JP4000543B2 - 信号処理装置及び信号処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号処理装置及び信号処理方法に関し、例えばオーディオ信号を光ディスクに記録する光ディスク装置と、この光ディスク、この光ディスクを再生する光ディスク装置に適用することができる。本発明は、入力信号を直交変換処理して得られる係数データに入力データを埋め込んで逆直交変換処理することにより、入力信号の品質劣化を防止して、かつ解析困難に著作権のデータ等を重畳することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスク等の記録媒体について、いわゆるウォーターマークにより著作権の保護を図る方法が提案されている。この方法は、オーディオ信号等の再生に影響を与えない程度の微小な信号レベルにより著作権に関するデータの変調信号等をオーディオ信号等に重畳するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこのようにして著作権に関するデータを重畳する場合、その分オーディオ信号等において品質の劣化を避け得ない。特にオーディオ信号においては、ビデオ信号の場合に比して、この種のデータの重畳により品質の劣化が知覚され易い。
【0004】
また直接この種のデータによりPCMオーディオデータを操作することにより、この種のデータを重畳する方法も提案されているが、この方法の場合、この種のデータが比較的容易に解析される傾向にある。
【0005】
これらによりこの種のウォーターマークによる著作権の保護においては、実用上未だ不十分な問題があった。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、入力信号の品質劣化を防止して、解析困難に著作権のデータ等を重畳することができる信号処理装置及び信号処理方法を提案しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、信号処理装置及び信号処理方法において、入力信号を直交変換処理して係数データを生成し、この係数データのうちの、所定の係数データの所定ビットを前記入力データの論理値に対応した論理値に設定することにより、前記係数データに前記入力データを埋め込み、逆直交変換処理して出力する。
【0009】
さらに信号処理装置及び信号処理方法において、入力信号を直交変換処理して係数データを生成し、この係数データより入力信号に埋め込まれたデータを再生する。
【0010】
信号処理装置及び信号処理方法において、入力信号を直交変換処理して係数データを生成し、この係数データに入力データを埋め込み、逆直交変換処理すれば、直接入力信号に入力データを埋め込む場合に比して品質劣化を知覚し難くでき、また発見困難に入力データを埋め込むことができる。
【0011】
これによりこのようにして処理された入力信号を記録媒体に記録して、例えばオーディオ信号の音質劣化を低減して、著作権のデータ等を発見困難に記録することができる。
【0012】
また信号処理装置及び信号処理方法において、入力信号を直交変換処理して係数データを生成し、この係数データより入力信号に埋め込まれたデータを再生すれば、このようにして入力信号に埋め込んだデータを検出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0014】
(1)実施の形態の構成
図2は、本発明の実施の形態に係る不正コピー検出の全体システムを示すブロック図である。この実施の形態においては、オーディオソースであるディジタルオーディオ信号DA1を記録する際に、ウォーターマークエンコーダ2により著作権の情報DCを付加して光ディスク3に記録する。ここで著作権の情報DCは、オーディオソースの著作権者、コピーを許可するか否か等の情報により構成される。
【0015】
さらにこのシステムにおいては、この光ディスク3のダビング時において、ウォーターマークデコーダ4により著作権の情報DCを検出し、コピーを許可するソースについてのみ、光磁気ディスク5、ディジタルオーディオテープレコーダ6、CD−R7等へのコピーを許可する。さらにこのようにしてコピーされた媒体であって市場にて流通する媒体においては、再生したディジタルオーディオ信号からウォーターマークデコーダ4により著作権の情報DCを検出し、これにより違法コピーを発見する。
【0016】
図1は、このウォーターマークエンコーダ2を示すブロック図である。ウォーターマークエンコーダ2において、MDCT計算部12は、順次入力されるディジタルオーディオ信号DA1を直交変換処理の1つであるMDCT変換処理し、これによりディジタルオーディオ信号DA1を周波数スペクトラム信号DSに変換する。ここで周波数スペクトラム信号DSは、ディジタルオーディオ信号DA1をMDCT変換処理して得られる係数データの集合であり、このMDCT変換処理により得られる各周波数スペクトラムの信号レベルを示す信号である。
