JP2004061454A - 膜成長方法、膜厚測定方法及びエピタキシャル基板 - Google Patents
膜成長方法、膜厚測定方法及びエピタキシャル基板 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明に係る膜成長方法においては、GaN基板12上にAlGaN14層が形成されており、その上にGaN層16を積層させつつ、GaN層16に所定波長の光を照射する。この照射光は、GaN層16の表面16a及びGaN層16とAlGaN層14との界面において反射される。すなわち、GaN層16の上面16aだけでなくGaN層16の下面16bにおいても反射がおきるため、GaN層上面16aにおいて反射される反射光と、GaN層下面16bにおいて反射される反射光との強め合いを測定することにより、GaN層16の膜厚を測定することができる。したがって、成長中のGaN層16の膜厚をリアルタイムで測定することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、GaN基板上にエピタキシャル層を成長させる膜成長方法、GaN基板上に積層されるエピタキシャル層の膜厚を測定する膜厚測定方法及びGaN基板上にエピタキシャル層が積層されたエピタキシャル基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術として、特開平4―170390号公報に開示された技術がある。この公報に記載された膜厚測定方法は、エピタキシャル膜から放射される特定波長の光や、エピタキシャル膜に照射された(特定波長の)レーザ光線の反射光を、光センサで測定することにより基板上に積層されたエピタキシャル膜の膜厚をリアルタイムで測定するものである。より具体的には、エピタキシャル膜の膜厚が上記特定波長の半波長の整数倍となったとき、エピタキシャル膜の上面及び下面において反射される光が互いに強め合う(干渉する)ため、その強め合いを観測することにより膜厚及び膜の成長速度を測定することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の膜厚測定方法には、次のような課題が存在している。すなわち、例えば、GaN基板上にGaN層を積層させた場合、GaN基板とGaN層とは同一の材料で構成されているため、その界面において照射光は反射されない。また、GaN基板上にAlGaN層を積層させた場合であっても、AlGaN層が低Al組成であってGaN基板とAlGaN層とが同等の材料で構成される場合には、その界面において照射光はほとんど反射されない。したがって、光センサで反射光の強め合いを検出することが困難であり、エピタキシャル膜の膜厚や成長速度を測定することが困難であるという問題があった。
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、GaN基板上に積層されるGaN層又はAlGaN層の膜厚の測定が可能な膜成長方法、膜厚測定方法及びエピタキシャル基板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る膜成長方法は、GaN基板の一側に形成されるGaN層の厚さを測定する膜成長方法であって、GaN基板上にAlGaN層を成長させた後、該AlGaN層上にエピタキシャル成長させつつ、GaN層の膜厚を、該GaN層に照射された特定波長の光の反射光を測定することにより求めることを特徴とする。
【0006】
この膜成長方法においては、GaN基板上にAlGaN層が形成されており、その上にGaN層を積層させつつ、GaN層に所定波長の光を照射する。この照射光は、GaN層の表面及びGaN層とAlGaN層との界面において反射される。すなわち、GaN層の上面だけでなくGaN層の下面においても反射がおきるため、GaN層上面において反射される反射光と、GaN層下面において反射される反射光との強め合いを測定することにより、GaN層の膜厚を測定することができる。したがって、成長中のGaN層の膜厚をリアルタイムで測定することができる。また、単位時間当たりの膜厚増加量を算出することにより、GaN層の成長速度を求めることができる。
【0007】
