JP4009658B1 - 捕虫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ループ状に形成して吊り下げた際に、下向きの捕虫面を広く確保することのできる捕虫シートを提供する。
【解決手段】片面に粘着層11が設けられたシート12を、シート12を二分する直線Lを折り線として、直線Lを挟む両側の領域α,βの粘着層11を互いに密着させるように二つ折りにし、使用時には、二つ折りにされたシート12を開いて粘着層11が形成されていない側に反らせ、領域α側の端部と領域β側の端部とを近接させて固定することによりループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げることにより、前記ループの外面に配された粘着層11で虫を捕獲するようにした捕虫シート10において、シート12を展開速度5.2mm/sで開いて前記ループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げた際に、領域αと領域βとが直線Lの近傍でなす上側の角度θが180°を超えるようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、ナガマドキノコバエなど、普段はあまり飛び回ることなく天井面に逆さに止まって休息する生態を有する害虫を多く捕獲することのできる捕虫シートと捕虫方法とに関する。
椎茸の菌床栽培は、椎茸を安定的に周年出荷することができるように、空調設備を導入したハウスで行うのが一般的となっている。ハウスの室温は、年間を通じて20℃前後に保たれ、その湿度も高く維持される。ところが、このような環境は、椎茸の生育だけでなく、害虫の生息にとっても好都合であるために、椎茸の菌床栽培においては、菌床から発せられる発酵臭に誘引されて集まってくる害虫をいかに防除するかが大きな課題となっている。
とくに、椎茸の生産者から「ガガンボ」と呼ばれているナガマドキノコバエは、その幼虫による食害だけでなく、その幼虫の這った跡が椎茸に残って商品としての価値を失わせるなど、甚大な被害を及ぼすために、椎茸の生産者は、これらの害虫の防除に様々な対策を施している。しかし、日本では、椎茸の菌床栽培で農薬を散布してこれらの害虫を防除することは認められておらず、捕虫シートや捕虫器などをハウスに設置してこれらの害虫の成虫を捕獲することが主流となっている(例えば、特許文献1)。
捕虫シートや捕虫器は、設置場所や害虫の種類などに応じて種々のものが提案されているが、そのなかには、片面に粘着層が設けられたシートを、該シートを二分する直線Lを折り線として、直線Lを挟む両側の領域α,βの前記粘着層を互いに密着させるように二つ折りにし、使用時には、二つ折りにされた前記シートを開いて前記粘着層が形成されていない側に反らせ、領域α側の端部と領域β側の端部とを近接させて固定することによりループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げることにより、前記ループの外面に配された前記粘着層で虫を捕獲するようにした、ループ吊下型の捕虫シートも提案されている(例えば、特許文献2)。
ループ吊下型の捕虫シートは、簡単に設置できて使い勝手がよいことなどから、椎茸の菌床栽培においても広く使用されるようになっているが、以下のような欠点を有していた。すなわち、従来のループ吊下型の捕虫シートは、前記固定した部分を上側として吊り下げた際に、前記ループが上下に長い形状となりやすかったために、横向きの捕虫面(法線ベクトルが鉛直上向きの成分を有する捕虫面)を広く確保することはできても、下向きの捕虫面(法線ベクトルが鉛直下向きの成分を有する捕虫面)を広く確保することが困難であった。このため、従来のループ吊下型の捕虫シートは、ナガマドキノコバエなど、普段はあまり飛び回ることなく天井面(下向きの面)に逆さに止まって休息する生態を有する害虫の捕獲に対しては、必ずしも有効なものとはなっていなかった。
特開平08−047361号公報 実開平04−103477号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡単に設置できて使い勝手がよいだけでなく、ループ状に形成して吊り下げた際に、下向きの捕虫面を広く確保することができ、ナガマドキノコバエなど、普段はあまり飛び回ることなく天井面に逆さに止まって休息する生態を有する害虫を多く捕獲することのできるループ吊下型の捕虫シートと、該捕虫シートを好適に用いることのできる捕虫方法を提供するものである。