【0017】
エンコード部13は、この周波数スペクトラム信号DSに著作権の情報DCを埋め込んで出力する。すなわちエンコード部13において、代表値計算部14は、MDCT計算部12で計算された周波数スペクトラム信号DSをサンプルブロック毎に読み込む。さらに代表値計算部14は、各サンプルブロック毎に、所定の周波数の代表値Pを検出する。ここでこの代表値Pは、ディジタルオーディオ信号DA1におけるこの所定の周波数の信号レベルを示すものである。
【0018】
すなわちMDCT変換して得られる計算結果においては、入力信号の位相に応じてスペクトラム値が変化する。しかしながらこの変化を隣接する2つのスペクトラム値(MDCT変換して得られるスペクトラム値)について見れば、π/2だけ位相がずれて、入力信号の位相に応じて三角関数的に変化することが判った。すなわちこれら2本のスペクトラムにおいては、スペクトラム値のRMS(2乗平均平方根)が位相に依存せずに一定値をとることが示された。
【0019】
またMDCT計算結果においては、入力信号が単一正弦波の場合、位相を変化させても、スペクトラムエネルギーの分布は、その殆どが理論値であるピークスペクトラム周辺の4本に集中し、これらエネルギーの集中するスペクトラムが対象とする周波数スペクトラムspeci 、その直前の1本の周波数スペクトラムspeci-1 、その直後の2本のスペクトラムspeci+1 、speci+2 となることが判った。
【0020】
これにより代表値計算部14は、この実施の形態では、周波数3〔kHz〕をこの所定の周波数に設定し、この周波数3〔kHz〕の周波数スペクトラムをspeci 、その直前の1本の周波数スペクトラム値をspeci-1 、その直後の2本のスペクトラム値をspeci+1 、speci+2 とおいて、次式の演算処理を実行する。これにより代表値計算部14は、偶数番目のスペクトラム値の絶対値和の2乗と、奇数番目のスペクトラム値の絶対値和の2乗とを加算し、その加算値の平方根を計算して目的の周波数スペクトラムの代表値Pを計算する。
【0021】
【数1】
【0022】
代表値計算部14は、このようにして計算した代表値Pと周波数スペクトラム信号とを続くビット操作部15に出力する。
【0023】
ビット操作部15は、このようにして各サンプルブロック毎に得られる代表値Pが値2n 以上か否か判断し、値2n 以上の場合、この代表値Pに著作権のデータDCを埋め込む。ここでビット操作部15は、シリアルデータの形式で著作権のデータDCを順次循環的に繰り返し、代表値Pが値2n 以上のサンプルブロックに1ビット単位で埋め込む。
【0024】
この埋め込みの処理において、ビット操作部15は、図3に示すように、所定の論理値が連続してなる代表値Pのデータ(図3(A))に対して、例えば最下位ビットより上位側4ビット目を入力データDCの極性に対応する論理値dataに設定する(図3(B))。なおこの論理レベルを設定するビットが最下位ビットに近いほど音質劣化を抑えることができるが、攻撃に対する耐性は弱くなることから、この論理レベルを設定するビットは必要に応じて適宜選定される。なおこの実施の形態では、この音質劣化を知覚困難にするために、代表値Pが値2n 以上のサンプルブロックについて選択的にビット操作の処理を実行することになる。
【0025】
ウォーターマークエンコーダ2は、このようにしてビット操作した代表値Pに基づいて代表値Pの計算に供した周波数スペクトラム値を補正した後、逆MDCT変換処理し、これにより著作権のデータDCを埋め込む。ビット操作部15は、このようにして著作権のデータDCを埋め込んだオーディオ信号を処理して著作権のデータDCを再生する際に、量子化誤差によってもこのようにして論理値を設定したビットにおいて論理値を正しく再現できるように、この論理値を設定したビット以下にオフセット値を設定する。
【0026】
すなわちこのような量子化誤差は、例えば最下位ビットに対する加減算処理により検討することができ、例えば4ビット目から最下位ビットまでを論理0に設定した場合(図3(B))、最下位ビットに値1を加算する処理においては(図3(C))、論理値dataの変化は観察されない。ところが最下位ビットより値1を減算する処理においては(図3(D))、論理値dataの変化が観察される。
【0027】
これによりビット操作部15は、少なくとも最下位ビットに対する加算及び減算により論理値dataが変化しないように、論理値dataのビットより下位ビットの論理値を設定し、これにより量子化誤差によって正しく代表値Pを再生できない場合でも著作権のデータDCを正しく検出できるようにする(図3(E))。
【0028】
