JP4012519B2 - アレイアンテナ通信装置及び制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のアンテナを用いて送受信アンテナ・パターンを制御する通信装置に関し、特にアダプティブ・アレイ・アンテナの制御装置及び制御方法に関する。
空間的に離間させて配列された複数の単位アンテナで受信された各信号を適切に加算合成することにより、希望波の到来方向にビームを有し、かつ干渉波の到来方向にヌルを有する受信アンテナ・パターンを形成して、希望信号を選択的に受信するアダプティブ・アレイ・アンテナを備えた通信装置が知られている。
図6は、従来のアダプティブアレイ通信装置の全体構成を示すブロック図である。従来アダプティブ・アレイ・アンテナにおいて、所望の送受信アンテナ・パターンを得るため、送受信信号の振幅及び位相に適切な重み付け処理が施される。ところが、こうした制御に際して各アンテナ素子に対応した受信回路において、結合器、分配器及び増幅器のアナログ素子の経年劣化による時間的な変動が発生する。
そのため、それぞれ独立して位相や振幅の特性のばらつきにより受信信号(RX)とモニタ信号(モニタRX)の位相や振幅の特性差又は遅延差が生じ、さらに未知の振幅変動や位相回転が加わることにより、指向性パターンが希望するものとは異なって形成されてしまう。このような各受信回路の特性差又は遅延差は、受信利得の低下を引き起こし、通信品質の劣化を招くことになる。
そこで、特許文献1に示すように、無線受信部の振幅特性および遅延特性を検出するために、実際のスペクトラム拡散通信に使用する拡散信号と同一の帯域幅の信号またはそれに近い帯域を有する信号をキャリブレーション信号として使用し、各無線受信部からの出力信号を逆拡散した相関出力と基準識別点とを比較することにより正確な振幅特性および遅延差を検出している。
また、特許文献2に示すような技術が公開されており、アダプティブ・アレイ・アンテナ受信装置では、各受信回路の位相や振幅の特性を計算してキャリブレーション係数を求め、受信された通信信号の位相や振幅に算出されたキャリブレーション係数の位相成分及び振幅成分をそれぞれ乗算することで受信回路間の特性差を補償している。
さらに、本願出願人は、特願2003−151825号として改良されたアレイアンテナ装置を出願した。この先願発明によれば、4系統の単位アンテナに対応するRF送信系回路およびRF受信系回路について、それらを信号が通過する際の振幅変化量相互の差および位相回転量相互の差が各単位アンテナ間でほぼ等しく、RF受信系回路から出力される信号に、直接または周波数変換する。
その後、単位アンテナ毎に相互に直交化された符号信号を掛け合わせ、その後それらを加算多重してモニタ受信部に入力し、モニタ受信部の出力に各単位アンテナに対応した符号信号を再度掛け合わせることにより、各アンテナに対応する信号を再生し、これをアダプティブアレイ制御部に入力することで回路構成を簡略化する技術を公開している。
特開平11−46180号公報 特開2002−300086号公報 「アレーアンテナによる適応信号処理」,初版,株式会社科学技術出版,1998年11月
従来から、アダプティブ・アレイ・アンテナの制御で使用するモニタ受信器の回路規模を減少させる為に、従来方式では単位アンテナ毎に直交化された符号信号を掛け合わせた後に多重し、単位アンテナモニタ信号用受信器を共有することで、1つのモニタ受信器で実現する技術がある。この技術により回路構成を簡素化し、各信号間の遅延量の誤差を低減させていた。
しかし、受信器の出力に各単位アンテナに対応した符号信号を再度掛け合わせて、各単位アンテナに対応する信号を再生するためには、符号信号を掛け合わせた後に符号信号1周期分の時間にわたって積分を行って不要な信号成分を除去する必要がある。
一方、積分操作は積分区間より周期の短い信号成分も取り除いてしまうので、各単位アンテナに対応する信号をなるべく忠実に再生するためには積分区間は短いほど良いという特性があった。
