JP4000746B2 - 車両用回転電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪の駆動に好適な車両用回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のラジアルエアギャップ型の回転電機は、固定子鉄心の外周面をハウジングの内周面に固定するのが通常である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ラジアルエアギャップ型の回転電機において、回転子の軸方向一端部を回転軸に結合し、更に、固定子鉄心を回転子の径内側に配置する構造では、固定子鉄心は軸方向他端側にてハウジングに一端支持する必要がある。
【0004】
上述した固定子鉄心一端支持構造では、たとえば、固定子鉄心に軸方向に貫通孔を設け、この貫通孔にスル−ボルトを挿通して、ハウジングの径方向壁部(径方向に延在する壁部)に締結することが考えられる。
【0005】
けれども、固定子鉄心は回転子に対して微小かつ一定の径方向隙間を挟んで対面する必要が有り、上記固定子鉄心固定方法では、締結の際、固定子鉄心の径方向位置決め(芯出し)や軸方向位置決めが容易ではないという問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであり、固定子鉄心固定及び位置決めが容易な固定子鉄心一端支持構造のラジアルエアギャップ型の回転電機を用いた車両用回転電機を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の車両用回転電機は、車軸にトルクを伝達する回転子と、前記回転子の周面に対面する周面を有してハウジングに固定される固定子とを備える車両用回転電機において、
前記回転子は、内周面が前記固定子の外周面に電磁結合する外側ロータ部と、外周面が前記固定子の内周面に電磁結合する内側ロータ部とを有し、前記固定子は、前記内側ロータ部及び外側ロータ部との間に配置される固定子鉄心と、前記固定子に巻装されて前記両ロ−タ部と電磁結合する1セットの多相巻線からなる固定子巻線とを有し、前記固定子鉄心は、コアバックと、前記コアバックの径方向外側に周方向所定ピッチで形成された多数の外周側スロット及びティースと、前記コアバックの径方向内側に周方向所定ピッチで形成された多数の内周側スロット及びティースとを有し、前記固定子鉄心は、前記コアバックの孔に軸方向に圧入された多数の支持ピンの端部を前記ハウジングの径方向壁部に固定してなることを特徴としている。
【0008】
すなわち、本構成では、固定子鉄心一端支持構造のラジアルエアギャップ型の回転電機を用いた車両用回転電機において、多数の支持ピンを固定子鉄心のコアバックに軸方向に圧入し、これら支持ピンの一端部をハウジングの径方向壁部の貫通孔に挿通、固定することにより、固定子鉄心をハウジングに一端支持する。
【0009】
このようにすれば、固定子鉄心の固定作業及び位置決め作業が上述した固定子鉄心の孔にスル−ボルトを挿通して、固定子鉄心をハウジングに固定する場合より格段に容易となる。
【0010】
更に詳しく説明すれば、支持ピンは固定子鉄心の孔(好適には貫通孔)に圧入されているので、固定子鉄心の孔及びハウジングの径方向壁部(径方向に延在する壁部)の貫通孔の位置精度及び面精度さえ確保すれば、圧入及び締結という簡単な作業により固定子鉄心の径方向位置精度を確保することができ、固定子鉄心の径方向位置決めに必要な熟練精密作業を省略することができる。
【0011】
特に、この固定子鉄心は重く更に固定子巻線が巻装されているため、ハウジングの径方向壁部に対して精密に位置決めし、その状態を維持しつつ締結を行うことは簡単ではない。これに比較して、本構成は、支持ピンを径方向壁部の貫通孔に固定するだけで固定子鉄心の高精度の芯出しを実現でき、作業性が容易となる。
【0012】
なお、固定子鉄心の孔は、コアシ−トの打ち抜き時に最終孔径より僅かに小さい孔を形成しておき、これら打ち抜き成形コアシ−トを積層固定後、孔内部を最終形状に仕上げることが好ましい。
