JP4001351B2 - ダスト除去装置 - Google Patents
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Description
ヤンキー胴から柔らかいクレープ紙ウェブ、例えばティッシュウェブをクレープ加工する際、ウェブから繊維及び他の粒子の形態のダスト(「紙粉」と呼ばれることもある)が出る。このダストを除去するために、米国特許第4,019,953号では、ダストの生じる領域の下に収集容器を配置することが提案された。圧縮空気のジェットによりウェブの走行方向を横断して吸引される含じん空気を除去するために、圧縮空気管及び吸引管がこの収集容器に連結されている。通風方式によるダストの単なる吸引除去では距離が短いために作用効果が殆ど無いので圧縮空気を送り込み続ける必要がある。かかる装置は大きくて扱いにくく、しかもダスト発生領域の下に落下するダストのうち何割かを吸引するに過ぎないので比較的効率が悪い。最新のティッシュ製造機械は高速型、即ちほぼ25m/秒級のものなので、低坪量に起因して取扱いの難しい高速運動中のティッシュウェブの両側に沿って含じん空気の同伴現象が生じ、そのために不満足な結果となる。
ペーパーウェブの表面からのダストの発生は、例えばペーパーウェブの裁断及び再巻取り時の問題である。米国特許第3,775,806号(スウェーデン国特許第319,969号)は、ペーパーウェブ表面のダスト吸引装置を提案している。吸引装置に向かって引き込まれてこれに接触し、かくしてウェブを傷つけることの無いようにするために、空気を吸引と同時に吹き出す。したがって、このダスト吸引装置は、頂部が開口していて、矩形の吹出し管を包囲した状態でウェブを横切って延びる水平方向の板金溝形部材を有している。ウェブに向いた吹出し管の側部は、互いに遠ざかる方向に向いた開口部を有している。その目的は、空気ジェットを実質的にウェブと平行にウェブの走行方向と正逆両方向に差し向け、かくしてウェブとダスト吸引装置との間の距離を固定するためである。同一タイプの中間開口部を、空気ジェットをウェブの表面に差し向けるよう配置し、それによりこの表面からダストを吹き飛ばすことにより良好なダスト吸引効果を達成しても良い。供給された空気及び同伴されたダストは、吹出し管のの上流側及び下流側で、吹出し管とこの周りに設けられていて、空気吸込み手段の連結されている板金溝形部材との間に形成された2つのギャップを通してウェブに垂直方向に引き込まれる。ウェブの最も近くに位置した板金溝形部材の壁部分は、垂直方向上下に可動であり、それによりこれら壁部分は、送り込まれてダストを含有した空気が吸引ギャップの前を流れず、また、ウェブが壁部分と擦れて傷つくようにはならないような仕方で配置可能である。しかしながら、米国特許第3,775,806号による構成で達成されるダスト吸引効果は、高速で動いているペーパーウェブの周りの空気に同伴されるダストに関する現代的要件を満たしていない。さらに、この構成は、嵩張っていて購入費も高く、しかも吹込み技術が必要とする空気流量の多さに起因して運転費も高い。
米国特許第4,906,333号(スウェーデン国特許出願公告第459,105号)は、クレープ加工されたウェブの境界層中のダストを除去する装置を提案している。この装置は、ウェブの幅のフード及びフードを平らなカバープレートを有し、このカバープレートは、大気圧未満の圧力が生じている空間を画定すると共にカバープレートとフードの前側縁部のところの傾斜ストリップとの間に吸引ギャップを形成する状態でフードを閉鎖している。カバープレートは、クレープ加工ウェブのすぐ隣に位置していて、クレープ加工ウェブは、運搬中、カバープレートに密接した状態で保持され、吸引ギャップはダストを含有している境界層中に位置するするようになる。傾斜ストリップの下方部分は、吸引ギャップを構成し、それにより吸引ギャップの幅が空気の流れ方向に一定のままであるようにするためにカバープレートに平行な状態で上記空間の方へ向いている。このように構成された吸引ギャップは、稼働後、比較的短時間でダストで詰まりやすくなり、従ってこれを定期的にクリーニングしなければならない。もう一つの問題は、ウェブが前縁及び平らなカバープレートで傷つき、ウェブに破れが生じる場合があるということである。この問題は、ウェブが空気流によりカバープレートの前縁に向かって上方へ引き込まれるので一層深刻になる。フード内の上記空間は形状が不揃いであり、その幾つかのコーナー部及び縁部は空気流に悪影響を及ぼしてダストを含む空気の局所的な旋回又は渦が生じるようになり、出口に向かう空気の流量が次第に減少してダストが上記コーナー部及び縁部に沿って壁に沿って集まり、その結果、吸引作用が不良になって吸引ギャップがこの理由によってもダスト粒子で詰まりやすくなる。