図7は、従来のアダプティブアレイ通信装置を用いて実際に測定を行って得られた実験結果である。振幅検出器で検出した自己相関特性の大きさと相互相関特性の大きさを、それぞれ別に測定を行い、それぞれの結果を重ね合わせたものである。
それぞれの相関特性が最大となる場所では、他の相関値は‘0’に近い値となるので、少なくとも4つのピークは、振幅検出器出力は図7に示したピークの和に等しい。このため、相関特性の和である振幅検出器の遅延誤差・出力レベル特性が複数のピークを持ち、自己相関特性を識別できず、同期点の判定が不可能となるという問題があった。
そこで、本発明は上記従来の課題を解決するため、符号信号の周期が短くても遅延回路の最適な遅延量を求めることが可能な改良されたアレイアンテナ通信装置を提供することにある。
以上のような問題を解決するために、本発明に係るアレイアンテナ通信装置は、複数の単位アンテナを含むアダプティブ・アレイ・アンテナを用いる送受信系と、各単位アンテナの指向性をモニタするモニタ系と、を有するアレイアンテナ通信装置に関する。
そして、本発明の前記送受信系は、単位アンテナ毎に設けられたRF送信増幅部と、単位アンテナ毎に前記RF送信増幅部と並列に設けられるRF受信増幅部と、前記RF送信増幅部又は前記RF受信増幅部と切り換えて接続される重み付け部と、複数の重み付け部に接続され、送信信号を分配し、受信信号を合成する分配合成部と、分配合成部に接続された送信部(TX)及び受信部(RX)と、重み付け部を制御して複数の単位アンテナをアダプティブ・アレイ・アンテナとして機能させるアダプティブアレイ制御部と、を備える。
そして、本発明の前記モニタ系は、前記RF受信増幅部から分岐した単位アンテナ毎の信号を拡散多重する拡散多重部と、拡散多重化された信号を周波数変換して増幅するモニタ受信部(モニタRX)と、前記モニタ受信部からの信号を単位アンテナ毎の拡散符号で逆拡散分離する逆拡散分離部と、前記拡散多重部に供給した拡散符号を前記モニタ受信部の遅延量でタイミングを補正して逆拡散分離部へ拡散符号を供給する同期確立部と、を備え、前記同期確立部は、拡散符号を遅延させる遅延部と、前記逆拡散分離部の少なくとも振幅を検出する振幅検出部と、振幅検出部より検出結果を取得して、前記遅延部へ補正された遅延量を設定する遅延制御部と、直交用符号を出力する直交用符号出力部と、同期用符号を出力する同期用符号出力部と、直交用符号と同期用符号を切り換える符号切換部と、を備える。
そして、本発明に係るアレイアンテナ装置は、直交用符号の代わりに前記モニタ受信部の遅延量を測定する同期用符号を切り換えて遅延量を測定し、補正された遅延値を設定することにより同期を確立することを特徴とする。
また、本発明に係るアレイアンテナ装置において、前記遅延制御部は、遅延量を測定するために前記符号切換部を制御し、前記拡散多重手段に同期用符号を供給し、モニタ受信信号のサンプル間隔きざみで前記遅延部の遅延量を可変する遅延量可変手段と、当該遅延量可変手段による遅延量と振幅検出器の検出結果とを記憶する遅延量記憶手段と、検出した振幅が最大となる遅延量を前記遅延量記憶手段から検索し、当該遅延量から同期点に近い遅延量を判定する遅延量判定手段と、を備え、前記符号遅延部に補正された遅延量を設定し同期を確立することを特徴とする。
さらに、本発明に係るアレイアンテナ装置において、前記同期用符号出力部は、同期用符号を記憶する記憶手段を有し、自己相関が同期点で最大値となり、相互相関を含む相関値で同期点が判別可能であり、同期点からずれた場合の自己相関関数の傾きが急峻である符号信号を、記憶し、出力することを特徴とする。
さらにまた、本発明に係るアレイアンテナ装置において、前記同期用符号出力部は、さらに、同相加算して生成される系列について‘0’の連続数が少なく、同相加算して生成される系列について‘0’の個数が少ない符号信号を、記憶し、出力することを特徴とする。
