JP4005757B2 - スプレー式レトルト殺菌装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品や医薬品等の内容物を容器(パウチ、缶詰、瓶詰等)内に密封充填した製品を、揺動・回転させながら昇温、加熱、冷却のレトルトサイクル工程で加熱殺菌処理する揺動・回転型スプレー式レトルト殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レトルトサイクル工程の加熱殺菌処理に用いられているスプレー式レトルト殺菌機は、製品を載置したトレーを複数段積み重ねて殺菌槽内に収容し、トレー間の隙間に向けて配置したスプレーノズルから熱水あるいは蒸気等を噴霧して製品を加熱殺菌した後、スプレーノズルから冷却水を噴霧して製品を冷却するものである(実公平3−3197号公報等参照)。
【0003】
このスプレー式レトルト殺菌装置には、図10〜14に示すように、略円筒形状で横倒し状態に載置した殺菌槽1内に、複数段積み重ねたトレー3を複数組収容する回転体2を、殺菌槽1内に設けたころ部材6により回転自在に支持し、回転体2を揺動又は回転させながら殺菌処理を行うスプレー式レトルト殺菌装置がある(特開平9−215732号公報,特開平9−215733号公報)。
【0004】
揺動又は回転させながら殺菌処理を行うメリットは、▲1▼製品の内容物(主として液体)が揺り動かされることにより昇温・降温速度が速まる、▲2▼トレーやパレットが水平に対し傾斜する事により製品に付着した水を早期に除去できる等であり、全体として殺菌処理に要する時間を短縮することができることにある。
【0005】
殺菌槽1は、図10及び11に示すように、基台1c上に載置した円筒形状の容器であって内部に回転体2を収容している。殺菌槽1の両端には、蓋1a,1bが気密に、かつ、開閉可能に装着されており、片側の蓋1aからトレー3を搬入し、反対側の蓋1bからトレー3を搬出することができるようになっている。
【0006】
回転体2は、例えば図10及び図11に示すように、複数の円板2aと、各円板2aを適宜の間隔で連結する連結パイプ2bとで骨組みが形成されている。各円板2aには、トレー3を段積みした台車3aを収納するための略矩形の開口部2cが形成されている。各円板2aの開口部2cの底部には、ころコンベアによる案内レール2dが敷設された台車3aの搬入路2hが形成されている。搬入路2hの両側面には側面案内ロール2kが設けられており、また搬入路2hの両側下部には所定のピッチで側面下部案内ロール2eが設けられており、台車3aの進行を規制してトレー3の搬入を容易なものとしている。なお、側面案内ロール2kは、回転体2が回転するときにトレー3を両側から支持する。
【0007】
搬入路2hは、例えば、4つのトレー収容部2jを備えている。各トレー収容部2jには、トレー3に載置した品物に向けて処理媒体を噴出するスプレーノズル4aを備えたヘッダーパイプ4が設けてある。搬入路2hの両側には、各ヘッダーパイプ4へ処理媒体を供給する処理媒体供給用パイプ5が各円板2aを貫通して設けてある。処理媒体供給用パイプ5の分岐管5aは、各ヘッダーパイプ4に処理媒体を分配供給する配管である。これにより処理媒体は、処理媒体供給パイプ5、分岐管5aを通ってヘッダーパイプ4に供給され、スプレーノズル4aからトレー3に載置された品物に噴射される。処理媒体には、熱水や蒸気などの殺菌処理媒体、冷却水や空気などの冷却処理媒体、及び、乾燥空気などの乾燥処理媒体がある。
【0008】
なお、図示は省略するが、スプレーノズル4aから噴霧された処理媒体のうち、冷却水や熱水は、殺菌槽1の下部に取付けた回収配管から回収し、殺菌槽1の外部で熱交換器に送り、再び冷却水又は熱水として再利用することが可能である。
【0009】
回転体2の各トレー収容部2jの上部には、トレー3を上から抑えてトレー収容部2jに固定するトレー押えユニット7が設けられている。トレー押えユニット7は、図11に示すように、搬入されたトレー3をばね(10,11)の弾性力でトレー3を押えつけるトレー押え蓋8と、トレー押え蓋8を引き上げるエアシリンダ9とを備えている。
【0010】
