JP4000800B2 - 外反母趾防止用靴下 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外反母趾防止用靴下の分野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の2重構成の外反母趾防止用靴下は、5本指を母趾挿入部と他の4本の指を挿入する4本指挿入部に夫々挿入するとき、スムーズに前記5本指が挿入しづらかった。
【0003】
さらに5本指が挿入された状態から、5本指を脱ぐとき、爪先を指でつまんでいても、スムーズに5本指が脱げなかった。
【0004】
また従来の外反母趾防止用靴下は、外反母趾を防止する手段として、足の母指と第2指との間に、母趾防止材を挿入するため、わざわざ袋部を形成する作業工程を必要としていた。
【0005】
さらに従来の外反母趾防止材としては、薄い合成樹脂製V形状のものを、足の母指と第2指とが常時開き状態となっているように、靴下を構成する甲皮側生地部又は底側生地部と、その周辺部の生地部に当て、接着せしめ、外反母趾防止機能を発揮させていた。
【0006】
上記のような構造をした従来型の外反母趾防止用靴下は、履用中に足の母指や第2指が動き廻ることによって生ずる指の力によって、中間に介在している外反母趾防止材が、上方向に押し出されたり、あるいは下方向に押し出されして、折角の外反母趾防止機能が十分に発揮できなかった。さらに従来型の外反母趾防止用靴下は、靴下内部に接着の防止材が、V形状のため、クリーニングすると、曲がりにくく、一旦曲がったりすると、修復することが不可能にして、しかも外反母趾の防止機能を著しく損傷する欠陥があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、2重編成の外反母趾防止用靴下に5本指を挿入するときと、一旦挿入した5本指を脱ぐときも、極めてスムーズに行うことができるようにした。
【0008】
さらに本発明は、外反母趾防止材を内側靴下の開口部に挿入後、3工程方式を採用したことによって確実に固着し、製造工程の簡略化を図った。
【0009】
また本発明は、空間部とその左右両側方靴下の母趾挿入部との全体の幅員が、従来の内側靴下の幅員よりも、指が1本余計に挿入可能な幅員にしたので、5本指が左右両サイドより圧迫されるのを解消せしめた。
【0010】
さらに本発明は、内側靴下の下方生地に形成の縫目をプレスして圧潰し、平坦状となしたことにして、歩行を安楽にした。
【0011】
また本発明は、股割れ状態となっている靴下の母指挿入部と他の4指が挿入する挿入部との間に形成された空間部の間に挿入する外反母趾防止材が、足の母指や第2指らの動作にも十分耐えて、外反母趾防止の機能を長期にわたり、常時発揮できる状態を確保したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、外側靴下と内側靴下を有する2重編成の外反母趾防止用靴下において、
前記内側靴下を構成するつま先部の下方生地に形成されている横長状の縫目が、平坦状に形成され、母趾挿入部と他の4本の指を入れる4本指挿入部との間に形成の開口部に外反母趾防止材が挿入されていること、
前記母趾挿入部と4本指挿入部を形成する下方生地の外側面部に、伸縮性を有するテトロン(登録商標)又はナイロン製シート生地の裏面に薄い接着用ウレタンシートをラミネート加工を施して形成された固定シート材が当てられ、前記外反母趾防止材をも固着されていること、
前記母趾挿入部と4本指挿入部を構成する上方生地の外側面部に、伸縮性を有するテトロン(登録商標)又はナイロン製シート生地の裏面に薄い接着用ウレタンシートをラミネート加工を施して形成された固定シート材が当てられ、前記外反母趾防止材をも固着されていること、
