾何データと筋・腱・靭帯のデータを有する身体の詳細なモデルに対して順・逆動力学計算を高速に実行する手法が提案されている(非特許文献1)。身体運動を計測して、筋・腱・靭帯の長さや、これらの運動器官に発生する張力を計算する研究はこれまでも数多く行われてきた。人体筋骨格モデルの運動を解析したりシミュレートしたりするシステムとして、DelpらのSIMM、RasmussenらのAnyBodyなどが商品化されている。
一般に、視覚、聴覚などに比べ、体性感覚などの力学メディアの知覚情報処理手法は遅れていることが指摘されている。以下に、身体モデルおよび身体モデルと結合する神経系モデルに関する従来技術について概観する。
中村らは、骨の幾何データと筋・腱・靭帯のデータを有する身体の詳細なモデルに対して順・逆動力学計算を高速に実行する手法を提案している(特許文献1、2)。この手法により、人間の運動を外から観測して、筋・腱・靭帯の長さ変化や、これらの運動器官に発生する張力を計算することができるようになっている。
川人らは、計算機内の世界で身体の一部または全部のモデルである仮想身体をあたかも自分の分身であるかのように自然に制御し、位置のみならず力、速度、加速度を自由に操れるようなヒューマンインタフェース装置を提案している(特許文献3)。
また、長谷らは3次元筋骨格系と階層的神経系を有する2足歩行モデル(非特許文献2)を、萩原らは実歩行計測データから歩行神経回路網(非特許文献3)をそれぞれ提案した。
特開2003−339673 特開2004−013474 特開平07−028592 Y. Nakamura et. al. Dynamic computation of musculo-skeletal humanmodel based on efficient algorithm for closed kinematic chains. In Proceedings ofthe 2nd International Symposium on Adaptive Motion of Animals and Machines、 2003. 長谷和徳、西口純也、山崎信寿 3次元筋骨格系と階層的神経系を有する2足歩行モデル バイオメカニズム15−形と動きの探求―、バイオメカニズム学会編、東大出版会、pp.187-198、(2000)。 萩原直道、山崎信寿 実歩行計測データからの歩行神経回路網の推定 バイオメカニズム15−形と動きの探求―、バイオメカニズム学会編、東大出版会、pp.175-186、(2000)
これら従来の技術は、骨格筋配置を外科的に変更した場合筋力が受ける影響の検討、製品を人間が用いる際の作業空間の評価といった、医学や人間工学あるいはスポーツ科学への応用を目的としたものである。このため、運動器官に内在する感覚器官の発生する情報が、神経系を通じて運動器官に到達する経路について、十分に検討されてこなかった。
上述で概観した従来技術において、中村らのモデルに神経系は含まれていない。また、川人らでは、ヒューマンインタフェース装置を実現するために、神経回路を含む非線形ダイナミクスモデルを仮想身体に結合しているが、神経回路は末梢神経系の構造を考慮していない。さらに、長谷らの技術については、いずれも神経筋骨格系モデルを提案するものであるが、筋肉を直接支配するα運動ニューロンと筋肉とが一対一に直結しており、複数の脊髄から同一の筋肉へ結合する冗長構造が考慮されていない。そして、一つの神経束から複数の筋肉へ結合する分岐構造などは考慮されていない。このため、同一の神経に支配される筋群、あるいは、同一脊髄神経に支配される筋群といった概念が、モデルに含まれていない。
一般に、筋・腱・靭帯を含む運動器官やその他の器官と中枢神経系(脳)とは、末梢神経系を介して結合している。この末梢神経系は、冗長な分岐構造を有する。機構的あるいは機能的に近い器官と結合する神経同士束ねられて太い神経になっている。また、機構的あるいは機能的に関連のある器官と結合する神経が同一脊髄から結合している。従来技術はこのような解剖学的構造を考慮に入れてこなかったため、次のような課題があった。
・神経支配による器官同士の機構的あるいは機能的関係を扱うことができない
・運動神経が発生する物理的な量(客観的な量)から、人間がどのように感じているかという感覚的な量を検出することができない
これは、人間の脳が運動器官からどのような信号を受け取り、どのように処理するかという観点が欠けていたことに起因していると考えられる。
本発明は、以上の点に鑑み、全身の筋や腱などの運動情報から神経情報を検出し提示する手法を提供することを目的とする。本発明は、感覚と運動とをつなぐ脊髄神経に注目し、その筋支配構造をモデル化することを目的とする。また、本発明は、これに基づいて、運動時に脊髄を流れる神経情報を、脊髄を輪切りにした画像として可視化することを目的とする。
本発明の第1の解決手段によると、
神経番号、脊髄名、筋名、脊髄と筋肉との間の神経線名または神経線名列を対応して記憶した表と、且つ、神経線名の始点と終点の座標を対応して記憶した表を含む神経幾何データファイルと、
末梢神経名と神経線名または神経線名列とを対応して記憶し、神経線名と伝導速度を対応して記憶する神経特徴データファイルと、
神経番号に対し神経伝導時間を記憶した神経伝導時間データファイルと、
筋名に対して、筋を支配する脊髄名と末梢神経名を対応して記憶した神経−筋対応データファイルと、
脊髄神経系を、脊髄を根とし、筋を葉とする木構造で表現した神経分岐データファイルと、
筋順位に対して、左右・伸筋屈筋の別・筋部位の分類を含む筋の特徴を表す情報とを対応して記憶した筋順位データファイルと、
筋名と、左右・伸筋屈筋の別・筋部位の分類を含む筋の特徴を表す情報を対応して記憶した筋特徴データファイルと、
対応する屈筋群と伸筋群に属する筋名を記憶した伸筋−屈筋対応データファイルと、
時刻に対する筋運動情報を記憶した筋運動データファイルと、
神経番号に対し、脊髄断面における神経の空間配置を記憶した脊髄神経断面座標データファイルと、
各前記ファイルに対して読出し及び/又は書き込みを行い、神経の空間配置又は時空間配置を求め、運動情報から神経情報に変換するための処理部と
を備え、
処理部は、入力部又は他の装置から、神経断面を表す脊髄名、運動データ、表示形式を設定する手段と、
処理部は、神経幾何データファイルから、設定された脊髄名に基づき、各神経番号について、脊髄名、脊髄神経を支配する筋名、ひとつ又は複数の神経線名を抽出する手段と、
処理部は、抽出した神経線名に基づき、神経幾何データファイルを参照して、神経線の始点名と終点名を求め、始点名及び終点名の座標を検索することにより、各神経線名の神経線の長さを計算する手段と、
処理部は、計算された各神経線の長さと、神経線名に従い神経特徴データファイルから読み出した神経伝導速度に基づき、ひとつ又は複数の神経線で表された任意の脊髄から任意の筋までの神経路の神経信号伝導時間を計算する手段と、
処理部は、神経番号に対応して神経信号伝導時間を神経伝導時間データに記憶する手段と、
処理部は、設定された脊髄名に基づき、神経−筋対応データファイルを参照して該脊髄名の脊髄を支配する筋名と末梢神経を抽出してデータを形成し、形成したデータを末梢神経により分類する手段と、
処理部は、筋特徴データファイルを参照して、各データの筋名に対する左右・伸筋屈筋の別・筋部位分類を求め、各データを伸筋・屈筋で分類する手段と、
処理部は、神経分岐データファイルを参照して、各データを同一末梢神経内で木構造の根元から分岐する葉順に並び替える手段と、
処理部は、各データの筋名により神経幾何データファイルから神経番号を求め、神経番号により神経伝導時間データを参照して神経伝導時間を求めて、各データを同一部位の異なる末梢神経間で伝導時間が短い順に並び替える手段と、
処理部は、筋順位、左右、伸筋・屈筋、筋部位分類を対応して筋順位データファイルに記憶する手段と、
処理部は、筋順位データファイルから読み出した各筋を、左右、伸筋・屈筋、筋部位分類に基づき分類し、筋順位に従い、中心軸から離れるにつれて筋順位の高いものから低いものを並べ、設定された表示形式により予め定められた神経断面又は時空間に配置する手段と、
処理部は、神経断面又は時空間配置に従い、各神経番号に対する配置を表す脊髄断面座標データを作成し、脊髄神経断面座標データファイルに記憶する手段と
を備えた運動情報−神経情報変換装置が提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
神経番号、脊髄名、筋名、脊髄と筋肉との間の神経線名または神経線名列を対応して記憶した表と、且つ、神経線名の始点と終点の座標を対応して記憶した表を含む神経幾何データファイルと、
末梢神経名と神経線名または神経線名列とを対応して記憶し、神経線名と伝導速度を対応して記憶する神経特徴データファイルと、
神経番号に対し神経伝導時間を記憶した神経伝導時間データファイルと、
筋名に対して、筋を支配する脊髄名と末梢神経名を対応して記憶した神経−筋対応データファイルと、
