JP4015650B2 - エポキシ樹脂用溶剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、エポキシ樹脂の溶剤として有用な溶剤組成物に関する。
溶剤は、塗料、接着剤または印刷インキなどにおいて、流動性を高め、使用時の操作性を向上させ、処理面へ均一に密着塗布するために用いられている。また、各種汚染物の洗浄にも溶剤が用いられている。例えば、エポキシ樹脂の希釈溶剤や洗浄用溶剤としては、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素またはこれらとケトン類・アルコール類の混合物が使用されている。これらの溶剤はエポキシ樹脂への溶解性、混合時の樹脂粘性と蒸発速度のバランス、エポキシ樹脂塗布後の樹脂硬化に至るまでの仕上がり性において優れた溶剤である。しかし、トルエンやキシレンなどの揮発性有機化合物(VOC)がシックハウス、シックスクール症候群の主な発症関連因子であることが指摘されるなど、揮発性有機化合物の人体に与える影響が問題視されるようになってきた。そのため、厚生労働省ではトルエンやキシレンをはじめとする代表的な揮発性有機化合物について室内濃度指針値を策定している(非特許文献1)。
そこで、人体や環境に悪影響を与えることのない溶剤の開発が進められている。例えばシクロヘキサンなどのナフテン系炭化水素はトルエンと沸点が近く、溶解度パラメーターおよび水素結合力も近いため、当該化合物を主成分として全体の40質量%以上含む溶剤がトルエン・キシレン非含有溶剤として市販されている。
また、特許文献1には3−メトキシプロピオン酸メチル100重量部に3−エトキシプロピオン酸エチルを20〜150重量部混合した溶剤組成物が提案されている。
特許文献2には、(A)炭素数が9〜13の脂肪族炭化水素系溶媒を60〜95質量%、(B)単環状ケトン類およびメチルメトキシブタノール類の中から選ばれる一種以上の成分を5〜40質量%の割合で含有することを特徴とする溶剤組成物が提案されている。
特許文献3には、特定化学構造のα−アルコキシイソ酪酸アルキルエステル、β−アルコキシイソ酪酸アルキルエステル、α−ヒドロキシイソ酪酸アルキルエステルから選ばれた少なくとも一種のオキシイソ酪酸エステルを5質量%以上含むことを特徴とする塗料用、コーティング用、接着剤用および印刷インキ用溶剤組成物が提案されている。
しかし、上記ナフテン系炭化水素を主成分とする溶剤をエポキシ樹脂の希釈溶剤として用いると、塗布施工後硬化する際に溶剤の蒸発速度が速いため気化熱によって塗膜表面に水分を呼び込みやすく、結果として塗膜表面の白化を誘発する傾向が強いという問題を生じることがわかった。また、特許文献1〜3に記載の溶剤組成物においても、塗膜表面の白化について全く記載されていない。
特開平3−284651号公報 特開平7−331291号公報 特開2003−147277号公報 「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 中間報告書−第6回及び第7回のまとめ」、厚生労働省発行、平成13年7月5日
本発明は、シックスクール症候群の発症など環境や人体に対する悪影響が少なく、溶解している高分子化合物の性能の発揮を妨げず、かつ塗膜表面の白化などにより美観を損ねることのないエポキシ用溶剤組成物を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明は、エポキシ樹脂に添加される溶剤組成物であって、
水素結合力の相対値が0.7以上1.4未満であるエステル系溶剤、ケトン系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群から選ばれる1種以上の溶剤を65〜90質量%、
水素結合力の相対値が1.4以上2.0以下のアルコール系溶剤を10〜25質量%、
水素結合力の相対値が0.1以上0.7未満で且つトルエン、キシレンを含む芳香族炭化水素系溶剤を除く炭化水素系溶剤を0〜20質量%の割合で含有し、
前記水素結合力の相対値が1.4以上2.0以下の溶剤と前記水素結合力の相対値が0.1以上0.7未満の溶剤は合計で35〜10質量%とされ、
前記水素結合力の相対値が0.7以上1.4未満の溶剤は、前記エーテル系溶剤を必須成分として含み、該エステル系溶剤、前記ケトン系溶剤及び前記エーテル系溶剤を(前記エステル系溶剤あるいは/及び前記ケトン系溶剤):(前記エーテル系溶剤)=(50〜80):(10〜20)の質量比で含むことを特徴とするエポキシ用溶剤組成物を提供している。
