JP4013034B2 - 可溶化性イソフラボン組成物、その製造法及びイソフラボン含有水性飲料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イソフラボン組成物に関し、特に、可溶化性イソフラボン組成物,該組成物の製造方法及び可溶化状態のイソフラボンを含有する水性飲料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イソフラボンは、近年の研究において、エストロゲン作用,抗酸化作用,抗癌作用及び骨密度低下抑制作用などの生理作用を有する人体に有用な物質であり、各種の癌や骨粗鬆症等の予防や健康増進に極めて有効であることが解明されてきた。健康を保持するための成人一人が一日に必要なイソフラボン量は、例えば、20〜40mg程度であろうと推定されている。イソフラボンは、例えば、豆類に多量に含有される物質で、日本人は、通常の食生活においてかなりの量を摂取しているが、食生活の洋風化による摂取量の不足を補う必要から、イソフラボン粉末が商品として市販されるようになった。
【0003】
イソフラボン、すなわち、3−フェニルクロモンは、天然での存在は知られていないが、例えば、豆科の植物、代表的には大豆からダイジン,グリシチンやゲニスチンなど種々のイソフラボン誘導体が見出されており、抽出,分離されている。その抽出作業は、通常、有機溶剤あるいは含水有機溶剤で抽出が行われている。そのため、抽出液には、溶剤に可溶性の大豆サポニン,大豆蛋白その他の成分類が、不純物として不可避的に混入する。例えば、特開平4−266898号公報には、大豆胚軸を粉砕して5倍量の70%含水アルコールで3回抽出し、更に含水ブタノールで抽出したのち減圧乾燥するイソフラボン類取得方法が開示されている。
【0004】
また、特開平10−23878号公報には、脱脂大豆フレークのエタノール抽出物から、エタノールを除去した大豆モラセス水溶液を加温し、限外ろ過した透明液を冷却してイソフラボンを沈殿させて回収する方法、あるいは透過液を吸着樹脂に吸着させたイソフラボンをアルコールと水の混合溶媒で溶出する方法が記載されている。更に、特開平10−316671号公報には、大豆類のアルコール抽出物からアルコールを除去し、アルカリ処理してイソフラボン化合物を可溶性にしたのち、酸により析出,沈殿させてイソフラボン誘導体類を製造する方法が記載されている。この抽出分離されたイソフラボンは、通常、30%以上を含有する混合物として好ましく提供されるが、精製して、例えば、80%以上の高純度のイソフラボンも提供されている。
【0005】
しかし、イソフラボンは水に溶解しないので、食品等への適用が制約される。食品と共に摂取するには、イソフラボンを水溶性化することが望ましく、そのような観点から、イソフラボンの水溶性化ないし可溶化について広く研究が行なわれ、いくつかの可溶化法の提案がなされた。例えば、特開平9−309902号公報には、イソフラボン誘導体をサイクロデキストリンで包接させた可溶性の包接イソフラボンを製造する方法が開示されている。特開平10−298175号公報は、大豆原料から得られる抽出物を水溶液中でサイクロデキストリンと接触させ、不溶物を除去してサイクロデキストリンにより包接された水易溶性の大豆イソフラボンを製造する方法を記載している。しかし、これらの方法によって得られるイソフラボンは、水に溶解するとき、経時的に沈殿物が生じたり、液が褐色に着色するなどの不都合がしばしば発生する。また、サイクロデキストリンの包接能に基づく水溶化は、フレーバ成分や香気成分を同時に包接して、その飲料が有する望ましい芳香が失われたり、食品によっては使用できないという問題がある。
【0006】
