JP4005442B2 - 物体検知方法及び物体検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は物体検知方法及び物体検知装置に関する。例えばITVカメラ等の監視カメラから得られた画像を用いてカメラの視野内に映っている物体を検知するための方法及び装置に関するものである。
【0002】
雨天や降雪等の悪天候時にカメラによって物体を撮影する場合、太陽光が遮蔽されて暗くなるため、カメラの視野内を照らす照明を別途用意する必要がある。しかしながら、雨天や降雪等の悪天候時に照明すると、雨粒や雪粒の照明による乱反射光がカメラに映りこんでしまう。この反射光の映り込みと物体の区別がうまくつかないと、映り込みを物体と勘違いして誤検知したり、対象物体の検知もれが生じたりする。そこで、雨粒や雪粒の影響をなるべく少なくして物体を認識する必要がある。
【0003】
【従来の技術】
カメラの視野内に雨粒や雪粒等の外乱物体がある場合、照明による反射光のカメラへの映り込みによって検出したい物体との区別がつかなくなってしまう。例えば図2に示すように、悪天候時に照明を使用すると、雨粒や雪粒の照明に対する乱反射光が画像に映り込んでしまう。図2の(a)は照明がついている場合の映像を、図2の(b)は照明がついていない場合の映像をそれぞれ示している。(a)において、1が雨粒や雪粒を示している。図2は実施例におけるディスプレイ上に表示した表示画面中のメインの画像の一例を中間調画像の写真で示す図である。
【0004】
そのため、例えば背景差分処理やオプティカルフロー(対象となる物体の時間的移動方向)の算出等の画像処理による物体検知処理(“コンピュータビジョン”,谷内田正彦著,丸善株式会社出版)では、乱反射光と物体との区別がつきにくいため、検知対象の物体がいない場合に物体を検知したり、検知対象の物体がいるのに検知しなかったりしてしまう。
【0005】
そのため、従来は次のような技術を用いていた。例えば雨粒や雪粒等の外乱物体は、画像中をランダムに移動するノイズであると考え、画像中の各画素に対して、時間軸方向に中央値フィルタをかけることで、雨粒や雪粒を除去している(第1の方法)。
また、物体検出にミリ波レーダ等のセンサを追加することで、雨粒や雪粒を無視して物体のみ検出している(第2の方法)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記第1の方法の場合、画像中をある程度高速で移動している物体の情報も消失してしまうという問題がある。また、前記第2の方法の場合、カメラのほかに別途センサの追加が必要であったり、カメラの映像とセンサの出力結果を統合する必要があったりする。この結果、装置の価格が高くなったり、装置の構成が煩雑になったりする。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、物体の検知と物体の画像の認識を簡易に行なうことができる物体検知方法及び物体検知装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1記載の発明は、物体を撮影する撮影手段と、該撮影手段により撮影した画像を取り込む画像取り込み手段と、該画像取り込み手段の出力を受けて物体を検知する物体検知手段と、物体を照明する照明手段とを有し、前記撮影手段と照明手段とを連動させて動作させて、照明のあたっている画像とあたっていない画像を撮影し、照明のあたっていない画像で物体を検知し、物体が検知された場合は、照明のあたっている画像を保存或いは認識処理に用いるものにおいて、前記画像取り込み手段の出力を受けて雨粒や雪粒が映り込んでいるかどうかを判定する映り込み判定手段を設け、該映り込み判定手段により雨粒や雪粒が映り込んでいると判定したら、前記撮影手段と照明手段とを連動させて動作させることを特徴とする。
【0009】
このように構成すれば、雨粒や雪粒の存在する場合でも物体を確実に検知することができ、物体が検知されたら照明下で得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
【0010】
図1は本発明の原理ブロック図である。図において、3は物体を撮影する撮影手段、4は該撮影手段3により撮影した画像を取り込む画像取り込み手段、5は該画像取り込み手段4の出力を受けて物体を検知する物体検知手段、6は物体検知手段5により検知された物体検知信号を受けてオンになる照明手段である。
【0011】
このように構成すれば、照明手段6がオフの状態で物体検知手段5により物体を検知するので、雨粒や雪粒の影響を受けずに物体を検知し、物体を確実に検知することができる。そして、物体が検知されたら、物体検知手段5により照明手段6をオンにして物体を照らし、撮影手段3により物体を撮影することができる。そして、撮影された画像を基に物体の画像の保存をし、物体の認識を行なうことができる。