エアシリンダ9は、図12と図13に示すように、シリンダ本体9aと、シリンダ本体9aに収容されたピストン9bと、ピストン9bに取付けられてシリンダ本体9aからトレー収容部2jに向けて下向きに伸縮するピストンロッド9cとを備えている。トレー押え蓋8はピストンロッド9cの先端にボルト8aによって取付けてある。シリンダ本体9aのピストン可動域の下部に設けられた給排口9dには、各円板2の上部右側に取付けた連結パイプ2b’から分岐した給排管17が取付けられている。ピストン9bの外周面に取付けたOリング18及びピストンロッド9cの周動部に設けたシール部材19は、シリンダ本体9a内に供給された圧縮空気が殺菌槽1内に漏れないようにしている。なお、図12において、9eはドレン孔であり、シリンダー9aのピストン9bより上側の空間の空気の流通を可能としている。
【0011】
また、ピストン9bの上面に設けたばね座12とシリンダ本体9a上部の下面に設けたばね座13との間には、ピストンロッド9cにばね10を弾性的に圧縮させた状態で装着してあり、エアシリンダ9の下面に設けたばね座14とトレー押え蓋8の上面に設けたばね座15との間には、ばね軸16にばね11を弾性的に圧縮させた状態で装着してある。トレー押え蓋8は、このばね10とばね11の弾性力により、エアシリンダ9に空気が供給されていないとき、下側に付勢されてトレー3を上から押さえ付けてトレー収容部2jにトレー3を保持する。
【0012】
次に、各エアシリンダ9への圧縮空気の供給について説明する。
【0013】
各エアシリンダ9の分岐管17が連結された連結パイプ2b’には、図13(a)(b)に示すように、パイロットカップリング20の受け口21が設けてあり、殺菌槽1には、パイロットカップリング20の供給口22を備えた供給配管29が設けてある。供給配管29は、図14に示すように、シール29aを介して殺菌槽1の外部に設けた圧縮空気溜り室28に連通しており、圧縮空気溜り室28の上部に設けた外部エアシリンダ23のピストンロッド23aに連結されて上下動する。この外部エアシリンダ23により、パイロットカップリング20の受け口21と供給口22の接離操作を行っている。供給配管29には圧縮空気溜り室28内に開口29bが形成されており、ここから圧縮空気溜り室28内の圧縮空気を導入している。圧縮空気溜り室28には、空気給排管24が連結されている。空気給排管24には、エアコンプレッサPに連結されて圧縮空気を供給操作する供給弁25と、圧縮空気を排気操作する排気弁26とが連結されている。図14中の27は、排気弁26の開放を操作するための開放確認スイッチである。
【0014】
トレー3を固定する場合、圧縮空気の供給を止めて、図13(a)及び図14に示すように、排気弁26を開放してシリンダ9内の圧縮空気を排気した後、外部エアシリンダ23によりパイロットカップリング20の供給口22を引き上げ、パイロットカップリング20の受け口21と供給口22を離す。これにより、トレー押え蓋8にはエアシリンダ9の引き上げ力が作用しなくなるので、ばね10と11の弾性力でトレー押え蓋8が押し下げられてトレー3を押え付けるようになる。
【0015】
次に、トレー3を開放する場合、図13(b)に示すように、外部エアシリンダ23によってパイロットカップリング20の供給口22を連結パイプ2b’に設けた受け口21に押付け、パイロットカップリング20のシール性を確保した状態で空気供給配管24からパイロットカップリング20を介して連結パイプ2b’に圧縮空気を供給する。これにより、エアシリンダ9がトレー押え蓋8を引き上げてトレー3を開放する。
【0016】
トレー3を搬入・搬出する場合は、エアシリンダ9に圧縮空気を供給して、トレー押え蓋8をトレー収容部2jの上部に引き上げた状態で行う。トレー3を搬入して回転体2を揺動・回転させる場合は、エアシリンダ9の圧縮空気を排気して、ばね10と11によりトレー押え蓋8をトレー3の上に押し付けて、トレー3を固定する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
殺菌槽1の内部を清潔な雰囲気に保つ必要があるが、上述した装置では、殺菌槽1の内部に配設されたエアシリンダ9で発生するシールの摩耗粉などの細かな塵が殺菌槽1内に拡散する可能性がある。
【0018】
また、回転体2に相当重量のトレー押えユニット7が取付けられているので、揺動・回転に必要なエネルギーも大きく、回転のバランスも悪い。
【0019】
また、エアシリンダ9の定期的なメンテナンス作業が必要であるが、殺菌槽1の内部に配設されているため、メンテナンス作業の作業性が悪いという問題もある。
【0020】
