JP4011258B2 - 制御チップセット間の割込み機能を有するバスの調停方法 - Google Patents

制御チップセット間の割込み機能を有するバスの調停方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、チップセットに関し、特に、コンピュータシステム中の制御チップセットおよび制御チップセット内部のチップ間でのデータ・トランザクション方法ならびに制御チップセット間の割込み機能を有するバスの調停方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1において、中央処理装置(CPU)10が、ホストブリッジ(host bridge)12を介してPCIバス14に接続されている。PCIバス14は、多数個のPCI互換性を有する周辺機器のマスタ(master)に接続されることができ、図示したような画像アダプター(graphic adapter)16a、拡張バス・ブリッジ(expansion bus bridge)16b、ラン・アダプター(LAN adapter)16c、スモールコンピュータシステムインタフェース・ホストバス・アダプター(SCSI host bus adapter)16d…等が接続可能である。各マスタは、いずれも要求(request = REQ)信号を送り出してPCIバス14の使用を要求することができ、ホストブリッジ12中の調停器(arbiter アービターとも言う)がマスタへ同意(grant = GNT)信号を送ってPCIバス14の使用に同意することができる。
【0003】
PCI互換機器(例えばマスタあるいはコンピュータ・チップセット中のノースブリッジ)間のデータ転送は、主要には以下のインタフェース制御信号によって制御される。周期フレーム(cycle frame = FRAME)は、イニシエータ(マスタまたはノースブリッジとすることができる)から送り出され、アクセス操作の開始および持続期間の指示に用いられる。FRAME信号が送り出される時には、PCIバスを介したデータ・トランザクション(transaction)が開始されることを表し、FRAME信号が低電位に維持されることはデータ・トランザクションが引き続き行われることを表す。この時、アドレスバスADがアドレス周期期間に有効アドレス(valid address)を送り出すと同時に、コマンド/バイト・イネーブル(command/byte enable = CBE[3:0])線で有効なバスコマンド(PCI規格を満たす)を送り出して、ターゲット機器に対してイニシエータの要求するデータ・トランザクション形態を指示するために用いられるが、コマンド/バイト・イネーブル(CBE)線は、4ビットでコーディングされる16種類のコマンドからなり、PCI規格に詳細が定義されている。有効アドレスを送り出した直ぐ後に、アドレスバスADが転送すべきデータを送り出し、この時期をデータ周期と呼ぶが、同時にCBE線からコーディングされたバスコマンドのバイト・イネーブル信号を送り出して、データ転送を行う。FRAME信号の送り出しが停止されると、トランザクション状態が最終分のデータ転送あるいはデータ転送の完了であることを表す。イニシエータ準備完了(initiator ready = IRDY)信号およびターゲット機器準備完了(target ready = TRDY)信号は、組み合わせて使用し、イニシエータおよびターゲット機器が準備完了しデータ転送を行えることを指示するために用いられる。読み取り操作を行う時、IRDY信号でイニシエータがデータ受信の準備を完了したことを表し、書き込み操作時には、TRDY信号でターゲット機器がデータ受信の準備を完了したことを表す。停止(stop = STOP)信号は、ターゲット機器がイニシエータに対して現在のデータ・トランザクション行為の停止を要求するように指示するものである。
【0004】
図2において、PCIバスでデータ転送を進行完了した時期をバス・トランザクション(bus transaction)周期20と呼び、その中にアドレス周期(address phase)22と、複数個のデータ周期(data phase)24a,24b,24cが含まれる。また、各データ周期24a,24b,24cがそれぞれ待ち周期(wait cycle)26a,26b,26cならびにデータ転送周期(data transfer cycle)28a,28b,28cに区分される。この2図において、読み取り操作を一例として、PCIシステム操作と前述したPCI規格制御信号の作用とを簡単に説明する。
