JP4004822B2 - 漏洩水素の検知方法及び検知装置 - Google Patents

漏洩水素の検知方法及び検知装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素に予め付臭剤を添加しておくことなく、漏洩水素を臭いで簡易且つ確実に検知する漏洩水素の方法及びそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素は、メタノールやアンモニアなどの合成、水素化脱硫、水素化分解、油脂などの水素化、酸水素炎など各種用途に用いられる基礎原料であり、燃料電池の燃料としても用いられる。水素は、可燃性で爆発しやすいことからその保安上、また水素資源損失防止の観点からも、その製造時以降、需要者の需要時に至るまでの諸過程において、その漏洩は重々防止する必要があり、万々一それが漏洩したときには、その漏洩を直ちに検知して対処する必要がある。
【0003】
都市ガスやLPガスには漏洩保安上、すなわち漏洩時に人(利用者など)に気付かせるために予め付臭剤が添加されており、水素についても同様の目的で付臭剤を添加することが考えられる。付臭剤としては、通常、メルカプタン類、サルファイド類、あるいはチオフェンなどの硫黄化合物が用いられる。しかし、付臭剤を添加した水素をメタノールやアンモニアなどの合成、水素化脱硫、水素化分解、油脂の水素化、酸水素炎などに用いると、予め添加された硫黄化合物が反応に関与し、反応効率、燃焼効率に悪影響を及ぼすことになる。
【0004】
また、水素を燃料電池の燃料として用いる場合にも、燃料電池、例えば固体高分子形燃料電池(PEFC)の燃料極に用いられる触媒は、硫黄化合物により被毒することが知られている。このため、燃料水素に対し予め付臭剤としてそれら硫黄化合物を添加した場合、当該触媒が被毒する可能性がある。当該触媒が被毒すると、触媒性能が劣化し、その結果燃料電池として性能劣化を来たし、燃料電池として寿命が短くなるなど致命的な結果となる。
【0005】
一方、上記のように付臭剤を添加するのではなく、漏洩した水素を検知する方法が考えられ、これまで各種水素センサが提案されている。しかし、現在提唱されている水素用のセンサは、水素以外のガスに対しても作動してしまうといった欠点をもつものや、作動させるために電源が必要であるものが多い。それらセンサは、いずれも電気信号や光や音などにより人に認知させるものであり、日常のメンテナンス等が必要になり、安全性やコストなどの面で実用上不便なものしかなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、以上のような水素に予め付臭剤を添加する方法や水素センサによるのではなく、水素漏洩時に、当該漏洩水素を基に臭い(臭気)を有する物質を発生させることにより、漏洩水素を検知する手法を見い出した。すなわち、本発明は、漏洩水素により臭いを有する物質を発生させることにより、水素の漏洩を認知し検知する新規且つ有用な漏洩水素の検知方法及び漏洩水素の検知装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、漏洩水素の検知方法であって、非ガス臭物質と該非ガス臭物質及び水素に対し触媒作用を有する物質とを共存させ、漏洩水素が該非ガス臭物質に接触したときにガス臭を有する物質を発生させることにより漏洩水素を検知することを特徴とする漏洩水素の検知方法を提供する。
【0008】
本発明は、漏洩水素の検知装置であって、支持体上に、非ガス臭物質と該非ガス臭物質及び水素に対して触媒作用を有する物質とを共存させてなり、漏洩水素が該非ガス臭物質の表面に接触したときにガス臭を有する物質を発生させるようにしてなることを特徴とする漏洩水素の検知装置を提供する。
【0009】
本発明は、漏洩水素の検知装置であって、多孔性支持体に非ガス臭物質を含浸させ、その上面に、該非ガス臭物質と該非ガス臭物質及び水素に対して触媒作用を有する物質とを共存させてなり、漏洩水素が該非ガス臭物質の表面に接触したときにガス臭を有する物質を発生させるようにしてなることを特徴とする漏洩水素の検知装置を提供する。
【0010】
