JP4011501B2 - 平面アンテナ装置における誘電体基板の比誘電率および厚さ決定方法 - Google Patents

平面アンテナ装置における誘電体基板の比誘電率および厚さ決定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、直交する2偏波を共用する平面アンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通信では、直交する偏波で異なるチャンネルを形成するものがあり、混信を避けるために低交差偏波特性が要求される。2偏波共用アンテナを用いて送受信を行う場合には、直交する2つの主偏波に対して、それぞれに対応する交差偏波を低減する必要がある。この低交差偏波を実現する方法としては、給電点を摂動させる方法がある(例えば、非特許文献1参照)。また、円偏波マイクロストリップアンテナを用い、円形放射素子と接地板間に介在させた誘電体基板の比誘電率を適当に選択することにより、軸比による損失の低減と交差偏波特性の改善を図る方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
高橋徹、他「直交偏波共用パッチアンテナの給電点摂動による低交差偏波設計法」2002年電子情報通信学会総合大会B−1−95、p.111
【特許文献1】
特開昭63−276302号公報(図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアンテナ装置の給電点を摂動させる方法は、直交給電点間の相互結合による交差偏波の劣化を低減する方法である。したがって、誘電体基板面の正面方向を含む観測面では有効であるが、基板面の正面方向から傾いた観測面では、アンテナの基本モードから発生する交差偏波が存在し、有効ではない。また、円偏波を励振させるアンテナではなくて、直交する2つの直線偏波を励振させるアンテナでは、誘電体基板の比誘電率を適当に選択することで交差偏波の改善を図る方法は存在していなかった。
以上のような理由により、従来の技術では、直交2偏波共用アンテナに関して、基板面の正面方向から傾いた観測面において、直交する2偏波双方の交差偏波を低減することは困難であった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、誘電体基板の比誘電率あるいは厚みの最適値を選択することにより、所定の観測面における所定の覆域内の、直交する2偏波双方の交差偏波の低減を実現することができる直交する2偏波を共用する平面アンテナ装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る平面アンテナ装置の比誘電率決定方法は、グランド導体と、このグランド導体の片面側に配置された励振素子と、前記グランド導体と前記励振素子の間に配置された誘電体基板と、前記励振素子を励振させ直交する偏波を発生させる位置に設けられた2点の給電点とを有するアンテナ構造体を備えた平面アンテナ装置において、前記誘電体基板が、交差偏波の振幅を主偏波の振幅で除した値を交差偏波レベルと定義したとき、前記給電点の一方から給電した場合の所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値F[dB]と誘電体基板の比誘電率ε r との関係F(ε r )と、前記給電点の他方から給電した場合の前記所定の観測面における前記所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値G[dB]と誘電体基板の比誘電率ε r との関係G(ε r )とを等しくなるよう当該比誘電率ε r を決定するようにしたものである
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の各実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による平面アンテナ装置の構造体を示す2面図で、図1(a)は正面図、(b)はA−A断面図である。図において、グランド導体5の片面側に矩形の励振素子1が配置され、グランド導体5と励振素子1の間に誘電体基板4が配置されている。励振素子1を励振させるため給電点として誘電体基板4内を介して給電ピン(給電点)2,3が配置される。給電ピン2,3は偏波が直交して発生する位置関係を持つように設定されている。図示されていないが、グランド導体5側からそれぞれの同軸線路の内部導体が励振素子1の給電ピン2,3に接続され、各同軸線路の外部導体(被覆線)はグランド導体5に接続される。2点の給電点(給電ピン)2,3から励振素子1を励振することによって、直交する偏波を発生する直交2偏波共用アンテナとして動作する。このため、それぞれの主偏波に対する交差偏波を低減する必要がある。
【0008】
所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルについて考える。ここで、交差偏波レベルは、交差偏波の振幅を主偏波の振幅で除した値と定義する。一般には、誘電体基板4の比誘電率εを変化させた場合の所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値の変化は、一方の給電点2から給電した時と、もう一方の給電点3から給電した時とでは異なっている。図2はこの各場合の交差偏波識別度の最大値対基板比誘電率について示す説明図である。F(ε )は、一方の給電点2から給電した場合の所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値F[dB]と誘電体基板の比誘電率ε との関係を示す。また、G(ε )は、もう一方の給電点3から給電した場合の所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値G[dB]と誘電体基板の比誘電率ε との関係を示したものである。図2において、基板誘電率ε を上記F(ε )と上記G(ε )が等しくなるような値にすれば、直交する2偏波双方の交差偏波レベルを同程度まで下げられることが分かる。
【0009】
以上のように、実施の形態1によれば、所定の観測面における所定の覆域内において、数値計算あるいは測定をおこない上記F(ε )、G(ε )を求め、かつ、このF(ε )とG(ε )を等しくする誘電体基板4の比誘電率ε を求めることにより、所定の観測面における所定の覆域内において直交する2偏波双方の交差偏波レベルを同程度まで低減できる効果が得られる。
【0010】
実施の形態2.