しかしながら、吸引入口及び溝形部材が詰まるという問題は、動いている繊維材料のウェブを取り扱っている間に生じるダストを除去する公知の全ての装置に共通のありふれた問題である。吸引源の切離し時に、集まったダストを除去するために、空気を定期的にギャップを通して逆方向に送り込めるように実際の吸引溝形部材の内側にノズルを設けることが提案された。このような作動における中断は、ダストが間断なく生じていて、周囲中へ吹き出され、それにより作業環境を一段と悪化させるので望ましくない。
米国特許第5,466,298号は、垂直方向下方に差し向けられた吸引入口開口部に上流側湾曲面及び下流側湾曲面を備えたダスト吸引システムを開示している。加圧空気がウェブに差し向けられ、コアンダ効果により吸引入口開口部の下流側湾曲面に沿って流れる。
本発明の目的は、移動中の繊維材料ウェブの加工中に生じたダストを除去し、それにより作業員にとっての作業環境を向上させる改良型装置を提供することにある。
本発明の装置は、本体部分が、吸引室内に湾曲した内側部を形成するよう実質的に円筒体の一部として形成され、吸引ギャップが、漸変絞り部を構成する内方へ先細になった外側部分及び漸変拡大部を構成する内方へ末広がりになった内側部分を有し、外側部分と内側部分は、絞りが最大となる移行部のところで互いに合体し、移行部は、吸引ギャップを通る空気の流れ方向で見て最小の広がりを有し、第1の入口形成部分が、拡大部の側部の全体又は大部分を構成する平坦な表面を有し、第2の入口形成部分が、所定半径及び絞り部の側部全体と拡大部の最初の部分を構成するような弧長を有する湾曲した表面と、湾曲面から接線方向に延びると共に移行部のところにおける湾曲面の接線と鋭角αをなす内側の平坦な表面との両方から成ることを特徴としている。
本発明を添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、柔らかいクレープ紙製造機械又は抄紙機におけるヤンキー胴と巻取り部との間に位置していて、本発明のダスト除去装置を備えた部分の概略側面図である。
図2は、本発明の第1の好ましい実施形態の装置の側面図である。
図3は、図2に示すIII−III線における矢視断面図である。
図4は、本発明の第2の好ましい実施形態の装置の側面図である。
図5は、図4に示すV−V線における矢視断面図である。
図6は、本発明の第3の好ましい実施形態の装置の側面図である。
図7は、図4に示すVII−VII線における矢視断面図である。
図8は、本発明の第4の好ましい実施形態の装置の断面図である。
図1に概略的に示す柔らかいクレープ紙の抄紙機のドライエンドでは、反時計回りに回転中のヤンキー胴2の外周面に付着している巻取紙又はペーパーウェブ1が、クレープ加工ドクター3に向かって下方へ案内される。ペーパーウェブ1は、ドクタービーム6から実質的に垂直方向上方に延びるホルダー5内に設けられたクレープ加工ブレード4によってヤンキー胴2から離れたところでクレープ加工され、即ちクレープ付けされる。クレープ加工されたペーパーウェブ1はクレープ加工ブレード4から斜め下へ走行し、弓形の湾曲ビームの形態をした第1の広げ手段7、以下に詳細に説明する第2の広げ手段8、カレンダー9、坪量スキャナー10及び偏向ロール11を通り、その後、巻取り部12に到達する。図示の実施形態では、巻取り部12は、支持シリンダ13を備えたドラム巻取り部からなる。空の巻取りドラム14が、支持シリンダ13に当接するまで下降したばかりの状態にあり、それとは別に、柔らかいクレープ紙から成る完成されたばかりの巻取体15が示されている。
ダストがクレープ加工中にペーパーウェブ1から生じ、このダストのうち何割かは、高速で動いているクレープ加工ペーパーウェブ1の各側の境界層中へ入り込み、他方、残りのダストは殆ど全部、ドクタービーム6に向かって落下することになる。含じん空気(ダストを含有した空気)もまた、ヤンキー胴を覆っているフードからペーパーウェブ1が出る時にこのフードから流出し、次にこのダストはペーパーウェブ上に落下する。空気の境界層及びペーパーウェブ1の両側の空間の空気中に含まれるダストの少なくともかなりの部分を除去するために、複数のダスト除去装置が、クレープ加工ドクターと坪量スキャナー10との間に使用される。明確化のために、これらダスト除去装置は、前端部品を取り外した状態で示されている。
