JP4001966B2 - シース付き電線およびケーブル - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、シース付き電線およびケーブルに関し、さらに詳しくは、耐ストレスクラック性、耐摩耗性および耐衝撃性に優れたポリエチレン樹脂製シース付き電線およびケーブルに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、電線を保護するシース(最外層の電線シース)および電力・電信ケーブルを保護するシースは、その素材として、たとえばポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂などが用いられている。
【0003】
このようなシースは、個々の電線ないしケーブルを直接に絶縁する被覆層と異なり、耐ストレスクラック性(ESCR)、耐摩耗性および耐衝撃性、特に低温下での耐衝撃性等の物性に優れていることが必要で、近年用途の多様化及び使用条件の過酷化に伴い、これまで以上に性能の優れたシース付きの電線およびケーブルの出現が望まれている。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、従来のポリエチレン製シースよりも更に耐ストレスクラック性、耐摩耗性および耐衝撃性の改良されたポリエチレン樹脂製シース付き電線およびケーブルを提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】
本発明に係るシース付き電線およびケーブルは、電線またはケーブルの最外層を、シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレン樹脂(A)および高圧法低密度ポリエチレン(B)を含むシース用ポリエチレン樹脂で被覆してなるシース付き電線またはケーブルであって、
前記高圧法低密度ポリエチレン(B)は、前記ポリエチレン樹脂(A)100重量部に対して100重量部以下の量で含有されており、
前記ポリエチレン樹脂(A)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα - オレフィンとの共重合体であって、(1)密度(d)が0.880〜0.950g/cm 3 の範囲にあり、(2)メルトフローレート(MFR; ASTM D 1238 , 190 ℃、荷重 2.16kg )が0.01〜20g/10分の範囲にあり、かつ、(3)室温における n- デカン可溶成分量分率(W(重量%))と密度(d(g/cm 3 ))とが、
MFR≦10g/10分のとき:
W<80× exp( −100(d−0 . 88) ) +0 . 1
MFR>10g/10分のとき:
W<80×(MFR−9) 0.35 × exp( −100(d−0 . 88) ) +0 . 1
で示される関係を満たすことを特徴とする。
【0008】
さらに、前記ポリエチレン樹脂(A)は、溶融重合体の190℃におけるずり応力が2.4×106 dyne/cm2 に到達する時のずり速度で定義される流動インデックス(FI(1/秒))とメルトフローレート(MFR(g/10分))とが、
FI>75×MFR
である関係を満たしていることが好ましい。
【0009】
さらに、前記ポリエチレン樹脂(A)は、昇温溶出試験(TREF)において100℃以上で溶出する成分が存在し、かつ、その成分の量が全溶出量の10重量%以下であることが好ましい。
【0010】
本発明においては、前記ポリエチレン樹脂(A)は、
(i) 耐ストレスクラック性の指標となる50%亀裂発生時間(F50)[ASTM D 1698]が、600時間以上であり、
(ii)テーバー摩耗試験法(JIS K 7204,荷重1kg、摩耗輪CS-17、60rpm、1000回)により測定される摩耗量が、10mg以下であり、
(iii) −40℃で測定したアイゾット衝撃強度[ASTM D 256,ノッチ付き]が、40J/m2 以上であることが好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下本発明に係るシース付き電線およびケーブルについて具体的に説明する。本発明に係るシース付き電線およびケーブルにおけるシース形成用ポリエチレン樹脂は、特定の物性を有するポリエチレン樹脂(A)であって、シングルサイト触媒、たとえば従来公知のメタロセン系触媒またはブルックハルト触媒を用いて調製される。ポリエチレン樹脂(A)中に、高圧法低密度ポリエチレン(B)が含有されていてもよい。
【0012】
ポリエチレン樹脂(A)
本発明で用いられるポリエチレン樹脂(A)は、密度(ASTM D 1505)が通常、0.880〜0.950g/cm3 、好ましくは0.885〜0.940g/cm3 、さらに好ましくは0.890〜0.935g/cm3 である。密度が上記範囲にあるポリエチレン樹脂(A)を用いると、耐摩耗性、可撓性に優れた電線シースおよびケーブルシースを形成することができる。
