JP4000489B2 - 水分添加を伴うガス化炉の制御方法 - Google Patents
水分添加を伴うガス化炉の制御方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、重質油等を用いたガス化複合発電において最も経済的にガス化を行うためのガス化炉制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス化複合発電等に用いる石炭のガス化炉には、固定床炉,流動床炉,噴流床炉,溶融床炉等があり、噴流床炉としては図5に模式的に示す炉が知られている。この炉はダウンフロー形のガス化炉であり、石炭を水でスラリー化し、高圧のスラリーポンプで炉内に供給してガス化している。かかる炉では、スラリー中の水分量はポンプによる供給条件から定まり、このスラリー中の石炭と水分量の比率はほぼ一定している。従って、炉の運転における残る制御因子は酸化剤(酸素又は空気)だけであり、スラリーと酸化剤の比率を制御することにより生成ガスの性状が制御される。すなわち、かかるガス化炉では、制御因子が2つだけであるため、ガス化炉を最適状態で制御する方法はほぼ確立されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、石炭をそのまま用いる場合や重質油燃料のように水分を含まない燃料をガス化する場合(以下、重質油等という)には、図6に模式的に示すように、ガス化炉に供給する燃料,酸化剤,及び水分(水又は水蒸気)の3つの制御因子を制御する必要があり、この制御により生成ガスの炭素転換率,ガス化温度,及び冷ガス効率が変化する。従って、スラリーを用いたガス化炉に比較して、重質油等では制御因子が3つになるため、ガス化炉を最適条件で運転するのが困難になる。なお、炭素転換率とは燃料中の炭素が生成ガスに転換される割合であり、冷ガス効率とは、燃料の高位発熱量に対する生成ガスの高位発熱量の割合である。
【0004】
ガス化炉では使用する酸化剤と水分の量は少ないほどよく、逆に炭素転換率や冷ガス効率は高いほどよいが、従来のガス化炉ではこれらを最適化することは上述のように困難であり、ある意味で盲運転に近い運転がなされていた。すなわち、酸化剤量と水分量を十分大きくして運転し、これを徐々に少なくしながら排出される灰やガス化ガスを分析し、灰中の未燃分やガス中の炭素析出が最小限になるように、酸化剤量と水分量を定めて運転していた。
【0005】
しかし、かかる制御方法では、灰やガス化ガスの分析に時間がかかるため、最適条件に至るまでに相当に時間がかかり、その間、ガス化炉を不安定で効率の低い状態で運転せざるを得ない問題点があった。また、ガス化炉の負荷が変化すると、これに応じて運転条件が変わるため、負荷変動に十分応答できない問題点があった。
【0006】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、炭素析出がない完全ガス化が可能であり、かつ酸化剤と水分を浪費することなく、短時間に最適条件で運転でき、負荷変動にも直ちに応答できる水分添加を伴うガス化炉の制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、炭素,水素,酸素の平衡関係から炭素析出等温線を求め、該炭素析出等温線と熱バランスから水分/炭素比と酸素/炭素比の炭素析出境界線を求め、次いで酸素/炭素比,水分/炭素比,及びガス化温度の運転可能領域内において、前記境界線の炭素非析出側条件に酸素量及び水分量を設定する、ことを特徴とする水分添加を伴うガス化炉の制御方法が提供される。
【0008】
また、本発明の好ましい実施形態によれば、前記運転可能領域内において、酸素/炭素比の最小値に酸素量を設定し、かつこれに対応する水分量とガス化温度に設定する、ことが好ましい。
【0009】
上記本発明の方法によれば、後述する G.A.White等により提唱されているガス化原料中の炭素,水素,酸素の原子比に対する炭素析出等温線を利用することにより、炭素析出のない完全ガス化が可能な酸化剤と添加水分の関係を求めて、その関係において、最も経済性或いはプラント効率が高い運転点を決めて制御因子である酸化剤と添加水分量を決定することができる。
【0010】
従って、本発明の制御方法により、例えば重質油のような水分を含まない燃料をガス化するガス化複合発電において、酸化剤と添加水分量が最も経済的となるにように制御して運転することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付して使用する。
図1は、 G.A.White等により提唱されている炭素析出等温線の一例である(Hydrocarbon Processing, July, p131, 1975)。この図は、ガス化炉に投入する原料中の炭素,水素,酸素の原子比に対する炭素析出の関係であり、図中の各曲線は一定の温度における炭素析出と非析出の境界線を示し、各線の図中上側(C側)は炭素析出領域、下側は炭素非析出領域を示している。
【0012】
この図から、供給した原料中の炭素,水素,酸素の原子比を知れば、ある温度,圧力における炭素析出の可能性を推定でき、原料組成を表す点がこの線より炭素側にあるときは炭素析出が起こり、反対側ならば析出が起こらないことがわかる。
【0013】
