JP4002432B2 - 磁気研磨用砥粒 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属部品、セラミックス部品等の研磨に用いる磁気研磨用砥粒に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、磁界中に磁気研磨用砥粒(磁化される性質と研磨する能力を兼ね備えた砥粒)を充填すると、磁場の影響により磁気研磨用砥粒は磁気ブラシを形成する。この磁気ブラシをひとつの研磨工具として利用し、工作物の円筒外周面、平面、曲面、多少の形状的複雑性のある面など、表面仕上げを行う砥粒加工法の一種が磁気研磨法である。
【0003】
最近、この磁気研磨法が金型表面の仕上げ等の自動化、簡易化の手段として有用であるとされ、注目を集めている。
【0004】
一般に磁気研磨法に用いる磁気研磨用砥粒は、前述のように磁化される性質と研磨する能力を備えた一種の複合砥粒で、その主要構成は強磁性体である鉄と高研磨材であるアルミナ質砥粒とから成っている。
【0005】
このような磁気研磨用砥粒は、鉄等の強磁性金属と研磨材の微粉を加圧成形した後、雰囲気炉で焼結させることで得られる。
【0006】
通常、研磨用砥粒の粒径と仕上面粗さとは密接な関係があるが、磁気研磨法を用いた場合、粒径数百μmの比較的粗い砥粒を使用しても表面粗さは、最大高さRmaxで約2μmのオーダーの仕上面粗さが得られる。これは、研磨時に磁力で結合された砥粒群が全体として柔軟な加工挙動をすることと、硬い研磨材成分の粒子が応力下で受けた加工歪を強磁性金属が分担し、緩和するからである。
【0007】
磁気研磨における加工能率は、装置のファクターすなわち磁極の強さや回転周速度、被加工部品の送り速度、加工間隙等の諸条件のほか、砥粒が群を形成したときの粘弾性的な挙動にも左右される。従って、個々の砥粒の性状は、磁気研磨の研磨量や研磨精度を決定する重要な要素であり、その使用寿命をも決定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の磁気研磨用砥粒は、研磨材の種類が限られるうえに、研磨特性も十分満足できるものではなく、使用寿命も長くなかった。これは、研磨材粒子を金属粉末の焼結により結合しているという構成に起因するものであって、研磨材粒子であるAl23やSeO2等のセラミックスと強磁性金属との密着性が低いことや、セラミックスの比重と金属の比重が大きく異なっているため、砥粒中に研磨材の粒子が均一に分散していないことによるものであった。
【0009】
以上の点を改善する試みとして、ホットプレスによる圧密化や、焼結、粉砕後の球状化処理等が行われているが、この様な方法は製造コストを高くするという欠点を有していた。
【0010】
一方、Feに代表される強磁性金属に、研磨材/強磁性金属=(5〜40)/(95〜60)(体積比)で研磨材粒子を分散させ、この強磁性金属に対してAl、SiまたはBの少なくとも1種を脆化剤として添加することで粉砕を容易にし、砥粒製造の生産性を高めた磁気研磨用砥粒も提案されているが(特開平6−116549号公報参照)、研磨材粒子が均一に分散された磁気研磨用砥粒とするには、成形、金属溶融、粉砕といったいくつもの工程が必要で製造コストを十分低下させるものではなかった。
【0011】
また、この強磁性金属及び研磨材から成る磁気研磨用砥粒を用いて研磨加工した場合、研磨量を増加させようとして砥粒の粒径を大きくすると、強磁性金属の磁力が強く研磨面の表面粗さが大きくなってしまうという欠点を有していた。
【0012】
そこで、本発明は、研磨量が多く、研磨精度が高く、製造コストが安価である磁気研磨用砥粒を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記問題点に鑑みて本発明は、FeまたはFe−Niのいずれかの強磁性金属と、Fe23を40〜95モル%、ZnOを1〜30モル%、MnOまたはNiOのいずれかを1〜30モル%、CuOを10モル%以下のフェライトと、Al、ZrO、SiO、Cr、CeOのいずれかの研磨材とからなり、該研磨材は上記強磁性金属またはフェライトのマトリクスとして存在することを特徴とする。
