JP2023150301A - 無線通信装置、無線通信システム、キャリブレーション方法およびキャリブレーションプログラム - Google Patents

無線通信装置、無線通信システム、キャリブレーション方法およびキャリブレーションプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】簡単かつ短時間にキャリブレーションできること。【解決手段】無線通信装置110の制御部204は、アンテナ111を介して送信される送信信号に所定の遅延量τを設定し、複数のアンテナ111のうち一つを基準アンテナ111a、他の一つをキャリブレーション対象のアンテナ111bとし、それぞれに送信信号を与えて、基準アンテナ111aから送信信号を送信させ、キャリブレーション対象のアンテナ111bから所定の遅延量τが付与された送信信号を送信させる制御を行う。制御部204は、送信信号の送信により受信装置150側で観測された、受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差Δに基づき、当該偏差Δを解消する位相量を移相器114に設定する。【選択図】図2

Description

本発明は、無線通信装置、無線通信システム、キャリブレーション方法およびキャリブレーションプログラムに関する。
高周波帯における無線通信の実現および伝送特性の向上のために、複数のアンテナ素子を用いたビームフォーミングが行われる。ビームフォーミングにおいて所望する方向にビームのピークを向けるには、向けた方向で位相が同相となるように複数のアンテナ素子の電波を合成する必要がある。
無線通信装置は、各アンテナ素子、分配回路、電力増幅器等を有し、これらにおいて振幅および位相にばらつきが生じる。このばらつきを補正するためには、アンテナ素子をキャリブレーションする必要が生じる。
キャリブレーションの先行技術としては、例えば、周波数帯域を複数のスペクトラムに分割して各アンテナからサブスペクトラムを送信し、アンテナを介して受信した各サブスペクトラムの振幅位相が互いに揃うように調整する技術がある。また、基準信号を分配し複数のアンテナ素子を切替えて送信し、各アンテナ素子の送信信号を順次受信して電力と位相を求め、一つのアンテナ素子の基準位相に対する位相差をアンテナ素子毎に求め、公差内に収まるよう各アンテナ素子の位相を校正する技術がある。また、校正用信号の各サブキャリアをアンテナ素子毎に割り当て、各アンテナ素子から送信し、各素子の校正用信号が重畳された受信信号を受信アンテナで受信し、サブキャリアに分離し、送信用アレーアンテナの各素子の振幅位相の誤差を検出して校正する技術がある。また、REV法と呼ばれ、アンテナの全素子をONにし測定する素子の設定位相を順次変えて測定し、初期状態の合成ベクトルに対する測定素子の相対振幅と位相差を求めることにより、遠方界で電力のみの測定でキャリブレーションする技術がある。
特開2017-005623号公報 特開2018-100839号公報 特開2011-106858号公報
真野 清司,外1名,"フェイズドアレーアンテナの素子振幅位相測定法-素子電界ベクトル回転法-",電子通信学会論文誌,1982年5月,Vol.65-B No.5,pp.555-560
従来技術では、複数のアンテナ素子のキャリブレーションに手間および時間がかかった。従来のキャリブレーションでは、各アンテナ素子の移相器の位相を全て変化させて受信電力の変化をモニタすることで、最適なキャリブレーションの位相を求めているため、設定した位相数分の時間がかかってしまう。例えば、Nビット移相器を用いた場合、2N回の調整処理が必要となった。
一つの側面では、本発明は、簡単かつ短時間にキャリブレーションできることを目的とする。
本発明の一側面によれば、複数のアンテナを介して受信装置との間で無線通信を行う無線通信装置において、前記アンテナを介して送信される送信信号に所定の遅延量を付与する遅延部と、前記アンテナを介して送信される送信信号の位相を可変自在な移相器と、キャリブレーション制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の一つをキャリブレーション対象のアンテナとし、それぞれに送信信号を与えて、前記基準アンテナから前記送信信号を送信させ、前記キャリブレーション対象のアンテナから前記所定の遅延量が付与された前記送信信号を送信させる制御を行うとともに、前記送信信号の送信により前記受信装置側で観測された、受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差に基づき、当該偏差を解消する位相量を前記移相器に設定する、ことを要件とする。
本発明の一態様によれば、簡単かつ短時間にキャリブレーションできるという効果を奏する。
図1は、実施の形態にかかるキャリブレーション方法の一実施例の説明図である。 図2は、無線通信システムの構成例を示す図である。 図3は、制御部のハードウェア構成例を示す図である。 図4は、実施の形態にかかるキャリブレーション処理の概要の説明図である。 図5は、基地局装置のキャリブレーション処理の具体例を示す図である。 図6は、キャリブレーション処理例のフローチャートである。 図7は、無線通信システムの他の構成例を示す図である。 図8は、他のキャリブレーション処理例のフローチャートである。 図9は、無線通信システムの他の構成例を示す図である。
以下に図面を参照して、開示の無線通信装置、無線通信システム、キャリブレーション方法およびキャリブレーションプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態にかかるキャリブレーション例)
図1は、実施の形態にかかるキャリブレーション方法の一実施例の説明図である。図1(a)に示すように、無線通信システム100は、QPSKや16QAM等のIQデジタル変調方式によりシンボルの送信信号を伝送する送信装置110と、受信装置150とを含む。実施の形態のキャリブレーション方法は、送信装置110が備える複数のアンテナ素子のキャリブレーションを行う。
なお、キャリブレーションは、アンテナ素子のみの校正ではなく、アンテナ素子、分配回路、電力増幅器等の各部のばらつきに基づき、無線通信装置が送信する複数のアンテナ信号の振幅や位相のばらつきを校正することを意味する。
送信装置110は、例えば基地局装置であり、受信装置150は送信装置110と無線通信可能な端末装置であり、キャリブレーション時、端末装置を固定位置に配置して行う。
送信装置110は、送信信号を送信する送信アンテナとして複数のアンテナ素子111を有する。実施の形態では、送信装置110は、複数のアンテナ素子111を基準アンテナ111aと、キャリブレーションアンテナ111bとに分ける。送信装置110は、基準アンテナ111aおよびキャリブレーションアンテナ111bからそれぞれ送信信号を送信する。送信信号は、振幅と位相成分を有する。
