JP4006057B2 - 悪液質予防及び/又は治療剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、腫瘍細胞障害因子(Tumor Cytotoxic Factor-II ;TCF−II)を有効成分とする悪液質予防及び/又は治療剤に関する。本発明により、癌、後天性免疫不全症候群(AIDS)、心臓疾患、感染症、ショック、熱傷、エンドトキシン血症、臓器炎、手術、糖尿病、膠原病、放射線治療、又は化学療法からなる群から選択される1以上の要因に基づき発症した悪液質に対する優れた予防及び/又は治療剤が提供され、医薬として有用である。
【0002】
【従来の技術】
一般に癌、後天性免疫不全症候群(AIDS)、心臓疾患を初めとした疾患においては食欲不振、体重減少、体力消耗、衰弱、皮膚萎縮や乾燥、貧血、浮腫、血液凝固線溶系異常などを伴い、これらの病態を悪液質(cachexia)という。この全身衰弱症状に陥ることにより、患者はついには死亡する(玉熊正越ほか:医学のあゆみ, 149, 371-373 (1989) )さらに、手術による根治が望めなくなった進行あるいは末期癌に、放射線療法や化学療法を積極的に行うと、上述のような特有な栄養低下を背景に、免疫能などの生体防御能が極端に低下し、生命をかえって短縮する事態が発生してしまうため、治療上の大きな問題点となっている。悪液質の成因はこれまで、栄養摂取量低下と疾患生体の栄養消費の上昇による出納の不均衡や、癌組織や病変部位から動員される体液性因子の、全身の代謝に及ぼす影響などで説明されてきた。このことから悪液質の改善には、圧倒的な栄養あるいはエネルギー不足を補い免疫能を高めるために、高カロリー輸液などの積極的な栄養投与が行われている。しかし、悪液質の状態では、投与されたエネルギーは患者の生命維持の目的には使用され難く、特に担癌生体では癌細胞の栄養となり、その増殖を助ける結果となってしまうため、栄養補給のみでは満足な治療方法とは言えなかった。
【0003】
近年、腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor;TNF) など、マクロファージから動員されるモノカインやサイトカインが悪液質の成因として注目されている。TNFは癌細胞を障害する因子として発見され、免疫担当細胞の1つで貧食作用を持つマクロファージなどが分泌することが明らかになっている。当初、直接殺細胞効果があり、強い抗腫瘍活性を有することから、抗癌剤として期待されていたが、近年になって、癌の患者や重症感染症患者の体重減少などの衰弱、即ち悪液質の原因となること、あるいは炎症反応を惹起する元凶のサイトカインであることが解明され、それ以降TNFの多様な作用が研究されている。TNFの主な作用は、(1) 破骨作用、(2) 細胞への脂質の取り込み阻害による高脂血症、(3) インターロイキン1やコロニー刺激因子の生産誘導、(4) 血管内皮細胞の障害、(5) 重症感染症で起こる外毒素ショックの仲介反応などである。これらのことから、TNFの上昇を抑制することにより各種の疾患の治療、即ち癌、後天性免疫不全症候群(AIDS)、心臓疾患、感染症、ショック、熱傷、エンドトキシン血症、臓器炎などに伴う悪液質、またはこれら疾患の治療、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患をはじめとした各種炎症性疾患の治療を目的とした薬剤の開発が望まれているが、いまだ満足したものが得られていないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、悪液質に対する治療薬物を鋭意探索した結果、腫瘍細胞障害因子として知られているTCF−II、又はヒト血液、特に劇症肝炎患者の血液由来の蛋白性物質である肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor; HGF)が、悪液質に対し優れた予防及び治療効果を有することを見出した。