脊髄神経系を、脊髄を根とし、筋を葉とする木構造で表現した神経分岐データファイルと、
筋順位に対して、左右・伸筋屈筋の別・筋部位の分類を含む筋の特徴を表す情報とを対応して記憶した筋順位データファイルと、
筋名と、左右・伸筋屈筋の別・筋部位の分類を含む筋の特徴を表す情報を対応して記憶した筋特徴データファイルと、
対応する屈筋群と伸筋群に属する筋名を記憶した伸筋−屈筋対応データファイルと、
時刻に対する筋運動情報を記憶した筋運動データファイルと、
神経番号に対し、脊髄断面における神経の空間配置を記憶した脊髄神経断面座標データファイルと、
各前記ファイルに対して読出し及び/又は書き込みを行い、神経の空間配置又は時空間配置を求め、運動情報から神経情報に変換するための処理部と
を備えた運動情報−神経情報変換装置における運動情報−神経情報変換プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
処理部は、入力部又は他の装置から、神経断面を表す脊髄名、運動データ、表示形式を設定するステップと、
処理部は、神経幾何データファイルから、設定された脊髄名に基づき、各神経番号について、脊髄名、脊髄神経を支配する筋名、ひとつ又は複数の神経線名を抽出するステップと、
処理部は、抽出した神経線名に基づき、神経幾何データファイルを参照して、神経線の始点名と終点名を求め、始点名及び終点名の座標を検索することにより、各神経線名の神経線の長さを計算するステップと、
処理部は、計算された各神経線の長さと、神経線名に従い神経特徴データファイルから読み出した神経伝導速度に基づき、ひとつ又は複数の神経線で表された任意の脊髄から任意の筋までの神経路の神経信号伝導時間を計算するステップと、
処理部は、神経番号に対応して神経信号伝導時間を神経伝導時間データに記憶するステップと、
処理部は、設定された脊髄名に基づき、神経−筋対応データファイルを参照して該脊髄名の脊髄を支配する筋名と末梢神経を抽出してデータを形成し、形成したデータを末梢神経により分類するステップと、
処理部は、筋特徴データファイルを参照して、各データの筋名に対する左右・伸筋屈筋の別・筋部位分類を求め、各データを伸筋・屈筋で分類するステップと、
処理部は、神経分岐データファイルを参照して、各データを同一末梢神経内で木構造の根元から分岐する葉順に並び替えるステップと、
処理部は、各データの筋名により神経幾何データファイルから神経番号を求め、神経番号により神経伝導時間データを参照して神経伝導時間を求めて、各データを同一部位の異なる末梢神経間で伝導時間が短い順に並び替えるステップと、
処理部は、筋順位、左右、伸筋・屈筋、筋部位分類を対応して筋順位データファイルに記憶するステップと、
処理部は、筋順位データファイルから読み出した各筋を、左右、伸筋・屈筋、筋部位分類に基づき分類し、筋順位に従い、中心軸から離れるにつれて筋順位の高いものから低いものを並べ、設定された表示形式により予め定められた神経断面又は時空間に配置するステップと、
処理部は、神経断面又は時空間配置に従い、各神経番号に対する配置を表す脊髄断面座標データを作成し、脊髄神経断面座標データファイルに記憶するステップと、
を含む運動情報−神経情報変換方法、各ステップをコンピュータに実行させるための運動情報−神経情報変換プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
本発明によると、全身の筋や腱などの運動情報から神経情報を検出し提示する手法を提案することができる。本発明によると、感覚と運動とをつなぐ脊髄神経に注目し、その筋支配構造をモデル化することができる。また、本発明によると、これに基づいて、運動時に脊髄を流れる神経情報を、脊髄を輪切りにした画像として可視化することができる。
A.脊髄(体性)神経系の筋支配モデルについて
1. 脊髄の解剖学的構造
神経系は機能的に、体性神経系と自律神経系とに分類される。体性神経系は、意識的な知覚、随意運動および情報の集成を行っている。自律神経系の主な役割は、外界の変化に応じて生体の内部環境を恒常的に維持し、器官の働きを調節することである。本発明では、体の動きを司る体性神経系に着目する。
1.1 脊髄神経系
図1に、脳と脊髄で構成されるヒトの中枢神経系の図を示す。
神経系は解剖学的に、中枢神経系と末梢神経系とで構成される。一般に中枢神経系というと脳を思い浮かべる。実際には、脳と脊髄とをあわせて中枢神経系という。一方、末梢神経系は、脳から直接器官に結合する脳神経と、脊髄から発して器官に結合する脊髄神経とで構成される。神経毎に支配する器官が異なるため、器官は支配する神経によって分類することができる。人では31対の脊髄神経が数えられ、頸神経(C)8対、胸神経(T)12対、腰神経(L)5対、仙骨神経(S)5対、尾骨神経(Coc)1対で構成される。これらの神経は脊椎骨の隙間を通って脊椎骨の外に出る。本発明では、全身の骨格筋の大部分を支配する脊髄の構造に着目する。
1.2 脊髄断面の構造と反射
図2に、脊髄断面と反射経路の説明図を示す。
脊髄を断面で見ると、蝶の形をした灰白質とこれを囲む白質とが観察される(図2、上部)。白質は脳と脊髄とをつなぐ神経の通り道となっている。灰白質は末梢神経と中枢神経との接合部分である。灰白質は後角と前角に区別される。後角は求心性、即ち感覚性のニューロンを含み、前角は遠心性、即ち運動性のニューロンを含む。求心性神経を通って知覚の興奮は後角細胞に伝えられ、これらの細胞から脳へ興奮が伝わる。この興奮は前角にある運動性ニューロンにも伝えられ、筋の運動を引き起こす。後者のように誘発された筋反応はよく知られたように反射と呼ばれる。例えば筋は一時的に伸長されると瞬間的な収縮が起こる。これを伸長反射と呼び、ある高さの脊髄において少数のニューロンを介して行われる。ここで筋の伸長を感知するのは筋紡錘である。筋紡錘は筋線維と平行して並んでおり、筋の長さと伸長の速度についての情報を、求心性神経を介して脊髄に送る。
1.3 脊髄の体性局在
図3に、脊髄灰白質の断面と前角の体性局在の説明図を示す。
運動器官に指令を送る灰白質の前角には、体の部位に応じた構成即ち体性局在が見られる。前角内側から外側に向かって1)体幹、2)体幹〜四肢、3)肢帯〜四肢、4)上腕、大腿、5)前腕、下腿、6)手および足の筋を支配するニューロンが配列しており、近位支配のニューロンが内側に、遠位支配のニューロンが外側に並ぶとされている。さらに、前角の背側には屈筋群支配ニューロン、腹側には伸筋支配ニューロンが配列する。
2. 運動感覚器官と支配神経
筋の伸長を感知するのは筋紡錘である。筋紡錘は筋繊維(錘外筋線維)と平行して並んでいる。筋が発生する力を感知するのはゴルジ腱器官である。この他の運動感覚器官として、関節にかかる力に応答する関節受容器や、筋と関節の痛みに応答する侵害受容器などがある。ここでは、筋運動情報をフィードバックする働きをもっている筋紡錘とゴルジ腱器官、およびその神経支配について述べる。
2.1 筋紡錘
筋紡錘は皮膜に包まれた錘内筋線維で構成され、中央がふくらんだ核袋線維と太さが一定な核鎖線維の二種類がある。筋紡錘を支配する求心性神経は、group Ia とgroup IIがある。前者は核袋線維と核鎖線維の両方にらせん状に巻きついており(一次終末)、後者は核鎖線維の表面に付着して(二次終末)それぞれ終わっている。一次終末は筋の長さが大きく変化する時に強く興奮し(動的反応)、筋が一定の長さに保たれる時に一定の発射を続ける(静的反応)。二次終末では動的反応はほとんど見られない。
一方、筋紡錘には遠心性の神経支配がある。筋を収縮させる遠心性神経はαモータニューロン、筋紡錘を収縮させる遠心性神経はγモータニューロンと呼ばれる。筋と筋紡錘の両方を収縮させる遠心性神経は、βモータニューロンである。特にγモータニューロンは、筋紡錘の感度調節を行う。γモータニューロンからの入力により錘内筋線維が収縮すると、感度が向上する。
求心性神経(group Ia、group II)と遠心性神経(α、β、γモータニューロン)を伝う信号を統合することで、筋長と伸長速度の情報が脊髄において得られることが分かる。
2.2 ゴルジ腱器官
ゴルジ腱器官を支配する求心性神経はgroup Ib と呼ばれる。筋の両端は腱となって骨に付着しており、筋と腱の接合部および腱の中にゴルジ腱器官が存在する。このうち、腱の中にあるゴルジ腱器官は筋全体にかかる力を検出する。
3. 運動情報から体性神経情報への写像
前節までに明らかになった、体性神経系、中でも脊髄神経を中心とする解剖学的構造についてまとめる。
1.全身運動をつかさどる筋は、支配する脊髄によって構造化されている。
2.脊髄の前角細胞から筋へ信号が送られる。筋紡錘およびゴルジ腱器官からのフィードバック信号は、脊髄の後角を通り一部は脳へ、一部は前角細胞へ送られる。
3.前角細胞には体部位局在が見られる。
筋長、筋伸長速度及び筋張力情報は、遠心性信号と求心性信号を統合する脊髄毎に束ねられ、支配筋の活動に影響を与える。運動中の筋運動情報を前角細胞の配列に沿って配置することで、脊髄に内在する神経情報に変換することができると考えられる。脊髄の中でも特に発達していることが知られている、第五頸神経(C5)部分の脊髄を例に取ってデータ構造を定義する。