受信装置150は、受信アンテナ151により送信装置110から送信される信号を受信し、受信信号を復調する。また、詳細は後述するが、受信アンテナ151で受信した受信信号は、スペクトルモニタ等により周波数毎の受信電力を測定する。受信装置150は、測定した周波数毎の受信電力の情報を送信装置110にフィードバック出力する。
送信装置110は、基準アンテナ111aを基準としてキャリブレーションアンテナ111bのキャリブレーションを行う。図1(a)の例では、便宜上、キャリブレーションを行う複数のキャリブレーションアンテナ111bを一つのみ記載した。
キャリブレーションアンテナ111b側には、移相器114と、遅延器115とを設ける。移相器114は、送信信号の位相を可変する。遅延器115は、送信信号に所定の遅延量τを与える。
受信装置150は、受信アンテナ151により送信装置110から送信される信号を受信し、受信信号を復調する。また、詳細は後述するが、受信アンテナ151で受信した受信信号は、スペクトルモニタ等により周波数毎の受信電力を測定する。受信装置150は、測定した周波数毎の受信電力の情報を送信装置110にフィードバック出力する。
図1(b)は、遅延量τ=0のときのIQ座標上の信号点のコンスタレーションを示す図である。横軸はI信号、縦軸はQ信号成分である。図1(b)に示すように、遅延器115の遅延量τ=0のとき、基準アンテナ111aの送信信号の信号点の位相がθ1、キャリブレーションアンテナ111bの送信信号の信号点の位相がθ2であり、位相にばらつきがあるとする。この場合、基準アンテナ111aの位相θ1と、キャリブレーションアンテナ111bの位相θ2との間の位相差θ21=θ2-θ1である。例えば、移相器114を用いた位相調整(従来技術相当)では、移相器114の位相調整量φ2=-θ21とすることで、キャリブレーションアンテナ111bの位相θ2を、基準アンテナ111aの位相θ1に合わせることができる。
図1(c)は、遅延量τ=0のときの受信電力を示す図である。横軸は周波数f、縦軸は、受信装置150による受信電力である。遅延量τ=0において、移相器114の位相調整量φ2を変化させたとする。送信信号は振幅と位相成分を含むため、位相調整量φ2の変化に応じて信号成分全体の受信電力が増減することになる。この場合、従来技術相当の移相器114だけで位相調整するには、受信電力がピークとなる位相調整量φ2を探す必要がある。
図1(d)は、遅延量τ=1のときの送信信号のIQ特性図である。実施の形態では、キャリブレーション時にキャリブレーションアンテナ111b側の送信信号に対し、遅延器115により遅延量τを与える。遅延量τは、例えば、ベースバンド信号の1サンプル(Ts:シンボル周期)分である。この場合、基準アンテナ111a側は、遅延量τ=0であるため、基準アンテナ111aの位相はθ1のままである。これに対し、キャリブレーションアンテナ111b側の位相θ2は、遅延量τにより信号点がf+またはf-側に回転する。
図1(e)は、遅延量τ=1のときの受信電力を示す図である。基準アンテナ111aとキャリブレーションアンテナ111bから送信され、受信装置150が受信する受信信号の特性図を示す。キャリブレーションアンテナ111b側の送信信号に遅延量τを与えることにより、信号周波数帯域で強め合う部分で受信電力が増加し、弱め合う部分で受信電力が減少する特性の周期波形が観測される。ここで、受信装置150で観測される信号の中心周波数0(f0)に対し、波形のピークは周波数のズレ(偏差)Δを有する(図1(e)の例では+Δ)。したがって、送信装置110の移相器114に対し、偏差+Δを解消する逆の位相量-Δを与えることで、1回の観測でキャリブレーションを行う。
これにより、実施の形態によれば、無線通信装置のキャリブレーションを簡単かつ短時間に行うことができる。
(無線通信システムの構成例)
図2は、無線通信システムの構成例を示す図である。無線通信システム100の送信装置110は、例えば基地局装置であり、受信装置150は、無線通信可能な端末装置を用いることができる。
送信装置110は、図1に示した基準アンテナ111aと、複数のキャリブレーションアンテナ111bと、移相器114と、遅延器115と、送信信号発生部201と、分配回路202と、スイッチ203と、制御部204と、を含む。
送信装置110は、複数のアンテナ素子111の一つを基準アンテナ(#0)111aとして用い、他の複数のアンテナ素子111をキャリブレーションアンテナ(#1~#N)111bとして用いる。
送信信号発生部201は、送信装置110が生成したデジタルの送信信号をアンテナ素子111に出力する。送信信号発生部201が出力する送信信号は2分岐され、一方が基準アンテナ111aの系統に出力され、他方がキャリブレーションアンテナ111b側の系統に出力される。なお、基準アンテナとキャリブレーション対象のアンテナに入力される送信信号は、分岐出力された送信信号ではなくてもよく、同一の送信信号であればよい。
キャリブレーションアンテナ111b側の複数の各アンテナ系統には、それぞれ遅延器115と、分配回路202と、移相器114と、スイッチ203が設けられる。遅延器115は、キャリブレーションアンテナ111b側の系統の送信信号に遅延量τを与える。分配回路202は、送信信号をN個のキャリブレーションアンテナ111bに分配する。
移相器114は、分配回路202で分配されたN個のキャリブレーションアンテナ111bそれぞれの系統で位相を可変する。スイッチ203は、制御部204の選択により、キャリブレーションを行うキャリブレーションアンテナ(#1~#N)111bの一つを選択する。スイッチ203は、選択した一つのキャリブレーションアンテナ111bから送信信号を送信する。
制御部204は、送信装置110の制御を統括し、実施の形態では、キャリブレーションにかかる制御を行う。図2に示した制御部204は、受信装置150から取得した受信信号の周波数スペクトルの情報に基づき、キャリブレーションにかかる制御を行う。
制御部204は、キャリブレーションにかかる制御として、遅延器115に対する遅延量τの設定、スイッチ203によりキャリブレーションを行う系統の選択、移相器114によりキャリブレーションを行う系統に対する位相調整、の各制御を行う。
受信装置150は、受信アンテナ151と、受信信号復調部211と、周波数スペクトルモニタ部212とを含む。受信アンテナ151は、送信装置110が送信した送信信号を受信する。受信信号復調部211は、受信アンテナ151が受信した送信信号を復調し、受信装置150内部の復号部等のデータ処理部に出力する。
受信アンテナ151の受信信号は、周波数スペクトルモニタ部212に分岐出力される。周波数スペクトルモニタ部212は、受信信号の周波数スペクトルを解析処理し、解析したスペクトル情報を送信装置110の制御部204に伝送出力する。
