JP4011294B2 - 光信号受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光信号受信装置に関し、特に、1台の局側装置で複数の加入者装置と通信を行うことができるポイント・ツウ・マルチポイント光通信システムにおいて、時分割多重方式を使用した光バースト信号を受信する光信号受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、時分割多重方式を使用し、1台の局側装置で複数の加入者装置とデジタル光通信が可能なポイント・ツウ・マルチポイント光通信システムが考案され、伝送コストの大幅な低減を実現している。ポイント・ツウ・マルチポイント光通信システムとしては、たとえばITU-T G.983.1として国際標準化されたATM−PON(Asynchronous Transfer Mode − Passive Optical Network)伝送方式として実現される。
【0003】
図7は、従来のポイント・ツウ・マルチポイント光通信システムに用いられる光信号受信装置の構成を示す図である(電子情報通信学会 B−897(1994年9月)参照)。図7において、この光信号受信装置は、受光素子1、前置増幅器2、リミッタ3、ピーク検出器4、ゼロレベル検出器5、および閾値演算回路6を有する。
【0004】
受光素子1は、入力された光信号S1を受信し、光強度を電流信号に変換して前置増幅器2に出力する。前置増幅器2は、受光素子1で発生した電流信号を電圧信号に変換し、信号S2として、リミッタ3、ピーク検出器4およびゼロレベル検出器5に出力する。ピーク検出器4は、前置増幅器2およびリセットパルス入力端子T1に接続され、前置増幅器2が出力する信号S2のピーク値(最小値)を検出し、信号S3として、この検出したピーク値を閾値演算回路6に送出する。ピーク検出器4から出力される信号S3の値は、光信号が示す2値のうちの論理「H」を示す「1」のレベルに対応する。また、ピーク検出器4は、リセットパルス入力端子T1からリセットパルスS7を受信した場合、検出したピーク値をリセットする。なお、光信号S1は、バースト信号であり、ピーク検出器4は、このバースト信号の先頭部分で検出される。また、リセットパルスS7は、バースト信号の受信が終了した時点で生成される。
【0005】
ゼロレベル検出器5は、前置増幅器2に接続され、前置増幅器2が出力する信号S2のゼロレベル(最大値)を検出し、信号S14として、この検出したゼロレベルを閾値演算回路6に送出する。ゼロレベル検出器5から出力される信号S14の値は、光信号が示す2値のうちの論理「L」を示す「0」のレベルに対応する。
【0006】
閾値演算回路6は、ゼロレベル検出器5から出力された信号S14の値とピーク検出器4から出力された信号S3の値との中間値を算出し、信号S5として、この中間値を閾値としてリミッタ3に出力する。リミッタ3は、閾値演算回路6から出力された信号S5が示す閾値と、前置増幅器2が出力する信号S2の値とを比較し、信号S5が示す閾値に比して信号S2の値が大きい場合、信号S2を「0」と識別し、信号S5が示す閾値に比して信号S2が示す値が小さい場合信号S2を「1」と識別し、この識別結果を光信号S1が示す2値の信号S6として出力する。
【0007】
つぎに、図8を参照して、図7に示した光信号受信装置の動作について説明する。図8(a)は、信号S2,S3,S14,S5の波形図を示し、図8(b)は、信号S6の波形図を示す。信号S2(S1)としては、最初に電力の小さなバースト信号SB1が受信され、このバースト信号SB1の受信終了後に、電力の大きなバースト信号SB2が受信される。バースト信号SB1の受信終了後に、リセットパルス入力端子T1からリセットパルスS6が時点trでピーク検出器4に入力される。
【0008】
受光素子1が、最初のバースト信号SB1を受信した場合、前置増幅器2は、受信したバースト信号SB1の光強度に応じたパルス状の信号S2を出力する。ピーク検出器4は、前置増幅器2が出力する信号S2のピーク値を検出し、信号S3を閾値演算回路6に出力する。ピーク検出器4が検出するピーク値は、信号S2の立ち上がりの1〜数ビットでピーク値に達し、ピーク検出器4はその値を保持する。このピーク値は、上述した論理「H」に対応する「1」のレベルをもつ。
【0009】
ゼロレベル検出器5の出力である信号S14の値は、前置増幅器2から出力される信号S2のうちの論理「L」に対応する「0」のレベルと、検出誤差の範囲で一致しており、バースト信号SB1,SB2の受信中の値と、待機(アイドル期間)中の値とで等しい。閾値演算回路6は、ピーク検出器4が出力した信号S3の値とゼロレベル検出器が出力する信号S14の値との中間値(中央値)を演算し、信号S5としてリミッタ3に出力する。したがって、閾値演算回路6から出力された信号S5は、ピーク検出器4が出力する信号S3の出力値に対応して立ち上がり、ピーク検出器4の出力がピークに達した場合に、論理「H」の「1」レベルと論理「L」の「0」レベルとの中間値に収束する。
【0010】
リミッタ3は、閾値演算回路6が出力した信号S5が示す閾値を基準として、前置増幅器2が出力する信号S2の大小を判断し、信号S2が示す2値、すなわち「0」と「1」とを識別し、図8(b)に示すように、信号S6が示すデジタル信号として出力する。
【0011】