ここでは、図1の平面アンテナ装置においてグランド導体5と誘電体基板4を有限とした場合について述べる。図3は、本実施の形態2における平面アンテナ装置の構造体を示す2面図で、図3(a)は正面図、図3(b)はA−A断面図である。図において、図1に相当する部分には同一符合を付して示す。ここでは、励振素子1は矩形と定義する。x,y,zは直交座標で、グランド導体5の面をy−z平面とし、グランド導体5の面上に原点を置いている。また、同様にr,θ,φ座標の原点としている。a,bはそれぞれ矩形励振素子1の1辺の長さで、x軸上を矩形の励振素子1の中心とし、矩形の各辺a,bがy軸またはz軸と平行になるように設定されている。給電点2,3はy,z軸上にそれぞれ位置している。図4はx,y,z座標とr,θ,φ座標との関係を示したものである。θをz軸からの離角とし、φをx−y平面におけるx軸からの離角とする。
【0011】
給電点2に給電した時に励振される主偏波をH偏波とし、給電点3に給電した時に励振される主偏波をV偏波とする。すなわち、電界のθ成分をEθ 、φ成分をEφ とすると、H偏波励振時の主偏波はEφ 、V偏波励振時の主偏波はEθ となる。
図5は、数値計算より求めた、H偏波励振時とV偏波励振時のθ=81°観測面の覆域φ=−40°〜40°内における交差偏波レベルの最大値と誘電体基板4の比誘電率ε との関係を示したものである。これは、グランド導体5と基板4を有限とし、アンテナの共振周波数で励振素子1を励振し、給電点2に給電する時は給電点3をダミー終端し、給電点3に給電する時は給電点2をダミー終端した場合について、数値計算を行った結果を示す。図4のようにr,θ,φ座標を定義し、θ=81°観測面の交差偏波レベルを計算し、覆域φ=−40°〜40°内での交差偏波レベルの最大値と誘電体基板の比誘電率ε の関係を求めたものである。
【0012】
図5において、直交する2偏波双方の交差偏波レベルを同程度まで下げるためには、基板誘電率ε を、H偏波励振時とV偏波励振時のθ=81°観測面の覆域φ=−40°〜40°内における交差偏波レベルの最大値が等しくなるεにすれば良いことが分かる。このε を求めると約1.65となる。
【0013】
以上のように、この実施の形態2によれば、グランド導体5と基板4を有限とした場合に、数値計算を用いることによって、H偏波励振時とV偏波励振時の所定の観測面における所定の覆域内において、直交する2偏波双方の交差偏波レベルの最大値が等しくなる誘電体基板の比誘電率ε を求めるようにしたので、所定の観測面における所定の覆域内において直交する2偏波双方の交差偏波レベルを同程度まで低減できる効果が得られる。
【0014】
実施の形態3.