さらに、上記金属が15〜80質量%、フェライトが15〜80質量%及び研磨材が5〜50質量%の割合で含有されてなるとからなり、該研磨材は上記強磁性金属またはフェライトのマトリクスとして存在することを特徴とする。
さらに、平均粒径が1〜1000μmであることを特徴とする。
さらに、比表面積が0.1〜10m2/gであることを特徴とする。
さらに、上記フェライト粒子の密度が5g/cm3以上であることを特徴とする。
さらに、圧縮強度が50MPa以上であることを特徴とする。
【0018】
本発明の磁気研磨用砥粒によれば、FeまたはFe−Niのいずれかの強磁性金属と、Fe23を40〜95モル%、ZnOを1〜30モル%、MnOまたはNiOのいずれかを1〜30モル%、CuOを10モル%以下のフェライトと、Al、ZrO、SiO、Cr、CeOのいずれかの研磨材とからなり、該研磨材は上記強磁性金属またはフェライトのマトリクスとして存在することで磁気感応性を高くできる。
【0019】
また、本発明の磁気研磨用砥粒によれば、平均粒径を1〜1000μmとすることから、被研磨物の表面加工を行う上で、研磨量と研磨精度を向上させることができる。
【0020】
さらに、本発明の磁気研磨用砥粒によれば、密度が5g/cm3以上であることから、被研磨物への加工応力が加わった際、研磨用砥粒自身の破壊を有効に防止して、被研磨物の研磨量を多くすることができる。
【0021】
さらにまた、本発明の磁気研磨用砥粒によれば、圧縮強度が50MPa以上であることから、被研磨物への加工応力が加わった際、研磨用砥粒自身の破壊を有効に防止して、被研磨物の研磨量をより多くすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の磁気研磨用砥粒は、FeまたはFe−Niのいずれかの強磁性金属と、Fe23を40〜95モル%、ZnOを1〜30モル%、MnOまたはNiOのいずれかを1〜30モル%、CuOを10モル%以下のフェライトと、Al、ZrO、SiO、Cr、CeOのいずれかの研磨材とからなり、該研磨材は上記強磁性金属またはフェライトのマトリクスとして存在することで、従来の強磁性金属及び研磨材からなる磁気研磨用砥粒よりも、金属とフェライトの磁場中での相互作用によって加工圧力が増加し、研磨量を増加させることができる。
【0023】
上記磁気研磨用砥粒は、強磁性金属に対する研磨材のマトリクス、または、フェライトに対する研磨材のマトリクスによって構成されており、フェライトと研磨材のマトリクスは、強磁性金属と研磨材のマトリクスよりも安価に作成できるため、磁気研磨用砥粒自体を安価にすることができる。
【0024】
また、上記磁気研磨用砥粒は、強磁性金属が15〜80質量%、フェライトが15〜80質量%、研磨材が5〜50質量%の割合で含有されていることが好ましく、上記含有量とすることによって、被研磨物の研磨量をさらに増加させることができる。
【0025】
なお、上記強磁性金属とは自発磁化を有するものと定義され、磁場以外においても自発的に磁性を示すものであり、上記フェライトの軟磁性とは磁場が印加された際に磁化されやすいものと定義されるものである。
【0026】
上記強磁性金属が15質量%未満となると、磁性研磨用砥粒の回転磁心への付着力が低下し、80質量%を超えると研磨効果の高いフェライト及び研磨材の含有量が低下するため研磨量が減少する。また、上記フェライト及び研磨剤が15質量%未満となると研磨効果が低下し、研磨量が低下して長い加工時間を要し、一方80質量%を超えると強磁性金属の含有量が低下するため、回転磁心への付着力が低下して研磨量が減少する。
【0027】
なお、上記強磁性金属を30〜60質量%、フェライトを30〜60質量%、研磨材を10〜30質量%とすることがより好ましく、強磁性金属、フェライト及び研磨材の磁力による加工圧力と研磨材による研磨効果のバランスが良いため、研磨量をより増加させることができる。
【0028】
