JP4009168B2 - 発光素子の測定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオードなどの発光素子の膜厚や波長の測定に係り、特に容易に且つ誤差が少ない測定方法関する。
【0002】
【従来の技術】
円盤状の基板上に化学蒸着法(CVD)などを用いて発光ダイオードなどの発光素子を成膜すると、成膜条件等の影響により、領域によって前記発光素子の膜厚や前記発光素子が発光する光の波長にばらつきが発生することが避けられない。
【0003】
例えば青色発光ダイオードが発する光(青色光)の波長は約450nmであるが、領域によっては約±20nm程度の波長差が生じる。基板上には数千から数万個に相当する青色発光ダイオードが成膜され、成膜後、個々の青色発光ダイオードに切断されるが、基板上に青色発光ダイオードを成膜した時点で前記波長差が解れば、個々の青色発光ダイオードに切断するときに同じ波長を有するダイオード毎に区分けしやく、一定の品質を有するダイオードを製造しやすい。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−292128公報
【特許文献2】
特開平11−2509号公報
【特許文献3】
特開平11−173813号公報
【特許文献4】
特開2000−2514公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来では前記波長差を誤差が少なく、しかも容易に測定する方法が無かった。
【0006】
また前記青色発光ダイオードの膜厚も領域によってばらつきが発生するが、前記膜厚の測定は成膜レートを知る上で極めて重要であり、正確な膜厚差を求めることができる測定方法及びその測定装置の開発が急務であった。
【0007】
そこで本発明は上記従来の問題点を解決するためのものであり、特に簡単な方法で誤差が小さく発光素子の膜厚及び波長を求めることができる測定方法提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、発光素子の膜厚を測定する方法であって、
(a)所定帯域の波長を有する光を前記発光素子の膜厚方向から照射し、前記発光素子を透過した光を受光し、スペクトルを測定する工程と、
(b)前記(a)工程で得られたスペクトルを、前記発光素子が各々の波長{λ}時に有する屈折率{n(λ)}を前記波長{λ}で割った規定値[{n(λ)}/{λ}]に対応するスペクトルデータに変換する工程と、
(c)前記(b)工程で求められたスペクトルデータを、予め求められた前記発光素子がある膜厚のときの前記規定値[{n(λ)}/{λ}]に対応するスペクトルデータと照らし合わせ、前記データどうしの一致度から発光素子の膜厚を算出する工程と、
を有することを特徴とするものである。
【0009】
上記した膜厚の測定方法を用いれば、スペクトルデータにノイズが乗っていても、発光素子の膜厚を小さい誤差範囲で測定でき、また前記発光素子の波長に対する屈折率が波長毎に異なっている場合や、(a)工程で得られたスペクトルデータが周期毎に一定のピッチ間でない場合でも、前記発光素子の膜厚を容易に且つ小さい誤差範囲で測定できる。
【0010】
また上記した膜厚測定では(a)工程で、前記発光素子の膜厚方向から光を透過させてスペクトルデータを得ており、このように光を透過させてスペクトルを得る方法であれば、前記発光素子表面と透過光の道筋(光軸)との間の角度が90°から多少ずれている場合でも、前記発光素子の膜厚を小さい誤差範囲で測定することができる。
【0016】
本発明は、前記発光素子の膜厚測定を、第1光源部からの光を前記発光素子に透過させて行うものであり、前記第1光源部と受光部とを前記発光素子の膜厚方向に対向して設けることで、前記膜厚測定を光透過型で行うことができる測定装置を容易に製造することが可能である。
【0017】
また本発明では、前記第1光源部と受光部とが前記発光素子の膜面に対し垂直方向に設けられることが好ましい。
【0018】
また本発明では、前記発光素子の下側に前記第1光源部が設けられ、前記発光素子の上側に前記受光部が設けられることが好ましい。
【0023】