本発明者らは、溶剤が溶解している高分子化合物の性能の発揮を妨げず、かつ塗膜表面の白化などにより美観を損ねないためには、溶剤組成物全体の蒸発速度や気化熱だけでなくSP値(溶解パラメーター)等にも適切な範囲があり、さらに各成分の蒸発速度および成分の組み合わせも関係することを見出した。かかる知見に基づき、本発明者らは試行錯誤の検討を加えた結果、水素結合力で分類した場合に水素結合力が中位の溶剤を65〜90質量%、水素結合力が上位の溶剤および/または下位の溶剤を35〜10質量%の割合で配合し、かつ、前記水素結合力が上位の溶剤は10〜25質量%、下位の溶剤は0〜20質量%の割合で配合することにより、本発明の目的を達成できることを知見した。
水素結合力の相対値が0.7以上1.4未満の溶剤としては、エステル系溶剤、ケトン系溶剤またはエーテル系溶剤等が挙げられる。なかでも酢酸ブチルを含むエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンを含むケトン系溶剤を用いることが好ましい。これらは1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
水素結合力の相対値が1.4以上2.0以下の溶剤は、アルコール系溶剤としている。なかでもイソプロパノールを含むアルコール系溶剤を用いることが好ましい。これらのアルコール系溶剤は1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらは10〜25質量%配合している
水素結合力の相対値が0.1以上0.7未満の溶剤は、炭化水素系溶剤としている。なかでもヘキサン、メチルシクロヘキサンを含む炭化水素系溶剤が好ましい。該炭化水素系溶剤は、0〜15質量%配合している。かつ、前記したように、該炭化水素系溶剤として、シックスクール症候群などで人体に影響のあるとされるトルエンおよびキシレンからなる芳香族炭化水素溶剤は除かれる。
本発明のエポキシ用溶剤組成物において水素結合力の相対値が1.4以上2.0以下のアルコール系溶剤の配合量は10〜20質量%が好ましい。アルコール系溶剤の配合量を前記範囲内とすることにより、白化現象をより有効に防止することができる。
本発明のエポキシ用溶剤組成物は、本発明の目的に反しない限り上記以外の他の成分を含んでいても良い。前記他の成分としては、例えば、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、タレ防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤または防黴剤等の各技術分野で慣用されている添加剤が挙げられる。これら添加剤の配合量は各技術分野で通常添加される量にしたがえばよい。
本発明のエポキシ用溶剤組成物は、SP値(溶解度パラメータ)がエポキシ樹脂のSP値に近い設定とし、好ましくは、エポキシ樹脂のSP値に対して±30%の範囲内で、8.5〜10.5に設定していることが好ましい。また、蒸発速度指数が100〜400であることが好ましい。前記SP値および蒸発速度指数は後述する実施例記載の方法により得ることができる。
本発明のエポキシ用溶剤組成物は塗料用、コーティング用、接着剤用および印刷インキ用溶剤として好適に用いられ、特に、無溶剤型エポキシ樹脂の希釈溶剤または洗浄溶剤として好適に用いられる。そのうちでも、現場施工タイプの無溶剤型エポキシ樹脂塗り床に使用する現場添加溶剤として好適に用いることができる。
そのほか、本発明のエポキシ用溶剤組成物は、上述した樹脂からなる塗膜の洗浄用に、切削油、加工油、プレス油、防錆油、潤滑油、グリースもしくはピッチなどとして用いられている油類の洗浄用に、あるいはハンダフラックス、インキもしくは液晶などの洗浄用等に用いることもできる。本発明の溶剤組成物による洗浄は、浸漬、超音波、スプレーなどの種々の洗浄手段により行うことができる。
本発明のエポキシ用溶剤組成物は、トルエンおよびキシレンなどに代表される芳香族炭化水素を含まないことから、環境汚染を引き起こさず、また環境蓄積による生態系への影響も少なく、シックスクール症候群の発症など人体に対する悪影響も少ない。
さらに、本発明のエポキシ用溶剤組成物は、溶解している高分子化合物の性能の発揮を妨げない。例えば本発明の溶剤組成物で希釈したエポキシ樹脂を用いて施工した塗床は、長期間の利用に耐えうる強度と硬度を有する。
さらにまた、塗膜表面の白化などを防止し、塗膜面の美観を保つことができる。とくに本発明の溶剤組成物を塗料または印刷インキなどに用いる場合には、塗膜面の美観が保たれることは大きな利点である。さらには、塗膜表面の白化に基づく塗膜の劣化をおさえることができ、耐久性を向上させることができる。
本発明のエポキシ用溶剤組成物は、水素結合力の相対値が0.7以上1.4未満の溶剤を65〜90質量%の割合で含有している。