【0005】
周期T1時に、イニシエータ(マスタ)がREQ信号を送り出して、PCIバスの主導権を要求するが、この時、もしも他により高い優先順位の機器がPCIバスの使用を要求していなければ、周期T2時に、ホストブリッジ(調停器)がGNT信号を送り出して、イニシエータがPCIバスを主導し、周期T3時に、イニシエータがFRAME信号を送り出し、データ・トランザクションの開始を示すとともに、ADバスからスタートアドレス(start address)を送り出して、ターゲット機器を指定すると同時に、CBE線から読み取りコマンドを送り出す。読み取りコマンドを送り出した直ぐ後に、CBE線からバイト・イネーブル(byte enable)信号を送り出すが、このバイト・イネーブル信号をデータ周期24a,24b,24c期間全体を通じて送り出す。周期T4時に、イニシエータがイニシエータ準備完了信号IRDYを送り出して、データ送受信を開始できることを示すが、この時、ターゲット機器が準備完了していなければ、この時期をデータ周期24aの待ち周期26aとして、イニシエータは、ターゲット機器がデータを準備完了するのを待つ。周期T5時に、ターゲット機器が準備完了してターゲット機器準備完了信号TRDYを送り出す。従って、IRDY信号とTRDY信号とがいずれも送り出されたデータ転送周期28aにおいて、イニシエータがターゲット機器からデータを読み取る。ターゲット機器は、周期T6時にTRDY信号の送り出しを終了してデータ転送の終了を表すとともに、第2回分のデータを準備しはじめるが、この時をデータ周期24bの待ち周期26bとする。周期T7時に、TRDY信号を再び送り出して、データが準備完了したことを表すとともに、IRDY信号とTRDY信号とがいずれも送り出されたデータ転送周期28bにおいて、イニシエータがターゲット機器からデータを読み取る。イニシエータのデータ読み取りが間に合わない時には、イニシエータが周期T8時にIRDY信号の送り出しを終了するが、この時、TRDY信号が送り出されているので、待ち周期26cは、イニシエータにより発動される。イニシエータの準備完了を待って、周期T9時にIRDY信号を再び送り出すと、このIRDY信号とTRDY信号とがいずれも送り出されたデータ転送周期28cにおいて、イニシエータがターゲット機器からデータを読み取る。イニシエータが周期T9時にデータ読み取りの必要性がなくなったことを確認した時点で、イニシエータがFRAME信号およびREQ信号の送り出しを終了して、周期T10時に、調停器がGNT信号の送り出しを終了する。これで、1つの読み取り操作が完了する。
【0006】
以上に述べたように、PCI規格においては、PCI規格のデータ・トランザクションを完了させるために、煩雑な制御信号、待ち状態、調停手続等を使用しなければならず、PCIに規定された信号には少なくとも45〜50個の信号ピンが存在している。現在のパーソナルコンピュータ内部は、図1に示したシステムに非常に類似したものであり、ホストブリッジ12がマザーボード内部の制御チップセットのノースブリッジ・チップであり、サウスブリッジ・チップが拡張バス・ブリッジ16bを含んでいて、パーソナルコンピュータ・システム中のサウスブリッジは、主要かつ不可欠なマスタとなっている。そして、パーソナルコンピュータ・システム中の画像アダプターは、PCIバスには接続されておらず、増速画像ポート(accelerated graphic port = AGP)インタフェースを介してノースブリッジ・チップに接続されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般の制御チップセット内部でのチップ間データ・トランザクションは、一般のマルチ用途バスのような複雑な機能プログラムを必要としておらず、例えば、マザーボードのチップセット内部のノース・サウスブリッジのデータ・トランザクションには、完全なPCIバスのような複雑なプログラムを必要としておらず、このような複雑なプログラムは、多種類のアプリケーション環境への適用を確保するためのものであり、ほとんどが多くの機能特性を利用するに至っていない。