上記課題は、片面に粘着層が設けられたシートを、該シートを二分する直線Lを折り線として、直線Lを挟む両側の領域α,βの前記粘着層を互いに密着させるように二つ折りにし、使用時には、二つ折りにされた前記シートを開いて前記粘着層が形成されていない側に反らせ、領域α側の端部と領域β側の端部とを近接させて固定することによりループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げることにより、前記ループの外面に配された前記粘着層で虫を捕獲するようにした捕虫シートであって、前記シートを展開速度5.2mm/sで開いて前記ループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げた際に、領域αと領域βとが直線Lの近傍でなす上側の角度が180°を超えるようにしたことを特徴とする捕虫シートを提供することによって解決される。
これにより、前記固定した部分を上側として捕虫シートを吊り下げた際に、直線Lの近傍に窪みを形成させ、前記ループを桃状とすることが可能になる。このため、前記ループを水平方向に広がりやすくして(前記ループが自重によって上下に長い形状となりにくいようにして)、下向きの捕虫面を広く確保することが可能になる。また、前記ループは、前記窪みが形成されていることによって形態が崩れにくくなり、長期間に亘って桃状に維持されやすくなる。したがって、ナガマドキノコバエなど、天井面に逆さに止まって休息する生態を有する害虫を多く捕獲することができるようになる。
ここで、「上側の角度」とは、前記シートにおける領域αと領域βとが直線Lの近傍でなす2つの角のうち、前記シートよりも上側に形成される角(前記ループの内側に形成される角)の大きさのことをいう。より具体的には、図4に示すように、前記シート(図4の符号12)を開いてループを形成して吊り下げた際に、前記シートと領域αで接する平面のうち直線Lを含む平面α’と、前記シートと領域βで接する平面のうち直線Lを含む平面β’とがなす2つの角のうち、前記シート12よりも上側に形成される角度θのことをいう。以下においては、説明の便宜上、この角度を単に「角度θ」と表すことがある。
また、「前記シートを展開速度5.2mm/sで開いて前記ループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げた際に」とは、本発明の捕虫シートを実際に使用する際の展開速度を限定するものではなく、「本発明の捕虫シートを実際に使用する際の前記シートの展開速度はいくらであってもよいが、前記シートを仮に(実験的に)展開速度5.2mm/sで開いて前記ループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げた場合には」という意味である。
上記の捕虫シートにおいて、前記粘着層の粘度は、とくに限定されないが、低くしすぎると、捕虫シートを吊り下げた際に、直線Lの近傍に窪みが形成されにくくなり、前記ループが桃状にならなくなるおそれがある。また、粘着層を構成する粘着剤が垂れ落ちやすくなるおそれもある。このため、前記粘着層の100℃における粘度は、通常、100mPa・s以上に設定される。前記粘着層の100℃における粘度は、200mPa・s以上であると好ましく、300mPa・s以上であるとより好ましい。
一方、前記粘着層の粘度を高くしすぎると、前記粘着層で虫が一旦捕獲されても、その後、虫が逃げやすくなるおそれがある。また、二つ折りにされた前記シートを開く際に前記シートが破れやすくなるおそれもある。このため、前記粘着層の100℃における粘度は、通常、5000mPa・s以下に設定される。前記粘着層の100℃における粘度は、3000mPa・s以下であると好ましく、1000mPa・s以下であるとより好ましい。
前記シートの素材は、とくに限定されないが、粘着層を形成する粘着剤が浸透しにくいものであると好ましい。これにより、粘着剤の使用量を削減できるとともに、粘着剤が前記シートの裏側へ染み出るのを防ぐことが可能になる。また、前記シートを耐水性や強度に優れたものとすれば、本発明の捕虫シートを農業でより好適に使用することもできるようになる。このような素材としては、撥水加工紙、樹脂ラミネート紙又は樹脂シートなどが例示される。なかでも、樹脂ラミネート紙は、安価であるために、前記シートとして好適に用いることができる。
前記シートの厚さは、とくに限定されないが、薄くしすぎると、前記シートが柔らかくなって直線Lの近傍で癖が付きにくくなり、捕虫シートを吊り下げた際に前記ループの形態が崩れやすくなるおそれがある。このため、前記シートの厚さは、通常、40μm以上に設定される。前記シートの厚さは、60μm以上であると好ましく、100μm以上であるとより好ましい。
一方、前記シートを厚くしすぎると、前記シートが硬くなりすぎて、角度θを180°よりも大きくすることが困難になるおそれがある。このため、前記シートの厚さは、通常、300μm以下に設定される。前記シートの厚さは、280μm以下であると好ましく、250μm以下であるとより好ましい。