図9に、第五頸神経(C5)に支配される筋肉の分類の説明図を示す。
この図は、C5が支配する筋を、前角細胞の配置ルールに従って順に並べたものである。図中、第一列は神経番号;第二列は筋肉の位置;第三列は伸筋屈筋の別;第四列は筋の名前(筋名)を表す。
そこでこれを二次元に展開する方法について述べる。x−y平面において原点を中心に第一、第二象限には屈筋を、第三、第四象限には伸筋を配置する。第一、第四象限には右半身の、第二、第三象限には左半身の筋を配置する。x座標の絶対値が小さい方から大きい方に向かって体幹に近い方から順に並べる。一つの筋が複数の筋で構成される場合は、y座標の絶対値が小さい方から大きい方に向かって体幹に近い方から順に並べる。
図4に、以上のルールに従って一辺の長さ1の升目を配置した、C5についての空間配置図を示す。(C5脊髄神経の体性局在における10フレーム毎の神経情報画像:フレームレートは30[frame/sec]である。)配置した升目に沿って、運動計測と計算によって得られた筋の長さ及び速度の情報を配置する。これまで述べた手順によって、運動情報から神経情報への写像を行うことができる。
従来、筋の制御系については、レンショウ細胞と運動単位を有するモデルや歩行制御モデル、小脳のモデルなどが提案されてきたが、脳神経系と筋骨格系の間をつなぐ脊髄レベルでの情報の分節構造や位相構造は考慮されてこなかった。本発明で提案した手法は、解剖学的構造を活用して感覚情報のデータ構造を定義することで、身体の内側から見た身体運動に迫ろうとするものである。イメージトレーニングにおいて、脳が実際に想起している運動指令、それにより得られる感覚信号のイメージを具体的に得る手がかりとなると考えられる。運動を行うとき、その運動により得られる感覚信号をあらかじめ想起する遠心性コピーが、運動指令と共に送られると考えられている。本実験で得られたイメージは、この遠心性コピーを形成する基となるイメージ列であると考えられる。
ベルンシュタインは、脊髄は脳から運動器官への信号伝達の単なる中継器であり、運動の制御はすべて脳の運動中枢へ移行したと述べた。現在では、脊髄は単なる中継器ではなく、運動機能を調整するための複雑な統合装置であることが知られている。出力側である前角へ来ている脳からの指令、あるいは感覚信号は、直接運動ニューロンには伝えられず、介在ニューロンに届く。この介在ニューロンは運動ニューロンに直接影響を及ぼしたり、あるいは筋受容器と運動ニューロンの間で行われる反射に介入して、抑制的または促進的に働いたりする。脊髄と脳が協調して、感覚に対する運動の調節に当たっているのである。
4.全身運動時脊髄神経情報の計測と計算
本発明を実施した際に得られる動画像を実験により確かめた。袈裟斬り動作(足を一歩踏み込みながら剣を振りかぶり、斜めに大きく振り下ろす動作)について例示する。
4.1 袈裟斬り動作
図5に、対角に剣を振り下ろす袈裟斬り動作の説明図を示す。
袈裟斬りは、正面に袈裟を着た人間が立っていると仮定して、袈裟の襟首から胸元に沿って剣を斜め下に振り下ろす動作である。剣士から見て左上から右下に斬る場合、以下のような手順で動作する。
1.視線は常に正面を向き、剣の根元は常に正中線の正面に位置するよう保つ。右足を前、左足を後ろに、剣を左斜め前に構える(図5(a))。
2.剣を右上に振り上げ、頭上を素早く通過させ、剣先を左上まで移動させる。この時、両足を踏みかえる (その場で斬る場合)(図5(b)−(d))。
3.剣を左上から右下へ真直ぐに、正面で速度が大きくなるよう振り下ろす(図5(d)−(f))。この時、肩の力をできるだけ抜いて剣に働く重力で剣先を加速させる。
4.剣が右下まで到達したら、剣を素早く静止する。静止した時、左足は前、右足は後ろに位置している(図5(f))。
以上のように、袈裟斬りは典型的な全身協調動作であり、習熟を要する。
4.2 動作計測と筋運動情報の計算
光学式モーションキャプチャシステムを用いて袈裟斬り動作中における全身に配置したマーカの三次元位置を計測した。逆運動学計算により人体筋骨格モデルの関節角・筋長を、逆動力学計算により筋張力をそれぞれ求め、33[msec]毎の時系列データを得た。筋長は直立姿勢時の長さで割り、正規化した。人体の筋骨格モデル(非特許文献1)は、366の筋、91の腱、34の靭帯、56の軟骨、53の骨群から構成される。
4.3 脊髄神経情報の計算
全身の筋長および筋張力データの中から、第五頸神経(C5)が支配する筋のデータを抽出し、長さについては直立姿勢の筋長で正規化した上で、前節の方法で神経情報に写像した。値の大きさは輝度で表現した。
図6に、袈裟斬り動作時のC5脊髄神経における10フレーム毎の神経情報画像の図(1)を示す(フレームレートは30[frame/sec]、支配筋の長さがコード化されている)。
この図は、袈裟斬り動作時に支配筋からC5部分の脊髄へフィードバックされる筋長を表す脊髄神経情報パターンの変化を示す。C5は主として上半身の筋、特に胸部と肩と上腕を支配する。いずれも、袈裟斬り動作時にダイナミックに伸縮する部分である。左斜め下方から右斜め上方に剣を振りかぶる際、左側の体幹に配置する前鋸筋(図9の10: Mus.SerratusAnterior)が引き伸ばされる。このため、中心座標が(x,y)=(−0.5,0.5)の領域の輝度が高かった(40[frame])。剣を振りかぶった状態で頭上を通過し、左斜め上方から振り下ろす際、右側の同筋が引き伸ばされるため、中心座標が(x,y)=(0.5,0.5)の領域の輝度が高くなった(60[frame])。
図7及び図8に、それぞれ、袈裟斬り動作時のC5脊髄神経における10フレーム毎の神経情報画像の図(2)及び(3)を示す(フレームレートは30[frame/sec]、図7は、支配筋の伸長速度がコード化されており、図8は、支配筋の張力がコード化されている)。
図示のように、筋伸長速度、筋張力についても同様に、C5部分の脊髄に内在する神経情報の分布を表す画像列が得られた。図6から8は袈裟斬り動作を例として取り上げたものであり、そのほかの動作についても適用可能である。
B.運動情報−神経情報変換装置
1.ハードウェア
図10は、本装置の接続関係を示す概略構成図である。
本装置は、モーションキャプチャ装置10、運動情報計算装置20、運動情報−神経情報変換装置30、提示装置40、記憶装置50を備える。記憶装置50には、三次元位置、運動情報、神経情報等が記憶される。
モーションキャプチャ装置10は、人間の三次元位置を計測し、三次元位置を記憶装置50に記憶する(市販:VICONなど)。運動情報計算装置20は、モーションキャプチャ装置10の計測結果から筋・腱・靭帯等運動器官の長さ及び発生力(運動情報)を計算し、運動情報を記憶装置50に記憶する(市販:SIMMなど)。運動情報−神経情報変換装置30は、人間の神経系の構造機能モデルに基づいて、運動情報計算装置20で得られる運動情報を神経情報に変換し、神経情報を記憶装置50に記憶する。記憶装置50は、外部装置として記載しているが、各装置10〜30の内部に備えて、各情報を受け渡しする構成としてもよい。また、提示装置40は、運動情報−神経情報変換装置30の内部の表示装置を用いてもよい。
なお、図中、実線はオンライン、点線はオフラインによる処理をそれぞれ示すが、適宜オンライン又はオフラインの処理に変更することができる。
図11に、運動情報−神経情報変換装置30のハード構成図を示す。
この装置は例えば、オフライン・脊髄断面画像表示の場合のハード構成を示し、表示部31、入力部32、処理部(CPU)33、インタフェース部(I/F)34、記憶部35を備える。
記憶部35は、神経幾何データファイル1、神経特徴データファイル2、神経伝導時間データファイル3、神経−筋対応データファイル4、神経分岐データファイル5、筋順位データファイル6、筋特徴データファイル7、伸筋−屈筋対応データファイル8、筋運動データファイル9、脊髄神経断面座標データファイル11、神経データファイル12〜14を含む。
以下に、記憶部35に含まれるデータファイルについて説明する。
図12に、神経幾何データファイル1(入力データ又は中間データ)の説明図を示す。
表1で示すように、神経幾何データファイル1が記憶する神経幾何データは、神経番号、対応する脊髄名、筋名、脊髄と筋肉とこの間の神経線名(列)が対応して記憶されたものである。神経線名は、点列として神経を定義することも可能である。なお、神経線は伝導速度や伝導時間など特性を持つため、神経線を神経点とは別に定義する。表2では、神経線名に対して、始点名と終点名が記憶される。神経線の始点、終点を総称して神経点と呼ぶ。表2は、表3で示すような、神経点名と神経点座標を対応づけるデータと組み合わせて用いられる。
図13に、神経特徴データファイル2(入力データ)の説明図を示す。
