JP4008511B2 - 放電加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は放電加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来の放電加工装置のうち、側面からみてC型形状の放電加工装置の概略側面図である。この実施例では形彫り放電加工装置を示しており、放電加工装置1は、ベッド2の上に設けられたサドル3およびテーブル4を有し、テーブル4上には加工槽5が適宜の手段で取り付けられている。ベッド2からのびるコラム6にはヘッド7が取り付けられており、加工用電極8が電極取付定盤9を介してヘッド7に固定されている。10はY軸駆動用モータ、11はX軸駆動用モータである。12は加工槽5の内部に貯留された加工液で、13は図示しない被加工物を固定するための、テーブル定盤である。ただし機械の種類によっては、テーブル4とテーブル定盤13が一体で構成されている場合もある。
【0003】
図9は、図8に示した従来の放電加工装置1の加工槽5を示した外形斜視図である。14は加工槽本体で、通常は板金部品である。また15は上下にスライドする加工槽前扉であり、16は加工槽前扉ハンドルである。加工槽前扉15は、図では1枚の場合を示したが、上下に分割されて2枚以上の場合もある。加工槽前ハンドル16も図では左右2個の場合を示したが、加工槽前扉15の大きさ等によって、その数や配置は変化する。17はテーブル定盤上に加工されたTスロット溝である。
【0004】
18は、加工槽前扉15を上下にスライドするための駆動装置を収納する前扉駆動装置収納部で、ここでは左右に1対示した。19は、加工槽から加工液を排出する加工液排出部と、加工槽内の加工液の液面の高さを設定する液面設定部である。20は加工液制御部で、放電加工で噴出加工・吸引加工を行う際に加工液の圧力・流量を制御するための圧力計21やバルブ22を配してある。したがって加工槽本体14は、加工液を貯留する空間の他に、前扉駆動装置収納部18、加工液排出部・液面設定部19、加工液制御部20とから構成されている。
【0005】
図10は、前扉駆動装置収納部18の内部構造、すなわち加工槽前扉15を上下にスライドするための駆動装置を示した概略側面図である。加工槽前扉15を閉めた状態(すなわち加工槽前扉15を上げた状態)を実線で示し、開けた状態(すなわち下げた状態)を2点鎖線で示した。23・24は、加工槽前扉15を支持するアームA・アームB、25はアームA23・アームB24を前扉駆動装置収納部18に固定するためのアーム固定板、26は軸方向に推力を発生するシリンダーである。
【0006】
図11は、加工槽5の構造を表す正面断面図で、図12は同様に平面断面図である。また図13は、加工液排出部・液面設定部19の構造を表す斜視図である。図では、テーブル4とテーブル定盤13が一体で構成されている場合を示した。
【0007】
23は加工槽5の内部を、加工液を貯留する空間と加工液排出部・液面設定部19とに分ける仕切板で、液面設定窓24、加工液排出窓25が設けられている。26は液面設定シャッターで、断面形状がL型をした液面設定シャッター用ガイドレール27によって、上下に摺動するように仕切板23に取付けられている。また、28は液面設定シャッター26に取付けられた液面設定つまみである。29は加工液排出シャッターで、液面設定シャッター26と同様に、断面形状がL型をした加工液排出シャッター用ガイドレール30によって、上下に摺動するように仕切板23に取付けられている。また、31は加工液排出シャッター29を上下に駆動する加工液排出シリンダーである。なお、液面設定シャッター26の上下と加工液排出シャッター29の下部が折り曲げ加工されているのは、強度を増すためである。
【0008】
32は加工槽本体の底部を、33は加工液排出部の底部をそれぞれ表し、図では両者は同一平面上にある。34は加工液排出口であり、35は加工液排出パイプで、図示しない加工液供給装置に接続されている。36は加工槽本体の底部32とテーブル4との間の加工槽シールであり、両者を液密状態で固定している。
【0009】
図中Wは加工槽5の全幅で、W1は加工液貯留空間の幅、W2は前扉駆動装置収納部18の幅、W3は加工液排出部・液面設定部19の幅、W4は加工液制御部20の幅である。それぞれの間には数1の関係がある。Dは加工槽5の奥行きを表す。Hは加工槽5の全高で、H1は加工液を貯留する最高液面までの高さ、H2は加工液を最高液面まで貯留した時の上部の余裕高さ、H3はテーブル定盤13の上面から加工槽本体の底部33までの高さである。それぞれの間には数2の関係がある。