更に、特開平12−325043号公報は、無水又は含水プロピレングリコ−ル及び/又はオクテニルコハク酸澱粉からなる可溶化剤を用いてイソフラボンを可溶化する方法を記載している。しかし、かかる方法により可溶化されたイソフラボンは、透明な飲料等に適用するとき、経時的に濁りや沈殿物が生じて必ずしも満足し得る製品を提供することができない。また、プロピレングリコール等の合成溶媒を含有するため、健康増進のための飲料としては好ましくないし、商品価値を低下させる。特開平11−243928号公報には、アラビアガム等のような懸濁化剤を用いてイソフラボン化合物を水中懸濁液にする方法が開示されている。しかし、該公報には、懸濁化剤として、各種ガム類やその他の懸濁剤,界面活性剤,粘稠剤,増粘剤や賦形剤等が列記され、懸濁化能を有するそれらの物質類が、イソフラボンの安定な懸濁粘稠液を提供すること、及びその懸濁液として水性飲料に添加,利用されることを記載しているが、そのイソフラボン懸濁液は、透明性を重視する飲料には、実質的に適用できない。
【0007】
本発明者らは、人の健康保持に有用なイソフラボンを、日常、飲用している各種飲料に適用することに着目し、各種果物のジュース類のような懸濁状、あるいは乳濁状飲料のみならず、透明な各種飲料に含有させることができる可溶化イソフラボンを提供するする方法について研究を重ね、極めて実用上望ましい方法を開発した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、不溶性イソフラボンを可溶化し得るイソフラボン組成物を提供することにある。また、本発明の他の課題は、そのような可溶化性イソフラボン組成物を効率的に製造する方法を提供することにある。本発明の更に他の課題は、透明性が重要視される水性飲料に添加して透明なイソフラボン含有飲料を提供することにある。本発明のその他の技術的特徴ないし優れた効果は、以下の記載から一層明らかになるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、前記特許請求の範囲の請求項1〜3に記載の要件から成る可溶化性イソフラボン組成物、その製造方法及びそれを用いる可溶化イソフラボン含有水性飲料の製造方法に関する。そのような可溶化性イソフラボン組成物は、10μm以下の粒子サイズを有するイソフラボン粉末に、イソフラボン1量部当たり1〜100 重量部の範囲割合のアラビアガムを配合することによって提供される。該組成物は、好ましくは、水媒体中で混合され、その水性液を濃縮又は脱水乾燥することにより可溶化性イソフラボン組成物を効率的に製造することができる。また、該イソフラボン組成物を水性飲料に添加して、イソフラボンを 0.5〜200 mg/リットルの濃度範囲内に調整し、これを加熱殺菌したのち冷却することにより、可溶化イソフラボン含有水性飲料が効果的に提供される。透明な水性飲料に適用して透明性を維持するには、イソフラボンの濃度は、120 mg/リットル以下が望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の可溶化性イソフラボン組成物を製造するには、イソフラボンは、粒子サイズが10μm以下に調整することが重要である。イソフラボン粉末の粒子サイズが10μmを超えると、後述するようなアラビアガム水溶液中でのイソフラボンの加熱溶解に長時間を要し、実用的にも工業的にも不利である。好ましい粒子サイズは5μm以下であり、特に、2〜1μm以下程度の可及的微細な微粉末に調整することが実用上極めて望ましい。そのような微粉砕化は、どのような手段によっても、また、どのような粉砕機を使用してもよいが、湿式粉砕機による粉砕が、実用上好ましく且つ有利に採用される。そのような湿式粉砕としては、例えば、ビーズ(ボール)を利用して、水に分散させたイソフラボンを粉砕するミルが実用的である。その粉砕条件は、イソフラボン原料の状態,ビーズの材質,大きさ,充填率等の条件及びミル運転条件等により異なるが、簡単な実験により粒径の変化を調べながら最適条件を容易に見出すことができる。