【0013】
なお密度は、190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測定時に得られるストランドを120℃で1時間熱処理し、1時間かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定する。
【0014】
また、このポリエチレン樹脂(A)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)は、通常0.01〜20g/10分、好ましくは0.03〜15g/10分、さらに好ましくは0.05〜10g/10分の範囲にある。
【0015】
本発明で用いられるポリエチレン樹脂(A)は、室温におけるn-デカン可溶成分量分率(W(重量%))と密度(d(g/cm3))とが、
MFR≦10g/10分のとき:
W<80×exp(−100(d−0.88))+0.1
好ましくは W<60×exp(−100(d−0.88))+0.1
より好ましくは W<40×exp(−100(d−0.88))+0.1
MFR>10g/10分のとき:
W<80×(MFR−9)0.35×exp(−100(d−0.88))+0.1
で示される関係を満たしている。
【0016】
このようなエチレン系共重合体は組成分布が狭いと言える。
なお、ポリエチレン樹脂(A)の室温におけるn-デカン可溶成分量分率(W)は3重量%以下、好ましくは2重量%以下であることが望ましい。このn- デカン可溶成分量分率(W)が3重量%以下であると、高温に曝されたときに表面べたつきのないシースが得られる。
【0017】
室温におけるn- デカン可溶成分量分率(W)は、ポリエチレン樹脂0.5gを500mlのn- デカン中に、n- デカンの沸点で環流した状態で完全に溶解し、次に、この溶液を室温(25℃)まで冷却した後、濾過し濾液中のn- デカンを蒸発させたときに残る残分の最初のポリエチレン樹脂に対する重量割合を求めることによって測定する。
【0018】
また、本発明で用いられるポリエチレン樹脂(A)は、溶融重合体の190℃における応力が2.4×106 dyne/cm2 に到達する時のずり速度で定義される流動インデックス(FI(1/秒))とメルトフローレート(MFR(g/10分))とが、
FI>75×MFR
好ましくは FI>80×MFR
より好ましくは FI>85×MFR
で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0019】
流動インデックス(FI)は、ずり速度を変えながら樹脂をキャピラリーから押し出し、所定の応力に対応するずり速度を測定することにより決定される。すなわち、MT測定と同様の試料を用い、(株)東洋精機製作所製、毛細式流れ特性試験機を用い、樹脂温度190℃、ずり応力の範囲が5×104〜3×106 dyne/cm2程度で測定される。なお、測定する樹脂のMFR(g/10分)によって、ノズルの直径を次のように変更して測定する。
【0020】
MFR>20 のとき0.5mm
20≧MFR>3 のとき1.0mm
3≧MFR>0.8のとき2.0mm
0.8≧MFR のとき3.0mm
従来技術で組成分布の狭いポリエチレン樹脂を製造しようとすると、一般に分子量分布も同時に狭くなるため流動性すなわち成形性も悪くなり、FIが小さくなる。本発明で用いられるポリエチレン樹脂(A)は、FIとMFRとが上記のような関係を満たしていると、高ずり速度まで低い応力が保たれ、成形性がより良好となる。
【0021】
また、本発明で用いられるポリエチレン樹脂(A)は、昇温溶出試験(TREF)において100℃以上で溶出する成分が存在し、かつ、その成分の量が全溶出量の10重量%以下であることが好ましい。100℃以上で溶出する成分は結晶性の高い高密度成分であり、この高密度成分が多くなると耐熱性が向上するが、高密度成分が10重量%を超えると、ポリマーの可撓性が低下しシース用の材料としては好ましくない。
【0022】
上記昇温溶出試験(TREF)は、次の要領で行なう。
試料溶液を140℃でカラムに導入した後、降温速度10℃/時間で25℃まで冷却し、その後昇温速度15℃/時間で昇温しながら、1.0mlの一定流速で連続的に溶出する成分をオンラインで検出した。カラムは2.14cmφ×15cmのカラムを用い、充填剤は100μmφのガラスビーズを用い、溶媒はオルトジクロロベンゼン、試料濃度は200mg/40ml(オルトジクロロベンゼン)、注入量は7.5mlとした。
【0023】