また、本発明に係る膜厚測定方法は、GaN基板と、GaN基板上に成長させたAlGaN層と、AlGaN層上にエピタキシャル成長させたGaN層とを備えるエピタキシャル基板のGaN層の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、GaN層の膜厚を、該GaN層の表面にGaNのバンドギャップエネルギより高いエネルギの光を照射して、その光の照射により放出されるフォトルミネッセンス光スペクトルを観測することにより求めることを特徴とする。
【0008】
この膜厚測定方法においては、GaN基板とGaN層との間にはAlGaN層が形成されており、GaN層の表面にGaNのバンドギャップエネルギより高いエネルギの光を照射する。この光は、GaN層の表面及びGaN層とAlGaN層との界面において反射される。すなわち、GaN層の上面だけでなくGaN層の下面においても反射がおきる。したがって、GaN層から放出されるフォトルミネッセンス(PL)光のスペクトルの干渉がおこり、この干渉を観測することにより、GaN層の膜厚を測定することができる。
【0009】
また、本発明に係る膜厚測定方法は、GaN基板と、GaN基板上に成長させたAlGaN層と、AlGaN層上にエピタキシャル成長させたGaN層とを備えるエピタキシャル基板のGaN層の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、GaN層の膜厚を、該GaN層に照射された白色光の反射光スペクトルを観測することにより求めることを特徴とする。
【0010】
この膜厚測定方法においては、GaN基板とGaN層との間にはAlGaN層が形成されており、GaN層の表面に白色光を照射する。この光は、GaN層の表面及びGaN層とAlGaN層との界面において反射される。すなわち、GaN層の上面だけでなくGaN層の下面においても反射がおきる。したがって、GaN層から放出される反射光のスペクトルの干渉がおこり、この干渉を観測することにより、GaN層の膜厚を測定することができる。
【0011】
また、本発明に係る膜成長方法は、GaN基板の一側に形成されるAlGaN層の厚さを測定する膜成長方法であって、GaN基板上に下層AlxGa1−xN(0<x<1)層をエピタキシャル成長させた後、該下層AlGaN層上に上層AlyGa1−yN(0<y<1、y<x)層をエピタキシャル成長させつつ、該上層AlGaN層の膜厚を、該上層AlGaN層に照射された特定波長の光の反射光を測定することにより求めることを特徴とする。
【0012】
この膜成長方法においては、GaN基板上に下層AlGaN層が形成されており、その上に上層AlGaN層を積層させつつ、上層AlGaN層に所定波長の光を照射する。この照射光は上層AlGaN層の表面において反射される。また、上層AlGaN層のAl組成より下層AlGaN層のAl組成が高いため、照射光は、上層AlGaN層と下層AlGaN層との界面においても反射される。すなわち、上層AlGaN層の上面だけでなく上層AlGaN層の下面においても反射がおきるため、上層AlGaN層上面において反射される反射光と、上層AlGaN層下面において反射される反射光との強め合いを測定することにより、上層AlGaN層の膜厚を測定することができる。したがって、成長中の上層AlGaN層の膜厚をリアルタイムで測定することができる。また、単位時間当たりの膜厚増加量を算出することにより、上層AlGaN層の成長速度を求めることができる。
【0013】
また、本発明に係る膜厚測定方法は、GaN基板と、GaN基板上に成長させた下層AlxGa1−xN(0<x<1)層と、該下層AlGaN層上にエピタキシャル成長させた上層AlyGa1−yN(0<y<1、y<x)層とを備えるエピタキシャル基板の上層AlGaN層の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、上層AlGaN層の膜厚を、該上層AlGaN層にAlyGa1−yN(0<y<1、y<x)のバンドギャップエネルギより高いエネルギの光を照射して、その光の照射により放出されるフォトルミネッセンス光スペクトルを観測することにより求めることを特徴とする。
【0014】