また、水素結合力の相対値が1.4以上2.0以下の溶剤および/または水素結合力の相対値が0.1以上0.7未満の溶剤を35〜10質量%の割合で含有している。
上記水素結合力の相対値が0.1以上0.7未満の溶剤中には、トルエン、キシレンを含む芳香族炭化水素系溶剤は含まれず、これらトルエン、キシレンを除くことにより人体に対して影響を有しないものとしている。
前記水素結合力の相対値は、「塗料の流動と顔料分散」(植木憲一監訳 共立出版株式会社発行 発行日昭和46年5月1日発行)の第279頁の表18−2「溶解パラメータと水素結合力分類による一般的溶剤の位置づけ」における水素結合力(相対値)に準拠している。かつ、水素結合力の小、中、大も前記表における「結合力:小」「結合力:中」「結合力:大」の記載に準拠している。
前記水素結合力の相対値が0.1以上0.7未満の溶剤であるアルコール系溶剤を配合する場合は、その配合量を20質量%以下とすることが好ましい。このアルコール系溶剤は親水性があり塗膜中から空気中に拡散される際に水分を呼び込み、この水分を介して空気中の二酸化炭素とエポキシ樹脂硬化剤成分等とが反応して炭酸塩が生成され、結果的に白化を起こしやすくなる。よって、前記したように、10〜20質量とすることが好ましい。
以下に本発明のエポキシ用溶剤組成物に含まれる各成分について説明する。
水素結合力の相対値が0.7以上1.4未満である水素結合力が中位の溶剤としては、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤が挙げられる。
エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メトキシブチルアセテート、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる
トン系溶剤としては、アセトン、メチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトンまたはプロピレンカーボネートなどが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
前記水素結合力が中位の溶剤としては、なかでもエステル系溶剤またはケトン系溶剤が好ましい。
特に、エポキシ樹脂との相溶性等を勘案し、酢酸メチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトンを用いることがより好ましい。
水素結合力の相対値が1.4以上2.0以下である水素結合力が大きい上位の溶剤は、アルコール系溶剤としている
前記アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、n−ブタノール、tert−ブタノール等が挙げられる。なかでもイソプロパノールがより好ましい。
水素結合力の相対値が0.1以上0.7未満である水素結合力が小さい下位の溶剤は、炭化水素系溶剤としている。前記炭化水素系溶剤は、脂肪族系(パラフィン系)炭化水素溶剤、脂環族系(ナフテン系)炭化水素溶剤または芳香族系炭化水素溶剤に大別されるが、本発明においては芳香族系炭化水素溶剤を除く脂肪族系(パラフィン系)炭化水素溶剤または脂環族系(ナフテン系)炭化水素溶剤を用いている
脂肪族系炭化水素溶剤としては、例えば、炭素数6〜25の鎖状飽和炭化水素が挙げられる。より具体的には、例えば炭素数6〜25の直鎖飽和炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、ノナン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン等)および炭素数6〜25の分岐鎖式飽和炭化水素(2,5,8−トリメチルノナン、2,5,8−トリメチルウンデカン、2,5,8,11−テトラメチルドデカン、2,5,8,10−テトラメチルドデカン、2,5,8,11,14−ペンタメチルペンタデカン等)が挙げられる。
脂環族系炭化水素溶剤としては、1または複数個の炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよい炭素数5〜10の環式飽和炭化水素が挙げられる。より具体的には、例えば炭素数1〜12のアルキル基で置換されたシクロへキサン(メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、ヘキシルシクロヘキサン、ヘプチルシクロヘキサン等)および炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいデカヒドロナフタレン(デカヒドロナフタレン、1−メチルデカヒドロナフタレン、1−エチルデカヒドロナフタレン、1−プロピルデカヒドロナフタレン等)、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいテトラデカヒドロアントラセン(テトラデカヒドロアントラセン、1−メチルヒドロテトラデカアントラセン、1−エチルテトラデカヒドロアントラセン、1−プロピルテトラデカヒドロアントラセン等)が挙げられる。