そこで、本発明は、上記問題を解消したスプレー式レトルト殺菌装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る揺動・回転型スプレー式レトルト殺菌装置は、製品を載置したトレーを複数段積み重ねて収容する回転体と、前記回転体に取付けられ収容されたトレーを上から弾性的に押えて保持する押え手段と、前記回転体を内装した殺菌槽と、前記回転体に配設され前記トレー間の隙間に向けて熱水、冷却水等を噴出するスプレーノズルとを備えて成るスプレー式レトルト殺菌装置において、前記殺菌槽の上部に、前記押え手段を持ち上げるリフト手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
前記リフト手段は、例えば、前記殺菌槽の上面にシールを介して貫通すると共に上下に摺動し得るように取付けたロッドと、前記ロッドの殺菌槽の内側において前記押え手段と係合し得る係合部と、前記ロッドの殺菌槽の外側において前記ロッドを上下動させる駆動手段とを備えたものである。
【0023】
また、前記駆動手段は、例えば前記殺菌槽の外部に設けた液圧式シリンダ又は空圧式シリンダであって、そのピストンロッドの先端を前記ロッドの一端に連結したものである。
【0024】
また、前記回転体が殺菌槽内で浮き上がることを防止する浮上防止手段を備えたことを特徴とする。
【0025】
前記浮上防止手段は、例えば、回転体に収容したトレーが水平となる回転体の所定の位置において、回転体の下部に前記回転体の回転面に直交する方向に突起した突起部と、前記突起部の上側に延在するように殺菌槽に設けた保定部とからなるものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスプレー式レトルト殺菌装置の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【0027】
装置の概略を示す図1,2において、1は殺菌槽、2は回転体、30はトレーを押える押え手段としてのトレー押え蓋、40はトレー押え蓋30を持ち上げるリフト手段としての押え蓋リフト部、50は回転体2の浮上防止手段としての回転体浮上防止部材である。なお、図10,図11で示した装置と同様の部材には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0028】
この装置は、図9に示すように、殺菌槽1内に収容した回転体2をころ部材6により回転自在に支持しており、殺菌槽1の外部に設けた回転駆動装置(図示省略)により回転体2を揺動・回転させることができる。回転体2のトレー搬入路2hには、図1に示すように段積み状態のトレー3を収容するトレー収容部2jが4つある。トレー3を押えるトレー押え蓋30と押え蓋リフト部40は、各トレー収容部2jに設けてある。
【0029】
トレー押え蓋30は、図1に示すように、各トレー収容部2jの上部に設けられた部材で、図3と図4に示すように、トレー押え蓋本体31と、トレー押え蓋本体31の上部に取付けた軸部32と、円板2aの開口部2cの上部に取付けた支持枠33と、支持枠33と押え蓋31との間に介在したばね34とを備えている。なお、図3において、図中左側は押え蓋31が下がった状態を示し、右側は押え蓋31が上がった状態を示している。
【0030】
トレー押え蓋本体31は、段積み状態で回転体2のトレー収容部2jに収容されたトレー3の上部を均一に押え得るように、トレー3の形状に対応した矩形の底面形状で形成されている。軸部32は、トレー押え蓋本体31の中央にナット32aにより立設状態で取付けた軸部材である。軸部32の上端には、傘状に半径方向に延在した取っ手部32bが形成されている。また、トレー押え蓋本体31の軸部32の両側には、ばね34を取付けるためのばね軸36を3つずつナット36aにより鉛直に立設させて取付けている。
【0031】
支持枠33は、図5に示すように、略矩形の板状であり、支持枠33の両側部33a,33bは鉛直に立ち上るように形成されており、両側部33aと33bの間には支持枠33を補強すべくリブ部33c,33dが設けられている。支持枠33は、図3に示すように、ボルト2gによって両側部33a,33bを回転体2の各円板2aに形成された開口部2cの上部のフランジ2fに取付けている。支持枠33の中央には、トレー押え蓋本体31の軸部32が挿通しており、挿通した軸部32を摺動可能に支持する軸受部材35を設けている。支持枠33の左右両側には、トレー押え蓋本体31に取付けたばね軸36が3つずつ挿通している。ばね軸36の上端には、ばね軸36が支持枠33から抜けないようにする規制ナット36bが取付けられている。規制ナット36bは2つのナットを1組としてばね軸36に取付けたもので、上側のナットは下側のナットが弛まないようにするためのものである。