【0011】
アラビアガムは、アラビノース,ガラクトース,ラムノース,グルクロン酸などを主成分とする無色ないし淡黄色の高分子物質で、加熱溶解タイプと冷水溶解タイプがあるが、本発明においては何れも使用でき、球状塊,フレーク又は粉末として市販されている。また、アラビアガムは水易溶性で、乳化剤,増粘剤,接着剤,あるいはコロイド安定剤などとして、その水溶液粘性を利用して医療用や食品用に使用されている。事実、前記特開平11−243928号公報には、その粘性を利用した水性懸濁剤として利用されることが記載されている。本発明者らは、そのようなアラビアガムについて、その他の知見を得るべく実験を重ねる過程において、意外なことに、アラビアガムは、厳しい制約条件はあるが、イソフラボン化合物を可溶化させる性能を有することを知った。
【0012】
その制約条件として、イソフラボンは10μm以下、好ましくは5μm以下の粒子サイズに粉砕することが重要であり、また、アラビアガムは、イソフラボン1重量部に対して1〜100 重量部の範囲量が配合使用されれる。更に、水可溶化ないし溶解されるイソフラボンの水中濃度は、厳密ではないが、その上限は、アラビアガムの配合量とも関連すると推定されるが、200 mg/水リットル(L)程度であろう。アラビアガムの配合量がイソフラボン1重量部当たり1重量部未満では、加熱によるイソフラボンの可溶化がスム−ズでなく、透明水溶液が形成されたとしても冷却によって容易に不透明化するので、安定な透明水溶液を得ることは期待できない。100 重量部を超える使用は、その使用量に見合った可溶化能及びその安定性の向上が得られないので工業的に不利である。アラビアガムの実用的に好ましい使用量は、イソフラボン1重量部当たり3〜30重量部である。
【0013】
湿式粉砕用ビーズミルを用いるイソフラボンの微粉砕においては、イソフラボンは水性分散液として粉砕に供されるが、粉砕効率及び粉砕時間を考慮すれば、例えば、イソフラボンは、水100 重量部に対し10〜30重量部程度が好都合に採用される。また、所望粒径に粉砕する作業時間は、ビーズの大きさや数、ミルの回転速度等によっても相違する。その設定条件における粉砕速度は、粒径の変化を適宜の時間的間隔で調べることにより、所望径への粉砕時間を予測し、決定することができる。このイソフラボンの粒径は、前述のように、アラビアガム共存下での加熱溶解速度に大きく影響し、可及的微細に粉砕すれば、その加熱溶解時間は著しく短縮する。
【0014】
本発明においては、10μm以下の粒子サイズに粉砕された10〜30重量%程度のイソフラボン含有水分散液にアラビアガムが添加混合される。そのように調整されたイソフラボン−アラビアガム水性分散組成物は、濃縮水性組成物として提供されるが、要すれば、脱水乾燥して粉末混合物にされる。その乾燥方法には、特に制約はなく、凍結乾燥,噴霧乾燥やドラムドライヤによる従来知られた各種乾燥法は、すべて採用できる。高濃度のイソフラボンを含有する水性組成物においては、イソフラボンは水に分散しているだけで溶解しているわけではなく、この分散組成物を飲料に加えても、また、粉末混合物を飲料に加えてもイソフラボンは実質的に溶解しないが、加熱することにより媒体水に可溶化し、あるいは溶解状態となる。
【0015】
