JP4000860B2 - 燃料処理装置とその起動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料を加熱、改質、CO除去する燃料処理装置とその起動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃料電池自動車の研究開発が活発に行われており、特に、燃料電池としては作動温度が比較的低い(100℃前後)固体高分子型燃料電池(PEFC)が有力である。また燃料としては、補給が容易でインフラ整備の必要性が少ないメタノールが有力視されている。この場合、メタノールを水素に改質する改質器が必須となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
メタノールを改質する改質器としては、例えば「メタノール改質器」(特開昭63−50302号)が開示されている。この改質器は、中空円筒形の反応管の内部に改質触媒を充填し、外部から燃焼排ガスで加熱し、内部を流れる原料ガスを改質するものである。
【0004】
しかし、特開昭63−50302号の「メタノール改質器」は、自動車用に搭載するには、(1)大型で重く、(2)起動に時間がかかり、(3)負荷変化への応答性が低く、(4)発生した水素含有ガス中のCO濃度が高く、燃料電池の電極を劣化させる、等の問題点があった。
【0005】
また、高いメタノール転化率を維持しつつCOガスの生成を低くできる手段として、例えば、「水素含有ガスの製造方法」(特開平6−256001号、特開平6−279001号)が開示されている。この方法は、メタノール、酸素、水を加熱した触媒に接触させて反応させるものであり、燃料の一部を燃焼させる部分酸化を利用している。
【0006】
しかし、特開平6−256001号及び特開平6−279001号の「水素含有ガスの製造方法」は、(5)触媒の予熱に時間がかかり、(6)CO濃度を従来のリン酸型燃料電池には適用可能な程度(約1%前後)まで下げることができるが、車載用に適した固体高分子型燃料電池(PEFC)に適用するには依然としてCO濃度が高い問題点があった。
【0007】
更に、CO濃度が極めて低い水素含有ガスを生成することができる「燃料改質装置」(特開平8−157201号)が開示されている。この装置は、改質器、選択酸化部、部分酸化部、及び制御装置を備え、選択酸化部で一酸化炭素のみを酸化し、部分酸化部で残存の一酸化炭素を酸化することで、CO濃度が極めて低い(数ppm)水素含有ガスを生成し、PEFCへの適用を可能にしている。
【0008】
しかし、特開平8−157201号の「燃料改質装置」は、改質器が特開昭63−50302号と同様の間接加熱型であるため、起動に時間がかかり、負荷変化への応答性が低い問題点があった。
【0009】
すなわち、従来の改質器はコンパクト化しにくく、負荷応答性が低く、反応器の予熱・起動に時間がかかり車両搭載用の燃料電池用としては不十分である問題点があった。
【0010】
上述した問題点を解決するため、本発明の出願人等は、先に、「燃料電池用改質器とその起動方法」を創案し、出願した(特開2001−226106)。この発明は、図3に示すように、水蒸気を含む原料ガスを部分酸化させその発熱で原料ガスを水素含有ガスに改質する燃焼・改質触媒1が充填された部分酸化改質器2と、該部分酸化改質器の上流側と下流側に空気を供給する上流側空気ライン4及び下流側空気ライン6と、部分酸化改質器内の温度を検出して上流側空気ライン4及び下流側空気ライン6の空気流量を制御する流量制御器8とを備え、改質器内の上流側温度が触媒の耐熱温度を超えないように上流側空気ラインの空気流量を制御し、かつ改質器内の下流側温度が所定の温度範囲になるように下流側空気ラインの空気流量を制御するものである。
【0011】
この発明により、燃焼・改質触媒1が充填された部分酸化改質器12に空気ライン4、6から空気を供給するので、触媒の作用により水蒸気を含む原料ガスの一部が直ちに部分酸化し、その発熱で燃焼・改質触媒を直接加熱するので、間接加熱式のように大型の熱交換器が不要となり、短時間に加熱でき、燃料電池の急速な負荷変化に容易に追従できるようになった。