【0013】
本発明によれば更に、前記支持ピンは、一端面が前記ハウジングの径方向壁部に当接し、他端面が前記固定子の端面に当接する径大部を有する。このようにすれば、ハウジングに対する固定子鉄心の変位を抑止して固定子鉄心の制振動性を向上することができる。
好適な態様によれば、前記固定子巻線は、互いに近接する前記外周側スロット及び前記内周側スロットの各対にそれぞれ集中巻きされた各集中巻きコイル部を接続して構成されている。
【0014】
このようにすれば、固定子鉄心に圧入された支持ピンの近傍の固定子巻線のコイルエンドを小型化することができ、支持ピンを径方向壁部に固定する作業が容易となる。 更に説明すると、この車両用回転電機は、円筒状の固定子鉄心の外周側スロット及びそれと周方向略同位置(ここでは1スロットピッチ以下をいう)の内周側スロットにコイルを集中巻きして集中巻きコイル部を形成し、この固定子(ステータともいう)の両周面に個別に対面して一対の回転子(ロ−タともいう)を設け、径外側の回転子を外側ロータ部、径内側の回転子を内側ロータ部という。
【0015】
周方向略同位置に存在するその径方向内外の一対のスロットに容易に集中巻きコイル部が巻装されるため、この集中巻きコイル部の周方向への渡り線は最小となり、コイルエンドも最小とすることができる。その結果、コイルエンドの軸方向飛び出し量の短縮及び固定子鉄心の両周面の利用により従来に比較して格段の短軸長化を実現できるとともに、磁気抵抗が小さく、かつ、電機子コイルの漏れインダクタンスや電気抵抗を低減できが短縮できるため従来と比較して格段の高出力化、高効率化が可能となる。
【0016】
好適な態様によれば、前記支持ピンは、前記ハウジングの前記径方向壁部に締結され、前記支持ピンは、固定子側に向けて形成される前記ハウジングの座面に当接する位置決め端面を有する。
【0017】
このようにすれば、支持ピンの径方向壁部への締結により同時に固定子鉄心の軸方向位置決めを行うことができるので、作業性が一層向上する。構造の複雑化も生じない。
【0018】
なお、座面は、たとえばアルミダイキャストなどのような高精度の表面形成方式を採用すれば座面形成工程を必要としない。
【0019】
好適な態様によれば、前記支持ピンは、前記ハウジングの前記径方向壁部に締結され、前記支持ピンは、前記径方向壁部の孔の内周面に当接する位置決め周面を有することを特徴としている。
【0020】
このようにすれば、支持ピンの径方向壁部への締結により同時に固定子鉄心の径方向位置決めを行うことができるので、作業性が一層向上する。
【0021】
また、支持ピンが貫通するための貫通孔の形成作業と同時的(その仕上げ時)に位置決め周面を形成することができるので、支持ピン締結以外の作業工程が複雑化することも抑止することができる。
【0022】
なお、位置決め周面と当接する径方向壁部の貫通孔の内周面はたとえばアルミダイキャストなどのような高精度の表面形成方式を採用すれば簡単に作製することができる。
【0023】
好適な態様によれば、前記支持ピンの前記位置決め周面及び位置決め端面は、前記径方向壁部の孔内の段差に当接するので、支持ピンの貫通孔への挿入により固定子鉄心の径方向位置決め(芯出し)と軸方向位置決めとを同時に行うことができる。
【0024】
好適な態様によれば、各前記支持ピン間の各間隔は同一でない。
【0025】
このようにすれば、互いに隣接する各支持ピン間のスパンが多種類となるので、固定子鉄心の制振性が向上する。
【0026】
好適な態様によれば、前記支持ピン及びハウジングは透磁性を有し、前記各支持ピンのうちの任意の一対は、電気角度で略180度離れた位置に配置されない。
【0027】
このようにすれば、支持ピン及びハウジングを経由する漏れ磁気回路の磁束を低減することができ、効率が向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の車両用回転電機の好適な実施形態を図面を参照して以下に説明する。
【0033】
【実施例1】
本発明の車両用回転電機を内燃機関駆動車に適用した実施例を以下に説明する。
【0034】