ここで、上記磁気研磨用砥粒の強磁性金属としては、Fe、Fe−Ni等が用いられ、回転磁芯に磁化される磁化支持体として作用する。
【0029】
また、上記フェライトとしては、Fe、Zn、Cu及びNiまたはMnの各酸化物であればよく、通常はFeを50モル%以上含有するフェライトを用いれば、製造コスト及び磁気感応性の高さの点で有利である。組成範囲は、Mn系のフェライトの場合は、Fe23を40〜95モル%、ZnOを1〜30モル%、MnOを1〜30モル%、CuOを10モル%以下、Ni系のフェライトの場合は、Fe23を40〜95モル%、ZnOを1〜30モル%、NiOを1〜30モル%、CuOを10モル%以下であることが重要である。
【0030】
さらに、上記研磨材としては、種々の酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス又はダイヤモンドが用いられ、酸化物セラミックスの粒子を用いることが好ましく、具体的にはAl23、ZrO2、SiO2、Cr23、CeO2等であり、これらの1種または2種以上を混合しても良く、この研磨材は、磁性研磨用砥粒において強磁性金属またはフェライトのマトリクスとして存在する。
【0031】
なお、上記強磁性金属、フェライト、研磨材の各成分の他に非磁性成分が若干含まれていてもよく、例えばCaO、K2O、MgO、CoO、Ta25、Nb25、WO3、PbO等を含んでもよい。いずれも磁気研磨用砥粒に対して、50重量%以上のフェライト成分が存在し、集合体として磁気感応性を示すならば、磁気研磨用砥粒として用いることができる。
【0032】
また、本発明の磁気研磨用砥粒は、平均粒径が1〜1000μmであることが好ましく、被研磨物の表面加工を行う上で研磨量と研磨精度を向上させることができる。上記平均粒径を1μm以上とすることによって、研磨量、加工速度を大きくすることができるとともに、平均粒径を1000μm以下とすることによって表面粗さの優れた研磨面を得ることができる。また、研磨加工の種類によって粗仕上げの場合には平均粒径を大きく、仕上げ研磨用としては平均粒径を小さくすることで好適に用いることができる。
【0033】
なお、本発明の平均粒径とは、磁気研磨用砥粒のSEM写真より任意に10個の磁気研磨用砥粒球状体を取り出し、各磁気研磨用砥粒球状体に接する内接円と外接円の直径の平均値をさらに平均した値のことである。
【0034】
さらに、本発明の磁気研磨用砥粒は、比表面積が0.1〜10m2/gとすることが好ましく、比表面積を0.1m2/g以上とすることによって表面粗さの小さな研磨面を得ることができ、比表面積を大きくすることで仕上げ研磨用として好適に用いることができる。一方、比表面積が10m2/gを超えると、粒径が小さくなり、単位面積に対する加工圧力が低下するため、研磨量が低下しやすい。
【0035】
なお、各粒子の比表面積は、JIS R1626(1996)に準拠した流動式BET法で測定することができる。
【0036】
ここで、上記磁気研磨用砥粒を形成する各粒子の比表面積を0.1〜10m2/gとするには、フェライトと研磨材のマトリクスの密度と圧縮強度をコントロールする事が重要になる。そこで、詳細を後述する製造方法において、フェライトと研磨材のマトリクス顆粒作成の際、混合造粒、噴霧乾燥造粒、噴射造粒又は転動造粒のいずれかにより造粒することが必要であり、原料顆粒の投入量を少なくするとともに、ディスク回転速度を高速とする等の方法によって比表面積を大きなものとできる。
【0037】
またさらに、本発明の磁気研磨用砥粒は、密度が5g/cm3以上とすることが好ましく、被研磨物に加工応力が加わった際、研磨用砥粒自身の破壊を有効に防止し、被研磨物の研磨量を多くすることができる。
【0038】
なお、上記密度は、JIS R1620(1995)に準拠した粒子密度測定方法で測定することができる。
【0039】
さらにまた、本発明の磁気研磨用砥粒は、圧縮強度が50MPa以上とすることが好ましく、被研磨物に加工応力が加わった際、研磨砥粒自身の粉砕や破壊を有効に防止し、被研磨物の研磨量を多くすることができる。
【0040】
