JP4009759B2 - 画像処理装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置及びその製造方法に関し、特に、画像読取装置や画像表示装置の画素アレイの駆動制御に適用して良好なドライバ回路を有する画像処理装置、及び、その製造方法に関する。
近年、個人認証を必須とする電子決済やクレジット等のサービスの提供や、セキュリティ意識の高まり等により、指紋をはじめとする人間固有の生体データを用いて、個人を特定する個人認証技術(バイオメトリックテクノロジー)の発展が著しい。例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話等における使用者の識別、研究機関への入退室管理等の分野においては、すでに指紋や眼球の虹彩を用いた個人認証技術が実用化されている。
また、一方で、近年、パーソナルコンピュータやテレビジョン等の映像機器のモニタ、ディスプレイとして、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示装置等が多用され、さらには、次世代の表示デバイスである有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略記する)や発光ダイオード等の自己発光素子を適用したディスプレイの、本格的な実用化、普及に向けた研究開発が盛んに行われている。
上述したような個人認証技術(指紋認証技術)に適用される画像読取装置や、液晶表示装置や有機ELディスプレイ等の画像表示装置は、一般に、ガラス基板等の絶縁性の基板上に、フォトセンサ等の読取画素や液晶や有機EL等からなる表示画素を、複数個、二次元配列した画素アレイを備えた構成を有している。
以下、各構成について、簡単に説明する。
図22は、従来技術における画像読取装置(指紋読取装置)の一例を示す概略構成図である。
従来技術における画像読取装置は、例えば、図22(a)に示すように、読取画素(フォトセンサ等)RDをマトリクス状に配列した画素アレイ110Pを備え、読取画素RDにおけるリセット動作や画像読取動作の際に、各行の読取画素RDを順次駆動状態にするための走査ドライバ120P、130Pや、各読取画素RDにより読み取られた電気信号を読み出すためのデータドライバ140P等が、画素アレイ110Pの周辺領域に設けられた構成を有している。なお、図22(a)においては、走査ドライバとして、画素アレイ110Pを挟んで対向する領域に一対設けられた構成を示したが、いずれか一方のみに走査ドライバが設けられているものであってもよい。また、走査ドライバを一対備えた画像読取装置については、詳しく後述する。
ここで、上述した走査ドライバ120P、130Pやデータドライバ140Pは、各々単体のドライバチップ(ICチップ)の形状で提供され、例えば、図22(b)に示すように、略中央部に画素アレイ110Pが形成されたガラス基板等の絶縁性の基板SUB上の周辺領域に実装され、例えば、画素アレイ110Pと図示を省略したハンダやボンディングワイヤを介して電気的に接続されるように構成されている。なお、図22(b)において、111Pは、画素アレイ110Pとドライバチップ(走査ドライバ120P、130P、データドライバ140P)とを接続するために画素アレイ110Pから延在して形成された配線層であり、CASは、少なくとも、ドライバチップ(ここでは、走査ドライバ120P、130P)等の周辺回路を保護するとともに、画素アレイ110Pの所定の領域を撮像エリアARPとして露出させるための保護ケースである。
このような画像読取装置におけるドライバチップの実装構造については、例えば、特許文献1等に詳しく記載されている。
図23は、従来技術における画像表示装置(液晶表示装置)の一例を示す概略構成図である。
従来技術における画像表示装置は、例えば、図23(a)に示すように、表示画素(液晶画素等)EMをマトリクス状に配列した画素アレイ210Pを備え、表示画素EMにおける画像表示動作の際に、各行の表示画素EMを順次選択状態にするための走査ドライバ220Pや、各表示画素EMに表示する表示データの階調信号を生成、出力するためのデータドライバ230P、走査ドライバ220Pやデータドライバ230Pにおける動作状態を制御して画素アレイ210Pに所望の画像情報を表示させるためのシステムコントローラ240P等が、画素アレイ210Pの周辺領域に設けられた構成を有している。
ここで、画像表示装置においても、上述した画像読取装置と同様に、走査ドライバ220Pやデータドライバ230Pは、各々単体のドライバチップ(ICチップ)の形状で提供され、例えば、図23(b)、(c)に示すように、略中央部に画素アレイ210Pが形成された絶縁性の主基板SUB1上の周辺領域や背面側に実装され、例えば、画素アレイ210Pとハンダやフレキシブルプリント基板FPC等を介して電気的に接続されるように構成されている。なお、図23(b)、(c)において、SUB2は、画素アレイ210Pを構成する対向基板であり、211Pは、画素アレイ210Pとドライバチップ(走査ドライバ220P、データドライバ230P)とを接続するために画素アレイ210Pから延在して形成された配線層であり、FPCは、配線層211Pに電気的に接続され、ドライバチップを搭載するためのフレキシブルプリント基板である。
このような画像表示装置におけるドライバチップの実装構造については、例えば、特許文献2等に詳しく記載されている。
特開平8−8414号公報 (第2頁、図3) 特開2003−149665号公報 (第5頁、図3、図5)
しかしながら、上述したような画像読取装置や画像表示装置においては、以下に示すような課題を有していた。
すなわち、図22に示したような画像読取装置を指紋読取装置として適用した場合、画素アレイ110Pの撮像エリアARPに被写体である指が直接載置されることになるが、このとき、図24に示すように、指の載置面(画素アレイ110Pの上面)よりもドライバチップ(ここでは、走査ドライバ120P、130P)の上端部や、該ドライバチップを保護するための保護ケースCASが突出することになるため、図中、POT1、POT2に示すように、ドライバチップ又は保護ケースCASに指FGが当接してしまい、画素アレイ110Pの撮像エリアARPに指FGを良好に密着させて載置することができなくなるという問題を有している。そのため、適切な指紋読取動作が実行されず、指紋認証処理の誤動作等の不具合が生じる可能性があった。
そこで、このようなドライバチップの突出による不具合を回避するために、画素アレイとドライバチップ(走査ドライバ120P、130P、データドライバ140P)とを充分離間させて実装した構成を適用することが考えられるが、この場合には、画像読取装置(指紋読取装置)の大型化を招くことになり、携帯機器等への搭載が困難になるという問題を有している。
このような課題は、画像表示装置においても同様であって、図23に示したような画像表示装置において、画素アレイ210Pの周辺領域にドライバチップを配置した場合には、いわゆる額縁部分FLMの幅が大きくなり、また、このような額縁部分FLMの拡大を抑制するために、基板SUBの背面側にドライバチップを配置した場合には、画像表示装置の厚みが増すことになり、携帯機器等への搭載が困難になるという問題を有している。
また、上述したような画像読取装置や画像表示装置においては、画素アレイ110P、210Pが形成される基板SUB上に別個に用意されたドライバチップを搭載する実装構造が適用されるので、部品点数や製造プロセスの増加や複雑化を招くうえ、画像読取装置や画像表示装置の機能検査の精度や信頼性を向上させるために、基板SUB上にドライバチップ等が搭載された状態(画素アレイ110P、210Pとドライバチップが電気的に接続された略完成品の状態)で機能検査を実行する必要があり、このような略完成品の状態で機能不良が発見された場合には、基板SUB上に形成した画素アレイ110P、210Pやドライバチップ類の全てを不良品と判断して廃棄しなければならず、製品の歩留まりが低下するとともに製品コストの高騰を招くという問題も有していた。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、画像読取装置や画像表示装置の大型化を抑制して小型で、装置最上面の平坦化を図ることができるとともに、部品点数や製造プロセスを削減して、低コストで信頼性の高い画像読取装置や画像表示装置を実現することができるドライバ回路を有する画像処理装置、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、画素アレイに2次元配列された複数の画素の各々を、所望の駆動状態で動作させるドライバ回路を有する画像処理装置において、少なくとも、前記ドライバ回路は、ポリシリコンからなる第1の半導体層を用いたポリシリコン薄膜トランジスタ、及び、アモルファスシリコンからなる第2の半導体層を用いたアモルファスシリコン薄膜トランジスタを含む複数の薄膜トランジスタを有して構成され、前記薄膜トランジスタとして前記ポリシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成される回路部分と前記薄膜トランジスタとして前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成される回路部分とを有して単一の絶縁性の基板上に前記画素と一体的に形成され、前記ドライバ回路における前記第2の半導体層は、前記基板を基準にして、前記第1の半導体層よりも上層側に設けられていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記ドライバ回路を構成する、前記ポリシリコン薄膜トランジスタ、及び、前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタは、各々複数の導電層を有し、前記ポリシリコン薄膜トランジスタの少なくとも1つの導電層は、前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタの何れか1つの導電層と共通の電極形成層に設けられていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記複数の画素の各々は、前記第2の半導体層を用いた薄膜トランジスタ構造を有していることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1又は記載の画像処理装置において、前記画素アレイと前記ドライバ回路との間に配線接続領域を有し、前記画素と前記ドライバ回路とを接続する層間配線のうち、特定の層間配線を共用した構成を有していることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の画像処理装置において、前記ドライバ回路は、少なくとも、前記画素に所定の信号レベルを有する駆動制御信号を生成して出力する出力回路部を備え、前記出力回路部は、前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタを含んで構成されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の画像処理装置路において、前記出力回路部は、前記薄膜トランジスタとして前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成され、前記駆動制御信号を前記画素に印加するための信号線に直接接続される回路部分を有することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の画像処理装置において、前記画素は、前記駆動制御信号に基づいて、所定の輝度階調を表示する表示画素であることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項に記載の画像処理装置において、前記出力回路部は、少なくとも、第1の電圧振幅を有する第1の入力信号、及び、前記第1の入力信号の反転信号となる第2の入力信号が個別に入力され、前記第1の入力信号の反転信号となる第3の入力信号を生成する入力段のインバータ回路と、前記第1の入力信号に基づく信号電圧、及び、前記第3の入力信号が個別に入力され、前記第1の電圧振幅よりも大きい第2の電圧振幅を有する出力信号を生成する出力段のインバータ回路と、前記第1の入力信号及び前記出力信号の電位差を電圧成分として保持し、前記出力段のインバータ回路に入力される前記信号電圧を昇圧するブートストラップ回路部と、を有し、前記入力段及び前記出力段のインバータ回路、並びに、前記ブートストラップ回路部は、前記薄膜トランジスタとして、単一のチャネル極性を有する前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の画像処理装置において、前記複数の画素の各々は、前記第2の半導体層により構成されるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、を備えたダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有するフォトセンサであることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項記載の画像処理装置において、前記ドライバ回路は、前記画素の前記第1のゲート電極に、前記第1のゲート電極に印加して前記フォトセンサを初期化するリセットパルスを出力する第1の走査駆動手段と、前記画素の前記第2のゲート電極に、電荷蓄積期間に前記チャネル領域に入射した光の量に応じて蓄積された電荷の量に対応する電圧信号を出力する読み出しパルスを出力する第2の走査駆動手段と、を備え、前記第1の走査駆動手段は、前記出力回路部のうち、少なくとも前記第1のゲート電極に直接接続される回路部分が、前記薄膜トランジスタとして前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成されるとともに、前記出力回路部以外が、前記薄膜トランジスタとして前記ポリシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成され、前記第2の走査駆動手段は、前記薄膜トランジスタとして前記ポリシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成されていることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、複数の画素が2次元配列された画素アレイとともに、単一の絶縁性の基板上に設けられ、前記複数の画素の各々を、所望の駆動状態で動作させるドライバ回路を有する画像処理装置の製造方法において、前記ドライバ回路は、ポリシリコンからなる第1の半導体層を用いたポリシリコン薄膜トランジスタ及びアモルファスシリコンからなる第2の半導体層を用いたアモルファスシリコン薄膜トランジスタ含んで構成され、前記複数の画素の各々は、前記第2の半導体層を用いた薄膜トランジスタ構造を有して構成され、少なくとも、前記基板上に、ポリシリコンからなる第1の半導体層を形成する工程と、前記第1の半導体層を用いて、前記ドライバ回路に適用される前記ポリシリコン薄膜トランジスタを形成する工程と、前記第1の半導体層よりも上層側に、アモルファスシリコンからなる第2の半導体層を形成する工程と、前記第2の半導体層を用いて、前記ドライバ回路に適用される前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタ、及び、前記画素に適用される薄膜トランジスタ構造を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の画像処理装置の製造方法において、前記第1の半導体層を形成する工程は、第1の温度条件の下で施され、前記第2の半導体層を形成する工程は、最高温度が前記第1の温度条件よりも低い第2の温度条件の下で施されることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項11記載の画像処理装置の製造方法において、前記ドライバ回路に適用される前記ポリシリコン薄膜トランジスタを形成する工程、及び、前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタを形成する工程は、各々、複数の導電層を形成する工程を含み、前記複数の導電層を形成する工程は、前記ポリシリコン薄膜トランジスタの少なくとも何れか1つの導電層と、前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタの少なくとも何れか1つの導電層とを、共通の電極形成層として同時に形成する工程を含むことを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の画像処理装置の製造方法において、前記複数の画素の各々は、前記第2の半導体層により構成されるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、前記第2の半導体層の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、を備えたダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有し、前記導電層を共通の電極形成層として同時に形成する工程は、さらに、前記第2のゲート電極を、前記ポリシリコン薄膜トランジスタのゲート電極と、共通の電極形成層に同時に形成する工程を含むことを特徴とする。