この膜厚測定方法においては、GaN基板と上層AlGaN層との間には下層AlGaN層が形成されており、上層AlGaN層にGaNのバンドギャップエネルギより高いエネルギの光を照射する。この照射光は、上層AlGaN層の表面において反射される。また、上層AlGaN層のAl組成より下層AlGaN層のAl組成が高いため、照射光は、上層AlGaN層と下層AlGaN層との界面においても反射される。すなわち、上層AlGaN層の上面だけでなく上層AlGaN層の下面においても反射がおきる。したがって、上層AlGaN層から放出されるPL光のスペクトルの干渉がおき、この干渉を観測することにより、上層AlGaN層の膜厚を測定することができる。
【0015】
また、本発明に係る膜厚測定方法は、GaN基板と、GaN基板上に成長させた下層AlxGa1−xN(0<x<1)層と、下層AlGaN層上にエピタキシャル成長させた上層AlyGa1−yN(0<y<1、y<x)層とを備えるエピタキシャル基板の上層AlGaN層の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、上層AlGaN層の膜厚を、該上層AlGaN層に照射された白色光の反射光スペクトルを観測することにより求めることを特徴とする。
【0016】
この膜厚測定方法においては、GaN基板と上層AlGaN層との間には下層AlGaN層が形成されており、上層AlGaN層に白色光を照射する。この照射光は、上層AlGaN層の表面において反射される。また、上層AlGaN層のAl組成より下層AlGaN層のAl組成が高いため、照射光は、上層AlGaN層と下層AlGaN層との界面においても反射される。すなわち、上層AlGaN層の上面だけでなく上層AlGaN層の下面においても反射がおきる。したがって、上層AlGaN層から放出される反射光のスペクトルの干渉がおこり、この干渉を観察することにより、上層AlGaN層の膜厚を測定することができる。
【0017】
本発明に係るエピタキシャル基板は、GaN基板と、GaN基板上にエピタキシャル成長させたAlGaN層と、AlGaN層上にエピタキシャル成長させたGaN層とを備えることを特徴とする。
【0018】
このエピタキシャル基板において、GaN層に所定波長の光を照射した場合、その照射光は、GaN層の上面及びGaN層とAlGaN層との界面において反射される。すなわち、GaN層の上面だけでなくGaN層の下面においても反射がおきるため、GaN層上面において反射される反射光と、GaN層下面において反射される反射光との強め合いを測定することにより、GaN層の膜厚を測定することができる。
【0019】
また、本発明に係るエピタキシャル基板は、GaN基板と、GaN基板上に成長された下層AlxGa1−xN(0<x<1)層と、下層AlGaN層上にエピタキシャル成長された上層AlyGa1−yN(0<y<1、y<x)層とを備えることを特徴とする。
【0020】
このエピタキシャル基板においては、上層AlGaN層の表面に所定波長の光を照射した場合、その照射光は上層AlGaN層の表面において反射される。また、上層AlGaN層のAl組成より下層AlGaN層のAl組成が高いため、照射光は、上層AlGaN層と下層AlGaN層との界面においても反射される。すなわち、上層AlGaN層の上面だけでなく上層AlGaN層の下面においても反射がおきるため、上層AlGaN層上面において反射される反射光と、上層AlGaN層下面において反射される反射光との強め合いを測定することにより、上層AlGaN層の膜厚を測定することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明に係る膜厚測定方法及びエピタキシャル基板の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
まず、本発明の第1実施形態について、図を参照しつつ説明する。なお、図1には、第1実施形態に係るエピタキシャル基板10を示し、図2には、エピタキシャル基板10を製造する半導体製造装置20を示す。
【0023】
図1に示すように、エピタキシャル基板10は、基板としてGaN基板12を有しており、GaN基板12上には、AlxGa1−xN(0<X<1)層14、GaN層16の順にエピタキシャル層18が積層されている。
【0024】
以下、このエピタキシャル基板10を製造する方法について説明する。
【0025】