【0010】
【数1】
Figure 0004008511
【0011】
【数2】
Figure 0004008511
【0012】
次に、従来の技術の作用・動作について説明する。
【0013】
図8において、サドル3はベッド2の上をY軸駆動用モータ10によってY軸方向に移動する。テーブル4はサドル3の上をX軸駆動用モータ11によってX軸方向に移動する。電極取付定盤9はヘッド7内のZ軸駆動用モータ(図示せず)によってZ軸方向に移動する。したがって、テーブル定盤13上に取り付けられた被加工物(図示せず)はX・Y方向に、電極取付定盤9に取り付けられた加工用電極8はZ軸方向に移動することができる。そして、加工槽5内に加工液12を貯留し、加工用電極8と被加工物との間に、加工液12を介して放電加工を行う。
【0014】
図9において、放電加工を行う際にはテーブル定盤13、加工槽本体14、加工槽前扉15で囲まれた空間内に加工液を貯留する。貯留する加工液の量、すなわち液面高さは、後術するように任意に設定することができる。噴出加工・吸引加工を行う際には、加工液制御部21の全面に配置された圧力計21、バルブ22によって、噴出・吸引される加工液の圧力・流量を制御する。また、被加工物(図示せず)は、Tスロット溝17を利用してテーブル定盤13上に固定される。
【0015】
放電加工前にテーブル定盤13上に被加工物を設置したり、放電加工後に被加工物を取り外したりする際には、作業性を向上するため、一般に図10に示した機構によって加工槽前扉15を開いて作業を行う。加工槽前扉15は、アームA23、アームB24、アーム固定板25によって形成される左右一対の平行四辺形のリンク機構によって支持されており、ガタつくことなくスムーズに開閉(すなわち上下)させることができる。この開閉作業は、通常加工槽前扉ハンドル16を手でもって手動で行われる。この時に必要な力をできるだけ軽減するため、加工槽前扉15の重量をキャンセルするように、シリンダー26の推力が設定されている。
【0016】
次に、加工槽5の内部に任意の液面高さで加工液を貯留したり、加工液を加工槽5から排出したりする方法を、図11・図12・図13によって説明する。
【0017】
まず、加工液を貯留する場合について説明する。液面設定つまみ28を手でつまんで、上下に摺動する液面設定シャッター26を任意の高さに設定し、加工槽5の内部に加工液を供給する。テーブル定盤13、加工槽本体14、加工槽前扉15、仕切板23で囲まれた空間内に加工液が貯留され、液面が上がってくるが、液面が液面設定シャッター26の上端に達すると、加工液は液面設定窓24を通して加工液排出部・液面設定部19にオーバーフローする。オーバーフローした加工液は、加工液排出口34を通して加工液排出パイプ35に流入し、図示しない加工液供給装置へと回収される。このようにして、加工槽5の内部に貯留する加工液の量、すなわち液面高さを任意に設定することができる。
【0018】
加工液を排出する場合には、加工液排出シリンダー31によって、上下にスライドする加工液排出シャッター29を上方に引き上げる。この動作によって、加工槽5の内部に貯留されていた加工液は、加工液排出窓25を通して加工液排出部・液面設定部19に流入する。流入した加工液は、前述した液面設定窓24からオーバーフローした加工液と同様に、加工液排出口34を通して加工液排出パイプ35に流入し、図示しない加工液供給装置へと回収される。このようにして、加工槽5の内部に貯留した加工液を排出することができる。
【0019】
図11において、加工液排出部の底部33をテーブル定盤13の上面よりH3だけ低く設定している理由を以下に説明する。加工槽5の内部に貯留した加工液を排出する際に、加工液排出口34を通して加工液排出パイプ35に流入する加工液の量、すなわち排出される加工液の量qは、加工液排出窓25における抵抗を無視すると、その瞬間の加工液排出部の底部34から液面までの高さhの関数として、一般に数3で表される。ここでSは加工液排出口34の断面積、gは重力加速度である。数3から、排出される加工液の量qが、高さhの平方根に比例することがわかる。すなわち、高さhが大きく保たれていればその瞬間に排出される加工液の量qが大きく、したがって加工槽5の内部から加工液が排出されるのに必要な時間を短くすることができる。作業時間を短くして効率を上げるためには、加工液の排出に必要な時間は短い方が好ましく、以上のような理由によって、加工液排出部の底部33をテーブル定盤13の上面よりH3だけ低く設定しているのである。なお一般に、テーブル定盤13の上面より液面が下がれば、加工槽5の内部から加工液が完全に排出されていなくても、加工槽前扉15を開けることができるように、加工槽本体14は構成されている。