従って本発明は、TCF−II又はHGFを有効成分とする癌、AIDS、心臓疾患、感染症、ショック、熱傷、エンドトキシン血症、臓器炎、手術、放射線治療、化学療法などの要因に基づき発症した悪液質の予防及び/又は治療剤を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、TCF−II又はHGFを有効成分とする悪液質予防及び/又は治療剤に関する。本発明により、癌、AIDS、心臓疾患、感染症、ショック、熱傷、エンドトキシン血症、臓器炎、手術、糖尿病、膠原病、放射線治療、又は化学療法からなる群から選択される1以上の要因に基づき発症した悪液質に対する優れた予防及び/又は治療剤が提供され、医薬として有用である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の有効成分であるTCF−IIは、ヒト線維芽細胞由来の公知の蛋白質であり、下記の特性を有する。
上記TCF−IIは、ヒト線維芽細胞培養液を濃縮しイオン交換体に吸着させ、その溶出液をアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製する方法(WO90/10651号公報)、或いは遺伝子工学的手法(WO92/01053号公報)によって得られる。
【0007】
本発明の有効成分であるTCF−IIは、線維芽細胞由来のものを用いることが可能であり、又、WO90/10651号公報に記載された遺伝子配列に基づいて、微生物や他の細胞により遺伝子組換え操作により生産されたものでもよい。又、WO92/01053号公報に開示された遺伝子工学的手法により得られたものを用いてもよい。この時、宿主細胞又は微生物の違いによる糖鎖の異なったものや、糖鎖の結合していないものであっても使用可能であるが、好ましくは糖鎖の結合しているものを用いる。これらの方法により得られたTCF−IIは、通常の単離精製法によってさらに濃縮、精製することができる。例えば、有機溶媒による沈殿法、塩析、ゲル濾過、モノクローナル抗体を用いたアフィニティークロマト、電気泳動法等が挙げられる。モノクローナル抗体を用いたアフィニティークロマトによる精製は、特開平5−97号公報に開示されているモノクローナル抗体を用いて精製することができる。得られた精製TCF−IIは、凍結乾燥あるいは凍結保存することができる。その他、TCF−IIと同様の活性を有するものであれば、本発明と同様の薬剤として利用可能である。例えば、TCF−II蛋白質と5アミノ酸の違いを有する蛋白質である肝細胞増殖因子(HGF;特開昭63−22526号)、あるいは精製Scatter Factor(SF; Gherardi and Stocker, Nature, 346, 228 (1990))などが挙げられる。
【0008】
又、本発明の有効成分のHGFは、肝細胞を増殖させる活性を有し、劇症肝炎患者の血液から単離された、下記の特性を有する公知の蛋白性物質である(特許第 2564486号公報)。
i) 分子量(非還元下SDS-PAGE) ;76,000〜92,000
ii) 前記活性は56℃、15分間の加熱では失活せず、80℃、10分間の加熱により失活する
iii) トリプシンあるいはキモトリプシンに消化により前記活性が失活する
iv) ヘパリンに強い親和性を有する
このHGFは、血漿を56℃程度で約15分間加熱し、硫安濃度約1.1 〜1.2Mの沈殿画分を取得し、これをゲル濾過、DEAEなど陰イオン交換体によるイオン交換クロマトグラフィーで精製して得ることができる。また遺伝子工学的手法によっても得ることができる。
【0009】
本発明の悪液質予防及び/又は治療剤は、注射剤として静脈、筋肉内、あるいは皮下より投与することができる。これらの製剤は公知の製剤学的製法に準じ製造され、必要に応じpH調整剤、緩衝剤、安定化剤等を添加することができる。本発明の製剤を患者に投与する場合、投与患者の症状の程度、健康状態、年齢、体重等の条件によって異なり、特に限定されないが、成人1日当たり精製TCF−IIとして 0.6mg〜 600mg、好ましくは 6mg〜 60mg を含有する製剤を1日1回若しくはそれ以上投与すれば良い。又、HGFにおいても、この程度の量を同様に投与すれば良い。
【0010】
【実施例】