本発明に係るアレイアンテナ通信装置の制御方法は、複数の単位アンテナを含むアダプティブ・アレイ・アンテナを用いる送受信工程と、単位アンテナの指向性をモニタするモニタ工程を、を有するアレイアンテナ通信装置の制御方法に関する。
そして、本発明の前記送受信工程は、単位アンテナ毎に設けられたRF送信増幅工程及びRF受信増幅工程と、前記RF送信増幅工程と前記RF受信増幅工程の信号に重み付けを行う重み付け工程と、当該重み付け工程で得られた信号を分配合成する分配合成工程と、分配合成工程の信号を送信する送信工程(TX)及び信号を受信する受信工程(RX)と、前記重み付け工程を制御して複数の単位アンテナをアダプティブ・アレイ・アンテナとして機能させるアダプティブアレイ制御工程と、を備える。
そして、本発明の前記モニタ工程は、前記RF受信増幅工程から分岐した単位アンテナ毎の信号を拡散多重する拡散多重工程と、拡散多重化された信号を周波数変換して増幅するモニタ受信工程(モニタRX)と、前記モニタ受信工程からの信号を単位アンテナ毎の拡散符号で逆拡散分離する逆拡散分離工程と、前記拡散多重工程に供給した拡散符号を前記モニタ受信工程の遅延量でタイミングを補正して逆拡散分離工程へ拡散符号を供給する同期確立工程と、を備える。
そして、本発明の前記同期確立工程は、拡散符号を遅延させる遅延工程と、前記逆拡散分離工程の少なくとも振幅を検出する振幅検出工程と、振幅検出工程より検出結果を取得して、前記遅延工程へ補正された遅延量を設定する遅延制御工程と、直交用符号を出力する直交用符号出力工程と、同期用符号を出力する同期用符号出力工程と、直交用符号と同期用符号を切り換える符号切換工程と、を備え、前記同期確立工程は、前記モニタ受信工程の遅延量を測定する同期用符号を直交用符号の代わりに用いて遅延量を求める。
このようにして、本発明のアレイアンテナ装置は、補正された遅延量に基づき、直交用符号により拡散して多重化された信号から、正しく所望の信号を分離するために、対応する直交用符号をモニタ受信信号に含まれる直交用符号の信号にタイミングを合わせて出力することを特徴とする。
本発明を用いたアレイアンテナ通信装置は、遅延回路の最適な遅延量を測定によって求めるのに適した特別な符号信号を用意して、通常のアダプティブアレイ運用時に用いる直交化のための符号信号との使い分けを行うことにより遅延回路の最適な遅延量を測定によって識別することを可能とする効果がある。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
1 装置の構成
図1は、本発明の第1の実施形態におけるアダプティブアレイ通信装置40の全体構成を示すブロック図である。アダプティブアレイ通信装置40は大きく分けて送受信系とモニタ系に分けられ、さらにモニタ系には同期確立回路30を有している。
送受信系は、アダプティブ・アレイ・アンテナは4個の単位アンテナ1を含み、各アンテナに入力された信号は、送受切換器4が受信側に接続されている状態で、低雑音増幅器3(LNA)を通過し、重み付け回路5に入力される。
ここで、送受切換器4の間では、送信系と受信系とでそれぞれ別個独立した回路(すなわちRF送信系回路及びRF受信系回路)を有しており、RF送信系回路には、送信電力増幅器2(PA)が設けられ、RF受信系回路には低雑音増幅器3(LNA)が設けられている。
受信信号は重み付け回路5において、それぞれ振幅及び位相に対して重み付けされ、各単位アンテナ1の信号が分配合成部6において加算され、受信器8を通ってベースバンド処理部9へ供給される。
一方、送信信号はベースバンド処理部9から送信器7を介して送受切換器4cから分配合成部6へ送られる。前記重み付け回路5による重み付けを最適値に制御するために、アダプティブアレイ制御部10が設けられており、このアダプティブアレイ制御部10には前述した受信器8からの受信信号と後述するモニタ受信器14からの単位アンテナモニタ信号が供給され、これによって得られた所望の重み付け値が単位アンテナ1毎の重み付け回路5へ供給される。