ここで、最初のバースト信号SB1の受信が終了し、リセットパルス入力端子T1にリセットパルスS7が時点trで入力された場合、ピーク検出器4は、保持していたピーク値を初期化し、待機状態となる。
【0012】
さらに、リセットパルスS7入力後に、次のバースト信号SB2を受信した場合、前置増幅器2は、このバースト信号SB2の光強度に応じたパルス状の信号S2を出力する。ピーク検出器4は、信号S2のピーク値を検出して、この検出したピーク値を信号S3として閾値演算回路6に出力する。ピーク検出器4が検出する信号S3の値は、立ち上がりの1〜数ビットでピーク値に達し、ピーク検出器4はその値を保持する。
【0013】
ゼロレベル検出器5が検出する信号S14の値は、前置増幅器2から出力される信号S2のうちの論理「L」である「0」に対応する値と検出誤差の範囲で一致しているので、ゼロレベル検出器5が出力する信号S14の値は、待機中とバースト信号SB2受信中とで等しい。閾値演算回路6から出力される信号S5の値は、ピーク検出器4の出力に対応して立ち上がり、ピーク検出器4の出力がピークに達した場合に、ピーク検出器4が出力する値とゼロレベル検出器5が出力する値との新しい中間値に収束する。
【0014】
リミッタ3は、閾値演算回路6が出力する信号S5が示す値を閾値として用い、前置増幅器2が出力する信号を、「0」と「1」とに識別し、デジタル信号である信号S6として出力する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光信号受信装置では、時点trにおいてリセットパルスS7によってピーク検出器4を初期化する場合、領域111に示すように、ピーク検出器4が出力する信号S5が過渡応答状態を呈し、これによってピーク検出器4の信号S3の出力が、前置増幅器2が出力する信号S2が示す「0」の電位を上回る状態が発生した。ピーク検出器4の出力が、前置増幅器2が出力する「0」の電位を上回ると、閾値演算回路6が出力する閾値が、前置増幅器2が出力する信号S2の「0」の電位に比して低くなり、前置増幅器2の信号S2出力が「0」を示す信号状態であるにもかかわらず、リミッタ3が「1」を出力するという不正パルス101が生成されるという問題点があった。
【0016】
しかも、前置増幅器2が「0」に対応する信号S2を連続して出力し、「0」に対応する信号S2の連続期間がピーク検出器4の保持能力を超えた場合に、ピーク検出器4の信号S3出力が、「0」の電位に収束する現象が発生する。ピーク検出器4の信号S3出力が、「0」の電位に収束すると、閾値演算回路6が出力する閾値である信号S5出力が、「0」の電位に収束し、前置増幅器2の信号S2出力が「0」の状態であるにもかかわらず、リミッタ3が「1」を出力する不正パルス102を生じる可能性があるという問題点があった。
【0017】
さらに、前置増幅器2の信号S2出力に、サグまたはオーバーシュートが存在する場合、ゼロレベル検出器5の信号S14出力は、サグおよびオーバーシュートによる電位をもとにゼロレベルを決定するため、閾値演算回路6が出力する閾値(信号S3)に誤差が生じ、リミッタ3の信号S6出力にパルス幅歪みが発生するという問題点があった。
【0018】
この発明は上記に鑑みてなされたものであって、リセットパルス入力時および「0」レベルの連続入力時における不正パルスを除去し、バースト的な光信号入力に対して、適正なパルス幅をもつデジタル信号出力を高精度に行うことができる光信号受信装置を得ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる光信号受信装置は、2値の情報を示す光信号を受光して電気信号に変換する変換手段と、前記2値のうちの「H」レベルの電位に対応する値であって前記変換手段が変換した電気信号のピーク値を検出する第1ピーク値検出手段と、前記2値のうちの「L」レベルの電位に対応する値であって前記変換手段が変換した電気信号のピーク値を検出する第2ピーク値検出手段と、前記第1ピーク値検出手段および前記第2ピーク値検出手段が検出した各ピーク値をもとに前記変換手段が変換した電気信号の2値を判定出力する判定手段と、前記第1ピーク値検出手段によって検出されたピーク値が予め設定された第1の所定値を越えたか否かを判定する第1レベル判定手段と、前記変換手段によって変換された電気信号の値が予め設定された第2の所定値を越えたか否かを判定する第2レベル判定手段と、前記判定手段の出力側に接続され、前記第1レベル判定手段において前記第1ピーク検出手段によって検出されたピーク値が前記第1の所定値を越えていない場合、かつ、前記第2レベル判定手段において前記変換手段によって変換された電気信号の値が前記第2の所定値を越えていない場合に前記判定手段の判定出力を遮断し、前記第1レベル判定手段において前記第1ピーク検出手段によって検出されたピーク値が前記第1の所定値を越えている場合、または、前記第2レベル判定手段において前記変換手段によって変換された電気信号の値が前記第2の所定値を越えている場合に前記判定手段の判定出力を通過させるゲート回路と、を備えたことを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、変換手段が、2値の情報を示す光信号を受光して電気信号に変換し、この変換された電気信号は、第1ピーク値検出手段によって、前記2値のうちの「H」レベルの電位に対応する値であって前記変換手段が変換した電気信号のピーク値が検出され、第2ピーク値検出手段によって、前記2値のうちの「L」レベルの電位に対応する値であって前記変換手段が変換した電気信号のピーク値が検出され、さらに、第2レベル判定手段および判定手段に入力される。