JP4010582B2 - 往復式圧縮機油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、往復式空気圧縮機油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮機はガスを圧縮し、その圧力を高めることを目的とした機械であり、圧縮するガスとしては、空気,炭酸ガス,窒素,水素,各種炭化水素ガスなどが使用される。圧縮機は、ガスの圧力を高める作動原理により、容積型及びターボ型に分類され、さらに容積型圧縮機は往復式圧縮機と回転式圧縮機に分類される。この往復式圧縮機においては、ピストンの往復動によって圧縮ガス内に混入した潤滑油がガスの圧縮時に発生する熱によりカーボンとなって弁の周囲に付着し、弁の作動不良を引き起こしたり、付着カーボンの蓄熱による発火がしばしば発生する。それゆえ往復式圧縮機油としては、カーボンを生成しないということが最も重要な性能として要求される。しかしながら、現在市販されている往復式圧縮機油は、カーボンの付着,生成が抑制されているとはいえその性能はまだ不十分なため、使用するにしたがって圧縮機の吐出弁などにカーボンが徐々に付着し、ある程度の連続運転で装置を開放し、付着したカーボンを除去しなければならない。この装置の開放期間を延長できることは装置のメインテナンスコストの削減のみならず、付着したカーボンの蓄熱現象による発火を防止できるなどの大きなメリットがあるため、往復式圧縮機油として、よりカーボンが生成,付着しないものの開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、優れたカーボン生成,付着抑制効果を有する往復式空気圧縮機油組成物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の沸点範囲を有する鉱油を基油として使用することにより、また、その基油に、特定の酸化安定剤を配合することにより、優れたカーボン生成,抑制効果を有する往復式空気圧縮機油組成物が得られることを見出し本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)パラフィン系鉱油とナフテン系鉱油とを混合した鉱油であって、該混合鉱油の蒸留における95容量%留出温度(常圧換算値:T95)と2容量%留出温度(常圧換算値:T2)の差ΔT(T95−T2)が130℃以下であり、かつ40℃における動粘度が10〜200mm2/sである鉱油を基油として使用することを特徴とする往復式空気圧縮機油組成物。
(2)(1)に記載の基油に、組成物全量基準で0.01〜5重量%のアミン系酸化防止剤を配合してなる(1)記載の往復式空気圧縮機油組成物。
(3)(1)に記載の基油に、組成物全量基準で0.01〜5重量%のアミン系酸化防止剤及び0.01〜5重量%の硫黄含有酸化防止剤を配合してなる(1)記載の往復式空気圧縮機油組成物。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
請求項1の発明の基油は、蒸留における95容量%留出温度と2容量%留出温度の差が130℃以下である鉱油である。潤滑油留分は、一般には、JIS−K−2254に準拠して常圧蒸留もしくは減圧蒸留操作を行うことによって得られるが、95容量%留出温度,2容量%留出温度ともに、減圧蒸留の場合は常圧換算値であり、それぞれT95,T2で表し、その差をΔTで表すものとする。ΔTが130℃を超えると、付着カーボン量が多く好ましくない。ΔTは、115℃以下が好ましい。鉱油の種類としては、例えば、パラフィン基系原油、中間基系原油、ナフテン基系原油を常圧蒸留または減圧蒸留して得られる潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などの常法にしたがって精製した精製油などが使用でき、これらのうち、パラフィン系鉱油とナフテン系鉱油を組み合わせて使用する。また、その40℃における動粘度は10〜200mm2/sで、好ましくは40〜120mm2/sである。動粘度が10mm2/s未満では、ピストンやピストンリング摺動部における油膜が薄くなりすぎ、異常摩耗,焼付に至り好ましくない。200mm2/sを超えると、低温時の粘性抵抗が大となり、トルク増大により起動不能となり好ましくない。
【0007】
請求項2の発明は、上記請求項1に記載の基油にアミン系酸化防止剤を配合して得られた往復式圧縮機油組成物である。
アミン系酸化防止剤としては、例えばモノオクチルジフェニルアミン;モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系、4,4’−ジブチルジフェニルアミン;4,4’−ジペンチルジフェニルアミン;4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン;4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン;4,4’−ジオクチルジフェニルアミン;4,4’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系、テトラブチルジフェニルアミン;テトラヘキシルジフェニルアミン;テトラオクチルジフェニルアミン;テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系、及びナフチルアミン系のもの、具体的にはα−ナフチルアミン;フェニル−α−ナフチルアミン;さらにはブチルフェニル−α−ナフチルアミン;ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン;オクチルフェニル−α−ナフチルアミン;ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのアルキル置換フェニル−α−ナフチルアミンなどを挙げることができる。上記アミン系酸化防止剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、組成物全量基準で0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。0.01重量%未満では、付着カーボン量が多く、5重量%を超えても、配合量に相当する効果の向上はみられない。