図2は、本発明の第1の実施形態の装置を側面から見た図であり、この装置は、柔らかいクレープペーパーウェブ1がヤンキー胴2から離れたところでクレープ加工された時に出るダストを除去するためにダスト吸引ボックス18及び本装置をクレープ加工ドクター3のドクタービーム6の下方側部に取り付ける取付け要素19を有している。ダスト吸引ボックス18は、細長いハウジング20を有し、このハウジングは、一端が点検ハッチ22によって閉鎖され、他端が同軸状管ソケット23及びホース(図示せず)によって吸引源(図示せず)と連通している内部吸引室21(図3参照)を有している。ハウジング20は、吸引室21と直接連通した吸引ギャップの形態のペーパーウェブの幅の入口24を有している。ハウジング20の壁は、円筒体の一部の形態をした本体部分25及び本体部分25の各端部に接線方向に結合されている第1及び第2の部分26,27を有し、これら部分26,27の間には吸引ギャップの形態の上記入口24が構成されている。湾曲し又は円筒体の円弧の形状をした表面34が、本体部分25の内側領域内に、即ち吸引室21内に形成されている。点検ハッチ28が、出口側端部の近傍でハウジングの下側に設けられている。
吸引ギャップ24は、漸変絞り部を構成する内方へ先細になった外側部分29と、漸変拡大部を構成する内方へ末広がりになった内側部分30とから成り、部分29,30は移行部31のところで互いに合体し、この移行部では、絞りが最大であり、そして吸引ギャップ24を通る空気の流れ方向で見て広がりが最小になっている。
第1の入口形成部分26は、所定半径の外側湾曲面又は円筒体の円弧の形をした表面32及び本体部分25の内側湾曲面34と外側湾曲表面32の両方と接線方向に合体する内側の平坦な表面33を有し、後者の接点は、拡大部30への移行部31の近傍に位置している。
第2の入口形成部分27は、第1の入口形成部分26の外側湾曲面32に接する平面内に位置した外側の平坦な表面35及び所定半径の湾曲した又は円筒体の円弧の形をした表面36を有し、外側平坦面35は、湾曲面36の接平面である。湾曲面36は、絞り部29の側部と拡大部30の最初の部分及びこれらの間の実際の移行部31を構成するような弧長を有している。第2の入口形成部分27はまた、湾曲面36から接線方向に延びると共に移行部31のところにおける湾曲面36の接線38と鋭角αをなす内側の平坦な表面37を有している。上記の角度αは20°〜50°、好ましくは30°〜40°である。最上の機能を達成するためには、第2の入口部分27の湾曲面36の半径は、移行部31(絞り度最大)のところにおける吸引ギャップ24の幅と同じか、これ以上であることが重要である。
図4には本発明の第2の実施形態の装置の側面が示されている。この装置は、上記の第2の広げ手段8及びこのウェブ広げ手段8の前後の空間中で旋回している空気中に存在するダストを除去するためのダスト吸引ボックス118を有している。この装置は、支承手段(図示せず)を有し、この支承手段によって、この装置は回動自在に且つ垂直方向に調整でき、したがって広げ手段8をクレープに対して調節することができる。ダスト吸引ボックスl18は、細長いハウジング120を有し、このハウジングは、一端にホース(図示せず)を介して吸引源(図示せず)と連通する管ソケット123を備えた内部吸引室121を有している。ハウジング120は、両端が端部品140,141によって閉じられている。ハウジング120は、内部室121と直接連通した吸引ギャップの形態の第1のペーパーウェブの幅の入口124(図5参照)を有している。ハウジング120は、円筒体の一部の形態をした本体部分125及び本体部分125の各端部に接線方向に結合されている第1及び第2の部分126,127を有し、これら部分126,127の間には吸引ギャップの形態の上記入口124が構成されている。湾曲し又は円筒体の円弧の形状をした表面134が、本体部分125の内側領域内に、即ち吸引室121内に形成されている。
吸引ギャップ124は、漸変絞り部を構成する内方へ先細になった外側部分129と、漸変拡大部を構成する内方へ末広がりになった内側部分130とから成り、部分129,130は絞りが最大である移行部131のところで互いに合体し、この移行部は、吸引ギャップ124を通る空気の流れ方向で見て広がりが最小になっている。
第1の入口形成部分126は、本体部分125の内側湾曲面134と接線方向に合体する平坦な表面133を有している。