本発明は、漏洩水素の検知装置であって、多孔性支持体に、非ガス臭物質と該非ガス臭物質及び水素に対して触媒作用を有する物質とを含浸させて共存させてなり、漏洩水素が該非ガス臭物質の表面に接触したときにガス臭を有する物質を発生させるようにしてなることを特徴とする漏洩水素の検知装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明においては、非ガス臭物質と、該非ガス臭物質及び水素に対して触媒作用を有する物質と、を共存させておく。そして、非ガス臭物質に漏洩水素が接触したときに、非ガス臭物質をガス臭を有する物質に変え、ガス臭を有する物質を発生させる。すなわち、非ガス臭物質及び水素に対して触媒作用を有する物質と共存させた非ガス臭物質に漏洩水素が接触すると、触媒作用を有する物質の触媒作用(=非ガス臭物質と漏洩水素を反応させ、その反応を促進させる作用)により、非ガス臭物質からガス臭を有する物質が発生する。その臭気を人が感知することにより水素の漏洩を検知する。
【0012】
本発明で使用する非ガス臭物質は、それ自体は臭いを有しないか、有意な臭いを有せず、水素と接触したときに有意な臭いを有する物質となる物質であれば特に限定はなく、その例としてはジターシャリーブチルジスルフィド(ditertiary-butyl disulfide)や二硫化ジメチル(dimethyl disulfide)などを挙げることができる。また、触媒作用を有する物質としては、非ガス臭物質と水素に対して触媒作用を有する物質、すなわち、非ガス臭物質と漏洩水素を反応させ、その反応を促進させる作用を有する物質であれば特に限定はなく、その例としてはパラジウムやその合金などを挙げることができる。
【0013】
ここで、パラジウム合金としては、パラジウムに、周期律表第8族元素(例えば、コバルト、ニッケル)、同1B族(例えば、銅、銀、金)、同3A族(例えば、イットリウム)からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を合金化させたものが用いられる。パラジウム合金中のそれら金属の含有量は好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。これら金属に加え他の元素が微量含まれていてもよい。
【0014】
例えばジターシャリーブチルジスルフィドの場合、パラジウムやその合金などの触媒の存在下、下記式(1)により、水素と反応してターシャリーブチルメルカプタンを発生する。発生したターシャリーブチルメルカプタンは少量でも強い臭いをもつ物質であるので、人により容易に認識され、検知することができる。他の例として、二硫化ジメチルの場合、パラジウムやその合金などの触媒の存在下、水素と反応してメチルメルカプタンを発生する。メチルメルカプタンは強い悪臭をもつ気体であるので人により容易に認識され、検知することができる。
【0015】
【化 1】
Figure 0004004822
【0016】
本発明の漏洩水素の検知装置は、非ガス臭物質を触媒作用を有する物質(すなわち該非ガス臭物質及び水素に対して触媒作用を有する物質)と共存させておくことで構成される。両者の共存のさせ方としては、漏洩水素が接する面に両者が露出した状態であれば特に限定はなく、例えば以下(1)〜(3)のような態様で共存させる。
(1)支持体上に、触媒作用を有する物質を分散させた非ガス臭物質を配置する。支持体は、塊状その他適宜の形状でよいが、層状であるのが好ましい。また、非ガス臭物質に対する触媒作用を有する物質の分散は可及的に均一であるのが好ましい。この点、以下の態様でも同様である。
(2)非ガス臭物質を多孔性支持体に含浸させ、その上面に触媒作用を有する物質を分散させた非ガス臭物質を配置する。
(3)触媒作用を有する物質を分散させた非ガス臭物質を多孔性支持体に含浸させて配置する。本態様は触媒作用を有する物質の粒径が多孔性支持体の孔径より小さい場合に適用される。本態様でも、(2)の態様と同様、その上面に、触媒作用を有する物質を分散させた非ガス臭物質を配置してもよい。
【0017】
これらの態様において、非ガス臭物質及び触媒作用を有する物質が共存する面が漏洩水素との接触面となる。触媒作用を有する物質は、非ガス臭物質と漏洩水素を反応させ、またその反応を促進させる物質(すなわち触媒)として用いられるので、その比表面積は大きい方がよい。このため、触媒作用を有する物質は、好ましくは、それ自体、粉末や微細化した箔片などとして用いるか、あるいは粒状アルミナその他の担体に担持させた形で用いられる。
【0018】