すなわち、本発明に係る画像処理装置及びその製造方法は、画像読取装置や画像表示装置等のように、画素アレイに2次元配列された複数の読取画素や表示画素の各々を、所望の駆動状態で動作(画像読取動作、画像表示動作)させるためのドライバ回路を有する画像処理装置において、少なくとも、ドライバ回路の出力回路部がアモルファスシリコンからなる半導体層(第2の半導体層)を用いた薄膜トランジスタ(アモルファスシリコン薄膜トランジスタ)のみを有して構成されるとともに、該出力回路部以外の他の回路部がポリシリコンからなる半導体層(第1の半導体層)を用いた薄膜トランジスタ(ポリシリコン薄膜トランジスタ)を有して構成されて、ガラス基板等の単一の絶縁性基板上に画素と一体的に形成される構成を有している。
ここで、ドライバ回路を構成する上記アモルファスシリコンからなる半導体層は、ポリシリコンからなる半導体層よりも上層側に設けられた構成を有している。
また、上記画素は、アモルファスシリコンからなる半導体層を用いた薄膜トランジスタ構造を有し、例えば、読取画素として、アモルファスシリコンからなる半導体層の上方に第1のゲート電極(トップゲート電極)が、また、同下方に第2のゲート電極(ボトムゲート電極)が設けられた、いわゆる、ダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有するフォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)を適用することができる。
これによれば、画像処理装置を構成する画素アレイ(フォトセンサアレイや表示画素アレイ)及び周辺回路(各ドライバ回路)を単一の絶縁性基板上に一体的に形成することができるので、例えば、指紋読取装置のように、フォトセンサアレイ上の検知面に直接被写体が載置される場合であっても、該検知面(フォトセンサアレイ)及びその周辺回路を平坦化してドライバチップ等の突出を防止することができ、被写体を検知面に密着させて当該画像を良好に読み取ることができるとともに、フォトセンサアレイに近接して周辺回路を配置することができ、装置規模を小型化することができる。
また、このような構成によれば、単一の絶縁性基板上に画素アレイと周辺回路を一体的に形成することができるので、ドライバチップを別個に用意する必要がなく、部品点数や製造プロセスを削減することができるとともに、画像処理装置の回路構成や配線接続構造を簡素化して、小型化や製品コストの削減を図ることができる。
この場合、単一の絶縁性基板上に画素アレイ及び周辺回路が一体的に形成された状態で、機能検査を実行することができるので、当該検査の精度や信頼性を向上させることができる。
また、ドライバ回路の出力回路部(特に、画素に走査信号等の駆動制御信号を印加する信号線に直接接続されるレベルシフト回路部)に、アモルファスシリコン薄膜トランジスタを適用することにより、比較的高い絶縁耐圧を実現することができるので、画素アレイとして、比較的高い駆動電圧(大きな電圧振幅)を必要とする画素(例えば、ダブルゲート型フォトセンサ)を適用した場合であっても、素子の耐圧破壊等を生じることなく、また、該出力回路部の前段となる回路部分(シフトレジスタ回路部、出力バッファ部)を、ポリシリコン薄膜トランジスタを適用して構成することにより、比較的高速な動作特性を有するドライバ回路を実現することができる。
また、ドライバ回路を構成するポリシリコン薄膜トランジスタを構成するポリシリコン半導体層(第1の半導体層)を、ドライバ回路を構成するアモルファスシリコン薄膜トランジスタ構造を構成するアモルファスシリコン半導体層(第2の半導体層)よりも下層側(基板側)に配置して形成することにより、その場合、比較的高温の成膜条件を必要とするポリシリコン半導体層を形成する工程の後に、比較的低温の成膜条件を必要とするアモルファスシリコン半導体層を形成する工程を適用することができて、アモルファスシリコン半導体層の成膜後に、比較的高い温度環境に晒されることにより、アモルファスシリコン半導体層が脱水素化する現象を防止して、十分な素子特性(電子移動度)を良好に維持することができる。
これにより、ドライバ回路に適用されるポリシリコン薄膜トランジスタ、及び、アモルファスシリコン薄膜トランジスタの両者の素子特性を良好に保持することができ、動作特性に優れた画像読取装置を実現することができるとともに、ポリシリコン半導体層の形成を基板上の選択された領域でなく、基板上の全面に形成するようにして、その形成を容易とすることができる。
加えて、少なくとも、ドライバ回路を構成するポリシリコン薄膜トランジスタとアモルファスシリコン薄膜トランジスタの少なくとも1つの導電層(例えば、ゲート電極)を、同一の電極形成層(共有するレイヤ)に設けるように構成して、これらの導電層を同一の工程で同時に形成することができ、製造プロセスの短縮と製造コストの削減を図ることもできる。
以下、本発明に係る画像処理装置及びその製造方法について、実施の形態を示して詳しく説明する。
まず、本発明に係る画像処理装置として画像読取装置を示して、その全体構成について説明する。
図1は、本発明に係る画像処理装置(画像読取装置の一実施形態を示す概略構成図である。ここで、上述した従来技術(図22参照)と同等の構成については、同一又は同等の符号を付して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る画像読取装置100は、概略、多数のフォトセンサ(読取画素;詳しくは、後述する)PSを、例えば、二次元配列(マトリクス状に配列;例えば、n行×m列)したフォトセンサアレイ(画素アレイ)110と、各フォトセンサPSのトップゲート端子TGを行方向に接続して伸延するトップゲートライン111に接続され、各トップゲートライン(信号線)111に順次走査信号φTi(後述するリセットパルス:iは、任意の自然数;i=1、2、・・・n;駆動制御信号)を出力するトップゲートドライバ(ドライバ回路、第1の走査駆動手段)120と、各フォトセンサPSのボトムゲート端子BGを行方向に接続して伸延するボトムゲートライン112に接続され、各ボトムゲートライン112に順次走査信号φBi(後述する読み出しパルス)を出力するボトムゲートドライバ(ドライバ回路、第2の走査駆動手段)130と、各フォトセンサPSのソース端子Sを列方向に接続して伸延するソースライン(データライン)113に接続され、各ドレインライン113を介して各フォトセンサPSにプリチャージ電圧Vpgを印加するとともに、各フォトセンサPSに蓄積されたキャリヤに応じたソースライン電圧VDj(=データ電圧Vrd:jは、任意の自然数;j=1、2、・・・m)を読み出すソースドライバ140と、少なくとも、フォトセンサアレイ110による被写体画像の読み取り動作を制御するための各種制御信号φtg、φbg、φpgを、各々上記トップゲートドライバ120、ボトムゲートドライバ130、ソースドライバ140に供給するとともに、ソースドライバ140を介して取得した画像データ(読取データ信号Vdata)を、図示を省略した記憶部や、画像データの加工や照合等の所定の処理を実行する外部機能部との間でやり取りするインターフェース機能を備えたシステムコントローラ150と、を有して構成されている。
ここで、トップゲートドライバ120は、特に、フォトセンサアレイ110に配設された各トップゲートライン111に直接接続され、所定の信号レベルを有する上記走査信号φTiを生成して出力するレベルシフト回路部123を備えた構成を有している。
なお、フォトセンサアレイ110において、114は、各フォトセンサPSのドレイン端子Dを所定の低電位電圧(例えば、接地電位)Vssに共通に接続するドレインライン(コモンライン)である。
このような構成を有する画像読取装置において、本発明においては特に、単一のガラス基板等の絶縁性の基板SUBの一面側に、少なくとも、上記フォトセンサアレイ110及びトップゲートドライバ120(本実施形態では、ボトムゲートドライバ130及びソースドライバ140を含むものを示す)が、一体的に形成された構成を有している。ここで、具体的には後述するが、フォトセンサアレイ110に配列されたフォトセンサPSは、アモルファスシリコンからなる半導体層を用いた薄膜トランジスタ(以下、「アモルファスシリコン薄膜トランジスタ」とも記す)構造を有し、一方、ボトムゲートドライバ130、ソースドライバ140を構成する機能素子(薄膜トランジスタ)は、低温ポリシリコンからなる半導体層を用いた薄膜トランジスタ(以下、「低温ポリシリコン薄膜トランジスタ」とも記す)構造を有し、さらに、トップゲートドライバ120は、少なくとも、レベルシフト回路部123がアモルファスシリコン薄膜トランジスタにより構成され、その他の回路部が低温ポリシリコン薄膜トランジスタにより構成された構造を有している。
なお、フォトセンサPSを構成する薄膜トランジスタ構造と、トップゲートドライバ120のレベルシフト回路部123を構成する薄膜トランジスタは、例えば、アモルファスシリコン薄膜トランジスタを製造するための同一の製造プロセスを用いて同時に形成するものであってもよいし、あるいは、別個独立した製造プロセスを用いて個別に形成するものであってもよい。また、トップゲートドライバ120Bの他の回路部を構成する薄膜トランジスタ、及び、ボトムゲートドライバ130、ソースドライバ140を構成する薄膜トランジスタは、上記アモルファスシリコン薄膜トランジスタとは独立した低温ポリシリコン薄膜トランジスタの製造プロセスを用いて形成するものであってもよいし、あるいは、低温ポリシリコン薄膜トランジスタの一部の構成を、上記アモルファスシリコン薄膜トランジスタの製造プロセスを用いて(兼用して)同時に形成するものであってもよい。詳しくは後述する。
以下、各構成について具体的に説明する。
(フォトセンサ)
図2は、本実施形態に係るフォトセンサアレイに適用可能なフォトセンサの素子構造を示す概略断面図である。
上述したフォトセンサアレイ110に適用可能なフォトセンサPSは、具体的には、図2に示すように、概略、励起光(ここでは、可視光)の入射により電子−正孔対が生成されるアモルファスシリコンからなる半導体層(チャネル領域)11と、半導体層11の両端に、各々nシリコンからなる不純物層(オーミックコンタクト層)17、18を介して形成され、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された導電性材料からなり、可視光に対して不透明なソース電極12(ソース端子S)及びドレイン電極13(ドレイン端子D)と、半導体層11の上方(図面上方)にブロック絶縁膜(ストッパ膜)14及び上部ゲート絶縁膜15を介して形成され、酸化スズ膜やITO膜(インジウム−スズ酸化膜)等の透明電極層からなり、可視光に対して透過性を示すトップゲート電極TGx(第1のゲート電極;トップゲート端子TG)と、半導体層11の下方(図面下方)に下部ゲート絶縁膜16を介して形成され、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された導電性材料からなり、可視光に対して不透明なボトムゲート電極BGx(第2のゲート電極;ボトムゲート端子BG)と、を有して構成されている。
すなわち、本実施形態に係るフォトセンサアレイ110に適用されるフォトセンサPSは、いわゆる、ダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有している。そして、このような構成を有するフォトセンサ(以下、便宜的に「ダブルゲート型フォトセンサ」とも記す)PSは、図2に示すように、ガラス基板等の絶縁性の基板SUB上に形成され、該フォトセンサPSを含む基板SUBの一面側全体には保護絶縁膜(パッシベーション膜)19が被覆形成されている。
なお、図2において、トップゲート絶縁膜15、ブロック絶縁膜14、ボトムゲート絶縁膜16を構成する絶縁膜、及び、トップゲート電極TGx上に設けられる保護絶縁膜19は、いずれも半導体層11を励起する可視光に対して高い透過率を有する材質、例えば、窒化シリコンや酸化シリコン等により構成されていることにより、図面下方に設けられた光源(図示を省略;後述する図4参照)からの照射光を図面上方に透過させるとともに、保護絶縁膜19の上面(以下、「検知面」と記す)DTCに載置された被写体に反射して、図面上方からフォトセンサPS(詳しくは、半導体層11)に入射する光のみを検知する構造を有している。
上述したフォトセンサアレイ110は、このようなフォトセンサPSを透明な基板SUB上に二次元配列することにより構成されている。
次いで、上述したフォトセンサアレイの駆動制御方法について、図面を参照して簡単に説明する。
図3は、上述したフォトセンサアレイにおける基本的な駆動制御方法を示すタイミングチャートである。ここでは、フォトセンサアレイの駆動制御方法として、指紋を読み取る場合について説明する。また、図4は、本実施形態に係る画像読取装置を指紋読取装置に適用した場合の要部断面図である。ここで、図4においては、図示の都合上、フォトセンサアレイの断面部分を表すハッチングの一部を省略する。
上述したフォトセンサアレイPSの基本的な駆動制御方法は、図3に示すように、所定の処理動作期間(処理サイクル)に、リセット期間Trst、電荷蓄積期間Ta、プリチャージ期間Tprch及び読み出し期間Treadを設定することにより実現される。
