JP4000562B2 - 湿度センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は湿度センサに関し、特に高感度の湿度センサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、湿度センサは、各種の方式のものが利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の湿度センサは、何れも、経年(経時)変化が比較的大きく、耐久性に劣っていた。
このため、各所に設置された湿度センサは、所定期間毎に調整したり、あるいは交換する必要があり、メンテナンス性が悪く、コストが高くなってしまう。
また、低湿度(0乃至10%RH(RHは相対湿度))や高湿度(85%RH以上)における検知精度があまり良くなく、特に湿度が高い状態で連続使用した場合、寿命が短く、急激に性能が劣化してしまう。
【0004】
本発明は、以上の点にかんがみて、低湿度や高湿度においても、また高湿度での連続使用においても、高精度で湿度を検出し得るようにした、湿度センサ及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明の第一の構成によれば、銅配位高分子錯体(H 2 dtoaCu)を湿度の感知媒体とするセンサ素子と、このセンサ素子のプロトン伝導度を測定する測定手段と、から構成され、銅配位高分子錯体のダイマー当りの水分子数が、相対湿度RHが0〜100%の間において1〜9まで変化することを特徴とする、湿度センサにより、達成される。
【0011】
上記第一の構成によれば、湿度センサを構成する銅配位高分子錯体(H 2 dtoaCu)が、室温にて、電子伝導性は極めて低く絶縁体とほぼ同様であるが、プロトン伝導性は非常に高く、しかも低湿度から高湿度までの相対湿度の上昇に伴ってプロトン伝導性が増加する。
【0012】
このプロトン(H+ :水素イオン)伝導は、以下の機構により生起すると考えられる。
上記配位高分子金属錯体中のN(窒素)配位子の極く一部に、プロトンが結合している。室温で、上記配位配位高分子金属錯体の層間に相対湿度に対応して水分子が出入りし、この水分子がプロトン伝導のパス(媒体)を形成する。上記配位高分子金属錯体中のプロトンは、このパスを介して伝導するようになる。
従って、上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMが、室温にて容易に検出し得る程度の高いプロトン伝導性を有し、且つこのプロトン伝導性が外部の相対湿度に対応して変化する。
これにより、上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMを湿度センサにおける湿度の感知媒体として使用すれば、低湿度でも高湿度でも、また高湿度における連続使用でも、高感度に湿度を検知することができる。
【0013】
また、上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMは、安価な材料から容易に合成することができるので、低コストで製造することができる。
さらに、湿度センサが配位高分子金属錯体、即ちポリマーから構成されているので、容易に薄膜化され得る。
【0014】
上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMのアルキル基Rが、(C3 H6 OH)である場合には、同様にして、配位高分子金属錯体自体は、ジチオオキサミドから容易に製造することができる。従って、配位高分子金属錯体から成る湿度センサは、低コストで構成され得ることになる。
【0016】
上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMのアルキル基Rの位置に、H(水素)が配位している場合には、当該配位高分子金属錯体自体は、ジチオオキサミドから容易に製造することができる。
なお、この場合、配位高分子金属錯体R2 dtoaMの層間に延びる側鎖が小さいことから、分子中の水分子量が比較的多くなり、より高いプロトン伝導性を得ることが可能である。
【0017】
また、上記目的は、本発明の第二の構成によれば、ジチオオキサミドをプロパノールアミンと反応させる工程と、上記ジチオオキサミドとプロパノールアミンとの反応生成物を硫酸銅と共に、エタノール水溶液中で混合して、銅配位高分子錯体(C3 H6 OH)2 dtoaCuを得る工程と、得られた銅配位高分子錯体が水素を吸蔵している場合にはこの銅配位高分子錯体の酸化を行なう工程と、銅配位高分子錯体を加圧成型し、シート状薄膜に成形する工程と、シート状薄膜に電極部となる金属薄膜を形成する工程とにより、湿度の感知媒体を得ることを特徴とする、湿度センサの製造方法により達成される。