図2のシステム構成例において、受信装置150から送信装置110へのスペクトル情報のフィードバック経路は通信回線を用いるに限らない。例えば、出荷時の検査時、測定室内で受信装置150のスペクトル情報に基づき、送信装置110の制御部204に対し、遅延量と位相の設定を手動操作してキャリブレーションすることもできる。
(制御部のハードウェア構成例)
図3は、制御部のハードウェア構成例を示す図である。送信装置110の制御部204は、図3に示すCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ301と、メモリ302と、ネットワークIF303と、記録媒体IF304と、記録媒体305とを有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、プロセッサ301は、実施の形態にかかるキャリブレーション制御を司る。プロセッサ301は、複数のコアを有していてもよい。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMが制御プログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがプロセッサ301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、プロセッサ301にロードされることで、コーディングされている処理をプロセッサ301に実行させる。
ネットワークIF303は、通信回線を通じてネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介して他の通信装置に接続される。他の通信装置は、例えば、図1に示した受信装置150である。そして、ネットワークIF303は、ネットワークNWと装置内部とのインタフェースを司り、他の通信装置からのデータの入出力を制御する。
記録媒体IF304は、プロセッサ301の制御に従って記録媒体305に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体305は、記録媒体IF304の制御で書き込まれたデータを記憶する。
また、受信装置150についても、キャリブレーション制御にかかる構成は、図3に示すハードウェアにより構成できる。
(キャリブレーション処理の概要)
図4は、実施の形態にかかるキャリブレーション処理の概要の説明図である。図2に示した送信装置110の制御部204は、図4(a)~(d)に示すキャリブレーション処理を行う。図4(a)~(d)は、受信装置150の周波数スペクトルモニタ部212がモニタした周波数スペクトルであり、横軸は受信信号の周波数、縦軸は受信信号の電力である。
はじめに、送信装置110(制御部204)は、遅延器115の遅延量τ=0(遅延なし)に設定する。送信装置110は、複数のキャリブレーションアンテナ111bのうち一つを選択する。そして、送信装置110は、送信信号を基準アンテナ111a、および選択されたキャリブレーションアンテナ111bから送信する。受信装置150は、基準アンテナ111a、および選択されたキャリブレーションアンテナ111bから送信された送信信号を受信することで、受信装置150では、図4(a)~(d)に示すスペクトルが検出される。
送信信号の遅延がない(τ=0)のとき、受信装置150の周波数スペクトルモニタ部212には、キャリブレーションアンテナ(#1)111bの位相のズレ(偏差)に応じて信号成分全体が平坦な受信電力が検出される。
図4(a)~(d)には、便宜上、異なる時期に観測した2つのキャリブレーションアンテナ(#1,#N)のスペクトルを示してある。なお、図4(a)に示すキャリブレーションアンテナ(#1,#N)111bの受信電力は、偏差によりいずれも十分ではなく受信電力が低い状態を示す。
次に、送信装置110は、遅延器115の遅延量を例えば2Ts(遅延あり)に設定する。そして、送信装置110は、送信信号を基準アンテナ111a、およびキャリブレーションアンテナ(#1,#N)111bからそれぞれ送信する。
送信信号に遅延がある(τ=2Ts)のとき、図4(b)に示すように、受信装置150の周波数スペクトルモニタ部212には、キャリブレーションアンテナ(#1)111bについて周期波形のピークで偏差(-Δ)が観測される。この観測により、送信装置110は、移相器114に対し、キャリブレーションアンテナ(#1)111bの位相の補正量+Δを与える。
キャリブレーションアンテナ(#N)111bについては、送信信号に遅延がある(τ=2Ts)のとき、受信装置150の周波数スペクトルモニタ部212には、キャリブレーションアンテナ(#N)111bについて周期波形のピークで偏差(+Δ)が観測される。この観測により、送信装置110は、移相器114に対し、キャリブレーションアンテナ(#N)111bの位相の補正量-Δを与える。ここで、偏差(+Δ)とその位相の補正量-Δは、各キャリブレーションアンテナ(#1~#N)で、独立した異なる値である。
これにより、図4(c)に示すように、受信装置150の周波数スペクトルモニタ部212には、キャリブレーションアンテナ(#1)111bについて送信信号の中心周波数0に周期波形のピークが位置し、偏差が解消された状態となる。
同様に、キャリブレーションアンテナ(#N)111bについても、受信装置150の周波数スペクトルモニタ部212には、送信信号の中心周波数0に周期波形のピークが位置し、偏差が解消された状態となる。
キャリブレーション後、送信装置110は、遅延器115の遅延量を戻し、遅延なし(τ=0)に設定する。これにより、図4(d)に示すように、キャリブレーションアンテナ(#1)111bの受信電力は、偏差の解消により、図4(a)に対し、十分な受信電力が得られる状態となる。
同様に、キャリブレーションアンテナ(#N)111bについても、受信電力は、偏差の解消により、図4(a)に対し、十分な受信電力が得られる状態となる。
(基地局装置のキャリブレーション処理の具体例)
図5は、基地局装置のキャリブレーション処理の具体例を示す図である。上述した送信装置110でのキャリブレーションは、既存の基地局装置を対象として実施することができる。
送信装置110に相当する基地局装置は、送信信号発生部(デジタル信号発生部)201は、セクタやサイト別、MIMO伝送別に複数(#1~#N)備えている。また、N個の遅延器(デジタルディレイ)115と、N個のアンテナブランチ111A,111B,…111Nが設けられる。各アンテナブランチ111A,111B,…111Nは、アレー状のアンテナ素子によりビームフォーミングを行って送信を行う。このため、基地局装置では、高利得となるキャリブレーションが必要である。なお、図5では、便宜上、N(ブランチ数に相当)=2の構成を記載してある。
