JP3998431B2 - 音声信号記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は音声信号記録装置関し、特に、二か国語放送及びステレオ放送等の音声多重放送の音声信号を多重方式に応じて扱うものに関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン(TV)放送等の映像信号及び音声信号を記録し又は再生する装置としては、ビデオテープレコーダ(VTR)又はビデオカセットレコーダ(VCR)が従来一般的であった。VTRでは磁気テープが記録媒体であった。
【0003】
一方、映像信号及び音声信号再生装置としてVTRとは別に、DVDプレーヤが近年普及し始めている。DVDプレーヤではDVD(Digital Versatile Disc)という光ディスクが映像信号及び音声信号の記録媒体である。DVDプレーヤのようにDVDの再生のみを行う装置等について、DVDビデオ規格が定められている。
【0004】
DVDには磁気テープに比べ次のような利点がある。まず、DVDのサイズは例えば直径約12cm及び厚さ約1mmであり、磁気テープに比べて小さい。そのように小さいサイズであっても、DVDは磁気テープと同程度に大容量である。例えばDVDビデオ規格では、DVDは映像信号及び音声信号等を約4.7Gバイト程度記録できる。このデータ量は平均的な映画の一本分、すなわち135分程度の時間の映像及び音声に相当する。このように、DVDは上記の小さいサイズで十分な時間の映像信号及び音声信号を高密度に記録できる。それ故、DVDは同じデータ量の磁気テープに比べて保管場所を低減できる。
【0005】
次に、DVDビデオ規格のデータフォーマットは、パーソナルコンピュータ(パソコン)用データ記録媒体であるDVD−ROMと共通である。従って、パソコンのDVD−ROMドライブにより、DVDに記録された映像をパソコンのディスプレイで再生できる。
以上の利点の他にDVDでは、記録された映像のタイトルごとのランダムアクセスを、磁気テープに比べて高速に実行できる。
以上のような利点を有するので、磁気テープに代わる映像及び音声用記録媒体として、DVDは期待されている。
【0006】
VTRではデータの記録及び再生がいずれも可能であった。しかし、DVDプレーヤではデータの再生のみが可能であった。ユーザにとっては、DVDへ映像及び音声を自ら記録できるようにすることが望ましい。特に、従来のVTRと同様に、TV放送の番組をDVDへ録画できることが望ましい。
そこで、ユーザによりデータを記録できるDVDとして、DVD−R、DVD−RAM及びDVD−RWが開発されている。DVD−Rはデータを一度だけ記録できるDVDである。DVD−RAM及びDVD−RWは、データを複数回書き換えできるDVDである。更に、これらの記録可能なDVDへ映像及び音声を記録できるDVDビデオカメラ、及び、TV放送の番組を録画できるDVDビデオレコーダが開発されている。
【0007】
DVDビデオカメラ及びDVDビデオレコーダは再生専用のDVDビデオ規格に代えて、DVDビデオレコーディング規格に準拠している。DVDビデオレコーディング規格はDVDビデオ規格と様々な点で異なる。特に、音声信号のフォーマットが以下に述べるように異なっている。
【0008】
DVDビデオ規格では、映像信号及び音声信号がそれぞれビデオストリーム及びオーディオストリームとして記録される。DVDビデオ規格では、オーディオストリームに記録された音声信号の多重方式(多重モードともいう)をそのオーディオストリームの音声属性と呼ぶ。音声属性は例えば、モノラル(1チャンネル)、ステレオ(2チャンネル)、二か国語放送等のデュアルモノラル(2チャンネル)、及び5.1チャンネルサラウンド(6チャンネル)を含む。
【0009】
DVDビデオ規格では、一つのオーディオストリームの音声属性は一つのタイトル内で一種類に限定されている。従って、DVDビデオ規格では一つのタイトルの途中で音声属性を変更してはならない。例えば、ステレオからデュアルモノラルへの切り換えを、同じオーディオストリームについて行ってはならない。そこで、DVDビデオ規格に準拠のDVDプレーヤは、次のようにして再生音声信号の多重方式を一つのタイトル内で変更している。
DVDのオーサリング時、一つのタイトルに対して二以上のオーディオストリームを記録する。それぞれのオーディオストリームの音声属性は互いに異なる。それらのオーディオストリームのいずれかを映像信号の再生に合わせて切り換える。それにより、DVDプレーヤは再生音声信号の多重方式を一つのタイトル内で変更できる。
【0010】
更に、上記のような一つのタイトルに対する複数のオーディオストリームの記録は、次のような利点も有する。例えばDVDに映画を記録する場合、英語、日本語及びフランス語等、複数国の言語で台詞を記録する。それぞれの言語は別々のオーディオストリームに記録される。こうして、同一のDVDに記録された映画が、複数国の言語の中からいずれかを選択して鑑賞できる
【0011】
DVDビデオレコーディング規格では、DVDビデオ規格とは異なり、一つのオーディオストリームの音声属性が一つのタイトル内で複数であっても良い。何故なら、DVDビデオレコーディング規格で定義されたデータフォーマットでは例えば、オーディオストリームの中で音声信号の多重方式がいつどのように変化しているか、についての情報(以下、音声信号の多重方式情報という)をリアルタイムで記録できるからである。その結果、DVDビデオレコーディング規格では多重方式情報に基づいて、音声信号の多重方式をタイトルの途中でリアルタイムに変更できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにユーザ自らがDVDに対して記録できるので、DVDビデオレコーディング規格に準拠のDVDレコーダ等が急速に普及し始めている。それに伴って、DVDレコーダにより記録されたDVD等、DVDビデオレコーディング規格に従って映像信号及び音声信号を記録したDVDが増加している。しかし、それらのDVDは、上記の通り音声信号のフォーマットの相違により、従来のDVDビデオ規格に準拠のDVDプレーヤでは再生できなかった。
【0013】
そこで本発明は、音声信号の多重方式情報を記録できる音声信号記録装置であって、多重方式情報を参照しない音声信号再生装置により再生できるフォーマットで音声信号を記録媒体へ記録できる音声信号記録装置、の提供を目的とする。そのような音声信号記録装置が例えばDVDビデオレコーディング規格に準拠であれば、その音声信号記録装置で記録されたDVDを、DVDビデオレコーディング規格に準拠の音声信号再生装置はもちろん、DVDビデオ規格に準拠の音声信号再生装置でも再生できるようにする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による音声信号記録装置は、外部から少なくとも一つの多重音声信号を入力するための少なくとも一つの多重音声信号入力部;
(a) 前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号の多重方式を判別し、その判別結果を多重方式情報として出力するための多重方式判別部、又は、(b) 外部から前記多重音声信号の多重方式情報を入力するための多重方式情報入力部、のいずれか;前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号から複数の音声信号を分離して抽出し、複数の抽出音声信号として出力するための音声信号抽出部;前記抽出音声信号を含む入力音声信号を入力し、その入力音声信号の内少なくとも一つを出力音声信号として出力し、その出力音声信号を所定の入力に応じて切り換えるためのスイッチ;前記スイッチからの前記出力音声信号に基づいて記録用音声信号を生成するための記録用音声信号生成部;及び、前記記録用音声信号と前記多重方式情報とをそれぞれ別のファイルとして記録媒体へ記録するための記録部;を有し、
前記記録部は前記多重方式情報を一時記憶するための一時記憶部を有し、前記一時記憶部は前記多重方式情報をその経過時間情報と合わせて多重方式情報ファイルを形成し、前記記憶部は前記記録用音声信号ファイルを前記記録媒体へ記録し終った後、当該記録用音声信号ファイルに対応する前記多重方式情報ファイルを前記一時記憶部から読み出し、前記記録用音声信号とは別のファイルとして前記記録媒体へ記録するよう構成されている
【0015】
ここで、音声信号の多重方式には、例えばモノラル(1チャンネル)、ステレオ(2チャンネル)、二か国語放送等のデュアルモノラル(2チャンネル)、及び、5.1チャンネルサラウンド(6チャンネル)が含まれる。
【0016】
上記の音声信号記録装置では、音声信号とは別なファイルとしてその音声信号の多重方式情報のファイルを記録できる。従って、上記の音声信号記録装置により記録された音声信号を再生する場合、多重方式情報を参照するかしないかを音声信号再生装置が選択できる。
【0017】
例えば、上記の音声信号記録装置がDVDビデオ規格に対応している場合を想定する。その場合、上記の音声信号記録装置で記録された音声信号等のデータの構成は、DVDビデオ規格で規定された部分に加えて、DVDビデオ規格では規定されていない部分、すなわち多重方式情報ファイルを有する。しかし、DVDビデオ規格に準拠の音声信号再生装置はその音声信号の再生時に、その多重方式情報ファイルを参照しないようにできる。それ故、DVDビデオ規格に準拠の音声信号再生装置は従来の構成を拡張することなく、上記の音声信号記録装置で記録された音声信号を再生できる。
【0018】
上記の音声信号記録装置では多重方式情報が、多重方式判別部により入力した多重音声信号から判別され、又は、多重方式情報入力部を通して外部から入力される。ここで、多重方式情報入力部による多重方式情報の入力とは、例えば、ネットワーク通信により多重音声信号の多重方式情報をその多重音声信号とは別のパケットで受信する場合を含む。その場合、多重音声信号はその多重方式情報を含んでいなくても良い。
【0019】
上記の音声信号記録装置が、前記スイッチへの前記入力音声信号のそれぞれのフォーマットを前記スイッチへの入力前に変換し、所定のものに揃えた後前記スイッチへ出力するためのフォーマット変換部、を更に有しても良い。そのような音声信号記録装置では、入力された多重音声信号のフォーマットが記録途中で変化する場合、又は、多重音声信号が複数でありかつそれぞれのフォーマットが異なる場合、フォーマット変換部が記録用音声信号生成部へ入力される音声信号のフォーマットを共通なものに変換できる。従って、記録用音声信号生成部が記録用音声信号のフォーマットを容易に揃え得る。それ故、音声信号再生装置が、例えばDVDビデオ規格のように一つのタイトル内で音声信号のフォーマットを一種類に限定していても、上記の音声信号記録装置により記録された音声信号を再生できる。
【0020】
ここで、タイトルとは、記録の開始から終了までに上記の音声信号記録装置に入力される多重音声信号の全体をいう。ユーザは例えばボタン等の機械的スイッチで、多重音声信号の記録開始及び終了をリアルタイムで操作する。又は、ユーザは上記の音声信号記録装置に対して記録開始及び終了の時刻を、記録開始前に予め設定する。上記の音声信号記録装置はそれぞれの時刻で自動的に記録を開始し及び終了する。
【0021】
上記の音声信号記録装置が、前記抽出音声信号に基づいて合成音声信号を合成するための音声信号合成部、を更に有し、
前記スイッチへの前記入力音声信号が前記合成音声信号を更に含むこと、
を特徴としても良い。
そのような音声信号記録装置では、入力された多重音声信号から新たに合成音声信号を合成できる。それにより、例えば、入力された多重音声信号のチャンネルが記録途中で減少する場合、上記の音声信号記録装置は減少したチャンネルと同数のチャンネルの合成音声信号を合成し、元の多重音声信号に付加できる。従って、記録用音声信号のチャンネル数を一つのファイル内で一定にできる。それ故、音声信号再生装置が例えばDVDビデオ規格のように一つのタイトル内では音声信号のチャンネル数を一定に限っていても、上記の音声信号記録装置により記録された音声信号を再生できる。
【0022】
上記の本発明による音声信号記録装置では、前記記録用音声信号生成部が、前記出力音声信号に対して高能率符号化を行うための高能率符号化部を有しても良い。それにより、上記の音声信号記録装置は記録用音声信号の情報量を、入力された多重音声信号に比べて低減できる。その結果、上記の音声信号記録装置は多重音声信号を、記録媒体に対して高密度に記録できる。
【0023】
上記の本発明による音声信号記録装置では、記録部が記録用音声信号のファイルの一つを実質的な中断なしで連続に記録できる。特に、記録媒体上の物理フォーマットにおいて、記録用音声信号のファイルごとの記録領域を実質的に連続にできる。すなわち、例えば、映像信号、副映像(サブピクチャ)信号、同期信号、記録媒体上のアドレス情報及び誤り訂正用符号等、多重方式情報以外のデータの記録領域を間に挟んでいる点を除き、記録用音声信号のファイルごとの記録領域を連続にできる。それ故、音声信号再生装置が、例えばDVD−RのようにDVD上の実質的に連続した記録領域に記録された音声信号を連続に再生するようなものであっても、上記の音声信号記録装置により記録された音声信号を再生できる。
【0024】
上記の一時記憶部に一時記憶されるデータは好ましくは、記録用音声信号ではなく多重方式情報である。何故なら、多重方式情報の情報量は記録用音声信号に比べてかなり小さいので、一時記憶部の容量を小さく抑え得るからである。
【0025】
前記記録部が一つのファイルに含まれた前記記録用音声信号を前記記録媒体上の実質的に連続した記録領域へ記録すること、を、上記の本発明による音声信号記録装置が特徴としても良い。
記録用音声信号の一つのファイルが記録媒体上の実質的に連続した記録領域に記録されている。それ故、音声信号再生装置が、例えばDVD−RのようにDVD上の実質的に連続した記録領域から音声信号を連続に再生するようなものであっても、上記の記録用音声信号を連続に再生できる。
更に、上記の音声信号記録装置では、記録部が記録用音声信号を記録媒体に、実質的に一定の記録速度で記録できる。それ故、記録部の記録を容易に制御できる。その上、上記の音声信号記録装置により記録された音声信号の連続的な再生が容易にできる。
【0026】
上記の本発明による音声信号記録装置が、
前記記録用音声信号と前記多重方式情報とを一時記録するための一時記録媒体を更に有し、
前記記録部が前記記録用音声信号と前記多重方式情報とを前記一時記録媒体へ一時記録し、その後前記一時記録媒体から前記記録媒体へ転送し、それぞれ別のファイルとして記録すること、
を特徴としても良い。
それにより、上記の音声信号記録装置が記録媒体を装着していない時に、記録用音声信号及び多重方式情報を一時記録媒体に一時記録できる。一時記録媒体に一時記録された記録用音声信号及び多重方式情報は、適当な時期に記録媒体へ記録できる。
【0027】
前記一時記録媒体は半導体メモリであっても良い。半導体メモリは音声信号記録用として一般的な記録媒体、例えばDVD等と比べて、データを高速に書き込み得る。それ故、記録部の記録時に次のようなバッファとして使用できる。
記録部によるファイルの作成等のデータの処理速度は一般に、記録媒体へのデータの書き込みの速度より速い。そこで、ファイルの作成等の処理後記録媒体に書き込まれるまで、データを一時記録媒体に記録し、それにより上記の速度の差を補償できる。
その他に、例えば記録用音声信号等の情報量が記録媒体の容量を超えた時に、その記録媒体に代えて一時記録媒体にデータを記録できる。
【0028】
上記とは別に、前記一時記録媒体がハードディスクであっても良い。ハードディスクは音声信号記録用として一般的な記録媒体、例えばDVD等と比べて同程度以上の大きな容量を有する。従って、上記の音声信号記録装置では、記録用音声信号のファイル全体を記録媒体への記録前に、ハードディスクに一時記録できる。それ故、例えば、適当な音声信号再生装置で記録用音声信号のファイル全体をハードディスクから再生し、その再生音声全体を記録媒体への記録前に確認できる。
【0029】
前記スイッチへの前記所定の入力が前記多重方式情報を含むこと、を上記の本発明による音声信号記録装置が特徴としても良い。
その多重方式情報が前記多重方式判別部からの出力である場合、スイッチはその多重方式情報から多重方式の変更をリアルタイムに判別し、出力音声信号をリアルタイムに切り換えて出力できる。それ故、記録用音声信号生成部及び記録部は多重方式の変更時に中断することなく、連続して音声信号を処理できる。その結果、多重方式の変更に関わらず、記録用音声信号のファイル全体が記録媒体上に連続に記録される。
【0030】
スイッチへの所定の入力が含む多重方式情報が前記多重方式情報入力部からの出力である場合、例えば、スイッチは入力音声信号に対応する多重方式情報をその入力音声信号より先に入力できる。それにより、多重方式の変更を予め判別しておいた上で、その判別結果に合わせて出力音声信号をリアルタイムに切り換えて出力できる。それ故、記録用音声信号生成部及び記録部は多重方式の変更時に中断することなく、連続して音声信号を処理できる。その結果、多重方式の変更に関わらず、記録用音声信号のファイル全体が記録媒体上に連続に記録される。
【0031】
(A) 前記記録用音声信号生成部が、(a) 前記スイッチからの前記出力音声信号に対して所定のディジタル信号処理を行うためのディジタル信号処理部、及び、(b) 前記ディジタル信号処理と同期して同期信号を生成するための同期信号生成部、を含むこと;並びに、
(B) 前記スイッチが前記同期信号に同期して前記出力音声信号を切り換えること;
を、上記の本発明による音声信号記録装置が特徴としても良い。
【0032】
上記の音声信号記録装置では、スイッチが複数の出力音声信号を出力している時、それらの出力音声信号を同時に切り換え得る。それ故、あるチャンネルの音声信号が切り換えられずに出力音声信号の中に残されて記録用音声信号内に雑音として混合されること、を回避できる。