この実施の形態3では、図3のグランド導体5と誘電体基板4がy、z方向に無限であるとした場合に、理論式から上記実施の形態1の効果について明らかにする。図6は、x,y,z座標とr,α,β座標との関係を示す説明図である。
図7はH偏波励振時にキャビティモデルより求めたθ=81°観測面での交差偏波レベルであり、図8はV偏波励振時にキャビティモデルより求めたθ=81°観測面での交差偏波レベルである。図9はH偏波励振時とV偏波励振時のθ=81°観測面の覆域φ=−40°〜40°内における交差偏波レベルの最大値と誘電体基板4の比誘電率ε との関係を示したものである。
【0015】
理想的には、θ=90°面内、φ=0°面内では交差偏波は発生しない。しかし、基板の正面方向から傾けたθが一定(θ≠90°)あるいはφが一定(φ≠0°)の観測面では交差偏波が発生する。この交差偏波は、本来主偏波を放射する主モード(TM10モード)において座標系の関係から発生してしまうものである。グランド導体5と誘電体基板4がy,z方向に無限であると仮定する。図3のアンテナの主モードたるTM10モード共振時の放射界は、図6のようにr,α,β座標を定義すると、キャビティモデルにより、電界のα成分をEα 、β成分をEβ とし、誘電体基板4の比誘電率をε として、
【数6】
Figure 0004011501
となる。ここで、
【数7】
Figure 0004011501
であり、k は自由空間の波数、V は定数である。
【0016】
式(1)、(2)についてr、α、β座標からr,θ,φ座標への座標変換を行い、電界のθ成分Eθ 、φ成分Eφ を求める。そうすると、H偏波励振した場合には、主偏波はEφ 、交差偏波はEθ となるので、H偏波励振した場合の交差偏波レベルは、
【数8】
Figure 0004011501
となる。また、V偏波励振した場合には、主偏波はEθ 、交差偏波はEφ となるので、V偏波励振した場合の交差偏波レベルは、
【数9】
Figure 0004011501
となる。式(4)から、H偏波励振時には誘電体基板の比誘電率ε が大きくなるにつれ交差偏波レベルが小さくなることが分かる。逆に、式(5)から、V偏波励振時には誘電体基板の比誘電率ε が大きくなるにつれ交差偏波レベルが大きくなることが分かる。
【0017】
例えば、式(4)、(5)にθ=81°を代入し、θ=81°観測面での交差偏波レベルの誘電体基板の比誘電率ε に対する依存性を求めると、それぞれ図7、図8のようになる。さらに、例えば、覆域φ=−40°〜40°内での交差偏波レベルの最大値を求めると、図7および図8よりφ=±40°の時に式(4)、(5)は最大となり、H偏波励振時とV偏波励振時の覆域φ=−40°〜40°内での交差偏波レベルの最大値と誘電体基板の比誘電率ε との関係は図9のようになる。
【0018】
図9において、直交する2偏波双方の交差偏波レベルを同程度まで下げるためには、基板誘電率ε を、H偏波励振時とV偏波励振時のθ=81°観測面の覆域φ=−40°〜40°内における交差偏波レベルの最大値が等しくなるεにすれば良いことが分かる。このεを求めるとε =1.76となる。
【0019】
以上のように、実施の形態3によれば、グランド導体5と誘電体基板4をy,z方向に無限とした場合に、式(4)と式(5)から、H偏波励振時とV偏波励振時の、θが一定またはφが一定の所定の観測面における交差偏波レベルを求め、この時、所定の覆域内において、式(4)と式(5)の最大値が等しくなるような誘電体基板4の比誘電率ε を求めるようにしたので、θが一定またはφが一定の所定の観測面における所定の覆域内において、直交する2偏波双方の交差偏波レベルを同程度まで低減することができる効果が得られる。
【0020】
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4による平面アンテナ装置の構造体を示す2面図で、図10(a)は正面図、(b)は断面図である。図において、図1に相当する部分には同一符合を付して示す。この場合、2次励振素子9が、励振素子1の近傍に配置され、励振素子1からの電磁波によって間接的に励振されるように構成されている。誘電体基板10がグランド導体5と励振素子1の間および励振素子1と2次励振素子9の間にそれぞれ複数個N(N>1)配置される。この誘電体基板10の一部は空気層で形成されてもよい。ここで、N個の誘電体基板10のうち、n番目の誘電体基板の比誘電率をεrn、厚さをt とする。
【0021】
