JP3885041B2 - 情報記録媒体並びにその再生装置及び再生方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、DVDに代表される映像、音声等の情報を高密度に記録可能な高密度光ディスク等の情報記録媒体、及び当該情報記録媒体から情報を再生するための再生装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、映像、音声等の情報が記録された光ディスクとしては、いわゆるLD(Laser Disk)、CD(Compact Disk)等が広く一般化している。
【0003】
これらのLD等においては、映像情報や音声情報が、各LD等が有する再生開始位置を基準とした夫々の情報を再生すべき時刻を示す時間情報と共に記録されている。このため、記録されている情報を記録されている順序で再生する一般的な通常再生の他、例えば、CDにおいては、記録されている複数の曲のうち、聞きたい曲のみを抽出して聞いたり、再生順序をランダムに変えて聞く等の再生が可能である。
【0004】
しかし、上記LD等においては、表示される映像や再生される音声について視聴者が選択枝をもち、当該視聴者がそれらを選択して視聴する等のいわゆるインタラクティブな変化に富んだ再生はできないという問題点があった。
【0005】
すなわち、例えば、LDに記録されている外国映画を視聴する場合に、画面に表示されている字幕で用いられている言語を選択して(例えば、日本語の字幕と原語の字幕を選択して)表示させたり、又はCDに記録されている音楽を聴取する場合に、その音楽の音声を選択する(例えば、英語の歌詞で聞くか或は日本語の歌詞で聞くかを選択する)ことができないのである。
【0006】
一方、現在、上記従来のCDに対して、光ディスク自体の大きさを変えずに記憶容量を約10倍に向上させた光ディスクであるDVDについての提案や開発が盛んであるが、このDVDに対して、上記複数の字幕や複数の言語で音声等を記録しておけば、視聴者がそれを選択することにより上記インタラクティブな変化に富んだ再生を楽しむことも可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
DVDは記憶容量が大きいため、音楽等のオーディオ情報を記録する場合には、1枚のDVDに通常のCD数枚分に相当するオーディオ情報を記録することができる。以下、多少の静止画を除き、基本的に音声(音楽)情報だけが記録されたDVDをオーディオDVDと呼ぶことにする。
【0008】
例えば、1人のミュージシャンのオーディオDVDを作成する場合、そのミュージシャンの複数のCDアルバムを1枚のオーディオDVDに記録することができる。また、さらにそのオーディオDVDに、そのミュージシャンの複数の曲をあるテーマに基づいて収集した曲集をアルバムとして記録することもできる。
【0009】
例えば、ビートルズに関するオーディオDVDにおいて、ビートルズの複数のオリジナルアルバムを1枚のオーディオDVDに記録し、さらにその複数のアルバム中に含まれる曲のうち、ジョンレノンがリードボーカルを採る曲のみを収集した“ジョンレノン・ボーカル集”というような新たなアルバムを追加してオーディオDVDを作成することができる。
【0010】
このような場合、そのオーディオDVDに記録された複数のアルバムを順に再生すると、同じ曲が複数回に渡って再生されることになる。すなわち、オーディオDVD上に同じ内容の音声情報が複数回記録されることになるので、上記の例では、“レット・イット・ビー”という曲は、オリジナルアルバム“レット・イット・ビー”の再生中に1回再生され、更に、“ジョンレノン・ボーカル集”というアルバム中で再度再生されることになる。
【0011】
しかし、このようにオーディオDVD上に同じ内容の音声情報を複数回記録したのでは、記憶容量の無駄になってしまうという問題がある。
【0012】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、その課題は、記録媒体上に同一の音声情報を重複して複数回記録することなく、記録媒体の記録容量を効率的に利用しつつ上述のようなインタラクティブな再生が可能なように情報が記録された記録媒体、及びその再生装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、インデックス、トラック、タイトル及びタイトルグループからなる階層を有する論理構造と、セル、オーディオオブジェクト及びオーディオタイトルセットからなる階層構造を有する物理構造と、から規定されるフォーマットでオーディオ情報が記録されている情報記録媒体であって、少なくとも前記インデックス及びトラックはユーザによりアクセス可能であり、前記タイトルはアクセスの単位として認識されないように構成されている。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、インデックス、トラック、タイトル及びタイトルグループからなる階層を有する論理構造と、セル、オーディオオブジェクト及びオーディオタイトルセットからなる階層構造を有する物理構造と、から規定されるフォーマットでオーディオ情報が記録されている情報記録媒体であって、前記セルは、オーディオパックとリアルタイムパックから構成されている。