なお、上記圧縮強度は、微少圧縮試験機(島津製)を用いて測定することができる。
【0041】
上述のように磁気研磨用砥粒の密度を5g/cm3以上、圧縮強度を50MPa以上とするには、フェライトと研磨材のマトリクスの密度と圧縮強度をコントロールすることが重要であり、フェライトと研磨材のマトリクスの製造方法において、仮焼温度、焼成温度、焼成時間を制御することによって得ることができる。
【0042】
次いで、本発明の磁気研磨用砥粒の製造方法について説明する。
【0043】
本発明の強磁性金属、フェライト、研磨材とからなる磁気研磨用砥粒の製造方法は、例えば強磁性金属としてFeを50質量%と、この強磁性金属に研磨材を50質量%分散させ、成形、金属溶融、粉砕を行い、強磁性金属と研磨材のマトリクスを形成する。なお、所望の平均粒径、比表面積の強磁性金属と研磨材のマトリクスは得るには、粉砕し分級する事で得られる。
【0044】
次いで、得られた強磁性金属と研磨材のマトリクスに、フェライトとして、例えば、Fe、Zn、Cu及びNiまたはMnの酸化物あるいは焼成によりこれらの酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を添加し、振動ミル等で粉砕混合して仮焼した後、バインダーを加えて造粒して原料顆粒を得、その後、焼成するものである。
【0045】
また、フェライトを研磨材とのマトリクスとして添加する場合には、フェライトとして、Fe、Zn、Cu及びNiまたはMnの酸化物あるいは焼成により、これら酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用い、これらを上述の範囲となるようにフェライト材の主成分の各原料を調合し、振動ミル等で粉砕混合した後、仮焼して得られた仮焼粉体に、研磨材として例えば、Al、Zr等の酸化物あるいは焼成により酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を添加し、ボールミル等で粉砕した後、バインダーを加えて造粒して原料顆粒を得、その後焼成する。
【0046】
なお、研磨材は仮焼後に加えることを拘束するものではなく、仮焼前にフェライト成分に加えても特性に何ら影響するものではない。
【0047】
このような製造方法によって得られた磁気研磨用砥粒は、個々の粒子が強固に焼結したものとなり、研磨量が多く、被加工物の表面粗さが小さい研磨精度の高いものとなる。
【0048】
また、磁気研磨用砥粒を所定の平均粒径、比表面積とするには顆粒作成の際、混合造粒、噴霧乾燥造粒、噴射造粒又は転動造粒のいずれかにより造粒することが必要である。特に、平均粒径を1〜1000μm、比表面積を0.1〜10m2/gの磁気研磨用砥粒を噴霧乾燥造粒機の一種であるディスク回転型のスプレードライヤーで得ようとする場合、上記原料顆粒の投入量を2000ml/分以上8000ml/分未満、投入時の温度を200℃〜350℃、ディスク回転速度を4000〜10000rpmにすればよい。また、円筒器と円筒器の中に備えられた回転刃とからなり、該回転刃を回転させることにより円筒器内の粒子に遠心力、剪断力を加え、粒子を円筒器の内周に沿って円運動させることによって造粒する転動造粒機の一種であるハイスピードミキサーで得ようとする場合、PVA、PEG等のバインダーに水またはアルコールを混合したものと、フェライト材とをバインダー量がフェライト材に対して1〜20重量%となるように投入し、バインダーの添加速度を50ml/分未満で投入し、回転刃の回転数を500〜5000rpmにすればよい。
【0049】
さらに、得られた磁気研磨用砥粒の密度を5g/cm3以上、圧縮強度を50MPa以上とするには、焼結を促進しなければならないため、大気雰囲気中800〜1000℃の範囲で1〜10時間仮焼し、大気雰囲気中1000〜1300℃の範囲で1〜20時間焼成することが必要である。焼成温度が1000℃未満となると、焼結が十分促進しないため十分な圧縮強度が得られず、1300℃を超えるとフェライトが蒸発してしまい、密度、圧縮強度とも減少するためである。
【0050】