判定手段は、前記第1ピーク値検出手段および前記第2ピーク値検出手段が検出した各ピーク値をもとに前記変換手段が変換した電気信号の2値を判定出力する。第1レベル判定手段は、前記第1ピーク値検出手段によって検出されたピーク値が予め設定された第1の所定値を越えたか否かを判定し、第2レベル判定手段は、前記変換手段によって変換された電気信号の値が予め設定された第2の所定値を越えたか否かを判定する。ゲート回路は、前記前記判定手段の出力側に接続され、前記第1レベル判定手段において前記第1ピーク検出手段によって検出されたピーク値が前記第1の所定値を越えていない場合、かつ、前記第2レベル判定手段において前記変換手段によって変換された電気信号の値が前記第2の所定値を越えていない場合に前記判定手段の判定出力を遮断し、前記第1レベル判定手段において前記第1ピーク検出手段によって検出されたピーク値が前記第1の所定値を越えている場合、または、前記第2レベル判定手段において前記変換手段によって変換された電気信号の値が前記第2の所定値を越えている場合に前記判定手段の判定出力を通過させ、最終的なデジタル信号として出力するようにしている。
【0023】
つぎの発明にかかる光信号受信装置は、上記の発明において、前記レベル判定手段または前記第1レベル判定手段は、ヒステリシス特性を有することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、第1レベル判定手段または前記第1レベル判定手段の判定出力にヒステリシス特性をもたせ、ゲート回路の開閉を安定化させている。
【0025】
つぎの発明にかかる光信号受信装置は、上記の発明において、前記2値の情報を示す光信号は、バースト信号であり、前記第1ピーク検出手段および前記第2ピーク検出手段は、前記各バースト信号の終了時点を示すリセット信号によってリセットされることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、前記第1ピーク検出手段および前記第2ピーク検出手段が、前記各バースト信号の終了時点を示すリセット信号によってリセットされ、バースト信号の終了時点を確実に認識するようにしている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る光信号受信装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0028】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である光信号受信装置の構成を示す図である。図1において、この光信号受信装置は、受光素子1、前置増幅器2、リミッタ3、ピーク検出器4、ゼロレベル検出器5、閾値演算回路6、レベル検出回路7およびゲート回路8を有している。すなわち、図7に示した光信号受信装置に対して、レベル検出回路7とゲート回路8とが付加された構成となっている。
【0029】
受光素子1は、2値の値をもつデジタル信号に対応した光信号S1を受信し、光強度を電流信号に変換し、前置増幅器2に出力する。前置増幅器2は、受光素子1で発生した電流信号を電圧信号である信号S2に変換し、リミッタ3、ピーク検出器4およびゼロレベル検出器5に出力する。ピーク検出器4は、前置増幅器2およびリセットパルス入力端子T1に接続され、前置増幅器2が出力する信号S2のピーク値(最小値)を、信号S3として閾値演算回路6およびレベル検出回路7に送出する。ピーク検出器4からの信号S3出力は、2値を示す光信号の論理「H」の「1」に対応する。また、ピーク検出器4は、リセットパルス入力端子T1から時点trにおいてリセットパルスS7を受信した場合、信号S2のピーク値をリセットする。
【0030】
ゼロレベル検出器5は、前置増幅器2およびリセットパルス入力端子T1に接続され、前置増幅器2が出力する信号S2のゼロレベル(最大値)を、信号S4として、閾値演算回路6に送出する。また、ゼロレベル検出器5は、リセットパルス入力端子T1からリセットパルスS7を受信した場合、このリセットパルスS7を受信した時点trにおける前置増幅器2からの信号S2出力を、閾値演算回路6に送出する。ゼロレベル検出器5の信号S4出力は、2値の光信号における「0」レベルに対応する。
【0031】
閾値演算回路6は、ゼロレベル検出器5の信号S4出力とピーク検出器4の信号S3出力との中間値を算出し、この算出した信号S5を、閾値としてリミッタ3に出力する。リミッタ3は、閾値演算回路6が算出した閾値である信号S5の値と、前置増幅器2が出力する信号S5の値とを比較し、前置増幅器2が出力する信号S2が、閾値である信号S5に比して大きい場合に、この信号S2のレベルを「0」と識別し、小さい場合に「1」と識別し、この識別結果をゲート回路8に出力する。
【0032】