【0012】
しかし、特開2001−226106の場合でも、燃料として液体燃料(例えばメタノール)を用いる場合、燃料の加熱に熱交換器・蒸発器を用い、加熱・蒸発させるため、装置が大きくなり、かつ起動に時間がかかっていた。
また、部分酸化改質器内でも部分酸化により加熱するため、原料ガスの供給温度は反応温度より低くする必要があり、改質反応が入口付近では十分に進行せず、触媒が十分に利用できていなかった。
【0013】
また、これらの問題点を解決するために、特開平7−215702号、特開2001−153313等が提案されている。
【0014】
特開平7−215702号の「燃料改質装置」は、燃料噴射ノズルからの燃料を完全燃焼させる工程と、燃料気化用コイルからの燃料を部分酸化反応させる工程とを備え、装置の前段部において、バーナとして理論空燃比で完全燃焼させ、この熱で触媒床と反応ガスの加熱を行い、触媒床においては、部分酸化によりCOが発生し、このCOと完全燃焼により生成した水蒸気により水素へのシフト反応が行われるものである。
【0015】
しかし、この装置では、前段部において完全燃焼させるため、空燃比を非常に大きく(14.5以上に)設定するため、下流部に大量の酸素が残留し、これを部分酸化により完全に消費する必要がある。また、その結果大量のCOが発生するため、CO濃度を従来のリン酸型燃料電池には適用可能な程度(約1%前後)まで下げることが困難である。またこのCOと燃焼により生成した水蒸気のみを反応させるため、改質反応の制御が困難である等の問題点があった。
【0016】
また、特開2001−153313の「部分酸化バーナ」は、燃焼空間壁の内壁にセラミック部材を設け、燃焼空間の下流側に、液体燃料を気化させる機構を備える熱交換器を配設し、熱交換器で気化した燃料ガスを燃焼空間で燃焼させるものである。
【0017】
この装置は、低い空気比でも火炎を安定化させることができるが、セラミック部材や熱交換器が十分加熱されるまで、安定燃焼が困難であり、その結果起動時間がかかる。また、排ガス温度を低減するために熱交換器を用いるため、装置構造が複雑かつ大型となり、かつその温度制御が困難である問題点があった。
【0018】
本発明は上述した種々の問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、燃料として液体燃料を用いる場合でも、短時間で起動でき、かつ容易に小型化ができる燃料処理装置とその起動方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、燃料を燃焼させて高温ガスを発生させる過濃燃焼バーナ(12)と、燃料と水の混合原料を蒸発させて加熱する蒸発加熱装置(14)と、混合原料を水素含有ガスに改質する改質器(16)と、一酸化炭素を選択的に除去するCO除去器(18)とを備えた一体型の燃料処理装置であって、前記蒸発加熱装置(14)は、改質器(16)を出たガスとCO除去器(18)を出たガスを液体状態の混合原料で冷却する液体原料チャンバ(15)を有し、
前記改質器(16)は、改質触媒を外部からの高温ガスで間接加熱するガス加熱管(16a)を内蔵し、前記CO除去器(18)は、CO除去触媒を外部からの高温ガスで間接加熱するガス加熱管(18a)を内蔵する、ことを特徴とする燃料処理装置が提供される。
【0020】
上記本発明の構成によれば、過濃燃焼バーナ(12)で燃料を燃焼させて高温ガスを発生させるので、燃料として液体燃料を用いる場合でも、短時間で着火し、例えば1000℃以上の高温ガスを短時間(数秒程度)で発生することができる。また、蒸発加熱装置(14)で燃料と水の混合原料を蒸発させて加熱するので、温度制御が容易にできる。
【0021】
さらに加熱された混合原料を一体に形成された改質器(16)とCO除去器(18)に直接供給できるので、放熱ロスを最小限度に抑えて、改質とCO除去ができ、燃料電池にそのまま供給して発電に用いることができる。
【0022】