以下の実施例をもって本発明をより詳細に説明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0011】
【実施例1】
TCF− II の精製
WO90/10651号公報に開示された方法、及び東尾らの方法(Higashio,K. et al,B.B.R.C., vol.170, pp397-404 (1990))に準じて細胞を培養し、精製TCF−IIを得た。即ち、ヒト線維芽細胞IMR−90(ATCC CCL−186)を5%仔牛血清を含むDMEM培地100mlをいれたローラーボトルに3×106 個移植し、0.5〜2回転/分の回転速度で回転させながら7日間培養を続けた。総細胞数が1×107 個になったところでトリプシンにより細胞を剥離し細胞をボトル底面に集め、5〜9メッシュのセラミック100g(東芝セラミック社)を殺菌して投入し、24時間静置して培養した。その後、上記培養液を500ml加え、培養を継続した。7〜10日ごとに培地を全量回収し、新鮮培地を補給した。このようにして2ヵ月間生産を継続し、ローラーボトル一本当たり4Lの培養液を回収した。このようにして得た培養液当たりの生産量は32μg/mlであった。培養液750Lをメンブランフィルター(MW6000カット;アミコン社)処理によりUF濃縮し、CMセファデックスC−50(ファルマシア社)、ConAセファロース(ファルマシア社)、MonoSカラム(ファルマシア社)、ヘパリンセファロース(ファルマシア社)による4段階のクロマト精製を行い、精製TCF−IIを得た。
【0012】
【実施例2】
遺伝子組換えTCF− II の生産
WO92/01053号公報に開示された方法に従い、TCF−II遺伝子を組み込んだ細胞を培養し、精製TCF−IIを得た。形質転換ナマルワ(Namalwa)細胞を培養し、培養液20Lを得た。この培養液をCM−セファデックスC−50クロマト(ファルマシア社)、Con−AセファロースCL−6Bクロマト(ファルマシア社)、MonoSカラム(ファルマシア社)を装着したHPLCの順に処理を行い、約11mgの精製TCF−IIを得た。
【0013】
【実施例3】
遺伝子組換えHGFの生産
HGFcDNAの発現ベクターは、プラスミドpcDNA1のNheI部位にマウスジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)転写単位、2.4 kb断片を挿入し、さらにMiyazawaらによりクローニングされたHGFcDNA (BBRC 163, 967-973, 1989)2.3 kbをサイトメガロウイルス(CMV )プロモーターの下流に挿入して構築した。構築したHGFcDNA発現ベクター10μg とpSV2 neo 1μg をリポフェチンによるリポソーム介在トランスフェクション法によりナマルワ(Namalwa )細胞にコトランスフェクションした。形質転換した細胞をG418耐性により選別した後、続いてメトレキセート(MTX )により遺伝子増幅した。HGF高生産株を2Lローラーボトルを用い、5 %ウシ血清を含むDMEM培地1Lで37℃、 7日間培養した。約20本のローラーボトル培養(回転数約2 回/分) を実施し、約21L の培養液を得た。このようにして得られた培養液は、4mg/L のHGFを含んでいた。HGFを含む培養液20L について、東尾らの方法(Higashio et al., BBRC vol. 170, 397-404, 1990) を若干改変し、CMセファデックスC-50(ファルマシア社) 、Mono Sカラム(ファルマシア社)、ヘパリン5-PW(東ソー社)のFPLCによる3 段階のクロマト精製を行い、SDS-電気泳動的に均一な精製HGFを約60%の収率で得た。
【0014】
【実施例4】
ヒト肝細胞癌移植担癌マウスの悪液質に対するTCF− II 投与の効果