所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルを考える。数値計算あるいは測定をおこなうことにより、一方の給電点2から給電した場合の所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値F[dB]とn番目の誘電体基板の比誘電率εrnとの関係F(εrn)と、もう一方の給電点3から給電した場合の所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値G[dB]とn番目の誘電体基板の比誘電率εrnとの関係G(εrn)を得る。
【0022】
一般に、n番目の誘電体基板の比誘電率εrnの増加に伴うF(εrn)とG(εrn)の増減の方向は逆となっている。したがって、上記実施の形態1と同じように、n番目の誘電体基板の比誘電率εrnを上記F(εrn)と上記G(εrn)が等しくなるようにおけば、直交する2偏波双方の交差偏波レベルを同程度まで低減することができる。
【0023】
同様に、数値計算あるいは測定をおこなうことにより、一方の給電点2から給電した場合の所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値F[dB]とn番目の誘電体基板の厚さt との関係F(t )と、もう一方の給電点3から給電した場合の所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値G[dB]とn番目の誘電体基板の厚さt との関係G(t )を得る。
一般に、n番目の誘電体基板の厚さt の増加に伴うF(t )とG(t)の増減の方向は逆となっている。したがって、n番目の誘電体基板の厚さt を選ぶことにより上記F(t )と上記G(t )を等しくすることができる。
【0024】
以上のように、実施の形態4によれば、上記F(εrn)と上記G(εrn)が等しくなるn番目の誘電体基板の比誘電率εrnを設定するようにしたので、直交する2偏波双方の交差偏波レベルを同程度まで低減できる効果が得られる。一方、上記F(t )と上記G(t )を等しくするn番目の誘電体基板の厚さt を設定するようにしても、同様に、直交する2偏波双方の交差偏波レベルを同程度まで低減できる効果が得られる。
【0025】
実施の形態5.
この実施の形態5は、図10のグランド導体5と誘電体基板4がy,z方向に無限であるとした場合に、理論式から上記実施の形態4の効果を明らかにするものである。図11はこの発明の実施の形態5による平面アンテナ装置の構造体を示す2面図で、図11(a)は正面図、(b)はA−A断面図である。図において、図10に相当する部分には同一符合を付して示す。励振素子1および2次励振素子9は矩形とする。給電点2に給電した時に励振される偏波をH偏波、給電点3に給電した時に励振される偏波をV偏波とする。また、N個の誘電体基板10のうちn番目の誘電体基板の比誘電率をεrn、厚さをt とする。図4のx,y,z座標とr,θ,φ座標との関係を使用する。
【0026】
図11おいて、放射に主として寄与するのは2次励振素子9であるので、2次励振素子9の放射特性を考えればよい。また、2次励振素子9から見た等価比誘電率εreffは、
【数10】
Figure 0004011501
と定義することができる。したがって、上記実施の形態3においてキャビティモデルより求めた交差偏波レベル式(4)、(5)のε を、式(6)のεreffで置き換えることによって、図11の平面アンテナの交差偏波レベルを求めることができる。H偏波励振した場合の交差偏波レベル、すなわちy軸上に設けられた給電点から給電した場合の交差偏波の振幅|Eθ |と主偏波の振幅|Eφ |から得る交差偏波レベルは、
【数11】
Figure 0004011501
となり、V偏波励振した場合の交差偏波レベル、すなわちz軸上に設けられた給電点から給電した場合の交差偏波の振幅|Eφ |と主偏波の振幅|Eθ |による交差偏波レベルは、
【数12】
Figure 0004011501
となる。
【0027】
式(7)から、H偏波励振時には等価比誘電率εreffが大きくなるにつれ交差偏波レベルが小さくなることが分かる。逆に、式(8)から、V偏波励振時には等価比誘電率εreffが大きくなるにつれ交差偏波レベルが大きくなることが分かる。したがって、式(7)と式(8)が等しくなる等価比誘電率εreffが存在することになる。
【0028】
以上のように、実施の形態5によれば、グランド導体5と誘電体基板4を無限とした場合に、θが一定またはφが一定の所定の観測面における所定の覆域内において、式(7)と式(8)が等しくする等価比誘電率εreffを求めるようにしたので、直交する2偏波双方の交差偏波レベルを同程度まで低減できる効果が得られる。
【0029】
実施の形態6.