各単位アンテナ1に対応する上記RF送信系回路及びRF受信系回路について、それらを信号が通過する際の振幅変化量相互の差および位相回転量相互の差が各単位アンテナ間でほぼ等しく、上記RF受信系回路から出力される信号に直接または周波数変換される。
その後、単位アンテナ1毎に相互に直交化された符号信号を乗算器16で掛け合わせ、それらを多重化してモニタ受信器14に入力し、そのモニタ受信器14の出力に各単位アンテナ1に対応した符号信号を乗算器12で再度掛け合わせて積分器11で積分することにより、各単位アンテナ1に対応する時系列信号を再生しこれをアダプティブアレイ制御部10に入力するように構成される。
以下、同期確立回路30について説明する。遅延回路の最適な遅延量を求める際に使用する同期用符号は、同期用符号出力器22から直交符号出力器21と同じタイミングで出力される。これら2つの符号信号は遅延制御部18からの制御信号によってセレクタ20で切り換えられて、どちらか一方が選択され乗算器16へ送られる。遅延回路17は遅延制御部18からの遅延設定値にしたがって遅延量を変化させる。
符号信号により直交化して多重化された信号から、正しく所望の信号を分離する為には、対応する符号信号をモニタ受信信号に含まれる符号信号にタイミングを合わせて乗算する必要があり、そのためタイミングの誤差が最も少なくなるように遅延回路17の遅延量を調整する。
振幅検出器19は、積分器11の出力であるモニタ受信信号の振幅の大きさを検出して、遅延制御部18に伝達する。遅延制御部18は符号信号の切り換えの指令を出力するほか、振幅検出器19からもたらされる振幅情報に基づいて遅延量を最適化する。
2 同期用符号の選定
同期用符号出力器22は記憶メモリを内蔵するアナログ出力器であり、単位アンテナ1毎の同期用符号が記憶され、遅延制御部18からの指令により出力するものである。同期用符号は、以下に示す方法により予め“0”と“1”のパターンが選定される。しかし、実際に相関演算を行う場合には“0”は“−1”に置き換えて乗算することはいうまでもない。
同期用符号を選定するにあたって、同期用符号に求められる5つの条件を以下に示す。
(1)自己相関が同期点で最大値
(2)相関値(相互相関を含む)で同期点が判別可能
(3)同期点からズレた場合の自己相関関数の傾きが急峻である
(4)同相加算して生成される系列について0の連続数が少ない
(5)同相加算して生成される系列について0の個数が少ない
システム要件によって符号長がnである場合、符号となりうる候補の数は2n通り存在するから、計算機を用いて上記1〜5の条件を満たす符号を求める。仮にn=8の場合に最適な同期用符号をコンピュータにより選定して、符号信号の候補を(表1)に示す。(表1)は、第1の実施形態における同期用符号の候補を示すリストである。
符号Aは同期用符号出力器22のA端子から出力される符号信号であり、他の符号B〜符号Dは3つの符号をどのように割り当てても良く、符号A〜符号Dのn=8の信号が乗算器16で乗算され、モニタ受信器14,A/Dコンバータ13、乗算器12及び積分器11を通りアダプティブアレイ制御部10の“u1”端子及び振幅検出器19に入力される。
Figure 0004012519
図2は、本発明の第1の実施形態におけるアダプティブアレイ通信装置に用いられる直交用符号を用いた振幅検出器出力の一例である。図2の左上段は符号Aの自己相関であり、同期点=“0”でピークを有している。さらに、右上段における符号B〜符号Dの相互相関の和と合成することで下段の振幅検出器出力の一例に示すように、ピークを有していない。なお、本実施形態においては、チップ長をn=8としている。
図3は、本発明の第1の実施形態におけるアダプティブアレイ通信装置に用いられる同期用符号を用いた振幅検出器出力の理想的な結果の一例である。図3の左上段は符号Aの自己相関であり、同期点=“0”でピークを有している。さらに、右上段における符号B〜符号Dの相互相関の和は“0”を示しており、不要な信号成分が発生してない。さらに2つの信号を合成することで下段の振幅検出器出力の一例に示すように、同期点で自己相関が最大となり、同期点以外のピークは同期点のピークの1/2に落ち込んでおり、同期用符号としては理想的な特性を有していることが分かる。
