JP4006661B2 - 活魚移送装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、活魚移送装置に関するものであり、活魚を泳がせて移動させる移送装置として利用される。
【０００２】
【従来の技術】
従来の技術は、本発明人による発明が特願平０２−３２１６９号公報に開示されており、ここでは泳行範囲縮減部材としての移動子が連結部材から離間されて第１の生け簀内を浮沈自在とされており、第１の生け簀内の魚を全部または大雑把な数量を第２の生け簀に移動させるのに効率的である。また、大規模な生け簀向きである。
【０００３】
【解決しようとする課題】
しかしながら、第１の生け簀内の魚を小出しする際は不便である。また、移動させる魚の数を設定できない。さらにまた、浮沈自在の移動子の設定は経済的に万能ではないので小規模の生け簀には過剰投資になる。また、既設の生け簀や水槽への移動子の追加設置が物理的に困難である等の欠点があった。
【０００４】
本発明は上述従来の問題を解決することを課題としてなされたもので、操作性が良く、既設の生け簀や水槽にも利用でき、しかも、小規模生け簀においても投資効率の良い活魚移送装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係わる活魚移送装置は、活魚を蓄える第１の生け簀と活魚を収容できる第２の生け簀を中空の連結部材を介して連結して連通させた後、適宜手段により前記連結部材の中空部に水が流入されて形成される水路を介して前記第１の生け簀の水中と第２の生け簀の水中を接続させ、前記第１の生け簀内の活魚の泳行範囲を縮減すると該生け簀内の活魚が前記連結部材に形成される水路を通って前記第２の生け簀に泳いで移動可能とされる活魚移送装置において、前記第１の生け簀内を進退自在とされて前記連結部材に形成される水路と連通可能な中空部を有する操作棒付泳行範囲縮減部材が前記連結部材の先端部に連結されていることを特徴とする。
【０００６】
【作用】
上記本発明では、泳行範囲縮減部材を適宜操作して水中の泳行範囲縮減部材の中空部に活魚を追込むとこの中空部と連通する連結部材に形成される水路を通って第２の生け簀に移動する。
【０００７】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図１乃至図３を用いて説明する。
図１は本発明に係わる活魚移送装置の第１実施例を示す要部断面図である。
【０００８】
図１において、水と沢山の魚が収容される第１の生け簀１から適宜離間されて第２の生け簀が適宜量の水を張られ天側が開口されて配設されている。
そして、筒状とされ可撓性材料から成る連結部材３の一側先端が第２の生け簀２の水中に臨まされていると共に他側先端部は略「Ｌ」持状とされて先端が断面略「Ｕ」字状とされ天側が開口される中空の篭体４の孔が明けられた側面に連結されて籠体４の中空部と連結部材３の中空部とが連通され第１の生け簀１内の水中に臨まされている。
【０００９】
泳行範囲縮減部材６を図２を用いて説明すると、泳行範囲縮減部材６は前記籠体４と籠体４の開口縁部から水平方向手前側に延出される軸５と該軸５の軸心の延長線上とされ連結部材３から水平方向後方側に延出される図示しない軸と該軸に先端部が枢着される略「コ」字状の一対の枠体６ａ，６ａと連結部材３が貫通され枠体６ａと籠体４の開口縁部に橋架されプラスチックフィルムのように薄い柔軟性材料から成る間仕切部材６ｂと枠体６ａの中央部に先端が枢着される操作棒７とから成り、一対の操作棒７，７を上下動すると軸５と該軸５の軸心の延長線上とされ連結部材３から水平方向後方側に延出される図示しない軸を中心として一対の枠体６ａ，６ａが枢動するようにされている。
【００１０】
連結部材３の最高位とパイプ８を介して真空ポンプ１１とが接続され、真空ポンプ１１の作動によりパイプ８を介して連結部材３の中空部を減圧できるようにされている。
なお、レベルスイッチ９はパイプ８の中空部内に進入してくる水の水位を検出するとバルブ１０に働き掛けてパイプ８の中空部を遮断して水がパイプ８を介して真空ポンプ１１に進入することを防ぐと共に連結部材３の中空部内の減圧状態を維持させる。
【００１１】
また、ポンプ１２から延びるパイプ１３の吸い込み口１４が第２の生け簀２の水中に臨まされると共に吐出口１５はパイプ１３が連結部材３の先端部を水密状に貫通し連結部材３の中空部に臨まされており、吐出口１５から吐出される水が連結部材３の第１の生け簀１側に臨む先端と対向する第２の生け簀２側に向けて吐出されるようにされている。
【００１２】
以上の構成において、その作用を図１乃至図３を用いて説明する。
図１において、図示しない起動スイッチを入れて真空ポンプ１１を作動させると連結部材３の中空部内の空気がパイプ８を介して排気され、漸次減圧されるに従って連結部材３の先端から第１の生け簀１及び第２の生け簀２の水が連結部材３の中空部内に進入する。進入する水が連結部材３の中空部内を満たした後、さらにパイプ８内に進入してレベルスイッチ９によって検出されるとレベルスイッチ９がバルブ１０に働き掛けてバルブ１０を閉じてレベルスイッチ９と真空ポンプ１１との間のパイプ８内の中空部を遮断する。
これにより、連結部材３の中空部内に水が充満された状態が維持される。
【００１３】
次いで、ポンプ１２が作動されて第２の生け簀２内の水を吸込み口１４から吸い上げて吐出口１５から吐出される。これにより、第１の生け簀１から第２の生け簀２に向けて流れる水流が連結部材３の中空部内に発生し、第１の生け簀１内の水も連結部材３の中空部内に吸い込まれて第２の生け簀２に向かう高速水流が発生する。
【００１４】