この実施の形態6は、給電ピンではなく給電線路を用いて励振素子を励振させた場合に、上記実施の形態1〜実施の形態5と同じ効果あることについて述べる。図12はこの実施の形態6における平面アンテナ装置の構造体を示す2面図で、図12(a)は正面図、(b)はA−A断面図である。図において、図1に相当する部分には同一符合を付して示す。ここでは、給電ピンの代わりに、給電線路11,12が励振素子1と同じ平面に設けられている。
励振素子1は、2つの給電線路11,12によって給電され、励振され、直交する偏波を発生し、実施の形態1乃至実施の形態3で述べたと同様に、直交2偏波共用アンテナとして動作する。また、アンテナ構造体として、上記実施の形態4の図10に示すように、励振素子1の近傍に2次励振素子9を配置し、グランド導体5と2次励振素子の間に複数個の誘電体基板を配置したものを適用してもよい。
以上のように、この実施の形態6によれば、給電点が、励振素子と共通な平面に設置した給電線路で形成されるようにしたので、給電ピンを用いた場合の給電ピン自体からの放射による不要な交差偏波が存在しないという効果が得られる。
【0030】
実施の形態7.
図13は実施の形態7による平面アンテナ装置の配置構成を示す正面図である。図において、図1に相当する部分には同一符合を付して示す。ここでは、複数のアンテナ構造体が平面上に配置された状態を示している。この配置は、上記実施の形態1乃至実施の形態6で述べたアンテナ構造体を適用することについて提案するものである。
このように励振素子1を平面上に複数個配置した場合、交差偏波レベルを維持したまま、1素子のときより利得を高くとることができる。図13では、一方向に励振素子1を配置した例を示しているが、給電点の位置関係を保てば、平面上でどのように配置してもよい。上記実施の形態4および実施の形態5で述べたような、励振素子1の近傍に2次励振素子9を配置し、グランド導体5と2次励振素子1の間に複数個の誘電体基板10を配置したアンテナ構造体を適用しても同様である。また、上記実施の形態6の給電線路11,12で給電するアンテナ構造体を適用しても同様である。
【0031】
以上のように、実施の形態7によれば、アンテナ構造体、すなわち放射素子を平面上に複数個配置しているので、所定の観測面における所定の覆域内において直交する2偏波双方の交差偏波レベルを同程度低減し、かつ1素子の場合より利得を高くできる効果が得られる。
【0032】
以上、実施の形態1乃至実施の形態7では、放射素子が矩形である場合について述べてきたが、放射素子は円形等、矩形以外の形状にしてもよく、おおむね同様の効果を奏することができる。
【0033】
以上のように、この発明によれば、グランド導体と、このグランド導体の片面側に配置された励振素子と、前記グランド導体と前記励振素子の間に配置された誘電体基板と、前記励振素子を励振させ直交する偏波を発生させる位置に設けられた2点の給電点とを有するアンテナ構造体を備えた平面アンテナ装置において、前記誘電体基板が、交差偏波の振幅を主偏波の振幅で除した値を交差偏波レベルと定義したとき、前記給電点の一方から給電した場合の所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値F[dB]と誘電体基板の比誘電率ε r との関係F(ε r )と、前記給電点の他方から給電した場合の前記所定の観測面における前記所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値G[dB]と誘電体基板の比誘電率ε r との関係G(ε r )とを等しくなるよう当該比誘電率ε r を決定するようにしたので、所定の観測面における所定の覆域内において直交する2偏波双方の交差偏波レベルを同程度まで低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による平面アンテナ装置の構造体を示す2面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1係る平面アンテナ装置の交差偏波識別度の最大値対基板比誘電率について示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による平面アンテナ装置の構造体を示す2面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2および実施の形態5に係るx,y,z座標とr,θ,φ座標の関係を示す説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係る平面アンテナ装置の交差偏波レベルの最大値対基板比誘