ビット操作部15は、このようにしてビット操作してなる代表値Pの補正データP1を周波数スペクトラム信号DSと共に、スペクトラム補正部16に出力する。
【0029】
スペクトラム補正部16は、このようにしてビット操作した代表値Pに基づいて代表値Pの計算に供した周波数スペクトラム値を補正する。ここでスペクトラム補正部16は、次式の演算処理を実行し、これによりビット操作による代表値Pの変化分を各スペクトラム値specに応じて比例配分する。
【0030】
【数2】
【0031】
なおここでspecは、ビット操作前の代表値Pを、spec’は、ビット操作後の代表値Pを示す。これによりウォーターマークエンコーダ2は、周波数スペクトラム信号のうちの所定の周波数スペクトラム近傍の複数のスペクトラム値の2乗和のデータである代表値Pにおいて、所定ビットが入力データDCの論理値に対応した論理値dataになるように、周波数スペクトラムデータに入力データDCを埋め込む。
【0032】
さらにこのとき代表値Pの所定ビットを入力データDCの論理値に対応した論理値dataに設定することにより、所定の周波数スペクトラム近傍の狭周波数帯域にデータを分散させて入力データDCを埋め込む。
【0033】
逆MDCT(IMDCT)計算部17は、このようにして得られる周波数スペクトラムデータを逆MDCT計算し、これにより元のディジタルオーディオ信号DA1と同一の形式によりディジタルオーディオ信号DA2を出力する。
【0034】
図4は、このようにしてディジタルオーディオ信号DA1を処理するウォーターマークエンコーダ2の処理手順を示すフローチャートである。ウォーターマークエンコーダ2は、ステップSP1からステップSP2に移り、ディジタルオーディオ信号DA1を読み込む。続いてウォーターマークエンコーダ2は、ステップSP3に移り、MDCTの計算を実行して周波数スペクトラム信号を算出する。
【0035】
続いてウォーターマークエンコーダ2は、ステップSP4に移り、代表値Pを計算した後、ステップSP5において、この代表値Pが所定値以上か否か判断する。ここで肯定結果が得られると、ウォーターマークエンコーダ2は、ステップSP6に移り、この代表値Pの所定ビットを著作権のデータDCに応じた論理値に設定する。
【0036】
続いてウォーターマークエンコーダ2は、ステップSP7において、著作権のデータDCを設定したビットより下位ビットの論理値を論理0に設定し、さらに所定のオフセット値を加算し、これにより量子化誤差によっても著作権のデータDCを正しく検出できるようにする。
【0037】
続いてウォーターマークエンコーダ2は、ステップSP8に移り、代表値Pの検出に供した周波数スペクトラム値を補正し、続くステップSP9において、このようにして補正した周波数スペクトラム信号より元のディジタルオーディオ信号を再現する。これに対してウォーターマークエンコーダ2は、代表値Pが所定値に満たない場合、ステップSP6からステップSP8までの処理を実行することなく、ステップSP5から直接ステップSP9に移り、ここで元のディジタルオーディオ信号を再現する。
【0038】
ウォーターマークエンコーダ2は、このようにして元のディジタルオーディオ信号を再現すると、ステップSP10に移り、ディジタルオーディオ信号DA1の処理を完了したか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP2に戻る。これによりウォーターマークエンコーダ2は、順次サンプルブロック毎にこの処理手順を繰り返し、所定値以上の代表値Pが得られるサンプルブロックについて、代表値Pの所定ビットに著作権のデータDCを割り当てて、ディジタルオーディオ信号DA1を処理し、ステップSP10において肯定結果が得られると、ステップSP10からステップSP11に移ってこの処理手順を終了する。
【0039】
図5は、ウォーターマークデコーダ4を示すブロック図である。このウォーターマークデコーダ4は、ディジタルオーディオ信号DA3より著作権のデータDCを検出する。すなわちこのウォーターマークデコーダ4において、MDCT計算部22は、順次入力されるディジタルオーディオ信号DA3をMDCT変換処理し、これによりディジタルオーディオ信号DA3を周波数スペクトラム信号DS1に変換する。
【0040】
デコード部23は、この周波数スペクトラム信号DS1より著作権の情報DCを検出する。すなわちデコード部23において、代表値計算部24は、MDCT計算部22で計算された周波数スペクトラム信号DS1をサンプルブロック毎に読み込む。さらに代表値計算部24は、各サンプルブロック毎に、(1)式の演算処理を実行し、これにより所定の周波数の代表値Pを検出する。
【0041】
ビット検出部25は、この代表値Pがエンコード部13において判定した所定値に対応する値以上の場合、この代表値Pの所定ビットを選択的に取り込む。ビット検出部25は、このようにして順次サンプルブロックより取り込んだビット列によるデータを著作権のデータDCとして出力する。