【0012】
図1を用いて本発明の構成を詳細に説明する。本発明の物体検知装置は、図1に示すように、撮影手段3と、照明手段6と、画像取り込み手段4と、物体検知手段5により構成されている。先ず、撮影手段3により物体を撮影し、得られた画像内に検知対象となる物体がいるかどうかの判定処理を行なう。判定の結果、物体がいると判定された場合には、物体が映った画像を保存したり、物体の認識処理を行なったりする。
【0013】
前述したように、悪天候時に照明を使用すると、雨粒や雪粒の照明に対する乱反射光の画像への映り込みにより、物体検知に失敗してしまう。そこで、照明を消して物体を撮影することを考える。照明を消すと、雨粒や雪粒の画像への映り込みがなくなり、物体検知が行ないやすくなる。しかしながら、照明を消してしまうと映り込みは減るが、物体そのものが暗くなってしまい、物体の詳細な情報が得られなくなり、物体認識等の処理が行なえなくなってしまう。
【0014】
そこで、物体検知と画像保存や物体認識を各々別の状態で撮影した画像を用いて行なう方法を考えた。具体的には、物体検知は照明の影響を受けていない状態で撮影された画像を用いる。そして、物体が検知された場合に、照明の影響を受けた状態で撮影された画像を用いて画像の保存や物体認識を行なう。
【0015】
例えば、通常は照明を消しておき、その状態で物体検知を行なう。そして、物体が検知された場合に、照明をつけて物体を撮影し、照明があたっている画像を保存、或いは物体認識処理に用いる。これによって、悪天候時であっても、雨粒や雪粒の照明に対する乱反射光の映り込みが発生せず、物体検知が良好に行なえる。
【0016】
また、物体認識に照明の影響を受けて物体が明瞭に映っている画像を保存して、後で目視で物体を判別したり、コンピュータによる画像処理によって自動的に物体認識を行なったりできる。コンピュータによる物体認識については、例えば、“斎藤文彦,“ブロック照合投票処理を用いた遮蔽に強い画像マッチング”,電子情報通信学会論文誌,D−II,Vol.J84−D−II,No.10,p
p.2270−2279(2001.10)”を用いれば、乱反射光による物体の遮蔽が多少あっても、物体認識を行なうことができる。
【0017】
(2)請求項2記載の発明は、前記雨粒や雪粒の影響がなくなる程度まで照明手段により照明を暗くして撮影し、この状態で物体が検知されたら、前記照明を明るくして物体を撮影手段により撮影し、画像の保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする。
このように構成すれば、雨粒や雪粒の影響を排除して物体を検知することができ、物体が検知されたら、照明を十分にあてて物体を撮影し、得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
(3)請求項3記載の発明は、物体を撮影する撮影手段と、該撮影手段により撮影した画像を取り込む画像取り込み手段と、該画像取り込み手段の出力を受けて物体を検知する物体検知手段と、物体を照明する照明手段とを有し、前記撮影手段と照明手段とを連動させて動作させて、照明のあたっている画像とあたっていない画像を撮影し、照明のあたっていない画像で物体を検知し、物体が検知された場合は、照明のあたっている画像を保存或いは認識処理に用いるものにおいて、前記画像取り込み手段の出力を受けて雨粒や雪粒が映り込んでいるかどうかを映り込み判定手段により判定し、雨粒や雪粒が映り込んでいたら、前記撮影手段と照明手段とを連動させて動作させることを特徴とする。
【0018】
このように構成すれば、雨粒や雪粒の存在する場合でも物体を確実に検知することができ、物体が検知されたら照明下で得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
【0019】
(4)請求項4記載の発明は、物体を撮影する撮影手段と、該撮影手段により撮影した画像を取り込む画像取り込み手段と、該画像取り込み手段の出力を受けて物体を検知する物体検知手段と、物体を照明する照明手段とを有し、前記撮影手段と照明手段とを連動させて動作させて、照明のあたっている画像とあたっていない画像を撮影し、照明のあたっていない画像で物体を検知し、物体が検知された場合は、照明のあたっている画像を保存或いは認識処理に用いるものにおいて、前記雨粒や雪粒の影響がなくなる程度まで照明手段により照明を暗くして撮影し、この状態で物体が検知されたら、前記照明を明るくして物体を撮影手段により撮影し、画像の保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする。