前記シートの領域α側の端部から領域β側の端部までの長さは、とくに限定されないが、短くしすぎると、捕虫面を広く確保できなくなるおそれがある。このため、前記シートの領域α側の端部から領域β側の端部までの長さは、通常、10cm以上に設定される。前記シートの領域α側の端部から領域β側の端部までの長さは、15cm以上であると好ましく、20cm以上であるとより好ましい。
一方、前記シートの領域α側の端部から領域β側の端部までを長くしすぎると、捕虫シートを吊り下げた際に、前記ループが自重によって上下に長い形状となりやすくなるおそれがある。このため、前記シートの領域α側の端部から領域β側の端部までの長さは、通常、100cm以下に設定される。前記シートの領域α側の端部から領域β側の端部までの長さは、80cm以下であると好ましく、60cm以下であるとより好ましい。
また、上記課題は、片面に粘着層が設けられたシートを、該シートを二分する直線Lを折り線として、直線Lを挟む両側の領域α,βの前記粘着層を互いに密着させるように二つ折りにした捕虫シートを用いて虫を捕獲する捕虫方法であって、二つ折りにされた前記シートを開いて前記粘着層が形成されていない側に反らせ、領域α側の端部と領域β側の端部とを近接させて固定することによりループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げて、領域αと領域βとが直線Lの近傍でなす上側の角度が180°を超えるようにし、前記ループの外面に配された前記粘着層で虫を捕獲するようにしたことを特徴とする捕虫方法を提供することによっても解決することができる。
本発明の捕虫方法は、農業において好適に使用することができる。農業で栽培する植物(光合成を行う高等植物だけでなく、菌類など、光合成を行わない下等植物をも含む)や飼育する生物の種類は、とくに限定されないが、茸などの菌類、そのなかでも椎茸であると好ましい。というのも、椎茸の菌床栽培においては、ナガマドキノコバエの幼虫が這った跡が茸に付くことが問題となっているが、このナガマドキノコバエは、天井面に逆さに止まって休息する生態を有しており、本発明の捕虫方法によって好適に捕獲することができるからである。
以上のように、本発明によって、簡単に設置できて使い勝手がよいだけでなく、ループ状に形成して吊り下げた際に、下向きの捕虫面を広く確保することができ、ナガマドキノコバエなど、天井面に逆さに止まって休息する生態を有する害虫を多く捕獲することのできるループ吊下型の捕虫シートと該捕虫シートを用いた捕虫方法を提供することが可能になる。
本発明の捕虫シートと捕虫方法の好適な実施態様について図面を用いてより具体的に説明する。図1は、二つ折りする前の捕虫シート10を示した斜視図である。図2は、二つ折りした後の捕虫シート10を示した斜視図である。図3は、二つ折りにされたシート12を開いて粘着層11が形成されていない側に反らせ、領域α側の端部と領域β側の端部とを近接させて固定することによりループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げた状態の捕虫シート10を示した斜視図である。図4は、図3に示した捕虫シート10の正面図である。図5は、図4に示した捕虫シート10における直線Lの近傍に形成された窪みの周辺を示した拡大図である。
1.捕虫シートの概要
本発明の捕虫シート10は、図1と図2に示すように、片面に粘着層11(網掛けのハッチングで示される部分)が設けられたシート12を、シート12を二分する直線L(線分PQ)を折り線として、直線Lを挟む両側の領域α(長方形APQDで示される部分)と領域β(長方形BPQCで示される部分)の粘着層11を互いに密着させるように二つ折りにしたものとなっている。
この捕虫シート10は、図3に示すように、使用時には、二つ折りにされたシート12を開いて粘着層11が形成されていない側に反らせ、領域α側の端部と領域β側の端部とを近接させて固定することによりループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げることにより、前記ループの外面に配された粘着層11で虫を捕獲するものとなっている。本発明の捕虫シート10は、シート12を展開速度5.2mm/sで開いて前記ループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げた際に、領域αと領域βとが直線Lの近傍でなす上側の角度θ(図4を参照)が180°を超えるものとなっている。
2.シート
シート12の形状は、ループを形成できるのであればとくに限定されず、三角形や四角形などの多角形の他、円形や楕円形などであってもよい。本実施態様の捕虫シート10において、シート12は、長手方向の長さ(図1における線分ABの長さ)が400mmで短手方向の長さ(図1における線分ADの長さ)が100mmの長方形としている。シート12には、耐水性と強度に優れた、厚さ200μmの樹脂ラミネート紙を用いている。