【0032】
ばね34は、ばね軸36に挿着され、かつ、トレー押え蓋本体31の上面に設けたばね座31aと支持枠33の下面に設けたばね座33eとの間に圧縮した状態で装着される。このばね34の弾性力により、トレー押え蓋本体31は支持枠33から鉛直下側に向けてトレー3を付勢し、トレー収容部2jにトレー3を保定する。また、トレー収容部2jにトレー3が収容されていない状態では、トレー押え蓋本体31は、ばね軸36の上端の規制ボルト36bが支持枠33に当接するまで押し下がる。なお、ばね34は、例えば、回転体2が180度回転してトレー押え蓋本体31がトレー収容部2jの下側に位置したときでも、トレー押え蓋本体31がトレー3を回転体2の収容部2jに押付け得るように強力な弾性力を備えている。
【0033】
次に、押え蓋リフト部40について説明する。
【0034】
押え蓋リフト部40は、図3及び図4に示すように、ばね34の弾性力に反してトレー押え蓋本体31を鉛直上向きに持ち上げて、トレー3を開放するものであり、係合部41と、係合部41に取付けたロッド42と、ロッド42をピストンロッド43aに連結したエアシリンダ43と、殺菌槽1の上部に取付けられて押え蓋リフト部40を支持する枠体44とからなる。
【0035】
枠体44は、図4に示すように、殺菌槽1の上部に形成した取付穴に溶接により液密に取付けた筒状部材である。枠体44の上部には蓋部材45が取付けられてある。ロッド42は、外部空気が殺菌槽1内に入らないように蓋部材45の中央にシール45aを備えた穴に貫通すると共に、上下に摺動可能に挿着されている。即ち、枠体44及び蓋部材45で仕切られた領域において殺菌槽1の内部側は加熱殺菌処理雰囲気となり、殺菌槽1の外側は外部雰囲気となる。なお、図3及び図4において、46は脱落防止片であり、ロッド42の側面を所定幅削った部位47にその先端を引掛けてロッド42が脱落するのを防止している。
【0036】
係合部41は、図4に示すように、ロッド42の殺菌槽1内部側端部に設けてあり、トレー押え蓋本体31の軸部32の取っ手部32aに対して、回転体2の回転軸方向の両側に突出した部材であり、その先端に取っ手部32aの下面に延在した係合片41aを備えている。
【0037】
ロッド42の上端は、エアシリンダ43のピストンロッド43aに連結されている。エアシリンダ43は、枠体44の上部においてピストンロッド43aの可動幅を考慮して枠体44から所定高さの位置に設けられた載置台48に取付けられている。
【0038】
この押え蓋リフト部40に取付けたエアシリンダ43は、トレー押え蓋本体31に取付けたばね34を圧縮させ得るだけの出力を備えており、図6に示すように、エアシリンダ43を収縮させることにより、係合部41の係合片41aを軸部32の取っ手部32aに係合させてトレー押え蓋本体31を引き上げることができる。
【0039】
次に、回転体浮上防止部材50について説明する。
【0040】
エアシリンダ43を収縮させて押え蓋リフト部40がトレー押え蓋本体31を持ち上げたとき、ばね34が強力であるためにばね34が縮む前に、回転体2自体が持ち上がる可能性がある。例えば、回転体2にトレー3が収容されていないとき、トレー3に製品を載せていないとき、トレー3に載せた製品が少なく軽いときは、回転体2がトレー3に製品が載せられた場合に比べ軽いため、持ち上げられて浮上する可能性がある。回転体浮上防止部材50は、係る回転体2の浮上を防止するために設けた部材である。
【0041】
回転体浮上防止部材50は、図1,図2及び図9に示すように、回転体2の2枚の円板2aにおいて下側の各2個所に設けてあり、図7(a)(b)に示すように、突起部として回転体2の円板2aに直交させて設けた浮上防止ピン51と、浮上防止ピン51を殺菌槽1に保定する保定部材53とからなる。
【0042】