図3に示すように、まず、リセット期間Trstにおいては、トップゲートドライバ120Aによりトップゲートライン111を介して、i行目のフォトセンサPSのトップゲート端子TGにリセットパルス(例えば、トップゲート電圧(=リセットパルス電圧)Vtg=+15Vのハイレベル)φTiを印加して、半導体層11に蓄積されているキャリヤ(ここでは、正孔)を放出するリセット動作(初期化動作)を実行する。
次いで、電荷蓄積期間Taにおいては、トップゲートドライバ120Aによりトップゲート端子TGにローレベル(例えば、トップゲート電圧Vtg=−15V)のバイアス電圧φTiを印加することにより、上記リセット動作を終了し、電荷蓄積動作(キャリヤ蓄積動作)をスタートする。
ここで、電荷蓄積期間Taにおいては、図4に示すように、図2に示したフォトセンサPSが形成された透明な絶縁性基板SUBの下方に設けられたバックライト(光源)BLから、検知面(フォトセンサアレイ110の上面)DTCに密着して載置された被写体(例えば、指)FGに対して照射光Laが照射され、その反射光Lbが透明電極層からなるトップゲート電極TGxを通過して半導体層11に入射する。これにより、電荷蓄積期間Ta中に半導体層11に入射した光量に応じて、半導体層11の入射有効領域(キャリヤ発生領域)で電子−正孔対が生成され、半導体層11とブロック絶縁膜14との界面近傍(チャネル領域周辺)に正孔が蓄積される。
そして、プリチャージ期間Tprchにおいては、上記電荷蓄積期間Taに並行して、ソースドライバ140によりプリチャージ信号φpgに基づいてソースライン113を介して、ソース端子Sにプリチャージパルス(例えば、プリチャージ電圧Vpg=+5V)を印加し、ソース電極12に電荷を保持させるプリチャージ動作を実行する。
次いで、読み出し期間Treadにおいては、上記プリチャージ期間Tprchを経過した後、ボトムゲートドライバ130によりボトムゲートライン112を介して、ボトムゲート端子BGに読み出しパルス(例えば、ボトムゲート電圧(=読み出しパルス電圧)Vbg=+10Vのハイレベル)φBiを印加することにより、電荷蓄積期間Taにチャネル領域に蓄積されたキャリヤ(正孔)に応じたソースライン電圧VD(データ電圧Vrd;電圧信号)をソースドライバ140により読み出す読み出し動作が実行される。
ここで、読み出しパルスφBiの印加期間(読み出し期間)におけるソースライン電圧VD(データ電圧Vrd)の変化傾向は、電荷蓄積期間Taに蓄積されたキャリヤが多い場合(明状態)には、データ電圧Vrdが急峻に低下する傾向を示し、一方、蓄積されたキャリヤが少ない場合(暗状態)には緩やかに低下する傾向を示すので、例えば、読み出し期間Treadの開始から所定の時間経過後のデータ電圧Vrdを検出することにより、フォトセンサPSに入射した光の量、すなわち、被写体の明暗パターンに対応した明度データ(明暗情報)を検出することができる。
そして、このような特定の行(i行目)に対する一連の明度データ検出動作を1サイクルとして、上述したフォトセンサアレイ110の各行(i、i+1、・・・)に対して、同等の動作処理を繰り返すことにより、フォトセンサPSを用いたフォトセンサシステムを、被写体の二次元画像(例えば、指紋パターン)を明度データとして読み取るモノクローム型の画像読取装置として動作させることができる。
なお、本実施形態においては、上記画像読取装置に適用されるフォトセンサアレイとして、ダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有するフォトセンサを備えた構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、周知のフォトトランジスタやフォトダイオード等を二次元配列したフォトセンサアレイを適用するものであってもよい。
(トップゲートドライバ/ボトムゲートドライバ)
図5は、本実施形態に係る画像読取装置に適用可能なトップゲートドライバの一構成例を示す概略ブロック図であり、図6は、本実施形態に係る画像読取装置に適用可能なボトムゲートドライバの一構成例を示す概略ブロック図である。
トップゲートドライバ120は、図5に示すように、少なくとも、上述したシステムコントローラ150から供給される制御信号φtgからなるスタート信号STtb、及び、2相の基準クロック信号CK、CKb、出力イネーブル信号OEtb等に基づいて、スタート信号を順次シフトしつつ、各トップゲートライン111に対応するシフト信号(論理信号)Sout1、Sout2、・・・Soutnを出力するシフトレジスタ回路部121と、該シフトレジスタ回路部121から順次出力されるシフト信号Sout1、Sout2、・・・Soutnを、所定の信号レベルに増幅する、前段の増幅手段としての出力バッファ部(出力回路部)122と、該出力バッファ部122から出力される増幅信号を、所定の電圧振幅を有する信号に変換(信号増幅)して、各トップゲートライン111に走査信号(リセットパルス)φT1、φT2、・・・φTnとして出力する、後段の増幅手段としてのレベルシフト回路部(出力回路部)123と、を有して構成されている。
また、ボトムゲートドライバ130は、図6に示すように、概略、上述したトップゲートドライバ120からレベルシフト回路部123を省いた構成し、トップゲートドライバ120と同等のシフトレジスタ回路部131と、出力バッファ部132とを備え、シフトレジスタ回路部131により、システムコントローラ150から供給される制御信号φbgからなるスタート信号STtb、及び、2相の基準クロック信号CK、CKb、出力イネーブル信号OEtb等に基づいて、スタート信号を順次シフトしつつ、各ボトムゲートライン112に対応するシフト信号(論理信号)Sout1、Sout2、・・・Soutnを出力し、出力バッファ部132により、該シフト信号Sout1、Sout2、・・・Soutnを所定の信号レベルに増幅し、各ボトムゲートライン112に走査信号(上述した読出パルスφBi)として、直接出力するように構成されている。
ここで、本実施形態に係るトップゲートドライバ又はボトムゲートドライバに適用可能な具体的な回路構成について説明する。
図7は、本実施形態に係るトップゲートドライバ又はボトムゲートドライバに適用可能なシフトレジスタ回路部の具体例を示す回路構成図であり、図8は、本実施形態に係るトップゲートドライバに適用可能な出力バッファ部及びレベルシフト回路部の具体例を示す回路構成図である。また、図9は、本実施形態に係るトップゲートドライバ又はボトムゲートドライバを構成する各回路部に適用される論理素子の回路構成を示す図である。
シフトレジスタ回路部121、131は、例えば、図7に示すように、トップゲートライン111又はボトムゲートライン112の本数に対応(該ライン本数+1)して設けられ、基準クロックCK、CKbに基づく所定のタイミングで入力されたスタート信号STtbを順次、次段にシフトする複数段のラッチ回路群(ラッチ回路LC1、LC2、・・・LCd、LCr;以下、「LC」と略記する)と、システムコントローラ150から供給されるシフト方向設定信号SC、SCbに基づいて、ラッチ回路群LCへのスタート信号STtbの入力とシフト方向を切り換えるアナログスイッチ群(アナログスイッチSW11、SW12、・・・SW1d、SW1r、SW1s、及び、SW21、SW22、・・・SW2d、SW2r、SW2s;以下、「SW」と略記する)と、出力イネーブル信号OEtbに基づいて各ラッチ回路LC1、LC2、・・・LCdからのシフト信号の取り出し、出力バッファ部122、132への出力を制御する出力論理回路群(3入力NAND回路NAND1、NAND2、・・・NANDn、NANDd:NANDdはダミー;以下、「NAND」と略記する)とを備えた構成を有している。ここで、システムコントローラ150からシフトレジスタ回路部121、131に供給される基準クロックCK、CKbは、相互に逆相となるクロック信号であり、また、シフト方向設定信号SC、SCbも、相互に逆相となる制御信号である。
出力バッファ部122(122i)は、例えば、図8に示すように、各トップゲートライン111に対応して、上記シフトレジスタ回路部121から出力される論理信号(シフト信号)Soutjを非反転処理するインバータ群INV21、INV22と、該論理信号Soutjを反転処理するインバータ群INV21〜INV23と、を備え、ローレベルの論理信号Soutjが供給されるタイミングで、該論理信号Soutjの非反転信号となる増幅信号AMSと論理信号Soutjの反転信号となる増幅信号AMSbを生成してレベルシフト回路部123に出力する。
また、レベルシフト回路部123(123i)は、例えば、図8に示すように、各行のトップゲートライン111に対応して、高電位電圧Vapdと接点N31との間に電流路(ソース−ドレイン端子)が接続され、制御端子(ゲート端子)に論理信号Soutjの非反転信号となる増幅信号AMS(第2の入力信号)が印加されるnチャネル型の電界効果型トランジスタ(薄膜トランジスタ)Tr31と、接点N31と低電位電圧Vapsとの間に電流路が接続され、制御端子に論理信号Soutjの反転信号となる増幅信号AMSb(第1の入力信号)が印加されるnチャネル型の電界効果型トランジスタTr32と、増幅信号AMSbが印加される接点(電界効果型トランジスタTr32の制御端子)と接点N32との間に電流路が接続され、制御端子に高電位電圧Vapdが印加されたnチャネル型の電界効果型トランジスタTr35と、高電位電圧Vapdと接点N33(出力接点)との間に電流路が接続され、制御端子が接点N32に接続されたnチャネル型の電界効果型トランジスタTr33と、接点N33と低電位電圧Vapsとの間に電流路が接続され、制御端子が接点N31に接続されたnチャネル型の電界効果型トランジスタTr34と、を備えた構成を有している。ここで、接点N32と接点N33との間には、電界効果型トランジスタTr33のゲート−ソース間に、図示を省略した寄生容量(容量素子)が形成されている。
すなわち、本実施形態に係るレベルシフト回路部123iにおいて、電界効果型トランジスタTr31及びTr32は、高電位電圧Vapdと低電位電圧Vapsとの間に直列に接続され、かつ、電界効果型トランジスタTr31に出力バッファ部122iから増幅信号AMSが、また、電界効果型トランジスタTr32に増幅信号AMSの反転信号となる増幅信号AMSbが同時に印加されるように構成された、入力段のインバータ回路を構成し、電界効果型トランジスタTr33及びTr34は、高電位電圧Vapdと低電位電圧Vapsとの間に直列に接続され、かつ、電界効果型トランジスタTr33に接点N32の電位が、また、電界効果型トランジスタTr34に接点31の電位(入力段のインバータ回路の出力電位であって増幅信号AMSbの反転信号となる第3の入力信号;後述するように、接点N32の電位の略逆相となる)が同時に印加されるように構成された、出力段のインバータ回路を構成している。
上述したような回路構成を有するトップゲートドライバ120又はボトムゲートドライバ130において、図7に示したシフトレジスタ回路部121、131に適用される各ラッチ回路LC1〜LCrは、例えば、図9(a)に示すような、周知のインバータINV及びクロックドインバータCIV1、CIV2を用いた論理回路を適用することができ、各アナログスイッチSW11〜SW1s、SW21〜SW2sは、例えば、図9(b)に示すような、周知の電界効果型トランジスタ(薄膜トランジスタ)FETp及びFETnを並列に接続した回路構成を適用することができる。
なお、図9(a)に示したインバータINV及びクロックドインバータCIV(CIV1、CIV2)は、各々、図9(c)、(d)に示すように、周知の電界効果型トランジスタFETp及びFETnを直列に接続した回路構成を適用することができる。さらに、出力論理回路群NANDを構成する各3入力NAND回路NAND1、NAND2、・・・NANDn、NANDdについても、周知の電界効果型トランジスタからなる回路構成を適用することができる。
また、図8に示したトップゲートドライバ120に設けられる出力バッファ部122、及び、図示を省略したが、ボトムゲートドライバ130に設けられる出力バッファ部132は、例えば、図9(c)に示したようなインバータINVを複数段、直列に接続した回路構成を適用することができ、シフトレジスタ回路部121、131から個別に出力される論理信号(シフト信号)を、反転処理するとともに、所定の信号レベルを有するように増幅処理して、後段のレベルシフト回路部123又は各ボトムゲートライン112に出力する。
ここで、図9に示した各論理回路を構成する各電界効果型トランジスタFETp、FETnは、いずれも低温ポリシリコン薄膜トランジスタであって、上記トップゲートドライバ120を構成するシフトレジスタ回路部121及び出力バッファ部122、並びに、ボトムゲートドライバ130を構成するシフトレジスタ回路部131及び出力バッファ部132は、基板SUB上に形成された低温ポリシリコン薄膜トランジスタのみにより構成される。
また、図8に示した各電界効果型トランジスタTr31〜Tr35は、いずれもアモルファスシリコン薄膜トランジスタであって、上記トップゲートドライバ120を構成するレベルシフト回路部123は、基板SUB上に形成されたアモルファスシリコン薄膜トランジスタのみにより構成される。すなわち、本実施形態に係るトップゲートドライバ120においては、低温ポリシリコン薄膜トランジスタとアモルファスシリコン薄膜トランジスタが同一基板SUB上に混在する(組み合わせた)回路構成を有している。
次いで、上述した回路構成を有するトップゲートドライバ及びボトムゲートドライバの動作(特に、シフトレジスタ回路部121、131及びレベルシフト回路部123)について説明する。
図10は、本実施形態に係るトップゲートドライバに適用可能なレベルシフト回路部の各端子及び接点における信号電圧の変化を示すシミュレーション結果である。ここで、上述したトップゲートドライバ120においては、図10に示すように、少なくとも、レベルシフト回路部123(123i)に供給される電源電圧として、高電位電圧Vapdが+15V、低電位電圧Vapsが−18Vに設定され、出力バッファ部122(122i)により0〜15Vの電圧振幅(第1の電圧振幅)を有する増幅信号AMS、AMSbを、上記レベルシフト回路部123(123i)により、−15〜+15Vの電圧振幅(第2の電圧振幅)を有する信号に変換して走査信号(リセットパルス)φTiとしてi行目のトップゲートライン111に出力する場合について説明する。また、ボトムゲートドライバ130においては、図6に示すように、出力バッファ部132により生成された0〜15Vの電圧振幅を有する増幅信号を、レベルシフト回路を用いることなく、走査信号(読み出しパルス)φBiとしてi行目のボトムゲートライン112にそのまま出力する場合について説明する。
上述したような回路構成を有するトップゲートドライバ120又はボトムゲートドライバ130においては、まず、システムコントローラ150からハイレベルのシフト方向設定信号SC及びローレベルのシフト方向設定信号SCbがシフトレジスタ回路部121、131に供給されると、アナログスイッチ群SWのうち、アナログスイッチSW11、SW22、SW13・・・SW1d、SW2r、SW1sがオン動作することにより、各ラッチ回路LC1、LC2、・・・LCd、LCrが順方向に接続される。すなわち、ラッチ回路LC1の入力接点inにスタート信号STtbが入力されるとともに、i段目のラッチ回路LCi(LC1、LC2、・・・LCd)の出力接点outが次段のラッチ回路LC(i+1)(LC2、LC3、・・・LCd、LCr)の入力接点inに接続されるように、各ラッチ回路LC1、LC2、・・・LCd、LCrが順次直列に接続された状態に設定される。