また、蒸発加熱装置(14)は、改質器(16)を出たガスとCO除去器(18)を出たガスを液体状態の混合原料で冷却する液体原料チャンバ(15)を有するので、別の熱交換器なしで、改質器を出たガスとCO除去器を出たガスとを冷却でき、全体を容易に小型化ができる。
【0023】
さらに、改質器(16)は、改質触媒を外部からの高温ガスでは間接加熱するガス加熱管(16a)を内蔵し、CO除去器(18)は、CO除去触媒を外部からの高温ガスでは間接加熱するガス加熱管(18a)を内蔵するので、別の熱交換器なしで、改質器とCO除去器を加熱でき、全体を容易に小型化ができる。
【0024】
従って、着火、燃焼、加熱、改質、CO除去を短時間にできるので、燃料電池の起動が短時間でできる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記改質器(16)とCO除去器(18)は、過濃燃焼バーナ(12)を囲んで連続して形成されており、前記液体原料チャンバ(15)は、CO除去器(18)とその前後の空洞部(17a、17b)を囲み、該空洞部との熱交換により、改質器(16)を出たガスとCO除去器(18)を出たガスを液体状態の混合原料で冷却する。
【0026】
この構成により、過濃燃焼バーナ(12)からの伝熱で改質器(16)とCO除去器(18)を加熱でき、放熱ロスを最小限度に抑えることができる。また、液体原料チャンバ(15)とCO除去器(18)の前後の空洞部(17a、17b)との熱交換により、改質器(16)を出たガスとCO除去器(18)を出たガスを液体状態の混合原料で冷却でき、かつ全体を容易に小型化ができる。
【0027】
また、本発明によれば、燃料を燃焼させて高温ガスを発生させる過濃燃焼ステップ(A)と、燃料と水の混合原料を蒸発させて加熱する蒸発加熱ステップ(B)と、加熱された混合原料を水素含有ガスに改質する改質ステップ(C)と、を備え、起動時と定常運転時とで、混合原料の蒸発量を変化させて、蒸発加熱室における混合原料の温度を制御し、かつ改質触媒及びCO除去触媒を外部からの高温ガスにより加熱する、ことを特徴とする燃料処理装置の起動方法が提供される。
【0028】
この起動方法により、過濃燃焼ステップ(A)で燃料を燃焼させて高温ガスを発生させるので、燃料として液体燃料を用いる場合でも、短時間で着火し、例えば1000℃以上の高温ガスを短時間(数秒程度)で発生することができる。
【0029】
また、蒸発加熱ステップ(B)で燃料と水の混合原料を蒸発させて加熱するので、温度制御が容易にできる。さらに改質ステップ(C)において、混合ガスの保有する熱で下流側に位置する改質触媒を直接及び間接に加熱することができるので、別の熱交換器なしで、改質器とCO除去器を加熱でき、全体を容易に小型化ができる。また、更に、着火、燃焼、加熱、改質、CO除去を短時間にできるので、燃料電池の起動が短時間でできる。
【0030】
更に、起動時と定常運転時とで、起動時と定常運転時とで、混合原料の蒸発量を変化させて、改質器の入口ガス温度が触媒の耐熱温度を超えないように蒸発加熱室における混合原料の温度を制御し、かつ改質触媒及びCO除去触媒を外部からの高温ガスにより加熱するので、一層速い起動ができるばかりでなく、触媒の加熱を防止して触媒寿命を延ばし、高温におけるCOの発生を抑制することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付して使用する。
【0032】
図1は、本発明による燃料処理装置の全体概念図であり、図2はその具体的構成図である。燃料処理装置10は、図1に破線で囲む過濃燃焼バーナ12、蒸発加熱装置14、改質器16、及びCO除去器18からなる。また図2に示すように、この燃料処理装置10はこれらの構成機器が一体化された一体型の装置である。
また、燃料処理装置10の外部には、固体高分子型燃料電池20(PEFC)と補助バーナ22が発電用と加熱用に設置されている。
【0033】
過濃燃焼バーナ12は、燃焼室12aと燃料噴射器12bを有し、燃料を燃焼させて高温ガスを発生させる燃焼器(プリバーナ)である。この燃焼器は、燃料を燃空比1以上で燃焼させるのがよい。なお燃空比1以上の燃焼とは、燃料と空気の当量比が1以上であることを意味し、燃焼後の高温ガスが酸素を含まない還元状態となるものをいう。