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報記録媒体から情報を再生する再生装置であって、前記情報記録媒体から、前記論理構造に基づいて前記オーディオ情報を特定するための情報を読み取る読取手段と、前記読み取られた情報を用いて前記オーディオ情報を再生する再生手段と、を備える。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報記録媒体から情報を再生する再生方法であって、前記情報記録媒体から、前記論理構造に基づいて前記オーディオ情報を特定するための情報を読み取る読取工程と、前記読み取られた情報を用いて前記オーディオ情報を再生する再生工程と、を備える。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、上記オーディオDVDに対して本発明を適用した実施の形態について説明するものである。
【0041】
(I)情報記録媒体の実施の形態
(1)オーディオDVDの物理及び論理フォーマット
(A)物理フォーマット
始めに、オーディオDVD上における物理フォーマット(物理的記録フォーマット)について、図1を用いて説明する。
【0042】
先ず、図1に示すように、実施形態のオーディオDVD200は、その最内周部にリードインエリアLIを有すると共にその最外周部にリードアウトエリアLOを有し、その間は、一のボリュームスペースとなっている。この中に、必ずオーディオゾーンが記録される。このオーディオゾーンに、音声情報が、夫々にID(識別)番号を有する複数のATS(Audio Title Set)203(ATS#1〜ATS#n)に分割されて記録される。
【0043】
リードインエリアLIのすぐ外周部には、当該ディスク内に記録されるファイルのフォーマットを管理する情報を有するUDF(Universal Disk Format)が記録され、それに続いてAMG(Audio Manager)202が記録される。このAMG202として記録される情報は、例えば、ユーザに対して項目選択を促すためのメニューや、違法コピー防止のための情報、又は夫々のタイトルにアクセスするためのアクセステーブル等、当該オーディオDVD200に記録されている音声情報を再生するために必要な管理情報である。
【0044】
一のATS203は、ATSI(Audio Title Set Information)211を先頭として、夫々にID番号を有する複数のAOB(Audio Object)210から構成される。
【0045】
ここで、複数のAOB210により構成されている部分をAOBセット(AOBS)という。このAOBセットは音声情報の実体部分であり、ATSI211は複数のAOB210から成るAOBセットの管理・制御情報である。
【0046】
ATS203の先頭に記録されるATSI211には、複数のセル(セルについては後述する。)を組合わせた論理的区分であるプログラムチェインに関する種々の情報であるAPGCI(Audio Program Chain Information)等の情報が記録される。また、各AOB210には、制御情報の他に音声情報の実体部分(制御情報以外の音声そのもの)が記録される。
【0047】
一のAOB210は、夫々にID番号を有する複数のセル220により構成されている。
【0048】
一のセル220は、夫々パック化された複数のオーディオパック230、又は、オーディオパック230とリアルタイム情報パック(Real Time Information Pack)231により構成される。オーディオパック230は、オーディオDVDに記録されるべき音声情報を所定の大きさ毎にパック化したものであり、例えばリニアPCMなどによりデジタル化されたオーディオ情報が含まれる。リアルタイム情報パック231には、テキスト情報、BPM(Beat Per Minutes),拍情報、等が含まれる。
【0049】