【0020】
このように構成すれば、雨粒や雪粒の影響を排除して物体を検知することができ、物体が検知されたら、照明を十分にあてて物体を撮影し、得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
【0023】
また、この発明において、物体を撮影して物体を検知する撮影手段と、照明手段とを連動させて動作させ、照明のあたっている画像とあたっていない画像を撮影し、照明のあたっていない画像で物体を検知し、物体が検知された場合は、照明のあたっている画像を保存或いは認識処理に用いることを特徴とする。
【0024】
このように構成すれば、照明オフ状態で雨粒や雪粒の存在する場合でも物体を確実に検知することができ、物体が検知されたら照明オン下で得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
【0025】
また、この発明において、画像内に雨粒や雪粒が映り込んでいるかの判定を行ない、映り込んでいたら物体を撮影する撮影手段と照明を連動させることを特徴とする。
【0026】
このように構成すれば、照明オフ状態で雨粒や雪粒の存在する場合でも物体を確実に検知することができ、物体が検知されたら照明オン下で得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
【0029】
また、この発明において、前記照明手段を駆動する照明制御手段を設け、前記雨粒や雪粒の影響がなくなる程度まで照明手段を暗くして撮影し、この状態で物体が検知されたら、前記照明手段を十分に明るくして撮影し、画像の保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする。
【0030】
このように構成すれば、雨粒や雪粒の影響を排除して物体を検知することができ、物体が検知されたら、照明を十分にあてて物体を撮影し、得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
【0031】
また、この発明において、物体を検知するための第1の撮影手段と物体を認識するための第2の撮影手段を設け、照明をあてていない状態で第1の撮影手段により画像を用いて物体を検知し、物体を検知したら照明をあてて第2の撮影手段を用いて物体を撮影し、取得した画像に対して保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする。
【0032】
このように構成すれば、雨粒や雪粒の影響を排除して物体を検知することができ、物体が検知されたら、照明をあてて物体を撮影し、得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。先ず、図1の構成を用いた詳細について説明する。先ず撮影手段としてのカメラ3等の映像入力装置からは、撮影された映像出力が画像取り込み手段としての映像取り込み装置4に送られる。映像取り込み装置4では、カメラ3から送られてきた映像出力をフレームメモリ等の画像保存用のメモリへ画像情報として取り込む。そして、映像取り込み装置4で取り込まれた画像情報は、物体検知手段としての物体検知装置5に送られる。
【0036】
物体検知装置5では、映像取り込み装置4から送られてきた画像情報から物体の物体検出処理によって物体の有無を判定する。ここで、物体検出処理としては既存の方法を用いることができる。例えば、背景差分処理を用いる。背景差分処理では、予め物体が映っていない状態を背景画像として撮影し、保持しておく。そして、現在の画像との差分処理を行ない、現在の画像と背景画像とで違いのある部分を物体として検知する。或いはまた、物体検知用に赤外線を用いることもできる。熱源を有する物体であれば、良好に物体を検知することができる。
【0037】
物体検知装置5で物体が検知された場合は、物体検知信号を照明手段としての照明装置6と映像取り込み装置4に送る。照明装置6では、画像検知装置5から物体検知信号が送られてくると、照明をオンにする。映像取り込み装置4では、物体検知信号が送られてきた場合、取り込んだ画像情報を画像保存装置や物体認識装置へ送る。
【0038】
ここで、画像保存装置とは、例えば磁気ディスク装置等の記録媒体によって構成されているものをいう。また、物体認識装置では、検出対象である物体の認識を行なう。例えば、検出対象が車であった場合には、車種の認識処理を行なう。
【0039】
このように、本発明によれば、照明装置6をオフの状態で物体検知装置5により物体を検知するので、物体を確実に検出することができ、そして、物体が検知されたら、物体検知装置5によって照明装置6をオンにして物体を照らし、撮影装置3により物体を撮影することができる。そして、撮影された画像を基に画像の保存をし、物体の認識を行なうことができる。
