JP4009727B2 - 酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブとその製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブとその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4009727B2
JP4009727B2 JP2003418742A JP2003418742A JP4009727B2 JP 4009727 B2 JP4009727 B2 JP 4009727B2 JP 2003418742 A JP2003418742 A JP 2003418742A JP 2003418742 A JP2003418742 A JP 2003418742A JP 4009727 B2 JP4009727 B2 JP 4009727B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zinc oxide
gallium
gallium oxide
oxide
nanotube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003418742A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005179087A (ja
Inventor
義雄 板東
ジンツィ・フウ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute for Materials Science
Original Assignee
National Institute for Materials Science
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute for Materials Science filed Critical National Institute for Materials Science
Priority to JP2003418742A priority Critical patent/JP4009727B2/ja
Publication of JP2005179087A publication Critical patent/JP2005179087A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4009727B2 publication Critical patent/JP4009727B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

この出願の発明は、酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブとその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、触媒、磁気記録、高性能セラミックス、マイクロエレクトロニクス部品等として電子、光学、機械等の様々な分野において利用が期待される酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブとその製造方法に関するものである。
一次元ナノスケール材料は、バルク材料には見られないユニークな電気的、光学的、機械的性質を有し、触媒、磁気記録、高機能セラミックスや超小型電子部品等として様々な分野での応用が期待できることから、近年多大な関心を集めている。そして従来より、様々な組成および形態のナノチューブおよびナノワイヤーについての報告がなされており、特に最近では、層状に複合化したナノ構造物について大きな関心が示されている。たとえば、これまでに、共軸ナノケーブル(coaxial nanocables)および共軸ナノチューブ(coaxial nanotubes)等といわれる多層ナノ構造物が、様々な方法によって製造できること
が報告されている。
具体的に例をあげると、炭化ケイ素ナノワイヤーの外側に、アモルファス二酸化珪素、炭素、窒化ホウ素等の層をそれぞれ成長させた多層構造のナノケーブルが、レーザー・アブレーション法によって製造されている(非特許文献1)。また、珪素を芯(コア)とし、中間層として二酸化ケイ素、外層として炭素を有する多層構造のナノケーブルが、レーザー・アブレーションと熱蒸発を組み合わせた方法で製造されている(非特許文献2)。さらに、炭素(コア)−窒化ホウ素(中間層)−炭素(外層)で構成される三層ナノケーブルが、アーク放電方法により製造されている(非特許文献3)。
また、カーボンナノチューブをテンプレートとし、化学的挿入、物理的挿入、アークカプセル充填、あるいは固相からの触媒成長によるカプセル化等といった様々な充填技術を利用して、カーボンナノチューブの内部に他の材料をカプセル充填し、様々な種類のナノケーブルが製造されている。
Y. Zhang、外,「サイエンス(Science)」,281巻,p.973,1998年 W. Shi、外,「アドバンスト・マテリアルズ(Adv. Mater.)」,12巻,p.1927,2000年 K. Suenaga、外,「サイエンス(Science)」,278巻,p.653,1997年
しかしながら、従来の多層ナノ構造物は構成する材料の組み合わせが乏しく、その利用性は限られたものになってしまっていた。もし上記のとおりの多層ナノ構造物が、たとえば半導体と絶縁体あるいは金属材料からなる多層構造物として実現されれば、一次元ナノ構造物内で軸方向に異なる電子特性の材料を一体化させることができるなど、その有用性は飛躍的に高まることが期待できる。そのため、様々な分野の人々により、様々な種類の材料等が組み合わせられた多層ナノ構造の製造が試みられている。