また、基地局装置は、遅延器(デジタルディレイ)115は、アンテナブランチ111A,111B,…111N間の信号伝送の遅延を補償する。
そして、実施の形態では、基地局装置の異なるアンテナブランチ111A,111B,…111Nに対するキャリブレーションを実施する。例えば、アンテナブランチ111Aの一つのアンテナ素子(#6)を基準アンテナ111aとして用いる。そして、基準アンテナ111aとして用いたアンテナブランチ111A以外の他のアンテナブランチ111Bの各アンテナ素子(#1~#6)をキャリブレーションアンテナ111bとしてキャリブレーションを順次行う。
このキャリブレーション時、キャリブレーション側であるアンテナブランチ111Bに接続された遅延器115は、遅延量τ=0,1をそれぞれ設定する。
なお、図5に示すように、基地局装置は、送信信号発生部201をN個有するが、実施の形態におけるキャリブレーションでは、図2に示したように、一つの送信信号発生部201を用いるだけで済む。例えば、図5の基地局装置のキャリブレーション時、一つの送信信号発生部201が生成する送信信号を分岐させる。そして、送信信号の一方を基準アンテナ111aのアンテナブランチ111Aに出力し、送信信号の他方をキャリブレーションアンテナ111bのアンテナブランチ111Bに出力すればよい。
以上のように、実施の形態では、送信装置110である基地局装置のキャリブレーションを既存の基地局装置の設備を利用して行うことができる。
(キャリブレーション処理例1)
図6は、キャリブレーション処理例のフローチャートである。図6は、図2に示した構成例に対応したキャリブレーション処理であり、送信装置110の制御部204(プロセッサ301)が実施する。キャリブレーション処理は、例えば、送信装置110の出荷前の検査時に、測定室内に送信装置110および受信装置150を配置して行うことができる。また、キャリブレーション処理は、出荷後の経年変化に対応して所定時期毎に実施することもできる。送信装置110は、送信信号発生部201の出力分岐により、送信信号を基準アンテナ111aと、キャリブレーションアンテナ111bとから送信する。
はじめに、送信装置110は、基準アンテナ111aより信号(リファレンス信号)を送信する。この際、送信装置110は、キャリブレーションアンテナ111b側の遅延器115に遅延量τを設定する(ステップS601)。基準アンテナ111aから送信された送信信号は、キャリブレーションアンテナ111bをキャリブレーションするための基準となる。
次に、送信装置110は、送信信号を送信するキャリブレーションアンテナ111bのうちキャリブレーションを行うアンテナのスイッチ203をONとし、他のアンテナをOFFとする(ステップS602)。例えば、送信装置110は、キャリブレーションアンテナ111bを所定の順番#1~#Nで一つずつ選択する。このように、送信装置110は、送信信号発生部201が出力する送信信号を、基準アンテナ111aと、選択したキャリブレーション対象の一つのキャリブレーションアンテナ111bとから同時に送信する。
次に、送信装置110は、受信装置150に対し、帯域の中心周波数で電力がピークとなる、送信側の移相器114の位相を検出させる(ステップS603)。次に、送信装置110は、帯域の中心周波数で電力がピークとなる、移相器114の位相を設定する(ステップS604)。ステップS603による位相の検出は、送信装置110の移相器114の位相可変に対応して、受信装置150の周波数スペクトルモニタ部212によって検出され、送信装置110の制御部204に出力される。ステップS604では、送信装置110(制御部204)は、帯域の中心周波数で電力がピークとなったときの移相器114の位相を移相器114に設定する。
次に、送信装置110は、全てのキャリブレーションアンテナ111bで実施済か否かを判断する(ステップS605)。判断の結果、キャリブレーションを未実施のアンテナ(#2~#N)があれば(ステップS605:No)、送信装置110はステップS602の処理に戻る。一方、判断の結果、全てのキャリブレーションアンテナ(#1~#N)111bでのキャリブレーションを実施済であれば(ステップS605:Yes)、送信装置110は、ステップS606の処理に移行する。
ステップS606では、送信装置110は、ステップS601で遅延器115に設定した遅延量τを0に戻し(ステップS606)、以上の処理を終了する。
図6に示すキャリブレーション処理では、ステップS603およびステップS604の位相検出および設定の処理を1度実行するだけで選択した一つのキャリブレーションアンテナ111bに対するキャリブレーションを迅速に行える。これに対し、従来技術では、図6のステップS603,ステップS604対応の位相調整の処理で上述した2N回の調整処理が必要となり煩雑となった。
(無線通信システムの他の構成例)
図7は、無線通信システムの他の構成例を示す図である。図7に示す無線通信システム100では、送信装置110は図2同様の構成であるため説明を省略する。図7に示す受信装置150は、図2よりも簡易的に構成している。
受信装置150は、受信アンテナ151と、受信信号復調部211と、複数の帯域フィルタ701と、受信電力測定・最大電力周波数推定部702と、送信側最適位相算出部703と、設定位相フィードバック部705とを含む。受信アンテナ151は、送信装置110が送信した送信信号を受信する。受信信号復調部211は、受信アンテナ151が受信した送信信号を復調し、受信装置150内部の復号部等のデータ処理部に出力する。
受信アンテナ151の受信信号は、複数の帯域フィルタ701に分岐出力される。複数の帯域フィルタ701は、受信信号の周波数帯域を異なる周波数帯域でそれぞれ通過させる複数のバンドパスフィルタ(BPF)で構成できる。例えば、帯域フィルタ701は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の特定のサブバンド別(例えば10個)で配置すればよい。
受信電力測定・最大電力周波数推定部702は、帯域フィルタ701を通過後の受信信号の受信電力を測定する。受信電力測定・最大電力周波数推定部702は、この測定により各帯域フィルタ701を通過した受信電力の最大電力を推定する。
送信側最適位相算出部703は、受信電力測定・最大電力周波数推定部702が推定した受信電力の最大電力に対応する送信装置110での最適な位相を算出する。
設定位相フィードバック部705は、送信側最適位相算出部703が算出した位相を送信装置110にフィードバック出力する。
図7のシステム構成例では、キャリブレーションに必要な位相を簡易な構成で検出できるようになる。例えば、図7の構成例では、図2の受信装置150側に配置した周波数スペクトルモニタ部212を配置する必要がなく、周波数スペクトルモニタ部212同様の機能を簡易化できる。