前記支持体の構成材料としてはセラミックス、紙、布、プラスチックなど適宜の材料が用いられる。非ガス臭物質と触媒作用を有する物質が露出した面上にはプラスチック製その他のガス透過性の保護層を配置してもよい。また、支持体の裏面は、粘着剤その他の手段により、本検知装置の配置箇所で貼付できる構造とすることができる。さらに、例えば非ガス臭物質と触媒作用を有する物質が露出した面とガス透過性の保護層の間にガス拡散層を設けるなど適宜な構造とすることができる。
【0019】
図1〜3は本発明に係る漏洩水素の検知装置の態様例を示す図である。図1は、支持体上に、触媒作用を有する物質を分散させた非ガス臭物質を塗布して共存させた態様である。支持体層(層状支持体)の上面に、触媒作用を有する物質を分散させた非ガス臭物質を、非ガス臭物質と触媒作用を有する物質が露出した状態となるように配置する。一例として、ジターシャリーブチルジスルフィドの場合、粘性の液体であるので、これに触媒作用を有する物質を分散させ、例えば塗布等により適宜の厚みをもたせた層状に塗布することで支持体上に保持することができる。図1(b)は、非ガス臭物質と触媒作用を有する物質が露出した面上にガス透過性の保護層を配置した態様である。図1(a)〜(b)のいずれの態様でも、支持体層の裏面は貼付できる構造としてもよい。
【0020】
図2は多孔性支持体に非ガス臭物質を含浸させ、その上面に触媒作用を有する物質を分散させた非ガス臭物質を配置して両者を共存させた態様である。支持層(層状支持体)の裏面は貼付できる構造としてもよい。図2(b)は、非ガス臭物質と触媒作用を有する物質が露出した面上にガス透過性の保護層を配置した態様である。図3は、触媒作用を有する物質を分散させた非ガス臭物質を多孔性支持体に含浸させることで両者を共存させた態様である。支持層(層状支持体)の裏面は貼付できる構造としてもよい。図3(b)は、非ガス臭物質と触媒作用を有する物質が露出した面上にガス透過性の保護層を配置した態様である。
【0021】
本検知装置は、水素漏洩があり得る場所に置いておくことで使用される。例えば、水素を燃料とする燃料電池を登載した自動車では登載水素タンクの上面や側面などに貼付しておくなど適宜の手法で使用される。また、本検知装置は、容器(ケース)に収容して使用するようにしてもよく、その際、非ガス臭物質と触媒作用を有する物質が露出した面を外気に開放状態としておく。図1〜3の各(b)に示すように保護層を配置した場合にも、保護層はガス透過性であるので外気に対して開放状態となる。
【0022】
本発明に係る漏洩水素の検知方法及び検知装置によれば、従来のように水素に予め付臭剤を添加しておくことなく、水素の製造時以降、輸送時、貯蔵時、需要家への供給時、使用時などで、水素が万々一漏洩しても、その漏洩水素を臭気をもつ物質に変え、発生した臭気をもつ物質の臭いを人が感知することにより、漏洩水素が検出される。
【0023】
水素に予め付臭剤として硫黄化合物を添加する場合、その水素をメタノールやアンモニアなどの合成、水素化脱硫、水素化分解、油脂などの水素化、酸水素炎などの用途に用いると、該硫黄化合物が反応に関与し、反応効率、燃焼効率が低下する。また、予め付臭剤を添加した水素を燃料電池の燃料として用いる場合にも、燃料極(触媒)が被毒して性能劣化を来たし、燃料電池として致命的な結果となる。これに対して、本発明によれば、漏洩水素を臭気をもつ物質に変えることでその漏洩を感知するので、水素に予め付臭剤を添加する場合に生じるそれら問題を一挙に解決することができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例により制限されないことはもちろんである。
【0025】
〈実施例1〉
容積22mL(mL=ミリリットル)のガラス容器を10個用意し、それぞれに、Pd、Pd−Ag合金(Pd=77wt%、Ag=23wt%からなる合金)、Pt、Au、Al、Cu、Ni、Zn、Feを入れ(すなわち、各容器毎に各1種類入れ)、残余の容器1個には何も入れずブランクテストに使用した。各容器のそれぞれにジターシャリーブチルジスルフィドを0.3mL注入して密閉し、その1時間後に、各容器内の気相中のガスをサンプリングしてターシャリーブチルメルカプタン量をガスクロマトグラフ法により分析した。この結果を分析結果1とする。
【0026】
次に、各容器のそれぞれに水素(純度=99.9%)を100mL注入(導入)した。水素導入後96時間経過時に、各容器内の気相中のガスをサンプリングしてターシャリーブチルメルカプタン量を同じくガスクロマトグラフ法により分析した。この結果を分析結果2とする。表1に本試験の結果を示している。表1には、使用した各金属の形状及び重量を併記している。