【0040】
図3は本発明の第1の実施の形態例を示すブロック図である。図1と同一のものは同一の符号を付して示す。図において、3は物体を撮影するITVカメラ(以下単にカメラと略す)である。該カメラ3と照明装置6とは相互に接続され、連動して動作するようになっている。4はカメラ3の映像信号を取り込む映像取り込み装置、5は該映像取り込み装置4からの出力(画像情報)を受けて物体の検知を行なう物体検知装置である。該物体検知装置5の出力は、画像保存装置や物体認識装置に送られる。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0041】
カメラ3からは、撮影された映像出力と、カメラの同期信号が出力される。映像出力は、映像取り込み装置4へ送られ、同期信号は照明装置6に送られる。照明装置6では、同期信号によって、照明をオン/オフさせるタイミングを制御する。例えば、NTSC方式のカメラであった場合、1コマ毎に照明がされている画像と照明されていない画像を交互に得るためには、カメラのフレームの開始信号に同期して照明装置6をオン/オフさせればよい。
【0042】
映像取り込み装置4では、カメラ3から送られてきた映像出力を、フレームメモリ等に取り込む。この時、照明のあたっていない画像と、隣接する照明のあたっている画像の両方を取り込んでおく。そして、照明されていない画像を用いて物体検知装置5で物体検知処理を行なう。
【0043】
物体検知処理としては、例えば背景差分処理を用いる。背景差分処理では、予め物体が映っていない状態を背景画像として撮影し、保持しておく。そして、現在の画像との差分処理を行ない、現在の画像と背景画像とで、違いのある部分を物体として検知する。そして、物体検知装置5で物体が検知された場合は、取り込んであった照明のあたっている画像を記録装置或いは物体認識装置等に送る。
【0044】
この実施の形態例によれば、照明のあたっていない画像で物体を検知し、照明のあたっている画像を保存或いは認識処理することで、物体の検知と物体の画像の認識を容易に行なうことができる。
【0045】
図4は本発明の第2の実施の形態例を示すブロック図である。図3と同一のものは、同一の符号を付して示す。この実施の形態例は、図3に示す第1の実施の形態例に比較して映り込み判定部7を設けた点が異なっている。その他の構成は、図3に示すものと同じである。この映り込み判定部7は、画像入力装置(ITVカメラ)3から得られた画像から、画像中に雨粒や雪粒が映り込んでいるかどうかを判定する。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0046】
ITVカメラ3と照明とは同期信号で接続されている。先ず最初は、ITVカメラ3は映像信号を取り込み映像取り込み装置4に送る。映像取り込み装置4から出力された画像信号は物体検知装置5に送られる。
【0047】
ここで、映り込み判定部7が画像中に雨粒や雪粒が映り込んでいることを検知したら、該映り込み判定部7は、照明装置6に対して照明コントロール信号を出力する。照明装置6では、照明コントロール信号が送られてきた時のみ、照明のオン/オフ処理を行なう。
【0048】
映り込み判定部7では、例えば次のような処理を行なう。雨粒や雪粒の乱反射光は、画像内でランダムに現れる。一方、物体は画像内を移動している。そのため、画像のある一点の明るさの時間変動を見ると、雪粒が映り込んでいる時間的な明るさ変動が大きい。逆に、映り込んでいない時は、明るさの変動が小さい。
【0049】
そこで、画像中のある1画素の一定時間内の明るさを記憶しておき、その分散値を算出する。分散値が高ければ、雨粒や雪粒の乱反射が画像に映り込んでいると判定することができる。
【0050】
この時、映り込み判定部7は、照明装置6に照明コントロール信号を送り、照明をオンにする。そして、照明がオンになっている状態で物体を撮影する。撮影された物体画像は、映像取り込み装置4に送られ、該映像取り込み装置4はからは画像信号が出力され、物体検知装置5の出力は、画像保存装置や物体認識装置に送られる。
【0051】
このように、この実施の形態例によれば、映り込み判定手段7で映り込みを検知すると、照明装置6をオンにして物体の画像を取り込むことにより、画像の保存或いは認識処理を行なうことができる。
【0052】
図5は本発明の第3の実施の形態例を示すブロック図である。図3と同一のものは、同一の符号を付して示す。この実施の形態例は、照明装置6をオンにする照明制御部8を設けた点が特徴である。物体検知装置5から物体検知信号が得られると、その信号は照明制御部8に送られる。該照明制御部8は、照明装置6を駆動制御する。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0053】