シート12に形成する折り線(直線L)の場所は、とくに限定されないが、シート12を二等分する箇所に設けると好ましい。これにより、捕虫シート10をループ状に形成して吊り下げた際に、直線Lの近傍に形成される窪みが捕虫シート10の下側に来るようにすることが可能になり、下向きの捕虫面を広く確保しやすくすることができるようになる。また、ループ状に形成した捕虫シート10をバランスよく吊り下げることも可能になる。本実施態様の捕虫シート10においては、図1に示すように、シート12の長辺ABの中点Pと長辺CDの中点Qとを結ぶ線分PQを折り線としており、図3と図4に示すように、捕虫シート10をループ状に形成して吊り下げた際に、捕虫シート10が綺麗な桃状となるようにしている。
シート12の色は、とくに限定されないが、黄系色(マンセル色相環における色相が10YR〜5Y〜10Y〜5GY〜10GYの範囲に属する色)であると好ましい。黄系色は、クロバネキノコバエやショウジョウバエなどに対して強い誘引効果を奏するだけでなく、人間が視認しやすく、捕虫シート10の周辺で作業を行う人に対して捕虫シート10が身体や服に触れないように注意を促すこともできるからである。シート12は、マンセル色相環における色相が5Y〜10Y〜5GYの範囲に属する色であるとより好ましく、7Y〜10Y〜3GYに属する色であるとさらに好ましい。本実施態様の捕虫シート10において、シート12は、マンセル色相環における色相が10Yに属する色(黄色)のものを採用している。
ところで、本実施態様の捕虫シート10においては、シート12の領域α側の端部と領域β側の端部のそれぞれに貫通孔13を設けている。このため、貫通孔13に紐やフックなどを通すことができるようになっており、領域α側の端部と領域β側の端部とを近接させて固定する作業や、捕虫シート10を吊り下げる作業を容易に行うことが可能になっている。
3.粘着層
本実施態様の捕虫シート10において、粘着層11は、図1に示すように、シート12の片面に粘着剤を塗布することによって形成している。粘着層11は、シート12の周縁から粘着剤がはみ出たり、二つ折りにされたシート12を開く際に粘着剤が手に付着したりすることのないように、シート12の周縁部を残す全ての部分に略均一に形成した。
シート12に塗布する粘着剤の種類は、とくに限定されず、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はシリコーン系粘着剤など、各種の粘着剤を用いることができる。なかでも、ポリブテン系粘着剤は、粘着性が良好で無色透明であるために好ましい。本実施態様の捕虫シート10においては、シート12の色が表出する無色透明のポリブテン系粘着剤(100℃における粘度が400mPa・sのもの)によって粘着層11を形成している。
ところで、本実施態様の捕虫シート10においては、捕虫シート10をループ状に形成して吊り下げた際に領域αと領域βとが直線Lの近傍でなす上側の角度θの大きさは、粘着層11を形成する粘着剤の粘度に大きく影響される。というのも、ループ状に形成して吊り下げた捕虫シート10の直線Lの近傍に形成される窪みは、捕虫シート10を二つ折りされた状態から開いた際に、領域α側の直線Lの近傍における粘着層11と領域β側の直線Lの近傍における粘着層11とが線状に伸びた粘着剤によって繋がった状態となり(図5を参照)、その部分における粘着剤の張力によって形態が維持されるからである。すなわち、粘着層11を形成する粘着剤の粘度を高くすると、粘着剤の張力を大きくして角度θを大きく維持しやすくすることができる。
このように、本実施態様の捕虫シート10においては、捕虫シート10をループ状に形成して吊り下げた際に領域αと領域βとが直線Lの近傍でなす上側の角度θの大きさ(直線Lの近傍に形成される窪みの形状)は、粘着層11を形成する粘着剤の張力によって維持されるようになっているが、シート12の領域αにおける直線Lの近傍と領域βにおける直線Lの近傍とを互いに固定することによっても前記窪みの形状を維持することができる。これにより、粘着層11を形成する粘着剤の種類などに係わることなく、角度θを360°に近い値で維持することが可能になる。
この場合、シート12の領域αにおける直線Lの近傍と領域βにおける直線Lの近傍とを固定する方法は、とくに限定されず、二つ折りにしたシート12の直線Lの近傍をステイプラーなどの針で固定する方法や、二つ折りにしたシート12の直線Lの近傍を縫い合わせる方法や、二つ折りにしたシート12の直線Lの近傍を粘着テープなどで固定する方法や、二つ折りにしたシート12の直線Lの近傍をクリップなどで留める方法や、二つ折りにしたシート12の直線Lの近傍を加熱してその部分に塗布された粘着剤(熱硬化型のものを用いる)を硬化させる方法などが例示される。