エピタキシャル基板10は、図2に示した半導体製造装置20により製造される。半導体製造装置20は、チャンバー22と、チャンバー22内において立設された回転シャフト24と、回転シャフト24端部に取り付けられた円板状のサセプタ26と、サセプタ26を下方から加熱するヒータ28と、サセプタ26に搭載されるGaN基板12上にチャンバー22外からのガスGを導入する吸気パイプ30と、排気をチャンバー22外に放出する排気パイプ32とを備える。
【0026】
また、チャンバー22上面には、チャンバー22の一部を形成するように光透過窓34が設けられている。さらに、この光透過窓34を挟んでGaN基板12と対向する位置には、GaN基板12上に積層されるGaN層16の光学的膜厚を測定するためのレーザダイオード36及びフォトダイオード38が配置されている。ここで、光学的膜厚とは(媒質の屈折率×膜厚)であり、以下、説明の便宜上、単に膜厚と称す。なお、フォトダイオード38は、レーザダイオード36の出射光がエピタキシャル基板10において反射した反射光を検出するように、配向されている。また、レーザダイオード36及びフォトダイオード38は、図示しない制御装置に接続されており、その制御装置によってレーザダイオード36のパワーコントロール及びフォトダイオード38の検出信号の加工等がおこなわれる。
【0027】
ここで、レーザダイオード36及びフォトダイオード38を用いて、GaN基板12上に積層されるGaN層16の膜厚を測定する方法について説明する。
【0028】
まず、ヒータ28によって1000℃程度に加熱されたサセプタ26にGaN基板12をセットする。そして、サセプタ26の下面中心に垂直に固定された回転シャフト24を回転させて、サセプタ26を面方向に回転させる。それから、AlGaN層14の材料ガスとして、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルガリウム(TMGa)を吸気パイプ30を介して導入して、GaN基板12上にAlGaN層14を積層する。次に、GaN層16の材料ガスとして、TMGa及びNH3を吸気パイプ30を介して導入する。それにより、AlGaN層14上に次第にGaN層16が形成されていく。このとき、レーザダイオード36から特定波長の光(例えば、400nm)をGaN層表面16aに照射する。また、その照射によってGaN層16の上面16a及び下面16b(GaN層16とAlGaN層14との界面)から反射される反射光を、フォトダイオード38で検出する。
【0029】
なお、本実施形態においては、GaN基板12の上に直接GaN層16を積層するのではなく、AlGaN層14を介してGaN基板12上にGaN層16を積層している。すなわち、GaN層16の下面16bにおいて、屈折率の相違(GaN層16の屈折率とAlGaN層14の屈折率との相違)が生じる。そのため、GaN層表面16aに光を照射した場合、GaN層上面16aだけでなく、GaN層下面16bにおいても反射がおきることとなる。そして、反射光は、GaN層16の上面16aにおいて反射される反射光と、GaN層16の下面16bにおいて反射される反射光との干渉光となる。
【0030】
したがって、フォトダイオード38で検出される反射光は、GaN層16がエピタキシャル成長されている間は周期的に強度の増減を繰り返す。より具体的に説明すると、GaN層16の膜厚が、レーザダイオード36から出射される出射光の波長の半波長(例えば、200nm)の整数倍になるたびに反射光の強度が最大となる。これは、GaN層上面16aにおける反射光とGaN層下面16bにおける反射光との光路差が上述した波長の整数倍となり、両反射光が同位相となるためである。すなわち、反射光をフォトダイオード38で検出して、この光の干渉状態を計測することにより、GaN層16の膜厚を測定することが可能である。また、単位時間当たりの膜厚増加量を算出して、GaN層16の成長速度を求めることができる。
【0031】
ここで、フォトダイオード38で検出される反射光の強度比と、AlxGa1−xN(0<x<1)層14のAl組成(すなわち、Xの値)との関係について、図3を参照しつつ説明する。なお、図3は、AlGaN層14のAl組成(横軸)と反射光の強度比(縦軸)との関係を示したグラフである。この反射光の強度比とは、干渉光の光が最も強いときの光エネルギー(Imax)を干渉光の光が最も弱いときの光エネルギー(Imin)で割った値である。
【0032】