神経特徴データファイル2が記憶する神経幾何データは、表1に示すように、末梢神経名と神経線列が対応して記憶されたものと、表2に示すように、神経線名と伝導速度が、対応して記憶されたもので構成される。伝導速度としては、求心性と遠心性の神経伝導速度がある。なお、この例では、神経幾何データと神経特徴データを分離して構成したが、一例にすぎず分離しないで適宜構成してもよい。また、一例として、ここでは求心性神経伝導速度のみ用いる。
図14に、神経伝導時間データファイル3(出力データ)の説明図を示す。
神経伝導時間データは、神経番号に対し、神経伝導時間が対応して記憶されたものである。
図15に、神経−筋対応データファイル4(中間データ)の説明図を示す。
神経−筋対応データは、筋名と、筋を支配する脊髄神経(横軸)と末梢神経(縦軸)の情報が対になったものである。図には、一例として、脊髄神経(C8)関連の神経−筋対応データを示す。ここでは、全身の神経―筋対応のうち一部を示すが、実際には全身について定義することができる。このような対応表は解剖学の専門書に基づいて作成することができる。また、神経幾何データから各情報を用いて計算で求めることもできる。処理部33は、このデータを用いて、注目する脊髄神経が支配する筋と、その筋を支配する末梢神経とを検索することができる。例えば、脊髄神経C8に注目する場合、筋の検索は縦矢印に対応して尺側手根屈筋が求められ、末梢神経の検索は横矢印に対応して尺骨神経が求められる。
図16に、神経分岐データファイル5(入力データ)の説明図を示す。
神経分岐データは、脊髄神経系を、脊髄を根とし、筋を葉とする木構造で表現したものである。接点は神経経由点または始点(脊髄)、終点(筋)、分岐点を、枝は神経経路を表す。なお、ここでは神経経路を枝としているが、神経経路自体も接点と表現する方法もある。
図17に、筋順位データファイル6(出力データ)の説明図を示す。
筋順位データは、筋順位、筋の特徴を表す情報(左右、伸筋屈筋の別、筋部位の分類)、筋名とを対応して記憶したものである。ここでは、全身の筋のうち一部を示すが、実際には全身について定義することができる。
図18に、筋特徴データファイル7(入力データ)の説明図を示す。
筋特徴データは、筋名に対して、筋の特徴を表す情報(左右、伸筋屈筋の別、筋部位の分類)を記憶したものである。ここでは、全身の筋のうち一部を示すが、実際には全身について定義することができる。筋部位は、例えば、次の6つに分類される:1)体幹,2)体幹〜四肢,3)肢帯〜四肢,4)上腕,大腿,5)前腕,下腿,6)手および足。
図19に、伸筋−屈筋対応データファイル8(入力データ)の説明図を示す。
伸筋−屈筋対応データは、対応する屈筋群と伸筋群に属する筋名が対になったものである。対応する筋肉は、ほぼ同一部位同士で対応すると考えられるが、同一部位だからと言って対になるとは限らない。逆に、複数の部位にまたがって対応する場合もある。このため、伸筋−屈筋対応データに含まれる部位ごとまとめて結合する。
図20に、筋運動データファイル9(入力データ)の説明図を示す。
筋運動データは、時刻と、ある時刻における任意の筋の長さ、長さ変化速度、力、力変化速度等の筋長・筋長変化・筋張力のいずれか又は複数についての筋運動情報が対になったものである。同一ファイルに複数の情報(力と長さ)を配置したり、複数の筋の情報を配置する形式や、ある時刻における複数の情報を一つにまとめる形式も考えられる。ここでは、ファイル名が筋の名前となっており、筋の名前を指定することでファイルの内容がメモリに読み込まれる。図では、一例として、上腕二頭筋の筋長の時間変化を示している。また、長さは絶対値の場合と、初期姿勢や標準姿勢の長さで規格化した値の場合とがある。筋長変化についても同様である。
図21、脊髄神経断面座標データファイル11(出力データ)の説明図を示す。
脊髄神経断面座標データは、神経番号に対し、脊髄断面における神経の空間配置を記憶したものである。また、2次元平面上の座標データは、x−y座標系でもr−θ座標系でもよい。さらに、座標データの代わりに、空間配置の位置を示す識別情報を用いてもよい。
以下のデータは、記憶部に記憶されるデータでもあり、そのデータが表示部に表示された画像も示す。
図22に、神経データファイル12(脊髄断面画像)(出力データ)の説明図を示す。
神経データは、時刻と、ある時刻における任意の神経の任意の点を伝達する神経情報が対になったものである。特に、脊髄断面において、神経配置は筋と神経の位相構造を保って配置されている。神経情報は、画像で表すものであり、運動が動画像として表現される。また、一般に、神経の伝導速度により、神経情報は運動情報から時間遅れがある。脊髄から遠い手足からの情報は遅く、脊髄から近い体幹からの情報は早く到達する。例えば、大脳では時間遅れをキャンセルして認知しているという報告もある。このため、実際に運動が生起した時刻の運動情報を神経配置に沿って配置したものも神経情報として扱うことができる。
図23に、他の神経データファイル13(時空間画像1)(出力データ)の説明図を示す。
神経データは、時刻と、ある時刻における任意の神経の任意の点を伝達する神経情報が
対になったものである。この神経情報の時間的変化を静止画像で表すのが時空間画像である。この例では、脊髄神経及び末梢神経について、筋長および筋伸長速度が時刻毎に且つ位置(左右、体幹、末梢等)毎に記憶される。
図24に、他の神経データファイル14(時空間画像2)(出力データ)の説明図を示す。
図には、時空間画像のその他の例を示す。
図25に、脊髄断面画像表示の場合のインタフェースの説明図を示す。
提示装置4又は表示部31には、任意の脊髄断面における神経情報を動画像で提示される。入力部12等により、該当する脊髄を選択すると、インタラクティブに断面を切り替えられる。
この他、表示方法としては、例えば、
・複数選択して同時に表示する
・異なる運動をした時の同一脊髄神経を並べて表示する
・一連の動作を静止画像列として表示する
などがある。
なお、各データファイルの構成は一例を示したにすぎず、必要に応じて適宜のファイル構成を用いることができる。例えば、神経番号に対応して、神経幾何データ、神経特徴データ、神経伝導時間データ、骨髄神経断面座標データ等の適宜のファイルの適宜のデータをまとめたファイルとして構成すること、または、ファイル間の関連付けを設定した適宜のラベルを付与することで構成すること等、各ファイルを適宜結合又は分割したり、含まれるデータ項目を必要に応じて適宜変更してもよい。また、神経データ等の出力も一例を示したに過ぎず、適宜変更した表示例としたり、複数の表示例を表示することもできる。
2.ソフトウェア
2.1 メインフロー
図26に、メインフローチャートを示す。
処理部33は、処理が開始されると、初期設定を行う(S101)。その後、処理部33は、神経伝導時間計算(S103)、筋順位計算(S105)、神経断面の空間配置計算(S107)を実行する。つぎに、処理部33は、初期時刻を設定し(S109)、運動情報から神経情報への変換処理を実行し(S111)、その結果を表示部11に提示(表示)する(S113)。処理部33は、最終時刻か判断し(S115)、最終時刻まで単位時刻分時刻を進めて(S117)、ステップS111、S113を繰り返し、処理を終了する。なお、各ステップの詳細は、後述する。
図27に、データ間の関係についての説明図を示す。
例えば、処理部33は、神経分岐データファイル5の神経分岐データに基づき、神経幾何データファイル1の神経幾何データ(表1)を作成し記憶することができる。この場合、入力部等で脊髄名と筋名を指定し、処理部33は、これらを表す接点間の枝を列で表すことで、神経分岐データから神経幾何データ(表1)を生成する。
また、処理部33は、神経幾何データファイル1の神経幾何データ(表1、表2、表3)及び神経特徴データファイル2の神経特徴データ(表1、表2)に基づき、神経−筋対応データファイル4の神経−筋対応データを作成し記憶することができる。この場合、処理部33は、神経幾何データ(表1)と、神経特徴データ(表1)のうち、神経線名を媒介にして、神経−筋対応データを生成する。
図28に、各処理によるデータ変換についての説明図を示す。
たとえば、処理部33は、神経幾何データファイル1の神経幾何データ(表1)及び神経特徴データファイル2の神経特徴データ(表1、表2)を読み取り、これらデータに基づき、神経伝導時間計算を実行して神経伝導時間データを求めて神経伝導時間データファイル3に記憶する。
同様に、処理部33は、神経伝導時間データ3の神経伝導時間データ、神経−筋対応データファイル4の神経−筋対応データ、神経分岐データファイル5の神経分岐データ及び筋特徴データファイル7の筋特徴データを読み取り、これらデータに基づき、筋順位計算を実行して筋順位データを求めて筋順位データファイル6に記憶する。
処理部33は、神経−筋対応データファイル4の神経−筋対応データ、筋順位データファイル6の筋順位データ及び伸筋−屈筋対応データファイル8の伸筋−屈筋対応データを読み取り、これらデータに基づき、神経断面の空間配置計算を実行して脊髄断面座標データを求めて脊髄神経断面座標データファイル11に記憶する。