この過濃燃焼バーナ12は、図2に示すように、燃料処理装置10の中心部分に設けられ、高温T1(例えば1000℃以上)の燃焼ガスを発生する。
【0034】
過濃燃焼バーナ12の燃料は、好ましくは改質原料と同じメタノール、メタン、ガソリン(ナフサ)、その他の炭化水素化合物である。またこの燃料と水を混合した混合原料をそのまま燃焼させてもよい。
【0035】
蒸発加熱装置14は、燃焼室12aの下流側に連結された蒸発加熱室14aと、燃焼室12aまたは蒸発加熱室14aに混合原料を噴霧する原料噴霧口14bとを備え、燃焼室12aで発生した高温ガスにより燃料と水の混合原料を蒸発させて所望の温度T2に加熱する。
【0036】
混合原料は、メタノール、メタン、ガソリン(ナフサ)、その他の炭化水素化合物と水との混合体である。水の混合比率は、改質器16に供給される混合ガス中の水蒸気と炭化水素化合物の比率(S/C)が改質に適した値(例えば、S/C=1.5前後)に設定する。
【0037】
従って、過濃燃焼バーナ12と蒸発加熱装置14により、酸素を含まない高温ガス(温度T1)を発生させ、発生した高温ガスにより燃料と水の混合原料を蒸発させて所望の温度T2まで加熱する。
【0038】
改質器16とCO除去器18は、過濃燃焼バーナ12と蒸発加熱装置14を囲む中空のリング状に形成されている。このリング形状は、円形リングでも矩形リングでもよい。
また、改質器16とCO除去器18は、連続して一体に形成されており、蒸発加熱装置14を出たガスが、図2で閉じた右端部で反転してリング状のフィルタ14cに入り、フィルタ14cを通って改質器16に流入し、第1空洞部17aを通過してCO除去器18に入り、更に第2空洞部17bを通過して外部の燃料電池20に供給される。
【0039】
改質器16には、水蒸気を含む原料ガスを水素含有ガスに改質する改質触媒16bが充填されている。改質触媒16bには、例えば、銅−亜鉛系、貴金属系、ニッケル、ニッケル合金、その他の改質触媒を用いることができる。銅−亜鉛系の改質触媒の耐熱温度は例えば約400℃であり、最適使用温度は約250〜350℃である。
【0040】
CO除去器18には、一酸化炭素を選択的に除去するCO除去触媒18bが充填されている。CO除去触媒18bにも、例えば、銅−亜鉛系、貴金属系、ニッケル、ニッケル合金、その他の周知の触媒を用いることができる。銅−亜鉛系のCO除去触媒の耐熱温度は例えば約400℃であり、最適使用温度は約200〜300℃である。
【0041】
図1において蒸発加熱装置14は、改質器16及びCO除去器18と過濃燃焼バーナ12の間に隔壁を介して密着して設けられたドーナツ状の液体原料チャンバ15を有する。
この液体原料チャンバ15は、CO除去器18とその前後の第1、第2の空洞部17a,17bを囲み、空洞部17a,17bとの熱交換により、改質器16を出たガスとCO除去器18を出たガスを液体状態の混合原料で所望の温度T3,T4まで冷却する。この冷却により液体状態の混合原料は加熱され、蒸発加熱室14aとの隔壁に設けられた原料噴霧口14bから内部に噴霧されて蒸発する。
【0042】
また上述した改質器16は、改質触媒16bを外部からの高温ガスで間接加熱するガス加熱管16aを内蔵し、CO除去器18も、CO除去触媒18bを外部からの高温ガスで間接加熱するガス加熱管18aを内蔵する。これらのガス加熱管16a,18aには、補助バーナ22で発生した高温ガスが必要時に供給される。なお。CO除去器18は通常は冷却をし、起動時又は液体で冷却されすぎるときに加熱する。
【0043】
上述した改質器16は、混合原料ガスを水素を含む改質ガス(水素含有ガス)に改質し、このガスをCO除去器18に供給する。
【0044】
またCO除去器18の上流側にはCOの選択除去反応に必要な量の空気が供給できるようになっており、このCO選択除去反応により、約200〜300℃の最適使用温度を保持しながら改質器16から供給された改質ガス(水素含有ガス)中のCO濃度を低減する。
【0045】