【0020】
【数3】
Figure 0004008511
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
従来の放電加工装置は以上のように構成されているので、加工槽5の内部から加工液が排出されるのに必要な時間が短く、この点に関しては作業時間が短く、作業性が高かった。しかしながら、加工槽本体の底部32と加工液排出部の底部33とが同一平面上にあるため、加工槽5の内部に加工液を貯留する場合には、加工槽本体の底部32とテーブル定盤13の上面との高さの差H3の分だけ余分に加工液を供給せねばならなかった。したがって、加工槽5の内部に加工液を貯留するのにかかる時間が長く、作業性が低いという欠点があった。また一般に形彫放電加工に使用する加工液は、消防法上の第四類危険物第3石油類に該当する危険物であり、加工槽5に供給する加工液が多いのは、安全性の面からも好ましくないという欠点があった。さらに、H3の分だけ加工槽5が大形であるため製造しにくく、製造コストが高いという欠点もあった。
【0022】
また、前扉駆動装置収納部18、加工液排出部・液面設定部19、加工液制御部20が横一線に配置されていて加工槽5の全幅Wが広かった。放電加工装置を設置することを考えると、機械全体の設置スペースはできるだけ少ない方がよいのは当然である。機械1台当たりの地価が下がるし、同じ面積に対してより多くの機械を設置することができるからである。しかしながら、従来の放電加工装置は加工槽5の全幅Wが広く、機械の左右方向の張り出し部分が多く、設置スペースが大きいという欠点があった。加工槽5が大形であるため製造しにくいので製造コストが高く、また幅広感が強いため外見上の安定性もよくないという欠点があった。
【0023】
さらに、加工槽5の内部に加工液を貯留する時には、液面設定窓24を通して加工液排出部・液面設定部19に加工液がオーバーフローするが、この際液面設定窓24は堰として作用する。この堰の幅、すなわち液面設定窓24の幅が狭いと、十分な加工液のオーバーフロー量を確保できず、最悪の場合加工液が加工槽5の外部にあふれ出すことになり、安全性が低くなる。また、加工液を加工槽5から排出する時については、前述の数3においては加工液排出窓25における抵抗を無視したが、加工液排出窓25の幅が狭い場合には、この部分の抵抗が無視できなくなるため、加工液を排出するのにかかる時間が長く、作業時間が長く作業性が低くなる。従来の放電加工装置1は、図12・図13に示したように液面設定シャッター26と加工液排出シャッター29が前後に並べて配置されているため、液面設定窓24の幅と加工液排出窓25の幅の和が、加工槽の奥行きによって制限され、それぞれの幅を十分に確保することが難しいので、安全性が低く、作業性も低いという欠点があった。
【0024】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、使用時の作業性が高く、安全で、設置スペースが少なく、製造コストも安く、さらに外見上の安定性もよい放電加工装置を得ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る放電加工装置は、放電加工を行う際に加工液を貯留する加工槽本体の底部が、被加工物を積載するテーブルまたはテーブル定盤に液密状態で固定されている放電加工機において、仕切板により加工液を貯留する空間と仕切られた加工液排出部に設けられた加工液を排出するための加工液排出口を、前記仕切板により仕切られた加工液が貯留される空間の底部より低い位置に設けるものである。
【0026】
第2の発明に係る放電加工装置は、加工槽本体の加工液排出部に相当する部分に開口部を設け、この開口部に加工液排出ブロックを液密状態で取り付けるものである。
【0027】