図3に示すように、AlGaN層14のAl組成が増加すると、それに伴って反射光の強度比もほぼ比例的に増加する。例えば、AlGaN層14がAl0.3Ga0.7Nで構成されている場合には、1.05以上の反射光の強度比を検出できるフォトダイオード38や光検出器を採用する必要がある。また、逆に1.05以上の反射光の強度比を検出できるフォトダイオード38等を測定に利用する場合には、Al組成(X)をX≧0.3にすればよい。このように、Al組成が決まれば反射光の強度比が決まるため、必要に応じてAl組成を変更してもよい。
【0033】
以上詳細に説明したように、エピタキシャル基板10は、GaN16層の上面(表面)16a及び下面(GaN16層とAlGaN層14との界面)16bにおいて照射光を反射するため、その干渉具合を観察/測定することにより、GaN層16の膜厚を測定することができる。すなわち、半導体製造装置20を用い、GaN基板12上にGaN層16をエピタキシャル成長させながら、GaN層16の膜厚をリアルタイムで測定することができる。また、単位時間当たりの膜厚増加量を算出することにより、容易にGaN層16の成長速度を求めることができる。さらに、このようにGaN層16の膜厚及び成長速度の測定結果を利用することにより、容易にGaN層16の膜厚を所望の膜厚にすることができる。
【0034】
なお、GaN基板12上に積層されたGaN層16は、以下の方法によっても測定することができる。
【0035】
すなわち、GaNのバンドギャップエネルギよりも高いエネルギの光を励起源としてGaN層表面16aに照射し、GaN層16からフォトルミネッセンス光(PL)光を放出させることによってGaN層16の膜厚を測定することができる。この測定方法をより具体的に説明すると、GaN層16から放出されたPL光を分光して、PL光スペクトルとして観測する。なお、GaN層16はその上面16a及び下面16bに反射面を有するため、このPL光スペクトルは干渉がおきており、この干渉状態を観測することによりGaN層16の膜厚が測定される。
【0036】
また、白色光をGaN層表面16aに照射し、GaN層16から白色光の反射光を観察することによってGaN層16の膜厚を測定することができる。この測定方法をより具体的に説明すると、GaN層16はその上面16a及び下面16bに反射面を有するため、白色光の反射光を分光して、反射光スペクトルとして観測する。なお、このスペクトルは干渉がおきており、この干渉状態を観測することによりGaN層16の膜厚が測定される。
【0037】
次に、本発明の第2実施形態について、図を参照しつつ説明する。なお、図4には、第2実施形態に係るエピタキシャル基板40を示す。
【0038】
図4に示すように、エピタキシャル基板40は、基板としてGaN基板42を有しており、GaN基板42上には、AlyGa1−yN(y=0.5)層(下層AlGaN層)44、AlxGa1−xN(x=0.2)層(上層AlGaN層)46の順にエピタキシャル層48が積層されている。
【0039】
このエピタキシャル基板40は、第1実施形態のエピタキシャル基板10同様、半導体製造装置20(図2参照)によって製造される。すなわち、加熱したサセプタ26にGaN基板42をセットし、サセプタ26を回転させながら、材料ガスとして、TMAl、TMGa、及びNH3を吸気パイプ30を介して導入して、GaN基板12上にAlyGa1−yN層44を積層する。次に、AlxGa1−xN層46の材料ガスとして、TMAl、TMGa及びNH3を吸気パイプ30を介して導入する。それにより、AlGaN層44上に次第にGaN層46が形成されていく。このとき、レーザダイオード36から特定波長の光(例えば、400nm)をAlGaN層表面46aに照射する。また、その照射によってAlGaN層上面46a及び下面46b(AlGaN層44とAlGaN層46との界面)から反射される反射光を、フォトダイオード38で検出する。
【0040】