これにより、システムコントローラ150から制御信号φtg又はφbgとして供給されたスタート信号STtbは、基準クロックCK、CKbに基づく所定のタイミングで、各ラッチ回路LC1、LC2、・・・LCd、LCrの順に、順次シフトされるとともに、i段目のラッチ回路LCi(LC1、LC2、・・・LCn、LCd)から出力されるシフト信号Soutiが、i段目の3入力NAND回路NANDi(NAND1、NAND2、・・・NANDn、NANDd)の第1の入力接点に入力される。また、(i+1)段目のラッチ回路LC(i+1)(LC2、LC3、・・・LCd、LCr)から出力されるシフト信号Sout(i+1)が、i段目の3入力NAND回路NANDi(NAND1、NAND2、・・・NANDn、NANDd)の第3の入力接点に入力される。
ここで、i段目及び(i+1)段目のラッチ回路LCi、LC(i+1)から出力される各シフト信号Souti、Sout(i+1)がハイレベルであって、かつ、システムコントローラ150からハイレベルの出力イネーブル信号OEtbが供給され、i段目の3入力NAND回路NANDi(NAND1、NAND2、・・・NANDn、NANDd)の第2の入力接点に入力されると、当該3入力NAND回路NANDiからローレベルの論理信号Souti(Sout1、Sout2、・・・Soutn;ここで、NANDdから出力されるSoutdはダミー)が出力バッファ部122、132に出力される。
一方、システムコントローラ150からローレベルのシフト方向設定信号SC及びハイレベルのシフト方向設定信号SCbがシフトレジスタ回路部121、131に供給されると、アナログスイッチ群SWのうち、アナログスイッチSW21、SW12、SW23・・・SW2d、SW1r、SW2sがオン動作することにより、各ラッチ回路LC1、LC2、・・・LCd、LCrが逆方向に接続される。すなわち、ラッチ回路LCrの入力接点inにスタート信号STtbが入力されるとともに、(i+1)段目のラッチ回路LC(i+1)(LC2、LC3、・・・LCd、LCr)の出力接点outが次段のラッチ回路LCi(LC1、LC2、・・・LCn、LCd)の入力接点inに接続されるように、各ラッチ回路LCr、LCd、・・・LC2、LC1が順次直列に接続された状態に設定される。
これにより、システムコントローラ150から供給されたスタート信号STtbは、基準クロックCK、CKbに基づく所定のタイミングで、各ラッチ回路LCr、LCd、・・・LC2、LC1の順に、順次シフトされるとともに、(i+1)段目のラッチ回路LC(i+1)(LCr、LCd、・・・LC3、LC2)から出力されるシフト信号Sout(i+1)が、i段目の3入力NAND回路NANDi(NANDd、NANDn、・・・NAND2、NAND1)の第3の入力接点に入力される。また、i段目のラッチ回路LCi(LCd、・・・LC2、LC1)から出力されるシフト信号Soutiが、i段目の3入力NAND回路NANDi(NANDd、NANDn、・・・NAND2、NAND1)の第1の入力接点に入力される。
ここで、(i+1)段目及びi段目のラッチ回路LC(i+1)、LCiから出力される各シフト信号Souti、Sout(i+1)がハイレベルであって、かつ、ハイレベルの出力イネーブル信号OEtbがi段目の3入力NAND回路NANDi(NAND1、NAND2、・・・NANDn、NANDd)の第2の入力接点に入力されると、当該3入力NAND回路NANDiからローレベルの論理信号Souti(Sout1、Sout2、・・・Soutn;ここで、NANDdから出力されるSoutdはダミー)が出力バッファ部122、132に出力される。
次いで、図8に示したトップゲートドライバ120においては、シフトレジスタ回路部121から出力バッファ部122iに、シフト信号としてローレベルの論理信号Soutiが供給されると、レベルシフト回路部123iの入力段のインバータ回路に、ローレベル(=0V)の増幅信号AMS及びハイレベル(=+15V)の増幅信号AMSbが入力されて、電界効果型トランジスタTr32がオン動作するとともに、電界効果型トランジスタTr31がオフ動作する。これにより、図10に示すように、接点N31の電位Vn31は、電界効果型トランジスタTr32の導通抵抗(オン抵抗)分だけ、低電位電圧Vaps(=−18V)よりも高い電圧になるものの、充分低い信号電圧(概ね−13V)を有するローレベルに設定される。
一方、シフトレジスタ回路部121から、シフト信号としてハイレベルの論理信号Soutiが供給されると、レベルシフト回路部123iの入力段のインバータ回路に、ハイレベル(=+15V)の増幅信号AMS及びローレベル(=0V)の増幅信号AMSbが入力されて、電界効果型トランジスタTr31がオン動作するとともに、電界効果型トランジスタTr32がオフ動作する。これにより、接点N31の電位Vn31は、電界効果型トランジスタTr31の導通抵抗分だけ、高電位電圧Vapd(=+15V)よりも低い電圧を有するハイレベルに設定される。ここで、電界効果型トランジスタに適用されるアモルファスシリコン薄膜トランジスタの回路特性上、高電位電圧Vapd側に接続された電界効果型トランジスタTr31の導通抵抗は比較的大きく、小さく設定することが困難であるため、接点N31電位Vn31は、ハイレベルでありながら、図10に示すように、概ね+3〜+4V程度の極めて低い電圧しか得られない。
次いで、出力段のインバータ回路において、上記入力段のインバータ回路の出力電圧(接点N31の電位Vn31)がハイレベル(概ね+3〜+4V)のときには、電界効果型トランジスタTr34がオン動作して、接点N33(トップゲートライン111)の電位は、電界効果型トランジスタTr34の導通抵抗分だけ、低電位電圧Vaps(=−18V)よりも高い電圧である、所望の信号レベル(所望の電圧振幅−15〜+15Vの、下限側の電圧である−15V;ローレベル)に設定される。
ここで、出力段のインバータ回路において、電界効果型トランジスタTr33のゲート端子(接点N32)には、高電位電圧Vapd(=+15V)により常時オン状態にある電界効果型トランジスタTr35を介して、増幅信号AMSbが印加されるので、接点N31の電位Vn31がハイレベルとなるタイミング(増幅信号AMSbがローレベルベルとなるタイミング)で、図10に示すように、接点N32の電位Vn32は、概ね0Vのローレベルに設定される。これにより、接点N32とN33間に生じた電位差が、電界効果型トランジスタTr33のゲート−ソース間の寄生容量に電圧成分として保持される。なお、寄生容量に保持された電荷は、電界効果型トランジスタTr35の導通抵抗により移動が妨げられるため、上記電位差に応じた電圧成分が寄生容量に良好に保持される。
一方、上記入力段のインバータ回路の出力電圧(接点N31の電位Vn31)がローレベル(概ね−13V)のときには、電界効果型トランジスタTr34がオフ動作するとともに、電界効果型トランジスタTr33のゲート端子(接点N32)に、ハイレベル(+15V)の増幅信号AMSbが印加されることにより、電界効果型トランジスタTr33がオン動作して、接点N33(トップゲートライン111)の電位は、電界効果型トランジスタTr33の導通抵抗分だけ、高電位電圧Vapd(=+15V)よりも低い電圧が印加される。
ここで、電界効果型トランジスタTr33のゲート端子(接点N32)には、接点N33の電位の上昇に伴って、図10に示すように、該接点N33の電位に上記寄生容量に保持された電圧成分に相当する電位差が上乗せされた電圧(概ね25〜27V)が生じて(ブートストラップ現象)、電界効果型トランジスタTr33が略飽和状態でオン動作するので、接点N33(トップゲートライン111)の電位は、高電位電圧Vapd(=+15V)に略近似する充分に高い信号レベル(すなわち、所望の電圧振幅−15〜+15Vの、上限側の電圧に近似する+13〜+14V;ハイレベル)が得られる。
このように、本実施形態に係るトップゲートドライバ120Bに適用されるレベルシフト回路部123においては、2段のインバータ回路を構成し、出力段のインバータ回路に印加される一方の信号レベル(ハイレベル)をブートストラップ回路部(電界効果型トランジスタTr35、電界効果型トランジスタTr33のゲート−ソース間に形成される寄生容量)を用いて昇圧することにより、入力段のインバータ回路から出力されるハイレベル側の信号レベルが低い場合であっても、出力段のインバータ回路から出力されるハイレベル側の信号レベルを十分高くすることができる。
これにより、シフトレジスタ回路部121、131から出力される論理信号Soutiが、トップゲートドライバ120においては出力バッファ部122及びレベルシフト回路部123を介して、また、ボトムゲートドライバ130においては出力バッファ部132を介して、所定の信号レベルを有するハイレベルの走査信号(上述したリセットパルスφTi又は読み出しパルスφBi)が生成され、上記シフト方向設定信号SC、SCbに基づく走査方向、すなわち、トップゲートライン111又はボトムゲートライン112の1行目から最終行まで順方向、もしくは、最終行から1行目まで逆方向に、順次走査信号が印加されることになる。
したがって、図7に示したようなシフトレジスタ回路部121、131を備えたトップゲートドライバ120及びボトムゲートドライバ130を適用した画像読取装置100によれば、システムコントローラ150から出力されるシフト方向設定信号SCにより、フォトセンサアレイ110(検知面DTC)上に載置された被写体の画像読取方向(上記走査方向)を任意に反転設定することができるので、使い勝手や設計自由度の高いシステムを提供することができる。
なお、本実施形態に示したシフトレジスタ回路部121、131においては、上記シフト方向設定信号に基づいて、ラッチ回路群LCにおけるシフト方向を切り換え可能(反転可能)なように制御することができる回路構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、周知の一方向にのみシフト動作を行うシフトレジスタ回路(例えば、後述するソースドライバに適用されるシフトレジスタ回路部141;図12参照)を適用するものであってもよいことは言うまでもない。
また、トップゲートドライバ120の出力回路部を構成するレベルシフト回路部123として、アモルファスシリコン薄膜トランジスタからなる電界効果型トランジスタTr31〜Tr35のみを適用しているので、高い絶縁耐圧を実現することができ、上述したようなダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有するフォトセンサPSを駆動制御する場合に必要な、数十Vの電圧振幅(概ね30V;図2、図3参照)を有する走査信号(リセットパルス)を、出力回路部の耐圧破壊を生じることなく、良好に生成、出力することができる。
なお、本実施形態においては、トップゲートドライバ120に設けられるレベルシフト回路部123のブートストラップ回路部の構成として、電界効果型トランジスタTr33のゲート−ソース間に形成される寄生容量を適用する場合(図8参照)について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記ゲート−ソース間(接点N32と接点N33との間)に、上記寄生容量に加えて、さらに任意の容量素子(コンデンサ)を接続した構成を適用するものであってもよい。また、レベルシフト回路部123として、nチャネル型の電界効果型トランジスタを適用した場合についてのみ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、pチャネル型の電界効果型トランジスタを適用して構成するものであってもよい。
(ソースドライバ)
図11は、本実施形態に係る画像読取装置に適用可能なソースドライバの一構成例を示す概略ブロック図であり、図12は、本構成例に係るソースドライバに適用可能なシフトレジスタ回路部の一例を示す回路構成図であり、図13は、本構成例に係るソースドライバに適用可能なプリチャージ回路部、サンプリング回路部、ソースフォロワ回路部及びパラレル−シリアル変換回路部の具体例を示す回路構成図である。
ソースドライバ140は、図11に示すように、少なくとも、システムコントローラ150から供給される制御信号(後述するスタート信号STs及び2相の基準クロック信号ACK、ACKb、出力イネーブル信号OEs等)に基づいて、スタート信号を順次シフトしつつ、各ソースライン113に対応するシフト信号(論理信号)ASout1、ASout2、・・・ASoutmを出力するシフトレジスタ回路部141と、上述したプリチャージ信号φpgに基づくタイミングで、各ソースライン113に所定のプリチャージパルス(プリチャージ電圧Vpg)を一斉に印加するスイッチ群を備えたプリチャージ回路部(プリチャージ制御部)145と、上述したサンプリング信号φsrに基づくタイミングで、各ソースライン113を介して各フォトセンサ(読取画素)PSに蓄積されたキャリヤに対応するソースライン電圧VD(データ電圧Vrd)を並列的に読み出すスイッチ群、及び、該ソースライン電圧VDを保持する容量素子群を備えたサンプリング回路部(電圧保持部)144と、上記容量素子群に保持されたソースライン電圧VDを所定の信号レベルに増幅するアンプ群を備えたソースフォロワ回路部143と、上記シフトレジスタ回路部141から順次出力されるシフト信号ASout1、ASout2、・・・ASoutmに基づくタイミングで、ソースフォロワ回路部143から出力されるデータ電圧を時系列的に取り出してシリアル信号に変換して読取データ信号Vdataとして出力するスイッチ群を備えたパラレル−シリアル変換回路部(信号変換部)142と、を有して構成されている。
ここで、シフトレジスタ回路部141は、例えば、図12に示すように、ソースライン113の本数に対応(該ライン本数+2)して設けられ、基準クロックACK、ACKbに基づく所定のタイミングで入力されたスタート信号STsを順次、次段にシフトする複数段のラッチ回路群(ラッチ回路LCA1、LCA2、・・・LCAa、LCAb;以下、「LCA」と略記する)と、出力イネーブル信号OEsに基づいて各ラッチ回路LCA1、LCA2、・・・LCAa、LCAbからのシフト信号の取り出し、パラレル−シリアル変換回路部142への出力を制御する出力論理回路群(3入力NAND回路NANDA1、NANDA2、・・・NANDAm;以下、「NANDA」と略記する)と、を備えた構成を有している。
ここで、ラッチ回路群LCA及び出力論理回路群NANDAは、各々、上述したトップゲートドライバ120又はボトムゲートドライバ130に適用可能なシフトレジスタ回路部121、131を構成するラッチ回路群LC及び出力論理回路群NANDと同等の構成(図7、図9参照)を有しているので、具体的な回路構成についての説明を省略する。
このような構成を有するシフトレジスタ回路部141においては、システムコントローラ150からラッチ回路LCA1の入力接点inにスタート信号STsが入力されると、基準クロックACK、ACKbに基づく所定のタイミングで、スタート信号STsがラッチ回路LCA1、LCA2、・・・LCAa、LCAbの順にシフトされるとともに、j段目のラッチ回路LCAj(LCA1、LCA2、・・・LCAm)から出力されるシフト信号が、j段目の3入力NAND回路NANDAi(NANDA1、NANDA2、・・・NANDAm)の第1の入力接点に入力される。また、(j+1)段目のラッチ回路LCA(j+1)(LCA2、LCA3、・・・LCAa)から出力されるシフト信号が、j段目の3入力NAND回路NANDAj(NANDA1、NANDA2、・・・NANDAm)の第3の入力接点に入力される。