第3の発明に係る放電加工装置は、仕切板に、加工液排出時には開放し、加工液貯留時には閉塞する加工液排出シャッターを取り付けるものである。
【0028】
第4の発明に係る放電加工装置は、仕切板に、加工液貯留時の加工液面の高さを調節する液面設定シャッターを取り付けたものである。
【0029】
第5の発明に係る放電加工装置は、加工液排出シャッター及び液面設定シャッターを背面合わせに設置したものである。
【0030】
第6の発明に係る放電加工装置は、加工液排出シャッター及び液面設定シャッターを同一直線状に設置したものである。
【0031】
第7の発明に係る放電加工装置は、加工槽前扉の駆動装置を収納する部分と、加工液排出部とを前後に配置したものである。
【0035】
【実施例】
実施例1.
以下、この発明の一実施例を図について説明する。ただし、放電加工装置全体の構成は、図8に示した従来の放電加工装置と同様なので説明を省略する。
【0036】
図1は、従来の技術について説明した図11に対応しており、第1の発明における放電加工装置1の、加工槽5の構造を表す正面断面図である。この図でも図11と同様に、テーブル4とテーブル定盤13が一体で構成されている場合を示した。基本構成については、図11に示した従来の放電加工装置1の加工槽5とほぼ同一であるので、説明を省略する。ただし、加工液排出部の定部33の高さは従来の放電加工装置1の加工槽5の場合と同様である(テーブル定盤13の上面からH3だけ低い)のに対して、加工槽本体の底部32とテーブル4を加工槽シール36を用いて液密状態で固定する部分の高さが、従来の放電加工装置1の加工槽5の場合よりもH3だけ高く(テーブル定盤13の上面と同じ高さに)なっている。したがって、加工槽5において、加工液排出部の底部33が、加工槽本体の底部32より部分的に低くなっている。
【0037】
図2は、第2の発明における放電加工装置の、加工槽5の製作方法を示した斜視図である。図中、37は加工槽本体14の加工液排出部・液面設定部19に相当する部分に設けた開口部である。38は、他で製作した加工液排出ブロックであり、開口部37に液密状態で取り付けられる。
【0038】
図3は、従来の技術について説明した図12に対応しており、第3・第4・第5の発明における放電加工装置1の、加工槽5の構造を表す平面断面図である。ただし基本構成については、図12に示した従来の放電加工装置1の加工槽5とほぼ同一であるので、説明を省略する。
【0039】
従来の技術について説明した図12において、前扉駆動装置収納部18と加工液排出部・液面設定部19は、左右に配置されているが、図3においては、前後に配置されている。
【0040】
また図12において、加工液制御部20の手前側平面は、加工槽前扉15と同一平面上に配置されているが、図3においては、加工槽前扉15よりもD1だけ奥側に配置されている。
【0041】
さらに、図12において、液面設定シャッター26と加工液排出シャッター29は、前後に並べて配置されているが、図3においては、背面合わせに配置されている。
【0042】
図4も、従来の技術について説明した図12に対応しており、第6の発明における放電加工装置1の、加工槽5の構造を表す平面断面図である。ただし基本構成については、図3と同様に図12に示した従来の放電加工装置1の加工槽5とほぼ同一であるので、説明を省略する。
【0043】
図12において、液面設定シャッター26と加工液排出シャッター29は、前後に並べて配置されており、図3においては、背面合わせに配置されているが、図4においては、縦方向に並べて同一直線上に配置されている。
【0044】
次に、この発明の作用・動作について説明する。
図1中のWは加工槽5の全幅で、図11の場合と同様に数1で表される。しかし加工槽5の全高H’は下記の数4で表され、数2で表される全高Hよりも、H3の分だけ小さくなる。したがって、加工槽5の内部に加工液を貯留する場合にも、余分な加工液を供給する必要がないので、加工液を貯留するのにかかる時間が従来の放電加工装置よりも短い。一方、加工液排出部の底部33はH3だけ低い状態のままなので、加工槽5の内部から加工液を排出する場合には、従来の放電加工装置と同様に作用する。
【0045】
【数4】
Figure 0004008511
【0046】