レベル検出回路7は、ピーク検出器4および定電圧入力端子T2と接続され、定電圧入力端子T2から入力される所定の電圧Vth1と、ピーク検出器4の信号S3出力との比較を行う。所定の電圧Vth1は、光信号受信装置の受信レベルのピーク値に対してマージンを有するように設定する。レベル検出回路7は、ピーク検出器4の信号S3出力が所定の電圧Vth1に比して小さい場合、「光信号受信中」と判定し、判定結果を信号S8としてゲート回路8に出力する。また、レベル検出回路7は、ピーク検出器4の信号S3出力が所定の電圧Vth1に比して大きい場合、「光信号待機中」と判定し、判定結果を信号S8としてゲート回路8に出力する。
【0033】
ゲート回路8は、リミッタ3の出力側に接続されるとともに、レベル検出回路7に接続され、レベル検出回路7の信号S8出力が「光信号受信中」の場合、リミッタ3の信号S6出力を通過出力する。また、レベル検出回路7の信号S8出力が「光信号待機中」の場合、リミッタ3の信号S6出力を遮断する。
【0034】
ここで、図2を参照して、この実施の形態1における光信号受信装置の動作について説明する。図2は、受光素子1が、最初に電力の小さいバースト信号SB1を受信し、このバースト信号SB1の受信終了時に、リセットパルス入力端子T1からリセットパルスS7を受信し、つぎに受光素子1が、電力の大きいバースト信号SB2を受信した場合における光信号受信装置の各部における波形図を示している。
【0035】
受光素子1が、最初のバースト信号SB1を受信した場合、前置増幅器2は、受信した光信号S1の光強度に応じたパルス状の電圧信号S2を出力する。ピーク検出器4は、前置増幅器2が出力する電圧信号S2のピーク値を検出し、信号S3として閾値演算回路6に出力する。ピーク検出器4が検出する値は、立ち上がりの1〜数ビットでピーク値に達し、ピーク検出器4はその値を保持する。
【0036】
ゼロレベル検出器5の信号S4出力は、前置増幅器2の信号S2出力の「0」レベルに対応する値と検出誤差の範囲で一致しており、バースト信号SB1を受信中の場合と待機中の場合とで等しい値を出力する。閾値演算回路6は、ピーク検出器4が出力する値とゼロレベル検出器5が出力する値との中間値を算出して出力する。したがって、閾値演算回路6の信号S5出力は、ピーク検出器4の信号S3出力に対応して立ち上がり、ピーク検出器4の信号S3出力がピークに達した場合に、ピーク検出器4が出力する値とゼロレベル検出器5が出力する値との中間値に収束する。
【0037】
リミッタ3は、閾値演算回路6が出力する信号S5が示す閾値をもとに、前置増幅器2が出力する電圧信号S2を「0」と「1」とに識別する。レベル検出回路7は、所定電圧Vth1とピーク検出器4の信号S3出力との比較を行い、ピーク検出器4の信号S3出力が所定電圧Vth1を越える場合、「光信号受信中」と判定し、ゲート回路8に信号S8として出力する。また、レベル検出回路7は、ピーク検出器4の出力が所定電圧Vth1を越えない場合、「光信号待機中」と判定し、ゲート回路8に信号S8として出力する。
【0038】
ゲート回路8は、レベル検出回路7の判定が「光信号待機中」の場合、リミッタ3の判定出力を遮断し、レベル検出回路7の判定が「光信号受信中」の場合、リミッタ3の判定出力をそのまま通過出力させる。
【0039】
バースト信号SB1の受信が終了し、リセットパルス入力端子T1にリセットパルスS7が時点trで入力された場合、ピーク検出器4は、保持していたピーク値を初期化し、待機状態となる。レベル検出回路7は、ピーク検出器4の信号S3出力が所定電圧Vth1に比して大きくなるので、「光信号待機中」と判定し、ゲート回路8に出力する。
【0040】
ゲート回路8は、レベル検出回路7の出力が「光信号待機中」となるので、リミッタ3の判定出力、すなわち信号S6を遮断する。また、ゼロレベル検出器5は、リセットパルス入力端子T1からリセットパルスS7の立ち下がりを受信した場合、リミッタ3の判定出力、すなわち信号S6をそのまま通過出力させる。
【0041】
その後、次のバースト信号SB2を受信した場合、前置増幅器2は、受光した光信号の光強度に応じたパルス状の電圧信号S2を出力する。ピーク検出器4は、前置増幅器2が出力する電圧信号S2のピーク値を検出して、信号S3として閾値演算回路6に出力する。ピーク検出器4が検出する値は、立ち上がりの1〜数ビットでピーク値に達し、ピーク検出器4はその値を保持する。
【0042】
ゼロレベル検出器5は、リセットパルス入力時における前置増幅器2の信号S2出力を「0」に対応する値として閾値演算回路6に出力する。したがって、閾値演算回路6の信号S4出力は、ピーク検出器4の信号S3出力に対応して立ち上がり、ピーク検出器4の信号S3出力がピークに達した場合に、ピーク検出器4が出力する値とゼロレベル検出器5が出力する値との新しい中間値に収束する。
【0043】
リミッタ3は、閾値演算回路6が出力する信号S5が示す閾値をもとに、前置増幅器2が出力する電圧信号S2を、「0」と「1」とに識別し、信号S6のデジタル信号として出力する。レベル検出回路7は、所定電圧Vth1とピーク検出器4の信号S3出力との比較を行い、ピーク検出器4の信号S3出力が所定電圧Vth1を越える場合、「光信号受信中」と判定し、ゲート回路8に出力する。また、レベル検出回路7は、ピーク検出器4の出力が所定電圧Vth1を越えない場合、「光信号待機中」と判定し、ゲート回路8に出力する。
【0044】
ゲート回路8は、レベル検出回路7の判定が「光信号待機中」の場合、リミッタ3からの判定出力である信号S6の出力を遮断する。また、ゲート回路8は、レベル検出回路7の判定が「光信号受信中」の場合、リミッタ3からの判定出力である信号S6の出力をそのまま通過出力させる。