上記のようなポリエチレン樹脂(A)は、シングルサイト触媒、たとえば特開平6−9724号公報、特開平6−136195号公報、特開平6−136196号公報、特開平6−207057号公報等に記載されているメタロセン触媒成分を含む、いわゆるメタロセン系オレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンのみを重合、あるいはエチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとを共重合させることによって製造することができる。
【0024】
すなわち、本発明で用いられるポリエチレン樹脂(A)は、メタロセン系オレフィン重合用触媒等のシングルサイト触媒を用いて調製されたエチレン単独重合体またはエチレン・α- オレフィン共重合体である。
【0025】
エチレンとの共重合に用いられる炭素原子数3〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセンなどが挙げられる。これらの中では、炭素原子数3〜10のα- オレフィン、特に炭素原子数4〜8のα- オレフィンが好ましい。
【0026】
上記のようなα- オレフィンは、単独で、または2種以上組合わせて用いることができる。
ポリエチレン樹脂(A)は、エチレンから導かれる構成単位が75重量%以上100重量%未満、好ましくは80〜99重量%、さらに好ましくは80〜97重量%、炭素原子数3〜20のα- オレフィンから導かれる構成単位が25重量%以下、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは3〜20重量%の量で存在することが望ましい。
【0027】
本発明においては、ポリエチレン樹脂(A)は、単独でシース用ポリエチレン樹脂として用いることができるし、また、高圧法低密度ポリエチレン(B)とのブレンド物として用いることができる。ポリエチレン樹脂(A)を高圧法低密度ポリエチレン(B)とのブレンド物として用いる場合、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)は、ポリエチレン樹脂(A)100重量部に対して100重量部以下、好ましくは70重量部以下、さらに好ましくは50重量部以下の割合で用いられる。このような割合でポリエチレン樹脂(A)を用いると、耐ストレスクラック性、耐摩耗性および低温下での耐衝撃性に優れたシースを形成することができる。
【0028】
本発明においては、ポリエチレン樹脂(A)は、単独で用いることができるし、また、メルトフローレート、密度の異なる樹脂をブレンドして用いることもできる。
【0029】
このようなポリエチレン樹脂(A)を用いてシース層を形成した場合に、特に以下に示す範囲の物性を示すポリエチレン樹脂が好ましい。
(i) シースの耐ストレスクラック性の指標となる50%亀裂発生時間(F50)[AS TM D 1698]が、好ましくは600時間以上、さらに好ましくは1000時間以
上であり、
(ii)テーバー摩耗試験法(JIS K 7204,荷重1kg、摩耗輪CS-17、60rpm、1000回)により測定される摩耗量が、好ましくは10mg以下、さらに好ましくは8mg以下であり、
(iii) ー40℃で測定したアイゾット衝撃強度[ASTM D 256,ノッチ付き]が、好ましくは40J/m2 以上、さらに好ましくは50J/m2 以上である。
【0030】
高圧法低密度ポリエチレン(B)
本発明で必要に応じて用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、エチレンをラジカル重合触媒の存在下、高圧の下で製造したポリエチレンであって、必要に応じ他のビニルモノマーを少量共重合してあってもよい。
【0031】
このような高圧法低密度ポリエチレン(B)は、密度(ASTM D 1505)が通常0.930g/cm3 以下、好ましくは0.910〜0.925g/cm3 の範囲にある。密度が上記範囲にある高圧法低密度ポリエチレン(B)を用いると、耐摩耗性、可撓性に優れたシースを形成することができるポリエチレン樹脂が得られる。なお、密度は、上述した測定方法と同様の方法で測定される。
【0032】
また、この高圧法低密度ポリエチレン(B)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)は、通常0.05〜20g/10分、好ましくは0.1〜10g/10分の範囲にある。メルトフローレートが上記範囲にある高圧法低密度ポリエチレン(B)を用いると、押出被覆加工性が向上する。
【0033】
その他の成分
本発明で用いられるシース用ポリエチレン樹脂中に、ポリエチレン樹脂(A)、またはポリエチレン樹脂(A)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の他に、従来公知の耐熱安定剤、耐候安定剤、カーボンブラック、顔料、難燃剤、老化防止剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で含有させることができる。