処理部33は、神経伝導時間データ3の神経伝導時間データ、筋運動データファイル9の筋運動データ及び脊髄神経断面座標データファイル11の脊髄断面座標データを読み取り、これらデータに基づき、運動情報から神経情報への変換を実行して神経データを求めて神経データファイル12−14に記憶する。
2.2 各ステップの処理
以下に各ステップについて詳細を説明する。
(初期設定:S101)
初期設定として、処理部が、解析する際に、あらかじめ設定すべき事項は次の通りである。処理部33は、これら設定値を、入力部又はI/Fを介して他の装置から入力してもよいし、予め記憶されたデータを記憶部から読み取ってもよい。
(1)神経(脊髄等)断面を表す脊髄名を選択。例えば、脊髄は、頸神経8、胸神経12、腰神経5、仙骨神経5、尾骨神経1の計31で構成される。
(2)運動データ(投げ、跳び、運動特性(速度、力等))を選択。
(3)表示形式を選択。例えば、出力される空間配置等のデータ形式(断面、時空間等)や単数又は複数等を選択。例えば、神経データファイル12〜14のパターンを選択する。時空間の場合、ある時刻における情報は横一列に配置され、縦方向に時刻を表すか、あるいはその逆になる。また、複数の運動の同じ時刻における神経情報や、単一の運動の複数時刻における神経情報を並列に配置する、といった形式がある。
(神経伝導時間計算:S103)
図29に、神経伝導時間計算のフローチャートを示す。
処理部33は、処理が開始されると、初期設定S101で選択された神経(脊髄等)断面を表す脊髄名に基づき、各神経番号について、神経幾何データファイル1(表1)から、脊髄名と脊髄神経等支配筋の筋名の組と神経線名(列)を抽出する(S301)。神経に応じてひとつ又は複数の神経線名の列が含まれる。つぎに、処理部33は、抽出した神経線名(列)に基づき、神経幾何データファイル1(表2)から神経線の始点名と終点名を求め、さらに、始点名及び終点名の神経点に基づき、神経幾何データファイル1(表3)から神経点座標を検索することにより、各神経線(列)の長さを計算する(S303)。処理部33は、各神経線(列)の長さと、各神経線(列)に従い神経特徴データファイル2(表2)から読み出した神経特徴データの求心性(又は遠心性)神経伝導速度から各神経線(列)の伝導時間を計算する(S305)。さらに、処理部33は、ひとつ又は複数の神経線(列)で表された任意の脊髄から任意の筋までの神経路全体の神経信号伝導時間を計算する(S307)。このようにして、処理部33は、神経番号に対応して神経信号伝導時間を神経伝導時間データ3に記憶する(S309)。
(筋順位計算:S105)
図30に、筋順位計算のフローチャートを示す。
筋順位計算では、処理部33は、伸筋−屈筋の分類や、部位による分類を行った後、同一部位に属する筋の順位を計算し、さらに、同一筋内での順位を計算する。この処理は、空間配置を決める上で必要になる。
処理部33は、筋順位計算が開始されると、初期設定S101で選択された脊髄名に基づき、神経−筋対応データファイル4の神経−筋対応データを参照して選択された脊髄が支配する筋名を求め、その筋名に対応する末梢神経を求め、さらに末梢神経によりその筋名を分類する(S401)。処理部33は、分類された筋名について、さらに、筋特徴データファイル7の筋特徴データを参照して、筋名により伸筋・屈筋の別を求め、分類する(S402)。処理部33は、神経分岐データファイル5の木構造の神経分岐データを参照して、同一末梢神経内で根元から分岐する葉順(たとえば、根元に近い順又は介在する接点が少ない順)に並べ替える(S403)。処理部33は、各神経番号に対応する筋名について、神経伝導時間データ3を参照して、神経伝導時間に基づいて、同一部位の異なる末梢神経間で伝導時間が短い順に並べ替える(S405)。このとき、例えば、同一分類の異なる末梢神経間では、最短伝導時間同士を比較し、短い方の末梢神経を先に並べる。このようにして、処理部33は、並び替えられた筋順位、左右、伸筋・屈筋、筋部位番号、筋名を対応して筋順位データを筋順位データファイル6に記憶する(S409)。また処理部33は、作成された脊髄断面座標データを必要に応じて、表示部に表示又はI/F部を介して出力する。
筋順位は、筋幾何データを用い、体幹に近い・深い順に定めることができる。また、筋順位は、神経幾何データから求められる神経伝導時間が短い順で順位を決めるという方法も考えられる。これらに限らず、逆の順に決めてもよいし、筋と神経の幾何データのいずれかを用いて順位を決めるなど、適宜のあらかじめ定められた順位で定めてもよい。
(神経断面の空間配置計算:S107)
図31に、神経断面の空間配置計算のフローチャートを示す。
また、図32−図35は、空間配置時のデータの様子を示す説明図である。
処理部33は、筋順位データファイル6から読み出した筋順位データに基づき、各レコード(筋名に相当)を、左右、伸筋・屈筋、筋部位で分類し、予め定められた神経(脊髄等)断面に関する空間に配置する(S503)。この配置する空間は、記憶部に記憶され、各神経(脊髄等)断面について異なる領域形状でもよいし、同一の領域形状や複数の領域形状を用いてもよい。この例では、脊髄灰白質を模擬した形状で、各筋名を配置するセルをマトリクスに区分している。空間配置は、まず、図32に示されるように、左右、上下(屈筋・伸筋)に4種類に分類し、さらに、横方向に6つの部位で分類して、該当する位置に各筋名を配置する。そして、処理部33は、図33に示されるように、筋順位に従い、中心軸から離れるにつれて、筋順位の高い(短い)ものから低い(長い)ものを並び替え配置する。これは、筋分類と筋配置から体幹に近い順に並べ替える方法とほぼ等価である。さらに、処理部33は、伸筋−屈筋対応データファイル8から読み出した伸筋・屈筋対応データにより筋支配神経を結合し、上(屈筋)下(伸筋)に再配置する(S507)。こうして、同一の機能を持つ複数の筋が逆の機能を持つ複数の筋に対応づけられる。なお、図33のように、対応する筋群が二つの部位にまたがる場合は縦に重ねる。
つぎに、処理部33は、分類した筋支配神経群を予め定められた空間に整合させる。すなわち、処理部33は、分類した筋支配神経群が予め設定された数Nを超えるかどうか判断する(S509)。これは、高さが極端に増減しないための工夫で、Nの数は任意に決められる。処理部33は、Nを超える場合は、図34に示すように、Nを下回る最大数になるよう分割する(S511)。このとき、設定した高さNを超えない高さに等分割し、等分割できないときはX座標絶対値が大きい方を余りにする。また、伸筋・屈筋いずれか一方がNを超える場合、残りの筋支配神経群も同一数に分割する。一方、処理部33は、設定した高さNに満たない場合は、図35に示すように、X座標絶対値が小さい順に、超えない高さに結合する(S513)。このとき、Nを下回る最大数になるよう結合することができる。また、屈筋・伸筋ともに対応させて結合し、いずれもNを上回らない時結合するようにしてもよい。さらに、処理部33は、図35に示すように、隙間があったら対称軸であるy軸に向かってX座標絶対値が小さい方向に詰める(S515)。処理部33は、こうしてできあがった空間配置にしたがい、脊髄断面座標データを作成し、脊髄神経断面座標データファイル11に記憶する(S517)。また処理部33は、作成された脊髄断面座標データを必要に応じて、表示部に表示又はI/F部を介して出力する。なお、脊髄断面座標データは、空間配置内のセルの位置を識別するための識別情報を用いてもよい。
図36に、空間配置計算のフローチャートの他の実施の形態を示す。
処理部33は、時空間画像の空間配置計算が開始されると、前述のように、ステップS503〜S507の処理を実行する。つぎに、処理部33は、神経断面の空間配置計算のうち、設定数Nで分けずにフラットに配置する。すなわち、次のような並び替え1又は2の処理を実行する。入力部等により、これら二つの並べ替えのいずれかを選択し、処理部33は、それに従い処理を実行することができる。もちろん、並べ替えの優先順位の決め方は他にも適宜採用することができる。つぎに、処理部33は、前述のように、ステップS517の処理を実行する。
図37に、時空間パターン作成のための並べ替え1の説明図を示す。並べ替え1では、処理部33は、伸筋、屈筋の分類を保ちつつその中で筋部位順に並べ替える。
図38に、時空間パターン作成のための並べ替え2の説明図を示す。並び替え2では、処理部33は、筋順位順に並べ替え、伸筋と屈筋は交互に配置する。
(運動情報から神経情報への変換処理:S111)
処理部33は、単位時刻分時刻を進めて、運動情報から神経情報への変換処理を実行し(S111)、その結果を表示部11に提示(表示)する(S113)。
図39に、運動情報から神経情報への変換のフローチャートを示す。