更に、スイッチが出力音声信号を、記録用音声信号生成部のディジタル信号処理と同期して切り換え得る。それ故、記録用音声信号生成部によるディジタル信号処理時にスイッチの切り換え前後で一方の記録用音声信号の一部が欠落して他方の記録用音声信号に混合すること、を回避できる。その結果、スイッチの切り替えとディジタル信号処理との同期のずれに起因する雑音が再生音声に含まれること、を回避できる。
【0033】
上記の本発明による音声信号記録装置が、前記入力音声信号又は前記出力音声信号のいずれか又はその両方に対して、前記スイッチへの前記所定の入力に応じて、(a) 前記スイッチによる前記出力音声信号の切り換え前にフェードアウトを行い、(b) 前記スイッチによる前記出力音声信号の切り換え後に前記入力音声信号のフェードインを行う、ためのフェード部、を更に有しても良い。
それにより、再生音声の音量を、スイッチによる出力音声信号の切り換え時に相当する箇所の前で徐々に小さくし、その箇所の後で徐々に大きくできる。その結果、スイッチによる出力音声信号の切り換え時に相当する箇所で、再生音声が不自然に途切れること、その音量を不連続に変化させること、及び、雑音を含むことを回避できる。
【0034】
上記の本発明による音声信号記録装置が、前記入力音声信号又は前記出力音声信号のいずれか又はその両方に対して、前記スイッチへの前記所定の入力に応じて、(a) 前記スイッチによる前記出力音声信号の切り換え時にミュートを設定し、(b) 前記スイッチによる前記出力音声信号の切り換え後に前記ミュートを解除する、ためのミュート部を更に有しても良い。
それにより、再生音声の音量を、スイッチによる出力音声信号の切り換え時に相当する箇所で急速に小さくし、その箇所の後で急速に元に戻すようにできる。その場合、音量の急速な変化を再生音声から聞き取れないようにできる。その結果、スイッチによる出力音声信号の切り換え時に相当する箇所で、再生音声が不自然に途切れること、その音量を不連続に変化させること、及び、雑音を含むことを回避できる。
【0035】
本発明の上記とは別の観点による音声信号記録装置は、
外部から少なくとも一つの多重音声信号を入力するための少なくとも一つの多重音声信号入力部;
(a) 前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号の多重方式を判別し、その判別結果を多重方式情報として出力するための多重方式判別部、又は、(b) 外部から前記多重音声信号の多重方式情報を入力するための多重方式情報入力部、のいずれか;
前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号から複数の音声信号を分離して抽出し、複数の抽出音声信号として出力するための音声信号抽出部;
前記抽出音声信号を含む入力音声信号を一時記憶するための音声信号一時記憶部;
前記音声信号一時記憶部により記憶された前記入力音声信号の中から前記多重方式情報により特定されるものを出力音声信号として読み出し、前記出力音声信号から記録用音声信号を生成するための記録用音声信号生成部;及び、
前記記録用音声信号と前記多重方式情報とをそれぞれ別のファイルとして記録媒体へ記録するための記録部;
を有する。
【0036】
ここで、音声信号の多重方式には、例えばモノラル(1チャンネル)、ステレオ(2チャンネル)、二か国語放送等のデュアルモノラル(2チャンネル)、及び、5.1チャンネルサラウンド(6チャンネル)が含まれる。
【0037】
上記の音声信号記録装置では、音声信号とは別なファイルとしてその音声信号の多重方式情報のファイルを記録できる。従って、上記の音声信号記録装置により記録された音声信号を再生する場合、多重方式情報を参照するかしないかを音声信号再生装置が選択できる。
【0038】
例えば、上記の音声信号記録装置がDVDビデオ規格に対応している場合を想定する。その場合、上記の音声信号記録装置で記録された音声信号等のデータの構成は、DVDビデオ規格で規定された部分に加えて、DVDビデオ規格では規定されていない部分、すなわち多重方式情報ファイルを有する。しかし、DVDビデオ規格に準拠の音声信号再生装置はその音声信号の再生時に、その多重方式情報ファイルを参照しないようにできる。それ故、DVDビデオ規格に準拠の音声信号再生装置は従来の構成を拡張することなく、上記の音声信号記録装置で記録された音声信号を再生できる。
【0039】
上記の音声信号記録装置では多重方式情報が、多重方式判別部により入力した多重音声信号から判別され、又は、多重方式情報入力部を通して外部から入力される。ここで、多重方式情報入力部による多重方式情報の入力とは、例えば、ネットワーク通信により多重音声信号の多重方式情報をその多重音声信号とは別のパケットで受信する場合を含む。その場合、多重音声信号はその多重方式情報を含んでいなくても良い。
【0040】
上記の本発明による音声信号記録装置は、好ましくはパーソナルコンピュータに含まれる。その場合、例えば、多重音声信号入力部と、多重方式判別部又は多重方式情報入力部のいずれかと、音声信号抽出部とが、キャプチャボード及びチューナボード等の周辺機器に含まれても良い。音声信号一時記憶部がRAM等のメインメモリであっても良い。更に、CPUが記録用音声信号生成部として機能しても良い。記録部は好ましくは、DVD−Rドライブ、DVD−RAMドライブ、DVD−RWドライブ、CD−Rドライブ及びCD−RWドライブ等の光ディスクドライブである。このように、上記の本発明による音声信号記録装置は、音声信号抽出部と記録用音声信号生成部とが別々の基板から構成される場合においても、それらを音声信号一時記憶部を媒介として連動できる。
【0041】
上記の音声信号記録装置が、前記抽出音声信号を前記音声信号一時記憶部から読み出してディジタル信号処理を行い、前記入力音声信号の一部として前記一時音声記憶部に記憶させるためのディジタル信号処理部を更に有しても良い。
そのような音声信号記録装置では、抽出音声信号から新たな音声信号をディジタル信号処理により生成できる。それにより、例えば、入力された多重音声信号のチャンネルが記録途中で減少する場合、上記の音声信号記録装置は減少したチャンネルと同数のチャンネルの音声信号を生成し、元の多重音声信号に付加できる。従って、記録用音声信号のチャンネル数を、一つのファイル内で一定にできる。それ故、音声信号再生装置が例えばDVDビデオ規格のように一つのタイトル内では音声信号のチャンネル数を一定に限っていても、上記の音声信号記録装置により記録された音声信号を再生できる。
【0042】
上記の本発明による音声信号記録装置では、前記記録用音声信号生成部が前記出力音声信号に対して高能率符号化を行うための高能率符号化部、を有しても良い。そのような音声信号記録装置は、記録用音声信号の情報量を入力された多重音声信号に比べて低減できる。その結果、上記の音声信号記録装置は多重音声信号を、記録媒体に対して高密度に記録できる。
【0043】
前記記録部が前記多重方式情報を一時記憶するための一時記憶部を含み、前記記録用音声信号のファイルの一つを前記記録媒体へ記録し終った後、その記録用音声信号に対応する前記多重方式情報を前記一時記憶部から読み出し、前記記録用音声信号とは別のファイルとして前記記録媒体へ記録すること、
を、上記の本発明による音声信号記録装置が特徴としても良い。
そのような音声信号記録装置では、記録部が記録用音声信号のファイルの一つを実質的な中断なしで連続に記録できる。特に、記録媒体上の物理フォーマットにおいて、記録用音声信号のファイルごとの記録領域を実質的に連続にできる。すなわち、例えば、映像信号、副映像(サブピクチャ)信号、同期信号、記録媒体上のアドレス情報及び誤り訂正用符号等、多重方式情報以外のデータの記録領域を間に挟んでいる点を除き、記録用音声信号のファイルごとの記録領域を連続にできる。それ故、音声信号再生装置が、例えばDVD−RのようにDVD上の実質的に連続した記録領域に記録された音声信号を連続に再生するようなものであっても、上記の音声信号記録装置により記録された音声信号を再生できる。
【0044】
上記の一時記憶部に一時記憶されるデータは好ましくは、記録用音声信号ではなく多重方式情報である。何故なら、多重方式情報の情報量は記録用音声信号に比べてかなり小さいので、一時記憶部の容量を小さく抑え得るからである。
【0045】
前記記録部が、一つのファイルに含まれた前記記録用音声信号を前記記録媒体上の実質的に連続した記録領域へ記録すること、
を、上記の本発明による音声信号記録装置が特徴としても良い。
記録用音声信号の一つのファイルが記録媒体上の実質的に連続した記録領域に記録されている。それ故、音声信号再生装置が例えばDVD−RのようにDVD上の実質的に連続した記録領域から音声信号を連続に再生するようなものであっても、上記の記録用音声信号を連続に再生できる。
更に、上記の音声信号記録装置では、記録部が記録用音声信号を記録媒体に、実質的に一定の記録速度で記録できる。それ故、記録部の記録を容易に制御できる。その上、上記の音声信号記録装置により記録された音声信号の連続的な再生が容易にできる。
【0046】
上記の本発明による音声信号記録装置が、
前記記録用音声信号と前記多重方式情報とを一時記録するための一時記録媒体を更に有し、
前記記録部が前記記録用音声信号と前記多重方式情報とを前記一時記録媒体へ一時記録し、その後前記一時記録媒体から前記記録媒体へ転送し、それぞれ別のファイルとして記録すること、
を特徴としても良い。
そのような音声信号記録装置は、記録媒体を装着していない時に、記録用音声信号及び多重方式情報を一時記録媒体に一時記録できる。一時記録媒体に一時記録された記録用音声信号及び多重方式情報は、適当な時期に記録媒体へ記録できる。
【0047】
前記一時記録媒体は半導体メモリであっても良い。半導体メモリは音声信号記録用として一般的な記録媒体、例えばDVD等と比べて、データを高速に書き込み得る。それ故、記録部の記録時に次のようなバッファとして使用できる。
記録部によるファイルの作成等のデータの処理速度は一般に、記録媒体へのデータの書き込みの速度より速い。そこで、ファイルの作成等の処理後記録媒体に書き込まれるまで、データを一時記録媒体に記録し、それにより上記の速度の差を補償できる。
その他に、例えば記録用音声信号等の情報量が記録媒体の容量を超えた時に、その記録媒体に代えて一時記録媒体にデータを記録できる。
【0048】
上記とは別に、前記一時記録媒体がハードディスクであっても良い。ハードディスクは音声信号記録用として一般的な記録媒体、例えばDVD等と比べて同程度以上の大きな容量を有する。従って、上記の音声信号記録装置では、記録用音声信号のファイル全体を記録媒体への記録前に、ハードディスクに一時記録できる。それ故、例えば、適当な音声信号再生装置で記録用音声信号のファイル全体をハードディスクから再生し、その再生音声全体を記録媒体への記録前に確認できる。
【0049】
前記多重方式情報に応じて前記出力音声信号を切り換えるとき、(a) その切り換え前の前記出力音声信号に対してはフェードアウト処理を行い、(b) 前記切り換え後の前記出力音声信号に対してはフェードイン処理を行う、ためのフェード部を前記記録用音声信号生成部が含むこと、
を、上記の本発明による音声信号記録装置が特徴としても良い。
それにより、再生音声の音量をスイッチによる出力音声信号の切り換え時に相当する箇所の前で徐々に小さくし、その箇所の後で徐々に大きくできる。その結果、スイッチによる出力音声信号の切り換え時に相当する箇所で、再生音声が不自然に途切れること、その音量を不連続に変化させること、及び、雑音を含むことを回避できる。
【0050】
前記多重方式情報に応じて前記出力音声信号を切り換える時出力音声信号に対してミュート処理を行うためのミュート部を前記記録用音声信号生成部が含むこと、
を、上記の本発明による音声信号記録装置が特徴としても良い。
それにより、再生音声の音量を、スイッチによる出力音声信号の切り換え時に相当する箇所で急速に小さくし、その箇所の後で急速に元に戻すようにできる。その場合、音量の急速な変化を再生音声から聞き取れないようにできる。その結果、スイッチによる出力音声信号の切り換え時に相当する箇所で、再生音声が不自然に途切れること、その音量を不連続に変化させること、及び、雑音を含むことを回避できる。
【0051】
本発明の上記とは更に別の観点による音声信号記録装置は、
外部から少なくとも一つの多重音声信号を入力するための少なくとも一つの多重音声信号入力部;
(a) 前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号の多重方式を判別し、その判別結果を多重方式情報として出力するための多重方式判別部、又は、(b) 外部から前記多重音声信号の多重方式情報を入力するための多重方式情報入力部、のいずれか;
前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号から複数の音声信号を分離して抽出し、複数の抽出音声信号として出力するための音声信号抽出部;
前記抽出音声信号を含む入力音声信号を入力し、その入力音声信号の内少なくとも一つを出力音声信号として出力し、その出力音声信号を所定の入力に応じて切り換えるためのスイッチ;
前記多重方式判別部からの前記多重方式情報に応じてエンコードフォーマットを決定し、前記スイッチからの前記出力音声信号に対して高能率符号化を前記エンコードフォーマットで行い、処理された音声信号を記録用音声信号として出力するためのエンコード処理部;及び、
前記記録用音声信号と前記多重方式情報とをそれぞれ別のファイルとして記録媒体へ記録するための記録部;
を有する。
【0052】
ここで、音声信号の多重方式には、例えばモノラル(1チャンネル)、ステレオ(2チャンネル)、二か国語放送等のデュアルモノラル(2チャンネル)、及び、5.1チャンネルサラウンド(6チャンネル)が含まれる。
【0053】
上記の音声信号記録装置では、音声信号とは別なファイルとしてその音声信号の多重方式情報のファイルを記録できる。従って、上記の音声信号記録装置により記録された音声信号を再生する場合、多重方式情報を参照するかしないかを音声信号再生装置が選択できる。
例えば、上記の音声信号記録装置がDVDビデオ規格に対応している場合を想定する。その場合、上記の音声信号記録装置で記録された音声信号等のデータの構成は、DVDビデオ規格で規定された部分に加えて、DVDビデオ規格では規定されていない部分、すなわち多重方式情報ファイルを有する。しかし、DVDビデオ規格に準拠の音声信号再生装置はその音声信号の再生時に、その多重方式情報ファイルを参照しないようにできる。それ故、DVDビデオ規格に準拠の音声信号再生装置は従来の構成を拡張することなく、上記の音声信号記録装置で記録された音声信号を再生できる。
【0054】
上記の音声信号記録装置は記録用音声信号を、多重方式の変更ごとに異なるエンコードフォーマットで記録する。その場合、上記の音声信号記録装置は多重方式の変更ごとに、記録中のタイトルを終了して別のタイトルを新たに記録し始める。その結果、記録用音声信号の一つのファイルは一般に複数のタイトルに分かれて記録される。従って、一つのファイルに含まれた記録用音声信号を再生する時、再生音声はタイトルの変更ごとにある程度不連続になる。その反面、それぞれのタイトル内では、記録の元であった多重音声信号の多重方式に合わせて最適なエンコードフォーマットを選択できる。例えば、多重方式の変更によりチャンネルが減少した場合、減少したチャンネルと同数のチャンネルの音声信号を付加しなくても良い。このように余分な情報量の増大を回避できるので、エンコード処理部により高能率符号化された記録用音声信号の品質を向上できる。
【0055】
上記の音声信号記録装置では多重方式情報が、多重方式判別部により入力した多重音声信号から判別され、又は、多重方式情報入力部を通して外部から入力される。ここで、多重方式情報入力部による多重方式情報の入力とは、例えば、ネットワーク通信により多重音声信号の多重方式情報をその多重音声信号とは別のパケットで受信する場合を含む。その場合、多重音声信号はその多重方式情報を含んでいなくても良い。
特に、多重方式情報入力部により多重方式情報を入力する場合、例えば、多重音声信号の入力前に予めその多重方式情報を入力し、それによりエンコード処理部がエンコードフォーマットを容易に変更できる。
【0056】
本発明による音声信号再生装置は、(a) 多重音声信号に対応する記録用音声信号を含む記録用音声信号ファイルと、(b) その多重音声信号の多重方式情報を含む多重方式情報ファイルと、をそれぞれ記録した記録媒体から前記記録用音声信号ファイルと前記多重方式情報ファイルとを読み出すための読み出し部;及び、前記記録用音声信号と前記多重方式情報とに基づいて音声信号を再生するための再生部;を有し、
前記再生部が、 (a) 前記記録用音声信号ファイルから前記記録用音声信号を再生するための記録用音声信号再生部と、 (b) 前記多重方式情報ファイルから前記多重方式情報を再生するための多重方式情報再生部と、を含み、前記多重方式情報に応じて前記記録用音声信号の特定部分から音声信号を再生するよう構成されている。その音声信号再生装置は、上記の本発明による音声信号記録装置により記録用音声信号及び多重方式情報を記録された記録媒体から音声信号を再生できる。
【0057】
上記の本発明による音声信号再生装置は、例えばTV放送の音楽番組からステレオ放送の部分のみを、又は、洋画番組から二か国語放送の部分のみを、それぞれ再生できる。
【0058】
本発明による記録媒体は、
(a) 多重音声信号に対応する記録用音声信号を含む記録用音声信号ファイルと、(b) 前記多重音声信号の多重方式情報を含む多重方式情報ファイルと、をそれぞれ別の記録領域に記録している。
音声信号再生装置が本発明による記録媒体から音声信号を再生する時、多重方式情報ファイルを参照するかどうかを選択できる。
例えばDVDビデオ規格のように一つのタイトル内で多重方式を一種類に限定する規格に準拠の音声信号再生装置は、多重方式情報ファイルの参照なしで記録用音声信号ファイルだけから音声信号を再生できる。
【0059】
前記記録用音声信号ファイルが実質的に連続した記録領域上に記録されていること、を、上記の本発明による記録媒体が特徴としても良い。