【0045】
ここで、ピーク検出器4は、充電時定数を有する低域通過特性を有する。したがってピーク検出器4の出力が含む雑音は、前置増幅器2の信号S2出力が含む雑音に比して小さくなる。このため、レベル検出回路7が、ピーク検出器4の出力をもとに、バースト信号の有無を判断することで、リミッタ3が前置増幅器2の信号S2出力をもとに信号の有無を判断した場合に比して、正確な判断を行うことができる。
【0046】
この実施の形態1では、受光した光信号S1のピーク値を検出するピーク検出器4の信号S3出力をもとに、光信号S1の受信中であるか否かを判定するレベル検出回路7を備え、レベル検出回路7が「光信号受信中」と判定した場合、リミッタ3の判定出力をそのまま通過出力し、レベル検出回路7が「光信号待機中」と判定した場合、リミッタ3の判定出力を遮断するようにしているので、リセットパルスS7入力時に過渡応答状態が生じてピーク検出器4の信号S3出力が前置増幅器2の「0」レベルの電位を上回る場合においても、不正なパルスの発生を防ぐことができる。
【0047】
また、前置増幅器2が「0」レベルに対応する電圧信号S2を連続して出力し、「0」レベルに対応する電圧信号S2の連続がピーク検出器4の保持能力を超えた場合(期間t11)においても、不正なパルスの発生を防ぐことができる。
【0048】
さらに、ゼロレベル検出器5にリセットパルスS7を入力し、リセットパルス入力時の前置増幅器2の出力を「0」レベルに対応する値として用いるので、前置増幅器2の出力にサグまたはオーバーシュートが存在する場合においても、サグやオーバーシュートによる誤差を防ぎ、パルス幅歪みの発生を防ぐことができる。
【0049】
実施の形態2.
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2では、バースト信号の先頭位置を確実に検出し、バースト信号の先頭パルスを、パルス幅歪みなく確実に出力するようにしている。
【0050】
図3は、この発明の実施の形態2である光信号受信装置の構成を示す図である。図3において、この光信号受信装置は、レベル検出回路9および保持回路10をさらに有し、その他の構成は、実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0051】
受光素子1は、光信号S1を受光し、光強度を電流信号に変換し、前置増幅器2に出力する。前置増幅器2は、受光素子1で発生した電流信号を電圧信号S2に変換し、リミッタ3、ピーク検出器4、ゼロレベル検出器5およびレベル検出回路9に出力する。ピーク検出器4は、前置増幅器2およびリセットパルス入力端子T1に接続され、前置増幅器2が出力する電圧信号S2のピーク値を検出し、このピーク値を信号S3として閾値演算回路6およびレベル検出回路7に送出する。ピーク検出器4の信号S3出力は、光信号の「1」レベルに対応する。また、ピーク検出器4は、リセットパルス入力端子T1からリセットパルスS7を受信した場合、ピーク値をリセットする。
【0052】
ゼロレベル検出器5は、前置増幅器2およびリセットパルス入力端子T1に接続され、前置増幅器2が出力する電圧信号S2のピーク値(最大電圧値)を、信号S4として閾値演算回路6に送出する。また、ゼロレベル検出器5は、リセットパルス入力端子T1からリセットパルスS7を受信した場合、リセットパルスS7を受信した時点trにおける前置増幅器2の信号S2出力を閾値演算回路6に送出する。ゼロレベル検出器5の信号S4出力は、光信号の「0」レベルに対応する。
【0053】
閾値演算回路6は、ゼロレベル検出器5の信号S4出力とピーク検出器4の信号S3出力との中間値を算出し、閾値である信号S5としてリミッタ3に出力する。リミッタ3は、閾値演算回路6が算出した閾値と、前置増幅器2が出力する電圧信号S2とを比較し、前置増幅器2が出力する電圧信号S2が、閾値を越えない場合に「0」と識別し、越えた場合に「1」と識別し、この識別結果をゲート回路8に信号S6として出力する。
【0054】
レベル検出回路7は、ピーク検出器4および定電圧入力端子T2に接続され、定電圧入力端子T2から入力される所定電圧Vth1と、ピーク検出器4の信号S3出力との比較を行う。所定電圧Vth1は、信号S2が示す「1」レベルのピーク値に対してマージンを有するように設定する。レベル検出回路7は、ピーク検出器4の信号S3出力が所定電圧Vth1を越える場合、「光信号受信中」と判定し、判定結果を信号S8として保持回路10に出力する。また、レベル検出回路7は、ピーク検出器4の出力が所定電圧Vth1を越えない場合、「光信号待機中」と判定し、判定結果を信号S8として保持回路10に出力する。
【0055】
レベル検出回路9は、前置増幅器2および定電圧入力端子T3に接続され、定電圧入力端子T3から入力される所定電圧Vth2と前置増幅器2の信号S2出力との比較を行う。レベル検出回路9は、前置増幅器2の信号S2出力が所定電圧Vth2を越えた場合、「光信号受信中」と判定し、判定結果を信号S10として保持回路10に出力する。また、レベル検出回路9は、前置増幅器2の信号S2出力が所定電圧Vth2を越えない場合、「光信号待機中」と判定し、判定結果を信号S10として保持回路10に出力する。