【0034】
上記に示した物性を有するシース付き電線およびケーブルは、上記のようなポリエチレン樹脂(A)またはその高圧法低密度ポリエチレン(B)とのブレンド物を用いて、従来公知の押出被覆成形方法により形成することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明に係るシース付き電線およびケーブルは、従来のポリエチレン製シースよりも更に優れた耐ストレスクラック性、耐摩耗性および低温下での耐衝撃性を有するので、優れた耐ストレスクラック性、耐摩耗性および低温下での耐衝撃性を発揮する。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0037】
なお、実施例および比較例で得られたシートの耐ストレスクラック性、耐摩耗性、低温下での耐衝撃性については、下記の試験方法により試験を行なった。
<試験方法>
(1)耐ストレスクラック性(ESCR)
ASTM D 1698に従って、ストレスクラック試験を行ない、50%亀裂発生時間(F50)を測定し、この50%亀裂発生時間(F50)を耐ストレスクラック性の指標とした。
【0038】
(2)耐摩耗性
JIS K 7204で規定されているテーバー摩耗試験法により、下記の条件で摩耗試験を行なって、摩耗量を測定した。
<試験条件>
・荷重:1kg
・摩耗輪:CS−17
・摩耗輪の回転速度:60rpm
・摩耗輪の回転数:1000回
(3)低温下での耐衝撃性
ASTM D 256に従って、ー40℃でアイゾット衝撃試験を行ない、アイゾット衝撃強度(ノッチ付き)を求めた。
【0039】
また、実施例および比較例で用いたポリエチレン樹脂は、次の通りである。
<メタロセン系触媒を用いて調製したポリエチレン樹脂>
(A−1)エチレン・1-ヘキセン共重合体
・エチレン含量:89.7重量%
・密度(ASTM D 1505):0.920g/cm3
・MFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):4g/10分
・室温におけるn- デカン可溶成分量分率(W):0.5重量%
・流動インデックス(FI):320[1/秒]
・昇温溶出試験における100℃以上で溶出する成分量:3.2重量%
(A−2)エチレン・1-ヘキセン共重合体
・エチレン含量:83.9重量%
・密度(ASTM D 1505):0.905g/cm3
・MFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):0.5g/10分
・室温におけるn- デカン可溶成分量分率(W):1.8重量%
・流動インデックス(FI):40[1/秒]
・昇温溶出試験における100℃以上で溶出する成分量:2.3重量%
(A−3)エチレン・1-ヘキセン共重合体
・エチレン含量:94.9重量%
・密度(ASTM D 1505):0.945g/cm3
・MFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):60g/10分
・室温におけるn- デカン可溶成分量分率(W):0.35重量%
・流動インデックス(FI):4700[1/秒]
・昇温溶出試験における100℃以上で溶出する成分量:5.2重量%
<高圧法低密度ポリエチレン>
(B−1)高圧法低密度ポリエチレン
・密度(ASTM D 1505):0.922g/cm3
・MFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):0.6g/10分
・室温におけるn- デカン可溶成分量分率(W):0.4重量%
(B−2)高圧法低密度ポリエチレン
・密度(ASTM D 1505):0.918g/cm3
・MFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):2.9g/10分
・室温におけるn- デカン可溶成分量分率(W):0.5重量%
<チーグラー系触媒を用いて調製した直鎖状低密度ポリエチレン>
(C−1)エチレン・1-ブテン共重合体
・エチレン含量:90.1重量%
・密度(ASTM D 1505):0.920g/cm3
・MFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):0.6g/10分
・室温におけるn- デカン可溶成分量分率(W):6.5重量%
・流動インデックス(FI):120[1/秒]
・昇温溶出試験における100℃以上で溶出する成分量:11重量%
【0040】
【実施例1】
上記のメタロセン系直鎖状低密度エチレン・1-ヘキセン共重合体(A−1)75重量部と、上記高圧法低密度ポリエチレン(B−1)25重量部と、さらに、この両成分100重量部に対し高圧法低密度ポリエチレン(B−1)をベースとした26重量%濃度のカーボンマスターバッチ(CBMB)10重量部とをヘンシェルミキサーでブレンドした後、65mmφ、L/D=26の単軸押出機を用いて190℃の温度、40kg/hrの樹脂押出量で溶融混練してポリエチレン樹脂(PE−1)を得た。