また本発明では、膜厚測定時、前記発光素子が形成された基板は、前記基板表面と平行な方向に移動し、前記光源部及び受光部は固定されたままであることが好ましい。基板側を動かし、光源部及び受光部側を固定しておくことで、装置内部に設けられた部材のより簡単な動きで発光素子全体の膜厚測定行うことができ、また発光素子の膜厚より小さい誤差範囲で測定することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における発光素子の膜厚及び波長を測定するための測定装置の概念図である。
【0025】
符号1は発光ダイオードなどの発光素子が成膜された基板を載せるための台であり、前記台1のほぼ中央に設けられた円盤状の穴部1aに前記基板が嵌め込まれる。
【0026】
前記台1上に所定距離離れて第1の光ファイバ2が設けられ、前記第1の光ファイバ2は前記台1の左側端部1bから右側端部1cにかけて前記台1を横断するように設けられる。また前記第1の光ファイバ2と高さ方向(図示Z方向)に平行で且つ、前記台1の下に所定距離離れて第2の光ファイバ3が設けられる。前記第1の光ファイバ2には後述する受光部4(図2を参照)が設けられ、前記第2の光ファイバ3には後述する第1光源部5(図2を参照)が設けられている。前記第2の光ファイバ3は前記発光素子の膜厚を測定するための部材である。
【0027】
一方、前記台1の図示右側には反射板6が設けられており、この反射板6で反射した光(点線で示す)が前記台1の上に載せられた基板上の発光素子表面に照射される。前記反射板6は光を反射してその光を前記発光素子上に照射するための第2光源部7(図2を参照)として機能している。前記第2光源部7は前記発光素子が発光する光の波長を測定するための部材である。
【0028】
図2は、上記した第1光源部5、第2光源部7及び受光部4と、基板8上に形成された発光素子9との位置関係を説明するために各部材を正面から見た概念図である。
【0029】
図2に示すように、第1光源部5と受光部4とは、基板8上に設けられた発光ダイオードなどの発光素子9の上下に対向して設けられ、前記第1光源部5から発光された光10は、基板8及び発光素子9を透過して前記受光部4に受光されるようになっている。なお前記第1光源部5は高輝度放電ランプ(HID)あるいはハロゲンランプであることが好ましい。
【0030】
図2では、前記受光部4と第1光源部5とが前記発光素子9の膜面に対して垂直な方向(図示Z方向)に設けられていることが好ましい。本発明では後述するように、前記受光部4及び第1光源部5が、発光素子9の膜面に対して垂直な関係にない場合でも、前記発光素子9の膜厚をより小さい誤差範囲で測定できるが、より正確に前記発光素子9の膜厚を測定するには、前記受光部4と前記第1光源部5とが前記発光素子9の膜面に対して垂直な方向に設けられることが好ましい。
【0031】
また図2のように前記基板8の下側に第1光源部5があり、前記発光素子9の上側に受光部4があることが好ましい。図1及び図2に示す測定装置は、発光素子9の膜厚とともに前記発光素子9が発光する光の波長も測定できるものであるが、前記発光素子9の波長測定のための第2光源部7は、発光素子9表面に光が照射されるように発光素子9の表面側に設けられるので、前記第2光源部7からの光が前記発光素子9表面に当てられて、前記発光素子9表面から放出されるフォトンを受け取る受光部4も前記発光素子9の上側に設けられていることが必要である。このため前記受光部4は前記発光素子9の上側に設けられ、前記第1光源部5は、前記基板8の下側に設けられることが好ましい。
【0032】
図2に示すように前記発光素子9が発光する光の波長を測定するための第2光源部7は、前記受光部4と同じ前記発光素子9の上側に設けられ、前記第2光源部7から発光された光11は、前記発光素子9表面に当てられ、前記発光素子9の表面からフォトンが前記受光部4で受光されて、前記発光素子9の波長が測定されるようになっている。
【0033】
また図2に示すように、前記第1光源部5と受光部4とを結ぶ光軸12と前記発光素子9表面との焦点12aに、前記第2光源部7からの光11が当たるように前記第2光源部7の前記発光素子9表面に対する傾きが決定される。
【0034】