CO除去器18を出た水素含有ガスは燃料電池20に供給され、ここで水素含有ガスと空気により電気化学的に発電する。燃料電池20を出た可燃性ガスを含むアノード排ガスは、過濃燃焼バーナ12と補助バーナ22に供給され可燃成分を燃焼させる。起動時には主として補助バーナ22で燃焼し、この燃焼熱を燃料、改質器の間接加熱等に用いるのがよい。また、定常時にはN2、CO2の発生を抑えるために別の燃焼器で燃焼させてもよい。
【0046】
上述した燃料処理装置を用いた本発明の起動方法は、過濃燃焼ステップ(A)、蒸発加熱ステップ(B)及び改質ステップ(C)からなる。過濃燃焼ステップ(A)では燃料を燃焼させて酸素を含まない高温ガスを発生させる。この燃焼は、燃料を燃空比1以上で行うのがよい。蒸発加熱ステップ(B)では、燃料と水の混合原料を蒸発させて加熱する。この温度は、起動時と定常運転時とで、混合原料の蒸発量を変化させて、蒸発加熱室における混合原料の温度を制御し、かつ改質触媒及びCO除去触媒を外部からの高温ガスにより加熱する。更に改質ステップ(C)では、加熱された混合原料を水素含有ガスに改質する。
【0047】
上述した本発明の構成によれば、過濃燃焼バーナ12で燃料を燃焼させて酸素を含まない高温ガスを発生させるので、燃料として液体燃料(例えばメタノール)を用いる場合でも、短時間で着火し、高温ガスを短時間(数秒程度)で発生することができる。この高温ガスは、メタノールと水の混合燃料を使用し、改質に適したS/C=1.5とした場合、燃空比1で約1670K、燃空比1.1で約1470Kであり、約1200℃の高温(T1)を混合燃料を直接燃焼させた場合でも得られることが試算により確認された。
【0048】
また、蒸発加熱装置14で燃料と水の混合原料を蒸発させて所望の温度T2に加熱するので、温度制御が容易にできる。
蒸発加熱室14aにおける混合原料ガスの温度(T2)は、起動時には昇温を速めるためできるだけ高く(例えば800℃程度)に設定し、定常時には350℃前後に設定するのがよい。この結果、起動時及び定常時において、改質器16の上流側に流入する混合原料ガスの温度(T2)を触媒の耐熱温度を超えない温度(例えば350℃以下)に設定することができる。
【0049】
さらに加熱された混合原料を一体に形成された改質器16とCO除去器18に直接供給できるので、放熱ロスを最小限度に抑えて、改質とCO除去ができ、燃料電池にそのまま供給して発電に用いることができる。
また、蒸発加熱装置14は、改質器16を出たガスとCO除去器18を出たガスを液体状態の混合原料で所望の温度T3,T4まで冷却する液体原料チャンバ15を有するので、別の熱交換器なしで、改質器を出たガスとCO除去器を出たガスとを所望の温度T3,T4まで冷却でき、全体を容易に小型化ができる。
【0050】
さらに、改質器16は、改質触媒を外部からの高温ガスでは間接加熱するガス加熱管16aを内蔵し、CO除去器18は、CO除去触媒を外部からの高温ガスでは間接加熱するガス加熱管18aを内蔵するので、別の熱交換器なしで、改質器とCO除去器を加熱でき、全体を容易に小型化ができる。
従って、着火、燃焼、加熱、改質、CO除去を短時間にできるので、燃料電池の起動が短時間でできる。
【0051】
また、改質器16とCO除去器18は、過濃燃焼バーナ12を囲んで連続して形成されており、過濃燃焼バーナ12からの伝熱で改質器16とCO除去器18を加熱でき、放熱ロスを最小限度に抑えることができる。
【0052】
さらに、液体原料チャンバ15は、CO除去器18とその前後の空洞部17a,17bを囲んで構成されているので、液体原料チャンバ15とCO除去器18の前後の空洞部17a,17bとの熱交換により、改質器16を出たガス(温度T3)とCO除去器18を出たガス(温度T4)を液体状態の混合原料で所望の温度(例えば約180℃と約100℃前後)まで冷却でき、かつ全体を容易に小型化ができる。
【0053】
また、本発明の起動方法により、過濃燃焼ステップ(A)で燃料を燃焼させて高温ガスを発生させるので、燃料として液体燃料を用いる場合でも、短時間で着火し、例えば1000℃以上の高温ガスを短時間(数秒程度)で発生することができる。