浮上防止ピン51は、回転体2の円板2aの外周近傍で回転体2の円板2aに直交するように挿し込まれ、他端にピン止め部材52を取付けて固定したピン部材である。保定部材53は、コの字形断面形状を備えた部材で、回転体2に収容されたトレー3が水平となっている状態において、コの字形の開口部分の上縁53aが浮上防止ピン51の上側に延在するように殺菌槽1の内周面に取付けている。回転体2が回動したとき、図7(a)に示すように、浮上防止ピン51は保定部材53のコの字形の開口部分を通過するので、浮上防止ピン51と保定部材53とが干渉することはない。押え蓋リフト部40のエアシリンダ43が収縮して、回転体2が浮上したとき、図7(b)に示すように、浮上防止ピン51及びピン止め部材52が保定部材53の上縁53aに当接するので、回転体2がそれ以上浮上しなくなる。そして、回転体2が浮上せずに拘束されるのでエアシリンダ43の力がばね34に作用して、ばね34を縮めてトレー3をトレー押え蓋本体31から開放することができる。
【0043】
以下、この装置の使用手順を説明する。
【0044】
なお、以下の説明において、回転体2が水平であるとは、回転体2に収容したトレー3が水平となるような回転体2の所定の回転位置をいう。
【0045】
まず、トレー3を収容する場合は、図2に示すように、回転体2を水平な状態とし、そして、図6に示すように、エアシリンダ43を収縮させてトレー押え蓋本体31を持ち上げた状態で行う。
【0046】
トレー3を回転体2に収容した後、エアシリンダ43の空気を抜く、これにより、図4に示すように、ばね34の弾性力によってトレー押え蓋本体31がゆっくり下がり、トレー3が上から押さえ付けられて回転体2に保定される。
【0047】
次に、外部駆動装置により回転体2を水平位置から少し傾動させて、トレー押え蓋本体31の取っ手部32aをロッド42の係合部41から抜く。そして、エアシリンダ43に圧縮空気を供給して、図8に示すように、ロッド42の係合部41を押え蓋リフト部40の枠体44内に収容して、回転体2が揺動・回転する際に、押え蓋31の軸部32と係合部41とが完全に干渉しないようにする。また、回転体2が揺動・回転するときは、ころ部材6に支持されているので、回転体2に取付けた浮上防止ピン51と殺菌槽1に取付けた保定部材53とが干渉することはない。
【0048】
製品を取出すために回転体2の揺動を止める際は、回転体2が水平より左右いずれかに少し傾動している状態で、エアシリンダ43を伸長させて、ロッド42の係合部41を降ろす。そして、回転体2を水平として、図4に示すように、押え蓋31の取っ手部32aをロッド42の係合部41に収容した状態で回転体2を停止させる。
【0049】
トレー3を搬出する際は、図6に示すように、エアシリンダ42を収縮させてトレー押え蓋本体31を持ち上げた状態で行う。
【0050】
以上、本発明の揺動型スプレー式レトルト殺菌処理装置について説明したが、本発明は上記に限定されない。
【0051】
例えば、上記実施形態では、ロッド42と、エアシリンダ43のピストンロッド43aを直接連結しているが、装置全体の高さを抑制するために、例えば、エアシリンダ43を横向きに載置し、かつ、エアシリンダ43の伸縮に伴い、ロッド42が上下に動くような機構を構成してもよい。
【0052】
また、ロッド42を上下動させる駆動装置は、エアシリンダ43に限定されず、その他の駆動手段が適用できる。また、駆動手段は殺菌槽1の外部に設けられるので、殺菌槽1内の雰囲気に与える影響が少ないので、他の空圧式シリンダや液圧式シリンダを採用してもよい。
【0053】
また、トレー押え蓋本体31の取っ手部32aと、ロッド42の係合部41は、係合可能な部材の組み合わせであればよく、その形状は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0054】
また、回転体浮上防止部材50は、回転体2の下部に設けてあるが、回転体2の浮上を防止できる手段であれば、他の浮上防止手段を採用することができる。なお、回転体浮上防止部材50は、回転体2の重さとばね34の弾性力との関係において、回転体2が浮上する前に確実にばね34が縮む関係にある場合は、省略することもできる。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係るスプレー式レトルト殺菌装置は、製品を載置したトレーを複数段積み重ねて収容する回転体と、前記回転体に取付けられ収容されたトレーを上から弾性的に押えて保持する押え手段と、前記回転体を内装した殺菌槽と、前記回転体に配設され前記トレー間の隙間に向けて熱水、冷却水等を噴出するスプレーノズルとを備えて成るスプレー式レトルト殺菌装置において、殺菌槽の上部に押え手段を持ち上げるリフト手段を備えたので、リフト手段が殺菌槽内の雰囲気に影響を与えず殺菌槽内の雰囲気をより清潔なものとすることができ、メンテナンス作業が容易である。また、従来のようにリフト手段として回転体にエアシリンダを設けていたものに比べて、エアシリンダへの圧縮空気の供給通路を単純なものとすることができる。また、エアシリンダに供給する圧縮空気を殺菌処理する必要が無い。また、回転体にエアシリンダが無いので、回転体の回転バランスが良くなり、また、回転体自体が軽量化するので回転体を揺動・回転させるエネルギを軽減することができる。