前記第2光源部7からの光11を前記光軸12の前記発光素子9表面との焦点12aに照射させると、前記発光素子9内で反射されて前記発光素子9表面から出てくるフォトンをより適切に前記受光部4で受光することができ、前記発光素子9の波長測定をより正確に行うことが可能である。
【0035】
上記したように第1光源部5は前記発光素子9の膜厚を測定するためのものであり、前記第2光源部7は前記発光素子9が発光する光の波長を測定するためのものである。前記第1光源部5から発光される光10は、ある程度長い波長帯域を有していることがより正確な発光素子9の膜厚を測定する上で好ましく、前記第1光源部5から発光される光は広波長帯域の光であり例えば白色光であり、このとき前記光10の波長は可視波長域全体となる。一方、第2光源部7から発光される光は、発光素子9が発光する光よりも短波長域であることが必要で、例えば前記発光素子9が青色発光ダイオードであれば、前記第2光源部7から発光される光は、350nm程度の波長域を有する紫外光であり、これによって前記発光素子9が発光する光の波長を正確に測定することができる。
【0036】
また第1光源部5から発光された光10は、発光素子9の膜厚測定と共に、前記発光素子9の波長測定の際にも使用できる。よって波長測定を精度良く行いたい場合には、前記第1光源部5から発光された光10の波長は、発光素子9の膜厚測定の際に使用される波長帯域と前記発光素子9の波長測定の際に使用される波長帯域の双方を合わせた広い波長帯域であることが好ましい。
【0037】
また測定精度よりも測定時間を優先させたい場合には、前記第1光源部5から発光される光を、前記発光素子9の発光波長帯域と重ならないようにフィルター補正を予めかけることで、前記膜厚測定と波長測定で使用するスペクトルデータを同時に測定することができる。
【0038】
このため前記第1光源部5から発光される光は、前記第2光源部7から発光される光よりも長い波長帯域であることが好ましい。
【0039】
また図1及び図2に示す測定装置では、発光素子9を有する基板8を載せた台1が前記台1の幅方向と平行な方向(図示X方向)及び台1の長さ方向と平行な方向(図示Y方向)に移動して、前記基板8上の発光素子9の複数箇所の膜厚及び波長を測定できるようになっている。前記発光素子9の膜厚及び波長の測定の際には、前記第1光源部5、第2光源部7及び受光部4は動かず固定されており、前記台1のみを移動させることでより簡単な動きで、前記発光素子9の膜厚及び波長を容易に測定することが可能になっている。また台1側を動かし、光源部5、7及び受光部4側を動かさないことで、前記発光素子9の膜厚及び波長測定の際に前記装置内の部材の動きを最小限にでき、よって前記発光素子9の膜厚及び波長の測定をより正確なものにできる。
【0040】
本発明では図1及び図2に示す測定装置を用いて前記発光素子9の膜厚を測定する。前記発光素子9は例えば発光ダイオードであり、図1及び図2に示す測定装置では、最近話題となっている青色発光ダイオードの膜厚測定にも使用できる。ここで発光ダイオードとは、図3に示すように基板上にバッファ層を介してN型半導体とP型半導体が成膜され、PN接合(P型半導体とN型半導体との接合境界面)にバイアスを印加すると、P側からN側へ正孔の、N側からP側へ電子の注入が行なわれ、このとき電子が持っているエネルギーを光として放出するものである。青色発光ダイオードは、P型半導体及びN型半導体がGaNで形成されたものである。
【0041】
図4ないし図6で、前記発光素子9の膜厚測定の方法について説明するが、この膜厚測定に使用した発光素子9は前記青色発光ダイオードである。
【0042】
まず、図2に示す第1光源部5から白色光を、前記基板8の裏面から前記発光素子9の表面上に向けて照射し、透過した光を前記受光部4で受け取り、このときの光のスペクトルを測定したのが図4である。図4では、前記スペクトルを、500nmから700nmまでの波長帯域の光に対して測定したものである
図4に示すように前記スペクトルの一周期のピッチ幅は、光の波長が長くなるにつれて広がっており、前記ピッチ幅は一定でないことがわかる。このように前記スペクトルの一周期のピッチ幅が一定でないのは、青色発光ダイオードを構成するGaNが各々の波長{λ}に対して異なる屈折率{n(λ)}を有しているからである。