(全体構造)
図1は、この内燃機関駆動車のパワートレインの車両用回転電機近傍を示す軸方向模式断面図を示す。
【0035】
100はハウジング、101はエンジンのクランクシャフト、400はクラッチ機構、500は図示しないギヤ機構の入力軸、1は車両用回転電機である。
【0036】
車両用回転電機1は、固定子2、外側ロータ部3、内側ロータ部4、回転子支持フレ−ム5、棒状支持部材7を有している。
【0037】
外側ロータ部3及び内側ロータ部4は本発明で言う回転子を構成しており、外側ロータ部3の内周面は小電磁ギャップを隔てて固定子2の外周面に電磁結合し、内側ロータ部4の外周面は小電磁ギャップを隔てて固定子2の外周面に電磁結合している。
【0038】
両ロ−タ部3、4は内部に永久磁石が埋設された積層電磁鋼板31、41からなる公知の埋め込み永久磁石型ロ−タである。ロータ部3の永久磁石は薄板状に形成されて、積層電磁鋼板31内に軸方向に周方向等ピッチで貫設された多数の永久磁石収容溝に個別に埋設され、ロータ部4の永久磁石は薄板状に形成されて、積層電磁鋼板41内に軸方向に周方向等ピッチで貫設された多数の永久磁石収容溝に個別に埋設されている。
【0039】
これら両永久磁石は厚さ方向すなわち略径方向に磁化されている。両ロータ部3、4の永久磁石は周方向等位置に埋設されており、同位置の両ロータ部3、4の永久磁石は固定子2側に同極性の磁極を有する。これにより、積層電磁鋼板31の内周面及び積層電磁鋼板41の内周面には永久磁石と周方向同位置にて磁極面が周方向所定ピッチで生じ、外側ロータ部3の磁極面と内側ロータ部4の磁極面とは周方向同位置にて同一極性となっている。
【0040】
回転子支持フレ−ム5は、外側ロータ部3の外周面が固定される外側筒部51と、内側ロータ部4の内周面が固定される内側筒部52と、径方向へ延在して両筒部51、52のリア側の端部同士を連結する円盤部53とを有し、内側筒部52の前端はクランクシャフト101に締結されている。
【0041】
固定子2は、外側ロータ部3及び内側ロータ部4の間の径方向隙間に配置される固定子鉄心20に巻装されて両ロ−タ部3、4と電磁結合する固定子巻線(電機子コイル)21とからなる。
【0042】
固定子鉄心20は、輪板形状をもつ多数の電磁鋼板を軸方向に積層してなる積層電磁鋼板からなり、図2の部分展開図を参照して説明すれば、コアバック201と、コアバック201の径方向外側に周方向所定ピッチで形成された多数の外周側スロット202及びティース203と、コアバック201の径方向内側に周方向所定ピッチで形成された多数の内周側スロット204及びティース205とを有している。
【0043】
(固定子鉄心20及び棒状支持部材(本発明でいう支持ピン)7の説明)
固定子鉄心20及び棒状支持部材7を図2、図3を参照して説明する。固定子鉄心20は、ティースの周方向所定位置において軸方向に貫設された孔200を有し、その中の1個は他の全てに対する回転対称位置から1スロットピッチ以上時計方向又は反時計方向にずれている。
【0044】
各孔200には、ボルト状の棒状支持部材7が圧入されている。
【0045】
棒状支持部材7の先端部は、ハウジング100の径方向壁部100aに軸方向へ開口された貫通孔102を貫通して、その先端部に形成された螺子部70にはナット71が螺合している。
【0046】
棒状支持部材7は、径大部72を有し、径大部72は貫通孔102内に形成された段差部103に当接している。更に説明すると、径大部72の前端面部は段差部103の径方向に形成された座面(位置決め端面)に当接し、これにより、ナット71と径大部72の前端面部とでハウジング100の径方向壁部100aを軸方向に挟圧している。これにより固定子鉄心20の軸方向位置が決定される。
【0047】
径大部72の外周面は段差部103の内周面(位置決め周面)に当接し、これにより棒状支持部材7の径方向位置が決定される。径大部72よりも先端側の部分は径大部72よりも径小に形成され、容易に貫通孔102に挿通可能となっている。
【0048】
72aは、棒状支持部材7の径大頭部であり、固定子鉄心20のリア側端面に当接している。