【0042】
図6は、このウォーターマークデコーダ4の処理手順を示すフローチャートである。ウォーターマークデコーダ4は、ステップSP21からステップSP22に移り、ディジタルオーディオ信号DA3を読み込む。続いてウォーターマークデコーダ4は、ステップSP23に移り、MDCTの計算を実行して周波数スペクトラム信号DS1を算出する。
【0043】
続いてウォーターマークデコーダ4は、ステップSP24に移り、代表値Pを計算した後、ステップSP25において、この代表値Pが所定値以上か否か判断する。ここで肯定結果が得られると、ウォーターマークデコーダ4は、ステップSP26に移り、この代表値Pの所定ビットを取り込んだ後、ステップSP27に移る。
【0044】
これに対してウォーターマークデコーダ4は、代表値Pが所定値に満たない場合、ステップSP26の処理を実行することなく、ステップSP25から直接ステップSP27に移る。ここでウォーターマークデコーダ4は、ディジタルオーディオ信号DA3の処理を完了したか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP22に戻る。これによりウォーターマークデコーダ4は、順次サンプルブロック毎にこの処理手順を繰り返し、所定値以上の代表値Pが得られるサンプルブロックについて、代表値Pの所定ビットを読み出して著作権のデータDCを再生し、ステップSP27において肯定結果が得られると、ステップSP27からステップSP28に移ってこの処理手順を終了する。
【0045】
(2)実施の形態の動作
以上の構成において、光ディスクの製造工程においては、光ディスクに記録するディジタルオーディオ信号DA1がウォーターマークエンコーダ2に入力され(図1)、MDCT計算部12において、順次周波数スペクトラム信号DSに変換される。
【0046】
ここでディジタルオーディオ信号DA1は、周波数スペクトラム信号に著作権のデータDCが埋め込まれ、これによりディジタルオーディオ信号DA1に直接この種のデータを埋め込む場合、さらにはPCMオーディオ信号をこの種のデータにより操作する場合に比して、音質劣化を防止して解析困難に著作権のデータDCを埋め込むことができる。
【0047】
具体的に、周波数スペクトラム信号は、目的の周波数スペクトラムを含む狭帯域において、周波数スペクトラム値の2乗和が計算され、ディジタルオーディオ信号DA1の位相が変化しても特定周波数の信号レベルを正しく表す代表値が計算される。
【0048】
またこのとき単一周波数の正弦波をMDCT変換すると、この周波数の周波数スペクトラム、その直前の1本の周波数スペクトラム、その直後の2本のスペクトラムにエネルギーが集中することにより、目的周波数の周波数スペクトラム値、その直前の1本の周波数スペクトラム値、その直後の2本のスペクトラム値が選択され、これらスペクトラム値より偶数番目のスペクトラム値の絶対値和の2乗と、奇数番目のスペクトラム値の絶対値和の2乗とが加算され、その加算値の平方根により目的の周波数スペクトラムの代表値Pが計算される。
【0049】
これによりディジタルオーディオ信号DA1は、この代表値Pの値を設定して著作権のデータを埋め込むことにより、著作権のデータDCを再生する際にオーディオ信号のサンプリング位相が変化した場合でも、このウォーターマークエンコーダ2において設定した値とほぼ同一の値により代表値を検出することが可能となる。
【0050】
かくしてディジタルオーディオ信号DA1は、この代表値Pの所定ビットが著作権のデータDCに対応する論理値に設定されて代表値Pが補正され、代表値Pの算出に供した4つの周波数スペクトラム値がこの補正した代表値Pに応じて補正される。さらにこの補正された周波数スペクトラム値による周波数スペクトラム信号が逆MDCT変換処理され、これによりディジタルオーディオ信号DA1に著作権のデータDCが埋め込まれる。
【0051】
このときこの4つの周波数スペクトラム値を補正して著作権のデータDCを埋め込むことにより、著作権のデータDCを狭帯域に分散させて埋め込むことができ、これにより攻撃に対する耐性や秘匿性等を向上することができる。
【0052】
さらに代表値Pが所定値以上の場合に限り、このように著作権のデータDCを埋め込むことにより、ディジタルオーディオ信号DA1の音質劣化を有効に回避して、また著作権のデータDCを発見困難にすることができる。
【0053】
また著作権のデータDCにより論理値を設定したビット以下において、少なくとも最下位ビットに対する加算及び減算により著作権のデータDCによる論理値が変化しないように、所定のオフセット値が設定され、これにより著作権のデータを再生する際に、量子化誤差によりオーディオ信号のサンプリング値が変化した場合でも、正しく著作権のデータDCを再生することが可能となる。
【0054】