【0043】
前記スペクトルの一周期のピッチ幅が一定であると、例えば従来、半導体素子の膜厚の測定に使用されていたフーリエ変換を使用できるが、上記のようにピッチ幅が一定でない場合には、前記フーリエ変換を使用できない。
【0044】
そこで本発明では、図4で得られたスペクトルを、青色発光ダイオードが各々の波長{λ}時に有する屈折率{n(λ)}をその波長{λ}で割った規定値[{n(λ)}/{λ}]に対するスペクトルに変換する。その結果が図5の実線であり、図5の実線で示されたスペクトルの一周期におけるピッチ幅は、前記規定値[{n(λ)}/{λ}]の大きさに関わらず一定値となる。
【0045】
次に、青色発光ダイオードが各々の膜厚時に、前記規定値[{n(λ)}/{λ}]に対するスペクトルが如何なるピッチ幅を有するかを予めシミュレーションしておき、そのスペクトルデータを図5の実線のスペクトルデータに照らし合わせてそれぞれのデータの一致度を測定する。
【0046】
図5に示す点線で示されたスペクトルデータは、例えば前記青色発光ダイオードの膜厚が1μmのときのデータであり、ある規定値[{n(λ)}/{λ}]のときの実線データのスペクトルの大きさ(IA1)と、点線データのスペクトルの大きさ(IB1)を、複数の規定値[{n(λ)}/{λ}]毎に求め、前記規定値毎に求められた各スペクトルの大きさを、A値=1/{(IA1−IB1+(IA2−IB2+…(IAn―IBn}の式に挿入する。図5に示す実線データのスペクトルと、点線データのスペクトルとの一致度が悪いと、A値は非常に低い値となり、前記実線データのスペクトルと、点線データのスペクトルとの一致度が良くなるほど、前記A値は高い値になる。
【0047】
既にシミュレーションされた複数の青色発光ダイオードの膜厚に対するスペクトルデータを、図5に示す実際に成膜された青色発光ダイオードのスペクトルデータに次々に照らし合わせて前記A値を測定していき、前記青色発光ダイオードの膜厚dと前記A値との関係を求める。その結果が図6であり、図6に示すように、前記膜厚dが3μmのときに最もA値が高くなっていることがわかる。この結果からあるスポットで測定した前記青色発光ダイオードの膜厚は3μmであることがわかる。
【0048】
上記した発光素子9の膜厚の測定方法では、次のような効果を得ることができる。既に説明したように、第1光源部5からの光の波長{λ}に対する前記発光素子9のスペクトルの一周期のピッチ幅が一定でない場合、すなわち前記発光素子9の各々の波長{λ}に対する屈折率{n(λ)}が前記波長によって異なるような場合でも、前記発光素子9の膜厚を簡単に且つ小さい誤差範囲で求めることができる。
【0049】
また図7には、波長{λ}に対するスペクトルの長さが異なる3つの測定結果が載せてあるが、このデータから図4ないし図6と同じ発光素子9の膜厚測定を行うと図8に示す結果が得られる。図7の最も上に載せてあるスペクトルデータは、図8の最も上に載せてある膜厚dとA値との関係のデータに対応し、図7の中間に載せてあるスペクトルデータは、図8の中間に載せてある膜厚dとA値との関係のデータに対応し、図7の最も下に乗せてあるスペクトルデータは、図8の最も下に乗せてある膜厚dのA値との関係のデータに対応している。
【0050】
図7のスペクトルは最も上のデータが、8周期で構成され、中間のデータが1周期半で構成され、最も下のデータが1周期よりも小さい周期で構成されている。図8に示すようにスペクトルの周期が長いほど、A値に鋭いピークが現われ、発光素子9の膜厚をより正確に測定できるが、前記スペクトルが一周期に満たない最も下のデータの場合でも図8のように、最も高い値を有するA値から前記発光素子9の膜厚を求めることが可能である。
【0051】
このように前記スペクトルのデータが短い周期、特に1周期にも満たない場合でも前記発光素子9の膜厚を測定することが可能である。
【0052】
次に図9(a)に示すように、測定したスペクトルのデータにノイズが乗っているような場合でも図4ないし図6で説明したのと同じ方法で前記発光素子9の膜厚測定を行えば、図9(b)のように前記発光素子9の膜厚とA値との関係を求め、A値の大きさの変化を見ることで前記発光素子9の膜厚を簡単に且つ小さい誤差範囲で測定でき、ノイズがスペクトルデータに乗っていても図9(b)の結果を見れば、前記発光素子9の膜厚は3μmであることがわかる。