さらに、上記の従来の多層ナノ構造物の製造方法は、レーザー・アブレーション法、アーク放電法、またはそれらに熱蒸発法が組み合わされた、複雑な反応プロセスによるものであった。
そこで、以上のとおりの事情に鑑み、この出願の発明は、触媒、磁気記録、高性能セラミックス、マイクロエレクトロニクス部品等といった電子分野、光学分野、機械部品、その他の様々な潜在的応用分野において有用となる、一次元ナノスケール材料の1つ、酸化亜鉛で被覆された酸化ガリウムナノチューブと、その簡易な製造方法を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、酸化ガリウムナノチューブの外表面が、酸化亜鉛の層で被覆されていることを特徴とする酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブを提供する。
そしてこの出願の発明は、第2には、ナノチューブの空隙の一部または全部に、ガリウムが充填されていることを特徴とする酸化亜鉛―酸化ガリウムナノチューブを、第3には、酸化ガリウムなのチューブの内径が80nm±10nm、壁厚が25nm±10nmで、酸化亜鉛の層の厚さが15nm±10nmであって、長さが数μm〜数十μmであることを特徴とする酸化亜鉛―酸化ガリウムナノチューブを、第4には、アモルファスであることを特徴とする酸化亜鉛―酸化ガリウムナノチューブを、第5には、543nm近傍にフォトルミネッセンスベクトルを有することを特徴とする酸化亜鉛―酸化ガリウムナノチューブを提供する。

さらにこの出願の発明は、第6には、酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末の混合物をグラファイトるつぼに入れ、不活性ガス気流中、1200〜1500℃で1.5〜2時間加熱することを特徴とする酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの製造方法を提供する。
またこの出願の発明は、第7には、加熱には、縦型高周波誘導加熱炉を用いることを特徴とする製造方法を、第8には、炉内の誘導加熱シリンダが、炭素繊維からなる断熱層で覆われていることを特徴とする製造方法を提供する。
上記のとおりのこの出願の発明によって、酸化亜鉛および酸化ガリウムという2種類の2元系酸化物からなる二層構造を一次元ナノスケールで実現することができ、さらには、その二層構造を有するナノチューブの中に金属ガリウムが充填されたナノワイヤーをも実現することができる。この材料は、酸化亜鉛および酸化ガリウム単独とは異なる性質を示すことが期待でき、触媒、磁気記録、高性能セラミックス、マイクロエレクトロニクス部品等としての応用が期待できる新規な材料である。また、この出願の発明の方法によって、この酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブを簡易なプロセスで容易に製造することができる。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
この出願の発明が提供する酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブは、酸化ガリウムナノチューブの外表面が、酸化亜鉛の層で被覆されていることを特徴としている。
この出願の発明における酸化ガリウムナノチューブは、代表的には、内径が約80nm、壁厚が約25nm程度であって、長さは数μm〜数十μm程度の範囲で任意のものとすることができる。そして、この酸化ガリウムナノチューブの外表面は、約15nmの均一な厚みの酸化亜鉛の層で被覆されて一体化されており、この出願の発明の酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブを構成している。なお、ここで、寸法における「約」との意味は、
内径および厚みについて、±10nm程度の範囲のものをも含むことを示している。そして、酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブ全体として、外径は、代表的には約150nm±20nm程度、長さは数μm〜数十μm程度の範囲で任意のものとすることができる。この酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブは、長さ方向にまっすぐなもの、湾曲しているもの、枝分かれしているものなど、様々な形態のものを含むことができる。
このようなこの出願の発明の酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブは、酸化亜鉛および酸化ガリウムの2種類の2元系酸化物が半径方向に積層して、一次元ナノスケールの二層構造物を実現しているといえる。
この出願の発明の酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブにおいて、酸化ガリウムの化学組成は、一般式Ga23で表される化学量論組成と同一もしくは極めて近いものとすることができ、酸化亜鉛については、一般式ZnOで表される化学量論組成のものとすることができる。そして、この酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブは、そのままの状態では結晶ではなく、アモルファスである。
またさらにこの出願の発明が提供する酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブは、上記の酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの空隙の一部または全部に、金属ガリウムが充填されていることを特徴としている。
酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブ内へのガリウムの充填の様子は多様であって、長さの長い酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの空隙が全て満たされているものをはじめ、チューブの湾曲部が充填されているものや、空隙の一部が満たされているものなど、様々なものとすることができる。なかでも、空隙が全てガリウムで満たされている酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブは、ガリウム(コア)−酸化ガリウム(中間層)−酸化亜鉛(外層)からなる多層ナノ構造物であるともいえる。
そして、この出願の発明の酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブは、室温で、波長325nmのHe−Cdレーザーを励起源として用いた場合、543nm近傍にフォトルミネッセンススペクトルを有することを特徴としている。これは、ガリウムが充填されているものいないものともに、同じ特性を示す。この発光帯は、酸化亜鉛および酸化ガリウム単独での発光帯とは異なることから、酸化亜鉛および酸化ガリウムが層状に複合化することによって生まれた性状である。
このように、この出願の発明の酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブは、それぞれ単独の組成からなるナノチューブとは異なった新規な性状を有しており、さらなる新しい特性が見出されることが期待される。
以上のようなこの出願の発明の酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブは、たとえば以下のこの出願の発明の製造方法により、容易に製造することができる。
すなわち、この出願が提供する酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの製造方法は、酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末の混合物をグラファイトるつぼに入れ、不活性ガス気流中、1200〜1500℃で1.5〜2時間加熱することを特徴としている。
出発材料の酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末は、純度や粒径等に厳密な制限はなく、たとえば、アルドリッチ社製の酸化亜鉛粉末(ZnO、純度99.9%)および酸化ガリウム粉末(Ga23、純度99.9%)等を使用することが、おおよその目安として例示される。
酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末の配合は、重量比で、2.4:1〜2.4:2程度の範囲とするのが好ましい。これよりも酸化亜鉛が多いと、得られる酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブにおける酸化ガリウムの部分に酸化亜鉛が混入しやすくなってしまうために好ましくない。またこれよりも酸化亜鉛が少ないと、得られる酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブにおける酸化亜鉛の層の厚さが極めて薄くなり、十分な機械的強度が得られにくくなるために好ましくない。
上記の出発材料を入れるるつぼには、グラファイトるつぼを用いるようにしている。グラファイトるつぼは耐熱温度が高いだけではなく、酸化ガリウム(Ga23)粉末からGa20蒸気を発生させるのに効果的であると考えられるからである。
不活性ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の希ガスなどを用いることができる。不活性ガスはキャリアガスとしての役割をもち、その流量は、60〜150sccmの範囲とするのが好適である。流量が60sccmよりも少ない場合には、酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの収量が減少してしまうために好ましくない。また、流量の上限は150sccm程度で十分であり、それよりも多いといたずらに不活性ガスを消費することになるので好ましくない。
加熱温度は、1200〜1500℃程度の範囲が好ましく、より好ましくは、1300℃〜1400℃である。1500℃よりも高い場合および1200℃よりも低い場合には、酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブが極端に形成されにくくなってしまうために好ましくない。
加熱の時間は、1.5〜2.5時間程度の範囲が好ましく、1.5時間よりも少ない場合には収量が低下することが多いために好ましくない。また、製造条件によっても異なってくるが、おおよその場合において、反応を完結させるには2.5時間で十分であるため、加熱時間の上限は2.5時間程度としている。
このような条件で出発材料の酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末を加熱すると、まず、以下のとおりGa20蒸気が発生する。
Ga23+2C(るつぼ由来) → Ga20+2CO
Ga23 → Ga20+02
このGa20蒸気はキャリアガスによってすみやかに下流側の堆積ゾーンへ輸送され、
蒸−固(VS)成長メカニズムによりGa20ナノチューブを形式する。その間、一部の
Ga20蒸気は適切な温度で以下のとおりCOと反応してGaとなり、生成したGa20ナノチューブの間隙に充填していくと考えられる。