次いで、図１に示すように、一対の操作棒７，７を下げて一対の枠体６ａ，６ａを対向・近接させた後、図３―（１）に示すように、さらに操作棒７，７を下げて枠体６ａ，６ａを第１の生け簀１の底に当接させる。この際、枠体６ａに連結される連結部材３の先端部も同調下降する。
また、魚は危険回避して泳行範囲縮減部材６や連結部材３から離反する。
次いで、図３―（２）に示すように、操作棒７，７を操作して枠体６aを第１の生け簀１の底面と摺接させて外側に移動させながら先端部も下降させて第１の生け簀１の底面に連結部材３の先端部下面を当接させる。
これにより、魚は泳行範囲縮減部材６より水面側に移動する。
次いで、操作棒７，７を操作して泳行範囲縮減部材６と共に連結部材３の先端部を上昇させていくと泳行範囲縮減部材６と水面とで形成される魚の泳行範囲が漸減される。魚にとって危機的に泳行範囲が狭められるとついには魚が籠体４の中空部に入り、さらに籠体４の中空部を経て連結部材３の中空部に形成される水路を通過して第２の生け簀２に移動する。この際、水路内は高速水流が流れているので魚は高速水流に乗って高速で第２の生け簀２に移動させる効果がある。
【００１５】
必要数の魚を第２の生け簀２に移動させた後は停止操作をして連結部材３の両端を第１の生け簀１と第２の生け簀２から外して次の移送に備えればよい。
【００１６】
なお、上記実施例では、第１の生け簀１が比較的大型の場合に使用される泳行範囲縮減部材６の例を示したがこれに限るものではない。すなわち、図４に示すように、連結部材３の表面軸方向に進退自在とされるリング２０に筒状の蛇腹状とされ可撓性を有す伸縮部材２１の一端を取付けて伸縮部材２１を連結部材３の軸方向に進退自在とすると共に他端を泳行範囲縮減部材としての掬網３０の開口縁部に連結させて連結部材３の中空部と掬網３０の中空部とを可撓性を有す伸縮部材２１を介して連通させてもよい。
この際の作用は、人が取っ手３０ａを持って掬網３０を水中で操作して掬網３０を生け簀の壁又は水面に接近させて魚の泳行範囲を縮減させて水中の掬網３０内に魚を追込むと、魚は危機回避のために最高速で伸縮部材２１を介して連結部材３の中空部内に進入し高速水流にのって連結部材３を高速で通過して第２の生け簀２に移動する。
この際、掬網３０と連結部材３とを連結部材３の軸方向に進退自在とされる筒状の蛇腹状とされ可撓性を有す伸縮部材２１を介して連結したので操作し易い効果がある。
【００１７】
また、図５に示すように、泳行範囲縮減部材としての中空体である掬網３１の底に穴を明けて該孔の縁部と連結部材３の先端とを筒状の柔軟性部材２２と筒状の蛇腹状とされる伸縮部材２１との連結部材を介して接続してもよい。この際も、人が取っ手３１ａを持って前述同様に掬網３１を水中で操作して水中の掬網３１内に魚を追込むと、前述同様に魚は第２の生け簀２に高速移動する。
【００１８】
さらにまた、図６に示すように、一側が開口される泳行範囲縮減部材としての中空体である箱体３２の壁に孔を明け該孔の縁部に連結部材３の先端を回動自在に連結させてもよい。前述同様に水中の箱体３２の中空部内に魚を追込むと、前述同様に魚は第２の生け簀２に高速移動する。
【００１９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる活魚移送装置によれば、連結部材に形成される水路と連通可能な中空部を有する操作棒付泳行範囲縮減部材を連結部材３の先端部に連結して手動操作可能にしたので操作性が良く、確実・容易に魚を連結部材３に形成される水路に導くことができる。従って、容易に第２の生け簀２へ魚を泳がせて移動させる事ができる。また、泳行範囲縮減部材にきめ細やかな動作をさせる事ができるので第１の生け簀の形状が複雑でも容易に魚を連結部材３に形成される水路に導くことができる。さらにまた、既設の生け簀や水槽にも利用できると共に泳行範囲縮減部材の構造を簡素にできるので活魚移送装置を安価にできる等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による活魚移送装置の第１実施例を示す要部断面図である。
【図２】本発明による第１実施例の泳行範囲縮減部材の斜視図である。
【図３】本発明による第１実施例の活魚移送装置の操作説明図である。
【図４】本発明による泳行範囲縮減部材の他の実施態様例を示す要部断面図である。
【図５】本発明による泳行範囲縮減部材のさらに他の実施態様例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
１ 第１の生け簀
２ 第２の生け簀
３ 連結部材
４ 籠体
５ 軸
６ 泳行範囲縮減部材
６ａ 枠体
６ｂ 間仕切部材
７ 操作棒
８ バルブ
９ レベルスイッチ
１０ バルブ
１１ 真空ポンプ
１２ ポンプ
１３ パイプ
１４ 吸込み口
１５ 吐出口
２１ 伸縮部材
２２ 筒状柔軟性部材
３０，３１ 掬網
３２ 箱体

Claims (1)

1. 活魚を蓄える第１の生け簀と活魚を収容できる第２の生け簀を中空の連結部材を介して連結して連通させた後、適宜手段により前記連結部材の中空部に水が流入されて形成される水路を介して前記第１の生け簀の水中と第２の生け簀の水中を接続させ、前記第１の生け簀内の活魚の泳行範囲を縮減すると該生け簀内の活魚が前記連結部材に形成される水路を通って前記第２の生け簀に泳いで移動可能とされる活魚移送装置において、前記第１の生け簀内を進退自在とされて前記連結部材に形成される水路と連通可能な中空部を有する操作棒付泳行範囲縮減部材が前記連結部材の先端部に連結されていることを特徴とする活魚移送装置

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