【0053】
また本発明での前記発光素子9の膜厚測定は、既に説明したように第1光源部5から発光された光を発光素子9内に膜厚方向から透過させて、透過した光を受光部4で受け取って行うものであるため、図2に示す前記第1光源部5と受光部4とを結ぶ光軸12と前記発光素子9表面間の角度θが、90°でなく多少ずれても前記発光素子9の膜厚を小さい誤差範囲で求めることができる。
【0054】
図10に示すスペクトルのデータは、最も上のデータが、前記角度θが90°のとき、中間のデータが、前記角度θが85°のとき、最も下のデータが、前記角度θが70°のときのものである。
【0055】
図10を見てわかるように、各データは、ほとんど同じプロファイルを描いており、角度θが90°でなくても前記発光素子9の膜厚の測定結果はほぼ同じとなる。
【0056】
このような結果となるのは、前記発光素子9に光を透過させて前記発光素子9の膜厚を測定する方法であると、光軸12と発光素子9表面間の角度θが多少90°からずれても、前記発光素子9内で屈折した光が通る道筋は、前記角度θによって大きくずれないため、前記角度θが異なってもスペクトルのデータは良く似たものとなる。
【0057】
以上、図4ないし図10を用いて前記発光素子9の膜厚測定方法及びその効果について説明したが、本発明では図1及び図2に示す測定装置を用いて前記発光素子9の膜厚とともに前記発光素子9が発光する光の波長も測定することができる。
【0058】
前記発光素子9が発光する光の波長を誤差を小さく測定することが可能な測定方法を図11を用いて説明する。図11の測定結果は、前記発光素子9に青色発光ダイオードを用いて行ったものである。
【0059】
まず図1及び図2に示すように、第2光源部7から光を前記青色発光ダイオードの表面に照射し、前記青色発光ダイオードの表面から放出されたフォトン(光エネルギー)を前記受光部4で受け取り、フォトルミネセンススペクトル(photoluminescence spectrum)を得る。フォトルミネセンスとは、フォトンの吸収によってキャリヤが励起され、それらの励起されたキャリヤの再結合による光放射のことを言い、このフォトルミネセンス現象を利用して、前記フォトルミネセンススペクトルを測定する。その測定結果が図11(a)である。前記第2光源部7から前記青色発光ダイオードに照射された光は、前記青色発光ダイオードが発光する青色光よりも短い波長を有する光であると、上記したフォトルミネセンススペクトルを適切に得ることができる。
【0060】
ところで図11(a)に示すフォトルミネセンススペクトルから、青色発光ダイオード内部での反射光(internal reflections)に起因した干渉(interference)を除去しないと、前記青色発光ダイオードが発する発光の正確な波長を求めることができない。
【0061】
そこで本発明では、前記干渉除去のために、図4で得られたインターフェアランススペクトル(interference spectrum)を用いる。図11(b)は図11(a)のフォトルミネセンススペクトルの波長域と同じ波長域(400nm〜500nm)でのインターフェアランススペクトルの測定結果である。
【0062】
そして図11(a)でのフォトルミネセンススペクトルから図11(b)でのインターフェアランススペクトルを除去する。その結果が図11(c)である。ここで「除去」の方法は様々であるが例えば、前記フォトルミネセンススペクトルから前記インターフェアランススペクトルを引き算するか割り算することで、図11(c)の結果を求めることができる。
【0063】
図11(c)を見ると、スペクトルは約450nmの波長でピークを迎えており、よって測定したスポットでの前記青色発光ダイオードの波長は約450nmであることがわかる。
【0064】
図11での発光素子9の波長の測定方法によれば、前記発光素子9の膜厚の測定でのインターフェアランススペクトルの結果を、前記波長の測定に使用することができる。よってこのように発光素子9の膜厚と波長の測定に同じ測定結果を用いることができるから、前記発光素子9の波長の測定は非常に簡単になり、また測定時間の短縮を促進でき、さらに誤差の小さい測定結果を得ることができる。