図7のシステム構成例では、受信装置150内で送信側最適位相算出部703を設けて、その結果を設定位相フィードバック部705から送信側に送る構成を示した。これに限らず、受信電力測定・最大電力周波数推定部702の結果を送信側にフィードバックし、送信装置110の制御部204で、送信側最適位相算出部703に相当する処理を行って、設定位相を求めてもよい。
また、図7のシステム構成例において、受信装置150から送信装置110へフィードバック出力する位相の情報は通信回線を用いて伝送するに限らない。例えば、出荷時の検査を行う測定室内において、受信装置150側で検出した位相の情報に基づき、送信装置110の制御部204に対し、位相の設定を作業員が手動操作してキャリブレーションすることもできる。
(キャリブレーション処理例2)
図8は、他のキャリブレーション処理例のフローチャートである。図8は、図7に示した構成例に対応したキャリブレーション処理であり、送信装置110の制御部204(プロセッサ301)が実施する。
はじめに、送信装置110は、基準アンテナ111aより信号(リファレンス信号)を送信し、キャリブレーションアンテナ111b側の遅延器115に遅延量τを設定する(ステップS801)。
次に、送信装置110は、キャリブレーションアンテナ111bのうちキャリブレーションを行うアンテナのスイッチ203をONとし、他のアンテナをOFFとする(ステップS802)。例えば、送信装置110は、キャリブレーションアンテナ111bを所定の順番#1~#Nで一つずつ選択する。
次に、送信装置110は、受信装置150の帯域フィルタ701で各バンドの電力を測定し、各バンドの中心周波数で電力がピークとなる、移相器114の位相を検出する(ステップS803)。次に、送信装置110は、帯域の中心周波数で電力がピークとなる、移相器114の位相を設定する(ステップS804)。ステップS803による位相の検出は、送信装置110の移相器114の位相可変に対応して、受信装置150の送信側最適位相算出部703が算出し、送信装置110の制御部204に出力される。ステップS604では、送信装置110(制御部204)は、帯域の中心周波数で電力がピークとなったときの移相器114の位相を移相器114に設定する。
次に、送信装置110は、全てのキャリブレーションアンテナ111bで実施済か否かを判断する(ステップS805)。判断の結果、キャリブレーションを未実施のアンテナ(#2~#N)があれば(ステップS805:No)、送信装置110はステップS802の処理に戻る。一方、判断の結果、全てのキャリブレーションアンテナ(#1~#N)111bでのキャリブレーションを実施済であれば(ステップS805:Yes)、送信装置110は、ステップS806の処理に移行する。
ステップS806では、送信装置110は、ステップS801で遅延器115に設定した遅延量τを0に戻し(ステップS806)、以上の処理を終了する。
(キャリブレーション処理例3)
図9は、無線通信システムの他の構成例を示す図である。図9に示す基地局装置(送信装置)110と、無線中継装置900とからなる無線通信システムにおいて、送信装置110のキャリブレーションを行うこともできる。
無線中継装置900は、受信アンテナ901と、無線中継処理部902と、送信アンテナ903と、を含む。そして、受信アンテナ901が受信した受信信号を分岐し、一方を無線中継処理部902に出力し、他方を周波数スペクトルモニタ部212(図2等参照)に出力する。
周波数スペクトルモニタ部212が観測した周波数スペクトルは、送信装置110の制御部204に出力する。ここで、周波数スペクトルモニタ部212の設置位置は、無線中継装置900が設置された現地に設置してもよいし、無線中継装置900にリモート接続された遠地に設置してもよい。
上記構成により、無線中継装置900を用いて送信装置110のキャリブレーションを行うことができる。
さらには、無線中継装置900自体が複数のアンテナ素子111を有し、図9で示した送信装置110の各構成部(送信信号発生部201~スイッチ203)を有することで、無線中継装置900自体のキャリブレーションを行うこともできる。
以上説明した実施の形態の無線通信装置は、複数のアンテナを介して受信装置との間で無線通信を行う無線通信装置は、複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の複数のアンテナをキャリブレーションアンテナとして、それぞれに送信信号を分岐出力し、キャリブレーションアンテナ側の各アンテナ系統には、送信信号に所定の遅延量を付与する遅延部と、複数のキャリブレーションアンテナのうち一つをキャリブレーション対象のアンテナとして選択するスイッチと、選択されたキャリブレーション対象のアンテナの送信信号の位相を可変自在な移相器と、を有する。キャリブレーション制御を行う制御部は、キャリブレーションアンテナの送信信号に所定の遅延量を設定し、キャリブレーション対象のアンテナを一つ選択し、キャリブレーション対象のアンテナから送信信号を送信した際、受信装置側で観測された、受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差に基づき、当該偏差を解消する位相量を移相器に設定する。また、制御部は、複数のキャリブレーションアンテナのそれぞれについて、偏差を解消する位相量を設定する、キャリブレーションを順次行った後、設定した遅延量を元に戻す。このように、実施の形態では、キャリブレーション時に、基準アンテナとキャリブレーションアンテナ間で遅延を設定することで、送信信号に周波数特性を持たせ、受信信号により位相の偏差分を容易に検出できる。なお、制御部による制御のみに限らず、受信装置で観測された偏差に基づき、偏差を解消する位相量を作業員により直接移相器に操作設定することとしてもよい。これにより、無線通信装置によれば、複数のアンテナを簡単かつ短時間にキャリブレーションできる。
また、無線通信装置は、それぞれ複数のアンテナからなる複数のアンテナブランチを有し、制御部は、複数のアンテナブランチのうち一つのアンテナブランチの一つのアンテナを基準アンテナとして選択し、複数のアンテナブランチのうち他のアンテナブランチの複数のアンテナをキャリブレーション対象のアンテナとして一つずつ選択する、処理を含む。これにより、例えば、無線通信装置である、例えば、基地局装置が備える既存の構成をそのまま用いてアンテナブランチが有する複数のアンテナのキャリブレーションを行えるようになる。
なお、上述した実施の形態では、「キャリブレーションアンテナ側にスイッチを設けて、キャリブレーションを行うアンテナのスイッチをON、それ以外のアンテナをOFFとし、当該アンテナのキャリブレーションを行う」構成であるとする一貫した説明を行った。これに限らず、キャリブレーションを行うアンテナのスイッチONまたはOFFと等価な方法として、送信アンプの利得を通常使用の状態をスイッチON、送信アンプの利得を下げた状態をスイッチOFFとして、キャリブレーションを行ってもよい。このような送信アンプの利得調整を用いる方法は、以下の構成についても同様に適用できる。