移植するヒト肝細胞癌株は、in vitroの予備実験においてTCF−IIにより細胞増殖、あるいは細胞分散傾向が観察されたKYN−2株およびKYN−3株を用いた。何れの細胞株も、ダルベッコMEN培地(日水製薬社)に100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(ギブコ社)、12mmol/L炭酸水素ナトリウム、20%熱不活化仔牛血清(Whittaker Bioproducts 社)を加えた培養液で37℃、5%CO2 、湿度100%の条件下で静置培養を行った。この両細胞株にそれぞれトリプシン−EDTAを加え細胞を分離し、リン酸緩衝液(PBS)で2回洗浄後、 2.0×107 個/mlとなるよう細胞浮遊液を調製した。
4〜5週齢の雌SCIDマウスの移植部分の皮膚を剃毛および70%エタノールで消毒し、エーテル麻酔後に23Gの注射針を用いて、先に調製した腫瘍細胞を移植した。KYN−2株(1.0×107 個/匹) は背部皮下に、またKYN−3株(1.0 ×107 個/匹)は腹腔内に細胞を移植した。KYN−2株皮下移植腫瘍については、直径が5mmになった移植後3週目に、またKYN−3株腹腔内移植では移植後5週目に、これら移植マウスをそれぞれ4群に分けた。溶媒のみを投与した対照群をI群、0.3mg/kg/日 TCF−II投与群をII群、3.0mg/kg/日 TCF−II投与群を III群、30mg/kg/日 TCF−II投与群をIV群とした。TCF−IIの投与はKYN−2株移植マウスでは腹腔内に、KYN−3株移植マウスでは皮下に、1日2回2週間行った。
KYN−2株皮下移植腫瘍マウスの実験においては、TCF−II投与前の体重と投与終了時の体重を測定した。又、KYN−3を用いた実験においては、TCF−IIの投与前後に、エーテル麻酔下に眼底動脈からヘパリン処理したヘマトクリット毛細管(テルモ社)を用いて採血し、常法で遠心した後直ちにヘマトクリット値を測定した。さらに、TCF−II投与終了時にエーテル麻酔下に解剖を行い腹水中TNF値をFactor-Test-XTM Mouse TNF ELISA キット(ジェンザイム社)を用いて測定した。吸光度測定にはEasy Reader EAR 400 (SLTラボインストゥルメンツ社)を用いた。
【0015】
溶媒およびTCF−II投与群の体重変化を図1に示す。溶媒投与群(I群)では、体重は2週間で約20%と著しい低下を認めた。一方、TCF−II投与群(II〜IV群)においては、投与量に依存して体重減少が抑制され、特にIV群においては投与前後で有意差は認められず、また投与後体重がI群の投与後体重に比較して明らかに高値を示した。次に、溶媒およびTCF−II投与群のヘマトクリットの変化を図2に示す。TCF−II投与により、担癌マウスのヘマトクリット値は改善し、癌増殖に伴う貧血の進行が抑制される傾向が認められた。さらにTCF−IIの上昇抑制効果を図3に示す。担癌生体の悪液質の原因であるTNFは、TCF−IIの投与量に依存し、また最低用量である0.3mg/kg/日のII群から顕著な低下を示した。即ち、TCF−IIの投与により、癌増殖による体重減少、貧血の進行、TNFの上昇などの悪液質の状態を著しく改善した。
【0016】
【実施例5】
エンドトキシン誘発悪液質におけるHGFによる改善効果
6週齢のWistar系雄ラットに浸透圧ポンプ(Model2001, Alzet社)を用いてエンドトキシン(LPS- E.coli ;10mg/kg/日, DIFCO LABORATORIES社)を持続注入し、カヘキシーを発症させた。発症後群分け(1群6匹)し、溶媒(クエン酸緩衝液:pH 6.03 )またはHGF 1mg/kg を1日1回7日間静脈内投与した。最終投与終了翌日のラットの臨床検査値を表1に示す。表1の結果より、LPS処理した溶媒群ではヘマトクリット値、総蛋白、アルブミン及びプラスミノーゲンが低下しカヘキシー状態を示したが、HGF投与群では有意にこれらの値が改善した。この結果より、HGFがエンドトキシンにより誘発されるカへキシーに対し、優れた効果を有することが確認された。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例6】
TCF− II 製剤の製造
実施例1及び2により得られたTCF−IIの注射剤の製造例を示す。
上記組成をpH6.03のクエン酸緩衝液に溶解し全量を20mlに調製し、滅菌後バイアル瓶に2mlづつ分注したものを凍結乾燥後密封した。