電率を示す説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態3に係るx,y,z座標とr,α,β座標との関係を示す説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係る平面アンテナ装置の交差偏波レベル対観側面の覆域を示す説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係る平面アンテナ装置の他の交差偏波レベル対観側面の覆域を示す説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態3に係る平面アンテナ装置の交差偏波識別度の最大値対基板比誘電率について示す説明図である。
【図10】 この発明の実施の形態4による平面アンテナ装置の構造体を示す2面図である。
【図11】 この発明の実施の形態5による平面アンテナ装置の構造体を示す2面図である。
【図12】 この発明の実施の形態6における平面アンテナ装置の構造体を示す2面図で
【図13】 この発明の実施の形態7による平面アンテナ装置の配置構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1 励振素子、2,3 給電ピン(給電点)、4,10 誘電体基板、5 グランド導体、9 2次励振素子、11,12 給電線路。

Claims (6)

  1. グランド導体と、このグランド導体の片面側に配置された励振素子と、前記グランド導体と前記励振素子の間に配置された誘電体基板と、前記励振素子を励振させ直交する偏波を発生させる位置に設けられた2点の給電点とを有するアンテナ構造体を備えた平面アンテナ装置において、
    前記誘電体基板が、
    交差偏波の振幅を主偏波の振幅で除した値を交差偏波レベルと定義したとき、
    前記給電点の一方から給電した場合の所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値F[dB]と誘電体基板の比誘電率εrとの関係F(εr )と、
    前記給電点の他方から給電した場合の前記所定の観測面における前記所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値G[dB]と誘電体基板の比誘電率εr との関係G(εr )とを等しくなるよう当該比誘電率ε r を決定することを特徴とする平面アンテナ装置の比誘電率決定方法
  2. 励振素子を矩形とし、
    グランド導体の面上に原点を置くx,y,z直交座標とθ,φ座標を設定し、
    前記グランド導体の面をy−z平面とし、かつx軸上を当該矩形の中心として当該矩形の各辺がy軸またはz軸と平行になるように置くと共に、給電点をy,z軸上にそれぞれ位置させ、
    θをz軸からの離角とし、φをx−y平面におけるx軸からの離角とし、電界のθ成分をEθ とし、電界のφ成分をEφ とした場合、
    y軸上に設けられた給電点から給電した場合の交差偏波の振幅|Eθ |と主偏波の振幅|Eφ |から得る交差偏波レベルを
    Figure 0004011501
    とし、
    z軸上に設けられた給電点から給電した場合の交差偏波の振幅|Eφ |と主偏波の振幅|Eθ |による交差偏波レベルを
    Figure 0004011501
    とし、
    θが一定またはφが一定の所定の観測面における所定の覆域内において、前記両式の最大値が等しくなるよう比誘電率ε r を決定することを特徴とする請求項1記載の平面アンテナ装置の比誘電率決定方法
  3. グランド導体と、
    前記グランド導体の片面側に配置された励振素子と、
    前記励振素子の前記グランド導体とは反対側の近傍に配置され前記励振素子からの電磁波によって間接的に励振される2次励振素子と、
    前記グランド導体と前記励振素子の間および前記励振素子と前記2次励振素子の間にそれぞれ配置されたN個(N>1)の誘電体基板と、
    前記励振素子を励振させ直交する偏波を発生させる位置に設けられた2点の給電点とを有するアンテナ構造体を備え、
    n(N≧n≧1)番目以外の誘電体の誘電率は所定の値であって、
    n番目の前記誘電体が、
    交差偏波の振幅を主偏波の振幅で除した値を交差偏波レベルと定義したとき、
    前記給電点の一方から給電した場合の所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値F[dB]と誘電体基板の比誘電率εrnとの関係F(εrn)と、