【0049】
固定子巻線21は、図4の部分展開図を参照して説明すれば、周方向同位置の外周側スロット202及び内周側スロット204にそれぞれ集中巻きされた集中巻きコイル部210を外周側スロット202のスロット数(=内周側スロット204のスロット数)だけ有している。ただし、図4では、U相の集中巻きコイル部210だけを図示している。したがって、棒状支持部材7は、周方向に隣接する2つの集中巻きコイル部210の間に位置してコアバック201を貫通している。
【0050】
各集中巻きコイル部210の巻き初め端2101及び巻き終わり端2102は軸方向フロント側に突出され、星型接続の固定子巻線21の各相巻線は、同相のすべての集中巻きコイル部210を並列接続して構成されている(図4参照)。なお、U相の各集中巻きコイル部210は、3スロットごとに巻装されている。ただし、奇数番目の集中巻きコイル部210と偶数番目の集中巻きコイル部210との通電方向を逆とするために、図4に示すように、奇数番目の集中巻きコイル部210の巻き初め端2101及び偶数番目の集中巻きコイル部210の巻き終わり端2102がU相出力端部91に接続され、同様に偶数番目の集中巻きコイル部210の巻き初め端2101及び奇数番目の集中巻きコイル部の巻き終わり端2102が中性点をなす中性点端子部94に接続されている。
(動作)
次に、この車両用回転電機の動作を説明する。
【0051】
この車両用回転電機1は三相同期機であり、回転子の位置は図示しない回転センサで検出される。回転子の位置に応じた位相をもつ三相交流電圧を星型接続の固定子巻線21に通電すると、固定子巻線21がそれぞれ形成する回転磁界により外側ロータ部3及び内側ロータ部4にトルクが生じ、車両用回転電機1はクランクシャフト101を通じて内燃機関を始動する。その後、この車両用回転電機1は、トルクアシスト又は回生制動又は発電を行うのは従来の車両用回転電機と同じである。
【0052】
この実施例の車両用回転電機によれば、小型で高出力の車両用回転電機を実現することができ、特に、固定子鉄心20を分割することなく固定子巻線21のコイルエンド部を従来より格段に縮小することができ、固定子鉄心20の一端支持も容易となる。
【0053】
(実施例効果)
この実施例の固定子鉄心一端支持構造のラジアルエアギャップ型の車両用回転電機では、多数の棒状支持部材7を固定子鉄心20のコアバック201に軸方向に圧入し、これら棒状支持部材7の一端部をハウジング100の径方向壁部100aの貫通孔12に挿通、固定することにより、固定子鉄心20を径方向壁部100aに一端支持する。
【0054】
このようにすれば、固定子鉄心20の固定作業及び位置決め作業が格段に容易となる。
【0055】
棒状支持部材7は、径方向壁部100aに締結され、棒状支持部材7の径大部72の位置決め周面及び位置決め端面は、径方向壁部100aの貫通孔102内の段差に当接するので、棒状支持部材7の貫通孔102への挿入により固定子鉄心2の径方向位置決め(芯出し)と軸方向位置決めとを同時に行うことができる。
【0056】
各棒状支持部材7間の各間隔は同一でないので、固定子鉄心20の機械的共振を抑止することができる。
【0057】
棒状支持部材7及びハウジング100は透磁性を有し、各棒状支持部材7のうちの任意の一対は、電気角度で略180度離れた位置に配置されないので、棒状支持部材7及びハウジング100を経由する漏れ磁気回路の磁束を低減することができ、効率が向上する。
(変形態様1)
実施例1の変形態様を図5に示す。
【0058】
この態様では、棒状支持部材7は、径大部72に隣接して更に径大のスペ−サ部73を有している。このスペ−サ部73の一端面は径方向壁部100aに、他端面は固定子鉄心20の端面に当接している。このようにすれば、スペ−サ部73が固定子鉄心20の軸方向位置決めを行う機能とともに、径方向壁部100aに一端支持される固定子鉄心20が棒状支持部材7(特にそのスペ−サ部73)の径方向への弾性変形による径方向への振れを低減することができるので、固定子鉄心20の径方向振動を低減することができる。また、固定子鉄心20の熱はスペ−サ部73を通じて良好に径方向壁部100aに伝達される。