第2の入口形成部分127は、外側の平坦な表面135及び所定半径の湾曲した又は円筒体の円弧の形をした表面136を有し、外側平坦面135は、湾曲面136の接平面である。湾曲面136は、絞り部129の側部と拡大部130の最初の部分及びこれらの間の実際の移行部131を構成するような弧長を有している。さらに、第2の入口形成部分127は、湾曲面136から接線方向に延びると共に移行部131のところにおける湾曲面136の接線138と鋭角αをなす内側の平坦な表面137を有している。上記の角度αは20°〜50°、好ましくは30°〜40°である。最上の機能を達成するためには、第2の入口部分127の湾曲面136の半径は、移行部131(絞り度最大)のところにおける吸引ギャップ124の幅と同じか、これ以上であることが重要である。
ハウジング120はまた、ハウジングの壁に設けられた仕切り253によって分離された幾つかの部分に分けられる第2の入口224を備えている。入口のかかる部分は各々、第1及び第2の入口部分226,227を有し、これらの間には、吸引ギャップの形態をした入口224が構成されている。第2の入口部分227は、本体部分125にヒンジ留めされていて、本体部分125の描く円弧の外側に位置すると共に円筒体の円弧の形状をした壁240によって支持されている。
吸引ギャップ224は、漸変絞り部を構成する内方へ先細になった外側部分229と、漸変拡大部を構成する内方へ末広がりになった内側部分230とから成り、部分229,230は絞りが最大である移行部231のところで互いに合体し、この移行部は、吸引ギャップ224を通る空気の流れ方向で見て広がりが最小になっている。第1の入口形成部分226は、本体部分125の内側湾曲面134と接線方向に合体する平坦な表面233を有している。
第2の入口形成部分227は、外側の平坦な表面235及び所定半径の湾曲した又は円筒体の円弧の形をした表面236を有し、外側平坦面235は、湾曲面236の接平面である。湾曲面236は、絞り部229の側部と拡大部230の最初の部分及びこれらの間の実際の移行部231を構成するような弧長を有している。最上の機能を達成するためには、第2の入口部分227の湾曲面236の半径は、移行部231(絞り度最大)のところにおける吸引ギャップ224の幅と同じか、これ以上であることが重要である。
拡大部230の次には、本体部分125に設けられた開口部242で開口している横断面一定の入口チャンネル241が設けられており、この開口部242は、仕切り253によって軸方向に構成されている。入口チャンネル241は、入口部分226,227の内面243,244によって形成されている。
シューと呼ばれる上記広げ手段8は、上流側に位置した管245及び下流側に位置した管246を有している。これらの管は、従来型広げバー7と同様に弓形の状態に湾曲していて、互いに反対側に向いており、したがってこれらの間の最大距離は中間部のところであり、これらの間の最短距離はそれらの端のところであるようになる。またこれらの管は互いに対し、一方の管245の湾曲した中心線と交差する平面249が他方の管246の湾曲した中心線に交わるように差し向けられている。これら2本の管は、共通の平らで安定性のある底板247によって支持され、この底板247は、ダスト吸引ボックスの本体部分125に対して接線方向に位置した状態でこれに溶接されている。対称形の広げシュー8は、管245,246に溶接された上部アーチ状支持板248を更に有し、支持板248はかくして、管の各横断面で見て管と接線方向に結合状態になっている。アーチ状支持板は、上流側に位置した傾斜部分250と、下流側に位置した傾斜部分251と、これらの間に位置した湾曲頂部移行部252とを有している。管245,246は、上述したようにそれらの中心線に関して同一平面249内に位置しているので、ペーパーウェブの走行方向で見て傾斜した部分250,251も又、中間部から外方へ縁部に向かって、即ち、管245,246の曲率に応じてペーパーウェブの走行方向に対して横方向に傾斜することになり、横方向の勾配は、管245,246のところで最も大きく、頂部移行部252の方向へ次第に0まで減少している。傾斜の度合いは適切には、支持板250,251が150°〜170°の範囲の鈍角をなすようなものである。支持板の上方側部は、ペーパーウェブ1が走行する摺動面を形成している。ペーパーウェブは、その広げ状態が広げシュー8の幅に一致するペーパーウェブの走行方向に長い距離にわたって起こるので効果的に広げられる。
図5で分かるように、底板247の一部は、ハウジング120の第1の入口部分126を構成し、かくして入口部分は管246まで延長され、その湾曲面は、吸引ギャップ124に向かう空気の流れのプロセスに好ましい影響を及ぼす。第2の入口ギャップ224のところでは、第1の入口部分226は底板247から45°の角度をなして延びている。