【0056】
保持回路10は、レベル検出回路7およびレベル検出回路9に接続され、レベル検出回路7,9の少なくとも一方から「光信号受信中」の信号を受信した場合、「光信号受信中」の状態を記憶し、ゲートを「開」とする信号S11をゲート回路8に出力する。また、保持回路10は、レベル検出回路7,9のいずれからも「光信号受信中」の信号を受信しない場合、「光信号受信中」の記憶をリセットし、「光信号待機中」の状態を記憶し、ゲートを「閉」とする信号S11をゲート回路8に出力する。
【0057】
ゲート回路8は、リミッタ3および保持回路10に接続され、保持回路10の信号S11が「開」を示す場合、リミッタ3から出力された信号S6をそのまま通過出力し、保持回路10の信号S11が「閉」を示す場合、リミッタ3から出力された信号S6を遮断し、出力させない。
【0058】
ここで、図4を参照して、この実施の形態2における光信号受信装置の動作について説明する。図4は、受光素子1が、最初に電力の小さいバースト信号SB1を受信する。このバースト信号SB1の受信終了時に、リセットパルス入力端子T1からリセットパルスS7が入力される。その後、受光素子1に電力が大きいバースト信号SB2を受信する。
【0059】
受光素子1が、最初のバースト信号SB1を受信した場合、前置増幅器2は、受信した光信号S1の光強度に応じたパルス状の電圧信号S2を出力する。ピーク検出器4は、前置増幅器2が出力する電圧信号S2のピーク値を検出し、このピーク値を信号S3として閾値演算回路6に出力する。ピーク検出器4が検出する値は、立ち上がりの1〜数ビットでピーク値に達し、ピーク検出器4はその値を保持する。
【0060】
ゼロレベル検出器5の信号S4出力は、前置増幅器2の信号S2出力の「0」レベルに対応する値と検出誤差の範囲で一致しており、バースト信号を受信中の場合と待機中の場合とで等しい値を出力する。閾値演算回路6は、ピーク検出器4が出力する値とゼロレベル検出器5が出力する値との中間値を算出して出力する。したがって、閾値演算回路6の出力は、ピーク検出器4の出力に対応して立ち上がり、ピーク検出器4の出力がピークに達した場合に、ピーク検出器4が出力する値とゼロレベル検出器5が出力する値との中間値に収束する。
【0061】
リミッタ3は、閾値演算回路6が出力する閾値をもとに、前置増幅器2が出力する電圧信号S2を、「0」と「1」とに識別する。レベル検出回路9は、所定電圧Vth2と前置増幅器2の出力とを比較し、前置増幅器2の信号S2出力が所定電圧Vth2を越えた場合、「光信号受信中」と判定し、信号S10として保持回路10に出力する。
【0062】
保持回路10は、レベル検出回路9の判定が「光信号受信中」の場合、「光信号受信中」の状態を記憶し、「光信号受信中」に対応して、ゲートを「開」にする信号S11をゲート回路8に出力する。ゲート回路8は、保持回路10の判定が「光信号受信中」の場合、リミッタ3の信号S6出力をそのまま通過出力させる。
【0063】
最初のバースト信号SB1の受信が終了し、リセットパルス入力端子T1にリセットパルスS7が時点trで入力された場合、ピーク検出器4は、保持していたピーク値を初期化し、待機状態となる。レベル検出回路7は、ピーク検出器4の出力がVth1を越えなくなるので、「光信号待機中」と判定し、信号S8として保持回路10に出力する。
【0064】
保持回路10は、レベル検出回路7,9の出力のいずれも「光信号受信中」でない場合、「光信号待機中」の状態を記憶し、ゲートを「閉」にする信号S11をゲート回路8に出力する。ゲート回路8は、保持回路10の出力が「閉」となった場合、リミッタ3から出力される信号S6出力を遮断する。
【0065】
さらに、リセットパルスS7入力後に、次のバースト信号SB2を受信した場合、前置増幅器2は、新しく受信した光信号S1の光強度に応じたパルス状の電圧信号S2を出力する。ピーク検出器4は、前置増幅器2が出力する電圧信号S2のピーク値を検出して、このピーク値を信号S3として閾値演算回路6に出力する。ピーク検出器4が検出する値は、立ち上がりの1〜数ビットでピーク値に達し、ピーク検出器4はその値を保持する。
【0066】
ゼロレベル検出器5は、リセットパルス入力時における前置増幅器2の信号S2出力を「0」レベルに対応する値として閾値演算回路6に出力する。したがって、閾値演算回路6の出力は、ピーク検出器4の出力に対応して立ち上がり、ピーク検出器4の出力がピークに達した場合に、ピーク検出器4が出力する値とゼロレベル検出器5が出力する値との新しい中間値に収束する。
【0067】
リミッタ3は、閾値演算回路6が出力する閾値をもとに、前置増幅器2が出力する電圧信号S2を、「0」と「1」とに識別し、デジタル信号である信号S6として出力する。レベル検出回路9は、所定電圧Vth2と前置増幅器2の信号S2出力との比較を行い、前置増幅器2の信号S2出力が所定電圧Vth2を越えた場合、「光信号受信中」と判定し、保持回路10に出力する。
【0068】
保持回路10は、レベル検出回路9から「光信号受信中」の出力を受信し、「光信号受信中」の状態を記憶し、「光信号受信中」に対応し、ゲートを「開」にする信号S11をゲート回路8に出力する。この場合、ゲート回路8は、リミッタ3から出力された信号S6をそのまま通過出力する。
【0069】