しかも、高度集積化の流れにともなって、任意の制御チップに更に多くの機能が一体化されるものとなり、例えばCPU(中央処理装置)とノースブリッジ・チップとを1つのチップに合体したり、あるいは制御チップセット自体が1つのチップに合体されたりして、チップ・パッケージのピンが1つの非常に貴重な資源に変えられるので、できるだけピン数を減少させて制御チップのコストを低減させなければならなくなる。従って、制御チップセット内部間のデータ・トランザクション速度を向上させ、しかもチップピンという資源を節減するために、簡略化されているが制御チップ間のデータ・トランザクションに適合している特殊なバス規格が必要なものとなる。例えば、ノース・サウスブリッジ間に簡略化された複数本の信号線ならびに高速なバス規格を設計するとともに、このバス規格をチップ内部処理において可能な限り一般のPCI規格に近いものとして、チップに他のモジュールとの互換性を備えさせ、制御チップをむやみに修正しなくても良いものにしなければならない。
【0008】
また、チップセット間でチップがバス主導権を有する時に初めてデータ転送を行うことができるが、あるチップがバス主導権をずっと独占していると、別なチップが優先順位の高いトランザクションを行う必要がある(オーディオまたはビデオなどのデータを転送する必要がある)時に、バス主導権が得られないために高い優先順位を有するトランザクションが行えないことになっていた。
【0009】
そこで、この発明の目的は、簡略化されたチップセット間において割込み方式により優先順位の高いトランザクションを行うことのできる、制御チップセット間の割込み機能を有するバスの調停方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、所望の目的を達成するために、この発明にかかる制御チップセット間の割込み機能を有するバスの調停方法は、システム立上げ時にある制御チップがチップ間バスの制御権を所有するように設定し、別な制御チップが優先順位の高いデータ・トランザクションを行う時には、割込み要求(preempt request)信号を介してバス制御権を所有しているチップに制御権を渡すように要求できるようにし、制御権を有するチップが割込み要求信号を受け取った時に遅延タイマ(latency timer)を起動させ、遅延タイマが計時を終了するまでにバス制御権を相手に渡すようにすることで、高い優先順序のトランザクションを有するチップが短い時間内にデータ転送を行えるようにして、転送効果を全体として向上させる。
【0011】
上記手段により、この発明にかかる制御チップセット間の割込み機能を有するバスの調停方法は、制御チップセットのデータ・トランザクション機能を向上させるとともに、制御チップセット内部の信号線の種類ならびに数量を簡略化、つまり制御チップセット間バスを簡略化することができる。この発明は、マザーボード内部のノースブリッジおよびサウスブリッジから構成される制御チップセットを一例として、複数個のコマンド信号を定義し直すものであって、ここに高出力メモリリンク(High Through-put Memory Link = HTML)と呼ぶものにより、もともと複雑であるPCIバス信号を簡略化するものであり、元来はノースブリッジおよびサウスブリッジ間の信号線が45本も必要であるが、この発明にかかる実施の形態では15本のコマンド信号線で元のPCIバス信号線に置き換えられるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図3において、この実施の形態にかかる制御チップセットには、ノースブリッジ30と、サウスブリッジ32という2つの制御チップが含まれ、CPU(中央処理装置)34およびメモリ36がノースブリッジ30に接続されている。ノースブリッジ30およびサウスブリッジ32間では、元は45個ある信号ピンを15個に簡略化しており、余ったピンを他の用途に振り替えることで、チップセットの機能を強化することができる。次に、図3と表1とを使って説明する。なお、ISAは、アイサバスである。
【0014】
【表1】
Figure 0004011258