【0054】
また、蒸発加熱ステップ(B)で燃料と水の混合原料を蒸発させて所望の温度T2に加熱するので、温度制御が容易にできる。さらに改質ステップ(C)において、混合ガスの保有する熱で下流側に位置する改質触媒を直接及び間接に加熱することができるので、別の熱交換器なしで、改質器とCO除去器を所望の温度T2に加熱でき、全体を容易に小型化ができる。また、更に、着火、燃焼、加熱、改質、CO除去を短時間にできるので、燃料電池の起動が短時間でできる。
【0055】
更に、起動時と定常運転時とで、起動時と定常運転時とで、混合原料の蒸発量を変化させて、改質器の入口ガス温度が触媒の耐熱温度を超えないように蒸発加熱室における混合原料の温度を制御し、かつ改質触媒及びCO除去触媒を外部からの高温ガスにより加熱するので、一層速い起動ができるばかりでなく、触媒の加熱を防止して触媒寿命を延ばし、高温におけるCOの発生を抑制することができる。
【0056】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更できることは勿論である。
【0057】
【発明の効果】
上述したように、本発明の燃料処理装置とその起動方法は、燃料として液体燃料(例えばメタノール)を用いる場合でも、短時間で起動でき、かつ容易に小型化ができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料処理装置の全体概念図である。
【図2】本発明による燃料処理装置の具体的構成図である。
【図3】従来の燃料処理装置の構成図である。
【符号の説明】
1 燃焼・改質触媒、2 部分酸化改質器、
4 上流側空気ライン、6 下流側空気ライン、8 流量制御器、
10 燃料処理装置、12 過濃燃焼バーナ、
12a 燃焼室、12b 燃料噴射器、
14 蒸発加熱装置、14a 蒸発加熱室、
14b 原料噴霧口、14c フィルタ、
15 液体原料チャンバ、16 改質器、
16a ガス加熱管、16b 改質触媒、
17a 第1空洞部、17b 第2空洞部、
18 CO除去器、18a ガス加熱管、18b CO除去触媒、
20 燃料電池(PEFC)、22 補助バーナ

Claims (3)

  1. 燃料を燃焼させて高温ガスを発生させる過濃燃焼バーナ(12)と、燃料と水の混合原料を蒸発させて加熱する蒸発加熱装置(14)と、混合原料を水素含有ガスに改質する改質器(16)と、一酸化炭素を選択的に除去するCO除去器(18)とを備えた一体型の燃料処理装置であって、
    前記蒸発加熱装置(14)は、改質器(16)を出たガスとCO除去器(18)を出たガスを液体状態の混合原料で冷却する液体原料チャンバ(15)を有し、
    前記改質器(16)は、改質触媒を外部からの高温ガスで間接加熱するガス加熱管(16a)を内蔵し、前記CO除去器(18)は、CO除去触媒を外部からの高温ガスで間接加熱するガス加熱管(18a)を内蔵する、ことを特徴とする燃料処理装置。
  2. 前記改質器(16)とCO除去器(18)は、過濃燃焼バーナ(12)を囲んで連続して形成されており、
    前記液体原料チャンバ(15)は、CO除去器(18)とその前後の空洞部(17a、17b)を囲み、該空洞部との熱交換により、改質器(16)を出たガスとCO除去器(18)を出たガスを液体状態の混合原料で冷却する、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料処理装置。
  3. 燃料を燃焼させて高温ガスを発生させる過濃燃焼ステップ(A)と、燃料と水の混合原料を蒸発させて加熱する蒸発加熱ステップ(B)と、加熱された混合原料を水素含有ガスに改質する改質ステップ(C)と、を備え、
    起動時と定常運転時とで、混合原料の蒸発量を変化させて、蒸発加熱室における混合原料の温度を制御し、かつ改質触媒及びCO除去触媒を外部からの高温ガスにより加熱する、ことを特徴とする燃料処理装置の起動方法。
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