【0065】
図12は、前記発光素子9の膜厚と波長を同時に測定するための測定方法である。この測定で使用した前記発光素子9は青色発光ダイオードである。
【0066】
図12(a)では、図2に示す第2光源部7から350nm程度の波長を有する紫外光を前記青色発光ダイオードに対して照射するとともに、第1光源部5からはフィルター補正した白色光を前記青色発光ダイオードに対して照射する。白色光は上記したように可視波長域全体の波長を有するが、第1光源部5にフィルター補正した高輝度ランプ(HID)を用いることで、400〜500nmの波長帯域に重ならないようにしている。なおフィルター補正前の光源は、白色光のように広帯域の波長を有していなくてもよく、この測定では少なくとも500nm以上の波長帯域を持つ光であればよい。
【0067】
図12(a)は第1光源部5からの前記発光素子9を透過した光のスペクトルデータと、発光素子9のフォトルミネセンス発光のスペクトルデータを同時に測定したものである。第1光源部5からの前記発光素子9の透過した光のスペクトルデータと、前記発光素子9のフォトルミネセンス発光のスペクトルデータとを500nm付近を境に分けることができるため、1つのスペクトルデータから、前記発光素子9の膜厚及び波長を同時に測定することが可能である。
【0068】
図12(b)は、フィルタスペクトルデータであり、これは第1光源部5にフィルター補正高輝度ランプ(HID)を用いたため、フィルタスペクトルを上記のフォトルミネセンススペクトル及びインターフェアランススペクトルから除去するために求めたものである。
【0069】
図12(c)は、図12(a)で得られたフォトルミネセンススペクトル及びインターフェアランススペクトルから図12(b)で得られたフィルタスペクトルを除去した測定結果である。除去方法は図11で説明したのと同じである。
【0070】
図12(c)では、400nm〜500nm程度の波長帯域で得られたフォトルミネセンススペクトルから前記青色発光ダイオードの波長を求めることができ、約500nm以上の波長帯域で得られたインターフェアランススペクトルからは前記青色発光ダイオードの膜厚を求めることができる。
【0071】
このように図12に示す測定方法を用いれば、前記発光素子9の波長と膜厚とを同時に測定でき、測定をより容易化できると共に測定時間を短縮することができる。また図12での測定では、図11(b)で説明したインターフェアランススペクトルの測定、図11(c)で説明したこのインターフェアランススペクトルをフォトルミネセンススペクトルから除去する工程が除かれるため、図12に示す測定方法は特に測定時間の短縮に適した測定方法と言える。
【0072】
このように図12に示すように、発光素子9の波長と膜厚とを同時に測定できるのは、同じ測定装置内に膜厚測定のための第1光源部5と波長測定のための第2光源部7とを備えているからである。
【0073】
以上、発光素子9の膜厚及び波長の測定方法について説明したが、本発明によれば、簡単で且つ小さい誤差範囲で前記発光素子9の膜厚及び波長の測定を行うことができる。
【0074】
また本発明での測定装置では、前記発光素子9に光を透過させて、前記発光素子9の膜厚を測定しており、この測定装置を用いれば、前記発光素子9を載せた基板が若干傾いていたりしても、前記発光素子9の膜厚を小さい誤差範囲で測定できる。また本発明の測定装置では、前記発光素子9の膜厚と波長の測定を共に一つの装置内で行うことができ、しかも前記膜厚と波長測定を同時に行うこともでき、測定の容易化と測定時間の短縮を図ることができる。
【0075】
また図4ないし図12で説明した測定方法では、発光素子9に青色発光ダイオードを用いたが、他の色を発光させるダイオードや、ダイオード以外の発光素子にも適用可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、簡単で且つ小さい誤差で発光素子の膜厚測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における発光素子の膜厚及び波長を測定するための装置の概念図、