ゲート回路8は、保持回路10の出力が「光信号待機中」、すなわちゲートを「閉」にする信号S11を受けると、ゲートを閉めて、リミッタ3から出力された信号S6を遮断する。保持回路10の出力が「光信号待機中」となるのは、レベル検出回路7,9のいずれからも、「光信号受信中」を示す信号が入力されない場合である。
【0070】
ここで、ピーク検出器4は、受信レベル全体に対して線形な特性が要求されるため、その速度に限界が生じる。したがって、ピーク検出器4の出力をもとに光信号の受信開始を判定した場合、判定に遅れが発生する可能性がある。レベル検出回路9は、前置増幅器2の出力をもとに、光信号の受信開始を判定するので、速度の限界を持たず、高速に判定することができる。
【0071】
一方、光信号の受信終了の判定においては、ピーク検出器4の出力が含む雑音は、前置増幅器2の出力が含む雑音に比して小さいので、レベル検出回路7が、ピーク検出器4の出力をもとに光信号の受信終了を判断することで、前置増幅器2の出力をもとに光信号の受信終了を判定した場合に比して正確な判断を行うことができる。
【0072】
この実施の形態2において光信号受信装置は、前置増幅器2の出力をもとに光信号の受信開始を判定するレベル検出回路9と、ピーク検出器4の出力をもとに光信号の受信終了を判定するレベル検出回路7と、レベル検出回路9および7をもとに光信号の受信状態を保持する保持回路10とを備え、保持回路10が「光信号受信中」と判定した場合、ゲート回路8は、リミッタ3の判定出力を通過出力し、「光信号待機中」と判定した場合、ゲート回路8は、リミッタ3の判定出力を遮断するので、リセットパルス入力時の過渡応答において、ピーク検出器4の出力が前置増幅器2の「0」レベルの電位を上回る場合においても不正なパルスの発生を防ぐことができる。
【0073】
また、前置増幅器2が「0」レベルに対応する電圧信号S2を連続して出力し、「0」レベルに対応する電圧信号S2の連続がピーク検出器4の保持能力を超えた場合においても、不正なパルスの発生を防ぐことができる。
【0074】
さらに、前置増幅器2から出力される信号S2の立ち上がりを高速に判定し、バースト信号の1ビット目から正確に再現することができる。
【0075】
また、この実施の形態2において光信号受信装置は、ゼロレベル検出器5にリセットパルスS7を入力し、リセットパルス入力時の前置増幅器2の出力を「0」レベルに対応する値として用いるので、前置増幅器2の出力にサグまたはオーバーシュートが存在する場合においても、サグやオーバーシュートによる誤差を防ぎ、パルス幅歪みの発生を防ぐことができる
【0076】
実施の形態3.
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。図5は、この発明の実施の形態3である光信号受信装置の構成を示す図である。この実施の形態3では、レベル検出回路7に抵抗R1〜R4を接続している。その他の構成は、実施の形態1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付している。
【0077】
レベル検出回路7は、抵抗R1〜R4と接続され、レベル検出回路7には正帰還がかかる。したがって、レベル検出回路7は、ヒステリシス効果によって、チャタリングを防止し、安定に動作する。すなわち、ピーク検出器4の出力が所定電圧Vth1を越えた場合、レベル検出回路7の出力は「光信号受信中」で固定され、リセットパルスS7が入力されるまでの間、「光信号待機中」への移行を防止することができる。
【0078】
また、実施の形態2に示した光信号受信装置においてレベル検出回路7に抵抗R1〜R4を接続しても良い。図6に実施の形態2に示した光信号受信装置のレベル検出回路7に抵抗を接続した場合における構成を示す図である。この構成においてレベル検出回路7は抵抗R1〜R4と接続される。その他の構成は実施の形態2と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付している。
【0079】
レベル検出回路7は、抵抗R1〜R4と接続され、レベル検出回路7には正帰還がかかる。したがって、レベル検出回路7は、ヒステリシス効果によって、チャタリングを防止し、安定に動作する。すなわち、ピーク検出器4の出力が所定電圧Vth1を越えた場合、レベル検出回路7の出力は「光信号受信中」で固定され、リセットパルスS7が入力されるまでの間、「光信号待機中」への移行を防止することができる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、変換手段が、2値の情報を示す光信号を受光して電気信号に変換し、この変換された電気信号は、第1ピーク値検出手段によって、前記2値のうちの「H」レベルの電位に対応する値であって前記変換手段が変換した電気信号のピーク値が検出され、第2ピーク値検出手段によって、前記2値のうちの「L」レベルの電位に対応する値であって前記変換手段が変換した電気信号のピーク値が検出され、さらに、第2レベル判定手段および判定手段に入力される。判定手段は、前記第1ピーク値検出手段および前記第2ピーク値検出手段が検出した各ピーク値をもとに前記変換手段が変換した電気信号の2値を判定出力する。第1レベル判定手段は、前記第1ピーク値検出手段によって検出されたピーク値が予め設定された第1の所定値を越えたか否かを判定し、第2レベル判定手段は、前記変換手段によって変換された電気信号の値が予め設定された第2の所定値を越えたか否かを判定する。