なお、本実施形態においては、GaN基板42の上に直接Al0.2Ga0.8N層46を積層するのではなく、Al0.5Ga0.5N層44を介してGaN基板42上にAl0.2Ga0.8N層46を積層している。一般に、AlGaN層が低Al組成である場合には、GaN基板とAlGaN層とが実質的に同一の材料で構成されることになってしまい、GaN基板とAlGaN層との界面においては反射がおきにくい。しかし、エピタキシャル基板40のように、下層のAlGaN層46のAl組成を比較的高く(50%)することにより、上層のAlGaN層46のAl組成が低い(20%)場合であっても、照射光は、AlGaN層46とAlGaN層44との界面においても反射される。すなわち、AlGaN層46の上面46aだけでなく46b下面においても反射がおきる。そのため、その反射光は、AlGaN層46の上面46aにおいて反射される反射光と、AlGaN層46の下面46bにおいて反射される反射光との干渉光となる。
【0041】
したがって、フォトダイオード38で検出される反射光は、第1実施形態同様、AlGaN層46がエピタキシャル成長されている間は周期的に強度の増減を繰り返す。これは、AlGaN層46aにおける反射光とAlGaN層46bにおける反射光との光路差が照射光の波長の整数倍となり、両反射光が同位相となるためである。すなわち、反射光をフォトダイオード38で検出して、この光の干渉状態を計測することにより、AlGaN層46の膜厚を測定することが可能である。また、単位時間当たりの膜厚増加量を算出して、AlGaN層46の成長速度を求めることができる。
【0042】
ここで、フォトダイオード38で検出される反射光の強度比と、AlxGa1−xN(0<x<1)層44のAl組成(すなわち、Xの値)との関係について、図5を参照しつつ説明する。なお、図3は、Al0.2Ga0.8N層46の場合におけるAlGaN層44のAl組成(横軸)と反射光の強度比(縦軸)との関係を示したグラフである。
【0043】
図3に示すように、AlGaN層44のAl組成が20%である場合は、反射光の強度比は1であり光の干渉は観測されない。これは、AlGaN層46とAlGaN層44とのAl組成が同一となり、その界面に置いて反射が起きないためである。そして、AlGaN層44のAl組成が20%からはずれるにしたがって比例的に反射光の強度比が増加する。例えば、AlGaN層14がAl0.5Ga0.5Nで構成されている場合には、1.05以上の反射光の強度比を検出できるフォトダイオード38や光検出器を採用する必要がある。また、逆に1.05以上の反射光の強度比を検出できるフォトダイオード38等を測定に利用する場合には、Al組成(X)をX≧0.5にすればよい。このように、Al組成が決まれば反射光の強度比が決まるため、必要に応じてAlGaN層44のAl組成を変更してもよい。
【0044】
なお、AlGaN層44のAl組成が、AlGaN層46のAl組成よりも大きい場合には、図5からわかるように、反射光の強度比を効率よく増加させることができる。一方、AlGaN層44のAl組成が、AlGaN層46のAl組成よりも小さい場合には、強度比はせいぜい1.03(X=0付近)程度にしかならず、反射光の強度比を効率よく増加させることができない。したがって、AlGaN層44のAl組成は、AlGaN層46のAl組成よりも大きいほうが好ましい。
【0045】
以上、AlGaN層46のAl組成を20%として説明してきたが、図5に示したAl組成と反射光の強度比との関係を示すグラフは、Al組成が20%以外のAlGaN層の場合であっても略同様となる。したがって、AlGaN層46のAl組成は20%に限定されず、0<X<1の範囲で適宜選択することが可能である。
【0046】
本発明は、上記実施形態に限定されず、様々な変形が可能である。例えば、照射光の波長は、400nmに限らず、可視光〜赤外の波長で適宜選択可能である。また、照射光の光源は、レーザダイオードに限定されず、例えば、LEDや、固体レーザやガスレーザの発生装置であってもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、GaN基板上に積層されるGaN層又はAlGaN層の膜厚の測定が可能な膜成長方法、膜厚測定方法及びエピタキシャル基板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエピタキシャル基板を示した概略図である。
【図2】図1のエピタキシャル基板の製造に用いられる半導体製造装置の概略構成図である。
【図3】AlGaN層のAl組成(横軸)と反射光の強度比(縦軸)との関係を示したグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態に係るエピタキシャル基板を示した概略図である。