【0027】
【表 1】
Figure 0004004822
【0028】
表1のとおり、Pdの場合には、ジターシャリーブチルジスルフィドを注入しした後、1時間経過時の気相中にはターシャリーブチルメルカプタンは検出されなかったが、その後、水素を導入し、96時間経過後には629ng/mLものターシャリーブチルメルカプタンが検出された。このように水素によるジターシャリーブチルジスルフィドの分解反応が進んでいることが分かる。
【0029】
Pd−Ag合金の場合には、ジターシャリーブチルジスルフィドを注入し、1時間後の気相中にはターシャリーブチルメルカプタンは検出されなかったが、その後、水素を導入し、96時間経過時には24.4ng/mLものターシャリーブチルメルカプタンが検出された。このように水素によるジターシャリーブチルジスルフィドの分解反応が進んでいることが分かる。
【0030】
一方、例えばAl、Ni及びFeの場合には、水素導入後96時間経過時のターシャリーブチルメルカプタン量は、ジターシャリーブチルジスルフィドを注入した後(水素は導入せず)、1時間経過時のターシャリーブチルメルカプタン量に比べて、反って減少している。また、Pt、Au、Cu及びZnについてもターシャリーブチルメルカプタンへの有意の反応は進んでいない。
【0031】
また、水素導入後、96時間経過時の各容器内のガス(サンプリング後の残りのガス)の臭いを嗅いだところ、Pd及びPd−Ag合金を入れた容器中のガスはターシャリーブチルメルカプタン独特の臭気が認められた。これに対して、ブランクテスト容器中、Pt、Au、Al、Cu、Ni、Zn、Feを入れた各容器中の各ガスには臭気が認められなかった。
【0032】
〈実施例2〉
容積22mLのガラス容器に金属Pdを入れ、この容器に二硫化ジメチル(CH3SSCH3)を0.3mL注入し、その1時間後に、容器内の気相中のガスをサンプリングしてメチルメルカプタン量をガスクロマトグラフ法により分析した。この結果を分析結果3とする。
【0033】
次に、該容器内に水素(純度=99.9%)を100mL注入(導入)した。水素導入後、96時間経過時に、容器内の気相中のガスをサンプリングしてメチルメルカプタン量をガスクロマトグラフ法により分析した。この結果を分析結果4とする。表2に本試験の結果を示している。表2には、使用したPdの形状及び重量を併記している。
【0034】
【表 2】
Figure 0004004822
【0035】
表2のとおり、二硫化ジメチルとPdの組み合わせの場合、二硫化ジメチルを注入した時点から1時間経過後の気相中のガスのメチルメルカプタン量は0.70ng/mLであった。これに対して、水素導入後、96時間経過時には546ng/mLものメチルメルカプタンが検出された。このように、水素による二硫化ジメチルの分解反応が進んでいることが分かる。また、容器内のガス(サンプリング後の残りのガス)の臭いを嗅いだところ、メチルメルカプタン独特の臭気が認められた。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、水素に予め付臭剤(すなわち硫黄化合物)を添加することなく、漏洩水素を臭気によって検知することができる。また、本発明によれば、水素自体に付臭剤を添加する必要がないので、水素に予め付臭剤を添加した場合には生じる、付臭剤(すなわち硫黄化合物)の各種反応への関与や燃料電池の燃料極の被毒などのやっかいな問題をも一挙に解決することができる。
【0037】
また、燃料電池用の燃料水素のように多量の水素を対象とする場合、水素に予め付臭剤を添加して付臭する場合には多量の付臭剤が必要であるが、本発明によれば、水素の漏洩時にのみ漏洩水素を臭気をもつ物質に変えて検知するので、水素の全部に付臭剤を添加しておく必要がないなど各種有用な効果が得られる。
【0038】
さらに、現在提唱されている水素用のセンサは、水素以外のガスに対しても作動してしまうといった欠点をもつものや、動作させるために電源が必要であったりするものが多く、確実性に欠け、実用上不便なものしかなかったが、本発明によれば、その漏洩を簡易且つ確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の漏洩水素の検知装置の態様例を説明する図
【図2】本発明の漏洩水素の検知装置の態様例を説明する図