Ga20+2CO → 2Ga+C+C02
そしてこれらのGa2Oナノチューブが酸化されることで、Ga23ナノチューブ(酸
化ガリウムナノチューブ)が形成される。酸化亜鉛については、酸化ガリウムよりも高温で、すなわち遅れて蒸発し、またより低温で遅れて固化するため、先に形成されたGa2
3ナノチューブをテンプレートとし、その外表面を被覆する形で堆積して、この出願の
発明のZnO−Ga23ナノチューブ(酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブ)を形成すると考えられる。この酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブは、灰白色のウール状の生成物として、堆積ゾーンに堆積する。製造される酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブは、断面形状が略円形で、その先端は開口しており、約70%のものが空隙の一部もしくは全部をガリウムで充填されている。
このように、この出願の発明の方法は、熱的反応と物理的堆積を組み合わせた単純なプ
ロセスで構成されている。
以上のとおりの酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの製造には、加熱の際の温度制御が容易な点や、装置の構成の点等から、縦型高周波誘導加熱炉を用いることが好ましい例として上げられる。縦型高周波誘導加熱炉としては、たとえば、具体的には、透明溶融石英管の内部に誘導加熱シリンダが配置され、シリンダの上部と底部にキャリアガスのための入口パイプと出口パイプがそれぞれ備えられているもの等を用いることが好適である。この場合、透明溶融石英管と誘導加熱シリンダの間が堆積ゾーンとなる。さらに、誘導加熱シリンダが炭素繊維からなる断熱層で覆われている場合には、この断熱層の表面が好適な堆積ゾーンとなり、酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブは炭素繊維の表面に灰白色のウール状の生成物として堆積する。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん、以下の例によって発明が限定されることはない。
アルドリッチ社製の酸化亜鉛粉末(純度99.9%)1.2gとアルドリッチ社製の酸化ガリウム粉末(純度99.9%)0.5gの混合物を、外径2.5cm、高さ2cm、壁厚3mmのグラファイト製るつぼに入れた。このるつぼを、縦型高周波誘導加熱炉の中の支持台に取り付けた。この加熱炉は、透明溶融石英管(長さ50cm、外径12cm、壁厚0.25cm)の内部に高純度グラファイトからなる誘導加熱シリンダ(長さ25c
m、外径4.5cm、内径3.5cm)、さらにその中にグラファイト製の支持台が設置
された構成のものであり、誘導加熱シリンダは炭素繊維からなる断熱層で覆われ、シリンダの上部と底部にグラファイト製の入口パイプと出口パイプがそれぞれ備えられている。
るつぼを誘導加熱シリンダの中心部に移動させた後、ロータリーポンプを作動させて加熱炉内を5×10-1Torrの減圧にし、アルゴンガスを流量80sccmで流しながら、混合物を1350℃で2時間加熱した。なお、加熱時の石英管内部は大気圧であり、るつぼ内の混合物の温度は精度±10℃の光高温計によって計測した。
加熱終了後、加熱炉を室温まで冷却したところ、断熱のために用いた炭素繊維の表面に、灰白色のウール状の生成物が数mg堆積しているのが確認された。
生成物を集め、X線エネルギー分散型分光計(EDS)を備えた透過型電子顕微鏡(TEM;JEM−3000F)を使用して観察した。図1は生成物の明領域のTEM像でああり、得られた生成物の一般的な形態を示したものである。生成物は何れもナノメートルオーダーの一次元構造物の形態を有しており、その一部は外側が比較的暗く内側が明るく写っていることから中空のナノチューブであることがわかり、その他のほとんどのものは、長さ方向に沿って外側が明るく内側がより暗く写っていることから、ナノチューブの内部に充填物を含んだナノケーブルを形成していることがわかった。より詳細に観察すると、ナノチューブのチューブ壁部(ナノチューブの暗部)とナノケーブルのチューブ壁部(ナノケーブルの明部)のコントラストと厚さがほぼ同じでであることから、ナノチューブの空隙内部に充填物が充填されることによってナノケーブルが形成されていることがわかった。このナノチューブの外径は約150nm、内径は約80nmで、壁の厚さは約40nm、長さは数μm〜10数μmであった。
図1の挿入図は生成物から得られた電子回折パターンであるが、広がったリングだけが表れ、回析スポットが見られなかったことから、得られたナノチューブおよびナノケーブルがアモルファスであることがわかった。
図2に生成物の高分解能TEM像を示した。このナノチューブには内側と外側とで異なる層を形成し、外側の層と内側の層の間には明瞭な界面がみられ、ナノチューブが二層構造であることがわかった。外側の層は約15nm、内側の層は約25nmで、共に均一な厚さの層を構成していた。図のより明るい方のコントラストの層が外側の層で、より暗いコントラストの層が内側の層である。このTEM像では、いずれの層にも結晶格子を確認することができず、得られたナノチューブがアモルファスであることを明らかにしている。
図3に、ナノチューブの外側の層のX線エネルギー拡散スペクトルを示した。亜鉛と酸素のピークが見られ、その原子比はほぼ1:1であることから、ナノチューブの外側の層は化学量論組成に近い酸化亜鉛(ZnO)であることがわかった。