ここで、j段目及び(j+1)段目のラッチ回路LCAj、LCA(j+1)から出力される各シフト信号がハイレベルであって、かつ、システムコントローラ150からハイレベルの出力イネーブル信号OEsが供給され、j段目の3入力NAND回路NANDAj(NANDA1、NANDA2、・・・NANDAm)の第2の入力接点に入力されると、当該3入力NAND回路NANDAjからローレベルの論理信号ASoutj(ASout1、ASout2、・・・ASoutm)がパラレル−シリアル変換回路部142に出力される。
また、プリチャージ回路部145、サンプリング回路部144、ソースフォロワ回路部143及びパラレル−シリアル変換回路部142は、例えば、各ソースライン113に対応して、図13に示すような回路構成を個別に有している。すなわち、j列目のソースライン113に設けられるプリチャージ回路部145(145j)は、システムコントローラ150から供給されるプリチャージ信号φpg(非反転信号PCG及び反転信号PCGb)に基づいて、オン、オフ動作するアナログスイッチSW5jを備え、ハイレベルのプリチャージ信号φpgが供給されるタイミングで、ソースライン113に対してプリチャージ電圧Vpgをプリチャージパルスとして出力する。
また、サンプリング回路部144(144j)は、図13に示すように、システムコントローラ150から供給されるサンプリング信号φsr(非反転信号SR及び反転信号SRb)に基づいて、オン、オフ動作するアナログスイッチSW4jと、一端がアナログスイッチSW4jの出力接点に、他端が接地電位に接続されたコンデンサ(容量素子)Csrと、を備え、ハイレベルのサンプリング信号φsrが供給されるタイミングで、ソースライン113を介して、フォトセンサPSに蓄積されたキャリヤに対応するソースライン電圧VDを取り込んで、コンデンサCsrに電圧成分として保持する。
また、ソースフォロワ回路部143(143j)は、図13に示すように、高電位電圧Vapdと低電位電圧Vaps間に電界効果型トランジスタFETa及びFETbを直列接続した回路構成を有し、上記サンプリング回路部144jに設けられたコンデンサCsrに保持された電圧成分(ソースライン電圧VD)に応じて、所定の増幅率で増幅された信号レベルが生成される。
パラレル−シリアル変換回路部142(142j)は、図13に示すように、上述したシフトレジスタ回路部141から出力される論理信号(シフト信号)ASoutjを反転処理するインバータ群INV1〜INV3と、該論理信号ASoutjを非反転処理するインバータ群INV1、INV4〜INV6と、論理信号ASoutj(非反転信号及び反転信号)に基づいて、オン、オフ動作するアナログスイッチSW2jと、を備え、ローレベルの論理信号ASoutjが供給されるタイミングで、上記ソースフォロワ回路部143jから出力されるデータ電圧が読取データ信号Vdataとして出力される。
このような構成を有するソースドライバ140によれば、システムコントローラ150から供給されるサンプリング信号φsrに基づいて、1列目から最終列までの各ソースライン113を介して、ソースライン電圧VDが一括して取り出されて一旦保持され、シフトレジスタ回路部141から順次出力される論理信号ASoutjに基づいて、ソースライン113の1列目から最終列までのソースライン電圧VD(データ電圧Vrd)が時系列的に取り出されてシリアル信号に変換され、読取データ信号Vdataとして出力されることになる。
(素子構造/製造方法)
次いで、本実施形態に係る画像読取装置(特に、ドライバ回路)の素子構造及びその製造方法について、図面を参照して説明する。
(第1の素子構造)
図14は、本実施形態に係る画像読取装置の素子構造の第1の例を示す概略断面図である。ここで、上述したフォトセンサ(図2参照)と同等の構成については、同一又は同等の符号を付してその説明を簡略化又は省略する。なお、図14では、説明の簡略化のため、フォトセンサ及び電界効果型トランジスタ(薄膜トランジスタ)を各々1乃至数個のみ図示し、また、これら相互を接続する配線層や、装置外部と接続するための引き出し配線等については図示を省略した。
本実施形態に係る画像読取装置の第1の素子構造の例は、トップゲートドライバ120部分においては、図1及び図14(a)に示すように、単一の絶縁性の基板SUBの一面側の略中央領域に、マトリクス状に複数配列形成され、上述したフォトセンサアレイ110を構成する、ダブルゲート型のアモルファスシリコン薄膜トランジスタ構造を有するフォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)PS群と、上記フォトセンサアレイ110(フォトセンサPS)の形成領域に隣接する周辺領域に、少なくとも、上述したトップゲートドライバ120のレベルシフト回路部123を構成する、アモルファスシリコンからなる半導体層を用いたnチャネル型の電界効果型トランジスタ(アモルファスシリコン薄膜トランジスタ)FETx群と、トップゲートドライバ120のシフトレジスタ回路部121及び出力バッファ部122を構成する、低温ポリシリコンからなる半導体層を用いたpチャネル型及びnチャネル型の電界効果型トランジスタ(低温ポリシリコン薄膜トランジスタ)FETp群及びFETn群と、が形成された構成を有している。
また、ボトムゲートドライバ130部分及びソースドライバ140部分においては、図1及び図14(b)に示すように、上記基板SUBの一面側の上記フォトセンサアレイ110(フォトセンサPS)の形成領域に隣接する周辺領域に、少なくとも、上述したボトムゲートドライバ130(シフトレジスタ回路部131、出力バッファ部132)、及び、ソースドライバ140(シフトレジスタ回路部141、パラレル−シリアル変換回路部142、ソースフォロワ回路部143、サンプリング回路部144、プリチャージ回路部145)を構成する、低温ポリシリコンからなる半導体層を用いたpチャネル型及びnチャネル型の電界効果型トランジスタ(低温ポリシリコン薄膜トランジスタ)FETp群及びFETn群と、が形成された構成を有している。
具体的には、トップゲートドライバ120、ボトムゲートドライバ130及びソースドライバ140を構成するpチャネル型の電界効果型トランジスタFETpは、図14(a)、(b)に示すように、基板SUBの一面側の表面に形成された窒化シリコン膜(SiN)等の絶縁膜31及び酸化シリコン膜(SiO)等の絶縁膜32上に、低温ポリシリコンからなり、チャネル領域を形成するp型の半導体層(第1の半導体層)21pと、該半導体層21pの両端に形成されたpシリコンからなる不純物層(オーミックコンタクト層)22pと、半導体層21pの上方(図面上方)に絶縁膜(ゲート絶縁膜)33を介して形成され、例えば、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された導電性材料からなるゲート電極Gpと、該ゲート電極Gp上に積層された絶縁層34及び上記絶縁膜33に形成されたコンタクトホールを介して、各不純物層22pに接続され、例えば、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された導電性材料からなる電極層(ソース電極及びドレイン電極)24pと、を有して構成されている。
また、nチャネル型の電界効果型トランジスタFETnは、図14(a)、(b)に示すように、基板SUBの一面側の表面に形成された上記絶縁膜31及び32上に、低温ポリシリコンからなり、n型のチャネル領域を形成する半導体層(第1の半導体層)21nと、該半導体層21nの両端に形成されたnシリコンからなる不純物層23n、さらにその両端(外側)に形成されたnシリコンからなる不純物層(オーミックコンタクト層)22nと、半導体層21nの上方に上記と同一の絶縁膜(ゲート絶縁膜)33を介して形成され、例えば、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された導電性材料からなるゲート電極Gnと、該ゲート電極Gn上に積層された上記と同一の絶縁層34及び絶縁膜33に形成されたコンタクトホールを介して、各不純物層22nに接続され、例えば、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された導電性材料からなる電極層(ソース電極及びドレイン電極)24nと、を有して構成されている。
また、電界効果型トランジスタFETxは、図14(a)に示すように、図2に示したフォトセンサPSの素子構造と略同等の断面構造(フォトセンサPSからトップゲート電極TGxを省略した構造)を有し、基板SUBの一面側に積層形成された上記電界効果型トランジスタFETp及びFETnに設けられた電極層(ソース電極、ドレイン電極)24p、24nを被覆するように形成された絶縁膜(窒化シリコン膜)35上に形成され、例えば、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された導電性材料からなるゲート電極Gxと、該ゲート電極Gxの上方に絶縁膜36を介して形成され、アモルファスシリコンからなり、チャネル領域を形成する半導体層(第2の半導体層)51と、該半導体層51の上方に、例えば、窒化シリコン膜により形成されたブロック絶縁膜(ストッパ膜)54と、半導体層51上のブロック絶縁膜54の両端に形成されたnシリコンからなる不純物層(オーミックコンタクト層)57、58と、該不純物層57、58上に形成され、例えば、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された導電性材料からなるソース電極52及びドレイン電極53と、該半導体層51及びブロック絶縁膜54、ソース電極52、ドレイン電極53を含む絶縁膜36上に積層された絶縁層37、38と、を有して構成されている。
一方、各フォトセンサPSは、図14(a)、(b)に示すように、図2に示した素子構造と同等の断面構造を有し、基板SUBの一面側の表面に積層形成された上記電界効果型トランジスタFETp及びFETnを被覆するように形成された上記と同一の絶縁膜(窒化シリコン膜)35上に形成され、例えば、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された導電性材料からなり、可視光に対して不透明なボトムゲート電極BGxと、該ボトムゲート電極BGxの上方に上記と同一の絶縁膜(下部ゲート絶縁膜)36を介して形成され、アモルファスシリコンからなり、チャネル領域を形成する半導体層(第2の半導体層)11と、該半導体層11の上方(図面上方)に、例えば、窒化シリコン膜により形成された上記と同一のブロック絶縁膜(ストッパ膜)14と、半導体層11上のブロック絶縁膜14の両端に形成されたnシリコンからなる不純物層(オーミックコンタクト層)17、18と、該不純物層17、18上に形成され、例えば、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された導電性材料からなり、可視光に対して不透明なソース電極12及びドレイン電極13と、半導体層11及びブロック絶縁膜14の上方に上記と同一の絶縁膜(上部ゲート絶縁膜)37を介して形成され、例えば、酸化スズ膜やITO膜(インジウム−スズ酸化膜)等の透明電極層からなり、可視光に対して透過性を示すトップゲート電極TGxと、該トップゲート電極TGxを含む絶縁膜37上に積層された上記と同一の絶縁層38と、を有して構成されている。
ここで、電界効果型トランジスタFETxを構成するゲート電極Gx、半導体層51、ブロック絶縁膜54、不純物層57、58、ソース電極52、ドレイン電極53は、各々フォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)PSを構成するボトムゲート電極BGx、半導体層11、ブロック絶縁膜14、不純物層17、18、ソース電極12、ドレイン電極13と同一の電極形成層に設けられた構成を有している。
また、上述した絶縁膜(絶縁層)31〜38は、各々窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等の透光性を有する透明な絶縁膜により形成されている。また、最上層の絶縁膜38は、上述した保護絶縁膜19(図2参照)に相当し、フォトセンサアレイ110の所定の領域においては、この絶縁膜38の上面である検知面DTCに被写体が載置される。
すなわち、本素子構造においては、図14(a)、(b)に示すように、フォトセンサアレイ110を構成するフォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)PS、及び、トップゲートドライバ120のレベルシフト回路部123を構成する電界効果型トランジスタFETxは、ドライバ群(レベルシフト回路部123を除くトップゲートドライバ120、ボトムゲートドライバ130、ソースドライバ140)を構成する電界効果型トランジスタFETp、FETnに対して、相互に電極形成層(レイヤ)を共有することなく、各々独立して形成された構成を有している。
これは、換言すると、少なくとも、ドライバ群を構成するpチャネル型及びnチャネル型の電界効果型トランジスタFETp、FETnに適用される、低温ポリシリコンからなる半導体層(チャネル領域)21p、21nが、フォトセンサPS及びトップゲートドライバ120のレベルシフト回路部123を構成するアモルファスシリコンからなる半導体層(チャネル領域)11、51に対して、下層側(基板SUB側)に設けられた構成を有していることを意味している。
(第1の製造方法)
次いで、上述したような素子構造を有する画像読取装置の製造方法について、図面を参照して説明する。
図15、図16、図17は、本素子構造に係る画像読取装置の製造方法を示すプロセス断面図である。なお、以下の説明において、「第1の工程」乃至「第11の工程」の表記は、説明の都合上、便宜的に用いたものであって、その間に任意の付加工程があってもよく、また、置換可能な他の工程に変更してもよいものであって、実際の製造プロセスに直接関連付けられたものではない。また、ここでは、上述した素子構造(図14(a)、(b))のうち、図14(b)に示した素子構造(ボトムゲートドライバ130、ソースドライバ140)については、図14(a)に示した素子構造と共通である(包含される)ので、その説明を省略する。
まず、第1の工程においては、図15(a)に示すように、ガラス基板等の透明な絶縁性の基板SUBの一面側全域に、例えば、プラズマCVD法等の成膜法を用いて、窒化シリコンからなる絶縁膜(窒化シリコン膜)31、酸化シリコンからなる絶縁膜(酸化シリコン膜)32、アモルファスシリコン膜21aを順次積層形成する。ここで、アモルファスシリコン膜21aを形成する工程は、概ね300℃程度を最高温度とする温度条件で形成される。
次いで、第2の工程においては、図15(b)に示すように、アモルファスシリコン膜21aに対してアニール処理を施して脱水素化処理を行い、その後、エキシマレーザー等を用いた結晶化処理により、脱水素化アモルファスシリコン膜をポリシリコン化(多結晶化)してポリシリコン膜(第1の半導体層)21bを形成する。ここで、アモルファスシリコンをポリシリコン化してポリシリコン膜を形成する工程は、概ね600℃程度を最高温度とする温度条件(第1の温度条件)で形成される。