【0041】
このポリエチレン樹脂(PE−1)から、下記の条件でシート成形を行なって厚み2mmのシートを得た。
機 種: 直径65mmの押出機を有する3本ロールTダイシート成形機
成形温度:200℃
引取速度:15m/分
チルロール温度:35℃
【0042】
上記のようにして得られたポリエチレン樹脂シートの耐ストレスクラック性、耐摩耗性および低温下での耐衝撃性について、上述した方法で試験を行なった。
結果を第1表に示す。
【0043】
また、下記の条件でケーブルシース成形装置を用い、直径30mmφの通信ケーブルに厚さ2mmでポリエチレン樹脂(PE−1)を被覆したところ、良好なシース付き通信ケーブルが得られた。
機 種:直径65mmの押出機を有するクロスヘッドタイプシース被覆装置
成形温度:200℃
引取速度:20m/分
冷却水温度:20℃
【0044】
[実施例2〜4、参考例5、実施例6]
第1表に示す樹脂および配合比でブレンドした以外は、実施例1と同様にして厚み2mmのシートを成形し、その耐ストレスクラック性、耐摩耗性および低温下での耐衝撃性について、上述した方法で試験を行なった。
【0045】
結果を第1表に示す。
また、実施例1と同様にしてシース付き通信ケーブルとシース付き電線を作製したところ、いずれも良好な状態で得られた。
【0046】
【比較例1〜3】
第1表に示す樹脂および配合比でブレンドした以外は、実施例1と同様にして厚み2mmのシートを成形し、その耐ストレスクラック性、耐摩耗性および低温下での耐衝撃性について、上述した方法で試験を行なった。
【0047】
結果を第1表に示す。
【0048】
【表1】
Claims (4)
- 電線またはケーブルの最外層を、シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレン樹脂(A)および高圧法低密度ポリエチレン(B)を含むシース用ポリエチレン樹脂で被覆してなるシース付き電線またはケーブルであって、
前記高圧法低密度ポリエチレン(B)は、前記ポリエチレン樹脂(A)100重量部に対して100重量部以下の量で含有されており、
前記ポリエチレン樹脂(A)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα - オレフィンとの共重合体であって、(1)密度(d)が0.880〜0.950g/cm 3 の範囲にあり、(2)メルトフローレート(MFR; ASTM D 1238 , 190 ℃、荷重 2.16kg )が0.01〜20g/10分の範囲にあり、かつ、(3)室温における n- デカン可溶成分量分率(W(重量%))と密度(d(g/cm 3 ))とが、
MFR≦10g/10分のとき:
W<80× exp( −100(d−0 . 88) ) +0 . 1
MFR>10g/10分のとき:
W<80×(MFR−9) 0.35 × exp( −100(d−0 . 88) ) +0 . 1
で示される関係を満たすことを特徴とするシース付き電線またはケーブル。 - 前記ポリエチレン樹脂(A)は、溶融重合体の190℃におけるずり応力が2.4×106 dyne/cm2 に到達する時のずり速度で定義される流動インデックス(FI(1/秒))とメルトフローレート(MFR(g/10分))とが、
FI>75×MFR
である関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のシース付き電線またはケーブル。 - 前記ポリエチレン樹脂(A)は、昇温溶出試験(TREF)において100℃以上で溶出する成分が存在し、かつ、その成分の量が全溶出量の10重量%以下であることを特徴とする請求項2に記載のシース付き電線またはケーブル。
- 前記ポリエチレン樹脂(A)は、
(i) 耐ストレスクラック性の指標となる50%亀裂発生時間(F50)[ASTM D 1698]が、600時間以上であり、
(ii)テーバー摩耗試験法(JIS K 7204,荷重1kg、摩耗輪CS-17、60rpm、1000回)により測定される摩耗量が、10mg以下であり、
(iii) −40℃で測定したアイゾット衝撃強度[ASTM D 256,ノッチ付き]が、40J/m2 以上である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシース付き電線またはケーブル。
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JPH10208552A (ja) | 1998-08-07 |
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