ノースブリッジ30およびサウスブリッジ32間に、元のPCIバス規格によって定められたアドレスバス(AD bus)を残すが、わずか8本の双方向信号線にまで減少させており、その他の例えばCBE,FRAME,IRDY,TRDY,STOP,DEVSEL,REQ,GNTなどの信号線は、双方向バイト・イネーブル信号線BEと、サウスブリッジ32により駆動されるアップリンク・コマンド(up link command)UPCMDおよびアップリンク・ストローブ(up link strobe)UPSTBと、ノースブリッジ30により駆動されるダウンリンク・コマンド(down link command)DNCMDおよびダウンリンク・ストローブ(down link strobe)DNSTBなどの信号線に簡略化されている。ノースブリッジ30およびサウスブリッジ32は、それぞれ1本の独立したコマンド信号線を駆動することにより、この実施の形態が全2重コマンド伝送機能を備えたものとなり、それぞれ随時にバスコマンドを発信することができる。しかも、バスコマンドを発信すると同時に、もしもバス使用権を所有していれば、アドレス・データバスからデータを発信することもできるし、更にアドレス・データバスからアドレスを発信することができるとともに、BE線から現行コマンドの長さ情報を発信することもできる。
【0015】
図4において、データ線SIGNALの伝送データ・ビット時間とバス・クロック信号CLKとストローブ信号線STBとの間のタイミング図を示すと、この図4から分かるように、1つのクロック周期にストローブ信号線STBの2つのクロック信号が含まれる、つまりアップリンク・ストローブ線およびダウンリンク・ストローブ線稼働時の動作周波数がクロック信号線上のクロック周波数の2倍となっている。ストローブ信号STBの上昇および下降エッジを利用して、4つのビット時間0〜3を定義することができ、これら4つのビット時間から合計4ビットのデータを得ることができるとともに、バスコマンドのコーディングを行うことができる。従って、8本のデータ線で各周期ごとに32ビットのデータを得ることができるので、その効果はPCIバスにおいて32本のデータ線でデータ伝送するのと同等である。そして、もしもBE記号線が長さデータを表す時には、1つのクロック周期に1〜16(4ビット)データの長さ情報を得ることができる。
【0016】
アップリンク・コマンドUPCMDおよびダウンリンク・コマンドDNCMDにより各種のデータ・トランザクション形態を定義することができる。サウスブリッジ32により駆動されるアップリンク・コマンドUPCMDには、ノースブリッジからサウスブリッジへの読み取り確認コマンドC2PRA、ノースブリッジからサウスブリッジへの書き込み確認コマンドC2PWA、サウスブリッジからノースブリッジへの読み取りコマンドP2CR、サウスブリッジからノースブリッジへの書き込みコマンドP2CWなどが含まれる。それらとビット時間のコーディングとの関係は、表2(アップリンク・コマンドUPCMD)に示した通りである。
【0017】
【表2】
Figure 0004011258
なお、バス要求信号REQは、ビット時間0で出発し、その他のデータ・トランザクション形態とは重複しないので、任意の時間に、たとえデータ・トランザクション形態コマンドを発信する同一クロック周期であっても、このREQ信号を同時に発信することができる。ノースブリッジ30により駆動されるダウンリンク・コマンドDNCMDには、ノースブリッジからサウスブリッジへの出入力読み取りコマンドC2PIOR、ノースブリッジからサウスブリッジへのメモリ読み取りコマンドC2PMR、ノースブリッジからサウスブリッジへの出入力書き込みコマンドC2PIOW、ノースブリッジからサウスブリッジへのメモリ書き込みコマンドC2PMW、サウスブリッジからノースブリッジへの読み取り確認コマンドP2CRA、サウスブリッジからノースブリッジへの書き込み確認コマンドP2CWAが含まれ、それらとビット時間のコーディングとの関係は、表3(ダウンリンク・コマンドDNCMD)に示した通りである。なお、この実施の形態は、GNT信号の定義とは関係がないものである。
【0018】
【表3】
Figure 0004011258