すなわち本発明によれば、加工槽5の内部から加工液が排出される時間が短いまま、加工槽5の内部に加工液を貯留するのにかかる時間も短くすることができ、作業時間を短縮し、作業性を向上することができる。また、加工槽5に供給する加工液も少ないので安全性も高く、さらにH3の分だけ加工槽5が小形であるため製造しやすく、製造コストも安くすることができる。なおここで、加工液排出部の底部33の面積は、加工液排出口34の面積や加工液排出パイプ35の断面積よりも十分に広くなければならないことは、言うまでもない。
【0047】
一般に加工槽5のように液密性が要求される部品については、いくつかの部品を液密溶接で組み合わせるよりは、曲げ加工によって部品を構成して液密溶接の部分を最小限にした方が製造コストが安い。しかし、図1に示した加工槽5のように底面が2段になっていて構造が複雑な場合には、曲げ加工に固執するのではなく、部品を分割して液密溶接で組み合わせた方が、全体としての製造コストが安くなる。
【0048】
図2において、加工槽本体14は曲げ加工を主体として製作し、加工槽本体の底部32の加工液排出部・液面設定部19に相当する部分にあらかじめ開口部37を設けておく。この開口部37に、他で製作した仕切板23と加工液排出ブロック38を液密溶接で取り付ける。このようにすると、加工槽本体14の構造が簡単になり、加工槽5全体の製造コストを安くすることができる。
【0049】
以上のように本発明によれば、機能的に優れた、図1に示した加工槽5の製造コストをさらに安くすることができる。
【0050】
図3において、加工槽5の全幅W’は数5で表される。ここでW3’は前後に配置された前扉駆動装置収納部18と加工液排出部・液面設定部19の幅である。従来の技術について説明した図12において、数1で表される加工槽5の全幅Wと、図3において数5で表される全幅W’を比較すると、(W2+W3−W3’)の分だけ、加工槽5の全幅W’を狭くすることができる。
【0051】
【数5】
Figure 0004008511
【0052】
以上のように本発明によれば、加工槽5の全幅W’が狭く、機械の左右方向の張り出し部分が少ないため、機械全体の設置スペースを小さくすることができる。さらに、加工槽5が小形であるため製造しやすく、製造コストも安くすることができ、また幅広感を弱くして外見上の安定性もよくすることができる。
【0053】
図3において、加工液制御部20の手前側平面は、加工槽前扉15よりもD1だけ奥側に配置されているので、視覚的には加工槽5の全幅W’は、加工槽前扉15の幅W”として感じられる。幅W”は数6で表されるので、見かけ上、加工槽5の真の全幅W’を、加工液制御部20の幅W4の分だけ狭くすることができる。
【0054】
【数6】
Figure 0004008511
【0055】
以上のように本発明によれば、加工槽5の全幅W’を見かけ上狭くして、幅広感を弱くし、外見上の安定性をよくすることができる。
【0056】
図3において、液面設定シャッター26と加工液排出シャッター29は背面合わせに配置されているので、液面設定窓24の幅と加工液排出窓25の幅に制限が少なく、加工液排出部・液面設定部19の奥行き方向の長さを有効に使用することができる。したがって、液面設定窓24の幅を広くすることができるため、加工槽5の内部に加工液を貯留する際の加工液のオーバーフロー量を十分に確保することができて安全性が高い。また、加工液排出窓25の幅を広くすることができるため、加工槽5から加工液を排出するのにかかる時間を短くすることができ、作業時間を短縮し、作業性を向上することができる。
【0057】
以上のように本発明によれば、液面設定窓24の幅と加工液排出窓25の幅を広くすることができるため、安全性を高く、作業性を向上することができる。なお、前扉駆動装置収納部18と加工液排出部・液面設定部19が前後に配置されている場合には、加工液排出部・液面設定部19の奥行き方向の長さが、加工槽5の奥行きDよりも短くなるので、本発明の効果が特に著しい。
【0058】
図4において、液面設定シャッター26と加工液排出シャッター29が縦方向に並べて同一直線上に配置されているので、前述した背面合わせに配置されている場合と同様に、液面設定窓24の幅と加工液排出窓25の幅を広くすることができるため、安全性を高く、作業性を向上することができる。さらに、液面設定シャッター用ガイドレール27と加工液排出シャッター用ガイドレール30を統合して、共通ガイドレール39とすることができるので、製造コストを安くすることができる。
【0059】
実施例2.