本発明で用いる炭化水素系溶剤としては、1または複数個のハロゲン(フッ素・塩素など)またはニトロで置換されている上記脂肪族系炭化水素または脂環族系炭化水素であってもよい。上記炭化水素系溶剤としては、ヘキサンまたはメチルシクロヘキサンを用いることが好ましい。
本発明のエポキシ用溶剤組成物の好ましい態様は下記の通りである。
(A)酢酸メチル、酢酸ブチル、メチルイブチルケトン、プロピレングリコールメチルエーテルからなる群から選択される1以上の化合物を65〜90質量%
(B)イソプロパノールを25〜10質量%
(C)ヘキサンまたはメチルシクロヘキサンを0〜15質量%
本発明のエポキシ用溶剤組成物は、塗料用、コーティング用、接着剤用および印刷インキ用のエポキシ樹脂に添加して用いられ、SP値(溶解パラメーター)は添加するエポキシ樹脂(代表値10.0〜11.0)に対して±30%の範囲内に設定している。
本発明の溶剤組成物を添加するエポキシ樹脂は、無溶剤型エポキシ樹脂が好ましい。
無溶剤エポキシ樹脂としては特に限定されないが、ビスフェノールAとエピクロルヒドリン等の縮合反応により得られるエピ−ビス型のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂が一般的に用いられる。また、その他にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂等があげられる。その他、特殊なものとして、β−メチルエピクロ型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、ポリグリコールエーテル型、グリコールエーテル型、ウレタン変性エポキシ樹脂等の各エポキシ樹脂も使用できる。
以下に、本発明の実施例1〜9、比較例1〜4、従来例について説明する。
下記の表1に示した各成分を混合しエポキシ用溶剤組成物を調整した。なお、表1中の数字は配合割合(質量%)を示す。
比較例1および比較例2はトルエン・キシレン非含有溶剤として市販されている溶剤組成物(大伸化学株式会社製、「PRTR−200ラッカーシンナー&PRTR−600ラッカーシンナー」)である。従来例は汎用されているトルエン含有溶剤組成物である。
Figure 0004015650
表1に記載されている各成分のSP値(溶解度パラメーター)は、各液体について凝集エネルギー密度の平方根であり、溶解性を特徴づける指標である。SP値は、「塗料の流動と顔料分散」(植木憲二 監訳、共立出版株式会社発行 発行日昭和46年5月1日)の第277頁表13−4および第361頁〜第366頁の付録B「溶剤の性質」の記載に準拠している。
また、表1に記載されている各成分の蒸発速度指数は、酢酸ブチルの蒸発速度を100とした場合の蒸発しやすさ(しにくさ)を示すもので、数値が大きいほど蒸発しやすい。蒸発速度指数も「塗料の流動と顔料分散」(植木憲二 監訳、共立出版株式会社発行、発行日 昭和46年5月1日)の第361頁〜第366頁の付録B「溶剤の性質」の記載に準拠している。
表1に記載されている溶剤組成物のSP値は、前記各成分のSP値をもとにモル加重平均して求めた。溶剤組成物のSP値は8.5〜11.0であることが好ましい。表1に記載されている溶剤組成物の蒸発速度指数も同様に前記各成分の蒸発速度指数をもとに、下記のように、モル加重平均して求めた。溶剤組成物の蒸発速度指数は100〜400であることが好ましい。
前記溶剤組成物の蒸発速度は、混合溶剤中のA成分の蒸発速度を、下式より求め、これらの混合材料中のそれぞれの成分の蒸発速度を合計したものである。前記溶剤組成物のSP値も同様に求めたものである。
配合中のA成分の割合(%)× A成分の蒸発速度
A成分の分子量 × 配合中のモル合計
得られた溶剤組成物を用いて下記試験を行った。下記試験においては、エポキシ樹脂として常温硬化型2液性エポキシ樹脂(無溶剤型、SRIハイブリッド製「グリップコートG−30」(重量比:主剤/硬化剤=5/1))を用いた。
(試験例1;ブラッシング(表面白化)試験)