処理部33は、運動情報から神経情報への変換を開始すると、神経伝導時間データ3から読み出した神経伝導時間データからそれぞれの神経番号に対応する神経についての伝導時間を抽出する(S601)。処理部33は、初期設定S101で設定された運動データに従い、神経幾何データファイル1を参照して各神経番号に対する筋名を求め、その筋名について、筋運動データファイル9に設定された運動特性の運動データを読み出す(S603)。
ここで、処理部33は、伝導時間遅れを考慮するか否か判断する(S605)。処理部33は、遅れを考慮する場合、求める時刻から伝導時間前のデータを抽出し、該当する時刻のデータが存在しない場合は補間により運動データを計算する(S607)。一方、処理部33は、遅れを考慮しない場合、筋運動データファイル9から求める時刻の運動データを抽出する(S609)。
つぎに、処理部33は、脊髄神経断面座標データファイル11から読み出した脊髄断面座標データを用いて運動データを神経データへ写像する(S611)。例えば、脊髄断面座標データで定められたその神経番号の神経の位置に、各神経番号に対する筋名と各時刻により、筋運動データで定められた筋運動情報の値に応じて、明暗又は色の変化を与える。処理部33は、こうして出来上がった神経データを神経データファイル12に記憶する。
(神経分岐データファイル5の生成)
神経分岐データは、脊髄神経系を、脊髄を根とし、筋を葉とする木構造で表現したものである。接点は神経経由点または始点(脊髄)、終点(筋)、分岐点を、枝は神経経路を表す。一般に、神経が同一の点を経由し、再び分岐することや、一つの筋が異なる神経によって二重支配を受けることが知られている。このため、解剖学的構造をそのまま表現すると、閉路(ある接点へ向かう複数の経路)を持つグラフに表現される。そこで、グラフで記述し、有向グラフに変換した後、閉路がある場合は一つの接点を経路ごとに別々に書いて分割する。
図40に、神経分岐データ生成フローチャートを示す。また、図41〜図44に、神経分岐データ生成法の説明図を示す。
まず、処理部33は、脊髄から筋への経路を、解剖学的知見に基づいてグラフに表現する(グラフ表現)(S701)。すなわち、図41に示すように、向きを考えないで接続関係のみを表現する。つぎに、処理部33は、脊髄から筋へ向かう有向グラフに表現する(有向グラフ表現)(S703)。すなわち、図42に示すように、枝を脊髄から筋へ向かう矢印とする。さらに、処理部33は、閉路を分割して、脊髄を根とし、筋を葉とする木構造で表現する(木表現)(S705)。このとき、図43に示すように、まず、筋を複製し、各筋に向かう枝が一本ずつになるようにする。その後、図44に示すように、葉に近い方の接点から順に複製し、最終的に脊髄の接点が一つになるようにする。処理部33は、以上のように出来上がった神経分岐データを神経分岐データファイル5に記憶する(S707)。
図45に、神経と筋の関係についての説明図を示す。
脊髄神経は、神経情報として感覚信号に基づいて運動指令を出す。また、運動指令に基づいて筋肉(モータ)で運動が発生し、筋肉と筋紡錘は一緒に動き、筋紡錘(センサ)で運動情報として感覚信号が発生する。
C. おわりに
本実施の形態で述べたことは、主に、以下の3点でまとめられる。
・神経系、特に脊髄の解剖学的構造について概観した。
・脊髄前角細胞の幾何学的構造を用いて、筋運動情報を脊髄神経情報に写像する手法を提案した。
・実験を行い、ヒトの運動データから脊髄に内在する神経情報の空間分布を表現する画像列を得ることに成功した。
本発明では、筋長情報は計測された値を用いたが、実際にはγモータニューロンにより、感度調節が行われていることが知られている。よって、同じ長さあるいは同じ伸長速度であるからと言って同じ強度の信号が筋紡錘から脊髄へ送られるとは限らない。得られた画像は運動器官からの神経情報を表現するものである。しかし、神経信号強度とは厳密には一致するとは限らない。むしろ、筋紡錘から脊髄に送られる求心性信号と脊髄から筋に送られる遠心性信号とを統合して得られる情報そのものを表現している。そうであっても解剖学的な位相構造までは確からしいと言える。ここでは、直接的な脳神経計測では得ることが困難な、信号が伝える情報の内容を構造化できたことが重要である。また、実際には神経信号伝達には時間遅れがあり、神経伝導速度を考慮するとよい。時空間的に確からしい入出力を求める手法を確立した上で、感覚と運動をつなぐ見えないネットワークを外からの観測を通じて同定する手法を明らかにすることを通じ、感覚に基づく運動の調節のメカニズムを解明することができる。ヒューマンインタフェースへの応用と共に、身体技能の獲得や評価、神経疾患の診断やリハビリテーションの評価等に役立てていくことができる。
本発明の運動情報−神経情報変換方法又は運動情報−神経情報変換装置・システムは、その各手順をコンピュータに実行させるための運動情報−神経情報変換プログラム、運動情報−神経情報変換プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、運動情報−神経情報変換プログラムを含みコンピュータの内部メモリにロード可能なプログラム製品、そのプログラムを含むサーバ等のコンピュータ、等により提供されることができる。
脳と脊髄で構成されるヒトの中枢神経系の図。 脊髄断面と反射経路の説明図。 脊髄灰白質の断面と前角の体性局在の説明図。 C5についての空間配置図。 対角に剣を振り下ろす袈裟斬り動作の説明図。 袈裟斬り動作時のC5脊髄神経における10フレーム毎の神経情報画像の図(1)。 袈裟斬り動作時のC5脊髄神経における10フレーム毎の神経情報画像の図(2)。 袈裟斬り動作時のC5脊髄神経における10フレーム毎の神経情報画像の図(3)。 第五頸神経(C5)に支配される筋肉の分類の説明図。 本装置の接続関係を示す概略構成図。 運動情報−神経情報変換装置30のハード構成図。 神経幾何データファイル1(入力データ又は中間データ)の説明図。 神経特徴データファイル2(入力データ)の説明図。 神経伝導時間データファイル3(出力データ)の説明図。 神経−筋対応データファイル4(中間データ)の説明図。 神経分岐データファイル5(入力データ)の説明図。 筋順位データファイル6(出力データ)の説明図。 筋特徴データファイル7(入力データ)の説明図。 伸筋−屈筋対応データファイル8(入力データ)の説明図。 筋運動データファイル9(入力データ)の説明図。 脊髄神経断面座標データファイル11(出力データ)の説明図。 神経データファイル12(脊髄断面画像)(出力データ)の説明図。 他の神経データファイル13(時空間画像1)(出力データ)の説明図。 他の神経データファイル14(時空間画像2)(出力データ)の説明図。 脊髄断面画像表示の場合のインタフェースの説明図。 メインフローチャート。 データ間の関係についての説明図。 各処理によるデータ変換についての説明図。 神経伝導時間計算のフローチャート。 筋順位計算のフローチャート。 神経断面の空間配置計算のフローチャート。 空間配置時のデータの様子を示す説明図。 空間配置時のデータの様子を示す説明図。 空間配置時のデータの様子を示す説明図。 空間配置時のデータの様子を示す説明図。 空間配置計算のフローチャートの他の実施の形態。 時空間パターン作成のための並べ替え1の説明図。 時空間パターン作成のための並べ替え2の説明図。 運動情報から神経情報への変換のフローチャート。 神経分岐データ生成フローチャート。 神経分岐データ生成法の説明図。 神経分岐データ生成法の説明図。 神経分岐データ生成法の説明図。 神経分岐データ生成法の説明図。 神経と筋の関係についての説明図。
符号の説明
10 モーションキャプチャ装置
20 運動情報計算装置
30 運動情報−神経情報変換装置
40 提示装置
50 記憶装置

Claims (13)

  1. 神経番号、脊髄名、筋名、脊髄と筋肉との間の神経線名または神経線名列を対応して記憶した表と、且つ、神経線名の始点と終点の座標を対応して記憶した表を含む神経幾何データファイルと、
    末梢神経名と神経線名または神経線名列とを対応して記憶し、神経線名と伝導速度を対応して記憶する神経特徴データファイルと、
    神経番号に対し神経伝導時間を記憶した神経伝導時間データファイルと、
    筋名に対して、筋を支配する脊髄名と末梢神経名を対応して記憶した神経−筋対応データファイルと、
    脊髄神経系を、脊髄を根とし、筋を葉とする木構造で表現した神経分岐データファイルと、
    筋順位に対して、左右・伸筋屈筋の別・筋部位の分類と筋名を含む筋の特徴を表す情報とを対応して記憶した筋順位データファイルと、
    筋名と、左右・伸筋屈筋の別・筋部位の分類を含む筋の特徴を表す情報を対応して記憶した筋特徴データファイルと、
    対応する屈筋群と伸筋群に属する筋名を記憶した伸筋−屈筋対応データファイルと、
    時刻に対する筋運動情報を記憶した筋運動データファイルと、
    神経番号に対し、脊髄断面における神経の空間配置を記憶した脊髄神経断面座標データファイルと、
    各前記ファイルに対して読出し及び/又は書き込みを行い、神経の空間配置又は時空間配置を求め、運動情報から神経情報に変換するための処理部と