図6は、本発明の第3の実施形態による装置の側面図であり、この装置は、支承手段340及び従来型広げバー7の前後の空間中で旋回している空気からダストを除去するためのダスト吸引ボックス318を有している。なお、本装置は図1でわかるように従来型広げバー7の上方に設けられている。ダスト吸引ボックス318は、細長いハウジング320を有し、ハウジング320は、同軸状管ソケット323を介して吸引源(図示せず)と連通する内部吸引室321(図7参照)を有している。このハウジングは、両端が端部品350,351によって閉じられている。ハウジング320は、吸引室321と連通した吸引ギャップの形態のペーパーウェブ幅の第1の入口324を有している。ハウジング320は、実質的に円筒体の一部の形態をした本体部分325と、相互の間に上記の吸引ギャップ入口324を構成する第1及び第2の部分326,327を有している。湾曲し又は円筒体の円弧の形状をした表面334a,334bが、本体部分325の内側領域内に、即ち吸引室321内に形成されている。
吸引ギャップ324は、漸変絞り部を構成する内方へ先細になった外側部分329と、漸変拡大部を構成する内方へ末広がりになった内側部分330とから成り、部分329,330は移行部331のところで互いに合体し、この移行部は、吸引ギャップ324を通る空気の流れ方向で見て広がりが最小になっている。
第1の入口形成部分326は、補強管342及びこれとは別個であって、自由内縁部344を備えた内側板343を有している。入口部分326は、所定半径を有していて、湾曲した又は円筒体の円弧の形をした外側の表面332及び同軸状管ソケット323及び外側湾曲面332と接線方向に合体した内側の平坦な表面333を有している。
第2の入口形成部分327は、本体部分325にヒンジ留めされていて、入口形成部分327が点検ハッチとしても機能でき、それにより開放位置にある吸引室321に接近できるようにする部分341を有している。図7で理解できるように、入口部分327は、外側の平坦な表面335及び所定半径の湾曲し又は円筒体の円弧の形をした表面336を有し、外側平坦面335は、湾曲面336の接平面である。湾曲面336は、絞り部329の側部と拡大部330の最初の部分及びこれらの間の実際の移行部331を構成するような弧長を有している。さらに、第2の入口形成部分327は、湾曲面336から接線方向に延びると共に移行部331のところにおける湾曲面336の接線338と鋭角αをなす内側の平坦な表面337を有している。上記の角度αは20°〜50°、好ましくは30°〜40°である。最上の機能を達成するためには、第2の入口部分327の湾曲面336の半径は、移行部331(絞り度最大)のところにおける吸引ギャップ324の幅と同じかこれ以上であることが重要である。
ハウジング320は更に、第2の入口424を備えている。この目的のため、ハウジングは、追加の組をなす第1及び第2の部分426,427を備え、これら部分の間には、吸引ギャップの形態の入口424が構成されている。第1の入口部分426は、上述の内側板343の内縁部344に固定され且つ上述の補強管342に固定されたプロファイル板440で形成されている。第2の入口部分427は、本体部分325にヒンジ留めされていて、入口部分427が開放位置にあるときに吸引室321に接近できるようにする点検ハッチとしての役目も果たすことができるようにする部分441を有している。
上記の支承手段340は、シャフト延長部345と、シャフト延長部としての役目も果たす上記の管ソケット323とから成る。シャフト延長部345,323は、ホルダ347を介してスタンド346上に載っている。本装置は、第1のネジ要素348により拡げバー7に対する入口224,324の角度に関して所望の作動位置に固定される。本装置は、第2のネジ要素349により拡げバー7の上方の高さ位置に関して所望の作動位置に設定される。
図8は、図2のものと実質的に同一の設計の2つの吸引ボックス18′,18″を有する本発明の第4の実施形態による装置の断面図であり、異なるのは、第1の入口部分26′,26″の設計において、外側湾曲面32及び内側平坦面33がそれぞれ、本体部分125′,125″の内側湾曲面134′,134″と合体すると共に絞り部29′,29″の側部及び拡大部30′,30″を構成する平坦な表面60,61で置き換えられている点である。この装置は又、ダスト吸引ボックスが互いに距離を置くと共に入口24′,24″が互いに反対方向に向くように鏡像関係をなして固定された無孔ウェブ幅カバープレート62を有している。傾斜補強板63,64はそれぞれダスト吸引ボックス及びカバープレート62に固定されている。