【0059】
なお、当然、この態様では、棒状支持部材7の径大部72の径方向端面は貫通孔102内の段差に当接せず、この部位での固定子鉄心20の位置決めはなされず、径大部72はその外周面により径方向の位置決めのみを行う。
【0060】
【実施例2】
本発明の車両用回転電機の他の実施例を図6、図7を参照して以下に説明する。ただし、実施例1の構成要素と主要機能が共通する構成要素には同一符号を付して理解を容易とする場合もある。
【0061】
この車両用回転電機は実施例1の車両用回転電機において、固定子2を径方向へ三段に重ねたものであり、したがって、4段のロータ部201〜204が配置されている。ただし、図7では簡素化のためにロータ部203と固定子2を一段図示省略し、固定子鉄心20を図示省略し、固定子巻線21を模式的に図示する。
【0062】
各固定子2は、本質的に実施例1と同一構造をもつが、各外周側スロット202及び内周側スロット204は、軸方向両端部において外側に向かうにつれて次第に深く形成されている。このようにすれば、固定子巻線21のコイルエンド部の軸方向突出幅を短縮することができるので、その分だけ軸方向長が短い車両用回転電機を実現することができる。また、コイルエンド部の総延長距離を減らすことができるので、その漏れインダクタンス及び電気抵抗を減らすことができ、効率及び出力を改善することができる。
【0063】
4段に重ねられたロータ部201〜204は、永久磁石界磁ロ−タ構造をもつ点で実施例1と同じであるが、この実施例では、ロータ部201〜204は、円筒セラミック磁石を成型中及び成型後に図8に示すパタ−ンに着磁して構成している。もちろん、実施例1と同様に永久磁石埋めこみ型のロータ部201〜204や永久磁石表面配置型のロ−タなど種々のロ−タを採用することができる。
【0064】
ただし、この実施例では、図7に示すように、ロータ部201〜204のうち、固定子2を挟んで対向する二つのロータ部は、周方向同位置にて同一極性の磁極面を有する。ここでいう磁極面とは、Nで示すN極面と、Sで示すS極面とをいう。更に、この実施例では、2つの固定子2により径方向に挟まれる中間のロータ部202、203の内周面と外周面とは周方向同位置で逆極性の磁極面をもつ。
【0065】
このようにすれば、中間のロータ部202、203は主として径方向に着磁することができるので、ロ−タ部202、203は本質的にヨ−ク部を必要としないことがわかる。ただし、中間のロータ部202、203は径方向両側の電磁結合面をもつのでそのATはロータ部201、204の二倍とすることが好適である。いずれにせよ、この車両用回転電機は径方向へ合計6個の電磁結合面をもち、実施例1の単段構成に比較して原理的に3倍のトルクを発生することができる。
【0066】
つまり、中間の固定子202、203としての各円筒セラミック磁石は各N極磁極面Nと各S極磁極面Sとの周方向中間部において、大きな磁路断面積をもつ必要がない。そこで、この実施例ではこの周方向中間部に通風用の軸方向貫通孔300を設けている。原理的にはこの周方向中間部は非磁性とすることも可能である。当然、一部の軸方向貫通孔300を、固定子202、203としての各円筒セラミック磁石を回転子支持フレ−ム5の円盤部53に固定する棒状支持部材挿通のために用いてもよい。ただし、この実施例では、円筒セラミック磁石で一体に形成された各ロータ部201〜204の回転子支持フレ−ム5側の端部は径方向に薄く形成され、回転子支持フレ−ム5に凹設された凹部に差し込まれて固定されている。
【0067】
この実施例では、最径小側及び最径大側のロータ部201、204は、回転子支持フレ−ム5の円筒状ヨ−ク部51、52により磁路を形成しているが、ロータ部201、204自身で磁路を形成すれば、回転子支持フレ−ム5はアルミダイキャストなどの軽量品とすることができる。なお、この実施例では、ロータ部201、204は周方向に隣接する2つの磁極面間を省略することができる。実施例1と同様、ロータ部201〜204は、埋めこみ磁石型又は表面磁石型とすることができ、後者の場合、ロータ部202、203は径内側と径外側とに永久磁石を設けることが必要となる。