捕虫シート10における捕虫面のどの部分にどのような種類の虫がどの程度捕獲されるのかを調べるために、捕虫シート10を椎茸の菌床栽培を行っている現場で吊り下げる実験を行った。この実験は、徳島県で椎茸の菌床栽培を行っているハウスの内部で4日間に亘って行った。捕虫シート10は、幅100mm、長さ400mm、厚さ200μmの黄色の樹脂ラミネート紙をシート12として用い、100℃における粘度が400mPa・sの粘着剤で粘着層11を形成したものを用いた。実験開始時において、領域αと領域βとが直線Lの近傍でなす上側の角度θは約270°であった。捕虫シート10は、その上端(領域α側の端部及び領域β側の端部)の地面からの高さが約200cmとなる位置に吊り下げた。
上記の実験を行った結果、捕虫シート10の捕虫面にナガマドキノコバエを含む複数種類のハエが捕獲されているのが確認できた。図6は、実験後の捕虫シート10を展開して粘着層11が設けられた側から見た状態を示した図である。図6の捕虫シート10に捕獲されている虫のうち、大きい方の虫20がナガマドキノコバエであり、小さい方の虫21がナガマドキノコバエとは異なる種類のハエ(ショウジョウバエやクロバネキノコバエなど)である。捕虫シート10における横向きとなっていた領域α側の捕虫面(図6における範囲I)には、7匹のナガマドキノコバエと、ナガマドキノコバエとは異なる種類の57匹のハエが捕獲され、横向きとなっていた領域β側の捕虫面(図6における範囲II)には、6匹のナガマドキノコバエと、ナガマドキノコバエとは異なる種類の42匹のハエが捕獲され、下向きとなっていた捕虫面(図6における範囲III)には、36匹のナガマドキノコバエとナガマドキノコバエとは異なる種類の49匹のハエが捕獲されていた。
ナガマドキノコバエとは異なる種類のハエは、主に捕虫シート10における吊下時に横向きとなっていた捕虫面(吊下時に下向きとなっていた捕虫面であっても領域α側の端部や領域β側の端部に近い部分)に捕獲されたのに対して、ナガマドキノコバエは、主に捕虫シート10における吊下時に下向きとなっていた捕虫面に(とくに直線Lの近傍に集中して)捕獲されていた。このことから、吊り下げた際に下向きの捕虫面を広く確保することのできる本発明の捕虫シート10が、ナガマドキノコバエなど、天井面に逆さにとまって休息する生態を有する害虫の誘引捕殺に対して非常に有効なものであることが分かった。
また、領域αと領域βとが直線Lの近傍でなす上側の角度θは、捕虫シート10を吊り下げてから21日間経過した後でも、180°を超えており、直線Lの近傍には窪みが形成されたままであった。このことから、本発明の捕虫シート10が、長期間に亘ってループの形態を維持でき、ナガマドキノコバエなど、天井面に逆さにとまって休息する生態を有する害虫を長期間に亘って誘引捕殺できるものであることも分かった。
二つ折りする前の捕虫シートを示した斜視図である。 二つ折りした後の捕虫シートを示した斜視図である。 二つ折りにされたシートを開いて粘着層11が形成されていない側に反らせ、領域α側の端部と領域β側の端部とを近接させて固定することによりループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げた状態の捕虫シートを示した斜視図である。 図3に示した捕虫シートの正面図である。 図4に示した捕虫シートにおける直線Lの近傍に形成された窪みの周辺を示した拡大図である。 実験後の捕虫シートを展開して粘着層が設けられた側から見た状態を示した図である。
符号の説明
10 捕虫シート
11 粘着層
12 シート
13 貫通孔
20 大きい方の虫(ナガマドキノコバエ)
21 小さい方の虫(ショウジョウバエやクロバネキノコバエなど)

Claims (5)

  1. 片面に粘着層が設けられたシートを、該シートを二分する直線Lを折り線として、直線Lを挟む両側の領域α,βの前記粘着層を互いに密着させるように二つ折りにした捕虫シートを用いて虫を捕獲する捕虫方法であって、二つ折りにされた前記シートを開いて前記粘着層が形成されていない側に反らせ、領域α側の端部と領域β側の端部とを近接させて固定することによりループを形成し、前記固定した部分を上側として吊り下げて、領域αと領域βとが直線Lの近傍でなす上側の角度が180°を超えるようにし、前記ループの外面に配された前記粘着層で虫を捕獲するようにしたことを特徴とする捕虫方法。
  2. 前記粘着層の100℃における粘度が100〜5000mPa・sに設定された請求項1記載の捕虫方法
  3. 前記シートが、撥水加工紙、樹脂ラミネート紙又は樹脂シートである請求項1又は2記載の捕虫方法
  4. 前記シートが、厚さ40〜300μmに設定された請求項1〜3いずれか記載の捕虫方法
  5. 前記シートの領域α側の端部から領域β側の端部までの長さが、10〜100cmに設定された請求項1〜4いずれか記載の捕虫方法
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