上記の記録媒体では、記録用音声信号が実質的に連続した記録領域に記録されている。それ故、例えばDVD−Rのように実質的に連続した記録領域に記録された音声信号だけを連続に再生できる規格に準拠の音声信号再生装置が、上記の記録媒体から音声信号を再生できる。
【0060】
上記の本発明による記録媒体が、前記記録用音声信号ファイルと前記多重方式情報ファイルとを記録するための装置及び読み出すための装置のいずれに対しても着脱可能であっても良い。それにより、ユーザが上記の記録媒体を自由にかつ容易に持ち運びできる。更に、上記の装置とは別に記録媒体を保存できる。
【0061】
上記の本発明による記録媒体は好ましくはDVD−Rである。その場合、記録用音声信号ファイルのフォーマットはDVDビデオ規格に準じる。一方、多重方式情報ファイルのフォーマットはUDF(Universal Disk Format)である。従って、DVDビデオ規格に準拠のDVDプレーヤは、そのDVD−Rに記録された記録用音声信号ファイルだけに基づいて音声信号を再生できる。一方、DVDレコーダが上記のDVD−Rから記録用音声信号ファイルと共に多重方式情報ファイルを読み出し得る場合、多重方式を適切に変更しながら音声信号を再生できる。更に、パソコンがDVD−ROMドライブ、DVD−Rドライブ、DVD−RAMドライブ又はDVD−RWドライブで、上記のDVD−Rから記録用音声信号ファイルと共に多重方式情報ファイルを読み出し得る。
更に、上記の記録媒体はDVD−Rであるので、データを一度しか記録できない。それ故、例えば、公式な記録用又は公的な証拠用の音声信号記録媒体として利用することにより、故意又は過失によるデータの改竄を防止できる。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の最適な実施の形態について、その好ましい実施例を挙げて、図面を参照しつつ説明する。
【0063】
《実施例1》
[実施例1による音声信号記録装置100の構成]
図1は、本発明の実施例1による音声信号記録装置100の構成を示すブロック図である。実施例1による音声信号記録装置100は、DVD−Rレコーダの音声信号記録部である。
【0064】
チューナChはアンテナA又はケーブルCaを通してTV放送の電波を受信し、中間周波信号へ変換する。ここで、TV放送はアナログ放送であってもディジタル放送であっても良い。更に、TV放送は一般に音声多重放送であって、例えば、モノラル、ステレオ、又は、二か国語放送等を含む。
多重音声信号入力部1は、チューナChから中間周波信号を入力し、その中間周波信号から多重音声信号を検波する。検波された多重音声信号は音声信号抽出部3へ出力される。
【0065】
多重方式判別部2は、多重音声信号入力部1により検波された多重音声信号からその多重方式(多重モードともいう)を判別する。具体的には、多重方式判別部2は多重音声信号から制御信号を検波し、その制御信号から多重方式を判別する。ここで、多重方式には、モノラル、ステレオ、二か国語放送等のデュアルモノラル、三チャンネル以上のマルチリンガル、立体音響用マルチチャンネル音声(フロント、サラウンド、及びその他の効果音等)、カラオケ音声のように特種な多チャンネル音声等の方式がある。
更に、多重方式判別部2は判別した多重方式を示す信号として、多重方式情報を作成する。
【0066】
音声信号抽出部3は、多重音声信号に多重された一般に複数のチャンネルの音声信号をそれぞれ復調し、それぞれのチャンネルの音声信号を互いに独立な抽出音声信号として抽出する。ここで、抽出音声信号の種類には、モノラル音声信号、ステレオ放送でのレフトチャンネル(Lch)音声信号とライトチャンネル(Rch)音声信号、及び、デュアルモノラル放送での主音声信号と副音声信号等がある。
【0067】
更に、音声信号抽出部3はアナログ/ディジタル(AD)変換器3aを含む。AD変換器3aは、抽出音声信号の内アナログ信号であるものを、リニアPCMでディジタル信号へ変換する。その結果、音声信号抽出部3から出力される抽出音声信号は全てのチャンネルでディジタル信号である。
【0068】
フォーマット変換部11は音声信号抽出部3から抽出音声信号を入力し、それぞれのフォーマットを一定のものに揃える。その後、一定のフォーマットの抽出音声信号をスイッチ4へ入力する。それにより、スイッチ4からの出力音声信号のフォーマットが一定に揃う。従って、記録用音声信号生成部5の高能率符号化部5aはスイッチ4からの出力音声信号に対して、同一の高能率符号化処理を行えば良い。それ故、高能率符号化部5aは出力音声信号の高能率符号化を容易に実行できる。その上、出力音声信号のフォーマットに対する高能率符号化部5aの設定を一定にできるので、再設定のための中断を回避できる。その結果、記録用音声信号を実質的に連続して生成できるので、記録部は記録用音声信号ファイルを実質的に連続に記録できる。
【0069】
音声信号合成部10は、音声信号抽出部3により抽出された抽出音声信号のいくつかから新たな音声信号を合成する。合成された音声信号(合成音声信号)は抽出音声信号と共にスイッチ4へ入力される。
合成音声信号は、例えば、サラウンド効果音声信号、残響音声信号、サブウーハ音声信号及びセンター効果音声信号等を含む。
【0070】
サラウンド効果音声信号及び残響音声信号は、ステレオ音声のLch音声信号とRch音声信号とを加算し又は減算し、元のステレオ音声より所定の遅延量だけ遅延させ、所定のゲインを設定して合成できる。その他に、Lch音声信号とRch音声信号との位相差及び音量差を利用して合成しても良い。上記のサラウンド効果音声信号又は残響音声信号を付加したステレオ音声信号を再生すると、上記の遅延量及びゲインが共に大きい場合、再生音声の余韻が長時間響く。逆に上記の遅延量が小さい場合、再生音声の残響音を低減できる。その結果、野外コンサートのような大きな開放感を再生音声に対して与え得る。
【0071】
サブウーハ音声信号は、ステレオ音声信号等をローパスフィルタに通し、その低域周波数成分を分離して増幅し、元のステレオ音声信号とは別のチャンネルの音声信号としたものである。サブウーハ音声信号は元のステレオ音声信号とは別に、低域周波数に対して良好な再生特性を持つスピーカで再生できる。
【0072】
センター効果音声信号は、ステレオ音声信号等をバンドパスフィルタに通し、100ヘルツ程度から数千ヘルツ程度までの周波数成分を分離して増幅し、元のステレオ音声信号とは別のチャンネルの音声信号としたものである。センター効果音声信号は例えば、映画やTVドラマ等の音声信号から役者の台詞に相当する周波数成分を分離して、背景音とは別の音声信号にしたものである。その場合、役者の台詞を背景音とは別のスピーカで再生できる。
【0073】
以上の合成音声信号はいずれも仮想的なマルチチャンネル音声信号であり、実際には2チャンネルしかないステレオ音声信号から合成される。このように、合成音声信号生成部10は、所定のチャンネル数の音声信号からそれよりも多いチャンネル数の音声信号を仮想的に合成する。
ユーザはタイトルの記録開始前に、音声信号合成部10により合成される合成音声信号の種類を、例えばボタン等の機械的スイッチB1で予め設定する。
【0074】
スイッチ4は、音声信号抽出部3から抽出音声信号を、及び、音声信号合成部10から合成音声信号を、それぞれ入力音声信号として入力する。更に、スイッチ4は多重方式判別部2から多重方式情報を入力する。
スイッチ4は多重方式情報に基づいて入力音声信号の中からいくつかのチャンネルの音声信号を選択し、出力音声信号として記録用音声信号生成部5へ出力する。スイッチ4は、特に多重方式情報から多重方式の変更を検知した時、出力音声信号を切り換える。
【0075】
ユーザはタイトルの記録開始前に、例えばボタン等の機械的スイッチB2によりスイッチ4に対して所定の信号を入力し、それにより出力音声信号の多重方式を予め設定する。但し、そのように設定される多重方式の種類は、一つのタイトル内で一種類に限定される。その限定により、実施例1の音声信号記録装置100はDVD−R7へ音声信号を、後述のように、DVDビデオ規格に準拠のDVDプレーヤで再生可能なように記録できる。
多重音声信号が特定の多重方式である時、スイッチ4はユーザにより設定された多重方式に基づいて出力音声信号を選択する。例えば、ユーザが主音声信号の選択を設定した場合、多重音声信号の多重方式がデュアルモノラルである時、スイッチ4は主音声信号を出力音声信号として選択する。
【0076】
記録用音声信号生成部5はスイッチ4からの出力音声信号に基づいて、記録用音声信号を生成する。
特に、記録用音声信号生成部5は高能率符号化部5aを含む。高能率符号化部5aはスイッチ4からの出力音声信号に対して高能率符号化を実行し、所定のエンコードフォーマットで符号化する。エンコードフォーマットは、例えば、リニアPCM(パルス符号変調)、MPEG/オーディオ、ドルビーディジタル(以下、AC−3という)等を含む。ユーザはタイトルの記録開始前に、例えばボタン等の機械的スイッチB3により、エンコードフォーマットを予め選択する。
【0077】
リニアPCMは他のエンコードフォーマットに比べ、再生音声の音質を最も高く維持できる。リニアPCMの場合、音声信号抽出部3のAD変換器3aでのエンコードフォーマットをそのまま利用しても良い。
一方、MPEG/オーディオ及びAC−3はリニアPCMに比べ音声信号を高能率に圧縮できるので、記録用音声信号の一つのチャンネルあたりの情報量を小さくできる。従って、リニアPCMに比べて記録可能なチャンネル数を増やし、又は、DVD−R7上の音声信号を記録するための領域を低減できる。
【0078】
更に、記録用音声信号生成部5は多重化部5bを含む。スイッチ4からの出力音声信号は複数のチャンネルを持つので、多重化部5bはその複数のチャンネルの出力音声信号を多重化し、一つのシリアル信号として記録用音声信号を生成する。
【0079】
記録部6は、DVD−R7の表面にレーザを照射するための半導体レーザ6aを含み、記録するべきディジタル信号に合わせて半導体レーザ6aを明滅させる。DVD−R7の表面の記録膜の一部にその半導体レーザで強いレーザを照射すると、その照射された部分がレーザの熱で変質する。その結果、レーザを照射された記録膜の部分では光反射率が変化する。こうして、記録部6はディジタル信号をDVD−R7の記録膜の光反射率に変換して記録する。
【0080】
記録部6は記録用音声信号生成部5からの記録用音声信号を、少なくとも一つのタイトルごとに一つの記録用音声信号ファイル8とする。記録部6は記録用音声信号ファイル8をDVDビデオ規格のオーディオストリームとして扱う。
一方、記録部6は、DVD−Rレコーダ内の映像信号処理部(図示せず)から映像信号ファイルを、DVD−Rレコーダ内の副映像信号処理部(図示せず)から副映像信号ファイルをそれぞれ入力する。記録部6は映像信号ファイル及び副映像信号ファイルをそれぞれ、DVDビデオ規格のビデオストリーム及びサブピクチャストリームとして扱う。
記録部6は上記の三つのストリームをそれぞれ、複数のパケットに分割する。それぞれのパケットはDVDビデオ規格で規定された構造を有し、特に所定のヘッダを含む。記録部6はそれらのパケットを一つのストリームとして多重化し、DVD−R7へ順次記録する。
【0081】
一方、記録部6は、多重方式判別部2からの多重方式情報を一時記憶部6bに入力する。一時記憶部6bはタイトルの多重方式情報をその経過時間情報と合わせてUDFのファイル、すなわち多重方式情報ファイル9とし、一時記録する。ここで、多重方式情報の経過時間情報とは、その多重方式情報に対応する記録用音声信号のタイトル内の時間的位置を示す情報である。記録用音声信号のタイトル内の時間的位置は、例えば、そのタイトルの記録開始時刻からその記録用音声信号の記録時刻までの経過時間で表される。
【0082】
図2の(a)はDVD−R7の全体の外観、及びDVDプレーヤのピックアップPからのレーザ照射の様子を示す斜視図である。図2の(b)は、図2の(a)の破線で囲まれた領域Aを裏面から見たときの拡大図である。図2の(b)では、DVD−R7の表面に垂直でかつ半径方向に沿った断面Bも合わせて示されている。
DVD−R7はDVD−R一般用規格(DVD-R for General Ver.2.0)に準拠し、直径約120mm、厚さ約1.2mmのディスクである。
ディスク基板70は厚さ約0.6mmであり、ポリカーボネート製のディスクである。
【0083】
ディスク基板70の表面にグルーブ71がある。グルーブ71はディスク基板70と同軸の螺旋状の溝である。グルーブ71は横方向に細かく波打つ形状、すなわちウォブル71aを有する。ランド72はグルーブ71の間にあるディスク基板70の表面部分である。プリピット77はランド72内の溝であり、ウォブル71aの16周期ごとに一つ〜三つずつある。プリピット77は、ディスク基板70の半径方向外側に向かうウォブル71aの最大変位位置(以下、ウォブル71aの頂点という)の近傍にある。
【0084】
グルーブ71の表面には記録膜73がある。記録膜73は有機色素を含む。その有機色素は好ましくは紫色系である。記録膜73の一部に対して記録部6の半導体レーザ6aからパワー約30mWの強いレーザ、好ましくは赤色レーザを照射する。その時レーザ照射を受けた記録膜73の部分がレーザの熱で変質し、特に光吸収特性を変化させる。それにより、レーザ照射を受けた記録膜73の部分では光反射率が他の部分に比べて変化する。この光反射率の変化した記録膜73の部分をピットという。
ピットに接したディスク基板70の部分は、記録時の温度上昇により不可逆に変形する。従って、DVD−R7ではDVD−RW及びDVD−RAMとは異なり、記録膜73の光反射率の変化が一度だけに限られる。その結果、DVD−R7ではピットの形成によるデータの書き込みが一度だけ可能である。
【0085】
反射膜74はグルーブ71及びランド72全体を覆う薄膜であって、光反射率の高い金属、好ましくは金から成る。
オーバーコート層及び接着層75は反射膜74上を覆い、グルーブ71及びランド72の凹凸を平らに均し、ディスク基板70と支持板76とを密に接着している。
支持板76は厚さ約0.6mmであり、ポリカーボネート製のディスクである。
【0086】
図3は、DVDプレーヤによりDVD−R7から読み出されたラジアルプッシュプル信号S0、ウォブル信号Sw、及び、プリピット信号Spを説明するための図である。図3の(a)、(b)、(c)、(d)、及び(e)はそれぞれ、ラジアルプッシュプル信号S0、第一の濾波信号S1、ウォブル信号Sw、第二の濾波信号S2、及びプリピット信号Spである。
【0087】
DVDプレーヤのピックアップP(図2の(a)参照)からDVD−R7のグルーブ71上に弱いレーザを照射する。その時、レーザのグルーブ71上でのスポットはグルーブ71の幅より少し大きい直径である。照射されたレーザはグルーブ71上の記録膜73で、それぞれの照射部分の反射率で反射される。ピックアップPはその反射光の強度を光検出器で検出する。その光検出器は光学的に二分割されている。それぞれの分割部分は、グルーブ71の中心線(図2の(b)参照)に対してディスク基板70の半径方向外側及び内側からの反射光の強度をそれぞれ検出する。光検出器のそれぞれの分割部分により検出された反射光の強度は、それに比例した振幅の電気信号にそれぞれ変換される。変換された二つの電気信号から互いの差分が、プッシュプル法により演算される。その結果、ラジアルプッシュプル信号S0が、例えば図3の(a)に示されているような波形で得られる。
【0088】
ラジアルプッシュプル信号S0をバンドパスフィルタで濾波する。その結果、ラジアルプッシュプル信号S0の約140kHz前後の周波数帯域成分、すなわち第一の濾波信号S1が、図3の(b)のような波形で得られる。更に、第一の濾波信号S1を二値化して、ウォブル信号Swが図3の(c)のような矩形波として得られる。ウォブル信号Swの周波数はほぼ一定であり、例えばDVD−R7の回転速度が標準速3.84m/sである時、約140kHzである。ウォブル信号Swはピットから読み出されるデータ信号に対して所定の位相関係を有し、例えば記録時のクロック信号として利用される。
【0089】
上記とは別に、ラジアルプッシュプル信号S0をハイパスフィルタで濾波する。その結果、ラジアルプッシュプル信号S0の所定の高域周波数成分、すなわち第二の濾波信号S2が、図3の(d)のような波形で得られる。更に、第二の濾波信号S2から所定の閾値以上の振幅成分だけをコンパレータで抜き出し、その抜き出した成分を二値化する。その結果、プリピット信号Spが図3の(e)のような波形で得られる。プリピット信号Spは、ウォブル信号Swの16周期ごとに一つ〜三つのピークを有する。プリピット信号Spはウォブル信号Swと同様に、ピットから読み出されるデータ信号に対して所定の位相関係を有し、例えばウォブル信号Swと同様に記録時のクロック信号として利用される。更に、プリピット信号Spはウォブル信号Swと比べて、グルーブ71上に記録されたトラック同士でのクロストークを生じにくい。それにより、プリピット信号Spはウォブル信号Swに比べ、位相情報を喪失しにくい。それ故、プリピット信号Spはトラックの物理アドレスの指標として利用される。
【0090】
<DVD−R7上の物理フォーマット>
ピットの最短の長さTは約0.40μmである。ピットによるディジタル信号の記録はマークエッジ記録による。すなわち、ピットの長さ方向のエッジが、ディジタル信号の0から1へ、又は1から0への遷移を表す。その結果、グルーブ71上の長さ1Tの記録領域あたり1ビットのデータが記録される。
【0091】
グルーブ71上の記録領域は、長さ1488Tの連続した領域ごとに一つのシンクフレームとして区別される。ウォブル71aの一周期は186Tに等しいので、1シンクフレームあたりに8周期のウォブル71aが含まれている。シンクフレームの先頭はウォブル71aの頂点に合致するように決められている。
更に、グルーブ71上の連続した26シンクフレームのデータ記録領域を1セクタといい、連続した16セクタ分のデータ記録領域を1ECCブロックという。ここで、ECCは誤り訂正符号(Error Correction Code)の略である。
【0092】
プリピット77には同期ピットB0、偶奇ピットB1及びアドレスピットB2の三種類がある。