【0018】
上記第二の構成によれば、銅配位高分子錯体(C3 H6 OH)2 dtoaCuを湿度の感知媒体とする湿度センサ用のセンサ素子が、安価な材料により、容易に且つ低コストで製造され得ることになる。
【0019】
このようにして、本発明によれば、湿度センサの湿度の感知媒体を、配位高分子金属錯体R2 dtoaMにより構成することにより、室温にて容易に検出し得る程度の高いプロトン伝導性を有し、且つこのプロトン伝導性が外部の相対湿度に対応して変化する高精度の湿度センサを、低コストで提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明による湿度センサの一実施形態の構成を示している。図1において、湿度センサ10は、センサ素子11と、センサ素子11のプロトン伝導率を測定する測定回路12と、から構成されている。なお、14,15は、センサ素子11の両端に備えられた測定用の電極部である。
センサ素子11は、R2 dtoa(ジチオオキサミド)の配位高分子金属錯体R2 dtoaMを湿度感知媒体として構成されている。センサ素子11は、具体的には、配位高分子金属錯体R2 dtoaMのアルキル基Rが(C2 H4 OH)であり、かつ、金属Mが銅Cuである銅配位高分子錯体(C2 H4 OH)2 dtoaCuの薄膜から構成されている。
センサ素子11は、例えば図2に示すように、約1mm厚の絶縁基板13上に数μm厚に形成されており、このセンサ素子11の両端に測定用の電極部14,15を備えている。
【0021】
上記測定回路12は、プロトン伝導性を測定する回路で、センサ素子11に対して交流電圧を印加して測定を行なう。これは、センサ素子11に対して直流電圧を印加すると、プロトンが陰極側に集まってしまい、電子伝導しか測定できないからである。
【0022】
ここで、R2 dtoaは、アルキル基Rが、(C2 H4 OH)、(C3 H6 OH)、また、アルキル基Rの位置に水素(H)が配位された高分子、即ちポリマー材料であり、図3に示す構造式で表わされる。
【0023】
銅配位高分子錯体R2 dtoaCuは、R2 dtoaに遷移金属のCuが図4に示すように結合した層状の分子構造を有しており、各層間の距離dを有し、層状となり高分子錯体となっている。なお、H2 toaCu,(C2 H4 OH)2 dtoaCu,(C3 H6 OH)2 dtoaCuの各層間の距離dは、それぞれ、5.7Å,9.95Å,11.82Åである。
【0024】
銅配位高分子錯体R2 dtoaCuは、水分子が吸収されることにより、プロトン伝導を示す。従って、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuのプロトン伝導機構は、従来から燃料電池の電解質として使用されているナフィオンにおけるプロトン伝導の機構に類似しているものと推察される。
【0025】
一方、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuは、水素を吸収すると還元されて電子伝導を生じる。従って、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuから吸蔵されている水素を十分追い出し、十分な酸化状態にし、電子伝導度が小さい絶縁物状態としておくことが好ましい。
【0026】
次に、本発明の湿度センサにおけるプロトン伝導度の測定回路について説明する。銅配位高分子錯体R2 dtoaCuは、水分子が吸収されるとプロトン伝導が生起する。銅配位高分子錯体R2 dtoaCuに交流電圧を印加して伝導度を測定することにより、プロトンが陰極側に集中するのを防ぎながらプロトン伝導度を測定する。このようにして、予め測定した湿度と伝導度の関係より湿度を表示もしくは出力することによって湿度が測定できる。
【0027】
図5は、本発明の湿度センサの感知媒体のプロトン伝導率と相対湿度を示す図である。測定は室温で行った。図において、横軸は相対湿度(RH)で、縦軸がプロトン伝導率σp (S・cm-1)である。ここで、相対湿度(RH)は、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuに水分子を吸蔵させるときの雰囲気の相対湿度である。
図の●,□,◇は、それぞれ、H2 dtoaCu,(C2 H4 OH)2 dtoaCu,(C3 H6 OH)2 dtoaCuのプロトン伝導率を表している。図において、相対湿度RHが約15%から100%の場合のプロトン伝導率の変化を示している。