以上説明した図1に示す階層構造の記録フォーマットにおいて、夫々の区分は、オーディオDVD200内に記録させる記録情報の製作者(以下、単に製作者という。)がその意図に応じて自在に区分設定をして記録できるものである。これらの区分毎に後述の論理構造に基づいて再生することにより、変化に富んだ種々の再生が可能となる。
【0050】
(B)論理フォーマット
次に、図1に示す物理的な区分により記録された情報を組合わせた論理的フォーマット(論理構造)について図2を用いて説明する。
【0051】
なお、図2に示す論理構造は、その構造で実際にオーディオDVD200上に情報が記録されているのではない。オーディオDVD上にはあくまで図1に示す物理フォーマットで音声情報が記録されており、この音声情報を再生するための情報が図2に示す論理フォーマットで、前述したAMG202、ATSI211に記録されているのである。
【0052】
説明の便宜上図2の下位の階層から説明していくと、上記図1において説明した物理構造のうち、一又は複数のセル220を選択して組合わせることにより、インデックス259を構成する。インデックス259は、曲番としても使うことができ、ユーザによって、アクセス可能な最小の単位である。
【0053】
一又は複数のインデックス259により一のトラック260が論理上構成される。このトラック260は一つの曲に相当する情報単位である。ユーザは任意のトラック(曲)を選択し、これにダイレクトにアクセスすることができる。
【0054】
ここで、一のセル220の番号については、当該セル220を図1に示す物理フォーマットにおいて取り扱う際にはセルID番号として取り扱い(図1中、セルID#と示す。)、図2に示す論理フォーマットにおいて取り扱う際には後述のAPGCI中の記述順にセル番号として取り扱う。
【0055】
トラック(曲)は、複数のセルを含む情報単位であり、ある共通の属性などを有するセルの集合である。すなわちトラック内の全てのセルの属性は、すべて同一である。また、トラックに含まれる全てのセルは、同一のオブジェクト内に、隣接して記録される。
【0056】
一又は複数のトラック260を組合わせて一のタイトル261が論理上構成される。但し、ユーザから、このタイトル自体が、アクセスの単位として認識されることはない。従って、タイトル番号を指定して任意のタイトルにアクセスすることはできない。
【0057】
オーディオDVDでは、タイトル261を構成する各トラック260の属性を最大8パターンの中で独立に定義することができる。すなわち各トラック(曲)毎に、チャンネル数、量子化方法、サンプリング周波数など音声情報としての属性を変更してもよい。
【0058】
このタイトル261の単位で、前述したAPGCIが定義され、当該APGCIには、各トラックの属性、夫々のトラック260を再生する際の各トラック260毎のセル220の再生順序、夫々のセル220のオーディオDVD200上の記録位置であるアドレス、一のトラック260における再生すべき先頭セル220の番号、各トラック260の再生方式及び各種コマンドが含まれている。
【0059】
一のタイトル261には、上記APGCIの他に、実体的な音声情報がトラック(曲)260の組合わせとして(換言すれば、セル220の組合わせとして)含まれることとなる。
【0060】
一又は複数のタイトル261により、一のタイトルグループ262が論理上構成される。また、タイトルグループ262は、ユーザがアクセスできる最大の単位で、1ボリューム中、最大9個まで定義することができる。このタイトルグループ262は、ある一定の関連性に基づいて集合された一又は複数のタイトル261により構成され、タイトルグループ内の全てのタイトルは、連続的に再生される。例えば、ある歌手、作曲家の曲集などを一つのタイトルグループとして集合させることができる。
【0061】
一又は複数のタイトルグループ262により、一のボリューム263が論理上構成される。このボリューム263は一枚のアルバム(DVDディスク)に相当する情報単位である。
【0062】
図2に示す一のタイトルに含まれる実際の音声情報は、オーディオDVD上では図1に示すいずれか一のATS203内に記録されていることになる。
【0063】
以上説明した論理フォーマットに基づいて、物理構造において区分された情報を製作者が指定することにより、視聴者が聞く音楽が形成される。
(2)オーディオDVDに記録される音声情報の内容
実施形態の詳細を説明する前に、オーディオDVD上のオーディオ情報の記録態様について大まかに説明しておく。オーディオDVDはCD(コンパクトディスク)に比べて記録容量がかなり大きく、1枚のオーディオDVD内に複数のCDに相当する音楽情報を記録することができる。ここで、オーディオDVD上で、1枚のCDアルバムに相当するようなオーディオ情報のまとまりは、論理フォーマットで説明したタイトルグループ262に相当する。