ゲート回路は、前記前記判定手段の出力側に接続され、前記第1レベル判定手段において前記第1ピーク検出手段によって検出されたピーク値が前記第1の所定値を越えていない場合、かつ、前記第2レベル判定手段において前記変換手段によって変換された電気信号の値が前記第2の所定値を越えていない場合に前記判定手段の判定出力を遮断し、前記第1レベル判定手段において前記第1ピーク検出手段によって検出されたピーク値が前記第1の所定値を越えている場合、または、前記第2レベル判定手段において前記変換手段によって変換された電気信号の値が前記第2の所定値を越えている場合に前記判定手段の判定出力を通過させることにより、最終的なデジタル信号として出力するようにしているので、バースト信号の終了時点を示すリセットパルスの入力時の過渡現象によって生起する不正パルスの生成や、「L」レベルの連続入力時に生起する不正パルスの生成をなくし、受光した光信号が示す2値のデジタル信号のパルス幅歪みが軽減されたデジタル信号を出力することができるとともに、第2レベル判定手段がバースト信号の先頭位置を高速に検出してゲート回路を通過させることができ、バースト信号の先頭パルスの検出を欠けることなく、適正なパルス幅をもった精度の高いデジタル信号を出力することができるという効果を奏する。
【0082】
つぎの発明によれば、第1レベル判定手段または前記第1レベル判定手段の判定出力にヒステリシス特性をもたせ、ゲート回路の開閉を安定化させているので、安定したデジタル信号の判定出力を行うことができるという効果を奏する。
【0083】
つぎの発明によれば、前記第1ピーク検出手段および前記第2ピーク検出手段が、前記各バースト信号の終了時点を示すリセット信号によってリセットされ、バースト信号の終了時点を確実に認識するようにしているので、不安定な判定出力を排除することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である光信号受信装置の構成を示す図である。
【図2】 図1に示した光信号受信装置の各部の信号波形を示したタイミングチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態2である光信号受信装置の構成を示す図である。
【図4】 図3に示した光信号受信装置の各部の信号波形を示したタイミングチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態3である光信号受信装置の構成を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態3である光信号受信装置の変形例を示す図である。
【図7】 従来の光信号受信装置の構成を示す図である。
【図8】 図7に示した光信号受信装置の各部の信号波形を示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 受光素子、2 前置増幅器、3 リミッタ、4 ピーク検出器、5 ゼロレベル検出器、6 閾値演算回路、7,9 レベル検出回路、8 ゲート回路、10 保持回路、T1 リセットパルス入力端子、T2,T3 定電圧入力端子、Vth1,Vth2 所定電圧。
Claims (3)
- 2値の情報を示す光信号を受光して電気信号に変換する変換手段と、
前記2値のうちの「H」レベルの電位に対応する値であって前記変換手段が変換した電気信号のピーク値を検出する第1ピーク値検出手段と、
前記2値のうちの「L」レベルの電位に対応する値であって前記変換手段が変換した電気信号のピーク値を検出する第2ピーク値検出手段と、
前記第1ピーク値検出手段および前記第2ピーク値検出手段が検出した各ピーク値をもとに前記変換手段が変換した電気信号の2値を判定出力する判定手段と、
前記第1ピーク値検出手段によって検出されたピーク値が予め設定された第1の所定値を越えたか否かを判定する第1レベル判定手段と、
前記変換手段によって変換された電気信号の値が予め設定された第2の所定値を越えたか否かを判定する第2レベル判定手段と、
前記判定手段の出力側に接続され、前記第1レベル判定手段において前記第1ピーク検出手段によって検出されたピーク値が前記第1の所定値を越えていない場合、かつ、前記第2レベル判定手段において前記変換手段によって変換された電気信号の値が前記第2の所定値を越えていない場合に前記判定手段の判定出力を遮断し、前記第1レベル判定手段において前記第1ピーク検出手段によって検出されたピーク値が前記第1の所定値を越えている場合、または、前記第2レベル判定手段において前記変換手段によって変換された電気信号の値が前記第2の所定値を越えている場合に前記判定手段の判定出力を通過させるゲート回路と、
を備えたことを特徴とする光信号受信装置。 - 前記レベル判定手段または前記第1レベル判定手段は、ヒステリシス特性を有することを特徴とする請求項1に記載の光信号受信装置。
- 前記2値の情報を示す光信号は、バースト信号であり、
前記第1ピーク検出手段および前記第2ピーク検出手段は、前記各バースト信号の終了時点を示すリセット信号によってリセットされることを特徴とする請求項1または2に記載の光信号受信装置。
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