上記したコマンドのうち、ノースブリッジおよびサウスブリッジから発信されるコマンドは対応したものであり、サウスブリッジが順番に複数個のP2CRおよび/またはP2CWコマンドを発信したら、ノースブリッジはサウスブリッジが発信したコマンドの順番に完全に従って対応するP2CRAおよび/またはP2CWAで応答しなければならない。ノースブリッジが順番に複数個のC2PIOR,C2PMR,C2PIOW,C2PMWコマンドを発信したら、サウスブリッジは順番に対応するC2PRAおよびC2PWAコマンドで応答しなければならない。しかも、この実施の形態においては、各制御チップがコマンドを発信する時、その関連データは必ず事前に準備しておかなければならない。例えば、サウスブリッジがP2CWを発信する時、書き込むべきデータを準備完了しておく必要があるし、ノースブリッジがP2CRAを発信する時、送り返すべきデータを準備完了しておく必要があるのであって、データ転送の途中でデータストップによる中断を回避するとともに、その他に発信すべきコマンドがない時には、制御チップがNOPコマンドを発信する。
【0019】
この発明にかかる任意の制御チップがバスオーナーである時の割込み調停方法は、その動作環境として以下を必要とするものであって、制御チップセットが、第1制御チップ(例えばノースブリッジチップ)および第2制御チップ(例えばサウスブリッジチップ)を備え、これら第1制御チップおよび第2制御チップ間をチップ間バス(例えばHTML)を介して相互にデータ転送する時、待ち周期を必要としないものである。もちろん、このチップ間バスは、図3に示した、この発明にかかる実施の形態におけるマザーボードのノース・サウスブリッジチップセットのように、共用双方向バスを含むものでなければならないし、そうでないなら調停の必要性などない。
【0020】
先ず、第2制御チップが、第1制御チップが所有する所定のクロック数のバスコマンドおよびその使用している共用双方向バスのクロック数を認知していなければならない。第2制御チップが第1コマンド(例えば読み取りコマンド)を発信して第1制御チップに与える時、第2制御チップは、第1制御チップが伝送する対応の第1コマンドの確認コマンドおよびデータに必要なクロック数を記録しなければならず、第1制御チップ応答確認コマンドならびにデータが必要とするクロック数は、第1コマンド中の情報によって決まる。例えば、サウスブリッジがP2CRコマンドを発信してノースブリッジに与える時、読み取りデータの長さ情報が含まれており、また、HTMLのデータ転送時に待ち周期がないため、サウスブリッジは、ノースブリッジが伝送する対応のP2CRAコマンドおよびデータが必要とするクロック数を認知することができる。次の表4(任意の制御チップがバスオーナーである時の割込み調停方法)に、その組み合わせを示すが、表中、Nが第1制御チップ(例えばノースブリッジチップ)を表し、Sが第2制御チップ(例えばサウスブリッジチップ)を表し、DNREQが第1制御チップの発信する第1バス要求信号を表し、UPREQが第2制御チップの発信する第2バス要求信号を表し、S割込み可能が、第1制御チップがバス制御権を所有し、かつ第2制御チップが高い優先順位を有するトランザクションのデータを有していて割込み要求信号を出していることを表し、N割込み可能が、第2制御チップがバス制御権を所有し、かつ第1制御チップが高い優先順位を有するトランザクションのデータを有していて割込み要求信号を出していることを表している。
【0021】
【表4】
Figure 0004011258
システム立上げ時に、第1制御チップがバス制御権を所有しており、もしも第1制御チップまたは第2制御チップがいずれもバス要求信号を出していない時、第1制御チップが引き続きバス制御権を所有する。
【0022】
第1制御チップがバス制御権を所有し、第1制御チップが第1バス要求信号を出しておらず、第2制御チップが第2バス要求信号UPREQを出している時、第2制御チップが次のバス制御権の所有者となる。
【0023】
第1制御チップがバス制御権を所有し、第1制御チップが第1バス要求信号DNREQを出しており、第2制御チップが第2バス要求信号を出していない時、第1制御チップが引き続きバス制御権の所有者となる。
【0024】