【図5】下層のAlGaN層のAl組成(横軸)と反射光の強度比(縦軸)との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
10,40…エピタキシャル基板、12,42…GaN基板、14…AlGaN層、16…GaN層、16a…GaN層表面(上面)、16b…GaN層下面、18…エピタキシャル層、44…AlGaN層(下層AlGaN層)、46…AlGaN層(上層AlGaN層)、46a…AlGaN層表面(上面)、46b…AlGaN層下面、48…エピタキシャル層。
Claims (8)
- GaN基板の一側に形成されるGaN層の厚さを測定する膜成長方法であって、
前記GaN基板上にAlGaN層を成長させた後、該AlGaN層上にエピタキシャル成長させつつ、前記GaN層の膜厚を、該GaN層に照射された特定波長の光の反射光を測定することにより求めることを特徴とする膜成長方法。 - GaN基板と、前記GaN基板上に成長させたAlGaN層と、前記AlGaN層上にエピタキシャル成長させたGaN層とを備えるエピタキシャル基板の前記GaN層の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、
前記GaN層の膜厚を、該GaN層の表面にGaNのバンドギャップエネルギより高いエネルギの光を照射して、その光の照射により放出されるフォトルミネッセンス光スペクトルを観測することにより求めることを特徴とする膜厚測定方法。 - GaN基板と、前記GaN基板上に成長させたAlGaN層と、前記AlGaN層上にエピタキシャル成長させたGaN層とを備えるエピタキシャル基板の前記GaN層の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、
前記GaN層の膜厚を、該GaN層に照射された白色光の反射光スペクトルを観測することにより求めることを特徴とする膜厚測定方法。 - GaN基板の一側に形成されるAlGaN層の厚さを測定する膜成長方法であって、
前記GaN基板上に下層AlxGa1−xN(0<x<1)層をエピタキシャル成長させた後、該下層AlGaN層上に上層AlyGa1−yN(0<y<1、y<x)層をエピタキシャル成長させつつ、該上層AlGaN層の膜厚を、該上層AlGaN層に照射された特定波長の光の反射光を測定することにより求めることを特徴とする膜成長方法。 - GaN基板と、前記GaN基板上に成長させた下層AlxGa1−xN(0<x<1)層と、該下層AlGaN層上にエピタキシャル成長させた上層AlyGa1−yN(0<y<1、y<x)層とを備えるエピタキシャル基板の前記上層AlGaN層の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、
前記上層AlGaN層の膜厚を、該上層AlGaN層に前記AlyGa1−yN(0<y<1、y<x)のバンドギャップエネルギより高いエネルギの光を照射して、その光の照射により放出されるフォトルミネッセンス光スペクトルを観測することにより求めることを特徴とする膜厚測定方法。 - GaN基板と、前記GaN基板上に成長させた下層AlxGa1−xN(0<x<1)層と、前記下層AlGaN層上にエピタキシャル成長させた上層AlyGa1−yN(0<y<1、y<x)層とを備えるエピタキシャル基板の前記上層AlGaN層の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、
前記上層AlGaN層の膜厚を、該上層AlGaN層に照射された白色光の反射光スペクトルを観測することにより求めることを特徴とする膜厚測定方法。 - GaN基板と、
前記GaN基板上に成長させたAlGaN層と、
前記AlGaN層上にエピタキシャル成長させたGaN層とを備えることを特徴とするエピタキシャル基板。 - GaN基板と、
前記GaN基板上に成長された下層AlxGa1−xN(0<x<1)層と、
前記下層AlGaN層上にエピタキシャル成長された上層AlyGa1−yN(0<y<1、y<x)層とを備えることを特徴とするエピタキシャル基板。
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