カバープレート62は、上流側及び下流側に位置したその端部65,66を除き、平坦であり、これら端部はペーパーウェブ1から遠ざかるよう曲げられると共に各入口の外部に位置している。各端部65,66の内側にあるカバープレート62の部分は、内側側部に上記の平坦面60,61を備えるハウジングの第1の入口部分26′,26″を形成している。各ダスト吸引ボックスは、入口から或る距離を置いてハウジングの本体部分に設けられていて、吸引源(図示せず)と連通している2つの管ソケット67,68を有している。管ソケット67,68は、図2の端部出口65,66に代わるものである。曲げ状態の端部65,66を下流側及び上流側に配置することにより、ペーパーウェブはカバープレート62の縁部に接触することがない。これは、ペーパーウェブが本装置に到達し、これを両方の場合においてカバープレート62の平面と僅かな角度をなす走行状態のままである場合、特に重要である。符号59は、各吸引室21′,21″の端部のうち一方を閉鎖する端板である。
入口部分は好ましくは、上述の入口のうち任意のところに配置されていて、特定の作動状態毎に応じて上記移行部のところの最大絞りサイズを10〜30mm内で、好ましくは0.5〜1インチ(12.7〜25.4mm)内で適切に調節するために互いに可動である。図7の実施形態において下流側に位置した吸引ギャップ324も又、完全に閉鎖するよう構成しても良い。全ての場合において、例えば第1の入口部分26が固定されている状態では変位させて所望位置に係止できるのは第2の入口部分27であることが好ましい。
ダスト吸引ボックスを本発明にしたがって設計すると、作動上の信頼性を高めると共に作業環境を向上させた状態でダストを効率的に除去できる。含じん空気の通る通路の幾何学的形状を上記のように設定すると、壁へのダストの付着の恐れは公知構成の場合よりも相当小さくなる。ダストをペーパーウェブの周りの領域から除去する点において価値ある改良は、以下の幾つかの特徴を組み合わせることにより達成される。一つの特徴は、当初の絞り部で空気の速度を次第に増し、この速度が次に位置する空気の拡大部に至る最大絞り部の短い移行部で最大に達するようにする吸引ギャップの設計にあり、かくしてダストは吸引ギャップを増速状態で通ってゆく空気に同伴されるようになる。したがって、ダストが壁に付着するようになるほどの時間的余裕はない。もう一つの特徴は、絞り部の湾曲面にある。空気は薄い層を形成した状態でこれら湾曲面に沿って流れようとし、その結果、この空気層の外側の空気よりも高速状態となり、従ってダスト粒子は湾曲面に付着するには時間が短すぎるようになる。さらにもう一つの特徴は、吸引室の円筒形内面により空気がこれに向かって案内され、螺旋又は回転パターンをなして一又は二以上の出口に向かうようになり、この場合、ダスト粒子が壁に付着するほどの時間をダスト粒子に与える場合のある局所的旋回流形成の妨害を生じさせることがないということである。
また、ダスト吸引ボックスを設計するための本発明の原理をヤンキー胴と巻取り部との間の種々の箇所に据えつけられる全てのダスト吸引ボックスに利用できることは重要な利点である。
本発明を、ヤンキー胴を離れたところでクレープ加工される柔らかいクレープペーパーウェブの製造中に生じたダストの除去と関連して説明したが、当然のことながら、本発明は、例えば、ペーパーウェブを断裁して巻き直す機械、印刷機、具体的に上記した形式以外の形式の抄紙機のドライエンドにおいてダストが種々の加工中に生じるような他の運動中の繊維材料ウェブに使用可能である。
Claims (23)
- クレープ加工ドクター(3)によってヤンキー胴から離れたところでクレープ加工されると共に一又は二以上の広げ手段(7,8)によって広げられる柔らかいクレープペーパーウェブ(1)の製造における、移動中のセルロース繊維材料ウェブの加工中に生じたダストを除去するための装置であって、真空源と連通状態にある内部吸引室(21)を備えていて、内部吸引室(21)と連通した吸引ギャップの形態の第1の入口(24)を有し、更に、本体部分(25)と、相互の間に前記吸引ギャップ(24)を構成する第1の部分(26)及び第2の部分(27)とを有する細長いハウジング(20)を含む第1のダスト吸引ボックス(18)を有する装置において、
本体部分(25)は、内部吸引室(21)内に湾曲した内側部(34)を形成するよう円筒形の一部として形成され、
吸引ギャップ(24)は、漸変絞り部を構成する内方へ先細になった外側部分(29)及び漸変拡大部を構成する内方へ末広がりになった内側部分(30)を有し、
外側部分(29)と内側部分(30)は、移行部(31)のところで互いに合体し、前記移行部は、吸引ギャップ(24)を通る空気の流れ方向で見て最小の広がりを有し、