さらに前記上方生地の外側面部の固定シート材の上面に、前記固定シート材より大きい伸縮性を有するウレタン系の不織布又はテトロン(登録商標)もしくはナイロン製シート生地の裏面に薄い接着用ウレタンシートをラミネート加工を施して形成された固定シート材が当てられ、前記固定シート材が接着されて前記外反母趾防止材と前記上方生地に被着されていると共に、内側靴下の上方生地中、前記母趾挿入部と4本指挿入部より踵部寄りの上方生地の表面部と、前記外側靴下を構成する上方生地の裏面部とが接着されていることにより、外側靴下と内側靴下が2重に被覆されて成ることを特徴とする外反母趾防止用靴下である。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記内側靴下の母趾挿入部と4本指挿入部との幅員は、5本の指プラス1本分の指を加えた6本指が挿入可能な広い幅員をもって形成されていることを特徴とする請求項1記載の外反母趾防止用靴下である。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記固定シート材に、複数の小孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の外反母趾防止用靴下である。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記外反母趾防止材が、布材又はゴム材でなる単体もしくはそれらの組合せでなる混合体で構成されていることを特徴とする請求項1記載の外反母趾防止用靴下である。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記外反母趾防止材が、スポンジ材料又はシリコン材料又はウレタン材料でなる単体もしくはいずれかの組合せでなる混合体で構成されていることを特徴とする請求項1記載の外反母趾防止用靴下である。
【0017】
【発明の実施の形態】
請求項1〜5記載の発明に関する実施の形態は共通しているので、以下のとおり一括して説明する。
【0018】
aは2重編製の外反母趾用靴下Aを構成する外側靴下である。bは前記外側靴下aと接続する内側靴下である。
【0019】
1は内側靴下bのつま先部2の下方生地3に形成されている外側方にして、しかも横長状のふくらんだ縫目である。この縫目1は、縫ったときはふくらんでおり、靴下の履用中には意外に強く当たり、異和感を感ずる部分である。
【0020】
本発明は、前記縫目1をプレス手段で下方生地3と同じ平坦状になるようにプレスしてやる。このプレス手段は、プレス体を直接前記縫目1に当てて圧漬してもよいが、前記縫目1を下方に位置する熱せられている金型に密着した状態にして、上方からプレスをやってもよい。前記のとおり縫目1の圧漬手法は限定しない。
【0021】
上記プレス工程後、母趾挿入部4と他の4本の指を入れる4本指挿入部5との間に形成の開口部6に外反母趾防止材7を挿入する。
【0022】
この防止材7の構造については後述する。
【0023】
8は前記下方生地3の外側面部、9は内側面部である。
【0024】
前記のように外反母趾防止材7を挿入し前記母趾挿入部4と4本指挿入部5を形成する前記下方生地3の外側面部8に、伸縮性を有するテトロン(登録商標)又はナイロン製シート生地10aの裏面に薄い接着用ウレタンシート10bをラミネート加工を施して形成の固定シート材10を当て、上方より所定温度をもって加圧し、前記固定シート10が当る前記外反母趾防止材7の表面部をも同時に固着する。
【0025】
そして前記内側靴下bを再度転覆し、前記母趾挿入製部4と4本指挿入部5を形成する前記上方生地11の外側面部12に伸縮性を有するテトロン(登録商標)又はナイロン製シート生地13aの裏面に薄い接着用ウレタンシート13bをラミネート加工を施して形成の固定シート材13を当てる。
【0026】
そして上方より所定温度(約180℃)をもって加圧し、前記固定シート材13が当る前記外反母趾防止材7をも同時に固着する。
【0027】
上記のように加圧すると、前記の各固定シート材10、13は、各生地3、11に確実に接着すると共に、伸縮する。
【0028】
さらに前記固定シート材13より若干大きい伸縮性を有するウレタン系の不織布又は伸縮性を有するテトロン(登録商標)又はナイロン製シート生地14の裏面15に薄い接着用のウレタンシート16をラミネート加工を施して形成の固定シート材17を当てる。
【0029】
そして所定温度(約180℃)で加圧すると、上記生地11の外側面部12と、前記固定シート材13と前記防止材7の上面は勿論、それ以外のはみ出し部分の外側面部12に、前記固定シート材17が接着して前記外反母趾防止材7を被着する。
【0030】
次の工程として、前記のような状態となっている内側靴下bの上方生地11中、前記母趾挿入部4と4本指挿入部5より若干下方に位置する上方生地11の所定個所の外側面部12と、前記外側靴下aの所定個所即ち上方生地の裏面部とを接着せしめる。
【0031】