室温15℃、湿度70%に調整した試験室にて、エポキシ樹脂を正規配合比で混合した樹脂中に、それぞれ調整した溶剤組成物を3質量%添加し、1分間混合した。その材料をテストピースに1.0kg/m相当の均一な厚みとなるよう金鏝で塗布した後15分間静置させた。その後再び樹脂を塗布し硬化後の外観を目視にて評価した。評価は、表面に白化がみられないものを「○」、やや白化傾向が見られるものを「△」、明らかに白化しているものを「×」とした。
(試験例2;硬度試験)
室温5℃、湿度60%に調整した恒温恒湿室にエポキシ樹脂を正規配合比で混合した樹脂を予め保管しておき、当該樹脂にそれぞれ調整した溶剤組成物を3質量%添加し、1分間混合した。その材料をテストピースに1.0kg/m相当の均一な厚みとなるよう金鏝で塗布した後放置した。その後24時間、48時間、72時間後の硬度をショアーD硬度計にて測定した。
溶剤組成物を添加しなかった場合、ショアーD硬度計にて測定した72時間後の硬度は標準状態(室温5℃、湿度60%)で85°となる。ゆえに、本試験における72時間後の硬度が83°以上であることが好ましい。
(試験例3;洗浄力試験)
標準状態(温度23℃、湿度60%)でエポキシ樹脂塗料のみをテストピースに塗布後、それぞれ調整した溶剤組成物に室温で3分間浸漬し、洗浄面積を目視にて確認した。
評価は、50%以上洗浄されたものを「○」、50〜30%洗浄されたものを「△」、30%未満しか洗浄されなかったものを「×」とした。
(総合評価)
全てにおいて問題なく使用できるものを「◎」、一部でやや問題がでるものの使用可能なものを「○」、使用において支障が出るものを「×」とした。
表1に示されるように、実施例1〜6は表面白化が全くなく、洗浄力および環境汚染はいずれもよく、総合評価は「◎」で、適正な硬度を有するものであった。
実施例7、8、9は僅かに白化現象を生じたが使用上で問題ない範囲であった。比較例1〜4および従来例は白化現象が生じていた。
本発明のエポキシ用溶剤組成物は、塗料用、コーティング用、接着剤用および印刷インキ用として用いるられるエポキシ樹脂に添加する溶剤として好適に用いられる。

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂に添加される溶剤組成物であって、
    水素結合力の相対値が0.7以上1.4未満であるエステル系溶剤、ケトン系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群から選ばれる1種以上の溶剤を65〜90質量%、
    水素結合力の相対値が1.4以上2.0以下のアルコール系溶剤を10〜25質量%、
    水素結合力の相対値が0.1以上0.7未満で且つトルエン、キシレンを含む芳香族炭化水素系溶剤を除く炭化水素系溶剤を0〜20質量%の割合で含有し、
    前記水素結合力の相対値が1.4以上2.0以下の溶剤と前記水素結合力の相対値が0.1以上0.7未満の溶剤は合計で35〜10質量%とされ、
    前記水素結合力の相対値が0.7以上1.4未満の溶剤は、前記エーテル系溶剤を必須成分として含み、該エステル系溶剤、前記ケトン系溶剤及び前記エーテル系溶剤を(前記エステル系溶剤あるいは/及び前記ケトン系溶剤):(前記エーテル系溶剤)=(50〜80):(10〜20)の質量比で含むことを特徴とするエポキシ用溶剤組成物。
  2. 記水素結合力の相対値が1.4以上2.0以下のアルコール系溶剤を10〜20質量%以下の割合で含有している請求項1に記載のエポキシ用溶剤組成物。
  3. 前記水素結合力の相対値が0.7以上1.4未満の溶剤が、酢酸ブチルを含むエステル系溶剤および/またはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンを含むケトン系溶剤であり、
    前記水素結合力の相対値が1.4以上2.0以下の溶剤がイソプロパノールを含むアルコール系溶剤であり、
    前記水素結合力の相対値が0.1以上0.7未満の溶剤が、芳香族炭化水素を除く、ヘキサン、メチルシクロヘキサンを含む炭化水素系溶剤である請求項1または請求項2に記載のエポキシ用溶剤組成物。
  4. SP値(溶解度パラメータ)がエポキシ樹脂のSP値に対して±30%の範囲で且つSP値が8.5〜11.5であり、
    蒸発速度指数が100〜400である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエポキシ用溶剤組成物。
  5. 無溶剤型エポキシ樹脂の希釈溶剤または洗浄溶剤として用いられる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエポキシ用溶剤組成物。
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