この実施の形態例は、第1の実施の形態例から第3の実施の形態例における照明装置6の照明のコントロール方法を変えた形態である。以下、図3における第1の実施の形態例に照明制御部8を追加した例について述べる。第1の実施の形態例では、照明がされていない状態で物体を検知する場合について説明したが、照明を完全にオフにしてしまうと、ライト等の物体自身が発光している部分しか見えないため、物体の検知に失敗することとがある。
【0054】
例えば、車の前面のライトは通常2つあるので、照明を完全にオフにした状態で撮影すると、あたかも物体が2つ映っているのと勘違いしてしまう。そこで、物体を検知する前に、照明を完全に消してしまうのではなく、照明を暗くして撮影する。照明を明るくすると雨粒や雪粒が映り込んでしまうが、照明を暗くすると、その映り込みの量は減少する。
【0055】
具体的には、図5の物体検知装置5から出力された物体検知信号を照明制御部8に送る。照明制御部8では、照明制御信号を照明装置6に送る。物体検知信号がこない場合には、照明の映り込みが物体検知に影響が出ない程度に照明を暗くなるような照明制御信号を送る。そして、物体検知信号がきた場合には、照明を明るく照らすための、照明制御信号を照明装置6に送る。映像取り込み装置4の出力は映像保存装置や物体認識装置等へ送られる。
【0056】
この実施の形態例によれば、雨粒や雪粒の影響を廃除して物体を検知することができ、物体が検知されたら、照明をあてて物体を撮影し、得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
【0057】
図6は本発明の第4の実施の形態例を示すブロック図である。図3と同一のものは、同一の符号を付して示す。この実施の形態例は、物体検知用のカメラと、画像保存或いは物体認識を行なうカメラを分けたものである。図において、3aは物体検知用のカメラ、3bは物体認識用のカメラである。
【0058】
4aはカメラ3aの映像信号を取り込む映像取り込み装置、4bはカメラ3bの映像信号を取り込む映像取り込み装置である。5は映像取り込み装置4aからの画像情報を受けて物体を検知する物体検知装置である。該物体検知装置5の出力は、照明装置6と映像取り込み装置4bに物体検知信号として与えられる。
【0059】
また、カメラ3bの出力は、映像信号として映像取り込み装置4bに入り、該映像取り込み装置4bからは映像保存装置或いは物体認識装置等へ送られる。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0060】
先ず、カメラ3aからの撮影された映像信号が映像取り込み装置4aへ送られる。映像取り込み装置4aでは、カメラ3aから送られてきた映像信号をフレームメモリ等の画像保存用のメモリへ画像情報として取り込む。そして、映像取り込み装置4aで取り込まれた画像情報は、物体検知装置5へ送られる。
【0061】
そして、物体検知装置5で物体が検知された場合は、物体検知信号を照明装置6と映像取り込み装置4bに送る。照明装置6では、物体検知装置5から物体検知信号が送られてくると、照明装置6をオンにし、発光させる。映像取り込み装置4bでは、物体検知信号が送られてきた場合、カメラ3bから送られてきた映像信号を取り込む。
【0062】
そして、取り込んだ画像情報を画像保存装置や物体認識装置へと送る。この時、物体検知用の映像取り込み装置4aと物体認識用の映像取り込み装置4bは同じ性能を持つカメラである必要はない。例えば、物体検知は映像中の物体の有無を判定するだけなので、解像度の高いカメラである必要はない。しかしながら、物体情報を画像として保存したり、認識処理に用いたりする場合は、物体の詳細な情報があった方がよいので、解像度の高いカメラを用いる方がよい。
【0063】
この実施の形態例によれば、雨粒や雪粒の影響を排除して物体を検知することができ、物体が検知されたら、照明をあてて物体を撮影し、得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
【0071】
以上、説明したように、本発明によれば、降雨や降雪等の悪天候時に、照明の影響のない画像で物体を検知することで、雨粒や雪粒の照明に対する乱反射の影響を受けることなく対象となる物体の検出を行なうことができる。また、物体が検出された場合には、照明の影響を受けている画像を保存或いは物体認識処理することで、画像の記録や物体認識を良好に行なうことができる。
【0072】
(付記1) 照明の影響を受けていない画像を用いて物体を検知し(ステップ1)、
物体が検知されたら照明の影響を受けている画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いる(ステップ2)