プロトン伝導度は、予め直流で電子伝導度を求めておき、交流法で求めた伝導度から電子の伝導度を差し引いて求めた。
何れの銅配位高分子錯体R2 dtoaCuにおいても、相対湿度RHの変化によりプロトン伝導率が変化することが分かる。
このとき、相対湿度RHが100%のときのH2 dtoaCu,(C2 H4 OH)2 dtoaCu,(C3 H6 OH)2 dtoaCuのプロトン伝導率は、それぞれ、10-2S・cm-1,3×10-4S・cm-1,5×10-6S・cm-1となる。このときの、イオン輸率はほぼ1である。
【0028】
R2 dtoaCuのプロトン伝導率は、図5にて●で示すように、RHの上昇に伴って、同様に6桁近く上昇して、RH100%では、ほぼ10-2S・cm-1と、ナフィオンと同等のプロトン伝導率を示す。
これにより、本発明の湿度センサによれば、低い湿度から100%までの湿度が測定できる。
【0029】
図6は、本発明の湿度センサの感知媒体である銅配位高分子錯体R2 dtoaCuのダイマー当たりの水分子数を示す表である。水分子数の値は、熱重量分析により測定した。銅配位高分子錯体(C2 H4 OH)2 dtoaCuのダイマー当たりの水分子数は、図6に示すように、相対湿度RHが0%では、0.5であるが、RH75%では、1.8となり、RH100%では、3.3となる。
また、相対湿度RH=75%の条件においては、H2 dtoaCu,(C2 H4 OH)2 dtoaCu,(C3 H6 OH)2 dtoaCuのダイマー当たりの水分子数は、それぞれ、2.8,1.8,2.2である。
このことから、図6で示したように、プロトン伝導度の大きいH2 dtoaCuは、ダイマー当たりの水分子数が、一番大きいことが分かる。
また、相対湿度RHが100%においては、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuのダイマー当たりの水分子数は、それぞれ、9.0,3.3,3.3と増加することが分かる。
【0030】
図7は本発明の湿度センサの感知媒体の銅配位高分子錯体(C2 H4 OH)2 dtoaCuの熱耐久性を示す図である。図において、横軸は周囲温度(℃)、縦軸は重量損失(%)である。重量損失の値は、熱重量分析により測定した。
相対湿度RHが0%、75%、100%の場合を示している。本発明の湿度センサの感知媒体は、20℃から50℃において重量損失があるが、50℃から150℃では、重量損失は温度により変化せずほぼ一定の値となる。そして、150℃以上で再び重量損失が増加する。
これから、本発明の湿度センサの感知媒体である(C2 H4 OH)2 dtoaCuは、150℃まで使用可能であることが分かる。
【0031】
(C3 H6 OH)2 dtoaCu,H2 dtoaCuの重量損失も、また、上記の(C2 H4 OH)2 dtoaCuの重量損失と同様な温度特性を示し、150℃まで使用可能である。
【0032】
このようにして、銅配位高分子錯体(C2 H4 OH)2 dtoaCuは、上述したように、湿度の変化によりプロトン伝導率が変化することが分かる。
従って、本発明による湿度センサ10においては、センサ素子11を構成する銅配位高分子錯体(C2 H4 OH)2 dtoaCuを水素ドーピングしない状態にして、即ち銅配位高分子錯体から十分水素を追い出して電子伝導度を小さくした状態で、湿度の検知を行なうようにする。
【0033】
本発明による湿度センサ10は以上のように構成されており、以下のように動作する。即ち、湿度センサ10のセンサ素子11に対して測定回路12により、例えば数kHz程度の周波数の所定の交流電圧を印加すると、センサ素子11を構成する銅配位高分子錯体R2 dtoaCu中をプロトンが移動し、電流が流れることになる。この電流を測定回路12で測定することにより、センサ素子11のプロトン伝導率を測定することができる。
【0034】
そして、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuが水分子を層間に取り込むと、この分子中に含まれる水分子がプロトンの伝導に寄与することから、プロトン伝導率が増大する。このようにして、測定回路12で測定されるプロトン伝導率により、湿度の検知を行なうことができる。
【0035】
この場合、センサ素子11を構成する銅配位高分子錯体R2 dtoaCuは、低湿度から高湿度まで湿度が高くなるに従って、プロトン伝導率が漸次増大するので、低湿度でも高湿度でも高精度で湿度を検知することができると共に、例えば相対湿度RHが100%の高湿度での連続使用においても、検知性能が劣化してしまうようなことはない。