すなわちこのようにしてディジタルオーディオ信号DA1に埋め込まれた著作権のデータDCにおいては、ディジタル信号の形式により、またアナログ信号の形式によりダビングする場合でも、そっくりそのままダビングされることになる。
【0055】
これによりこのようにしてダビングする際に、またダビングされたソースを再生して、このディジタルオーディオ信号DA1に重畳された著作権のデータDCを確認して種々の違法コピー対策を実施することが可能となる。
【0056】
すなわちこのようにして種々のソースより得られるディジタルオーディオ信号DA3は、ウォーターマークデコーダ4(図5)のMDCT計算部22において周波数スペクトラム信号に変換され、続く代表値計算部24において、ウォーターマークエンコーダ2における場合と同様にして代表値Pが計算される。またこのようにして計算された代表値Pより特定のビットが抽出され、これにより著作権のデータDCが再生される。
【0057】
(3)実施の形態の効果
以上の構成によれば、ディジタルオーディオ信号を直交変換の1つである改良離散コサイン変換処理して得られる周波数スペクトラムデータに著作権のデータを埋め込んで逆改良離散コサイン変換処理することにより、ディジタルオーディオ信号の品質劣化を防止でき、かつ解析困難に著作権のデータ等を重畳することができる。
【0058】
さらにこのとき代表値Pにより、間接的に、所定の周波数のスペクトラム値の所定ビットを著作権のデータの論理値に対応した論理値に設定し、これにより周波数スペクトラムデータに入力データを埋め込むことにより、著作権のデータを発見困難に埋め込むことができる。
【0059】
さらに所定の周波数スペクトラム近傍の複数のスペクトラム値の2乗和のデータである代表値Pの所定ビットが著作権のデータの論理値に対応した論理値になるように、入力データを埋め込むことにより、異なるサンプリング位相により著作権のデータを検出する場合でも、確実に著作権のデータを検出することができる。
【0060】
またこのとき補正した代表値Pに応じて、代表値Pの算出に供した複数のスペクトラム値を補正して処理することにより、秘匿性を向上することができる。
【0061】
また代表値Pにおいて、少なくとも最下位ビットに対する加算及び減算により著作権による論理値が変化しないように下位ビットの論理値を設定することにより、量子化誤差によりサンプリング値が変化した場合でも、確実に著作権のデータを検出することができる。
【0062】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、4本のスペクトラム値より計算した2乗和の平方根を計算して代表値を計算する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、実用上十分な範囲においては2乗和を代表値として使用してもよい。このようにすればその分全体構成を簡略化することができる。
【0063】
また上述の実施の形態においては、4本のスペクトラム値より、偶数番目のスペクトラム値の絶対値和の2乗値と、奇数番目のスペクトラム値の絶対値和の2乗値とを加算して代表値を計算する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、実用上十分な精度を確保できる場合には、目的とする周波数スペクトラム値と隣接するスペクトラム値とにより代表値を計算してもよく、さらに精度を求める場合には、4本以上のスペクトラム値より代表値を計算してもよい。
【0064】
また上述の実施の形態においては、代表値を介して間接的に周波数スペクトラム値を操作して著作権のデータを埋め込む場合について述べたが、本発明はこれに限らず、直接周波数スペクトラム値をビット操作して著作権のデータを埋め込んでもよい。
【0065】
また上述の実施の形態においては、1のサンプルブロックで、かつ代表値が所定値以上の場合に、著作権のデータを1ビット埋め込む場合について述べたが、本発明はこれに限らず、1のサンプルブロックに複数ビットを埋め込むようにしてもよい。
【0066】
さらに上述の実施の形態においては、著作権のデータを埋め込む場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じて種々の情報を重畳して伝送する場合に広く適用することができる。
【0067】
また上述の実施の形態においては、光ディスクにディジタルオーディオ信号を記録し、また再生する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばインターネットを介して種々の情報を伝送する場合等に広く適用することができる。
【0068】