    を備え、
    処理部は、入力部又は他の装置から、神経断面を表す脊髄名、運動データ、表示形式を設定する手段と、
    処理部は、神経幾何データファイルから、設定された脊髄名に基づき、各神経番号について、脊髄名、脊髄神経を支配する筋名、ひとつ又は複数の神経線名を抽出する手段と、
    処理部は、抽出した神経線名に基づき、神経幾何データファイルを参照して、神経線の始点名と終点名を求め、始点名及び終点名の座標を検索することにより、各神経線名の神経線の長さを計算する手段と、
    処理部は、計算された各神経線の長さと、神経線名に従い神経特徴データファイルから読み出した神経伝導速度に基づき、ひとつ又は複数の神経線で表された任意の脊髄から任意の筋までの神経路の神経信号伝導時間を計算する手段と、
    処理部は、神経番号に対応して神経信号伝導時間を神経伝導時間データに記憶する手段と、
    処理部は、設定された脊髄名に基づき、神経−筋対応データファイルを参照して該脊髄名の脊髄を支配する筋名と末梢神経を抽出してデータを形成し、形成したデータを末梢神経により分類する手段と、
    処理部は、筋特徴データファイルを参照して、各データの筋名に対する左右・伸筋屈筋の別・筋部位分類を求め、各データを伸筋・屈筋で分類する手段と、
    処理部は、神経分岐データファイルを参照して、各データを同一末梢神経内で木構造の根元から分岐する葉順に並び替える手段と、
    処理部は、各データの筋名により神経幾何データファイルから神経番号を求め、神経番号により神経伝導時間データを参照して神経伝導時間を求めて、各データを同一部位の異なる末梢神経間で伝導時間が短い順に並び替える手段と、
    処理部は、筋順位、左右、伸筋・屈筋、筋部位分類を対応して筋順位データファイルに記憶する手段と、
    処理部は、筋順位データファイルから読み出した各筋を、左右、伸筋・屈筋、筋部位分類に基づき分類し、筋順位に従い、中心軸から離れるにつれて筋順位の高いものから低いものを並べ、設定された表示形式により予め定められた神経断面又は時空間に配置する手段と、
    処理部は、神経断面又は時空間配置に従い、各神経番号に対する配置を表す脊髄断面座標データを作成し、脊髄神経断面座標データファイルに記憶する手段と
    を備えた運動情報−神経情報変換装置。
  2. 時刻に対して、脊髄断面画像又は時空間に配置された神経情報を記憶した神経データファイルをさらに備え、
    処理部は、神経伝導時間データから読み出した神経伝導時間データから各神経番号の神経についての伝導時間を抽出する手段と、
    処理部は、設定された運動データに従い、各筋名に対して筋運動データファイルに設定された運動特性の運動データを読み出す手段と、
    処理部は、各神経番号に対して、脊髄神経断面座標データファイルから読み出した脊髄断面座標データを用いて、各神経番号の筋名の運動データを、神経断面又は時空間へ写像して神経データを作成する手段と、
    処理部は、空間配置された神経データを神経データファイルに記憶する手段と
    をさらに備えた請求項1に記載の運動情報−神経情報変換装置。
  3. 処理部は、空間配置として、左右、屈筋・伸筋に相当する上下の4領域に分類し、さらに、左右方向に6つの筋部位で分類して、該当する位置に各筋名を配置し、
    処理部は、伸筋−屈筋対応データファイルから読み出した伸筋・屈筋対応データにより各神経番号の神経を結合し、屈筋・伸筋に対向するよう再配置し、
    処理部は、分類した筋支配神経群を予め定められた神経断面の空間に整合させる
    請求項1に記載の運動情報−神経情報変換装置。
  4. 処理部は、分類した筋支配神経群が予め定められた設定数を超えるかどうか判断する手段と、
    処理部は、設定数を超える場合は、それを下回る最大数になるよう分割する手段と、
    処理部は、設定数に満たない場合は、絶対値が小さい順に、設定数を超えない高さに結合する手段と、
    処理部は、隙間がある場合、座標の絶対値が小さい方向に詰める手段と、
    を備え、神経断面の空間に整合させるようにした請求項3に記載の運動情報−神経情報変換装置。
  5. 処理部は、筋長および筋伸長速度が時刻毎に且つ左右の位置若しくは体幹・末梢の位置毎に記憶されるように、時空間に配置するようにした請求項1に記載の運動情報−神経情報変換装置。
  6. 処理部は、伝導時間遅れを考慮するか否か判断する手段と、
    処理部は、遅れを考慮する場合、求める時刻から伝導時間前のデータを抽出し、該当する時刻のデータが存在しない場合は補間により運動データを計算する手段と、
    処理部は、遅れを考慮しない場合、筋運動データファイルから求める時刻の運動データを抽出する手段と、
    をさらに備えた請求項1に記載の運動情報−神経情報変換装置。
  7. 処理部は、脊髄から筋への経路を、解剖学的知見に基づいて、向きを考えないで接続関係のみを表現する手段と、
    処理部は、脊髄から筋へ向かう有向グラフに表現する手段と、
    処理部は、閉路を分割して、各筋に向かう枝が一本ずつになるように筋を複製し、最終的に脊髄の接点が一つになるように、脊髄を根とし、筋を葉とする木構造で表現する手段と、
    処理部は、作成された神経分岐データを神経分岐データファイルに記憶する手段と、
    をさらに備えた請求項1に記載の運動情報−神経情報変換装置。
  8. 処理部は、神経分岐データファイルに基づき、指定された脊髄名と筋名を表す接点間の枝を列で表すことで、神経幾何データを生成する請求項1に記載の運動情報−神経情報変換装置。
  9. さらに、運動をデータに変換するモーションキャプチャ装置をさらに備えた請求項1に記載の運動情報−神経情報変換装置。
  10. さらに、運動データをモーションキャプチャ装置で得られた情報に基づき作成する運動情報計算装置をさらに備えた請求項1に記載の運動情報−神経情報変換装置。
  11. 神経番号、脊髄名、筋名、脊髄と筋肉との間の神経線名または神経線名列を対応して記憶した表と、且つ、神経線名の始点と終点の座標を対応して記憶した表を含む神経幾何データファイルと、
    末梢神経名と神経線名または神経線名列とを対応して記憶し、神経線名と伝導速度を対応して記憶する神経特徴データファイルと、
    神経番号に対し神経伝導時間を記憶した神経伝導時間データファイルと、
    筋名に対して、筋を支配する脊髄名と末梢神経名を対応して記憶した神経−筋対応データファイルと、
    脊髄神経系を、脊髄を根とし、筋を葉とする木構造で表現した神経分岐データファイルと、
    筋順位に対して、左右・伸筋屈筋の別・筋部位の分類を含む筋の特徴を表す情報とを対応して記憶した筋順位データファイルと、
    筋名と、左右・伸筋屈筋の別・筋部位の分類を含む筋の特徴を表す情報を対応して記憶した筋特徴データファイルと、
    対応する屈筋群と伸筋群に属する筋名を記憶した伸筋−屈筋対応データファイルと、
    時刻に対する筋運動情報を記憶した筋運動データファイルと、
    神経番号に対し、脊髄断面における神経の空間配置を記憶した脊髄神経断面座標データファイルと、
    各前記ファイルに対して読出し及び/又は書き込みを行い、神経の空間配置又は時空間配置を求め、運動情報から神経情報に変換するための処理部と
    を備えた運動情報−神経情報変換装置における運動情報−神経情報変換方法であって、
    処理部は、入力部又は他の装置から、神経断面を表す脊髄名、運動データ、表示形式を設定するステップと、
    処理部は、神経幾何データファイルから、設定された脊髄名に基づき、各神経番号について、脊髄名、脊髄神経を支配する筋名、ひとつ又は複数の神経線名を抽出するステップと、
    処理部は、抽出した神経線名に基づき、神経幾何データファイルを参照して、神経線の始点名と終点名を求め、始点名及び終点名の座標を検索することにより、各神経線名の神経線の長さを計算するステップと、
    処理部は、計算された各神経線の長さと、神経線名に従い神経特徴データファイルから読み出した神経伝導速度に基づき、ひとつ又は複数の神経線で表された任意の脊髄から任意の筋までの神経路の神経信号伝導時間を計算するステップと、
    処理部は、神経番号に対応して神経信号伝導時間を神経伝導時間データに記憶するステップと、
    処理部は、設定された脊髄名に基づき、神経−筋対応データファイルを参照して該脊髄名の脊髄を支配する筋名と末梢神経を抽出してデータを形成し、形成したデータを末梢神経により分類するステップと、
    処理部は、筋特徴データファイルを参照して、各データの筋名に対する左右・伸筋屈筋の別・筋部位分類を求め、各データを伸筋・屈筋で分類するステップと、
    処理部は、神経分岐データファイルを参照して、各データを同一末梢神経内で木構造の根元から分岐する葉順に並び替えるステップと、