このように、同期用符号を用いることで、直交用符号では判別できなかった同期点を振幅値から容易に検出することが可能となる。
通常、このような符号は、4つの単位アンテナにおける受信系の全てが互いに直交していなければならない直交用符号の組み合わせでは得られるものではなく、n=8の条件で、同期点判別可能な相関特性を得ることは出来ないが、本発明の実施形態における同期用符号を用いる事により可能となる。
3 同期確立の具体的な処理
図4は、本発明の実施形態における同期確立処理の流れを示すフローチャートである。モニタ受信機14の同期確立を行う手順を図4に基づいて説明する。最初に、アダプティブアレイ通信を中断して、ステップS11において符号同期を開始する。
手順1 符号切換器の制御
ステップS12において、セレクタ20は普段は直交用符号が選択されているので、同期確立時は同期用符号に切り換える。よって同期確立中は、アダプティブアレイの運用は休止する。
手順2 遅延回路の遅延量を制御
ステップS13において、遅延回路17の遅延量(0〜1周期)をn=―4から+4まで順次設定を行う。遅延回路がディジタル回路である場合、受信信号のサンプル間隔の分解能で遅延量を制御すればよい。また、同期点は必ず同期用符号の1周期以内に存在するので、遅延量の可変範囲は同期用符号1周期分あれば良い。
手順3 相関値の大きさを記録
ステップS14において、振幅検出器19で受信信号の振幅レベルの大きさを測定する。図3に示した相関特性より、最も相関値が高い場所が同期点であることから、全ての測定が完了してから大小を比較するため遅延量設定値とペアにして相関値を記録しておく。全ての設定値についての測定が完了するまで、手順2、3(ステップS13、S14)を繰り返す。
手順4 相関値最大となる遅延量を選別
ステップS15の計測終了判定において、1周期分の測定が終了した場合、ステップS16へ進む。ステップS16において、記録しておいた結果から、最大の相関値を持つ遅延量設定値を同期点に最も近い遅延量であると判断して、遅延回路に再設定し同期確立を完了する。
手順5 セレクタの制御
ステップS17において、セレクタ20を直交用符号に切り換えて、ステップS18において符号同期処理が終了し、アダプティブアレイ通信の運用を再開する。
なお、本発明に係る同期確立処理は、アダプティブアレイ通信装置の電源投入直後の自己診断時に実行しても良いし、好ましくは、定期的な校正時に実行しても良い。
図5は、本発明の第2の実施形態におけるアダプティブアレイ通信装置の全体構成を示すブロック図である。第2の実施形態では、4つのモニタ受信経路おける遅延量がそれぞれ異なり、同一の遅延回路設定値では不具合が生じる場合、図5に示したように遅延回路17それぞれ別に持ち、設定される遅延量も異なった値にすることが可能な同期確立回路31を有する装置構成としている。
第1の実施形態においては、1つの遅延回路構成したため同期用符号は1つ用意するだけで済んだが、第2の実施形態では上述した最適な遅延量を求める操作をそれぞれの受信経路別に行う必要がある。同期用符号は測定の対象となる経路に表1に示す組み合わせ番号4,5の符号Aに示す(11100100)の符号を用いる。残りの3つはどのような組み合わせでも良い。
また、実際の符号同期処理は、第1の実施形態の処理を遅延回路17の個数分繰り返すことにより遅延量を決定している。
以上説明したように、本発明を用いたアダプティブアレイ制御装置は、モニタ受信器等のアナログ回路における経年変化により変化する値を遅延回路の最適な遅延量を測定によって求めるのに適した特別な符号信号を用意して、通常のアダプティブアレイ運用時に用いる直交化のための符号信号との使い分けを行うことができることを特徴とする。