最後に両靴下a、bを2重に被着せしめる。
【0032】
以上の構成が本発明の外反母趾防止用靴下である。
【0033】
さらに本発明は、前記内側靴下bの母趾挿入部4と4本指挿入部5との幅員を、5本の指プラス1本分の指を加えた6本指が挿入可能な従来タイプよりも若干広い幅員をもって形成する。これによって開口部6に前記防止材7が挿入し完成品となった靴下Aを履用しても、5本指が、左右両サイドから常時押されつづけたりしないので、履心地が良好である。
【0034】
また本発明は、前記固定シート材17に、無数(複数)の小孔を形成せしめてもよい。前記小孔によって通気性が増し、むれたりしない。
【0035】
さらに本発明は、前記外反母趾防止材7が、溶融性を有しない、袋入り粒状体にて形成してもよい。
【0036】
また前記外反母趾防止材7が、布材又はゴム材でなる単体もしくはそれらを組合せて混合して形成してもよい。
【0037】
さらに前記外反母趾防止材7が、遠赤外線を放射する、袋入り粒状体をもって構成してもよい。
【0038】
また本発明は、混合体前記外反母趾防止材7が、スポンジ材料又はシリコン材料又はウレタン材料でなる単体もしくはそれらのいずれかの組合せでなる混合体であってもよい。
【0039】
さらに前記内、外両側靴下a、bの接着部分18について説明すると以下のとおりである。前記接着部分18は、前述したとおり靴下a、bの左側面(内側方)から右側面(外側方)に延設する帯状にて形成する。そして前記接着部分18は、原則として内、外両側靴下a、bの上方部分1個所のみとする。
【0040】
また前記接着部分18は、接着性と溶融性を有するウレタン系のシート材10等を一部もしくは細長く一体に使用するか、縫着して使用してもよい。
【0041】
上記の接着部分18を形成することによって、5本指が前記挿入部4、5にスムーズに挿入できるし、他方前記各指を各挿入部4、5から抜くときも、極めて容易に抜ける。
【0042】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、外側靴下と内側靴下を有する2重編成の外反母趾防止用靴下において、前記内側靴下を構成するつま先部の下方生地に形成されている横長状の縫目が、平坦状に形成され、母趾挿入部と他の4本の指を入れる4本指挿入部との間に形成の開口部に外反母趾防止材が挿入されていること、前記母趾挿入部と4本指挿入部を形成する下方生地の外側面部に、伸縮性を有するテトロン(登録商標)又はナイロン製シート生地の裏面に薄い接着用ウレタンシートをラミネート加工を施して形成された固定シート材が当てられ、前記外反母趾防止材をも固着されていること、前記母趾挿入部と4本指挿入部を構成する上方生地の外側面部に、伸縮性を有するテトロン(登録商標)又はナイロン製シート生地の裏面に薄い接着用ウレタンシートをラミネート加工を施して形成された固定シート材が当てられ、前記外反母趾防止材をも固着されていること、さらに前記上方生地の外側面部の固定シート材の上面に、前記固定シート材より大きい伸縮性を有するウレタン系の不織布又はテトロン(登録商標)もしくはナイロン製シート生地の裏面に薄い接着用ウレタンシートをラミネート加工を施して形成された固定シート材が当てられ、前記固定シート材が接着されて前記外反母趾防止材と前記上方生地に被着されていると共に、内側靴下の上方生地中、前記母趾挿入部と4本指挿入部より踵部寄りの上方生地の表面部と、前記外側靴下を構成する上方生地の裏面部とが接着されていることにより、外側靴下と内側靴下が2重に被覆されて成る外反母趾防止用靴下なので、5本指は前記挿入部にスムーズに挿入し、他方5本指を抜くときも、スムーズにできる利点を有している。さらに本発明は、挿入した5本指を抜くとき、内側靴下だけが5本指と同時に付着しながらまくれたりしない。従って次に5本指を挿入するときも、スムーズに挿入できる利点を有している。その上、外反母趾防止材を極めて簡単な手段で確実に且強固に固着すると共に、製造工程の簡略化を図った。
【0043】
さらに本発明は、内側靴下の下方生地の縫目をプレスして圧潰したので、歩行を極めて安楽にした。
【0044】
請求項2記載の発明は、前記内側靴下の母趾挿入部と4本指挿入部との幅員は、5本の指プラス1本分の指を加えた6本指が挿入可能な広い幅員をもって形成されている外反母趾防止用靴下なので、5本指が左右両サイドより圧迫されるのを解消せしめた。