【0056】
また、回転体が殺菌槽内で浮き上がることを防止する浮上防止手段を備えたので、リフト部材を殺菌槽の上部に設けたことに対応して、押え手段を持ち上げるときに回転体が一緒に持ち上がる不都合が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るレトルト殺菌装置の概略構造を示す側面図。
【図2】 本発明に係るレトルト殺菌装置の概略構造を示す縦断面図。
【図3】 本発明に係るレトルト殺菌装置のトレー押え蓋部分を示す縦断面図。
【図4】 本発明に係るレトルト殺菌装置のトレー押え蓋部分を示す横断面図。
【図5】 本発明に係るレトルト殺菌装置の支持枠を示す平面図。
【図6】 本発明に係るレトルト殺菌装置のトレー押え蓋部分を示す横断面図。
【図7】 本発明に係るレトルト殺菌装置の回転体浮上防止部材を示す横断面図。
【図8】 本発明に係るレトルト殺菌装置のトレー押え蓋部分を示す横断面図。
【図9】 本発明に係るレトルト殺菌装置の回転体の揺動状態を示す縦断面図。
【図10】 レトルト殺菌装置を示す横断面図。
【図11】 レトルト殺菌装置を示す縦断面図。
【図12】 レトルト殺菌装置のエアシリンダを示す縦断面図。
【図13】 (a)は、レトルト殺菌装置のエアシリンダへの圧縮空気の供給部分につき、圧縮空気を供給していない状態を示す縦断面図、(b)は、圧縮空気を供給している状態を示す縦断面図。
【図14】 エアシリンダ9への圧縮空気の供給部分を示す横断面図。
【符号の説明】
1 殺菌槽
1c 基台
2 回転体
2a 円板
2c 開口部
2d 案内レール
2e,2k 側面案内ロール
2i 回転軸
3 トレー
4 ヘッダーパイプ
4a スプレーノズル
6 ころ部材
30 トレー押え蓋
31 トレー押え蓋本体
32 ロッド
33 支持枠
34 ばね
40 押え蓋リフト部
41 係合部
42 ロッド
43 エアシリンダ
43a ピストンロッド
50 回転体浮上防止部材
51 浮上防止ピン
53 保定部材
Claims (5)
- 製品を載置したトレーを複数段積み重ねて収容する回転体と、前記回転体の上部に取付けられて収容されたトレーを上から押えて保持する押え手段と、前記回転体を内装した殺菌槽と、前記回転体に配設され前記トレー間の隙間に向けて処理媒体を噴出するスプレーノズルとを備えて成るスプレー式レトルト殺菌装置において、
前記殺菌槽の上部に、前記押え手段を持ち上げるリフト手段を備えたことを特徴とするスプレー式レトルト殺菌装置。 - 前記リフト手段が、前記殺菌槽の上面にシールを介して貫通すると共に上下に摺動するように取付けたロッドと、前記ロッドの殺菌槽の内側において前記押え手段と係合し得る係合部と、前記ロッドの殺菌槽の外側において前記ロッドを上下動させる駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のスプレー式レトルト殺菌装置。
- 前記駆動手段が、前記殺菌槽の外部に設けた液圧式シリンダ又は空圧式シリンダであって、そのピストンロッドの先端を前記ロッドの一端に連結したことを特徴とする請求項2記載のスプレー式レトルト殺菌装置。
- 前記回転体が殺菌槽内で浮き上がることを防止する浮上防止手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3記載のスプレー式レトルト殺菌装置。
- 前記浮上防止手段が、前記回転体に収容したトレーが水平となる回転体の所定の位置において、前記回転体の下部に前記回転体の回転面に直交する方向に突起した突起部と、前記突起部の上側に延在するように殺菌槽に設けた保定部とからなることを特徴とする請求項4記載のスプレー式レトルト殺菌装置。
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