第1の部分(26)は、内側部分(30)の側部の全体又は大部分を構成する平坦な表面(33)を有し、第2の部分(27)は、所定半径及び外側部分(29)の側部全体と内側部分(30)の最初の部分を構成するような弧長を有する湾曲面(36)と、湾曲面(36)から接線方向に延びると共に移行部(31)のところにおける湾曲面(36)の接線(38)と鋭角αをなす内側の平坦な表面(37)との両方から成ることを特徴とする装置。 - 前記角度αは、20〜50°、好ましくは30〜40°であることを特徴とする請求項1記載の装置。
- 第2の部分(27)の湾曲面(36)の曲率半径は、前記移行部(31)のところの吸引ギャップ(24)の間隔と同じか、これよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2記載の装置。
- 第1の部分(26)の平坦面(33)は、本体部分(25)の湾曲面(34)と接線方向に合体していることを特徴とする請求項1〜3のうち任意の一に記載の装置。
- 前記平坦面(33)は、前記移行部(31)のところにおける第2の部分(27)の湾曲面(36)の接線(38)に平行であるか、又はこれと鋭角αをなすことを特徴とする請求項1〜4のうち任意の一に記載の装置。
- 第1の部分(26)は、移行部(31)まで又はこれを越えて延びて絞り部だけでなく拡大部の最初の部分も構成する外側湾曲面(32)を有し、平坦面(33)は、外側湾曲面(32)と接線方向に合体していることを特徴とする請求項1〜5のうち任意の一に記載の装置。
- 第1の部分(126)の平坦面(133)は更に、絞り部(129)の側部を構成していることを特徴とする請求項1〜5のうち任意の一に記載の装置。
- 前記装置は、さらに、該装置をクレープ加工ドクター(3)のドクタービーム(6)に取り付ける取付け要素(19)を有し、ダスト吸引ボックス(18)は、クレープ加工されたペーパーウェブ(1)とクレープ加工ドクター(3)との間の空間内に落下するダストを除去するよう配置されていることを特徴とする請求項1〜7のうち任意の一に記載の装置。
- 前記装置が、さらに、ペーパーウェブ(1)がその表面上を接触して走行させるようになった平坦面と、上流側及び下流側に位置した端部(65,66)とを備えたカバープレート(62)を有し、前記端部は、ペーパーウェブ(1)がカバープレート(62)の上流側縁部及び下流側縁部から自由な状態で走行するよう前記平坦面から遠ざかるよう曲げられ、ダスト吸引ボックス(18’)は、含じん空気を入口(24’)の外部の空間から引き込むためにその入口がカバープレート(62)のそばに位置した状態でカバープレートに固定されていることを特徴とする請求項1〜7のうち任意の一に記載の装置。
- 第1のダスト吸引ボックス(18’)と一致していて、第1のダスト吸引ボックス(18’)と鏡像関係をなしてカバープレート(62)に固定された第2のダスト吸引ボックス(18”)を有し、前記第1及び第2のダスト吸引ボックスの入口(24’,24”)はそれぞれ、ペーパーウェブ(1)の走行方向から離れる方向及びこれに向かう方向に向いていることを特徴とする請求項9記載の装置。
- カバープレート(62)は、ハウジングの第1の入口部分(26’,26”)を形成していることを特徴とする請求項9又は10記載の装置。
- 前記装置が、さらに、ダスト吸引ボックス(118)が固定されている対称形シュー(8)の形態をしたウェブ広げ手段を有し、対称形シュー(8)は、同一平面において、中間部を上流側へ曲げられた状態の上流側の管(245)と、中間部を下流側へ曲げられた下流側の管(246)とを有し、
対称形シュー(8)は、前記管(245,246)を支持し、ペーパーウェブ(1)の走行方向の中間部でダスト吸引ボックスの本体部分(125)に接線方向において当たる底板(247)と、前記管(245,246)の外面に固定されていて、ペーパーウェブ(1)が摺動するようになった外面を有するアーチ状支持板(248)とを有し、
前記支持板は、傾斜した上流側部分(250)と、傾斜した下流側部分(251)と、これらの間の湾曲した頂部移行部とを有し、前記管(245,246)は、上流側部分及び下流側部分が前記頂部移行部から横方向に傾斜し、管(245,246)に固定された部分の横方向の勾配が最も大きくなっていることを特徴とする請求項1〜7のうち任意の一に記載の装置。 - 傾斜した上流側部分(250)と下流側部分(251)は、互いに150°〜170°の鈍角をなすことを特徴とする請求項11記載の装置。