図2は、図1の炭素析出等温線と熱バランスから得られる水分/炭素比(S/C比)と酸素/炭素比(O/C比)の炭素析出境界線の模式図である。この図において、複数の曲線1は、図1の炭素析出等温線から得られるガス化温度一定における炭素析出等温線1であり、ガス化温度は図に矢印で示す方向に増加する。またこの等温線上の○印は、各温度において、原料供給条件により熱バランスする点を示している。従って、○印を結ぶ線2(炭素析出境界線と呼ぶ)上では、炭素析出等温線(炭素,水素,酸素の平衡関係)とガス化炉における熱バランスの両方が満たされることになる。
【0014】
図3は、ガス化炉の運転可能領域を示す図である。この図において、横軸は水分/炭素比(S/C比)、縦軸はガス化温度であり、許容蒸気量の最大値と最小値からS/C比の範囲が定まり、ガス化炉の最高許容温度と最低許容温度からガス化温度の範囲が定まる。また、酸素/炭素比(O/C比)が一定の線は、この図では右下がりの斜め線になり、O/C比の運転可能領域もその最大値と最小値から定められる。従って、ガス化炉の運転可能領域3は、図に示す6角形の内側であらわすことができ、この範囲内でガス化炉の運転が可能であることがわかる。
【0015】
なお、図3における最高許容温度は、ガス化炉の耐火材が耐えうる温度の限界であり、最低許容温度はガス化が促進される最低温度である。また、最大許容蒸気量は、プラントから供給できる最大蒸気量であり、最小許容蒸気量は、ガス化炉の制約等で許容される最低水蒸気量である。
【0016】
図4は、図3に図2で求めた炭素析出境界線2(炭素析出等温線と熱バランスの両方が満たされる関係)を組み込んだ図である。この図において、炭素析出境界線2がどの様な線(曲線又は直線)となるかは、燃料の性状,酸化剤,添加水蒸気の供給条件によって決まる。
図4において、本発明の方法によれば、各原料供給条件によって決まる境界線2上で最も経済的に有利な点を制御因子として採用する。どの点を選ぶかはプラントの目的等によって異なるが、例えば経済性を重視する場合に、通常は酸素消費量が蒸気消費量に比べて影響が大きいので、運転可能領域内において、酸素/炭素比(O/C比)の最小値の点Aを制御点としてそのO/C比から酸化剤量を設定し、更にA点に対応する水分/炭素比(S/C比)から水分量とガス化温度に設定する、ことにより、酸化剤と添加水分量が最も経済的となるにように制御して運転することができる。
【0017】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0018】
【発明の効果】
上述したように本発明の方法によれば、ガス化原料中の炭素,水素,酸素の原子比に対する炭素析出等温線を利用することにより、炭素析出のない完全ガス化が可能な酸化剤と添加水分の関係を求めて、その関係において、最も経済性或いはプラント効率が高い運転点を決めて制御因子である酸化剤と添加水分量を決定することができ、例えば重質油のような水分を含まない燃料をガス化するガス化複合発電において、酸化剤と添加水分量が最も経済的となるにように制御して運転することができる。
【0019】
従って、本発明の水分添加を伴うガス化炉の制御方法は、炭素析出がない完全ガス化が可能であり、かつ酸化剤と水分を浪費することなく、短時間に最適条件で運転でき、負荷変動にも直ちに応答できる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭素析出等温線の一例である。
【図2】水分/炭素比(S/C比)と酸素/炭素比(O/C比)の炭素析出境界曲線の模式図である。
【図3】ガス化炉の運転可能領域を示す図である。
【図4】図3に図2の関係線Bを組み込んだ図である。
【図5】噴流床炉の模式的構成図である。
【図6】ガス化炉の制御因子と制御結果の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 炭素析出等温線
2 炭素析出境界線
3 ガス化炉の運転可能領域
S/C比 水分/炭素比
O/C比 酸素/炭素比
Claims (2)
- 炭素,水素,酸素の平衡関係から炭素析出等温線を求め、該炭素析出等温線と熱バランスから水分/炭素比と酸素/炭素比の炭素析出境界線を求め、次いで酸素/炭素比,水分/炭素比,及びガス化温度の運転可能領域内において、前記境界線の炭素非析出側条件に酸素量及び水分量を設定する、ことを特徴とする水分添加を伴うガス化炉の制御方法。
- 前記運転可能領域内において、酸素/炭素比の最小値に酸素量を設定し、かつこれに対応する水分量とガス化温度に設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の水分添加を伴うガス化炉の制御方法。
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JP02888496A JP4000489B2 (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | 水分添加を伴うガス化炉の制御方法 |
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JP02888496A JP4000489B2 (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | 水分添加を伴うガス化炉の制御方法 |
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- 1996-02-16 JP JP02888496A patent/JP4000489B2/ja not_active Expired - Fee Related
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