ことを特徴とする物体検知方法。
【0073】
(付記2) 物体を撮影する撮影手段と、
該撮影手段により撮影した画像を取り込む画像取り込み手段と、
該画像取り込み手段の出力を受けて物体を検知する物体検知手段と、
物体を照明する照明手段と、
を具備し、
前記照明手段により照明していない状態で前記物体検知手段により物体を検知すると、前記照明手段を用い物体を照明した状態で撮影した物体の画像を用いて保存或いは物体の認識処理を行なう
ようにしたことを特徴とする物体検知装置。
【0074】
(付記3) 照明のあたっていない状態で物体を検知し、物体を検知した場合は照明をオンにし、照明のあたっている画像を保存或いは対象の認識処理に用いることを特徴とする付記1記載の物体検知方法。
【0075】
(付記4) 物体を撮影して物体を検知する撮影手段と、照明手段とを連動させて動作させ、照明のあたっている画像とあたっていない画像を撮影し、照明のあたっていない画像で物体を検知し、物体が検知された場合は、照明のあたっている画像を保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする付記1記載の物体検知方法。
【0076】
(付記5) 前記撮影手段と、照明手段とを連動させて動作させて、照明のあたっている画像とあたっていない画像を撮影し、照明のあたっていない画像で物体を検知し、物体が検知された場合は、照明のあたっている画像を保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする付記2記載の物体検知装置。
【0077】
(付記6) 画像内に雨粒や雪粒が映り込んでいるかの判定を行ない、映り込んでいたら物体を撮影する撮影手段と照明を連動させることを特徴とする付記4記載の物体検知方法。
【0078】
(付記7) 前記画像取り込み手段の出力を受けて雨粒や雪粒が映り込んでいるかどうかを判定する映り込み判定手段を設け、
雨粒や雪粒が映り込んでいたら、前記撮影手段と照明手段とを連動させて動作せることを特徴とする付記5記載の物体検知装置。
【0079】
(付記8) 前記雨粒や雪粒の影響がなくなる程度まで照明を暗くして撮影し、この状態で物体が検知されたら、前記照明を明るくして物体を撮影し、画像の保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする付記6記載の物体検知方法。
【0080】
(付記9) 前記照明手段を駆動する照明制御手段を設け、前記雨粒や雪粒の影響がなくなる程度まで照明手段を暗くして撮影し、この状態で物体が検知されたら、前記照明手段を明るくして撮影し、画像の保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする付記7記載の物体検知装置。
【0081】
(付記10) 物体を検知するための第1の撮影手段と物体を認識するための第2の撮影手段を設け、照明をあてていない状態で第1の撮影手段により画像を用いて物体を検知し、物体を検知したら照明をあてて第2の撮影手段を用いて物体を撮影し、取得した画像に対して保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする付記8記載の物体検知方法。
【0082】
(付記11) 物体を検知するための第1の撮影手段と、物体を認識するための第2の撮影手段を設け、照明をあてていない状態で第1の撮影手段により画像を用いて物体を検知し、物体を検知したら照明をあてて第2の撮影手段を用いて物体を撮影し、取得した画像に対して保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする付記8記載の物体検知装置。
【0083】
(付記12) 周波数特性の異なる物体を検知するための第1の撮影手段と、物体を認識するための第2の撮影手段とを設け、前記第1の撮影手段により照明のあたっていない状態で物体を検知し、物体を検知したら照明をあてて第2の撮影手段を用いて物体を撮影し、取得した画像に対して保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする付記10記載の物体検知方法。
【0084】
(付記13) 周波数特性の異なる物体を検知するための第1の撮影手段と、物体を認識するための第2の撮影手段とを設け、前記第1の撮影手段により照明のあたっていない状態で物体を検知し、物体を検知したら照明をあてて第2の撮影手段を用いて物体を撮影し、取得した画像に対して保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする付記10記載の物体検知方法。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