【図2】光源部、受光部及び発光素子が成膜された基板の位置関係を説明するために図1に示す装置を部分的に正面から見た概念図、
【図3】発光ダイオードの断面図、
【図4】発光素子の膜厚測定の方法を説明するためのスペクトルデータ、
【図5】図4のデータを変換したスペクトルデータ、
【図6】図5のスペクトルデータから求めた発光素子の膜厚dとA値との関係を示すグラフ、
【図7】図4と同様の方法で求めた周期が異なる3つのスペクトルデータ、
【図8】図7のそれぞれのスペクトルデータから求めた発光素子の膜厚dとA値との関係を示すグラフ、
【図9】(a)はスペクトルにノイズが乗っているスペクトルデータ、(b)は(a)のスペクトルデータから求めた発光素子の膜厚dとA値との関係を示すグラフ、
【図10】図2に示す発光素子表面と光軸間の角度θが異なる場合の3つのスペクトルデータ、
【図11】(a)から(c)は発光素子が発光する光の波長を求めるためのデータであり、(a)はフォトルミネセンススペクトルデータ、(b)はインターフェアランススペクトルデータ、(c)は(a)のスペクトルから(b)のスペクトルを引いて波長測定のために適正化されたスペクトルデータ、
【図12】(a)から(c)は発光素子の膜厚と波長を同時に求めるためのデータであり、(a)は、異なる波長帯域で得られたフォトルミネセンススペクトルデータとインターフェアランススペクトルデータ、(b)はフィルタスペクトルデータ、(c)は(a)のスペクトルから(b)のスペクトルを引いて膜厚と波長測定のために適正化されたスペクトルデータ、
【符号の説明】
1 台
2、3 光ファイバ
4 受光部
5 第1光源部
6 反射板
7 第2光源部
8 基板
9 発光素子
10、11 光
12 光軸
12a 焦点

Claims (5)

  1. 発光素子の膜厚を測定する方法であって、
    (a)所定帯域の波長を有する光を前記発光素子の膜厚方向から照射し、前記発光素子を透過した光を受光し、スペクトルを測定する工程と、
    (b)前記(a)工程で得られたスペクトルを、前記発光素子が各々の波長[λ]時に有する屈折率[n(λ)]を前記波長[λ]で割った規定値[[n(λ)]/[λ]]に対応するスペクトルデータに変換する工程と、
    (c)前記(b)工程で求められたスペクトルデータを、予め求められた前記発光素子がある膜厚のときの前記規定値[[n(λ)]/[λ]]に対応するスペクトルデータと照らし合わせ、前記データどうしの一致度から発光素子の膜厚を算出する工程と、
    を有することを特徴とする発光素子測定方法。
  2. 前記(c)の工程では、
    前記(b)の工程で求められたスペクトルデータの、複数の規定値[ [ n(λ) ] [ λ ] ]でのそれぞれの大きさを、(I A1 )、(I A2 )、(I A3 )・・・(I An )とし、予め求められているある膜厚の前記発光素子のスペクトルデータの、前記と同じ複数(n)の規定値[ [ n(λ) ] [ λ ] ]でのそれぞれの大きさを、(I B1 )、(I B2 )、(I B3 )・・・(I Bn )として、
    A値=1/ [ (I A1 −I B1 2 +(I A2 −I B2 2 +…(I An ―I Bn 2 ] を求め、
    このA値の大きさによって、前記一致度を判断する請求項1記載の発光素子の測定方法。
  3. 前記(b)の工程で求められたスペクトルデータと、予め求められている複数の膜厚の前記発光素子のスペクトルデータとから、前記複数の膜厚毎に前記A値を求め、
    前記A値がピークとなる膜厚を、前記発光素子の膜厚と判断する請求項2記載の発光素子の測定方法。
  4. 前記(a)の工程では、所定帯域の波長を有する光として白色光を使用する請求項1ないし3のいずれかに記載の発光素子の測定方法。
  5. 前記(a)の工程で、所定帯域の波長を有する光を発する光源部と、前記発光素子を透過した光を受光する受光部とを結ぶ線を、前記発光素子の膜表面に対して垂直に配置する請求項1ないし4のいずれかに記載の発光素子の測定方法。
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