同期ピットB0はピットの書き込み及び読み出し時にシンクフレームとの同期を取るための同期信号を与える。同期ピットB0は例えば、一つのセクタ内で偶数番目のシンクフレームに設置される。その他に、奇数番目のシンクフレームに設置されても良い。いずれにしても、同期ピットB0は2シンクフレームごとに一つずつ設置される。更に、同期ピットB0は偶数番目のシンクフレームに含まれるウォブルの最初の周期の頂点近傍に設置される。
【0093】
偶奇ピットB1は同期ピットB0を一つのセクタ内で偶数番目のシンクフレームに設置したことを示す。つまり、同期ピットB0を奇数番目のシンクフレームに設置する場合、偶奇ピットB1は設置されない。更に、偶奇ピットB1は、一つのセクタ内で2番目のシンクフレームであって、そのシンクフレームに含まれるウォブルの二番目の周期の頂点近傍に設置される。
【0094】
アドレスピットB2は、同期ピットB0と同じシンクフレームに含まれるウォブルの三番目の周期の頂点近傍に設置される。アドレスピットB2は、そのシンクフレームのアドレス情報を記録した領域の先頭位置を示す。
【0095】
図4は、DVD−R7の記録領域上の物理フォーマットを示す図である。DVD−R7の記録領域は、最内周から外側に向けて順に、ディスク固有情報記録領域(BCA)7a、記録パワー校正領域(PCA:Power Calibration Area)7b、ファイルシステム情報記録領域7c、リードイン領域7d、データ領域7e、リードアウト領域7fに分割されている。それらの領域の位置を示す物理アドレスはプリピット信号Spにより指定される。
【0096】
BCA7aは、製造番号等のDVD−R7固有の情報を記録した領域である。
PCA7bは、記録部6による書き込み時のレーザのパワーを校正するためのデータを記録した領域である。記録部6は記録の開始時にまずPCAで、書き込み時のレーザのパワーを調整する。PCAでのレーザのパワーの調整後、記録部6はデータの記録を開始する。
ファイルシステム情報記録領域7cはDVD−R7のファイルシステム自体の情報を記録した領域であり、かつ、DVD−R7に記録されたファイルのアドレス情報を記録するための領域である。
【0097】
リードイン領域7dはデータ領域7eの先頭を示す所定のデータを記録するための領域である。
データ領域7eは、記録部6によるデータの書き込みが可能な領域である。
リードアウト領域7fはデータ領域7eの末尾を示す所定のデータを記録するための領域である。リードイン領域7d及びリードアウト領域7fのデータは、記録部6によるデータ領域7eの書き込みの完了時、記録部6により書き込まれる。
【0098】
DVD−R7は実施例1によるDVD−Rレコーダ及びDVDプレーヤのいずれからも着脱可能である。それ故、持ち運びが便利である。更に、DVD−R7では記録部6によるデータの書き込みが一度だけ可能であり、書き換えはできない。従って、データの改竄を防止できるので、公式なデータの記録に最適である。
【0099】
[実施例1による音声信号記録装置100の動作]
上記のように構成された実施例1による音声信号記録装置100の動作について、以下説明する。
チューナChがアンテナA又はケーブルCaを通してTV放送の電波を受信し、中間周波信号に変換して多重音声信号入力部1へ出力する。多重音声信号入力部1は入力した中間周波数信号から多重音声信号を検波し、多重方式判別部2及び音声信号抽出部3へ出力する。
【0100】
多重方式判別部2は入力した多重音声信号の多重方式を判別し、その多重音声信号の多重方式情報を作成する。その後、多重方式情報をスイッチ4及び記録部6へ出力する。
一方、音声信号抽出部3は入力した多重音声信号から多重された複数のチャンネルの音声信号をそれぞれ復調して抽出音声信号を作成する。抽出音声信号の内アナログ信号のものはAD変換器3aによりディジタル信号へ変換される。抽出音声信号はディジタル信号としてそれぞれスイッチ4へ出力される。
【0101】
音声信号合成部10は抽出音声信号の一部又は全部を入力し、ユーザにより予め設定された種類の合成音声信号を合成する。設定の一例として、ステレオのLch音声信号の複製、Rch音声信号の複製、及び、サラウンド効果音声信号が設定されている場合を以下説明する。合成音声信号はスイッチ4へ出力される。
【0102】
<スイッチ4による出力音声信号の選択>
ユーザはスイッチ4に対して出力音声信号の多重方式を、例えばステレオに予め設定する。更に、多重音声信号の多重方式がステレオからデュアルモノラルへ切り替わった場合にスイッチ4が主音声信号を選択するように、予め設定する。そのような設定に基づいて、スイッチ4は入力音声信号の中から出力音声信号を、例えば以下のようにして選択する。
【0103】
一つのタイトルの記録を開始した時、多重方式情報から多重音声信号の多重方式をステレオと判別した場合、スイッチ4は入力音声信号からLch音声信号とRch音声信号とを選択する。
その後同じタイトル内でステレオからデュアルモノラルへ多重方式が切り替わったことを多重方式情報から判別した場合、スイッチ4は入力音声信号の内Lch音声信号とLch音声信号の複製とを選択する。つまり、ステレオのRch音声信号としてLch音声信号の複製がスイッチ4から出力される。こうして、一つのタイトルの多重方式をステレオに設定したまま、出力音声信号をステレオ音声信号からデュアルモノラルの主音声信号に実質的に切り換え得る。
【0104】
ユーザがスイッチ4に対して副音声信号の選択を設定した場合も同様である。すなわち、同じタイトル内でステレオからデュアルモノラルへ多重方式が切り替わったことを多重方式情報から判別した場合、スイッチ4は入力音声信号の内Rch音声信号とRch音声信号の複製とを選択する。こうして、一つのタイトルの多重方式をステレオに設定したまま、出力音声信号をステレオ音声信号からデュアルモノラルの副音声信号に実質的に切り換え得る。
更に、多重音声信号の多重方式がステレオからモノラルに切り替わった場合も同様に、一つのタイトルの多重方式をステレオに設定したまま、出力音声信号をステレオからモノラルに実質的に切り換え得る。
【0105】
上記のステレオの設定に代えて、ユーザがスイッチ4に対して出力音声信号の多重方式をサラウンドに予め設定する。そのような設定に基づいて、スイッチ4は入力音声信号の中から出力音声信号を、例えば以下のようにして選択する。
【0106】
一つのタイトルの記録を開始した時、多重方式情報から多重音声信号の多重方式をサラウンドと判別した場合、スイッチ4は入力音声信号から6チャンネルのサラウンド音声信号を選択する。
その後同じタイトル内でサラウンドからステレオへ多重方式が切り替わったことを多重方式情報から判別した場合、スイッチ4は入力音声信号からステレオ音声信号とサラウンド効果音声信号とを選択する。つまり、2チャンネルのステレオ音声信号を除く残りの4チャンネルの音声信号として、サラウンド効果音声信号がスイッチ4から出力される。こうして、一つのタイトルの記録途中で多重音声信号の多重方式がサラウンドからステレオへ切り替わり、抽出音声信号のチャンネル数が減少した場合でも、そのタイトルの記録を継続できる。
【0107】
記録用音声信号生成部5はスイッチ4からの出力音声信号に対して、高能率符号化部5aにより高能率符号化を実行する。その時のエンコードフォーマットは、ユーザにより予め設定されている。
【0108】
記録部6は記録用音声信号生成部5からの記録用音声信号を、少なくとも一つのタイトルごとに一つの記録用音声信号ファイル8とする。記録部6は、記録用音声信号ファイル8をDVDビデオ規格のオーディオストリームとして、複数のオーディオパケットに分割する。それぞれのオーディオパケットは、所定のヘッダを含む。記録部6は同様に、映像信号ファイル及び副映像信号ファイルをそれぞれ、ビデオパケット及びサブピクチャパケットに分割する。
記録部6は上記の三種類のパケットを一つの多重化ストリームに多重化する。更に、その多重化ストリームを後述のように、DVD−R7上の実質的に連続した記録領域に順次記録する。その結果、記録用音声信号ファイル8の記録領域は、ビデオパケット、サブピクチャパケット、オーディオパケットのヘッダ、同期信号、記録媒体上のアドレス情報及び誤り訂正用符号、のそれぞれの記録領域を間に挟んで、実質的に連続している。
【0109】
更に、記録部6はアンダーバッファラン時、不足した記録用音声信号と同じ情報量のパディング情報(ダミーのデータ)を作成する。そのパディング情報はオーディオパケット内の不足部分に挿入される。それにより、記録部6はアンダーバッファラン時に記録動作の中断を回避し、記録用音声信号ファイル8のデータの途切れを防止する。
【0110】
こうして、記録部6は記録用音声信号ファイル8をDVD−R7上の実質的に連続した記録領域へ記録する。その結果、記録部6は特に、記録用音声信号ファイル8の記録時にリンキングの実行を低減できる。それにより、実施例1ではリンキングによる記録容量の減少と処理時間の増大とを防止できる。
【0111】
一方、記録部6は多重方式判別部2からの多重方式情報を一時記憶部6bに一時記憶する。一時記憶部6bは多重方式情報をその経過時間情報と合わせて多重方式情報ファイル9を形成する。記録部6は記録用音声信号ファイル8の記録終了後、多重方式情報ファイル9を一時記憶部6bから読み出し、DVD−R7に記録する。
【0112】
[DVD−R7上のデータフォーマット]
図5はDVD−R7上の記録領域の内、データ領域7e内のデータフォーマットを示す図である。図5では一例として、三つのタイトルA、B及びCを記録した場合を想定している。
【0113】
ディスク管理情報記録領域21はデータ領域7eの最内周部にあり、後述のディスク管理情報を記録している。
タイトル関連情報記録領域22はディスク管理情報記録領域21の外側にあり、後述のタイトル関連情報を記録している。
ディスク管理情報記録領域21及びタイトル関連情報記録領域22はそれぞれ、所定のサイズに予め設定されている。
残りのデータ領域7eはタイトル記録領域23であり、タイトルごとに映像信号、副映像信号及び音声信号を記録している。
【0114】
<タイトルのデータの記録>
記録部6は最初のタイトルAの記録用音声信号ファイルを、タイトルAの映像信号ファイル及び副映像信号ファイルと共に上記のように多重化し、タイトルAの多重化ストリームを形成する。更に、記録部6はタイトルAの多重化ストリームをタイトル記録領域23の先頭部から実質的に連続した一つの記録領域、すなわちタイトルA記録領域23aへ順次記録する。その結果、タイトルAの記録用音声信号ファイルの記録領域はタイトルA記録領域23a内では実質的に連続している。すなわち、ビデオパケット、サブピクチャパケット、オーディオパケットのヘッダ、同期信号、記録媒体上のアドレス情報及び誤り訂正用符号、のそれぞれの記録領域を間に挟んで、実質的に連続している。
【0115】
タイトルB及びタイトルCの映像信号、副映像信号及び音声信号はタイトルA記録領域23aの外側に、タイトルAと同様に記録されている。その結果、タイトル記録領域23内には、タイトルA記録領域23a、タイトルB記録領域23b及びタイトルC記録領域23cがその順に形成されている。但し、タイトルA記録領域23aとタイトルB記録領域23bとの間等、タイトル記録領域23内で連続する二つのタイトルの記録領域の間には、リンキングについての情報が記録されている。
更に、タイトルC記録領域23cの外側の領域は、後述のファイナライズ処理により、リードアウト領域7fとして設定される。
【0116】
<タイトル関連情報の記録>
タイトルA記録領域23aへタイトルAのデータを記録し終えた後、記録部6は一時記憶部6bから多重方式情報ファイル9を読み出す。更に記録部6は、多重方式情報ファイル9、タイトルのラベル、及び、記録日時等のタイトルAに関する情報を合わせて、タイトルA関連情報を作成する。ここで、タイトルのラベルは例えばユーザの入力により、記録日時は例えばDVD−Rレコーダ内部の時計により、それぞれ設定される。
タイトルA関連情報はタイトル関連情報記録領域22の先頭部から実質的に連続した一つの記録領域、すなわちタイトルA関連情報記録領域22aに記録される。
【0117】
タイトルB及びタイトルCのタイトル関連情報はタイトルA関連情報記録領域22aの外側に続けて、タイトルAと同様に記録されている。その結果、タイトル関連情報記録領域22内には、タイトルA関連情報記録領域22a、タイトルB関連情報記録領域22b及びタイトルC関連情報記録領域22cがその順に形成されている。
更に、タイトル関連情報記録領域22内の残りの領域には、後述のファイナライズ処理により、所定のパディング情報が記録されている。
【0118】
図6はタイトルA記録領域23aに記録される映像信号V、副映像信号P、及び音声信号Sをそれぞれ並列に、かつタイトルAの放送時間順に配列した図である。図6では一例として、ユーザがデュアルモノラルについては主音声を予め選択し、タイトルAについてスイッチ4の選択をステレオに設定した場合を想定している。従って、音声信号SはLch及びRchの2チャンネルから成る。
【0119】
更に、タイトルAの多重音声信号の多重方式が次の通り、ステレオとデュアルモノラルとで交互に切り替わる、と仮定する。まず、タイトルAの開始時刻A0から第一の切り替わり時刻A1まではステレオである。第一の切り替わり時刻A1から第二の切り替わり時刻A2まではデュアルモノラルであり、第二の切り替わり時刻A2から第三の切り替わり時刻A3まではステレオである。第三の切り替わり時刻A3から第四の切り替わり時刻A4まではデュアルモノラルであり、第四の切り替わり時刻A4からタイトルAの終了時刻A5まではステレオである。
【0120】
タイトルA記録領域23a内に音声信号Sは、スイッチ4の選択により次の通り記録されている。タイトルAの開始時刻A0から第一の切り替わり時刻A1までは、音声信号SのLchではステレオのLch音声信号が、一方、RchではRch音声信号が、それぞれ記録されている。第一の切り替わり時刻A1から第二の切り替わり時刻A2までは、音声信号SのLchではLch音声信号、すなわちデュアルモノラルの主音声信号が、一方、RchではLch音声信号の複製が、それぞれ記録されている。第二の切り替わり時刻A2から第三の切り替わり時刻A3まで、及び、第四の切り替わり時刻A4からタイトルAの終了時刻A5まで、音声信号SのLch及びRchではLch音声信号及びRch音声信号がそれぞれ記録されている。第三の切り替わり時刻A3から第四の切り替わり時刻A4までは、音声信号SのLch及びRchではLch音声信号及びLch音声信号の複製がそれぞれ記録されている。
【0121】
図7はタイトルAについてのタイトル関連情報30のデータフォーマットを示す。タイトル関連情報30はタイトルのラベル31、タイトル情報32、多重方式情報ファイルデータ33、及び、タイトル終了情報34から成る。
タイトル情報32は、タイトルの記録日、TV放送のチャンネル、及び、スイッチ4に対して設定された多重方式を含む。図6の例では、音声信号Sの多重方式がステレオに設定されていることを、タイトル情報32は含む。
【0122】
多重方式情報ファイルデータ33はそれぞれ多重方式情報ファイル9のデータであり、記録前の原音声信号の多重方式情報とその経過時間情報とから成る。
第一の多重方式情報ファイルデータ33aは、(a) タイトルAの開始時刻A0、(b) 時刻A0での原音声信号の多重方式がステレオであること、及び、(c) 第一の切り替わり時刻A1までの時間T1を示す。
第二の多重方式情報ファイルデータ33bは、(a) 第一の切り替わり時刻A1、(b) 時刻A1で原音声信号の多重方式がデュアルモノラルに切り替わったこと、及び、(c) 第二の切り替わり時刻A2までの時間T2を示す。
第三の多重方式情報ファイルデータ33cは、(a) 第二の切り替わり時刻A2、(b) 時刻A2で原音声信号の多重方式がステレオに切り替わったこと、及び、(c) 第三の切り替わり時刻A3までの時間T3を示す。
第四の多重方式情報ファイルデータ33dは、(a) 第三の切り替わり時刻A3、(b) 時刻A3で原音声信号の多重方式がデュアルモノラルに切り替わったこと、及び、(c) 第四の切り替わり時刻A4までの時間T4を示す。
第五の多重方式情報ファイルデータ33eは、(a) 第四の切り替わり時刻A4、(b) 時刻A4で原音声信号の多重方式がステレオに切り替わったこと、及び、(c) タイトルAの終了時刻A5までの時間T5を示す。
【0123】
最後に、タイトル終了情報34はタイトルの終了時刻を示す。タイトルAについては、タイトル終了情報34は終了時刻A5である。
【0124】
<ディスク管理情報の記録>
タイトルCの記録の終了後、DVD−R7への更なる記録を行わない時、記録部6はDVD−R7に対してファイナライズ処理を行う。その時、記録部6は特に、タイトル関連情報記録領域22及びタイトル記録領域23内の情報を参照してディスク管理情報を作成し、ディスク管理情報記録領域21へ記録する。
【0125】
ディスク管理情報はDVDビデオ規格に従って作成される。ディスク管理情報は特に、(a) データ領域7eに記録されたタイトルの総数、(b) タイトルのラベル、(c) タイトル情報(記録日、TV放送のチャンネル、スイッチ4に対して設定された多重方式等)、並びに、(d) タイトルA記録領域23a、タイトルB記録領域23b及びタイトルC記録領域23cのそれぞれのアドレス、を含む。但し、ディスク管理情報は、タイトル関連情報記録領域22内のアドレス情報を一切含まない。
【0126】
[DVDビデオ規格に準拠のDVDプレーヤでの再生]
実施例1によるDVD−Rレコーダで上記のように三つのタイトルA〜Cを記録したDVD−R7を、DVDビデオ規格に準拠のDVDプレーヤで再生する場合を想定する。
【0127】
DVDビデオ規格では、一つのタイトルごとにオーディオストリームの音声属性すなわち多重方式は一種類と規定されている。上記のDVDプレーヤはまず、ディスク管理情報記録領域21からディスク管理情報を読み出す。ディスク管理情報は上記の通りDVDビデオ規格に従っているので、上記のDVDプレーヤはそのディスク管理情報に基づいて、DVD−R7からタイトルA〜Cのデータを再生できる。