(1)請求項1記載の発明によれば、雨粒や雪粒の存在する場合でも物体を確実に検知することができ、物体が検知されたら照明下で得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
【0086】
(2)請求項2記載の発明によれば、雨粒や雪粒の影響を排除して物体を検知することができ、物体が検知されたら、照明を十分にあてて物体を撮影し、得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
【0087】
(3)請求項3記載の発明によれば、照明のあたっていない画像で物体を検知し、照明のあたっている画像を保存或いは認識処理することで、物体の検知と物体の画像の認識を簡易に行なうことができる。
【0088】
(4)請求項4記載の発明によれば、雨粒や雪粒の影響を排除して物体を検知することができ、物体が検知されたら、照明を十分にあてて物体を撮影し、得られた画像を用いて保存或いは対象の認識処理に用いることができる。
【0090】
このように、本発明によれば、物体の検知と物体の画像の認識を簡易に行なうことができる物体検知方法及び物体検知装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理ブロック図である。
【図2】 照明による映り込みの説明図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態例を示すブロック図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態例を示すブロック図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態例を示すブロック図である。
【図6】 本発明の第4の実施の形態例を示すブロック図である。
【符号の説明】
3 撮影手段
4 映像取り込み手段
5 物体検知装置
6 照明手段
Claims (4)
- 物体を撮影する撮影手段と、
該撮影手段により撮影した画像を取り込む画像取り込み手段と、
該画像取り込み手段の出力を受けて物体を検知する物体検知手段と、
物体を照明する照明手段と、
を有し、
前記撮影手段と照明手段とを連動させて動作させて、照明のあたっている画像とあたっていない画像を撮影し、照明のあたっていない画像で物体を検知し、物体が検知された場合は、照明のあたっている画像を保存或いは認識処理に用いるものにおいて、
前記画像取り込み手段の出力を受けて雨粒や雪粒が映り込んでいるかどうかを判定する映り込み判定手段を設け、
該映り込み判定手段により雨粒や雪粒が映り込んでいると判定したら、前記撮影手段と照明手段とを連動させて動作させることを特徴とする物体検知装置。 - 前記雨粒や雪粒の影響がなくなる程度まで照明手段により照明を暗くして撮影し、この状態で物体が検知されたら、前記照明を明るくして物体を撮影手段により撮影し、画像の保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする請求項1記載の物体検知装置。
- 物体を撮影する撮影手段と、該撮影手段により撮影した画像を取り込む画像取り込み手段と、該画像取り込み手段の出力を受けて物体を検知する物体検知手段と、物体を照明する照明手段とを有し、前記撮影手段と照明手段とを連動させて動作させて、照明のあたっている画像とあたっていない画像を撮影し、照明のあたっていない画像で物体を検知し、物体が検知された場合は、照明のあたっている画像を保存或いは認識処理に用いるものにおいて、
前記画像取り込み手段の出力を受けて雨粒や雪粒が映り込んでいるかどうかを映り込み判定手段により判定し、
雨粒や雪粒が映り込んでいたら、前記撮影手段と照明手段とを連動させて動作させることを特徴とする物体検知方法。 - 物体を撮影する撮影手段と、該撮影手段により撮影した画像を取り込む画像取り込み手段と、該画像取り込み手段の出力を受けて物体を検知する物体検知手段と、
物体を照明する照明手段とを有し、前記撮影手段と照明手段とを連動させて動作させて、照明のあたっている画像とあたっていない画像を撮影し、照明のあたっていない画像で物体を検知し、物体が検知された場合は、照明のあたっている画像を保存或いは認識処理に用いるものにおいて、
前記雨粒や雪粒の影響がなくなる程度まで照明手段により照明を暗くして撮影し、
この状態で物体が検知されたら、前記照明を明るくして物体を撮影手段により撮影し、画像の保存或いは認識処理を行なうことを特徴とする物体検知方法。
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