【0068】
この実施例によれば、径方向へ多段にロータ部201〜204及び固定子2を重ねたので実施例1より更に小型高出力化を実現できる。このような多段構造は、固定子巻線21におけるスロット内の導体部に対するコイルエンド部の割合が増大することによる弊害が従来は大きかったが、本構成の集中巻きコイル部210を用いる方式では、コイルエンド部の総延長距離を従来より格段に低減できるため、コイルエンド部数増大の弊害を抑止しつつ、多段化による回転電機の軸方向長短縮及び出力増大を図ることができるものである。
【0069】
また、この実施例では、径方向中間のロータ部202、203は主として軸方向に磁束が流れる構成とすることができるので、1個の中間のロ−タ部は実施例1における実質2個のロータ部に相当し、かつ、中間のロータ部202、203は磁束を周方向へ流すヨ−ク部をもつ必要がない。このため、更に小型高出力化を実現することができる。
(径方向壁部100aへの固定子鉄心20の固定)
この実施例では、径方向壁部100aは、図6に示すように、突出して固定子鉄心20のフロント側の端面に当接する多数の突部100bをもつ。これら突部100bは、それぞれ集中巻きされて周方向に隣接する集中巻きコイル部210の間に位置している。貫通孔102は突部100bを貫通して固定子鉄心20内の孔201(図6では図示省略)に圧入されている。
【0070】
径方向壁部100a及び突部100bは鋳造又はダイキャストにより一体に形成されており、突部100bの固定子鉄心当接端面は後で研削加工されてもよい。
【0071】
このようにすれば、各固定子鉄心20の剛性を更に強化できるとともに、固定子鉄心20の熱を突部100bを通じてハウジングに良好に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の車両用回転電機を用いたパワ−トレインの車両用回転電機近傍の軸方向断面図である。
【図2】図1に示す車両用回転電機の固定子近傍の拡大軸方向部分断面図である。
【図3】図1に示す車両用回転電機の固定子鉄心の径方向拡大断面図である。
【図4】図1に示す車両用回転電機の固定子の部分展開図である。
【図5】図1に示す車両用回転電機の棒状支持部材の変形態様を示す平面図である。
【図6】実施例2の車両用回転電機の軸方向断面図である。
【図7】図6に示す車両用回転電機の部分展開図である。
【符号の説明】
1 車両用回転電機
2 固定子
3 外側ロータ部(回転子)
4 内側ロータ部(回転子)
5 回転子支持フレ−ム
6 固定子支持フレ−ム
7 棒状支持部材
100 ハウジング

Claims (1)

  1. 車軸にトルクを伝達する回転子と、前記回転子の周面に対面する周面を有してハウジングに固定される固定子とを備え
    前記回転子は、内周面が前記固定子の外周面に電磁結合する外側ロータ部と、外周面が前記固定子の内周面に電磁結合する内側ロータ部とを有し、
    前記固定子は、前記内側ロータ部及び外側ロータ部との間に配置される固定子鉄心と、前記固定子に巻装されて前記両ロ−タ部と電磁結合する1セットの多相巻線からなる固定子巻線とを有し、
    前記固定子鉄心は、コアバックと、前記コアバックの径方向外側に周方向所定ピッチで形成された多数の外周側スロット及びティースと、前記コアバックの径方向内側に周方向所定ピッチで形成された多数の内周側スロット及びティースとを有し、
    前記固定子鉄心は、前記コアバックの孔に軸方向に圧入された多数の支持ピンの端部を前記ハウジングの径方向壁部の貫通孔に挿通、固定することにより前記ハウジングに一端支持されている車両用回転電機であって、
    前記支持ピン(7)は、一端面が前記ハウジングの径方向壁部(100 a )に当接し、他端面が前記固定子(2)の端面に当接する径大なスペーサ部(73)を有することを特徴とする車両用回転電機。
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