最終的に得られた、研磨材成分を含有した強磁性体金属とフェライト又は、研磨材を含有したフェライトを所定の質量%で混合することで、本発明の磁気研磨用砥粒を得ることができる。
【0051】
また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0052】
【実施例】
(実施例1)
先ず、強磁性金属としてFe中に、研磨材であるAl23を表1に示す如く分散させ、成形、金属溶融、粉砕し、任意の平均粒子径、比表面積を有する磁気研磨用砥粒を得、表1中の試料No.2〜4とした。
【0053】
また、比較例として、強磁性金属であるFeと研磨材であるAl23のみからなる試料をそれぞれNo.1と5に用意した。
【0054】
フェライトとして、Fe23、ZnO、CuO及びNiOまたはMnOを振動ミルで混合した後、600〜1000℃で仮焼することにより仮焼体を得、この仮焼体の一部を取り出し、バインダーを加えた後、スプレードライヤーを用いて造粒処理することで任意の平均粒子径、比表面積を有する造粒体を得た。
【0055】
そして、この造粒体を大気雰囲気中900〜1400℃で焼成することによりフェライトからなる試料No.6を得た。
【0056】
また、残った上記仮焼体に研磨材としてAl23を添加し、ボールミルにて粉砕した後、バインダーを加え、スプレードライヤーを用いて任意の形状、大きさを有する造粒体を得、この造粒体を大気雰囲気中900〜1400℃で焼成することにより試料No.7〜9を得た。
【0057】
さらに、上記得られた強磁性金属及び研磨材からなる粒子にフェライトまたは、研磨材を含有したフェライト粒子を所定の比率で添加、混合することにより試料No.10〜29を得た。
【0058】
以上のような試料をそれぞれフライス盤に磁極を取り付けて回転させた装置で使用して、次の条件で磁気研磨を行った。
【0059】
回転磁極:直径20mm 回転磁極の先端部曲率半径:10mm
回転磁極の回転数:2000rpm 被研磨物:S55C鋼 砥粒:2.5g
磁束密度T:1.0テスラ 磁極と被研磨物のギャップG:1.4mm
研磨時間:15分間 研磨前表面粗さRy:2μm
各試料に関して得られた研磨量を測定した。
【0060】
その結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
Figure 0004002432
【0062】
表1に示す結果より、強磁性金属、フェライト及び研磨材の何れかを含まない試料(No.1〜10、12、20)は、研磨量が70mg以下と少なかった。
【0063】
これに対し、強磁性金属、フェライト及び研磨材の全てを含む試料(No.11.13〜19、21〜29)は研磨量が85mg以上と多かった。
【0064】
さらに、強磁性金属が15〜80質量%、フェライトが15〜80質量%、研磨材が5〜50質量%の試料(No.11、13、14、16〜18、21、22、25〜29)は、研磨量が110mg以上とさらに増加していることが判った。
【0065】
特に、強磁性金属が30〜60質量%、フェライトが30〜60質量%、研磨材が10〜40質量%の試料(No.26〜29)は、研磨量が160mg以上とより増加していることが判った。
【0066】
(実施例2)
次に、実施例1と同様な方法で、顆粒作成の際、混合造粒によって造粒することで種々の平均粒径、比表面積を有し、強磁性金属であるFeを15質量%、フェライトを50質量%、研磨材を35質量%からなる磁気研磨砥粒試料を作製した。
【0067】
各試料を用いて実施例1と同様の条件にて研磨加工試験を行った。
【0068】
そして、各試料の研磨量を測定するとともに、被研磨物の表面粗さをJISB0601に基づき算術平均粗さ(Ra)を触針式表面粗さ計にて測定した。
【0069】
【表2】
Figure 0004002432
【0070】
表2に示す結果より、平均粒径が1μm未満、比表面積が10m2/gより大きい試料(No.30)は、研磨量が115mgと少なく、また、平均粒径が1000μmを超え、比表面積が0.1m2/g未満の試料(No.38、39)は、研磨量が大きいものの表面粗さRaが0.3μm以上と大きく、研磨精度が低下することが判った。