図4に、ナノチューブの内側の層のX線エネルギー拡散スペクトルを示した。ガリウム、酸素、亜鉛のピークが現れていた。その組成は、少量の酸化亜鉛(ZnO)が混じった三酸化ガリウム(Ga23)の化学量論組成に近似していることがわかった。酸化亜鉛は、三酸化ガリウムの内部ではなく界面近傍に存在していると考えられる。
図5に、充填物を含んだナノチューブの、充填物のX線エネルギー拡散スペクトルを示した。この充填物は金属ガリウム(Ga)からなることがわかった。
なお、図3〜5には、何れも銅のピークが検出されているが、これは試料作製に用いる試料取り付け治具の銅グリッドに由来するものである。
図6に、波長325nmのHe−Cdレーザーを励起源として用い、室温で測定した、350〜800nmの範囲の生成物のフォトルミネッセンススペクトルを示した。このナノチューブおよびナノケーブルは、共に543nmに中心を持つ幅広い緑色の発光を示す材料であることがわかった。
以上のことから、この出願の発明の酸化亜鉛被覆酸化ガリウムナノチューブと、Ga充填酸化亜鉛被覆酸化ガリウムナノチューブが製造されたことが示された。
もちろん、この出願の発明は以上の実施形態および実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能である。
以上詳しく説明した通り、この出願の発明によって、2種類の二元系酸化物からなる積層構造を1次元ナノスケールで実現した酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブと、単純なプロセスで構成されるその製造方法が提供される。
実施例で得られた酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの透過型電子顕微鏡像を例示した図であって、挿入図は、その電子線回折パターンである。 実施例で得られたGaが充填された酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの縦断面の高解像度透過型電子顕微鏡像を例示した図である。 実施例で得られたGaが充填された酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの、外側の層のX線エネルギー拡散スペクトルを例示した図である。 実施例で得られたGaが充填された酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの、内側の層のX線エネルギー拡散スペクトルを例示した図である。 実施例で得られたGaが充填された酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの、充填物のX線エネルギー拡散スペクトルを例示した図である。 Gaが充填された酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブのフォトルミネッセンススペクトルである。

Claims (8)

  1. 酸化ガリウムナノチューブの外表面が、酸化亜鉛の層で被覆されていることを特徴とする酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブ。
  2. ナノチューブの空隙の一部または全部に、ガリウムが充填されていることを特徴とする請求項1に記載の酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブ。
  3. 酸化ガリウムナノチューブの内径が80nm±10nm、壁厚が25nm±10nmで、酸化亜鉛の層の厚さが15nm±10nmであって、長さが数μm〜数十μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の酸化亜鉛―酸化ガリウムナノチューブ。
  4. アモルファスであることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブ。
  5. 543nm近傍にフォトルミネッセンススペクトルを有することを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブ。
  6. 酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末の混合物をグラファイトるつぼに入れ、不活性ガス気流中、1200〜1500℃で1.5〜2時間加熱することを特徴とする酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの製造方法。
  7. 加熱には、縦型高周波誘導加熱炉を用いることを特徴とする請求項6記載の酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブの製造方法。
  8. 炉内の誘導加熱シリンダが、炭素繊維からなる断熱層で覆われていることを特徴とする請求項または記載の酸化亜鉛―酸化ガリウムナノチューブの製造方法。
JP2003418742A 2003-12-16 2003-12-16 酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブとその製造方法 Expired - Lifetime JP4009727B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003418742A JP4009727B2 (ja) 2003-12-16 2003-12-16 酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003418742A JP4009727B2 (ja) 2003-12-16 2003-12-16 酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005179087A JP2005179087A (ja) 2005-07-07