また上述の実施の形態においては、直交変換の1つであるMDCT変換によりディジタルオーディオ信号を周波数スペクトラム信号に変換し、またこれとは逆に逆MDCT変換処理により周波数スペクトラム信号をディジタルオーディオ信号に変換する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば映像信号に適用してディスクリートコサイン変換処理、ハール変換処理する場合等、種々の直交変換による処理に広く適用することができる。
【0069】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、入力信号を直交変換処理して得られる係数データに入力データを埋め込んで逆直交変換処理することにより、入力信号の品質劣化を防止でき、かつ解析困難に著作権のデータ等を重畳することができる信号処理装置、信号処理方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るウォーターマークエンコーダを示すブロック図である。
【図2】図1のウォーターマークエンコーダを適用した不正コピーの処理システムを示す略線図である。
【図3】図1のウォーターマークエンコーダのビット操作部の処理の説明に供する略線図である。
【図4】図1のウォーターマークエンコーダの処理の説明に供するフローチャートである。
【図5】図2のウォーターマークデコーダを示すブロック図である。
【図6】図5のウォーターマークデコーダの処理の説明に供するフローチャートである。
【符号の説明】
2……ウォーターマークエンコーダ、4……ウォーターマークデコーダ、12、22……MDCT計算部、14、24……代表値計算部、15……ビット操作部、16……スペクトラム補正部、17……逆MDCT計算部、25……ビット検出部
Claims (7)
- 入力信号を直交変換処理して係数データを生成する直交変換手段と、
前記係数データに入力データを埋め込んで出力する入力データ処理手段と、
前記入力データ処理手段の出力データを逆直交変換処理して出力する逆直交変換手段とを備え、
前記入力データ処理手段は、
前記係数データのうちの、所定の係数データの所定ビットを前記入力データの論理値に対応した論理値に設定することにより、前記係数データに前記入力データを埋め込む
ことを特徴とする信号処理装置。 - 入力信号を直交変換処理して係数データを生成し、
前記係数データに入力データを埋め込んだ後、逆直交変換処理して出力し、
前記係数データのうちの、所定の係数データの所定ビットを前記入力データの論理値に対応した論理値に設定することにより、前記係数データに前記入力データを埋め込む
ことを特徴とする信号処理方法。 - 前記係数データに前記入力データを埋め込む際に、少なくとも最下位ビットに対する加算及び減算により前記所定ビットの論理値が変化しないように、前記所定ビットより下位ビットの論理値を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の信号処理方法。 - 前記入力信号は、
オーディオ信号であり、
前記直交変換処理は、
前記入力信号を改良離散コサイン変換処理して周波数スペクトラムデータによる前記係数データを生成する改良離散コサイン変換処理であり、
前記逆直交変換処理は、
前記周波数スペクトラムデータによる前記係数データを逆改良離散コサイン変換処理する逆改良離散コサイン変換処理である
ことを特徴とする請求項2に記載の信号処理方法。 - 前記周波数スペクトラムデータのうちの所定の周波数スペクトラム近傍の複数のスペクトラム値の2乗和のデータにおいて、所定ビットが前記入力データの論理値に対応した論理値になるように、前記周波数スペクトラムデータに前記入力データを埋め込む
ことを特徴とする請求項4に記載の信号処理方法。 - 前記周波数スペクトラムデータのうちの所定の周波数スペクトラム近傍の複数のスペクトラム値の2乗和のデータを検出し、
前記2乗和のデータにおいて、所定ビットを前記入力データの論理値に対応した論理値に設定して前記2乗和の補正データを生成し、
前記2乗和の補正データに応じて、前記複数のスペクトラム値を補正することにより、前記周波数スペクトラムデータに前記入力データを埋め込む
ことを特徴とする請求項4に記載の信号処理方法。 - 前記周波数スペクトラムデータのうちの所定の周波数スペクトラム近傍の複数のスペクトラム値の2乗和のデータを検出し、
前記2乗和のデータにおいて、所定ビットを前記入力データの論理値に対応した論理値に設定すると共に、少なくとも最下位ビットに対する加算及び減算により前記所定ビットの論理値が変化しないように、前記所定ビットより下位ビットの論理値を設定して前記2乗和の補正データを生成し、
前記2乗和の補正データに応じて、前記複数のスペクトラム値を補正することにより、前記周波数スペクトラムデータに前記入力データを埋め込む
ことを特徴とする請求項4に記載の信号処理方法。
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