その理由は明らかではないが、イソフラボンは、アラビアガムを等重量以上含有する水中においては、加熱によって溶解あるいは可溶化するという特異な現象が見出された。そのイソフラボン可溶化水溶液は、例えば、200 ppm 以下のイソフラボンを含有する場合、常温まで冷却しても析出したり混濁することがなく、経時的にも極めて安定であることも判かったのである。従って、水性透明飲料にイソフラボンを200 ppm 以下の濃度で含有させるときは、その飲料は長期にわたって透明性が保持され、商品価値の低下の恐れがないので極めて望ましい商品を提供する。イソフラボンの含有濃度が高すぎると、加熱によって溶解ないし可溶化させることができたとしても、冷却によってイソフラボンの大きな粒子が析出し、例えば、10〜60μm程度の大きなサイズの粒子結晶が生ずるので、水性飲料への適用は極めて不都合である。析出した大きな粒子は、イソフラボン濃度を低くして再度加熱溶解させようとすれば極めて長い時間を要するので、透明飲料等に200 ppm を超える高濃度のイソフラボンを含有させることは避けなければならない。
【0016】
前記したように、人の一日の必要量は、イソフラボン20〜40mg程度と推定され、例えば、200 mlの飲料で摂取するとすれば、その中に上記程度のイソフラボン量を溶存させればよい。このイソフラボン濃度は、飲料1リットル(L)当たり、100 〜200 mgの含有量、すなわち、100 〜 200 ppmであるから、本発明に係る組成物を飲料に適用した場合に、結晶が析出する恐れはない。一日にイソフラボン含有飲料を1L飲む場合や補足量の摂取でよいことを考慮すれば、飲料中のイソフラボン濃度は、更に低い濃度、例えば、0.5 mg/L程度でも有効であるが、通常、3〜200mg/Lの濃度に調整される。飲料中に含有させるイソフラボンは、飲料の種類、飲料のパック容量によって異なるが、1パック当たり5〜40mg、好ましくは、10〜30mgを溶解させたものが実用的であり、大容量パックの場合は、かなり薄いイソフラボン濃度の飲用水として提供される。
【0017】
本発明に係るイソフラボン組成物が適用される飲料は、通常、瓶やペットボトルあるいは紙パック等に封入して販売される飲料類であって、例えば、ミネラルウォーター,緑茶,紅茶,烏龍茶のような各種のお茶や各種の炭酸含有清涼飲料水のような透明な飲料及び酒,ビール類を含む各種アルコール系飲料、あるいは各種液状スープ類が包含される。また、葡萄,りんごや桃などの透明なジュースは勿論のこと、柑橘類その他の濁った各種ジュース類や牛乳にも添加して人の健康のために適用することができる。そのような濁ったジュースに適用した場合にも、イソフラボンは可溶化状態で溶存し、析出,分離する恐れが全くない。
【0018】
これらの飲料は、一般に、常温あるいは10℃以下に冷して飲用されるが、それらの製品は、容器に充填する直前又は充填後に加熱殺菌処理される。本発明に係るイソフラボン組成物は、加熱処理の前の飲料に所定量が添加され、イソフラボン濃度が調整されて、加熱殺菌処理することによりイソフラボンは、好都合に溶解又は可溶化する。加熱殺菌は、通常、50℃ないし100 ℃の温度で行われるが、飲料によっては、本来の風味や味が損なわれないように、加熱殺菌温度及び時間が制限されるものもあるので、イソフラボンはその処理条件で完全且つ容易に溶解することが重要である。制約のない場合は、80℃以上の温度で、好ましくは、85℃ないし95℃の温度で行うことが工業的に有利である。
【0019】
【実施例】
以下、具体例により、本発明を更に詳細に説明する。なお、例中の部数及び%は、特に記載がない限り重量による。
【0020】
(実施例 1)
イソフラボン約80%を含有する「イソフラボン80」(ホーネンコーポレーション社製)400 gを1600gの水に分散させ、内容量 0.5リットル(L)のOBミル(ターボ工業社製の湿式粉砕機で、径が 0.5mmのステンレスビーズ充填率90%)に入れて、約2分間粉砕した。そのイソフラボン粒子の径は約3μmであった。更に、同様の粉砕操作を2回繰返して、径が約1μmのイソフラボンの微細粒子の分散液を調製した。他方、濃度 0.6%のアラビアガム( INSTANT GUM IRX40693;コロイドナチュレル社製)の水溶液 100gに、上記イソフラボン分散液60mgを加えた(イソフラボン:アラビアガムの重量比は、ほぼ 9.6mg: 600mg=1:60である)。この分散液を86℃に加熱すると透明になった。この透明溶液を室温まで放冷し、そのまま1ケ月保存したが、液の透明性には全く変化が見られなかった。