【0128】
上記のDVDプレーヤは特に、タイトルごとに再生音声信号の多重方式をディスク管理情報の示すものに決定する。例えば、タイトルAについてはステレオに決定する。その決定後、タイトルAの再生中は再生音声信号の多重方式がステレオに固定される。従って、上記のDVDプレーヤはタイトルAの再生中、再生音声信号をステレオのLch音声信号及びRch音声信号として処理する。
しかし、DVD−R7に記録されたタイトルAの音声信号SのRchには、図6に示されている通り、原音声信号のRch音声信号、又は、Lch音声信号の複製、のいずれかが交互に記録されている。従って、上記のDVDプレーヤにより実際に再生される音声は、実施例1によるDVD−Rレコーダのスイッチ4に対する多重方式の設定通りに聞こえる。つまり、原音声信号の多重方式がステレオの時、再生音声がステレオで聞こえる。一方、原音声信号の多重方式がデュアルモノラルの時、再生音声が主音声で聞こえる。こうして、上記のDVDプレーヤはDVDビデオ規格に従い、一つのタイトル内で一つの多重方式を固定した上で、再生音声をスイッチ4に対する設定通りに実質上切り換えできる。
【0129】
ディスク管理情報は上記の通り、タイトル関連情報記録領域22内のアドレス情報を一切含まない。従って、上記のDVDプレーヤはタイトル関連情報記録領域22内にはアクセスしない。つまり、上記のDVDプレーヤはタイトル関連情報を参照せずにタイトルのデータを再生する。それにより、上記のDVDプレーヤがタイトル関連情報記録領域22内へのアクセスにより暴走等の異常動作を起こすことを防止できる。
こうして、実施例1によるDVD−Rレコーダで記録されたDVD−R7から音声信号を、DVDビデオ規格に準拠のDVDプレーヤで再生できる。
【0130】
実施例1では、DVD−Rを記録媒体とした。その他に、DVD−RW、DVD−RAM、又は、光磁気ディスク等を実施例1による音声信号記録装置100での記録媒体としても良い。特に、DVD−RWはDVD−R同様に、DVDビデオ規格に準拠のDVDプレーヤ等の音声信号再生装置で再生できる。
【0131】
[AD変換器の位置]
実施例1では音声信号抽出部3がAD変換器3aを含む。それにより、音声信号合成部10はディジタル信号処理により高品質な合成音声信号を合成できる。更に、記録用音声信号生成部5の高能率符号化部5aはスイッチ4からの出力音声信号を高速に高能率符号化できる。
【0132】
音声信号抽出部3の他に、例えば、スイッチ4がAD変換器を有しても良い。その場合好ましくは、スイッチ4は選択した出力音声信号のみをAD変換器で処理する。それにより、音声信号抽出部3内で全てのチャンネルの抽出音声信号をAD変換する場合に比べてAD変換されるチャンネル数を低減できるので、AD変換器の数を低減できる。
【0133】
スイッチ4の他に、記録用音声信号生成部5がAD変換器を有しても良い。その場合、記録用音声信号生成部5は例えば、スイッチ4からの出力音声信号のそれぞれがディジタル信号かアナログ信号かを判別する。出力音声信号の内ディジタル信号であるものは、AD変換器に入力されてAD変換される。一方、出力音声信号の内アナログ信号であるものは、AD変換器には通されない。そのような処理の後、記録用音声信号生成部5は記録用音声信号の生成を開始する。
記録用音声信号生成部5で出力音声信号のAD変換を行う場合、スイッチ4と同様、音声信号抽出部3内で抽出音声信号をAD変換する場合に比べてAD変換されるチャンネル数を低減できるので、AD変換器の数を低減できる。
【0134】
[複数の多重音声信号の入力]
実施例1による音声信号記録装置100が上記の多重音声信号入力部1に加えて、別の多重音声信号入力部を複数有しても良い。例えば、上記の多重音声信号入力部1がチューナChからTV放送の多重音声信号を入力する。それと共に、別の複数の多重音声信号入力部が、外部音声入力、ディジタルビデオカメラ及びパソコンからそれぞれ複数の多重音声信号を入力しても良い。更に、上記の多重音声信号入力部1とは別の多重音声信号入力部が、共通のチューナChから別のチャンネルのTV放送の多重音声信号を入力しても良い。
【0135】
上記のように多重音声信号入力部が複数ある場合、好ましくは、多重方式判別部がそれぞれの多重音声信号入力部に対応して複数ある。その場合、スイッチ4は抽出音声信号の中から出力音声信号を、複数の多重方式判別部からの複数の多重方式情報に応じて選択する。それにより、複数の多重音声信号を上記の実施例1と同様に一つの記録用音声信号ファイルとしてDVD−R7に記録できる。
【0136】
《実施例2》
図8は本発明の実施例2による音声信号再生装置200を示すブロック図である。実施例2による音声信号再生装置200はDVDプレーヤの音声信号再生部である。DVD−R7については実施例1のものと同様である。それ故、実施例1と同様の構成要素については実施例1と同じ符号を付し、その説明は実施例1のものを援用する。
【0137】
読み出し部201は上記のDVDプレーヤのピックアップであり、DVD−R7の表面にレーザを照射するための半導体レーザ201a、及び、DVD−R7の表面からの反射光を検出するための光検出器201bを含む。
半導体レーザ201aはレーザをDVD−R7の表面に照射する。その時のレーザの強度は、実施例1の記録部6のもの6aより弱いので、そのレーザを照射された記録膜の部分で光反射率を変化させない。
半導体レーザ201aのレーザはDVD−R7の表面で反射される。その反射光の強度を光検出器201bが検出する。実施例1の説明で述べた通り、DVD−R7はディジタル信号を記録膜73の光反射率の変化として記録している。従って、光検出器201bにより反射光の強度変化を検出すれば、DVD−R7に記録されたディジタル信号を読み出し得る。
【0138】
記録用音声信号再生部202は、読み出し部201によりDVD−R7から読み出された信号から記録用音声信号を検出する。
多重方式情報再生部203は、読み出し部201によりDVD−R7から読み出された信号から多重方式情報を検出する。
制御部204は、読み出し部201によりDVD−R7から読み出された同期信号、ウォブル信号Sw及びプリピット信号Spに基づいて、読み出し部201を制御する。例えば、上記のピックアップのサーボ制御、及び、読み出し先のアドレスの設定等を行う。
【0139】
音声信号処理部205は記録用音声信号再生部202から記録用音声信号を入力し、複数のチャンネルの音声信号に変換する。音声信号処理部205は特に、記録用音声信号を復号するための復号器205aを含む。それにより、例えば実施例1の記録用音声信号生成部5の高能率符号化部5aと同様な高能率符号化器により圧縮された記録用音声信号を復号する。
音声信号処理部205から出力された複数のチャンネルの音声信号はそれぞれスピーカ207へ入力され、音声に変換される。
【0140】
音声信号処理制御部206は多重方式情報再生部203により出力された多重方式情報等から多重方式を判別し、その多重方式に基づいて、例えば音声信号処理部205により出力されるべき音声信号を選択し、又は、出力先のスピーカ207を指定する。
【0141】
DVD−R7が実施例1によるDVD−Rレコーダで記録された音声信号を含む場合、実施例2による音声信号再生装置200はDVD−R7からその音声信号を以下のように、多重方式情報を参照して再生できる。
【0142】
読み出し部201はディスク管理情報記録領域21(図5参照)からディスク管理情報を読み出すと共に、タイトル関連情報記録領域22(図5参照)からタイトル関連情報を読み出す。音声信号処理制御部206は特にタイトル関連情報の多重方式情報に基づいて、音声信号処理部205により出力されるべき音声信号の多重方式を選択できる。例えば、図6のように一つのタイトル内で多重方式がステレオとデュアルモノラルとの間で交互に切り替わる場合、音声信号処理制御部206がデュアルモノラルの部分だけを選択できる。従って、例えば、図6のタイトルAがTV放送の洋画番組である時、実施例2による音声信号再生装置200は、ステレオ放送のCM部分をスキップして、二か国語放送の洋画部分だけを再生できる。
以上のように、実施例2による音声信号再生装置200は、実施例1による音声信号記録装置で記録されたDVDビデオ規格に従ったフォーマットの音声信号を再生できる。
【0143】
実施例2による音声信号再生装置は、以下のようにパソコンで実現できる。例えば、DVD−ROMドライブを読み出し部201として機能させ、CPUを所定のプログラムの実行により記録用音声信号再生部202及び多重方式情報再生部203として機能させる。
【0144】
《実施例3》
図9は、本発明の実施例3による音声信号記録装置300の構成を示すブロック図である。実施例3による音声信号記録装置300は、実施例1同様DVD−Rレコーダの音声信号記録部であり、実施例1と同様な構成に一時記録媒体301を追加したものである。従って、実施例3では、実施例1と同様な構成については実施例1と同じ符号を付し、その説明は実施例1のものを援用する。
【0145】
一時記録媒体301はハードディスク又は半導体メモリのいずれかである。記録部6は記録用音声信号ファイル8及び多重方式情報ファイル9を、DVD−R7への記録前に一時記録媒体301へ一時記録できる。
【0146】
一時記録媒体301が大容量のハードディスクである場合、記録部6は、記録用音声信号ファイル8及び多重方式情報ファイル9の全体を一時記録媒体301に記録できる。従って、例えば、DVD−R7への記録前に記録用音声信号ファイル8を一時記録媒体301から再生してその内容を確認できる。更に、実施例3による音声信号記録装置300がDVD−R7を装着していない時、記録部6はDVD−R7に代えて一時記録媒体301にデータを記録できる。その上、実施例3による音声信号記録装置300が別の装置と同じDVD−Rドライブを共用する場合、その別の装置の使用によりDVD−Rドライブが使用できない時、記録部6はDVD−Rに代えて一時記録媒体301へデータを記録できる。
【0147】
一方、一時記録媒体301が半導体メモリである場合、記録部6はデータをDVD−R7への記録よりも高速に一時記録媒体301へ記録できる。それ故、記録部6はDVD−R7へのデータの記録時において一時記録媒体301をバッファとして使用できる。例えば、振動時又はDVD−R7の表面上の傷等の回避動作時にデータの書き込みを中断する場合、書き込みの中断時のデータを一時記録媒体301に保持できる。その結果、記録部6はデータの書き込みを速やかに再開できる。
【0148】
《実施例4》
図10は、本発明の実施例4による音声信号記録装置400の構成を示すブロック図である。実施例4による音声信号記録装置400は、実施例1同様DVD−Rレコーダの音声信号記録部であり、実施例1と同様な構成に同期信号生成部401を追加したものである。従って、実施例4では、実施例1と同様な構成については実施例1と同じ符号を付し、その説明は実施例1のものを援用する。
【0149】
記録用音声信号生成部5は実施例1同様、スイッチ4からの出力音声信号に対する高能率符号化部5a及び多重化部5bを含む。高能率符号化及び多重化はいずれもディジタル信号処理である。それらのディジタル信号処理との同期を取るための同期信号を、同期信号生成部401は生成する。スイッチ4はその同期信号に同期して、出力音声信号を切り換える。
【0150】
例えば、記録用音声信号生成部5でのエンコードフォーマットがリニアPCMであり、出力音声信号がステレオのLch音声信号とRch音声信号とである場合を想定する。その場合、同期信号生成部401は、それぞれ一定の周波数の矩形波電圧信号であるBCK信号及びLRCK信号を同期信号として生成する。多重化部5bは以下のようにして、BCK信号及びLRCK信号に同期したシリアル信号として記録用音声信号を出力する。まず、LRCK信号が高電位Hである間はLch音声信号を、一方低電位Lである間はRch音声信号を、多重化部5bはそれぞれ選択する。次に、多重化部5bは選択した音声信号をBCK信号の立ち上がりでラッチする。それにより、選択した音声信号の0及び1を、BCK信号の周波数で規定されるサンプリングレートで確定する。
【0151】
多重化部5bによる上記の処理時に音声信号の多重方式がステレオからデュアルモノラルに切り替わった場合、スイッチ4はLRCK信号に同期して、例えばRch音声信号をLch音声信号の複製に切り換える。それにより、スイッチ4の切り換え前後で一方の音声信号の一部が欠落して他方の音声信号に混合すること、を回避できる。その結果、スイッチ4の切り替えと多重化部5bでの処理との同期のずれに起因する雑音が再生音声に含まれること、を回避できる。
【0152】
上記の場合とは別に、スイッチ4からの出力音声信号が時分割された多チャンネルの音声信号である場合を想定する。記録用音声信号生成部5の高能率符号化部5aはその出力音声信号を入力したチャンネルの順に高能率符号化する。その場合、同期信号生成部401は高能率符号化部5aによるチャンネルの切り換えに同期した同期信号を生成する。スイッチ4への入力音声信号の多重方式が切り替わった時、スイッチ4は同期信号生成部401の同期信号に同期して出力音声信号を切り換える。それにより、出力音声信号の時分割による区切れ目とスイッチ4による出力音声信号の切り換えとを一致させ得る。それ故、スイッチ4の切り換え前後で一方の出力音声信号の一部が欠落して他方の出力音声信号に混合すること、を回避できる。その結果、スイッチ4の切り替えと高能率符号化部5aでの処理との同期のずれに起因する雑音が再生音声に含まれること、を回避できる。
【0153】
実施例4では、同期信号生成部401が同期信号を生成し、その同期信号に同期してスイッチ4が出力音声信号を切り換えた。その他に、映像信号に含まれている水平同期信号又は垂直同期信号に同期して、スイッチ4が出力音声信号を切り換えても良い。その場合、音声信号は映像信号の水平同期信号及び垂直同期信号に同期しているので、例えば映像信号のフレームの切り換えに同期して音声信号の多重方式を切り換え、それにより音声を自然に切り換え得る。
【0154】
《実施例5》
図11は、本発明の実施例5による音声信号記録装置500の構成を示すブロック図である。実施例5による音声信号記録装置500は、実施例1同様DVD−Rレコーダの音声信号記録部であり、実施例1と同様な構成に二つのフェード部501及び502を追加したものである。従って、実施例5では、実施例1と同様な構成については実施例1と同じ符号を付し、その説明は実施例1のものを援用する。
【0155】
第一のフェード部501は音声信号抽出部3から抽出音声信号を、音声信号合成部10から合成音声信号をそれぞれ入力し、それらをスイッチ4への入力音声信号として出力する。第二のフェード部502はスイッチ4から出力音声信号を入力し、それらを記録用音声信号生成部5へ中継する。更に、第一のフェード部501及び第二のフェード部502はそれぞれ多重方式判別部2から多重方式情報を入力する。
【0156】
第一のフェード部501は抽出音声信号及び合成音声信号に対して、第二のフェード部502は出力音声信号に対してそれぞれ以下のような処理を行う。
第一のフェード部501は、多重方式情報から多重音声信号の多重方式の切り替わりを検知した時、抽出音声信号及び合成音声信号に対してまずフェードアウト処理を行う。具体的に言うと、第一のフェード部501は抽出音声信号及び合成音声信号の音量を上記の検知時から緩やかに下げ始める。その後、切り替わった多重方式に対応する抽出音声信号の入力時までに、第一のフェード部501は抽出音声信号及び合成音声信号の音量を可聴でないレベルまで下げる。ここで、フェードアウト処理の時間は一定のクロック数に設定されていて、数十msec程度である。
【0157】
切り替わった多重方式に対応する抽出音声信号の入力開始後、第一のフェード部501はフェードイン処理を行う。具体的に言うと、第一のフェード部501は抽出音声信号及び合成音声信号の音量を上記の入力開始時から緩やかに上げ始め、元のレベルまで戻す。ここで、フェードイン処理の時間は一定のクロック数に設定されていて、数十msec程度である。
【0158】
第二のフェード部502は、多重方式情報から多重音声信号の多重方式の切り替わりを検知した時、出力音声信号に対してまずフェードアウト処理を行う。具体的に言うと、第二のフェード部502は出力音声信号の音量を上記の検知時から緩やかに下げ始める。その後、切り替わった多重方式に対応する出力音声信号の入力時までに、第二のフェード部502は出力音声信号の音量を可聴でないレベルまで下げる。ここで、フェードアウト処理の時間は一定のクロック数で設定され、数十msec程度である。
【0159】
切り替わった多重方式に対応する出力音声信号の入力開始後、第二のフェード部502はフェードイン処理を行う。具体的に言うと、第二のフェード部502は出力音声信号の音量を上記の入力開始時から緩やかに上げ始めて、元のレベルまで戻す。ここで、フェードイン処理の時間は一定のクロック数に設定されていて、数十msec程度である。
【0160】
上記のフェードアウト処理時、すなわち、入力音声信号及び出力音声信号の音量がいずれも可聴でないレベルまで下がった時、スイッチ4は出力音声信号の切り換えを行う。それによりスイッチ4が出力音声信号をスムーズに切り換えできる。その結果、多重方式の切り替わり時に不連続な再生音声の発生、特に雑音の発生を低減できる。例えばTV放送の洋画番組を記録する場合、二か国語放送の洋画部分とステレオ放送のCM部分との間での音量等の不連続な変化を低減できる。
【0161】
実施例5のように、二つのフェード部をスイッチ4の前後に設置することが好ましい。その他に、スイッチ4の前後のいずれか一方だけにフェード部を一つ設置するだけでも良い。但し、スイッチ4の前だけにフェード部を設置した場合、スイッチ4からの出力音声信号には、スイッチ4の切り換え動作に起因する雑音が含まれ得る。
【0162】
[AD変換器の位置によるフェード部の動作上の相違]