また、センサ素子11を構成する銅配位高分子錯体R2 dtoaCuは、経年変化が殆どなく、したがって、所定期間毎に調整したり、あるいは交換する必要がなく、メンテナンス性が良好であるため、メンテナンスコストが低減されることができる。さらに、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuがポリマーであることから、容易に薄膜として形成することができる。
【0036】
このようにして、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuの薄膜から成る湿度センサ10は、室温において、低湿度から高湿度まで高精度で湿度の検知を行なうことができると共に、低コストで製造される。
【0037】
次に、本発明による銅配位高分子錯体(C3 H6 OH)2 dtoaCuをセンサ素子とする湿度センサの製造方法の一実施形態について説明する。
ここで、銅配位高分子錯体(C3 H6 OH)2 dtoaCuは、新規な材料であるので、以下にその製造方法を説明する。
図8は、本発明による湿度センサ10のセンサ素子11としての感知媒体である銅配位高分子錯体(C3 H6 OH)2 dtoaCuの生成方法の一例を示す図である。
先ず、図8(A)において、ジチオオキサミドとプロパノールアミンを混合すると、中間物質であるN,N’−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ジチオオキサミドとアンモニアガスが発生する。
【0038】
次に、上記中間物質を取り出して、図8(B)に示すように、硫酸銅と共に、60℃の5%エタノール水溶液中に入れて混合すると、N,N’−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ジチオオキサミダト銅(II)、即ち上記銅配位高分子錯体(HOC3 H6 )2 dtoaCuが生成される。
【0039】
次に、この銅配位高分子錯体が還元状態にあり、水素吸蔵により電子伝導が生じていないことを調べる。水素吸蔵されている場合には、酸化を行う。還元状態を測定するためには、上述したように、直流のコンダクタンス測定により、水素吸蔵による電子伝導率を求め、判定することができる。これにより、湿度センサの感知媒体に好適な銅配位高分子錯体が形成され得ることになる。この場合、各材料は安価であり、しかも大型の加熱装置等は不要であるので、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuは、低コストで容易に製造される。
【0040】
次に、本発明の湿度センサにおけるセンサ素子の製造方法について説明する。
上述のように生成した、例えば銅配位高分子錯体(C3 H6 OH)2 dtoaCuを、加圧成型することにより、所望の厚さのシート状薄膜に成形する。このシート状薄膜の厚さは、例えば数μmから数10μm程度の厚さにする。
続いて、このシート状薄膜を、例えば0.5乃至1mm程度の絶縁基板13上に接着剤で貼着する。
その後、電極部14,15となる金属層をシート状薄膜上に形成する。ここで、上記金属層は、周知の蒸着法や電気メッキ法等の薄膜形成方法を使用してシート状薄膜上に堆積させることができる。
最後に、電極部14,15のパターンは、公知のフォトリソグラフィ法等により、金属層のエッチング等を行って、センサ素子11の電極部14,15を形成することができる。
この場合、各材料は安価であり、しかも大型の加熱装置等は不要であるので、銅配位高分子錯体(C3 H6 OH)2 dtoaCuによる湿度センサを、低コストで容易に製造できる。
【0041】
本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。例えば、上記実施形態においては、センサ素子11が、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuにて、アルキル基Rの位置に水素が配位されたH2 dtoaCu、または、アルキル基Rが(C2 H4 OH)または(C3 H6 OH)である銅配位高分子錯体R2 dtoaCuから構成されているが、これに限らず他のアルキル基R、例えば(CH2 OH)であってもよいことは勿論である。
【0042】