なお、図1・図2・図3・図4においては、加工液排出部・液面設定部19と加工液制御部20が、加工槽5の右側に配置されている場合の例を示したが、左側や前側・奥側に配置されている場合に対しても、本発明は当然応用できるものであり、その配置については特に制限するものではない。また、加工液排出部の底部33の形状についても、図1・図2・図3・図4においては長方形の場合を示したが、円形やその他の形状でもよく、特に制限するものではない。
【0060】
実施例3.
図1・図2においては、板金加工によって加工液排出部の底部33を低くしたが、図5に示したように加工液排出パイプ35の上部の形状を広くして、加工液パイプ35の内部に加工液排出部の底部33を設置することもできる。
【0061】
また、前述したように鋳物構造であるテーブル4を、図6に示すような構造とし、加工液排出部の底部33をテーブル4の内部に設けることによっても、同様の効果を得ることができる。
【0062】
さらに、図7に40で示したように、加工液排出部を複数に分割(図7では3分割)し、それらを連通部41でつなぐことによっても、同様の効果を得ることができる。
【0063】
なお以上において、加工液排出部の底部33の面積は、加工液排出口34の面積や加工液排出パイプ35の断面積よりも十分に広くなければならないことは、言うまでもない。
【0064】
実施例4.
また図3において、加工液制御部20の手前側平面を、加工槽前扉15よりもD1だけ奥側に配置するだけでなく、加工液制御部20の手前側平面を、加工槽前扉15よりも視覚的に弱い色で塗装することによって、本発明の効果をより大きくすることができる。
【0065】
実施例5.
さらに、以上の実施例においては、すべて形彫り放電加工装置を例にして記述したが、ワイヤカット放電加工装置などの他の種類の放電加工装置に対しても、本発明が応用できることは言うまでもない。
【0066】
なお、加工槽の手前側平面に、加工槽前扉と、噴出加工・吸引加工を行う際に加工液の圧力・流量を制御するための圧力計やバルブを配した加工液制御部が設置されている放電加工装置において、加工槽扉よりも奥側に配置した、加工液制御部の手前側平面を備えたので、外見上の安定性のよい放電加工装置を得ることができる。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、放電加工を行う際に加工液を貯留する加工槽本体の底部が、被加工物を積載するテーブルまたはテーブル定盤に液密状態で固定されている放電加工機において、加工槽本体の底部より低い、加工槽から加工液を排出する加工液排出部の底部を備えたので、使用時の作業性が高く、安全で、製造コストも安い放電加工装置を得ることができる効果がある。
【0068】
またこの発明によれば、第1の発明に係る放電加工装置において、加工槽を製作する際に、加工槽本体の加工液排出部に相当する部分に開口部を備え、そこに液密状態で取り付けた、他で製作した加工液排出ブロックを備えたので、製造コストが安い放電加工装置を得ることができる効果がある。
【0069】
またこの発明によれば、加工槽前扉が上下にスライドする放電加工装置において、前後に配置した、加工槽前扉の駆動装置を収納する部分と、加工液排出部や加工槽内の加工液の液面の高さを設定する液面設定部を備えたので、設置スペースが少なく、製造コストも安く、さらに外見上の安定性もよい放電加工装置を得ることができる効果がある。
【0070】
またこの発明によれば、加工槽内の加工液排出部や液面設定部において、加工液の排出や液面高さの設定が、上下にスライドするシャッターで実施されている放電加工装置において、背面合わせに設置した、これらのシャッターを備えたので、使用時の作業性が高く、安全な放電加工装置を得ることができる効果がある。