さらに、遅延回路の最適な遅延量を求める測定を行うにあたって、測定対象となる単位アンテナモニタ受信系に自己相関特性が同期点を識別可能なピークを持つ符号信号を割り当て、他の単位アンテナモニタ受信系に対しては前述の符号信号に対する相互相関値特性が前述の自己相関特性に対して同期点の識別を妨害しない程度に十分低い符号信号を割り当てることにより、遅延回路の最適な遅延量を測定によって識別し、補正することが可能という効果がある。
なお、本発明の実施形態に係る4つの単位アンテナを有するアレイアンテナ装置において、(1)拡散符号はモニタ受信信号を拡散多重・逆拡散分離するための符号であり、(2)直交用符号は、4つが互いに同期点で直交する拡散符号であり、さらに、(3)同期用符号はある単位アンテナの符号に対して残り3つが遅延に関係なく直交する拡散符号である。
本発明の第1の実施形態におけるアダプティブアレイ通信装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態におけるアダプティブアレイ通信装置に用いられる直交用符号を用いた振幅検出器出力の一例である。 本発明の第1の実施形態におけるアダプティブアレイ通信装置に用いられる同期用符号を用いた振幅検出器出力の理想的な結果の一例である。 本発明の実施形態における同期確立処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態におけるアダプティブアレイ通信装置の全体構成を示すブロック図である。 従来のアダプティブアレイ通信装置の全体構成を示すブロック図である。 従来のアダプティブアレイ通信装置を用いて実際に測定を行って得られた実験結果である。
符号の説明
1 単位アンテナ、2 送信電力増幅器、3 低雑音増幅器、4 送受切換器、5 重み付け回路、6 分配合成部、7 送信器、8 受信器、9 ベースバンド処理部、10 アダプティブアレイ制御部、11 積分器、12,16 乗算器、13 A/Dコンバータ、14 モニタ受信器、17 遅延回路、18 遅延制御部、19 振幅検出器、20 セレクタ、21 直交符号出力器、22 同期用符号出力器、30,31 同期確立回路、40 アダプティブアレイ通信装置。

Claims (5)

  1. 複数の単位アンテナを含むアダプティブ・アレイ・アンテナを用いる送受信系と、各単位アンテナの指向性をモニタするモニタ系と、を有するアレイアンテナ通信装置において、
    前記送受信系は、
    単位アンテナ毎に設けられたRF送信増幅部と、
    単位アンテナ毎に前記RF送信増幅部と並列に設けられるRF受信増幅部と、
    前記RF送信増幅部又は前記RF受信増幅部と切り換えて接続される重み付け部と、
    複数の重み付け部に接続され、送信信号を分配し、受信信号を合成する分配合成部と、
    分配合成部に接続された送信部(TX)及び受信部(RX)と、
    重み付け部を制御して複数の単位アンテナをアダプティブ・アレイ・アンテナとして機能させるアダプティブアレイ制御部と、
    を備え、
    前記モニタ系は、
    前記RF受信増幅部から分岐した単位アンテナ毎の信号を拡散多重する拡散多重部と、
    拡散多重化された信号を周波数変換して増幅するモニタ受信部(モニタRX)と、
    前記モニタ受信部からの信号を単位アンテナ毎の拡散符号で逆拡散分離する逆拡散分離部と、
    前記拡散多重部に供給した拡散符号を前記モニタ受信部の遅延量でタイミングを補正して逆拡散分離部へ拡散符号を供給する同期確立部と、
    を備え、
    前記同期確立部は、
    拡散符号を遅延させる遅延部と、
    前記逆拡散分離部の少なくとも振幅を検出する振幅検出部と、
    振幅検出部より検出結果を取得して、前記遅延部へ補正された遅延量を設定する遅延制御部と、
    直交用符号を出力する直交用符号出力部と、
    同期用符号を出力する同期用符号出力部と、
    直交用符号と同期用符号を切り換える符号切換部と、
    を備え、