JP4009727B2 true JP4009727B2 (ja) 2007-11-21

Family

ID=34780845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003418742A Expired - Lifetime JP4009727B2 (ja) 2003-12-16 2003-12-16 酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4009727B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2007145088A1 (ja) * 2006-06-14 2009-10-29 コニカミノルタエムジー株式会社 半導体ナノ粒子及びその製造方法
CN113830820B (zh) * 2021-10-20 2022-12-02 安徽工程大学 一种管状氧化镓纳米材料及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005179087A (ja) 2005-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Golberg et al. Filling boron nitride nanotubes with metals
Zhang et al. Diameter modification of silicon nanowires by ambient gas
Liang et al. Large-scale synthesis of β-SiC nanowires by using mesoporous silica embedded with Fe nanoparticles
Shi et al. Synthesis and microstructure of gallium phosphide nanowires
Hu et al. Fabrication of Germanium‐Filled Silica Nanotubes and Aligned Silica Nanofibers
Hu et al. Synthesis of Gallium‐Filled Gallium Oxide–Zinc Oxide Composite Coaxial Nanotubes
JP5197565B2 (ja) 酸化物シースを有する金属ナノワイヤ、及びその製造方法
Alexandrescu et al. Combining resonant/non-resonant processes: Nanometer-scale iron-based material preparation via CO2 laser pyrolysis
Zhu et al. Design and fabrication of BN‐sheathed ZnS nanoarchitectures
Meng et al. Synthesis and characterization of ZnS bicrystal nanoribbons
JP4009727B2 (ja) 酸化亜鉛−酸化ガリウムナノチューブとその製造方法
Fan et al. Formation of ZnS/SiO2 nanocables
Lin et al. One-step formation of core–shell sulfide–oxide nanorod arrays from a single precursor
Zhang et al. Intensive blue-light emission from semiconductor GaN nanowires sheathed with BN layers
Kang et al. Structural and optical properties of as-synthesized, Ga2O3-coated, and Al2O3-coated GaN nanowires
JP2010241666A (ja) コアシェル構造型炭化ケイ素ナノワイヤー及びその製造方法
JP2004323302A (ja) 酸化マグネシウムナノワイヤーおよび酸化マグネシウムナノロッドの製造方法
Yang et al. Self-catalytic synthesis and light-emitting property of highly aligned Mn-doped Zn2SiO4 nanorods
JP4441617B2 (ja) 窒化アルミニウムナノチューブ及びその製造方法
JP2005350298A (ja) 窒化アルミニウムナノリボンの製造方法
JP2005349515A (ja) 外壁および内壁が炭素膜で覆われた窒化アルミニウムナノチューブとその製造方法。
JP4701451B2 (ja) 炭化珪素膜で被覆された硫化亜鉛ナノケーブルおよびその製造方法
JP2004339020A (ja) 窒化ガリウムナノチューブの製造方法
JP4496353B2 (ja) セレン化亜鉛膜で被覆された珪素ナノ粒子及びその製造方法
JP4576607B2 (ja) 単結晶硫化亜鉛ナノチューブとその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070807

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4009727

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term