第1制御チップがバス制御権を所有し、第1制御チップが第1バス要求信号DNREQを出しており、第2制御チップも第2バス要求信号UPREQを出している時、第1制御チップが引き続き次のバス制御権の所有者となるが、第2制御チップはアップリンク・コマンド信号線から割込み要求信号を送り出し、遅延タイマ(latency timer)が計時を終了するまでに、バス制御権を得るように要求して、優先順位の高いトランザクションを実行完了する。
【0025】
第2制御チップがバス制御権を所有し、第2制御チップまたは第1制御チップがいずれもバス要求信号を出していない時、第2制御チップが引き続きバス制御権を所有する。
【0026】
第2制御チップがバス制御権を所有しており、もしも第2制御チップが第2バス要求信号を出しておらず、第1制御チップが第1バス要求信号DNREQを出している時、第1制御チップが次のバス制御権を所有する。
【0027】
第2制御チップがバス制御権を所有し、第2制御チップが第2バス要求信号UPREQを出し、第1制御チップが第1バス要求信号を出していない時、第2制御チップが引き続き次のバス制御権を所有する。
【0028】
第2制御チップがバス制御権を所有し、第2制御チップが第2バス要求信号UPREQを出し、第1制御チップも第1バス要求信号DNREQを出している時、第2制御チップが引き続き次のバス制御権を所有するが、第1制御チップは、ダウンリンク・コマンド線から割込み要求信号を送り出し、遅延タイマ(latency timer)が計時を終了するまでに、バス制御権を得るように要求して、優先順位の高いトランザクションを実行完了する。
【0029】
第2制御チップが第2バス要求信号UPREQを出した後、バスが第1制御チップにより使用されているか否かを検査して、第2制御チップが、第1制御チップがチップ間バスを使用していることを検出しない時、第2制御チップは所定周期を待つとともに、引き続きチップ間バスを検査してから、このチップ間バスを駆動する。このように、所定周期待つことの目的は、信号がチップ間バス中の伝送において伝送遅れの可能性があるためであり、第1制御チップのコマンドが送り出されているのに、第2制御チップが、第1制御チップがチップ間バスを使用していないと誤認することを防止するためである。また、2つの制御チップが同時にチップ間バスを駆動することを防止するために、バス制御権の転換に少なくとも1クロック周期の転換周期(turn-around cycle)を必要とするように構成している。
【0030】
第2制御チップが、第1制御チップがチップ間バスを使用していることを検出した時、第1制御チップがバス使用権を明渡すまで待たなければならない。第2制御チップが、もしも長く待ちすぎる、あるいは高い優先順位のトランザクション・データを送り出したければ、アップリンク・コマンドUPCMD信号線から割込み要求信号を発信して第1制御チップがバス使用権を強制的に明渡すようにすることができる。
【0031】
以下、好適な実施の形態にかかる動作タイミング図を説明する。
【0032】
図5において、HCLKはHTMLのクロック信号、DNREQ#は第1制御チップの第1バス要求信号、#は低電位動作(以下、同じ)、UPREQ#は第2制御チップの第2バス要求信号、NOE#は第1制御チップの出力エネーブル信号、SOE#は第2制御チップの出力エネーブル信号、ADは第1制御チップおよび第2制御チップ間の共用双方向バス信号をそれぞれ表している。周期T1,T2時に、DNREQ#およびUPREQ#がディスイネーブル(高電位)であるので、第1制御チップがバス制御権を所有している(システム初期設定値)。トランザクション(transaction)を周期T4時に開始するため、DNREQ#は周期T3時にエネーブル(低電位)に変わらなければならない。周期T5時にUPREQ#がエネーブルに変わるが、周期T11までDNREQ#がエネーブルを維持しているので、第2制御チップがバスオーナーになることはできない。第1制御チップは、周期T11時にバスを必要としなくなるので、周期T10時にDNREQ#がディスイネーブル(高電位)に変わる。DNREQ#は周期T9時までエネーブルを維持し、かつDNREQ#が周期T10時にディスイネーブルに変わるので、周期T11時にNOE#がディスイネーブルに変わり、周期T11の転換周期が経過してから、第2制御チップが周期T12時にデータをバスへ駆動する。周期T13時に、第2制御チップはバスを必要としていないので、T12時にUPREQ#がディスイネーブルに変わる。但し、DNREQ#が周期T11,T12時にディスイネーブルを維持しているので、第2制御チップが引き続きバスオーナーであり、周期T15時にトランザクションを開始する。周期T16時にUPREQ#がディスイネーブルに変わり、周期T15時にDNREQ#がエネーブルに変わるので、周期T17時に、第2制御チップはバス制御権を失い、周期T18時に第1制御チップが再びバスオーナーとなる。