また、無線通信システムは、複数のアンテナを介して無線送信を行う無線通信装置と、無線通信装置から送信された送信信号を受信する受信装置とを含んで構成できる。無線通信装置は、複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の複数のアンテナをキャリブレーションアンテナとして、それぞれに送信信号を分岐出力し、キャリブレーションアンテナ側の各アンテナ系統には、送信信号に所定の遅延量を付与する遅延部と、複数のキャリブレーションアンテナのうち一つをキャリブレーション対象のアンテナとして選択するスイッチと、選択されたキャリブレーション対象のアンテナの送信信号の位相を可変自在な移相器と、を有し、キャリブレーション制御を行う制御部を備える。受信装置は、送信信号を受信した受信信号の分岐出力に接続され、周波数スペクトルを検出する周波数スペクトルモニタ部を有する。無線通信装置の制御部は、キャリブレーションアンテナの送信信号に所定の遅延量を設定し、キャリブレーション対象のアンテナを一つ選択し、キャリブレーション対象のアンテナから送信信号を送信した際、受信装置の周波数スペクトルモニタ部から出力された周波数スペクトルに基づき、受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差を求め、当該偏差を解消する位相量を移相器に設定するキャリブレーション処理を複数のキャリブレーションアンテナに対して順次行った後、設定した遅延量を元に戻す。このような無線通信システムによれば、受信装置側に設置した周波数スペクトルモニタ部で検出された周波数スペクトルに基づき、無線通信装置のキャリブレーションを簡単に行えるようになる。
また、無線通信システムは、受信装置が無線中継装置であってもよい。受信装置は、送信信号を受信した受信信号の分岐出力に接続され、周波数スペクトルを検出する周波数スペクトルモニタ部を有する。これにより、無線中継装置側に設置した周波数スペクトルモニタ部で検出された周波数スペクトルに基づき、無線通信装置のキャリブレーションを簡単に行えるようになる。
また、無線通信システムは、複数のアンテナを介して無線送信を行う無線通信装置と、無線通信装置から送信された送信信号を受信する受信装置とを含んで構成できる。無線通信装置は、複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の複数のアンテナをキャリブレーションアンテナとして、それぞれに送信信号を分岐出力し、キャリブレーションアンテナ側の各アンテナ系統には、送信信号に所定の遅延量を付与する遅延部と、複数のキャリブレーションアンテナのうち一つをキャリブレーション対象のアンテナとして選択するスイッチと、選択されたキャリブレーション対象のアンテナの送信信号の位相を可変自在な移相器と、を有し、キャリブレーション制御を行う制御部を備える。受信装置は、送信信号を受信した受信信号の帯域を複数に分割した帯域フィルタと、帯域フィルタ通過後の受信信号の電力に基づき最大電力の周波数を推定する最大電力周波数推定部と、最大電力周波数推定部が推定した最大電力周波数に対応する補正用の位相量を制御部に出力する設定位相フィードバック部と、を有する。無線通信装置の制御部は、キャリブレーションアンテナの送信信号に所定の遅延量を設定し、キャリブレーション対象のアンテナを一つ選択し、キャリブレーション対象のアンテナから送信信号を送信した際、受信装置の設定位相フィードバック部から出力された補正用の位相量を移相器に設定する、キャリブレーション処理を複数のキャリブレーションアンテナに対して順次行った後、設定した遅延量を元に戻す。このような無線通信システムによれば、受信装置側には、周波数スペクトルモニタ部等の高価な基材を配置することなく、簡易的に受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差を検出でき、無線通信装置のキャリブレーションを低コストで行えるようになる。
なお、本発明の実施の形態で説明したキャリブレーション方法は、予め用意されたプログラムを無線通信装置のプロセッサに実行させることにより実現することができる。本方法は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本方法は、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)複数のアンテナを介して受信装置との間で無線通信を行う無線通信装置において、
前記アンテナを介して送信される送信信号に所定の遅延量を付与する遅延部と、
前記アンテナを介して送信される送信信号の位相を可変自在な移相器と、
キャリブレーション制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の一つをキャリブレーション対象のアンテナとし、それぞれに送信信号を与えて、
前記基準アンテナから前記送信信号を送信させ、
前記キャリブレーション対象のアンテナから前記所定の遅延量が付与された前記送信信号を送信させる制御を行うとともに、
前記送信信号の送信により前記受信装置側で観測された、受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差に基づき、当該偏差を解消する位相量を前記移相器に設定する、
ことを特徴とする無線通信装置。
(付記2)それぞれ複数のアンテナからなる複数のアンテナブランチを有し、
前記制御部は、
前記複数のアンテナブランチのうち一つのアンテナブランチの一つのアンテナを前記基準アンテナとして選択し、
前記複数のアンテナブランチのうち他のアンテナブランチの複数のアンテナを前記キャリブレーション対象のアンテナとして一つずつ選択する、
処理を含む、ことを特徴とする付記1に記載の無線通信装置。
(付記3)前記制御部は、
キャリブレーション処理を複数の前記キャリブレーションアンテナに対して順次行った後、前記設定した遅延量を元に戻す、
ことを特徴とする付記1に記載の無線通信装置。
(付記4)複数の前記キャリブレーションアンテナのうち一つをキャリブレーション対象のアンテナとして選択するスイッチ、
を備えたことを特徴とする付記1に記載の無線通信装置。
(付記5)複数のアンテナを介して無線送信を行う無線通信装置と、前記無線通信装置から送信された送信信号を受信する受信装置とを含む、無線通信システムにおいて、
前記無線通信装置は、
前記アンテナを介して送信される送信信号に所定の遅延量を付与する遅延部と、
前記アンテナを介して送信される送信信号の位相を可変自在な移相器と、