    直交用符号の代わりに前記モニタ受信部の遅延量を測定する同期用符号を切り換えて遅延量を測定し、補正された遅延値を設定することにより同期を確立することを特徴とするアレイアンテナ通信装置。
  2. 請求項1に記載のアレイアンテナ装置において、
    前記遅延制御部は、
    遅延量を測定するために前記符号切換部を制御し、前記拡散多重手段に同期用符号を供給し、
    モニタ受信信号のサンプル間隔きざみで前記遅延部の遅延量を可変する遅延量可変手段と、
    当該遅延量可変手段による遅延量と振幅検出器の検出結果とを記憶する遅延量記憶手段と、
    検出した振幅が最大となる遅延量を前記遅延量記憶手段から検索し、当該遅延量から同期点に近い遅延量を判定する遅延量判定手段と、
    を備え、
    前記符号遅延部に補正された遅延量を設定し同期を確立することを特徴とするアレイアンテナ装置。
  3. 請求項1から2のいずれか1項に記載のアレイアンテナ装置において、
    前記同期用符号出力部は、
    同期用符号を記憶する記憶手段を有し、
    自己相関が同期点で最大値となり、相互相関を含む相関値で同期点が判別可能であり、同期点からずれた場合の自己相関関数の傾きが急峻である符号信号を、記憶し、出力することを特徴とするアレイアンテナ装置。
  4. 請求項3に記載のアレイアンテナ装置において、
    前記同期用符号出力部は、さらに、
    同相加算して生成される系列について‘0’の連続数が少なく、同相加算して生成される系列について‘0’の個数が少ない符号信号を、記憶し、出力することを特徴とするアレイアンテナ装置。
  5. 複数の単位アンテナを含むアダプティブ・アレイ・アンテナを用いる送受信工程と、単位アンテナの指向性をモニタするモニタ工程を、を有するアレイアンテナ通信装置の制御方法において、
    前記送受信工程は、
    単位アンテナ毎に設けられたRF送信増幅工程及びRF受信増幅工程と、
    前記RF送信増幅工程と前記RF受信増幅工程の信号に重み付けを行う重み付け工程と、
    当該重み付け工程で得られた信号を分配合成する分配合成工程と、
    分配合成工程の信号を送信する送信工程(TX)及び信号を受信する受信工程(RX)と、
    前記重み付け工程を制御して複数の単位アンテナをアダプティブ・アレイ・アンテナとして機能させるアダプティブアレイ制御工程と、
    を備え、
    前記モニタ工程は、
    前記RF受信増幅工程から分岐した単位アンテナ毎の信号を拡散多重する拡散多重工程と、
    拡散多重化された信号を周波数変換して増幅するモニタ受信工程(モニタRX)と、
    前記モニタ受信工程からの信号を単位アンテナ毎の拡散符号で逆拡散分離する逆拡散分離工程と、
    前記拡散多重工程に供給した拡散符号を前記モニタ受信工程の遅延量でタイミングを補正して逆拡散分離工程へ拡散符号を供給する同期確立工程と、
    を備え、
    前記同期確立工程は、
    拡散符号を遅延させる遅延工程と、
    前記逆拡散分離工程の少なくとも振幅を検出する振幅検出工程と、
    振幅検出工程より検出結果を取得して、前記遅延工程へ補正された遅延量を設定する遅延制御工程と、
    直交用符号を出力する直交用符号出力工程と、
    同期用符号を出力する同期用符号出力工程と、
    直交用符号と同期用符号を切り換える符号切換工程と、
    を備え、
    前記同期確立工程は、前記モニタ受信工程の遅延量を測定する同期用符号を直交用符号の代わりに用いて遅延量を求め補正し、
    補正された遅延量に基づき、直交用符号により拡散して多重化された信号から、正しく所望の信号を分離するために、対応する直交用符号をモニタ受信信号に含まれる直交用符号の信号にタイミングを合わせて出力することを特徴とするアレイアンテナ通信装置の制御方法。
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