実施例5では音声信号抽出部3がAD変換器3aを含む。その他に、例えば、スイッチ4がAD変換器を有し、選択した出力音声信号のみをそのAD変換器で処理しても良い。その場合、第一のフェード部501へ入力される抽出音声信号の中にはアナログ信号が含まれ得る。従って、第一のフェード部501ではアナログ信号に対しては、フェードイン処理の時間及びフェードアウト処理の時間がそれぞれ一定値に設定される。一方、スイッチ4の出力音声信号は全てディジタル信号である。それ故、第二のフェード部502では上記と同様に、フェードイン処理の時間及びフェードアウト処理の時間がそれぞれ一定のクロック数に設定される。
【0163】
スイッチ4とは別に、記録用音声信号生成部5がAD変換器を有しても良い。その場合、第二のフェード部502へ入力されるスイッチ4の出力音声信号の中にもアナログ信号が含まれ得る。従って、第二のフェード部502でも上記の第一のフェード部501と同様に、アナログ信号に対してはフェードイン処理の時間及びフェードアウト処理の時間がそれぞれ一定値に設定される。
【0164】
《実施例6》
図12は、本発明の実施例6による音声信号記録装置600の構成を示すブロック図である。実施例6による音声信号記録装置600は、実施例1同様DVD−Rレコーダの音声信号記録部であり、実施例1と同様な構成に二つのミュート部601及び602を追加したものである。従って、実施例6では、実施例1と同様な構成については実施例1と同じ符号を付し、その説明は実施例1のものを援用する。
【0165】
第一のミュート部601は音声信号抽出部3から抽出音声信号を、音声信号合成部10から合成音声信号をそれぞれ入力し、それらをスイッチ4への入力音声信号として出力する。第二のミュート部602はスイッチ4から出力音声信号を入力し、それらを記録用音声信号生成部5へ中継する。更に、第一のミュート部601及び第二のミュート部602はそれぞれ多重方式判別部2から多重方式情報を入力する。
【0166】
第一のミュート部601は抽出音声信号及び合成音声信号に対して、第二のミュート部602は出力音声信号に対してそれぞれ以下のような処理を行う。
第一のミュート部601は、多重方式情報から多重音声信号の多重方式の切り替わりを検知した時、抽出音声信号及び合成音声信号に対してミュートを設定する。すなわち、抽出音声信号及び合成音声信号の音量を速やかに下げる。その結果、抽出音声信号及び合成音声信号の音量が可聴でないレベルまで下がる。
切り替わった多重方式に対応する抽出音声信号の入力開始後、第一のミュート部601はミュートを解除する。すなわち、抽出音声信号及び合成音声信号の音量を速やかに上げ、元のレベルまで戻す。
【0167】
第二のミュート部602は、多重方式情報から多重音声信号の多重方式の切り替わりを検知した時、出力音声信号に対してミュートを設定する。すなわち、出力音声信号の音量を速やかに下げる。その結果、出力音声信号の音量が可聴でないレベルまで下がる。
切り替わった多重方式に対応する出力音声信号の入力開始後、第二のミュート部601はミュートを解除する。すなわち、出力音声信号の音量を速やかに上げ、元のレベルまで戻す。
【0168】
上記のミュートの設定後かつ解除前に、すなわち、入力音声信号及び出力音声信号の音量がいずれも可聴でないレベルまで下がった時、スイッチ4は出力音声信号の切り替えを行う。それにより、スイッチ4が出力音声信号をスムーズに切り換えできる。その結果、多重方式の切り替わり時に不連続な再生音声の発生、特に雑音の発生を低減できる。例えばTV放送の洋画番組を記録する場合、二か国語放送の洋画部分とステレオ放送のCM部分との間での音量等の不連続な変化を低減できる。
【0169】
実施例5ではスイッチ4の前後にいずれもフェード部を設置した。一方、実施例6ではスイッチ4の前後にいずれもミュート部を設置した。以上の他に、スイッチ4の前後のいずれか一方にフェード部を、他方にミュート部を、それぞれ設置するようにしても良い。
【0170】
一般的にいうと、フェード処理は多重方式の切り替わり時の雑音をミュート処理より効果的に低減できる。従って、例えば実施例6の第一のミュート部601をフェード部に置換した場合、スイッチ4への入力音声信号に含まれた多重方式の切り替わり時の雑音を効果的に低減できる。但し、フェード部は一般にミュート部より複雑な構成を有するので、第一のミュート部601をフェード部に置換した回路は実施例6に比べて複雑である。
【0171】
《実施例7》
図13は、本発明の実施例7による音声信号記録装置700の構成を示すブロック図である。実施例7による音声信号記録装置700は、実施例1同様DVD−Rレコーダの音声信号記録部である。実施例7では、実施例1と同様な構成については実施例1と同じ符号を付し、その説明は実施例1のものを援用する。
【0172】
実施例7による音声信号記録装置700は三対の多重音声信号入力部及び多重方式判別部を有する。
第一の多重音声信号入力部1aはチューナChから中間周波信号を入力し、その中間周波信号から第一の多重音声信号を検波する。
第二の多重音声信号入力部1bは外部音声入力端子Sinを通して第二の多重音声信号を入力する。外部音声入力端子Sinには、例えば、別のDVDプレーヤ又はディジタルビデオカメラが接続されている。
第三の多重音声信号入力部1cは、パソコンPCから第三の多重音声信号を入力する。
第一から第三までの多重音声信号はいずれも音声信号抽出部3へ出力される。
【0173】
第一及び第二の多重方式判別部2a、2bは、第一及び第二の多重音声信号入力部1a、1bへそれぞれ入力された第一及び第二の多重音声信号からそれぞれの多重方式を判別する。更に、第一及び第二の多重方式判別部2a、2bはそれぞれ判別した多重方式に対応して、第一及び第二の多重方式情報をそれぞれ作成する。
一方、多重方式情報入力部2cは、第三の多重音声信号入力部1cへ入力された第三の多重音声信号とは別にその多重方式情報をパソコンPCから入力する。多重方式情報入力部2cは入力した多重方式情報を第三の多重方式情報として出力する。
【0174】
音声信号抽出部3は第一から第三までの多重音声信号のそれぞれから複数のチャンネルの音声信号をそれぞれ復調し、抽出音声信号として抽出する。その時、抽出音声信号のそれぞれのフォーマットは、多重音声信号の種類により異なる。
【0175】
フォーマット変換部701は音声信号抽出部3から抽出音声信号を入力し、それぞれのフォーマットを一定のものに揃える。その後、一定のフォーマットの抽出音声信号をスイッチ4へ入力する。それにより、スイッチ4からの出力音声信号のフォーマットが一定に揃う。従って、記録用音声信号生成部5の高能率符号化部5aはスイッチ4からの出力音声信号に対して、同一の高能率符号化処理を行えば良い。それ故、高能率符号化部5aは出力音声信号の高能率符号化を容易に実行できる。その上、出力音声信号のフォーマットに対する高能率符号化部5aの設定を一定にできるので、再設定のための中断を回避できる。その結果、記録用音声信号を実質的に連続して生成できるので、記録部は記録用音声信号ファイルを連続に記録できる。
【0176】
《実施例8》
図14は、本発明の実施例8による音声信号記録装置110の構成を示すブロック図である。実施例8による音声信号記録装置110は、実施例1同様DVD−Rレコーダの音声信号記録部である。実施例8による音声信号記録装置110は、実施例1によるもの100(図1参照)と比べて、多重方式判別部2に代えて多重方式情報入力部112を有する点で異なる。その他の構成については実施例1と同様であるので、それらには実施例1と同じ符号を付し、その説明は実施例1のものを援用する。
【0177】
多重方式情報入力部112は外部から多重方式情報を、その対応する多重音声信号とは独立に入力する。入力された多重方式情報は、スイッチ4及び記録部6へそれぞれ出力される。
例えば図14に示されているように、外部のパソコンPCから記録用音声信号ファイルを多重音声信号入力部1へ、多重方式情報ファイルを多重方式情報入力部112へ、それぞれ入力しても良い。
【0178】
その他に、多重音声信号入力部1及び多重方式情報入力部112を共通のネットワークインタフェースに接続する。それにより、ネットワーク経由で外部から伝送されてくるデータの内、記録用音声信号ファイルを多重音声信号入力部1へ、多重方式情報ファイルを多重方式情報入力部112へ、それぞれ入力しても良い。
【0179】
多重方式情報入力部112への多重方式情報の入力は好ましくは、対応する多重音声信号の多重音声信号入力部1への入力より前である。それにより、スイッチ4による出力音声信号の切り換えのタイミングを、スイッチ4への入力音声信号の入力前に予め設定できる。従って、実施例1とは異なり、スイッチ4は切り換え時に多重方式情報を読み取らなくても良い。それ故、スイッチ4は出力音声信号を容易にかつ確実に切り換えできる。
【0180】
更に、実施例1とは異なり、記録部6は多重方式情報ファイルを、記録用音声信号ファイルより先にDVD−R7に記録できる。従って、記録部6によるタイトル終了処理時に多重方式情報ファイルの記録時間を省ける。それ故、次のタイトルの記録を早く開始できる。
【0181】
《実施例9》
図15は、本発明の実施例9による音声信号記録装置310の構成を示すブロック図である。実施例9による音声信号記録装置310は、実施例8同様DVD−Rレコーダの音声信号記録部であり、実施例8と同様な構成に一時記録媒体311を追加したものである。従って、実施例9では、実施例8と同様な構成については実施例8と同じ符号を付し、その説明は実施例8のものを援用する。
更に、一時記録媒体311及びその作用は実施例3の一時記録媒体301と全く同様である。それ故、その説明は実施例3のものを援用する。
【0182】
《実施例10》
図16は、本発明の実施例10による音声信号記録装置410の構成を示すブロック図である。実施例10による音声信号記録装置410は、実施例8同様DVD−Rレコーダの音声信号記録部であり、実施例8と同様な構成に同期信号生成部411を追加したものである。従って、実施例10では、実施例8と同様な構成については実施例8と同じ符号を付し、その説明は実施例8のものを援用する。
更に、同期信号生成部411及びその作用は実施例4の同期信号生成部401と全く同様である。それ故、その説明は実施例4のものを援用する。
【0183】
《実施例11》
図17は、本発明の実施例11による音声信号記録装置510の構成を示すブロック図である。実施例11による音声信号記録装置510は、実施例8同様DVD−Rレコーダの音声信号記録部であり、実施例8と同様な構成に二つのフェード部511及び512を追加したものである。従って、実施例11では、実施例8と同様な構成については実施例8と同じ符号を付し、その説明は実施例8のものを援用する。
更に、二つのフェード部511と512、及びそれらの作用は実施例5の二つのフェード部501と502と全く同様である。それ故、その説明は実施例5のものを援用する。
【0184】
《実施例12》
図18は、本発明の実施例12による音声信号記録装置610の構成を示すブロック図である。実施例12による音声信号記録装置610は、実施例8同様DVD−Rレコーダの音声信号記録部であり、実施例8と同様な構成に二つのミュート部611及び612を追加したものである。従って、実施例12では、実施例8と同様な構成については実施例8と同じ符号を付し、その説明は実施例8のものを援用する。
更に、二つのミュート部611と612、及びそれらの作用は実施例6の二つのミュート部601と602と全く同様である。それ故、その説明は実施例6のものを援用する。
【0185】
《実施例13》
図19は、本発明の実施例13による音声信号記録装置900の構成を示すブロック図である。実施例13による音声信号記録装置900は、実施例1同様DVD−Rレコーダの音声信号記録部である。実施例13による音声信号記録装置900は、実施例1によるもの100(図1参照)と比べて、記録用音声信号生成部5に代えてエンコード処理部905を有する点で異なる。その他の構成については実施例1と同様であるので、それらには実施例1と同じ符号を付し、その説明は実施例1のものを援用する。
【0186】
エンコード処理部905はスイッチ4から出力音声信号を、多重方式判別部2から多重方式情報をそれぞれ入力する。エンコード処理部905は多重方式情報から多重方式を判別し、その多重方式に応じてエンコードフォーマットを選択する。例えばチャンネル数、ビットレート、有効音声ビット数(量子化ビット数)、及び、サンプリング周波数を選択する。更に、多重方式が切り替わった時、エンコードフォーマットも合わせて切り換える。
【0187】
そのように多重方式に応じて選択されたエンコードフォーマットで、エンコード処理部905はその多重方式情報に対応する出力音声信号に対して高能率符号化を実行し、記録用音声信号を生成する。こうして、エンコード処理部905は、一定のエンコードフォーマットで高能率符号化する場合に比べて高品質な記録用音声信号を生成できる。従って、エンコード処理部905による記録用音声信号の生成は、特に音楽番組等の高品質な音声の記録に適している。
【0188】
記録部6はエンコード処理部905から記録用音声信号を入力する。記録部6は記録用音声信号をそのエンコードフォーマットごとに別のタイトルとして、それぞれのタイトルの記録用音声信号を一つの記録用音声信号ファイル内にまとめる。つまり、エンコードフォーマットが切り替わるごとに、記録部6は記録用音声信号を別のタイトルとして記録する。
従って、一つのタイトル内では記録用音声信号のエンコードフォーマットが一定である。それ故、その記録用音声信号をDVDビデオ規格に準拠のDVDプレーヤで再生できる。
【0189】
但し、記録部6はタイトルを一つ終了するごとにタイトル関連情報を書き込み、更に次のタイトルの記録開始前にエンコードフォーマットの変更を行う。その結果、一連の記録用音声信号がタイトルの切り替わり時に不連続になりやすい。そのような記録用音声信号を再生する場合、タイトルの切り替わり時に再生音声が不自然な感じで不連続になりやすい。そこで、エンコード処理部905がエンコードフォーマットの切り換えと同時に、ミュート処理又はフェード処理を記録用音声信号に対して行っても良い。それにより、実施例5及び実施例6と同様に、不連続な音声の発生を低減できる。
【0190】
ユーザがタイトルの記録開始前に例えばボタン等の機械的スイッチB3により、エンコード処理部905に対してエンコードフォーマットの切り換えを予め抑制できるようにしても良い。それにより、一つのDVD−R7内に記録されるタイトル数の増加を抑制できる。従って例えば、DVDビデオ規格のように一つのDVD−R7内に記録できるタイトルの最大数が限られている場合、DVD−R7上の全ての記録領域にデータを記録する前に、タイトル数が上限に達することを回避できる。
【0191】
《実施例14》
図20は、本発明の実施例14による音声信号記録装置910の構成を示すブロック図である。実施例14による音声信号記録装置910は、実施例8同様DVD−Rレコーダの音声信号記録部である。実施例14による音声信号記録装置910は、実施例8によるもの110(図14参照)と比べて、記録用音声信号生成部5に代えてエンコード処理部915を有する点で異なる。その他の構成については実施例8と同様であるので、それらには実施例8と同じ符号を付し、その説明は実施例8のものを援用する。
【0192】
多重方式情報入力部801が多重方式情報を、対応する多重音声信号より先に入力している時、エンコード処理部915はその多重方式情報に応じてエンコードフォーマットの切り替えを予め設定できる。それ故、エンコード処理部915はエンコードフォーマットの切り換えを容易にかつ確実にでき、高品質な記録用音声信号を生成できる。
エンコード処理部915のその他の作用については実施例13のエンコード処理部905と全く同様であるので、その説明は実施例13のものを援用する。
【0193】
《実施例15》
[実施例15による音声信号記録装置の構成]
図21は、本発明の実施例15による音声信号記録装置1000の構成を示すブロック図である。実施例15による音声信号記録装置1000はパソコンにより以下のように構成される。
【0194】
チューナボード1010は内部にチューナ1014、第一の多重音声信号入力部1011、多重方式判別部1012、第一の音声信号抽出部1013を含む。チューナ1014は外部のアンテナA又はケーブルCaを通してTV放送の電波を受信し、中間周波信号へ変換する。ここで、TV放送はアナログ放送であってもディジタル放送であっても良い。更に、TV放送は一般に音声多重放送であって、例えば、モノラル、ステレオ、又は、二か国語放送等を含む。
中間周波信号は第一の多重音声信号入力部1011へ入力される。第一の多重音声信号入力部1011は、その中間周波信号から第一の多重音声信号を検波する。検波された第一の多重音声信号は第一の音声信号抽出部1013へ出力される。
【0195】
多重方式判別部1012は、第一の多重音声信号入力部1011により検波された第一の多重音声信号からその多重方式を判別する。ここで、多重方式はモノラル、ステレオ、二か国語放送等のデュアルモノラル、三チャンネル以上のマルチリンガル、立体音響用マルチチャンネル音声(フロント、サラウンド、及びその他の効果音等)、カラオケ音声のように特種な多チャンネル音声等を含む。
更に、多重方式判別部1012は判別した多重方式に対応して、第一の多重方式情報を作成する。第一の多重方式情報は実施例1の多重方式情報と同様である。それ故、その説明は実施例1のものを援用する。
【0196】
第一の音声信号抽出部1013は、第一の多重音声信号に多重された一般に複数のチャンネルの音声信号をそれぞれ復調し、それぞれのチャンネルの音声信号を第一の抽出音声信号として抽出する。ここで、第一の抽出音声信号の種類は、モノラル音声信号、ステレオ放送でのLch音声信号とRch音声信号、及び、デュアルモノラル放送での主音声信号と副音声信号等を含む。
更に、第一の音声信号抽出部1013はAD変換器1013aを含む。AD変換器1013aは、第一の抽出音声信号の内アナログ信号であるものを、リニアPCMでディジタル信号へ変換する。その結果、第一の音声信号抽出部1013から出力される第一の抽出音声信号は全てのチャンネルでディジタル信号である。
【0197】