【0071】
さらにこの発明によれば、加工槽内の加工液排出部や液面設定部において、加工液の排出や液面高さの設定が上下にスライドするシャッターで実施されている放電加工装置において、同一直線上に設置した、これらのシャッターを備えたので、使用時の作業性が高く、安全で、さらに製造コストも安い放電加工装置を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施例による放電加工装置の、加工槽5の構造を表す正面断面図である。
【図2】第2の発明の一実施例による放電加工装置の、加工槽5の製作方法を示した斜視図である。
【図3】第3・第4の発明の一実施例による放電加工装置の、加工槽5の構造を表す平面断面図である。
【図4】第5の発明の一実施例による放電加工装置の、加工槽5の構造を表す平面断面図である。
【図5】第1の発明の他の実施例による放電加工装置の、加工槽5の構造を表す正面断面図である。
【図6】第1の発明の他の実施例による放電加工装置の、加工槽5の構造を表す正面断面図である。
【図7】第1の発明の他の実施例による放電加工装置の、テーブル4の構造を表す断面図である。
【図8】従来の放電加工装置のうち、側面からみてC型形状の放電加工装置の概略側面図である。
【図9】図8に示した従来の放電加工装置1の加工槽5を示した外形斜視図である。
【図10】従来の放電加工装置の、前扉駆動装置収納部18の内部構造、すなわち加工槽前扉15を上下にスライドするための駆動装置を示した概略側面図である。
【図11】従来の放電加工装置の、加工槽5の内部構造を表す正面断面図である。
【図12】従来の放電加工装置の、加工槽5の内部構造を表す平面断面図である。
【図13】従来の放電加工装置の、加工液排出部・液面設定部19の構造を表す斜視図である。
【符号の説明】
4 テーブル
5 加工槽
13 テーブル定盤
15 加工槽前扉
18 前扉駆動装置収納部
19 加工液排出部・液面設定部
20 加工液制御部
26 液面設定シャッター
29 加工液排出シャッター
32 加工槽本体の底部
33 加工液排出部の底部
37 開口部
38 加工液排出ブロック

Claims (6)

  1. 放電加工を行う際に加工液を貯留する加工槽本体の底部が、被加工物を積載するテーブルまたはテーブル定盤に液密状態で固定されている放電加工機において、
    仕切板により加工液を貯留する空間と仕切られた加工液排出部に設けられた加工液を排出するための加工液排出口を、前記仕切板により仕切られた加工液が貯留される空間の底部より低い位置に設け、前記仕切板に設けられた加工液排出シャッターを開くことにより、前記加工液排出口より前記加工液を排出することを特徴とする放電加工装置。
  2. 加工槽本体の加工液排出部に相当する部分に開口部を設け、この開口部に加工液排出ブロックを液密状態で取り付けることを特徴とする請求項1記載の放電加工装置。
  3. 仕切板に、加工液貯留時の加工液面の高さを調節する液面設定シャッターを取り付けたことを特徴とする請求項1、2の何れかに記載の放電加工装置。
  4. 加工液排出シャッター及び液面設定シャッターを背面合わせに設置したことを特徴とする請求項3記載の放電加工装置。
  5. 加工液排出シャッター及び液面設定シャッターを同一直線状に設置したことを特徴とする請求項3記載の放電加工装置。
  6. 加工槽前扉の駆動装置を収納する部分と、加工液排出部とを前後に配置したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の放電加工装置。
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