【0019】
上記組成を注射用生理食塩水に溶解し全量を20mlに調製し、滅菌後バイアル瓶に2mlづつ分注したものを凍結乾燥後密封した。
【0020】
上記組成をpH6.03のクエン酸緩衝液に溶解し全量を20mlに調製し、滅菌後バイアル瓶に2mlづつ分注したものを凍結乾燥後密封した。
【0021】
上記組成を注射用生理食塩水に溶解し全量を20mlに調製し、滅菌後バイアル瓶に2mlづつ分注したものを凍結乾燥後密封した。
【0022】
上記組成を注射用生理食塩水に溶解し全量を20mlに調製し、滅菌後バイアル瓶に2mlづつ分注したものを凍結乾燥後密封した。
【0023】
上記組成をpH6.03のクエン酸緩衝液に溶解し全量を20mlに調製し、滅菌後バイアル瓶に2mlづつ分注したものを凍結乾燥後密封した。
【0024】
上記組成を注射用生理食塩水に溶解し全量を20mlに調製し、滅菌後バイアル瓶に2mlづつ分注したものを凍結乾燥後密封した。
【0025】
上記組成をpH6.03のクエン酸緩衝液に溶解し全量を20mlに調製し、滅菌後バイアル瓶に2mlづつ分注したものを凍結乾燥後密封した。
【0026】
【実施例7】
HGF製剤の製造
実施例3により得られた遺伝子組換えHGFの注射剤の製造例を示す。
【0027】
上記組成をpH6.03のクエン酸緩衝液に溶解し全量を20mlに調製し、滅菌後バイアル瓶に2mlづつ分注したものを凍結乾燥後密封した。
【0028】
上記組成を注射用生理食塩水に溶解し全量を20mlに調製し、滅菌後バイアル瓶に2mlづつ分注したものを凍結乾燥後密封した。
【0029】
上記組成をpH7.0の0.01Mリン酸緩衝液に溶解し全量を20mlに調製し、滅菌後バイアル瓶に2mlづつ分注したものを凍結乾燥後密封した。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、TCF−IIまたはHGFを有効成分とする悪液質予防及び/又は治療剤が提供される。本発明の悪液質予防及び/又は治療剤は、癌、AIDS、心臓疾患、感染症、ショック、熱傷、エンドトキシン血症、臓器炎、手術、糖尿病、膠原病、放射線治療、又は化学療法からなる群から選択される1以上の要因に基づき発症した悪液質に対する優れた予防及び/又は治療するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例4における、TCF−IIのKYN−2細胞移植マウスの体重低下に対する改善効果を示す。
【符号の説明】
++ : 危険率1%以下(P<0.01)で有意差あり。
** : 危険率1%以下(P<0.01)でI群投与後に対して有意差あり。
【図2】 実施例4における、TCF−IIのKYN−3細胞移植マウスのヘマトクリット低下に対する改善効果を示す。
【符号の説明】
++ : 危険率1%以下(P<0.01)で有意差あり。
【図3】 実施例4における、TCF−IIのKYN−3細胞移植マウスの腹水中TNF値上昇に対する抑制効果を示す。
【符号の説明】
* : 危険率5%以下(P<0.05)でI群に対し有意差あり。
** : 危険率1%以下(P<0.01)でI群に対し有意差あり。
Claims (3)
- 腫瘍細胞壊死因子−II(Tumor Cytotoxic Factor−II;TCF−II)又は肝細胞増殖因子 (Hepatocyte Growth Factor; HGF ) を有効成分とする、癌増殖による体重減少の抑制剤。
- 腫瘍細胞壊死因子− II ( Tumor Cytotoxic Factor − II; TCF− II) 又は肝細胞増殖因子 (Hepatocyte Growth Factor; HGF ) を有効成分とする、癌増殖による貧血進行の抑制剤。
- 腫瘍細胞壊死因子− II ( Tumor Cytotoxic Factor − II; TCF− II) 又は肝細胞増殖因子 (Hepatocyte Growth Factor; HGF ) を有効成分とする、癌増殖によるTNF上昇の抑制剤。
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