【0033】
図6において、周期T16時にDNREQ#がディスイネーブルに変わり周期T17時にエネーブルに変わるほかは図5に類似したものであって、その結果をダミー要求(dummy request)とする。第1制御チップが相変わらずバスオーナー(bus owner)であり、周期T18時にトランザクションを開始する。第1制御チップが周期T16時に既にDNREQ#をディスイネーブルに変え、しかもバスレシーバが周期T15時に既にUPREQ#をエネーブルに変えているけれども、バスレシーバ(bus receiver)となった第2制御チップは、周期T18時にバスオーナーとなることができない。従って、制御チップがバスオーナーからバスレシーバに変わった後では、転換周期後の2周期以内には再びバスオーナーとなることができない。
【0034】
図7において、図5中の第1制御チップは周期T7時にトランザクションを行う必要がないので、周期T6時にDNREQ#をディスイネーブルに変えることができ、図7ではバスが周期T7時に転換周期となるようにする。第1制御チップは周期T7時にバス制御権を失って、第2制御チップが周期T8時にバス制御権を得る。このような状況は、バスオーナーが次の周期にバスを使用するつもりがない時に要求信号をディスイネーブルに変えるか否かによって決まる。図5中の第2制御チップは周期T5時にバスを使用しようとしたが、第1制御チップがDNREQ#をディスイネーブルに変えなかったので、第2制御チップはトランザクションを開始することができなかった。このような状況において、第2制御チップがアップリンク・コマンド線UPCMDにより割込みコマンドを駆動して第1制御チップに優先順位の高いトランザクションを実行する必要があることを通告する。図7中、第1制御チップが周期T7時にバスを使用したいが、第2制御チップがUPREQ#をディスネーブルに変えていないので、第1制御チップはトランザクションを開始することができない。このような状況において、第1制御チップがダウンリンク・コマンド線DNCMDにより割込みコマンドを駆動して第2制御チップに優先順位の高いトランザクションを実行する必要があることを通告し、第2制御チップがこのコマンドを受け取った後に、遅延タイマ(latency timer)を起動させ、遅延タイマが計時を終了するまでに第2制御チップがバス制御権を手放さなければならないものとする。このような構成により、第1制御チップが一定時間内にバス制御権を得て優先順位の高いトランザクションを行えることを保証することができる。
【0035】
以上のごとく、この発明を好適な実施の形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【0036】
【発明の効果】
上記構成により、この発明にかかる制御チップセット間の割込み機能を有するバスの調停方法は、制御チップセットのデータ・トランザクション機能を向上させるとともに、制御チップセット内部の信号線の種類ならびに数量を簡略化、つまり制御チップセット間バスを簡略化することができる。例えば、元来はノースブリッジおよびサウスブリッジ間の信号線が45本も必要であるものを、この実施の形態では15本のコマンド信号線で元のPCIバス信号線に置き換えられるものである。従って、産業上の利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のコンピュータに使用されているPCIバスシステムの構成図である。
【図2】PCIシステムのマスタが読み取り操作を行う時のタイミング図である。