【0045】
請求項3記載の発明は、前記固定シート材に、複数の小孔が形成されている外反母趾防止用靴下なので、通気性が良好でむれたりしない。
【0046】
請求項4記載の発明は、前記外反母趾防止材が、布材又はゴム材でなる単体もしくはそれらの組合せでなる混合体で構成されている外反母趾防止用靴下なので、外反母趾機能が減少したりしない。
【0047】
請求項5記載の発明は、前記外反母趾防止材が、スポンジ材料又はシリコン材料又はウレタン材料でなる単体もしくはいずれかの組合せでなる混合体で構成されている外反母趾防止用靴下なので、防止材が当る母趾及び第2趾の内側面を傷つけたりしない利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の外反母趾防止用靴下の展開した状態の平面図である。
【図2】 重合した靴下の一部切欠拡大平面図である。
【図3】 製造工程を示す内側靴下中、右側靴下を転覆せしめた一部切欠平面図である。
【図4】 図3の靴下を転覆せしめた一部切欠平面図である。
【図5】 図4の靴下に第2工程を示す一部切欠内側右側靴下の一部切欠平面図である。
【図6】 図5の工程の完了と、さらに内外両靴下を接着せしめる接着シートを貼着した内側右側靴下の一部切欠平面図である。
【図7】 図6に示す工程後第3工程の別設シートを貼着せしめ、内外両靴下を被覆せしめる直前の状態を示す一部切欠平面図である。
【図8】 要部を構成する各部材を分解せしめた一部切欠拡大縦断面図である。
【符号の説明】
A 外反母趾防止用靴下
a 外側靴下
b 内側靴下
1 縫目
2 つま先部
3 下方生地
4 母趾挿入部
5 指挿入部
6 開口部
7 外反母趾防止材
8 外側面部
9 内側面部
10 固定シート材
10a シート生地
11 上方生地
12 外側面部
13 固定シート材
14 シート生地
15 裏面
16 シート
17 固定シート材
18 接着部分
Claims (5)
- 外側靴下と内側靴下を有する2重編成の外反母趾防止用靴下において、
前記内側靴下を構成するつま先部の下方生地に形成されている横長状の縫目が、平坦状に形成され、母趾挿入部と他の4本の指を入れる4本指挿入部との間に形成の開口部に外反母趾防止材が挿入されていること、
前記母趾挿入部と4本指挿入部を形成する下方生地の外側面部に、伸縮性を有するテトロン(登録商標)又はナイロン製シート生地の裏面に薄い接着用ウレタンシートをラミネート加工を施して形成された固定シート材が当てられ、前記外反母趾防止材をも固着されていること、
前記母趾挿入部と4本指挿入部を構成する上方生地の外側面部に、伸縮性を有するテトロン(登録商標)又はナイロン製シート生地の裏面に薄い接着用ウレタンシートをラミネート加工を施して形成された固定シート材が当てられ、前記外反母趾防止材をも固着されていること、
さらに前記上方生地の外側面部の固定シート材の上面に、前記固定シート材より大きい伸縮性を有するウレタン系の不織布又はテトロン(登録商標)もしくはナイロン製シート生地の裏面に薄い接着用ウレタンシートをラミネート加工を施して形成された固定シート材が当てられ、前記固定シート材が接着されて前記外反母趾防止材と前記上方生地に被着されていると共に、内側靴下の上方生地中、前記母趾挿入部と4本指挿入部より踵部寄りの上方生地の表面部と、前記外側靴下を構成する上方生地の裏面部とが接着されていることにより、外側靴下と内側靴下が2重に被覆されて成ることを特徴とする外反母趾防止用靴下。 - 前記内側靴下の母趾挿入部と4本指挿入部との幅員は、5本の指プラス1本分の指を加えた6本指が挿入可能な広い幅員をもって形成されていることを特徴とする請求項1記載の外反母趾防止用靴下。
- 前記固定シート材に、複数の小孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の外反母趾防止用靴下。
- 前記外反母趾防止材が、布材又はゴム材でなる単体もしくはそれらの組合せでなる混合体で構成されていることを特徴とする請求項1記載の外反母趾防止用靴下。
- 前記外反母趾防止材が、スポンジ材料又はシリコン材料又はウレタン材料でなる単体もしくはいずれかの組合せでなる混合体で構成されていることを特徴とする請求項1記載の外反母趾防止用靴下。
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