【図3】本発明の漏洩水素の検知装置の態様例を説明する図

Claims (12)

  1. 漏洩水素の検知方法であって、ジターシャリーブチルジスルフィドと該ジターシャリーブチルジスルフィド及び水素に対し触媒作用を有する物質であるパラジウム又はその合金とを共存させ、漏洩水素が該ジターシャリーブチルジスルフィドに接触したときにガス臭を有する物質を発生させることにより漏洩水素を検知することを特徴とする漏洩水素の検知方法。
  2. 漏洩水素の検知方法であって、二硫化ジメチルと該二硫化ジメチル及び水素に対し触媒作用を有する物質であるパラジウム又はその合金とを共存させ、漏洩水素が該二硫化ジメチルに接触したときにガス臭を有する物質を発生させることにより漏洩水素を検知することを特徴とする漏洩水素の検知方法。
  3. 漏洩水素の検知装置であって、支持体上に、ジターシャリーブチルジスルフィドと該ジターシャリーブチルジスルフィド及び水素に対して触媒作用を有する物質であるパラジウム又はその合金とを共存させてなり、漏洩水素が該ジターシャリーブチルジスルフィドの表面に接触したときにガス臭を有する物質を発生させるようにしてなることを特徴とする漏洩水素の検知装置。
  4. 漏洩水素の検知装置であって、支持体上に、二硫化ジメチルと該二硫化ジメチル及び水素に対して触媒作用を有する物質であるパラジウム又はその合金とを共存させてなり、漏洩水素が該二硫化ジメチルの表面に接触したときにガス臭を有する物質を発生させるようにしてなることを特徴とする漏洩水素の検知装置。
  5. 漏洩水素の検知装置であって、多孔性支持体にジターシャリーブチルジスルフィドを含浸させ、その上面に、該ジターシャリーブチルジスルフィドと該ジターシャリーブチルジスルフィド及び水素に対して触媒作用を有する物質であるパラジウム又はその合金とを共存させてなり、漏洩水素が該ジターシャリーブチルジスルフィドの表面に接触したときにガス臭を有する物質を発生させるようにしてなることを特徴とする漏洩水素の検知装置。
  6. 漏洩水素の検知装置であって、多孔性支持体に二硫化ジメチルを含浸させ、その上面に、該二硫化ジメチルと該二硫化ジメチル及び水素に対して触媒作用を有する物質であるパラジウム又はその合金とを共存させてなり、漏洩水素が該二硫化ジメチルの表面に接触したときにガス臭を有する物質を発生させるようにしてなることを特徴とする漏洩水素の検知装置。
  7. 請求項3または5に記載の漏洩水素の検知装置において、前記支持体が層状の支持体であり、該ジターシャリーブチルジスルフィドと該ジターシャリーブチルジスルフィド及び水素に対して触媒作用を有する物質であるパラジウム又はその合金とが層状に共存していることを特徴とする漏洩水素の検知装置。
  8. 請求項4または6に記載の漏洩水素の検知装置において、前記支持体が層状の支持体であり、該二硫化ジメチルと該二硫化ジメチル及び水素に対して触媒作用を有する物質であるパラジウム又はその合金とが層状に共存していることを特徴とする漏洩水素の検知装置。
  9. 漏洩水素の検知装置であって、多孔性支持体上に、ジターシャリーブチルジスルフィドと該ジターシャリーブチルジスルフィド及び水素に対して触媒作用を有する物質であるパラジウム又はその合金とを共存させてなり、漏洩水素が該ジターシャリーブチルジスルフィドの表面に接触したときにガス臭を有する物質を発生させるようにしてなることを特徴とする漏洩水素の検知装置。
  10. 漏洩水素の検知装置であって、多孔性支持体上に、二硫化ジメチルと該二硫化ジメチル及び水素に対して触媒作用を有する物質であるパラジウム又はその合金とを共存させてなり、漏洩水素が該二硫化ジメチルの表面に接触したときにガス臭を有する物質を発生させるようにしてなることを特徴とする漏洩水素の検知装置。
  11. 請求項9または10に記載の漏洩水素の検知装置において、前記多孔性支持体が層状の支持体であることを特徴とする漏洩水素の検知装置。
  12. 請求項3ないし11のいずれか1項に記載の漏洩水素の検知装置において、前記ジターシャリーブチルジスルフィド又は二硫化ジメチルと該ジターシャリーブチルジスルフィド又は二硫化ジメチル及び水素に対して触媒作用を有する物質であるパラジウム又はその合金とが露出した面にガス透過性の保護層を配してなることを特徴とする漏洩水素の検知装置。
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