【図3】この発明にかかる制御チップセットの実施の形態を示す機能ブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態にかかるビット時間とバスクロック信号とストローブ信号との間のタイミング図である。
【図5】この発明の制御チップセット間でのバス使用要求を示すタイミング図である。
【図6】この発明の制御チップセット間でのバス使用要求を示すタイミング図である。
【図7】この発明の制御チップセット間でアップリンクコマンド線とダウンリンクコマンド線とにより割込み要求信号を実行する際のタイミング図である。
【符号の説明】
30 ノースブリッジ(第1制御チップ)
32 サウスブリッジ(第2制御チップ)
34 CPU(中央処理装置)
36 メモリ

Claims (4)

  1. 制御チップセット間バスの調停方法であって、コンピュータシステムに用いられ、前記制御チップセットが、第1制御チップおよび第2制御チップを備え、前記第1制御チップおよび第2制御チップ間のバスが相互にデータを転送する時に、優先順位の高いトランザクションを要求する前記第1制御チップまたは第2制御チップから割込み要求信号を出すことにより、前記第1制御チップまたは第2制御チップのいずれかが実行している優先順位の高いトランザクションを完了させるものであるとともに、前記制御チップセット間バスが共用双方向バスを有するものにおいて、
    前記調停方法が、前記第2制御チップが前記制御チップセット間バスを使用する必要がある時に前記第2制御チップから第2バス要求信号を発信するステップと、
    前記第1制御チップが、前記第2バス要求信号を検出した時に、前記第1制御チップの第1バス要求信号がディスイネーブルである場合には、前記第2制御チップが次のバスオーナーとなり、もしも前記第1制御チップの第1バス要求信号がイネーブルである場合には、前記第1制御チップが引き続きバスオーナーとなるが、もしも前記第2制御チップの第2バス要求信号の優先順位が高い場合には、前記第2制御チップが前記割込み要求信号を発信することができるステップと、
    前記第1制御チップが、前記第2制御チップの前記割込み要求信号を検出した時に、遅延タイマを起動させ、前記遅延タイマの計時が終了するまでに、前記第2制御チップが次のバスオーナーとなるステップと
    を具備し
    前記制御チップ間バスが、アドレスデータを伝送するためのアドレス・データバスと、長さデータおよびバイト・イネーブル信号を伝送するための長さ/バイト・イネーブル信号線と、前記第2制御チップにより駆動されるアップリンク・コマンド信号の伝送のためのアップリンク・コマンド信号線と、前記第1制御チップにより駆動されるダウンリンク・コマンド信号の伝送のためのダウンリンク・コマンド信号線と、前記第2制御チップにより駆動されるアップリンク・ストローブ信号の伝送のためのアップリンク・ストローブ信号線と、前記第1制御チップにより駆動されるダウンリンク・ストローブ信号の伝送のためのダウンリンク・ストローブ信号線と、クロック信号を伝送するためのクロック信号線とを備えるとともに、前記共用双方向バスが、前記アドレス・データバスと前記長さ/バイト・イネーブル信号線とを有するものである
    制御チップセット間の割込み機能を有するバスの調停方法。
  2. バスレシーバは、前記バスオーナーが2クロック周期前に前記バス要求信号をディスイネーブルとし、しかも前記バスレシーバが3クロック周期前に前記バス要求信号をイネーブルとした時にだけ前記共用双方向バスを駆動させることができるものである請求項1記載の制御チップセット間の割込み機能を有するバスの調停方法。
  3. 前記バスレシーバが、前記バスオーナーに変換される時、バス制御権の転換のために1転換周期の時間待ちをして初めて前記共用双方向バスを駆動させることができるものである請求項2記載の制御チップセット間の割込み機能を有するバスの調停方法。
  4. 前記バスオーナーは、前記バス要求信号の1クロック周期前と前記バスレシーバの前記バス要求信号の2クロック周期前とを比較してから、次の1クロック周期にバス使用権を継続して所有するか否かを決定するものである請求項1記載の制御チップセット間の割込み機能を有するバスの調停方法。
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