キャリブレーション制御を行う制御部と、を備え、
前記受信装置は、
前記送信信号を受信し、受信した受信信号の周波数スペクトルを検出する周波数スペクトルモニタ部を有し、
前記無線通信装置の前記制御部は、
前記複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の一つをキャリブレーション対象のアンテナとし、それぞれに送信信号を与えて、
前記基準アンテナから前記送信信号を送信させ、
前記キャリブレーション対象のアンテナから前記所定の遅延量が付与された前記送信信号を送信させる制御を行うとともに、
前記送信信号の送信により前記受信装置の前記周波数スペクトルモニタ部から出力された前記周波数スペクトルに基づき、前記受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差を求め、当該偏差を解消する位相量を前記移相器に設定する、
ことを特徴とする無線通信システム。
(付記6)前記受信装置が無線中継装置であり、
前記受信装置は、前記送信信号を受信した受信信号の分岐出力に接続され、前記周波数スペクトルを検出する周波数スペクトルモニタ部を有する、
ことを特徴とする付記5に記載の無線通信システム。
(付記7)前記無線通信装置の前記制御部は、
前記受信装置で観測された前記偏差に基づき、前記偏差を解消する位相量を作業員により前記移相器に操作設定する、
ことを特徴とする付記5に記載の無線通信システム。
(付記8)複数のアンテナを介して無線送信を行う無線通信装置と、前記無線通信装置から送信された送信信号を受信する受信装置とを含む、無線通信システムにおいて、
前記無線通信装置は、
前記アンテナを介して送信される送信信号に所定の遅延量を付与する遅延部と、
前記アンテナを介して送信される送信信号の位相を可変自在な移相器と、
キャリブレーション制御を行う制御部と、を備え、
前記受信装置は、
前記送信信号を受信し、受信した受信信号の帯域を複数に分割した帯域フィルタと、
前記帯域フィルタ通過後の前記受信信号の電力に基づき最大電力の周波数を推定する最大電力周波数推定部と、
前記最大電力周波数推定部が推定した最大電力周波数に対応する補正用の位相量を前記制御部に出力する設定位相フィードバック部と、を有し、
前記無線通信装置の前記制御部は、
前記複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の一つをキャリブレーション対象のアンテナとし、それぞれに送信信号を与えて、
前記基準アンテナから前記送信信号を送信させ、
前記キャリブレーション対象のアンテナから前記所定の遅延量が付与された前記送信信号を送信させる制御を行うとともに、
前記送信信号の送信により前記受信装置の前記設定位相フィードバック部から出力された前記補正用の位相量を前記移相器に設定する、
ことを特徴とする無線通信システム。
(付記9)前記無線通信装置の前記制御部は、
キャリブレーション処理を複数の前記キャリブレーションアンテナに対して順次行った後、前記設定した遅延量を元に戻す、
ことを特徴とする付記5または7に記載の無線通信システム。
(付記10)複数のアンテナを介して受信装置との間で無線通信を行う無線通信装置のキャリブレーション方法において、
前記無線通信装置のコンピュータは、
前記アンテナを介して送信される送信信号に所定の遅延量を設定し、
前記複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の一つをキャリブレーション対象のアンテナとし、それぞれに送信信号を与えて、
前記基準アンテナから前記送信信号を送信させ、
前記キャリブレーション対象のアンテナから前記所定の遅延量が付与された前記送信信号を送信させる制御を行うとともに、
前記送信信号の送信により前記受信装置側で観測された、受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差に基づき、当該偏差を解消する位相量を設定する、
処理を行うことを特徴とするキャリブレーション方法。
(付記11)キャリブレーション処理を複数の前記キャリブレーションアンテナに対して順次行った後、前記設定した遅延量を元に戻す、
処理を行うことを特徴とする付記10に記載のキャリブレーション方法。
(付記12)複数のアンテナを介して受信装置との間で無線通信を行う無線通信装置のキャリブレーションプログラムにおいて、
前記無線通信装置のコンピュータに、
前記アンテナを介して送信される送信信号に所定の遅延量を設定し、
前記複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の一つをキャリブレーション対象のアンテナとし、それぞれに送信信号を与えて、
前記基準アンテナから前記送信信号を送信させ、
前記キャリブレーション対象のアンテナから前記所定の遅延量が付与された前記送信信号を送信させる制御を行うとともに、
前記送信信号の送信により前記受信装置側で観測された、受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差に基づき、当該偏差を解消する位相量を設定する、
処理を行わせることを特徴とするキャリブレーションプログラム。
(付記13)キャリブレーション処理を複数の前記キャリブレーションアンテナに対して順次行った後、前記設定した遅延量を元に戻す、
処理を行うことを特徴とする付記12に記載のキャリブレーションプログラム。
100 無線通信システム
110 送信装置(無線通信装置、基地局装置)
111 アンテナ素子(送信アンテナ)
111a 基準アンテナ
111b キャリブレーションアンテナ
111A,111B,…,111N アンテナブランチ
114 移相器
115 遅延器
150 受信装置(端末装置、無線中継装置)
151,901 受信アンテナ
201 送信信号発生部
202 分配回路
203 スイッチ
204 制御部
211 受信信号復調部
212 周波数スペクトルモニタ部
301 プロセッサ
302 メモリ
303 ネットワークIF
305 記録媒体
701 帯域フィルタ
702 受信電力測定・最大電力周波数推定部
703 送信側最適位相算出部
705 設定位相フィードバック部
900 無線中継装置
902 無線中継処理部
NW ネットワーク

Claims (8)

  1. 複数のアンテナを介して受信装置との間で無線通信を行う無線通信装置において、
    前記アンテナを介して送信される送信信号に所定の遅延量を付与する遅延部と、
    前記アンテナを介して送信される送信信号の位相を可変自在な移相器と、
    キャリブレーション制御を行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の一つをキャリブレーション対象のアンテナとし、それぞれに送信信号を与えて、