【0071】
これに対し、平均粒径が1〜1000μm、比表面積が0.1〜10m2/gとした試料(No.31〜37)は、研磨量が135〜185mg、表面粗さRaが0.2μm以下と優れた研磨精度であることが判った。
【0072】
(実施例3)
次に、実施例1と同様な方法で、仮焼時間、焼成時間、温度を種々変更して表3に示す如く密度、強度を有し、強磁性金属であるFeを15質量%、フェライトを50質量%、研磨材を35質量%からなる磁気研磨砥粒試料を作製した。
【0073】
各試料を用いて実施例1と同様の条件にて研磨加工試験を行った。
【0074】
なお、各試料の平均粒径は100μm、比表面積は1m2/gとし、密度はJIS R1620(1995)に準拠した粒子密度測定方法で、圧縮強度は微少圧縮試験機(島津製)を用いて求めた。
【0075】
そして、各試料を用いて実施例1と同様な条件で研磨したS55C鋼の研磨量の測定した。
【0076】
その結果を表3に示す。
【0077】
【表3】
Figure 0004002432
【0078】
表3から明らかなように、密度が5g/cm3未満、圧縮強度が50MPa未満の試料(No.40、41)は、研磨量が125mg以下と少ないことが判った。
【0079】
これに対し、密度が5g/cm3以上、圧縮強度が50MPa以上の試料(No.42〜45)は、研磨量が145〜205mgとより増加していることが判った。
【0080】
【発明の効果】
本発明の磁気研磨用砥粒によれば、FeまたはFe−Niのいずれかの強磁性金属と、Fe23を40〜95モル%、ZnOを1〜30モル%、MnOまたはNiOのいずれかを1〜30モル%、CuOを10モル%以下のフェライトと、Al、ZrO、SiO、Cr、CeOのいずれかの研磨材とからなり、該研磨材は上記強磁性金属またはフェライトのマトリクスとして存在することから、研磨効果を高くするとともに、砥粒の寿命を向上させ、安価に製造することができる。
【0081】
また、本発明の磁気研磨用砥粒によれば、平均粒径を1〜1000μmとすることから、被研磨物の表面加工を行う上で、研磨量と研磨精度を更に向上できる。
【0082】
さらに、本発明の磁気研磨用砥粒によれば、密度が5g/cm3以上であることから、被研磨物への加工応力が加わった際、研磨用砥粒自身の破壊を有効に防止して、被研磨物の研磨量を更に多くすることができる。
【0083】
さらにまた、本発明の磁気研磨用砥粒によれば、圧縮強度が50MPa以上であることから、被研磨物への加工応力が加わった際、研磨用砥粒自身の破壊を有効に防止して、被研磨物の研磨量をより更に多くすることができる。

Claims (6)

  1. FeまたはFe−Niのいずれかの強磁性金属と、Fe 2 3 を40〜95モル%、ZnOを1〜30モル%、MnOまたはNiOのいずれかを1〜30モル%、CuOを10モル%以下のフェライトと、Al 、ZrO 、SiO 、Cr 、CeO のいずれかの研磨材とからなり、該研磨材は上記強磁性金属またはフェライトのマトリクスとして存在することを特徴とする磁気研磨用砥粒。
  2. 上記強磁性金属が15〜80質量%、フェライトが15〜80質量%及び研磨材が5〜50質量%の割合で含有されてなることを特徴とする請求項1に記載の磁気研磨用砥粒。
  3. 平均粒径が1〜1000μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気研磨用砥粒。
  4. 比表面積が0.1〜10m2/gであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の磁気研磨用砥粒。
  5. 記フェライト粒子の密度が5g/cm3以上である請求項1乃至4の何れかに記載の磁気研磨用砥粒。
  6. 圧縮強度が50MPa以上である請求項1乃至5の何れかに記載の磁気研磨用砥粒。
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