【0008】
請求項3の発明は、前記請求項1に記載の基油にアミン系酸化防止剤及び硫黄含有酸化防止剤を配合して得られた往復式圧縮機油組成物である。
アミン系酸化防止剤の種類と配合量は上記請求項2の記載と同様である。
硫黄含有酸化防止剤としては、硫黄を含有していて過酸化物分解能を有する酸化防止剤はいかなるものでもよく、例えばジラウリルチオジプロピオネート,ジステアリルチオジプロピオネートなどのジアルキルチオジプロピオネート,ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛(Zn−DTC),ジアルキルジチオりん酸亜鉛(Zn−DTP),ジチオりん酸のアルキルトリエステル,ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)サルファイド,メルカプトベンゾチアゾール,五硫化リンとオレフィンの反応生成物、硫化ジセチル、などを挙げることができ、なかでもZn−DTP,Zn−DTCが好ましい。
【0009】
上記硫黄含有酸化防止剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、組成物全量基準で0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%の範囲である。0.01重量%未満では、付着カーボン量が多く、5重量%を超えても、配合量に相当する効果の向上はみられない。
請求項1〜3の発明の往復式圧縮機油組成物に、更に必要に応じて公知の添加剤を使用することができる。この添加剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール,チアジアゾールなどの金属不活性化剤、石油スルホネート,ジノニルナフタレンスルホネートなどの防錆剤、シリコーン油などの消泡剤、ポリメタクリレート,ポリイソブチレンなどの流動点降下剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体などの抗乳化剤、金属フェネート,金属サリシレートなどの金属系清浄剤、コハク酸イミド,コハク酸エステルなどの無灰分散剤などを挙げることができ、これらは単独または二種以上を組み合わせて使用できる。
【0010】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限されるものではない。
実施例1〜5及び比較例1〜3
パラフィン系鉱油とナフテン系鉱油を6〜7:4〜3(重量比)の割合で混合して減圧蒸留し、所定の基油を調製した。その物性を第1表に示す。次に、所定の添加剤を所定の割合で配合して潤滑油組成物を調製した。次に、これら潤滑油組成物について下記に示すようにカーボン生成、付着試験を行った。結果を第2表に示す。
〔カーボン生成、付着試験〕
市販の往復式空気圧縮機(単段式V型2気筒,出力3.7kw)に、新品のピストン,ピストンリング,バルブプレートの各重量を測定した後組み込み、潤滑油組成物を充填した後、吐出圧が0.98MPaになるように調整して連続運転を開始した。途中、500,1000時間経過時にオイル消費した分の潤滑油を補給した。2000時間運転後に各気筒からバルブプレートを取り外して重量を測定し、試験前重量との差を求め、付着カーボン量(mg)とした。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】
(注)
*1:モノオクチルジフェニルアミン
*2:Zn−DTP
*3:Baスルホネート
*4:シリコーン油
【0015】
【表4】
【0016】
(注)*1〜4は第2表−1に同じ
第2表から明らかなように、実施例はΔTが130℃以下であり、吐出弁付着カーボンが少ないことがわかる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の往復式圧縮機油組成物は、優れたカーボン生成,付着抑制効果を有し、特に往復式空気圧縮機用として好適に使用される。
Claims (3)
- パラフィン系鉱油とナフテン系鉱油とを混合した鉱油であって、該混合鉱油の蒸留における95容量%留出温度(常圧換算値:T95)と2容量%留出温度(常圧換算値:T2)の差ΔT(T95−T2)が130℃以下であり、かつ40℃における動粘度が10〜200mm2/sである鉱油を基油として使用することを特徴とする往復式空気圧縮機油組成物。
- 請求項1に記載の基油に、組成物全量基準で0.01〜5重量%のアミン系酸化防止剤を配合してなる請求項1記載の往復式空気圧縮機油組成物。
- 請求項1に記載の基油に、組成物全量基準で0.01〜5重量%のアミン系酸化防止剤及び0.01〜5重量%の硫黄含有酸化防止剤を配合してなる請求項1記載の往復式空気圧縮機油組成物。
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1996
- 1996-09-03 JP JP23300396A patent/JP4010582B2/ja not_active Expired - Lifetime
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