ネットワークボード1020は内部に第二の多重音声信号入力部1021、多重方式情報入力部1022、第二の音声信号抽出部1023及びネットワークインタフェース1024を含む。ネットワークボード1020は例えば外部のネットワークLANへ接続されている。
ネットワークLAN上には例えばビデオサーバがあり、多重音声信号及びその多重方式情報を別々のパケットで送出する。ネットワークインタフェース1024はそれぞれのパケットをネットワークLANから受け取り、多重音声信号を第二の多重音声入力部1021へ、多重方式情報を多重方式情報入力部1022へ、それぞれ出力する。
【0198】
第二の多重音声信号入力部1021はネットワークインタフェース1024から多重音声信号を、第二の多重音声信号として入力する。一方、多重方式情報入力部1022はネットワークインタフェース1024から多重方式情報を、第二の多重方式情報として入力する。
【0199】
第二の音声信号抽出部1023は、第二の多重音声信号に多重された一般に複数のチャンネルの音声信号をそれぞれ復調し、それぞれのチャンネルの音声信号を第二の抽出音声信号として抽出する。ここで、第二の抽出音声信号の種類は、モノラル音声信号、及び、ステレオ放送でのLch音声信号とRch音声信号等を含む。ネットワークインタフェース1024から出力される多重音声信号はディジタル信号である。それ故、第二の音声信号抽出部1023から出力される第二の抽出音声信号は全てのチャンネルでディジタル信号である。
【0200】
メインメモリ1040はRAMである。メインメモリ1040は第一の音声信号抽出部1013から第一の抽出音声信号を、第二の音声信号抽出部1023から第二の抽出音声信号を、それぞれ入力音声信号として入力し、一時記憶する。更に、メインメモリ1040は、多重方式判別部1012から第一の多重方式情報を、多重方式情報入力部1022から第二の多重方式情報を、それぞれ入力して一時記憶する。
【0201】
ディジタル信号処理部1100は、第一の抽出音声信号及び第二の抽出音声信号のいくつかをメインメモリ1040から読み出し、それらから新たな音声信号を合成する。合成された音声信号(合成音声信号)はメインメモリ1040へ、他の抽出音声信号と共に入力音声信号として一時記憶される。ここで、合成音声信号は例えば、サラウンド効果音声信号、残響音声信号、サブウーハ音声信号及びセンター効果音声信号等を含む。合成音声信号の種類は、CPU1050でディジタル信号処理部1100を制御して設定する。
【0202】
CPU1050はメインメモリ1040に記憶された所定のプログラムを実行する。それにより、メインメモリ1040に記憶された多重方式情報に基づいて、メインメモリ1040に記憶された入力音声信号から記録用音声信号が次のように生成される。例えば、CPU1050はメインメモリ1040から第一又は第二の多重方式情報を読み出す。CPU1050は多重方式情報に基づいて、メインメモリ1040から第一若しくは第二の抽出音声信号、又はそれらから合成された合成音声信号のいくつかのチャンネルを選択し、出力音声信号として高能率符号化部1110へ出力する。CPU1050は、特に多重方式情報から多重方式の変更を検知した時、出力音声信号を切り換える。
【0203】
ユーザはCPU1050の実行するプログラムにより、出力音声信号の多重方式を設定できる。但し、そのように設定される多重方式の種類は、一つのタイトル内で一種類に限定される。その限定により、実施例15による音声信号記録装置1000はDVD−R7へ音声信号を、後述のように、DVDビデオ規格に準拠のDVDプレーヤで再生可能なように記録できる。
多重音声信号が特定の多重方式である時、CPU1050はユーザにより設定された多重方式に基づいて出力音声信号を選択する。例えば、ユーザが主音声信号の選択を設定した場合、多重音声信号の多重方式がデュアルモノラルである時、CPU1050は主音声信号を出力音声信号として選択する。
【0204】
高能率符号化部1110はCPU1050による制御に従って、出力音声信号を所定のエンコードフォーマットで符号化する。エンコードフォーマットは例えば、リニアPCM(パルス符号変調)、MPEG/オーディオ、ドルビーディジタル(以下、AC−3という)等を含む。ユーザは、CPU1050の実行するプログラムにより、エンコードフォーマットを選択できる。
【0205】
CPU1050は高能率符号化部1110により符号化された音声信号を多重化し、一つのシリアル信号として記録用音声信号を生成する。こうして、CPU1050は実施例15での記録用音声信号生成部として機能する。
【0206】
CPU1050は記録用音声信号を、少なくとも一つのタイトルごとに一つの記録用音声信号ファイル1080とする。
更に、CPU1050は記録用音声信号ファイル1080を、パソコン内の映像信号処理部及び副映像信号処理部(いずれも図示せず)からの映像信号及び副映像信号のそれぞれのファイルと共に多重化し、DVD−Rドライブ1060へ出力する。
【0207】
DVD−Rドライブ1060はDVD−R7へのデータの書き込みを、実施例1の記録部6と同様に行う。その書き込み動作についての説明は実施例1のものを援用する。
DVD−Rドライブ1060はRAM1061を含む。DVD−Rドライブ1060は、多重方式判別部1012からの第一の多重方式情報、及び、多重方式情報入力部1022からの第二の多重方式情報を、それぞれ多重方式情報ファイル1090としてRAM1061に一時記憶する。多重方式情報ファイル1090は実施例1と同様に、タイトルの多重方式情報をその経過時間情報と合わせたものである。多重方式情報ファイル1090は、記録用音声信号ファイル1080のDVD−R7への記録後、DVD−R7へ記録される。
【0208】
DVD−Rドライブ1060は記録用音声信号ファイル1080及び多重方式情報ファイル1090を、DVD−R7への記録前にハードディスク1301及びバッファメモリ1302へ一時記録できる。
【0209】
ハードディスク1301は、記録用音声信号ファイル1080及び多重方式情報ファイル1090の全体を記録できる程の大容量を有する。従って、例えば、DVD−R7への記録前に記録用音声信号ファイル1080をハードディスク1301から再生してその内容を確認できる。更に、DVD−Rドライブ1060へDVD−R7を装着していない時、DVD−Rドライブ1060はDVD−R7に代えてハードディスク1301へデータを記録できる。その上、DVD−Rドライブ1060はDVD−Rに対するデータの書き込み及び読み出しと同時に、ハードディスク1301へ別のデータを記録できる。
【0210】
バッファメモリ1302は好ましくはRAMであり、DVD−R7より高速にデータを記録できる。それ故、DVD−Rドライブ1060は、振動時又はDVD−R7の表面上の傷等の回避動作時にデータの書き込みを中断する場合、書き込みの中断時のデータをバッファメモリ1302で保持できる。その結果、DVD−Rドライブ1060はデータの書き込みを速やかに再開できる。
【0211】
DVD−R7の構成、特に物理フォーマットは実施例1と全く同様であるので、その説明は実施例1のものを援用する。
【0212】
[実施例15による音声信号記録装置1000の動作]
上記のように構成された実施例15による音声信号記録装置1000の動作について、以下説明する。
【0213】
チューナボード1010がアンテナA又はケーブルCaを通してTV放送の電波を受信する。第一の多重音声信号入力部1011がその電波から第一の多重音声信号を検波する。第一の音声信号抽出部1013が第一の多重音声信号を第一の抽出音声信号へ変換する。第一の抽出音声信号はメインメモリ1040に一時記憶される。
多重方式判別部2は第一の多重音声信号の多重方式を判別し、第一の多重方式情報を作成する。その後、第一の多重方式情報はメインメモリ1040に一時記憶される。
【0214】
ネットワークボード1020は、ネットワークLANから第二の多重音声信号及び第二の多重方式情報をそれぞれ独立に入力する。第二の多重方式情報は、メインメモリ1040及びDVD−Rドライブ1060内のRAM1061にそれぞれ一時記憶される。
【0215】
ディジタル信号処理部1100は、例えば、第一の抽出音声信号及び第二の抽出音声信号のステレオLch音声信号及びRch音声信号をメインメモリ1040から読み出す。更に、読み出した音声信号からステレオLch音声信号の複製、Rch音声信号の複製、及び、サラウンド効果音声信号を合成する。それらの合成音声信号はメインメモリ1040へ、入力音声信号として一時記憶される。
【0216】
<CPU1050による出力音声信号の選択>
ユーザはCPU1050の実行するプログラムにより、出力音声信号の多重方式を例えばステレオに予め設定する。更に、第一の多重音声信号の多重方式がステレオからデュアルモノラルへ切り替わった場合には主音声信号が選択されるように予め設定する。そのような設定に基づいて、CPU1050は入力音声信号の中から出力音声信号を、例えば以下のようにして選択する。
【0217】
一つのタイトルの記録を開始した時、第一の多重方式情報から第一の多重音声信号の多重方式をステレオと判別した場合、CPU1050は入力音声信号の内、第一の抽出音声信号に含まれているLch音声信号とRch音声信号とを選択する。
その後同じタイトル内で、第一の多重音声信号の多重方式がステレオからデュアルモノラルへ切り替わった場合を想定する。CPU1050はその切り替わりを第一の多重方式情報から判別する。その時、CPU1050は入力音声信号の内、第一の抽出音声信号のLch音声信号とその複製とを選択する。ここで、Lch音声信号の複製は上記の通り、ディジタル信号処理部1100により予め合成され、メインメモリ1040に一時記憶されていた合成音声信号の内の一つである。こうして、一つのタイトルの多重方式をステレオに設定したまま、出力音声信号をステレオ音声信号からデュアルモノラルの主音声信号に実質的に切り換え得る。
【0218】
ユーザが副音声信号の選択を設定した場合も同様である。すなわち、同じタイトル内でステレオからデュアルモノラルへ多重方式が切り替わったことを多重方式情報から判別した場合、CPU1050は入力音声信号の内、Rch音声信号とRch音声信号の複製とを選択する。ここで、Rch音声信号の複製は上記の通り、ディジタル信号処理部1100により予め合成され、メインメモリ1040に一時記憶されていた合成音声信号の内の一つである。こうして、一つのタイトルの多重方式をステレオに設定したまま、出力音声信号をステレオ音声信号からデュアルモノラルの副音声信号に実質的に切り換え得る。
更に、多重音声信号の多重方式がステレオからモノラルに切り替わった時も同様に、一つのタイトルの多重方式をステレオに設定したまま、出力音声信号をステレオからモノラルに実質的に切り換え得る。
【0219】
上記のステレオの設定に代えて、ユーザが出力音声信号の多重方式をサラウンドに予め設定する。そのような設定に基づいて、CPU1050は入力音声信号の中から出力音声信号を、例えば以下のようにして選択する。
【0220】
一つのタイトルの記録を開始した時、多重方式情報から多重音声信号の多重方式をサラウンドと判別した場合、CPU1050は入力音声信号の内、6チャンネルのサラウンド音声信号を選択する。
その後同じタイトル内でサラウンドからステレオへ多重方式が切り替わったことを多重方式情報から判別した場合、スイッチ4は入力音声信号の内、ステレオ音声信号とサラウンド効果音声信号とを選択する。つまり、2チャンネルのステレオ音声信号を除く残りの4チャンネルの音声信号として、サラウンド効果音声信号がメインメモリ1040から読み出される。ここで、サラウンド効果音声信号は上記の通り、ディジタル信号処理部1100により予め合成され、メインメモリ1040に一時記憶されていた合成音声信号の内の一つである。こうして、一つのタイトルの記録途中で多重音声信号の多重方式がサラウンドからステレオへ切り替わった時、減少した抽出音声信号のチャンネル数と同じチャンネル数のサラウンド効果音声信号を補い得る。それにより、そのタイトルの記録を実質的に継続できる。
【0221】
CPU1050は出力音声信号を切り換える時、好ましくは、その切り換え前後の出力音声信号に対してフェード処理を行う。すなわち、実施例5のフェード部と同様に、切り換え前の出力音声信号をフェードアウトし、切り換え後の出力音声信号をフェードインする。それにより、出力音声信号の音量が可聴でないレベルまで下がった時、CPU1050は出力音声信号の切り換えを行う。その結果、多重方式の切り替わり時において、不連続な音声の発生を低減できる。例えば、民放TV局の映画番組を記録する場合、二か国語放送の映画部分とステレオ放送のCM部分との間での音量等の不連続な変化を低減できる。
【0222】
フェード処理に代えて、CPU1050が出力音声信号に対してミュート処理を行っても良い。すなわち、実施例6のミュート部と同様に、切り換え前の出力音声信号に対してミュートを設定し、切り換え後にミュートを解除する。それにより出力音声信号の音量が可聴でないレベルまで下がった時、CPU1050は出力音声信号の切り換えを行う。その結果、多重方式の切り替わり時において、不連続な音声の発生を低減できる。
【0223】
CPU1050はメインメモリ1040から読み出した出力音声信号を高能率符号化及び多重化し、DVD−Rドライブ1060へ出力する。
DVD−Rドライブ1060は、記録用音声信号ファイル1080をDVD−R7上の実質的に連続した記録領域に記録する。すなわち記録用音声信号ファイル1080は、映像信号、副映像信号、同期信号、記録媒体上のアドレス情報及び誤り訂正用符号の記録領域を間に挟んで連続した記録領域に記録される。
【0224】
DVD−Rドライブ1060はアンダーバッファラン時、不足した記録用音声信号と同じ情報量のパディング情報(ダミーのデータ)を作成する。そのパディング情報は記録用音声信号ファイル1080内の不足部分に挿入される。それにより、DVD−Rドライブ1060はアンダーバッファラン時に記録動作の中断を回避し、記録用音声信号ファイル1080のデータの途切れを防止する。
【0225】
こうして、DVD−Rドライブ1060は記録用音声信号ファイル1080をDVD−R7上の実質的に連続した記録領域へ記録する。その結果、DVD−Rドライブ1060は特に、記録用音声信号ファイル1080の記録時にリンキングの実行を低減できる。それにより、実施例15ではリンキングによる記録容量の減少と処理時間の増大とを防止できる。
【0226】
DVD−Rドライブ1060は記録用音声信号ファイル1080の記録終了後、多重方式情報ファイル1090をRAM1061から読み出し、DVD−R7に記録する。
DVD−R7上のデータフォーマットについては、実施例1のものと全く同様である。それ故、その説明は実施例1のものを援用する。
【0227】
こうして、実施例15によるDVD−Rドライブ1060で記録されたDVD−R7から音声信号を、実施例1と同様に、DVDビデオ規格に準拠のDVDプレーヤで再生できる。
【0228】
実施例15では、第二の多重方式情報を多重方式情報入力部1022へ入力する時刻が好ましくは、第二の多重方式情報に対応する第二の多重音声信号を第二の多重音声信号入力部1021へ入力する時刻より前である。それにより、CPU1050は第二の抽出音声信号について、メインメモリ1040から読み出す出力音声信号の切り換えのタイミング等を、その読み出し前に予め設定できる。
【0229】
更に、DVD−Rドライブ1060は第二の多重方式情報について、多重方式情報ファイルを記録用音声信号ファイルより先にDVD−R7に記録できる。従って、DVD−Rドライブ1060によるタイトル終了処理時に多重方式情報ファイルの記録時間を省ける。それ故、次のタイトルの記録を早く開始できる。
【0230】
実施例15では、多重方式判別部、音声信号抽出部、ディジタル信号処理部及び高能率符号化部をハードウェアとして構成した。その他に、CPU1050を所定のプログラムにより多重方式判別部、音声信号抽出部、ディジタル信号処理部又は高能率符号化部として機能させても良い。その場合、多重音声信号入力部がAD変換部を含み、多重音声信号がアナログ信号である場合ディジタル信号へ変換する。
【0231】
上記のいずれの実施例においても、多重方式判別部、音声信号抽出部、スイッチ又は記録用音声信号生成部をハードウェアとして構成する代わりに、所定のプログラムによりCPUをそれぞれとして機能させても良い。
【0232】
上記の実施例では、記録媒体をDVD−Rとした。その他に、記録装置及び再生装置から着脱可能な磁気記録媒体、光磁気記録媒体(MO)、半導体メモリ、又は磁気テープであっても良い。
【0233】
【発明の効果】
以上の説明の通り、本発明による音声信号記録装置では、音声信号とは別なファイルにその音声信号の多重方式情報を記録できる。従って、本発明による音声信号記録装置で記録された音声信号を再生する場合、多重方式情報を参照するかしないかを音声信号再生装置が選択できる。特に、上記の音声信号記録装置がDVDビデオ規格に対応している場合を想定する。その場合、上記の音声信号記録装置で記録された音声信号等のデータの構成は、DVDビデオ規格で規定された部分に加えて、DVDビデオ規格外の多重方式情報ファイルを有する。しかし、DVDビデオ規格に準拠の音声信号再生装置はその音声信号の再生時に、その多重方式情報ファイルを参照しないようにできる。それ故、DVDビデオ規格に準拠の音声信号再生装置は従来の構成を拡張することなく、上記の音声信号記録装置で記録された音声信号を再生できる。
【0234】
本発明による音声信号再生装置は、上記の本発明による音声信号記録装置で記録された音声信号の再生時に、多重方式情報ファイルを参照できる。従って、上記の音声信号記録装置で例えば二か国語放送とステレオ放送とが途中で切り替わる番組を録画した場合、本発明による音声信号再生装置は多重方式情報ファイルを参照し、例えば二か国語放送のみを再生できる。
【0235】