    前記基準アンテナから前記送信信号を送信させ、
    前記キャリブレーション対象のアンテナから前記所定の遅延量が付与された前記送信信号を送信させる制御を行うとともに、
    前記送信信号の送信により前記受信装置側で観測された、受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差に基づき、当該偏差を解消する位相量を前記移相器に設定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  2. それぞれ複数のアンテナからなる複数のアンテナブランチを有し、
    前記制御部は、
    前記複数のアンテナブランチのうち一つのアンテナブランチの一つのアンテナを前記基準アンテナとして選択し、
    前記複数のアンテナブランチのうち他のアンテナブランチの複数のアンテナを前記キャリブレーション対象のアンテナとして一つずつ選択する、
    処理を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記制御部は、
    キャリブレーション処理を複数の前記キャリブレーションアンテナに対して順次行った後、前記設定した遅延量を元に戻す、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 複数のアンテナを介して無線送信を行う無線通信装置と、前記無線通信装置から送信された送信信号を受信する受信装置とを含む、無線通信システムにおいて、
    前記無線通信装置は、
    前記アンテナを介して送信される送信信号に所定の遅延量を付与する遅延部と、
    前記アンテナを介して送信される送信信号の位相を可変自在な移相器と、
    キャリブレーション制御を行う制御部と、を備え、
    前記受信装置は、
    前記送信信号を受信し、受信した受信信号の周波数スペクトルを検出する周波数スペクトルモニタ部を有し、
    前記無線通信装置の前記制御部は、
    前記複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の一つをキャリブレーション対象のアンテナとし、それぞれに送信信号を与えて、
    前記基準アンテナから前記送信信号を送信させ、
    前記キャリブレーション対象のアンテナから前記所定の遅延量が付与された前記送信信号を送信させる制御を行うとともに、
    前記送信信号の送信により前記受信装置の前記周波数スペクトルモニタ部から出力された前記周波数スペクトルに基づき、前記受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差を求め、当該偏差を解消する位相量を前記移相器に設定する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  5. 前記受信装置が無線中継装置であり、
    前記受信装置は、前記送信信号を受信した受信信号の分岐出力に接続され、前記周波数スペクトルを検出する周波数スペクトルモニタ部を有する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  6. 複数のアンテナを介して無線送信を行う無線通信装置と、前記無線通信装置から送信された送信信号を受信する受信装置とを含む、無線通信システムにおいて、
    前記無線通信装置は、
    前記アンテナを介して送信される送信信号に所定の遅延量を付与する遅延部と、
    前記アンテナを介して送信される送信信号の位相を可変自在な移相器と、
    キャリブレーション制御を行う制御部と、を備え、
    前記受信装置は、
    前記送信信号を受信し、受信した受信信号の帯域を複数に分割した帯域フィルタと、
    前記帯域フィルタ通過後の前記受信信号の電力に基づき最大電力の周波数を推定する最大電力周波数推定部と、
    前記最大電力周波数推定部が推定した最大電力周波数に対応する補正用の位相量を前記制御部に出力する設定位相フィードバック部と、を有し、
    前記無線通信装置の前記制御部は、
    前記複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の一つをキャリブレーション対象のアンテナとし、それぞれに送信信号を与えて、
    前記基準アンテナから前記送信信号を送信させ、
    前記キャリブレーション対象のアンテナから前記所定の遅延量が付与された前記送信信号を送信させる制御を行うとともに、
    前記送信信号の送信により前記受信装置の前記設定位相フィードバック部から出力された前記補正用の位相量を前記移相器に設定する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  7. 複数のアンテナを介して受信装置との間で無線通信を行う無線通信装置のキャリブレーション方法において、
    前記無線通信装置のコンピュータは、
    前記アンテナを介して送信される送信信号に所定の遅延量を設定し、
    前記複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の一つをキャリブレーション対象のアンテナとし、それぞれに送信信号を与えて、
    前記基準アンテナから前記送信信号を送信させ、
    前記キャリブレーション対象のアンテナから前記所定の遅延量が付与された前記送信信号を送信させる制御を行うとともに、
    前記送信信号の送信により前記受信装置側で観測された、受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差に基づき、当該偏差を解消する位相量を設定する、
    処理を行うことを特徴とするキャリブレーション方法。
  8. 複数のアンテナを介して受信装置との間で無線通信を行う無線通信装置のキャリブレーションプログラムにおいて、
    前記無線通信装置のコンピュータに、
    前記アンテナを介して送信される送信信号に所定の遅延量を設定し、
    前記複数のアンテナのうち一つを基準アンテナ、他の一つをキャリブレーション対象のアンテナとし、それぞれに送信信号を与えて、
    前記基準アンテナから前記送信信号を送信させ、
    前記キャリブレーション対象のアンテナから前記所定の遅延量が付与された前記送信信号を送信させる制御を行うとともに、
    前記送信信号の送信により前記受信装置側で観測された、受信信号の電力のピーク値が有する信号の中心周波数に対する偏差に基づき、当該偏差を解消する位相量を設定する、
    処理を行わせることを特徴とするキャリブレーションプログラム。
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