- 底板(247)の一部は、ハウジング(120)の第1の入口部分(126)を形成していることを特徴とする請求項12又は13記載の装置。
- 前記装置は、ペーパーウェブに対する広げシュー(8)の調整ができるよう回動自在且つ垂直方向運動自在に支承されていることを特徴とする請求項12〜14のうち任意の一に記載の装置。
- 前記装置は、さらに、第1(2)の入口(124)に関してハウジングの反対側で底板(247)の付近に設けられた吸引ギャップの形態の第2(2)の入口(224)を有する第2ダスト吸引ボックスを有し、
第2(2)の入口(224)は、幾つかの部分に分割され、該部分は各々、相互間に第2吸引ギャップ(224)を構成する第1(2)の入口部分(226)と第2(2)の入口部分(227)を有し、第2吸引ギャップ(224)は、漸変絞り部を構成する内方へ先細になった外側部分(229)及び漸変拡大部を構成する内方へ末広がりになった内側部分(230)を有し、外側部分(229)と内側部分(230)は、絞りが最大となる移行部(231)のところで互いに合体し、前記移行部は、第2吸引ギャップ(224)を通る空気の流れ方向で見て最小の広がりを有し、第2(2)の入口部分(226)は、拡大部(230)の側部の全体又は大部分を構成する平坦な表面(233)を有し、第2(2)の入口部分(227)は、所定半径及び絞り部(229)の側部と内側部分(230)を構成するような弧長を有する湾曲した表面(236)とを有することを特徴とする請求項12〜15のうち任意の一に記載の装置。 - 第2(2)の入口部分(227)の湾曲面(236)の曲率半径は、前記移行部(231)のところの第2吸引ギャップ(224)の間隔と同じか、これよりも大きいことを特徴とする請求項16記載の装置。
- 前記装置は、さらに、広げバー(7)の付近のダスト除去装置を回動自在且つ垂直方向運動自在に支承する手段(340)と第3ダスト吸引ボックス(318)を有し、
第3ダスト吸引ボックス(318)は、第1(3)の入口(324)から所定の距離をおいて配置された第2(3)のギャップ状の入口(424)を有し、第1(3)の入口(324)は、広げバー(7)の下流側の空間から含じん空気を引き込むよう差し向けられ、第2(3)のギャップ状の入口(424)は、相互の間に第2(3)のギャップ状の入口(424)を構成する第1(3)の部分(426)と第2(3)の部分(427)を有し、第2(3)のギャップ状の入口(424)は、漸変絞り部を構成する内方へ先細になった外側部分(429)及び漸変拡大部を構成する内方へ末広がりになった内側部分(430)を有し、外側部分(429)と内側部分(430)は、絞りが最大となる移行部(431)のところで互いに合体し、前記移行部は、第2(3)のギャップ状の入口(424)を通る空気の流れ方向で見て最小の広がりを有し、第1(3)の部分(426)は、内側部分(430)の側部の全体又は大部分を構成する平坦な表面(433)を有し、第2(3)の部分(427)は、所定半径及ひ絞り部(429)の側部の全体及び拡大部(230)の最初の部分を構成するような弧長を有する湾曲した表面(436)と、湾曲面(436)から接線方向に延びると共に、移行部(431)のところにおける湾曲面(436)の接線(438)と鋭角αをなす内側の平坦な表面(437)との両方から成ることを特徴とする請求項1〜7のうち任意の一に記載の装置。 - 前記角度αは、20°〜50°、好ましくは30°〜40°であることを特徴とする請求項18記載の装置。
- 第2(3)の入口部分(427)の湾曲面(436)の曲率半径は、前記移行部(431)のところの吸引ギャップ(424)の間隔と同じか、これよりも大きいことを特徴とする請求項18又は19記載の装置。
- 各入口の前記入口部分は、前記移行部のところの最大絞り部のサイズを調節できるよう互いに対して可動であることを特徴とする請求項1〜20のうち任意の一に記載の装置。
- 最大絞り部のサイズは、10〜30mmの範囲の値、好ましくは0.5〜1インチ(12.7〜25.4mm)の範囲の値に調節可能であることを特徴とする請求項21記載の装置。
- 第1(3)の入口(324)の最大絞り部のサイズは、0〜30mmの範囲の値、好ましくは0〜1インチ(0〜25.4mm)の範囲の値に調節可能であり、第2(3)の入口(424)の最大絞り部のサイズは、10〜30mmの範囲の値、好ましくは0.5〜1インチ(12.7〜25.4mm)の範囲の値に調節可能であることを特徴とする請求項18又は21記載の装置。
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