次いで、第3の工程においては、図15(c)に示すように、図示を省略したフォトリソマスク(フォトリソグラフィ技術を用いて、所定のパターンに対応してエッチング形成されたレジストマスク)を介して、例えば、ホウ素(B)イオン等のp型不純物イオンをポリシリコン膜21bにドーピングし、電界効果型トランジスタFETpのチャネル領域となる半導体層(ポリシリコン膜21b)の両端に隣接する領域にpシリコン層22paを形成する。
同様に、図示を省略したフォトリソマスクを介して、例えば、リン(P)イオン等のn型不純物イオンをポリシリコン膜21bにドーピングし、電界効果型トランジスタFETnのチャネル領域となる半導体層(ポリシリコン膜21b)の両端に隣接する領域にnシリコン層23naを、また、該nシリコン層23naの両端に隣接する領域にnシリコン層22naを形成する。
ここで、この第3の工程において形成されるpシリコン層22pa、nシリコン層23na及びnシリコン層22naの形成順序は特に制約されるものではなく、任意の順序を設定して形成するものであってもよい。
次いで、第4の工程においては、図15(d)に示すように、図示を省略したフォトリソマスクを用いて、電界効果型トランジスタFETpの形成領域、すなわち、上記第3の工程において形成された半導体層21p及びpシリコン層22pa(pシリコンからなる不純物層22p;オーミックコンタクト層)、並びに、電界効果型トランジスタFETnの形成領域、すなわち、半導体層21n及びnシリコン層23na(nシリコンからなる不純物層23n)、nシリコン層22na(nシリコンからなる不純物層22n;オーミックコンタクト層)のみを残すようにポリシリコン膜21bをパターニング(エッチング)する。
次いで、第5の工程においては、図15(e)に示すように、少なくとも上記半導体層21p及び不純物層22p、並びに、半導体層21n及び不純物層23n、不純物層22nを含む領域上に、例えば、プラズマCVD法等を用いて、酸化シリコンからなる絶縁膜(ゲート絶縁膜)33を形成した後、さらに、スパッタリング法や蒸着法等の成膜法を用いて、例えば、アルミニウム合金やクロム合金等の金属膜を積層形成し、その後、図示を省略したフォトリソマスクを用いて、該金属膜を所定の電極形状にパターニングすることにより、電界効果型トランジスタFETp、FETnのゲート電極Gp、Gnを同一工程で同時に形成する。
次いで、第6の工程においては、図16(a)に示すように、少なくとも上記ゲート電極Gp、Gnを含む領域上に、例えば、プラズマCVD法等を用いて、窒化シリコンからなる絶縁膜34を形成した後、図示を省略したフォトリソマスクを用いて、少なくとも、該絶縁膜34の上面から絶縁層34、33を貫通して、電界効果型トランジスタFETpのpシリコンからなる不純物層22p及び電界効果型トランジスタFETnのnシリコンからなる不純物層22nに至るコンタクトホール(ソースコンタクトホール及びドレインコンタクトホール)CHLp、CHLnを形成する。
次いで、第7の工程においては、図16(b)に示すように、例えば、スパッタリング法等を用いて、アルミニウム合金やクロム合金等の金属膜を、上記コンタクトホールCHLp、CHLnの内部に埋め込むとともに、絶縁膜34上に積層形成した後、図示を省略したフォトリソマスクを用いて、該金属膜を所定の電極形状にパターニングすることにより、電界効果型トランジスタFETp、FETnのソース電極及びドレイン電極となる電極配線24p、24nを形成する。
これにより、少なくともドライバ群の形成領域(図面左方領域)に、トップゲートドライバ120のシフトレジスタ回路部121、出力バッファ部122、及び、ボトムゲートドライバ130(シフトレジスタ回路部131、出力バッファ部132)、ソースドライバ140(シフトレジスタ回路部141、パラレル−シリアル変換回路部142、ソースフォロワ回路部143、サンプリング回路部144、プリチャージ回路部145)を構成する複数の電界効果型トランジスタ(低温ポリシリコン薄膜トランジスタ)FETp、FETnが形成される。
次いで、第8の工程においては、図16(c)に示すように、例えば、プラズマCVD法等を用いて、基板SUBの一面側全域に上記電極配線24p、24nを被覆するように、窒化シリコンからなる絶縁膜35を形成した後、さらに、スパッタリング法又は蒸着法等を用いて、例えば、アルミニウム合金やクロム合金等の、遮光性を有する金属膜を積層形成し、その後、図示を省略したフォトリソマスクを用いて、該金属膜を所定の電極形状にパターニングすることにより、各フォトセンサPS及び電界効果型トランジスタFETxの形成領域にボトムゲート電極BGx及びゲート電極Gxを形成する。
次いで、第9の工程においては、図17(a)に示すように、例えば、プラズマCVD法等を用いて、少なくとも上記ボトムゲート電極BGx及びゲート電極Gxを含む領域上に、窒化シリコンからなる絶縁膜(下部ゲート絶縁膜)36を形成した後、さらに、アモルファスシリコン膜11a、窒化シリコンからなる絶縁膜を順次積層形成し、その後、図示を省略したフォトリソマスクを用いて、該窒化シリコンからなる絶縁膜をパターニングして、ボトムゲート電極BGx及びゲート電極Gxの形成領域に対応するアモルファスシリコン膜11a上にブロック絶縁膜(ストッパ膜)14、54を形成する。なお、アモルファスシリコン膜(第2の半導体層)11aは、上述した第1の工程と同様に、概ね300℃程度を最高温度とする温度条件(第2の温度条件)で形成される。
ここで、ブロック絶縁膜14、54は、アモルファスシリコン膜11aからなるチャネル領域(後述する半導体層11、51)を後工程におけるダメージから保護するためのものである。また、後述する工程により、アモルファスシリコン膜11aからなる半導体層(チャネル領域)11、51が形成されるが、この半導体層11、51に接する絶縁膜(すなわち、上記ブロック絶縁膜14、54)は、その界面状態が、フォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)PS及び電界効果型トランジスタFETxの素子特性に大きな影響を与えるため、半導体層11、51(アモルファスシリコン膜11a)とブロック層14、54は、真空中で連続的に成膜することにより、界面が汚染されないようにすることが望ましい。
次いで、第10の工程においては、図17(b)に示すように、アモルファスシリコン膜11a及びブロック絶縁膜14、54を含む領域上に、例えば、プラズマCVD法等を用いて、アモルファスシリコン膜を形成し、例えば、リンイオン(P)等のn型不純物イオンを該アモルファスシリコン膜にドーピングして、nシリコンからなる不純物層を形成した後、フォトセンサPSの形成領域(概ね、上述したボトムゲート電極BGxの形成領域)、及び、電界効果型トランジスタFETxの形成領域(概ね、上述したゲート電極Gxの形成領域)に対応するように、図示を省略したフォトリソマスクを用いて、不純物層及びアモルファスシリコン膜11aをパターニングして、フォトセンサPSの形成領域に半導体層11及び該半導体層11上のブロック絶縁膜14の両端に、オーミックコンタクト層としてのnシリコンからなる不純物層17、18、並びに、電界効果型トランジスタFETxの形成領域に半導体層51及び該半導体層51上のブロック絶縁膜54の両端に、オーミックコンタクト層としてのnシリコンからなる不純物層57、58を形成する。
この不純物層17、18及び57、58は、各々、後述するソース電極12及びドレイン電極13と、半導体層11との電気的接続(オーミック接続)、並びに、ソース電極52及びドレイン電極53と、半導体層51との電気的接続(オーミック接続)を良好にし、逆電界におけるリーク電流を防止する目的で形成される。なお、不純物層17、18及び57、58を形成するためのアモルファスシリコン膜も、上述した第1の工程と同様に、概ね300℃程度の温度条件で形成される。
次いで、第11の工程においては、図17(c)に示すように、スパッタリング法又は蒸着法等を用いて、少なくとも上記不純物層17、18及び57、58を含む領域上に、例えば、アルミニウム合金やクロム合金等の金属膜を積層形成し、その後、図示を省略したフォトリソマスクを用いて、該金属膜を所定の電極形状にパターニングすることにより、少なくとも上記不純物層17、18及び57、58上に積層して延在するフォトセンサPSのソース電極12及びドレイン電極13、並びに、電界効果型トランジスタFETxのソース電極52及びドレイン電極53を形成する。
これにより、少なくとも、トップゲートドライバ120のレベルシフト回路部123を構成する複数の電界効果型トランジスタ(アモルファスシリコン薄膜トランジスタ)FETxが形成される。
その後、基板SUBの一面側全域に、プラズマCVD法等を用いて、窒化シリコンからなる絶縁膜(上部ゲート絶縁膜)37を積層形成し、さらに、蒸着法等を用いて、酸化スズ膜やITO膜等の透明電極層を形成した後、図示を省略したフォトリソマスクを用いて、上記半導体層(チャネル領域)11に対応するようにパターニングして、フォトセンサPSのトップゲート電極TGxを形成する。
これにより、少なくとも、フォトセンサアレイ110を構成する複数のフォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)PSが形成される。
そして、基板SUBの一面側全域に、プラズマCVD法等を用いて、窒化シリコンからなる絶縁膜(保護絶縁膜)38を積層形成することにより、図14(a)、(b)に示したような、フォトセンサアレイ110及びドライバ群の最上面が平坦化された素子構造を有する画像読取装置が完成する。
このような素子構造及び製造方法を有する画像読取装置によれば、単一の絶縁性基板SUB上に、フォトセンサアレイ110を構成するフォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)PSと、各ドライバを構成する電界効果型トランジスタFETp、FETn、FETxを一体的に形成して、フォトセンサアレイ110上の検知面及びその周辺回路(ドライバ群)の最上面を良好に平坦化することができる。
したがって、本実施形態に係る画像読取装置を、フォトセンサアレイ上の検知面に直接被写体が載置される指紋読取装置等に適用した場合であっても、従来技術に示したようなドライバチップ等の突出を防止することができるので、被写体を検知面に密着させて当該画像を良好に読み取り、認識することができるとともに、フォトセンサアレイに近接して周辺回路を一体的に配置することができる。これにより、装置規模を小型化しつつ、被写体画像を良好に読み取ることができる画像読取装置を実現することができる。また、フォトセンサアレイの仕様に対応した専用のドライバチップを別個に用意する必要がないので、部品点数や製造プロセスを削減することができるとともに、画像読取装置の機能検査の精度や信頼性を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る素子構造及び製造方法によれば、少なくとも、各ドライバ(トップゲートドライバ120のレベルシフト回路部123を除く)を構成する電界効果型トランジスタFETp、FETnに用いられる低温ポリシリコン半導体層(半導体層21p及びpシリコンからなる不純物層22p、並びに、半導体層21n及びnシリコンからなる不純物層23n、nシリコンからなる不純物層22n)を、フォトセンサPS及び電界効果型トランジスタFETxを構成するアモルファスシリコン半導体層(半導体層11、51)よりも下層に配置し、上述した一連の製造プロセスにおいて、低温ポリシリコン半導体層を形成する工程(上記第2及び第3の工程)の後に、アモルファスシリコン半導体層を形成する工程(上記第9及び第10の工程)を適用しているので、電界効果型トランジスタFETp、FETn及びフォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)PS、電界効果型トランジスタFETxの各素子特性を良好に維持することができる。
すなわち、第9及び第10の工程に示したような成膜時の温度条件が比較的低い(概ね300℃程度)アモルファスシリコン半導体層を形成する工程の後に、第2及び第3の工程に示したような成膜時の温度条件が比較的高い(概ね600℃程度)低温ポリシリコン半導体層を形成する工程を実行した場合、既に形成されたアモルファスシリコン半導体層において脱水素化が進行するため、フォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)PSや電界効果型トランジスタFETxにおいて充分な電子移動度を実現することができなくなり、素子特性が劣化する現象が生じる可能性がある。
そこで、本実施形態においては、比較的高温の温度条件を必要とする低温ポリシリコン半導体層を先の工程で形成した後に、比較的低温で成膜が可能なアモルファスシリコン半導体層を後の工程で形成することにより、ドライバ群を構成する低温ポリシリコン半導体層を用いた電界効果型トランジスタの素子特性を良好に保持しつつ、アモルファスシリコン半導体層を用いたフォトセンサや電界効果型トランジスタの素子特性も良好に保持することができるので、動作特性に優れた画像読取装置を実現することができる。
さらに、低温ポリシリコン半導体層の形成を、前述のように、基板上に成膜したアモルファスシリコン膜を結晶化処理によって形成する場合に、仮に低温ポリシリコン半導体層とアモルファスシリコン半導体層とを同層に形成するとした場合には、アモルファスシリコン膜の結晶化処理を、成膜されたアモルファスシリコン膜に対して領域を選択して実行することが必要となり、製造工程が複雑となるとともに、結晶化処理に時間がかかり、製造コストが上昇するという問題が生じる。
これに対して、本実施形態のように低温ポリシリコン半導体層の上層側にアモルファスシリコン半導体層を形成するようにした場合には、低温ポリシリコン半導体層の形成は基板上に成膜されたアモルファスシリコン膜の全面を結晶化すればよく、領域を分ける必要がないため、結晶化処理が容易となって製造が容易となるとともに、結晶化処理時間を短縮することができて、製造コストを低減することができる。
加えて、トップゲートドライバ120の出力回路部であるレベルシフト回路部123を、アモルファスシリコン半導体層を用いた電界効果型トランジスタ(アモルファスシリコン薄膜トランジスタ)により構成しているので、シフトレジスタ回路部121や出力バッファ部122においては、ポリシリコン半導体層を用いた電界効果型トランジスタ(ポリシリコン薄膜トランジスタ)特有の比較的低い素子抵抗により、信号生成動作を迅速に実行することができ、一方、出力回路部のレベルシフト回路部123においては、アモルファスシリコン薄膜トランジスタ特有の高い耐圧特性により、比較的大きな電圧振幅(数十V)を有する信号(走査信号)を良好に生成することができる。これにより、トップゲートドライバ120全体として適度な動作速度を実現しつつ、適切な(大きな)電圧範囲を有する走査信号を、素子破壊を生じることなく良好にトップゲートライン111に出力することができるので、上述した基本的な駆動制御方法(図3参照)をそのまま適用して、動作特性が良好で信頼性の高い画像読取装置を提供することができる。
(第2の素子構造)
次いで、本実施形態に係る画像読取装置の素子構造及びその製造方法の第2の例について、図面を参照して説明する。