また、上述の実施形態においては、銅を中心金属とする銅配位高分子錯体R2 dtoaCuの場合について説明したが、これに限らず、他の金属M、例えばニッケル(Ni),鉄(Fe)またはコバルト(Co)等の遷移金属を使用してもよいことは明らかである。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、湿度センサを構成する配位高分子金属錯体R2 dtoaM、特に金属が遷移金属、好ましくは銅(Cu),ニッケル(Ni),鉄(Fe)またはコバルト(Co)の何れか一つである配位高分子金属錯体は、室温において、低湿度から高湿度までの相対湿度の上昇に伴ってプロトン伝導性が増加する。従って、本発明によれば、室温において低湿度から高湿度まで、また高湿度における連続使用でも高感度に湿度を検知することができる。
【0044】
また、上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMは、安価な材料から容易に合成することができるので、低コストで製造することができる。さらに、湿度センサが配位高分子金属錯体、即ちポリマーから構成されているので、容易に薄膜化され得る。
【0045】
上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMのアルキル基Rが、(C3 H6 OH)である場合には、ジチオオキサミドをプロパノールアミンと反応させ、さらに硫酸銅等と共に、エタノール水溶液中に入れることにより、当該配位高分子金属錯体を容易に製造することができる。したがって、当該配位高分子金属錯体から成る湿度センサは、低コストで構成され得ることになる。
【0046】
上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMのアルキル基Rが、(C2 H4 OH)である場合には、同様にして、当該配位高分子金属錯体自体は公知の材料であり、ジチオオキサミドから容易に製造することができる。
【0047】
上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMのアルキル基Rの位置に、H(水素)が配位している場合には、当該配位高分子金属錯体自体は公知の材料であり、ジチオオキサミドから容易に製造することができる。なお、この場合、配位高分子金属錯体R2 dtoaMの層間に延びる側鎖が小さいことから、分子中の水分子量が比較的多くなり、より高いプロトン伝導性を得ることが可能である。
このようにして、本発明によれば、低湿度や高湿度においても、また高湿度での連続使用においても、高精度で湿度を検出し得るようにした、湿度センサ及びその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による湿度センサの一実施の形態を示す基本構成図である。
【図2】本発明による湿度センサにおけるセンサ素子の拡大斜視図である。
【図3】R2 dtoa(ジチオオキサミド)の構造式である。
【図4】銅配位高分子錯体の分子構造を示す概略斜視図である。
【図5】本発明のセンサ素子を構成する銅配位高分子錯体の相対湿度とプロトン伝導率との関係を示す図である。
【図6】本発明のプロトン交換膜を構成する銅配位高分子錯体の相対湿度における分子中に含まれる水分子数を示す表である。
【図7】本発明のプロトン交換膜である銅配位高分子錯体(C2 H4 OH)2 dtoaCuの熱耐久性を示す図である。
【図8】本発明のセンサ素子を構成する銅配位高分子錯体(C3 H6 OH)2 dtoaCuの製法の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 湿度センサ
11 センサ素子
12 測定回路
13 基板
14,15 電極
Claims (2)
- 銅配位高分子錯体(H 2 dtoaCu)を湿度の感知媒体とするセンサ素子と、このセンサ素子のプロトン伝導度を測定する測定手段と、から構成され、
上記銅配位高分子錯体のダイマー当りの水分子数が、相対湿度RHが0〜100%の間において1〜9まで変化することを特徴とする、湿度センサ。 - ジチオオキサミドをプロパノールアミンと反応させる工程と、
上記ジチオオキサミドとプロパノールアミンとの反応生成物を硫酸銅と共にエタノール水溶液中で混合して銅配位高分子錯体(C3 H6 OH)2 dtoaCuを得る工程と、
得られた上記銅配位高分子錯体が水素を吸蔵している場合には該銅配位高分子錯体の酸化を行なう工程と、
上記銅配位高分子錯体を加圧成型してシート状薄膜に成形する工程と、
上記シート状薄膜に電極部となる金属薄膜を形成する工程と、により、湿度の感知媒体を得ることを特徴とする、湿度センサの製造方法。
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