本発明による音声信号記録媒体では、音声信号とは別なファイルとしてその音声信号の多重方式情報のファイルを記録している。従って、その記録媒体に記録された音声信号を再生する場合、多重方式情報を参照するかしないかを音声信号再生装置が選択できる。特に、本発明による音声信号記録媒体がDVDビデオ規格に対応しているを想定する。その場合、DVDビデオ規格に準拠の音声信号再生装置が上記の本発明によるDVDに記録された音声信号の再生時、多重方式情報の参照しないようにできる。従って、従来のDVDビデオ規格に準拠のDVDと同様に、音声信号を再生できる。一方、上記の本発明による音声信号再生装置は、上記の本発明による音声信号記録媒体に記録された音声信号の再生時に、多重方式情報ファイルを参照できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による音声信号記録装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明の実施例1による記録媒体であるDVD−R7を示す図である。(a)はDVD−R7の全体の外観、及びDVDプレーヤのピックアップPからのレーザ照射の様子を示す斜視図である。(b)は、(a)の破線で囲まれた領域Aを裏面から見たときの拡大図である。
【図3】本発明の実施例1によるDVD−R7から読み出されたラジアルプッシュプル信号S0、ウォブル信号Sw、及び、プリピット信号Spを説明するための図である。(a)、(b)、(c)、(d)、及び(e)はそれぞれ、ラジアルプッシュプル信号S0、第一の濾波信号S1、ウォブル信号Sw、第二の濾波信号S2、及びプリピット信号Spである。
【図4】本発明の実施例1によるDVD−R7の記録領域上の物理フォーマットを示す図である。
【図5】本発明の実施例1によるDVD−R7上の記録領域の内、データ領域7e内のデータフォーマットを示す図である。
【図6】本発明の実施例1によるDVD−R7上のタイトルA記録領域23aに記録される映像信号V、副映像信号P、及び音声信号Sをそれぞれ並列に、かつタイトルAの放送時間順に配列した図である。
【図7】本発明の実施例1によるDVD−R7に記録されたタイトルAについてのタイトル関連情報30のデータフォーマットを示す。
【図8】本発明の実施例2による音声信号再生装置200を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例3による音声信号記録装置300の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施例4による音声信号記録装置400の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施例5による音声信号記録装置500の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施例6による音声信号記録装置600の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施例7による音声信号記録装置700の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施例8による音声信号記録装置110の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施例9による音声信号記録装置310の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の実施例10による音声信号記録装置410の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施例11による音声信号記録装置510の構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施例12による音声信号記録装置610の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施例13による音声信号記録装置900の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施例14による音声信号記録装置910の構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の実施例15による音声信号記録装置1000の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 音声信号記録装置
1 多重音声信号入力部
2 多重方式判別部
3 音声信号抽出部
3a AD変換部
4 スイッチ
5 記録用音声信号生成部
5a 高能率符号化部
5b 多重化部
6 記録部
6a 半導体レーザ
6b 一時記憶部
7 DVD−R
8 記録用音声信号ファイル
9 多重方式情報ファイル
10 音声信号合成部
11 フォーマット変換部
A アンテナ
Ca ケーブル
Ch チューナ
B1 音声信号合成部10への設定入力用ボタン
B2 スイッチ4への設定入力用ボタン
B3 記録用音声信号生成部5への設定入力用ボタン

Claims (20)

  1. 外部から少なくとも一つの多重音声信号を入力するための少なくとも一つの多重音声信号入力部;前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号の多重方式を判別し、その判別結果を多重方式情報として出力するための多重方式判別部;前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号から複数の音声信号を分離して抽出し、複数の抽出音声信号として出力するための音声信号抽出部;前記抽出音声信号を含む入力音声信号を入力し、その入力音声信号の内少なくとも一つを出力音声信号として出力し、その出力音声信号を所定の入力に応じて切り換えるためのスイッチ;前記スイッチからの前記出力音声信号に基づいて記録用音声信号を生成するための記録用音声信号生成部;及び、前記記録用音声信号と前記多重方式情報とをそれぞれ別のファイルとして記録媒体へ記録するための記録部;を有し、
    前記記録部は前記多重方式情報を一時記憶するための一時記憶部を有し、前記一時記憶部は前記多重方式情報をその経過時間情報と合わせて多重方式情報ファイルを形成し、前記記憶部は前記記録用音声信号ファイルを前記記録媒体へ記録し終った後、当該記録用音声信号ファイルに対応する前記多重方式情報ファイルを前記一時記憶部から読み出し、前記記録用音声信号とは別のファイルとして前記記録媒体へ記録すること、を特徴とする音声信号記録装置。
  2. 外部から少なくとも一つの多重音声信号を入力するための少なくとも一つの多重音声信号入力部;外部から前記多重音声信号の多重方式情報を入力するための多重方式情報入力部;前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号から複数の音声信号を分離して抽出し、複数の抽出音声信号として出力するための音声信号抽出部;前記抽出音声信号を含む入力音声信号を入力し、その入力音声信号の内少なくとも一つを出力音声信号として出力し、その出力音声信号を所定の入力に応じて切り換えるためのスイッチ;前記スイッチからの前記出力音声信号に基づいて記録用音声信号を生成するための記録用音声信号生成部;及び、前記記録用音声信号と前記多重方式情報とをそれぞれ別のファイルとして記録媒体へ記録するための記録部;を有し、
    前記記録部は前記多重方式情報を一時記憶するための一時記憶部を有し、前記一時記憶部は前記多重方式情報をその経過時間情報と合わせて多重方式情報ファイルを形成し、前記記憶部は前記記録用音声信号ファイルを前記記録媒体へ記録し終った後、当該記録用音声信号ファイルに対応する前記多重方式情報ファイルを前記一時記憶部から読み出し、前記記録用音声信号とは別のファイルとして前記記録媒体へ記録すること、を特徴とする音声信号記録装置。
  3. 前記スイッチへの前記入力音声信号のそれぞれのフォーマットを前記スイッチへの入力前に変換し、所定のものに揃えた後前記スイッチへ出力するためのフォーマット変換部、を更に有する請求項1又は請求項2に記載の音声信号記録装置。
  4. 外部から少なくとも一つの多重音声信号を入力するための少なくとも一つの多重音声信号入力部;前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号の多重方式を判別し、その判別結果を多重方式情報として出力するための多重方式判別部;前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号から複数の音声信号を分離して抽出し、複数の抽出音声信号として出力するための音声信号抽出部;前記抽出音声信号を含む入力音声信号を一時記憶するための音声信号一時記憶部;前記音声信号一時記憶部により記憶された前記入力音声信号の中から前記多重方式情報により特定されるものを出力音声信号として読み出し、前記出力音声信号から記録用音声信号を生成するための記録用音声信号生成部;及び、前記記録用音声信号と前記多重方式情報とをそれぞれ別のファイルとして記録媒体へ記録するための記録部;を有し、
    前記記録部は前記多重方式情報を一時記憶するための一時記憶部を有し、前記一時記憶部は前記多重方式情報をその経過時間情報と合わせて多重方式情報ファイルを形成し、前記記憶部は前記記録用音声信号ファイルを前記記録媒体へ記録し終った後、当該記録用音声信号ファイルに対応する前記多重方式情報ファイルを前記一時記憶部から読み出し、前記記録用音声信号とは別のファイルとして前記記録媒体へ記録すること、を特徴とする音声信号記録装置。
  5. 外部から少なくとも一つの多重音声信号を入力するための少なくとも一つの多重音声信号入力部;外部から前記多重音声信号の多重方式情報を入力するための多重方式情報入力部;前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号から複数の音声信号を分離して抽出し、複数の抽出音声信号として出力するための音声信号抽出部;前記抽出音声信号を含む入力音声信号を一時記憶するための音声信号一時記憶部;前記音声信号一時記憶部により記憶された前記入力音声信号の中から前記多重方式情報に応じて特定されるものを出力音声信号として読み出し、その出力音声信号から記録用音声信号を生成するための記録用音声信号生成部;及び、前記記録用音声信号と前記多重方式情報とをそれぞれ別のファイルとして記録媒体へ記録するための記録部;を有し、
    前記記録部は前記多重方式情報を一時記憶するための一時記憶部を有し、前記一時記憶部は前記多重方式情報をその経過時間情報と合わせて多重方式情報ファイルを形成し、前記記憶部は前記記録用音声信号ファイルを前記記録媒体へ記録し終った後、当該記録用音声信号ファイルに対応する前記多重方式情報ファイルを前記一時記憶部から読み出し、前記記録用音声信号とは別のファイルとして前記記録媒体へ記録すること、を特徴とする音声信号記録装置。
  6. 前記抽出音声信号に基づいて合成音声信号を合成するための音声信号合成部、を更に有する前記音声信号記録装置であって、前記スイッチへの前記入力音声信号が前記合成音声信号を更に含むこと、を特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の音声信号記録装置。
  7. 前記抽出音声信号を前記音声信号一時記憶部から読み出してディジタル信号処理を行い、前記入力音声信号の一部として前記一時音声記憶部に記憶させるためのディジタル信号処理部を更に有する、請求項4又は請求項5に記載の音声信号記録装置。
  8. 前記記録用音声信号生成部が前記出力音声信号に対して高能率符号化を行うための高能率符号化部を有する、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の音声信号記録装置。
  9. 前記記録部が、一つのファイルに含まれた前記記録用音声信号を前記記録媒体上の実質的に連続した記録領域へ記録すること、を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の音声信号記録装置。
  10. 前記記録用音声信号と前記多重方式情報とを一時記録するための一時記録媒体を更に有する前記音声信号記録装置であって、前記記録部が前記記録用音声信号と前記多重方式情報とを前記一時記録媒体へ一時記録し、その後前記一時記録媒体から前記記録媒体へ転送し、それぞれ別のファイルとして記録すること、を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の音声信号記録装置。
  11. 前記一時記録媒体が半導体メモリである、請求項10記載の音声信号記録装置。
  12. 前記一時記録媒体がハードディスクである、請求項10記載の音声信号記録装置。
  13. 前記スイッチへの前記所定の入力が前記多重方式情報を含むこと、を特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の音声信号記録装置。
  14. 前記記録用音声信号生成部が、(a) 前記スイッチからの前記出力音声信号に対して所定のディジタル信号処理を行うためのディジタル信号処理部、及び、(b) 前記ディジタル信号処理と同期して同期信号を生成するための同期信号生成部、を含むこと;並びに、前記スイッチが前記同期信号に同期して前記出力音声信号を切り換えること;を特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の音声信号記録装置。
  15. 前記入力音声信号又は前記出力音声信号のいずれか又はその両方に対して、前記スイッチへの前記所定の入力に応じて、(a) 前記スイッチによる前記出力音声信号の切り換え前にフェードアウトを行い、(b) 前記スイッチによる前記出力音声信号の切り換え後に前記入力音声信号のフェードインを行う、ためのフェード部、を更に有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の音声信号記録装置。
  16. 前記多重方式情報に応じて前記出力音声信号を切り換えるとき、(a) その切り換え前の前記出力音声信号に対してはフェードアウト処理を行い、(b) 前記切り換え後の前記出力音声信号に対してはフェードイン処理を行う、ためのフェード部を前記記録用音声信号生成部が含むこと、を特徴とする請求項4又は請求項5に記載の音声信号記録装置。
  17. 前記入力音声信号又は前記出力音声信号のいずれか又はその両方に対して、前記スイッチへの前記所定の入力に応じて、(a) 前記スイッチによる前記出力音声信号の切り換え時にミュートを設定し、(b) 前記スイッチによる前記出力音声信号の切り換え後に前記ミュートを解除する、ためのミュート部、を更に有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の音声信号記録装置。
  18. 前記多重方式情報に応じて前記出力音声信号を切り換える時出力音声信号に対してミュート処理を行うためのミュート部を前記記録用音声信号生成部が含むこと、を特徴とする請求項4又は請求項5に記載の音声信号記録装置。
  19. 外部から少なくとも一つの多重音声信号を入力するための少なくとも一つの多重音声信号入力部;前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号の多重方式を判別し、その判別結果を多重方式情報として出力するための多重方式判別部;前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号から複数の音声信号を分離して抽出し、複数の抽出音声信号として出力するための音声信号抽出部;前記抽出音声信号を含む入力音声信号を入力し、その入力音声信号の内少なくとも一つを出力音声信号として出力し、その出力音声信号を所定の入力に応じて切り換えるためのスイッチ;前記多重方式判別部からの前記多重方式情報に応じてエンコードフォーマットを決定し、前記スイッチからの前記出力音声信号に対して高能率符号化を前記エンコードフォーマットで行い、処理された音声信号を記録用音声信号として出力するためのエンコード処理部;及び、前記記録用音声信号と前記多重方式情報とをそれぞれ別のファイルとして記録媒体へ記録するための記録部;を有し、
    前記記録部は前記多重方式情報を一時記憶するための一時記憶部を有し、前記一時記憶部は前記多重方式情報をその経過時間情報と合わせて多重方式情報ファイルを形成し、前記記憶部は前記記録用音声信号ファイルを前記記録媒体へ記録し終った後、当該記録用音声信号ファイルに対応する前記多重方式情報ファイルを前記一時記憶部から読み出し、前記記録用音声信号とは別のファイルとして前記記録媒体へ記録すること、を特徴とする音声信号記録装置。
  20. 外部から少なくとも一つの多重音声信号を入力するための少なくとも一つの多重音声信号入力部;外部から前記多重音声信号の多重方式情報を入力するための多重方式情報入力部;前記多重音声信号入力部に入力された前記多重音声信号から複数の音声信号を分離して抽出し、複数の抽出音声信号として出力するための音声信号抽出部;前記抽出音声信号を含む入力音声信号を入力し、その入力音声信号の内少なくとも一つを出力音声信号として出力し、その出力音声信号を所定の入力に応じて切り換えるためのスイッチ;前記多重方式判別部からの前記多重方式情報に応じてエンコードフォーマットを決定し、前記スイッチからの前記出力音声信号に対して高能率符号化を前記エンコードフォーマットで行い、処理された音声信号を記録用音声信号として出力するためのエンコード処理部;及び、前記記録用音声信号と前記多重方式情報とをそれぞれ別のファイルとして記録媒体へ記録するための記録部;を有し、
    前記記録部は前記多重方式情報を一時記憶するための一時記憶部を有し、前記一時記憶部は前記多重方式情報をその経過時間情報と合わせて多重方式情報ファイルを形成し、前記記憶部は前記記録用音声信号ファイルを前記記録媒体へ記録し終った後、当該記録用音声信号ファイルに対応する前記多重方式情報ファイルを前記一時記憶部から読み出し、前記記録用音声信号とは別のファイルとして前記記録媒体へ記録すること、を特徴とする音声信号記録装置。
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