図18は、本実施形態に係る画像読取装置の素子構造の第2の例を示す概略断面図である。ここで、上述した第1の素子構造(図14参照)と同等の構成については、同一又は同等の符号を付してその説明を簡略化又は省略する。なお、図18では、説明の簡略化のため、フォトセンサ及び電界効果型トランジスタを各々1乃至数個のみを図示する。
上述した第1の素子構造及びその製造方法においては、各ドライバ(トップゲートドライバ120のレベルシフト回路部123を除く)を構成する電界効果型トランジスタFETp、FETnが、フォトセンサアレイ110を構成するフォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)PS及びトップゲートドライバ120のレベルシフト回路部123を構成する電界効果型トランジスタFETxが、電極形成層(レイヤ)を共有することなく、下層側(基板側)に電界効果型トランジスタFETp、FETnが、また、その上層側にフォトセンサPS及び電界効果型トランジスタFETxが、各々独立して形成された構成について説明したが、本素子構造においては、電界効果型トランジスタFETp、FETn及びフォトセンサPS、電界効果型トランジスタFETxの一部の導電層(ボトムゲート電極及びゲート電極)を同一の電極形成層(共有するレイヤ)に設けた構成を有している。
具体的には、本実施形態に係る画像読取装置の第2の素子構造の例においては、各ドライバ(トップゲートドライバ120のレベルシフト回路部123を除く)を構成する電界効果型トランジスタFETp、FETnは、図18(a)、(b)に示すように、各々、基板SUBの一面側の表面に形成された窒化シリコン膜41及び酸化シリコン膜42(各々、上述した絶縁膜31及び32に相当する)上に、低温ポリシリコンからなる半導体層(チャネル領域;第1の半導体層)21p、21nと、該半導体層21pの両端に形成されたpシリコンからなる不純物層22pと、半導体層21nの両端に形成されたnシリコンからなる不純物層23n、nシリコンからなる不純物層22nと、各半導体層21p、21nの上方に絶縁膜43(ゲート絶縁膜;上述した絶縁膜33に相当する)を介して形成されたゲート電極Gp、Gnと、該ゲート電極Gp、Gn上に積層された絶縁層44、45、46及び上記絶縁膜43を貫通して形成されたコンタクトホールを介して、各不純物層22p、22nに接続された電極層(ソース電極及びドレイン電極)24p、24nと、該電極層24p、24n上に積層された絶縁層47と、を有して構成されている。
また、トップゲートドライバ120のレベルシフト回路部123を構成する電界効果型トランジスタFETxは、図18(a)に示すように、基板SUBの一面側の表面に積層形成された上記窒化シリコン膜41及び酸化シリコン膜42、絶縁膜43上に形成されたゲート電極Gxと、該ゲート電極Gxの上方に上記と同一の絶縁膜(ゲート絶縁膜)44を介して形成され、アモルファスシリコンからなる半導体層(チャネル領域;第2の半導体層)51と、該半導体層51上に形成されたブロック絶縁膜(ストッパ膜)54と、半導体層51上のブロック絶縁膜54の両端に形成された不純物層57、58と、該不純物層57、58上に形成されたソース電極52及びドレイン電極53と、半導体層51及びブロック絶縁膜54、ソース電極52、ドレイン電極53の上方に積層された上記と同一の絶縁層45、46、47と、を有して構成されている。
一方、各フォトセンサPSは、図18(a)、(b)に示すように、基板SUBの一面側の表面に積層形成された上記窒化シリコン膜41及び酸化シリコン膜42、絶縁膜43上に形成されたボトムゲート電極BGxと、該ボトムゲート電極BGxの上方に上記と同一の絶縁膜(下部ゲート絶縁膜)44を介して形成され、アモルファスシリコンからなる半導体層(チャネル領域;第2の半導体層)11と、該半導体層11上に形成されたブロック絶縁膜(ストッパ膜)14と、半導体層11上のブロック絶縁膜14の両端に形成された不純物層17、18と、該不純物層17、18上に形成されたソース電極12及びドレイン電極13と、半導体層11及びブロック絶縁膜14、ソース電極12、ドレイン電極13の上方に上記と同一の絶縁膜(上部ゲート絶縁膜)45を介して形成された透明電極層からなるトップゲート電極TGxと、該トップゲート電極TGx上に積層された上記と同一の絶縁層46、47と、を有して構成されている。
ここで、上述した第1の素子構造と同様に、電界効果型トランジスタFETxを構成するゲート電極Gx、半導体層51、ブロック絶縁膜54、不純物層57、58、ソース電極52、ドレイン電極53は、各々フォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)PSを構成するボトムゲート電極BGx、半導体層11、ブロック絶縁膜14、不純物層17、18、ソース電極12、ドレイン電極13と同一の電極形成層に設けられた構成を有している。さらに、電界効果型トランジスタFETxを構成するゲート電極Gx及びフォトセンサPSを構成するボトムゲート電極BGxは、電界効果型トランジスタFETp、FETnを構成するゲート電極Gp同一の電極形成層に設けられた構成を有している。
また、上述した絶縁膜(絶縁層)41〜47は、上述した第1の素子構造と同様に、各々窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等の透光性を有する透明な絶縁膜により形成されている。また、最上層の絶縁膜47は、上述した保護絶縁膜19(図2参照)に相当し、フォトセンサアレイ110の所定の領域においては、この絶縁膜47の上面である検知面DTCに被写体が載置される。
すなわち、本素子構造においては、図18(a)、(b)に示すように、上述した第1の素子構造と同様に、少なくとも、ドライバ群(レベルシフト回路部123を除く)を構成する電界効果型トランジスタFETp及びFETnに適用される、低温ポリシリコンからなる半導体層(チャネル領域)21p、21nが、フォトセンサPS及びレベルシフト回路部123を構成する電界効果型トランジスタFETxに適用される、アモルファスシリコンからなる半導体層(チャネル領域)11、51に対して、下層側(基板SUB側)に設けられた構成を有しているとともに、電界効果型トランジスタFETp、FETnを構成するゲート電極Gp、Gnと、フォトセンサPSを構成するボトムゲート電極BGx及び電界効果型トランジスタFETxを構成するゲート電極Gxが電極形成層を共有して形成された構成を有している。
(第2の製造方法)
次いで、上述したような素子構造を有する画像読取装置の製造方法について、図面を参照して説明する。
図19、図20は、本素子構造に係る画像読取装置の製造方法を示すプロセス断面図である。なお、上述した第1の製造方法と同等の工程については、その説明を簡略化又は省略する。また、以下の説明において、「第1の工程」乃至「第9の工程」の表記は、説明の都合上、便宜的に用いたものであって、その間に任意の付加工程があってもよく、また、置換可能な他の工程と変更してもよいものであって、実際の製造プロセスに関連付けられたものではない。また、ここでは、上述した素子構造(図18(a)、(b))のうち、図18(b)に示した素子構造(ボトムゲートドライバ130、ソースドライバ140)については、図18(a)に示した素子構造と共通である(包含される)ので、その説明を省略する。
まず、上述した第1の製造方法と同様に、第1乃至第4の工程により、図15(a)〜(d)に示したように、透明な絶縁性の基板SUBの一面側全域に、絶縁膜(窒化シリコン膜)41、絶縁膜(酸化シリコン膜)42、アモルファスシリコン膜21aを順次積層形成し、その後、アモルファスシリコン膜21aをポリシリコン化したポリシリコン膜21bの所定の領域に不純物イオンをドーピングして、電界効果型トランジスタFETp及びFETnを構成する半導体層21p、21nの各両端領域にpシリコン層22pa、nシリコン層23na及びnシリコン層22naを形成する。
そして、電界効果型トランジスタFETp、FETnの各々の形成領域に対応する半導体層21p及びpシリコンからなる不純物層22p、並びに、半導体層21n及びnシリコンからなる不純物層23n、nシリコンからなる不純物層22nのみを残すようにパターニング(エッチング)する。
次いで、第5の工程においては、図19(a)に示すように、少なくとも上記半導体層21p及び不純物層22p、並びに、半導体層21n及び不純物層23n、22nを含む領域上に、例えば、プラズマCVD法等を用いて、酸化シリコンからなる絶縁膜(ゲート絶縁膜)43を形成した後、さらに、スパッタリング法又は蒸着法等を用いて、例えば、アルミニウム合金やクロム合金等の、遮光性を有する金属膜を積層形成し、その後、図示を省略したフォトリソマスクを用いて、該金属膜を所定の電極形状にパターニングすることにより、電界効果型トランジスタFETp、FETnのゲート電極Gp、Gn、及び、フォトセンサPSのボトムゲート電極BGx、電界効果型トランジスタFETxのゲート電極Gxを同一工程で同時に形成する。
次いで、第6の工程においては、図19(b)に示すように、少なくとも上記ゲート電極Gp、Gn、Gx、及び、ボトムゲート電極BGxを含む領域上に、例えば、プラズマCVD法等を用いて、窒化シリコンからなる絶縁膜(下部ゲート絶縁膜)44、アモルファスシリコン膜11aを順次積層形成した後、ボトムゲート電極BGx及びゲート電極Gxの形成領域に対応するアモルファスシリコン膜11a上にブロック絶縁膜(ストッパ膜)14、54を形成する。
次いで、第7の工程においては、図19(c)に示すように、少なくともアモルファスシリコン膜11a及びブロック絶縁膜14を含む領域上に、例えば、プラズマCVD法等を用いて、アモルファスシリコン膜を形成し、該アモルファスシリコン膜にn型不純物イオンをドーピングして、nシリコンからなる不純物層を形成した後、フォトセンサPSの形成領域(概ね、ボトムゲート電極BGxの形成領域)、及び、電界効果型トランジスタFETxの形成領域(概ね、上述したゲート電極Gxの形成領域)に対応するように、不純物層及びアモルファスシリコン膜11aをパターニングして、半導体層11及びnシリコンからなる不純物層17、18、並びに、半導体層51及びnシリコンからなる不純物層57、58を形成する。
次いで、第8の工程においては、図20(a)に示すように、少なくとも不純物層17、18及び57、58上に金属膜を積層形成した後、該金属膜を所定の電極形状にパターニングして、フォトセンサPSのソース電極12及びドレイン電極13、並びに、電界効果型トランジスタFETxのソース電極52及びドレイン電極53を形成する。
これにより、少なくとも、トップゲートドライバ120のレベルシフト回路部123を構成する複数の電界効果型トランジスタ(アモルファスシリコン薄膜トランジスタ)FETxが形成される。
次いで、基板SUBの一面側全域に絶縁膜(上部ゲート絶縁膜)45を積層形成した後、酸化スズ膜やITO膜等の透明電極層を形成し、上記半導体層11(チャネル領域)に対応するようにパターニングして、トップゲート電極TGxを形成する。
これにより、少なくとも、フォトセンサアレイ110を構成する複数のフォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)PSが形成される。
次いで、第9の工程においては、図20(b)に示すように、基板SUBの一面側全域に絶縁膜46を積層形成した後、少なくとも、該絶縁膜46の上面から各絶縁層45、44、43を貫通して、電界効果型トランジスタFETp及びFETnの不純物層22p及び22nに至るコンタクトホールを形成し、金属膜を該コンタクトホールの内部に埋め込むとともに、絶縁膜46上に積層形成した後、該金属膜を所定の電極形状にパターニングすることにより、電界効果型トランジスタFETp、FETnのソース電極及びドレイン電極となる電極配線24p、24nを形成する。
これにより、少なくとも、トップゲートドライバ120のシフトレジスタ回路部121、出力バッファ部122、及び、ボトムゲートドライバ130(シフトレジスタ回路部131、出力バッファ部132)、ソースドライバ140(シフトレジスタ回路部141、パラレル−シリアル変換回路部142、ソースフォロワ回路部143、サンプリング回路部144、プリチャージ回路部145)を構成する複数の電界効果型トランジスタ(低温ポリシリコン薄膜トランジスタ)FETp、FETnが形成される。
その後、基板SUBの一面側全域に、絶縁膜(保護絶縁膜)47を積層形成することにより、図18(a)、(b)に示した素子構造を有する画像読取装置が完成する。
したがって、このような素子構造及び製造方法を有する画像読取装置によれば、上述した第1の素子構造及び製造方法と同様に、フォトセンサアレイ110上の検知面及びその周辺回路(ドライバ群)を良好に平坦化することができるので、被写体を検知面に密着させて当該画像を良好に読み取り、認識することができるとともに、フォトセンサアレイに近接して周辺回路を一体的に配置することができ、装置規模の小型化や製品コストの削減を図ることができる。
また、各ドライバ(トップゲートドライバ120のレベルシフト回路部123を除く)を構成する電界効果型トランジスタFETp、FETnに用いられる低温ポリシリコン半導体層を、フォトセンサPS及び電界効果型トランジスタFETxを構成するアモルファスシリコン半導体層よりも下層に配置し、上述した一連の製造プロセスにおいて、電界効果型トランジスタFETp、FETnを構成する低温ポリシリコン半導体層を形成した後に、フォトセンサPS及び電界効果型トランジスタFETxを構成するアモルファスシリコン半導体層を形成する工程を適用しているので、電界効果型トランジスタFETp、FETn及びフォトセンサPS、電界効果型トランジスタFETxの各素子特性を良好に維持することができる。
さらに、本素子構造及び製造方法特有の効果として、少なくとも、各ドライバ(レベルシフト回路部を除く)を構成する電界効果型トランジスタFETp、FETnと、フォトセンサPS及び電界効果型トランジスタFETxの一部の電極層(ゲート電極Gp、Gnとボトムゲート電極BGx、ゲート電極Gx)を、同一の電極形成層(共有するレイヤ)に設けた構成を適用しているので、これらの電極層を同一の工程で同時に形成することができ、製造プロセスの短縮と製造コストの削減を図ることもできる。
図21は、本実施形態に係る画像読取装置の素子構造のさらに他の例を示す概略断面図である。
上述した第1及び第2の素子構造においては、図示を省略したが、図1に示したように、フォトセンサアレイ110(フォトセンサPS群)とドライバ群(トップゲートドライバ120、ボトムゲートドライバ130、ソースドライバ140)とは、各々、トップゲートライン111やボトムゲートライン112、ソースライン113を介して相互に接続された構成を有し、また、図7〜図9、図12、図13に示したように、各ドライバごとに電界効果型トランジスタFETp、FETn、FETxが内部配線により相互に接続された構成を有している。
したがって、上述した第1及び第2の素子構造(図14、図18)において、例えば、図21に示すように、基板SUB上のフォトセンサアレイ110が形成される領域と、ドライバ群(ここでは、トップゲートドライバ120を示す;ボトムゲートドライバ130及びソースドライバ140においては、電界効果型トランジスタFETxを除く)が形成される領域との間に、任意の層間を相互に接続するためのコンタクト領域(配線接続領域)CNTを設け、フォトセンサアレイ110(フォトセンサPS群)とドライバ群とを接続するコンタクト配線LCaや、ドライバ内部の電界効果型トランジスタFETp、FETn、FETxを相互に接続する配線(内部配線)LCbを、当該コンタクト領域CNT内に一体的に設けた構成を有するものであってもよい。この場合、コンタクト配線LCa相互や内部配線LCb相互、もしくは、コンタクト配線LCaと内部配線LCb相互を共有化して、層間配線数を削減するようにした構成を有するものであってもよい。