【0021】
(実施例 2)
実施例1で調製したイソフラボンの分散液60gにアラビアガム粉末40g及び防腐剤としてポリリジン(商品名:チッソ株式会社製) 0.1gを添加溶解させて、流動性を有する濃厚なイソフラボン分散液(イソフラボン濃度約 9.6%)を調製した。その分散液のイソフラボン:アラビアガムの重量比は、ほぼ 9.6g:40g=1:4である。このイソフラボン高濃度分散液を6ヵ月保存後、その分散液の状態を観察したところ、分散液状態に変化は全く見られなかった。
【0022】
(比較例 1)
実施例1で調製した粒子径約1μmのイソフラボンの微細粒子の分散液(イソフラボン濃度16%)60mgを濃度 0.007%のアラビアガム水溶液 100gに加え、分散させた。分散液中のイソフラボン:アラビアガムの重量比は、ほぼ1: 0.7(約9.6 mg:7mg)である。この分散液をかき混ぜながら86℃まで加熱して透明化させたが、この溶液を室温まで冷却してところ、液は半透明になった。
【0023】
(実施例 3)
上記比較例1のイソフラボンの微細粒子の分散液60mgをアラビアガム濃度1%の水溶液 100gに加え、86℃の温度に加熱して分散液を透明化した。この透明性は、実施例1のものと同様に安定であった。この液は、イソフラボン:アラビアガムの重量比が、ほぼ1:100 (9.6 mg:1000mg)で、イソフラボン濃度は、96 ppmである。
【0024】
(比較例 2)
実施例1で調製したイソフラボン約 9.6%を含有するアラビアガム水溶液(イソフラボン:アラビアガムの重量比は、ほぼ1:4)の 0.5gを、撹拌条件下の1Lの水に添加し、86℃までの温度に加熱してイソフラボンを溶解させ、イソフラボン500ppmの透明な水溶液を形成させた。しかし、この溶液は室温まで冷却するとき、イソフラボンの粗大な沈殿が生じた。
【0025】
(実施例 4)
実施例1で用いた「イソフラボン80」の微細分散液 0.1gとアラビアガム粉末 1.6gを90gの水に加え、その分散液を85℃まで高めてイソフラボンを可溶化した。これに果糖 5.5g,りんご酸0.05g及び酒石酸 0.034gを順次添加し、混合したのち、水を加えて全量が 100gのジュースを製造した。このジュース 100g中に含有されるイソフラボンとアラビアガムの重量比は、それぞれ16mg及び1600mg、すなわち、約1:100 の重量比である。得られた透明なジュースを瓶に詰め、冷蔵庫に入れて4〜7℃の温度で1ヵ月保存した。保存後のジュースに変化は全く認められず、透明感の優れたものであった。
【0026】
(実施例 5)
実施例2のイソフラボンが分散したアラビアガム水溶液60gをかき混ぜている水40gに投入し、均質化したのち、噴霧乾燥してイソフラボン成分を約20%含有する粉末組成物を得た。得られた粉末 0.5gを常温の水1000gに投入して85℃まで加熱すると、イソフラボンが速やかに溶解して、透明で安定な水溶液が得られた。
【0027】
【発明の効果】
イソフラボン微粒子と等重量以上のアラビアガムを含有する本発明に係る組成物は、各種飲料に添加して加熱することにより、イソフラボンを容易に可溶化ないし溶解させることができ、そのように調製された200ppm以下のイソフラボンを溶存する飲料は、冷却によって濁りや沈殿を生ずることがない。また、本発明に係る組成物を水性飲料に適用してイソフラボンを加熱溶解させたものは、例えば、加熱保存,室温保存,冷蔵保存等のいずれの保存方法においても、長期にわたって優れた透明安定性が得られる。
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