    処理部は、各データの筋名により神経幾何データファイルから神経番号を求め、神経番号により神経伝導時間データを参照して神経伝導時間を求めて、各データを同一部位の異なる末梢神経間で伝導時間が短い順に並び替えるステップと、
    処理部は、筋順位、左右、伸筋・屈筋、筋部位分類を対応して筋順位データファイルに記憶するステップと、
    処理部は、筋順位データファイルから読み出した各筋を、左右、伸筋・屈筋、筋部位分類に基づき分類し、筋順位に従い、中心軸から離れるにつれて筋順位の高いものから低いものを並べ、設定された表示形式により予め定められた神経断面又は時空間に配置するステップと、
    処理部は、神経断面又は時空間配置に従い、各神経番号に対する配置を表す脊髄断面座標データを作成し、脊髄神経断面座標データファイルに記憶するステップと、
    を含む運動情報−神経情報変換方法。
  12. 神経番号、脊髄名、筋名、脊髄と筋肉との間の神経線名または神経線名列を対応して記憶した表と、且つ、神経線名の始点と終点の座標を対応して記憶した表を含む神経幾何データファイルと、
    末梢神経名と神経線名または神経線名列とを対応して記憶し、神経線名と伝導速度を対応して記憶する神経特徴データファイルと、
    神経番号に対し神経伝導時間を記憶した神経伝導時間データファイルと、
    筋名に対して、筋を支配する脊髄名と末梢神経名を対応して記憶した神経−筋対応データファイルと、
    脊髄神経系を、脊髄を根とし、筋を葉とする木構造で表現した神経分岐データファイルと、
    筋順位に対して、左右・伸筋屈筋の別・筋部位の分類を含む筋の特徴を表す情報とを対応して記憶した筋順位データファイルと、
    筋名と、左右・伸筋屈筋の別・筋部位の分類を含む筋の特徴を表す情報を対応して記憶した筋特徴データファイルと、
    対応する屈筋群と伸筋群に属する筋名を記憶した伸筋−屈筋対応データファイルと、
    時刻に対する筋運動情報を記憶した筋運動データファイルと、
    神経番号に対し、脊髄断面における神経の空間配置を記憶した脊髄神経断面座標データファイルと、
    各前記ファイルに対して読出し及び/又は書き込みを行い、神経の空間配置又は時空間配置を求め、運動情報から神経情報に変換するための処理部と
    を備えた運動情報−神経情報変換装置における運動情報−神経情報変換プログラムであって、
    処理部は、入力部又は他の装置から、神経断面を表す脊髄名、運動データ、表示形式を設定するステップと、
    処理部は、神経幾何データファイルから、設定された脊髄名に基づき、各神経番号について、脊髄名、脊髄神経を支配する筋名、ひとつ又は複数の神経線名を抽出するステップと、
    処理部は、抽出した神経線名に基づき、神経幾何データファイルを参照して、神経線の始点名と終点名を求め、始点名及び終点名の座標を検索することにより、各神経線名の神経線の長さを計算するステップと、
    処理部は、計算された各神経線の長さと、神経線名に従い神経特徴データファイルから読み出した神経伝導速度に基づき、ひとつ又は複数の神経線で表された任意の脊髄から任意の筋までの神経路の神経信号伝導時間を計算するステップと、
    処理部は、神経番号に対応して神経信号伝導時間を神経伝導時間データに記憶するステップと、
    処理部は、設定された脊髄名に基づき、神経−筋対応データファイルを参照して該脊髄名の脊髄を支配する筋名と末梢神経を抽出してデータを形成し、形成したデータを末梢神経により分類するステップと、
    処理部は、筋特徴データファイルを参照して、各データの筋名に対する左右・伸筋屈筋の別・筋部位分類を求め、各データを伸筋・屈筋で分類するステップと、
    処理部は、神経分岐データファイルを参照して、各データを同一末梢神経内で木構造の根元から分岐する葉順に並び替えるステップと、
    処理部は、各データの筋名により神経幾何データファイルから神経番号を求め、神経番号により神経伝導時間データを参照して神経伝導時間を求めて、各データを同一部位の異なる末梢神経間で伝導時間が短い順に並び替えるステップと、
    処理部は、筋順位、左右、伸筋・屈筋、筋部位分類を対応して筋順位データファイルに記憶するステップと、
    処理部は、筋順位データファイルから読み出した各筋を、左右、伸筋・屈筋、筋部位分類に基づき分類し、筋順位に従い、中心軸から離れるにつれて筋順位の高いものから低いものを並べ、設定された表示形式により予め定められた神経断面又は時空間に配置するステップと、
    処理部は、神経断面又は時空間配置に従い、各神経番号に対する配置を表す脊髄断面座標データを作成し、脊髄神経断面座標データファイルに記憶するステップと、
    をコンピュータに実行させるための運動情報−神経情報変換プログラム。
  13. 神経番号、脊髄名、筋名、脊髄と筋肉との間の神経線名または神経線名列を対応して記憶した表と、且つ、神経線名の始点と終点の座標を対応して記憶した表を含む神経幾何データファイルと、
    末梢神経名と神経線名または神経線名列とを対応して記憶し、神経線名と伝導速度を対応して記憶する神経特徴データファイルと、
    神経番号に対し神経伝導時間を記憶した神経伝導時間データファイルと、
    筋名に対して、筋を支配する脊髄名と末梢神経名を対応して記憶した神経−筋対応データファイルと、
    脊髄神経系を、脊髄を根とし、筋を葉とする木構造で表現した神経分岐データファイルと、
    筋順位に対して、左右・伸筋屈筋の別・筋部位の分類を含む筋の特徴を表す情報とを対応して記憶した筋順位データファイルと、
    筋名と、左右・伸筋屈筋の別・筋部位の分類を含む筋の特徴を表す情報を対応して記憶した筋特徴データファイルと、
    対応する屈筋群と伸筋群に属する筋名を記憶した伸筋−屈筋対応データファイルと、
    時刻に対する筋運動情報を記憶した筋運動データファイルと、
    神経番号に対し、脊髄断面における神経の空間配置を記憶した脊髄神経断面座標データファイルと、
    各前記ファイルに対して読出し及び/又は書き込みを行い、神経の空間配置又は時空間配置を求め、運動情報から神経情報に変換するための処理部と
    を備えた運動情報−神経情報変換装置における運動情報−神経情報変換プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    処理部は、入力部又は他の装置から、神経断面を表す脊髄名、運動データ、表示形式を設定するステップと、
    処理部は、神経幾何データファイルから、設定された脊髄名に基づき、各神経番号について、脊髄名、脊髄神経を支配する筋名、ひとつ又は複数の神経線名を抽出するステップと、
    処理部は、抽出した神経線名に基づき、神経幾何データファイルを参照して、神経線の始点名と終点名を求め、始点名及び終点名の座標を検索することにより、各神経線名の神経線の長さを計算するステップと、
    処理部は、計算された各神経線の長さと、神経線名に従い神経特徴データファイルから読み出した神経伝導速度に基づき、ひとつ又は複数の神経線で表された任意の脊髄から任意の筋までの神経路の神経信号伝導時間を計算するステップと、
    処理部は、神経番号に対応して神経信号伝導時間を神経伝導時間データに記憶するステップと、
    処理部は、設定された脊髄名に基づき、神経−筋対応データファイルを参照して該脊髄名の脊髄を支配する筋名と末梢神経を抽出してデータを形成し、形成したデータを末梢神経により分類するステップと、
    処理部は、筋特徴データファイルを参照して、各データの筋名に対する左右・伸筋屈筋の別・筋部位分類を求め、各データを伸筋・屈筋で分類するステップと、
    処理部は、神経分岐データファイルを参照して、各データを同一末梢神経内で木構造の根元から分岐する葉順に並び替えるステップと、
    処理部は、各データの筋名により神経幾何データファイルから神経番号を求め、神経番号により神経伝導時間データを参照して神経伝導時間を求めて、各データを同一部位の異なる末梢神経間で伝導時間が短い順に並び替えるステップと、
    処理部は、筋順位、左右、伸筋・屈筋、筋部位分類を対応して筋順位データファイルに記憶するステップと、
    処理部は、筋順位データファイルから読み出した各筋を、左右、伸筋・屈筋、筋部位分類に基づき分類し、筋順位に従い、中心軸から離れるにつれて筋順位の高いものから低いものを並べ、設定された表示形式により予め定められた神経断面又は時空間に配置するステップと、
    処理部は、神経断面又は時空間配置に従い、各神経番号に対する配置を表す脊髄断面座標データを作成し、脊髄神経断面座標データファイルに記憶するステップと、
    をコンピュータに実行させるための運動情報−神経情報変換プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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