このような素子構造によれば、基板SUB上の所定の領域にコンタクト領域CNTを設け、任意の層間を相互に接続するコンタクトホール及びコンタクト配線LCa、内部配線LCbを、例えば、第2の素子構造及び製造方法において、電界効果型トランジスタFETp及びFETnの電極配線24p、24nを形成する工程(第9の工程)と同時に形成することができる。
なお、本実施形態においては、トップゲートドライバの出力回路部(レベルシフト回路部)にのみ、アモルファスシリコン半導体を用いた電界効果型トランジスタを適用して、絶縁耐圧を向上させた回路構成を示したが、これは、上述したように、フォトセンサ(読取画素)の素子構造及びその駆動制御方法(走査信号の電圧振幅)に基づくものであって、本発明に係る画像処理装置に適用可能なドライバ回路はこの回路構成に限定されるものではなく、例えば、他のドライバ回路(ソースドライバ等)の出力回路部に、アモルファスシリコン半導体を用いた電界効果型トランジスタを適用するものであってもよいことはいうまでもない。
また、上述したドライバ回路(画像読取装置)の製造方法においては、トップゲートドライバの出力回路部の電界効果型トランジスタ(アモルファスシリコン薄膜トランジスタ)と、フォトセンサアレイのフォトセンサ(アモルファスシリコン半導体層を用いたダブルゲート型フォトセンサ)と、を同一工程で同時に製造する製造プロセス路を示したが、本発明に係る画像処理装置に適用可能なドライバ回路の素子構造はこの製造方法に限定されるものではなく、少なくとも、ドライバ回路において、低温ポリシリコン半導体層を形成した後、アモルファスシリコン半導体層を形成するものであれば、ドライバ回路における低温ポリシリコン半導体層(電界効果型トランジスタ)及びアモルファスシリコン半導体層(電界効果型トランジスタ)を順次形成した後に、フォトセンサを構成するアモルファスシリコン半導体層(ダブルゲート型フォトセンサ)を別個独立した工程で形成するものであってもよい。
以上のように、上述した実施形態においては、アモルファスシリコン半導体層を用いたダブルゲート型フォトセンサを二次元配列したフォトセンサアレイと、少なくとも、低温ポリシリコン半導体層を用いた電界効果型トランジスタとアモルファスシリコン半導体層を用いた電界効果型トランジスタが混在する回路構成を有するドライバ回路と、を備え、これらが単一の基板上に一体的に形成された画像読取装置について説明したが、本発明に係る画像処理装置に適用可能なドライバ回路は、画像読取装置への適用に限定されるものではない。
要するに、アモルファスシリコン半導体層を用いた素子構造を有し、駆動信号として比較的大きな電圧振幅を有する駆動信号を必要とする画素が配列された画素アレイに対して、当該駆動信号を生成、出力するドライバ回路であって、画素アレイとともに単一の基板上に一体的に形成されているものであれば、本発明を良好に適用することができ、例えば、液晶画素や有機EL素子等の発光素子等の周知の表示画素を2次元配列した画素アレイに対して、所望の輝度階調で画像情報を表示するように制御する、周知の画像表示装置(画像処理装置)の走査ドライバやデータドライバ、電源ドライバ等に、本発明に係る画像処理装置のドライバ回路の構成を適用するものであってもよい。
本発明に係る画像処理装置(画像読取装置の一実施形態を示す概略構成図である。 本実施形態に係るフォトセンサアレイに適用可能なフォトセンサの素子構造を示す概略断面図である。 本実施形態に係るフォトセンサアレイにおける基本的な駆動制御方法を示すタイミングチャートである。 本実施形態に係る画像読取装置を指紋読取装置に適用した場合の要部断面図である。 本実施形態に係る画像読取装置に適用可能なトップゲートドライバの一構成例を示す概略ブロック図である。 本実施形態に係る画像読取装置に適用可能なボトムゲートドライバの一構成例を示す概略ブロック図である。 本実施形態に係るトップゲートドライバ又はボトムゲートドライバに適用可能なシフトレジスタ回路部の具体例を示す回路構成図である。 本実施形態に係るトップゲートドライバに適用可能な出力バッファ部及びレベルシフト回路部の具体例を示す回路構成図である。 本実施形態に係るトップゲートドライバ又はボトムゲートドライバを構成する各回路部に適用される論理素子の回路構成を示す図である。 本実施形態に係るトップゲートドライバに適用可能なレベルシフト回路部の各端子及び接点における信号電圧の変化を示すシミュレーション結果である。 本実施形態に係る画像読取装置に適用可能なソースドライバの一構成例を示す概略ブロック図である。 本構成例に係るソースドライバに適用可能なシフトレジスタ回路部の一例を示す回路構成図である。 本構成例に係るソースドライバに適用可能なプリチャージ回路部、サンプリング回路部、ソースフォロワ回路部及びパラレル−シリアル変換回路部の具体例を示す回路構成図である。 本実施形態に係る画像読取装置の素子構造の第1の例を示す概略断面図である。 第1の素子構造に係る画像読取装置の製造方法(その1)を示すプロセス断面図である。 第1の素子構造に係る画像読取装置の製造方法(その2)を示すプロセス断面図である。 第1の素子構造に係る画像読取装置の製造方法(その3)を示すプロセス断面図である。 本実施形態に係る画像読取装置の素子構造の第2の例を示す概略断面図である。 第2の素子構造に係る画像読取装置の製造方法(その1)を示すプロセス断面図である。 第2の素子構造に係る画像読取装置の製造方法(その2)を示すプロセス断面図である。 本実施形態に係る画像読取装置の素子構造のさらに他の例を示す概略断面図である。 従来技術における画像読取装置(指紋読取装置)の一例を示す概略構成図である。 従来技術における画像表示装置(液晶表示装置)の一例を示す概略構成図である。 従来技術における画像読取装置(指紋読取装置)の問題点を説明するための図である。
符号の説明
PS フォトセンサ
FETp、FETn、FETx 電界効果型トランジスタ
Gp、Gn、Gx ゲート電極
BGx ボトムゲート電極
TGx トップゲート電極
11、51 半導体層
100 画像読取装置
110 フォトセンサアレイ
120 トップゲートドライバ
121 シフトレジスタ回路部
122 出力バッファ部
123 レベルシフト回路部
130 ボトムゲートドライバ
140 ソースドライバ

Claims (14)

  1. 画素アレイに2次元配列された複数の画素の各々を、所望の駆動状態で動作させるドライバ回路を有する画像処理装置において、
    少なくとも、前記ドライバ回路は、ポリシリコンからなる第1の半導体層を用いたポリシリコン薄膜トランジスタ、及び、アモルファスシリコンからなる第2の半導体層を用いたアモルファスシリコン薄膜トランジスタを含む複数の薄膜トランジスタを有して構成され、前記薄膜トランジスタとして前記ポリシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成される回路部分と前記薄膜トランジスタとして前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成される回路部分とを有して単一の絶縁性の基板上に前記画素と一体的に形成され、前記ドライバ回路における前記第2の半導体層は、前記基板を基準にして、前記第1の半導体層よりも上層側に設けられていることを特徴とする画像処理装置
  2. 前記ドライバ回路を構成する、前記ポリシリコン薄膜トランジスタ、及び、前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタは、各々複数の導電層を有し、
    前記ポリシリコン薄膜トランジスタの少なくとも1つの導電層は、前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタの何れか1つの導電層と共通の電極形成層に設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置
  3. 前記複数の画素の各々は、前記第2の半導体層を用いた薄膜トランジスタ構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置
  4. 前記画素アレイと前記ドライバ回路との間に配線接続領域を有し、
    前記画素と前記ドライバ回路とを接続する層間配線のうち、特定の層間配線を共用した構成を有していることを特徴とする請求項1又は記載の画像処理装置
  5. 前記ドライバ回路は、少なくとも、
    前記画素に所定の信号レベルを有する駆動制御信号を生成して出力する出力回路部を備え、
    前記出力回路部は、前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタを含んで構成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の画像処理装置
  6. 前記出力回路部は、前記薄膜トランジスタとして前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成され、前記駆動制御信号を前記画素に印加するための信号線に直接接続される回路部分を有することを特徴とする請求項記載の画像処理装置
  7. 前記画素は、前記駆動制御信号に基づいて、所定の輝度階調を表示する表示画素であることを特徴とする請求項記載の画像処理装置
  8. 前記出力回路部は、少なくとも、
    第1の電圧振幅を有する第1の入力信号、及び、前記第1の入力信号の反転信号となる第2の入力信号が個別に入力され、前記第1の入力信号の反転信号となる第3の入力信号を生成する入力段のインバータ回路と、
    前記第1の入力信号に基づく信号電圧、及び、前記第3の入力信号が個別に入力され、前記第1の電圧振幅よりも大きい第2の電圧振幅を有する出力信号を生成する出力段のインバータ回路と、
    前記第1の入力信号及び前記出力信号の電位差を電圧成分として保持し、前記出力段のインバータ回路に入力される前記信号電圧を昇圧するブートストラップ回路部と、
    を有し、
    前記入力段及び前記出力段のインバータ回路、並びに、前記ブートストラップ回路部は、前記薄膜トランジスタとして、単一のチャネル極性を有する前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成されていることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置
  9. 前記複数の画素の各々は、前記第2の半導体層により構成されるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、を備えたダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有するフォトセンサであることを特徴とする請求項記載の画像処理装置
  10. 前記ドライバ回路は、前記画素の前記第1のゲート電極に、前記第1のゲート電極に印加して前記フォトセンサを初期化するリセットパルスを出力する第1の走査駆動手段と、前記画素の前記第2のゲート電極に、電荷蓄積期間に前記チャネル領域に入射した光の量に応じて蓄積された電荷の量に対応する電圧信号を出力する読み出しパルスを出力する第2の走査駆動手段と、を備え、
    前記第1の走査駆動手段は、前記出力回路部のうち、少なくとも前記第1のゲート電極に直接接続される回路部分が、前記薄膜トランジスタとして前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成されるとともに、前記出力回路部以外が、前記薄膜トランジスタとして前記ポリシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成され、
    前記第2の走査駆動手段は、前記薄膜トランジスタとして前記ポリシリコン薄膜トランジスタのみを有して構成されていることを特徴とする請求項記載の画像処理装置
  11. 複数の画素が2次元配列された画素アレイとともに、単一の絶縁性の基板上に設けられ、前記複数の画素の各々を、所望の駆動状態で動作させるドライバ回路を有する画像処理装置の製造方法において、
    前記ドライバ回路は、ポリシリコンからなる第1の半導体層を用いたポリシリコン薄膜トランジスタ及びアモルファスシリコンからなる第2の半導体層を用いたアモルファスシリコン薄膜トランジスタ含んで構成され、前記複数の画素の各々は、前記第2の半導体層を用いた薄膜トランジスタ構造を有して構成され、
    少なくとも、前記基板上に、
    ポリシリコンからなる第1の半導体層を形成する工程と、
    前記第1の半導体層を用いて、前記ドライバ回路に適用される前記ポリシリコン薄膜トランジスタを形成する工程と、
    前記第1の半導体層よりも上層側に、アモルファスシリコンからなる第2の半導体層を形成する工程と、
    前記第2の半導体層を用いて、前記ドライバ回路に適用される前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタ、及び、前記画素に適用される薄膜トランジスタ構造を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理装置の製造方法。
  12. 前記第1の半導体層を形成する工程は、第1の温度条件の下で施され、前記第2の半導体層を形成する工程は、最高温度が前記第1の温度条件よりも低い第2の温度条件の下で施されることを特徴とする請求項11記載の画像処理装置の製造方法。
  13. 前記ドライバ回路に適用される前記ポリシリコン薄膜トランジスタを形成する工程、及び、前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタを形成する工程は、各々、複数の導電層を形成する工程を含み、
    前記複数の導電層を形成する工程は、前記ポリシリコン薄膜トランジスタの少なくとも何れか1つの導電層と、前記アモルファスシリコン薄膜トランジスタの少なくとも何れか1つの導電層とを、共通の電極形成層として同時に形成する工程を含むことを特徴とする請求項11記載の画像処理装置の製造方法。
  14. 前記複数の画素の各々は、前記第2の半導体層により構成されるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、前記第2の半導体層の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、を備えたダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有し、
    前記導電層を共通の電極形成層として同時に形成する工程は、さらに、前記第2のゲート電極を、前記ポリシリコン薄膜トランジスタのゲート電極と、共通の電極形成層に同時に形成する工程を含むことを特徴とする請求項13記載の画像処理装置の製造方法。
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