    前記給電点の他方から給電した場合の前記所定の観測面における前記所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値G[dB]と基板比誘電率εrnとの関係G(εrn)とを等しくなるよう当該比誘電率ε r を決定することを特徴とする平面アンテナ装置の比誘電率決定方法
  4. グランド導体と、
    前記グランド導体の片面側に配置された励振素子と、
    前記励振素子の前記グランド導体とは反対側の近傍に配置され前記励振素子からの電磁波によって間接的に励振される2次励振素子と、
    前記グランド導体と前記励振素子の間および前記励振素子と前記2次励振素子の間にそれぞれ配置されたN個(N>1)の誘電体基板と、
    前記励振素子を励振させ直交する偏波を発生させる位置に設けられた2点の給電点とを有するアンテナ構造体を備え、
    n(N≧n≧1)番目以外の誘電体の誘電率および厚さ、ならびにn番目の誘電体の誘電率はそれぞれ所定の値であって、
    n番目の誘電体基板が、
    給電点の一方から給電した場合の所定の観測面における所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値F[dB]と当該誘電体基板の厚さtn との関係F(tn )と、
    給電点の他方から給電した場合の上記所定の観測面における上記所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値G[dB]と当該誘電体基板の厚さtn との関係G(tn )とを等しくなるような厚さt n を決定することを特徴とする平面アンテナ装置の誘電体の厚さ決定方法。
  5. 励振素子と2次励振素子をそれぞれ矩形とし、
    グランド導体の面上に原点を置くx,y,z直交座標とθ,φ座標を設定し、
    前記グランド導体の面をy−z平面とし、かつx軸上を各矩形の中心として各矩形の各辺がy軸またはz軸と平行になるように置き、
    n番目の誘電体基板の厚さをtn とし、前記2次励振素子から見た等価比誘電率εreff
    Figure 0004011501
    と定義し、
    θをz軸からの離角とし、φをx−y平面におけるx軸からの離角とし、電界のθ成分をEθ とし、電界のφ成分をEφ とした場合、
    y軸上に設けられた給電点から給電した場合の交差偏波の振幅|Eθ |と主偏波の振幅|Eφ |から得る交差偏波レベルを
    Figure 0004011501
    とし、
    z軸上に設けられた給電点から給電した場合の交差偏波の振幅|Eφ |と主偏波の振幅|Eθ |による交差偏波レベルを
    Figure 0004011501
    とし、
    θが一定またはφが一定の所定の観測面における所定の覆域内において、前記式両式の最大値が等しくなるような等価比誘電率εreff を有するよう比誘電率ε rn を決定することを特徴とする請求項3記載の平面アンテナ装置の比誘電率決定方法。
  6. 給電点の他方から給電した場合の上記所定の観測面における上記所定の覆域内の交差偏波レベルの最大値G[dB]と当該誘電体基板の厚さt n との関係G(t n )とを等しく
    励振素子と2次励振素子をそれぞれ矩形とし、
    グランド導体の面上に原点を置くx,y,z直交座標とθ,φ座標を設定し、
    前記グランド導体の面をy−z平面とし、かつx軸上を各矩形の中心として各矩形の各辺がy軸またはz軸と平行になるように置き、
    n番目の誘電体基板の厚さをt n とし、前記2次励振素子から見た等価比誘電率ε reff
    Figure 0004011501
    と定義し、
    θをz軸からの離角とし、φをx−y平面におけるx軸からの離角とし、電界のθ成分をE θ とし、電界のφ成分をE φ とした場合、
    y軸上に設けられた給電点から給電した場合の交差偏波の振幅|E θ |と主偏波の振幅|E φ |から得る交差偏波レベルを
    Figure 0004011501
    とし、
    z軸上に設けられた給電点から給電した場合の交差偏波の振幅|E φ |と主偏波の振幅|E θ |による交差偏波レベルを
    Figure 0004011501
    とし、
    θが一定またはφが一定の所定の観測面における所定の覆域内において、前記式両式の最大値が等しくなるような等価比誘電率ε reff を有するよう厚さt n を決定することを特徴とする請求項4記載の平面アンテナ装置の誘電体の厚さ決定方法。
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