【0064】
例えば、ビートルズの複数のオリジナルCDアルバムを集めたオーディオDVDがあるとする。この場合、当該オーディオDVD中には、“レット・イット・ビー”、“アビーロード”などの複数(例えば4枚)のCDアルバムに収録されていた曲が全て含まれている。この個々のCDアルバムに対応するオーディオ情報が個々のタイトルグループ262として記録される。例えば、“レット・イット・ビー”がタイトルグループ#1に記録され、“アビーロード”がタイトルグループ#2に記録されるという具合である。
【0065】
上記の例では1枚のオリジナルCDアルバムが1つのタイトルグループに対応しているが、この他に、1枚のオーディオDVDに記録されたオーディオ情報中から、あるテーマに基づいて集められたオーディオ情報のまとまりによってもタイトルグループを構成することができる。
【0066】
例えば、上記のオーディオDVD上に複数のオリジナルCDアルバムに対応するタイトルグループ#1〜#4の他に、4枚のオリジナルCDアルバムに収録されていた曲の中から、ジョンレノンがリードボーカルをとる曲を集めた“ジョンレノン・ボーカル集”(例えばタイトルグループ#5とする)、或いは“ポールマッカートニー・ボーカル集”(例えばタイトルグループ#6とする)というようにタイトルグループを構成できる。但し、このタイトルグループ#5、#6に含まれている曲は上記タイトルグループ#1〜#4に属するいずれかの曲が再生されるだけである。即ち、オーディオDVD上に記録されている実際のオーディオ情報としては、上記複数のタイトルグループ#1〜#4と同一の曲のオーディオ情報が別個のタイトルグループ#5、#6としてオーディオDVD上に重複して記録されるわけではない。
【0067】
これは、同一の情報を重複して記録することにより記憶媒体の容量を無駄に使用することを防止するためである。従って、タイトルグループ#5、#6内に含まれる曲のオーディオ情報は、タイトルグループ#1〜#4に含まれている曲のオーディオ情報としてオーディオDVD上の各ATS203に記録されているものである。タイトルグループ#5、#6に含まれる曲の再生は当該タイトルグループにおける再生制御情報(この場合は、AMG及びATSI内に記述される再生制御情報)を参照して各ATS203に属する実体的なオーディオ情報を再生することにより行われる。
【0068】
なお、上記のようにあるテーマなどに基づいて作成されたオーディオ情報の集まり(○○集など)を「コレクション」とも呼ぶ。よって、「コレクション」とは、自身とは異なるタイトルグループとして記録された実体的情報を含むタイトルグループであるということもできる。
【0069】
また、タイトルグループは、ユーザが認識する曲のまとまりに対応すると考えることができる。前述の例では、1枚のオーディオDVDに4枚のオリジナルCDアルバムに相当するタイトルグループ#1〜#4と、2つのコレクションに相当するタイトルグループ#5、#6が記録されている。この場合、当該オーディオDVDに添付される内容リストとしては、合計6枚の異なるCDアルバムが含まれていることと同じである。実際には、2つのコレクション(#5、#6)に相当するタイトルグループの実体的情報は4枚のオリジナルCDアルバムに相当するタイトルグループに含まれる曲のオーディオ情報であり、実体的なオーディオ情報がオーディオDVD上に重複して記録されているわけではない。しかし、ユーザはそのような事情は認識せず、6枚の異なるCDアルバムが1枚のオーディオDVDに記録されていると認識することができるのである。従って、オーディオDVD上の実体的なオーディオ情報の記録状態に拘わらず、タイトルグループをユーザが認識する曲のまとまりと考えることができる。
(3)オーディオ集中情報
次に、オーディオDVD上の記録情報のうち、オーディオ集中情報について説明する。オーディオ集中情報とは、オーディオDVD上に記録されるオーディオ情報の再生に関連する必要な情報の集合を指し、オーディオDVDのリードインエリアLI又はAMG202内に記録されるものである。
【0070】
前述のように、オーディオDVDにおいては、オーディオ情報の実体は各ATS203に記録されており、その再生のために必要な制御情報やそのオーディオ情報の属性などに関する付帯的情報は各ATS3内のATSI211中に記述されている。従って、各タイトルグループに属するオーディオ情報を再生するためには、各ATS内のATSIを参照し、そのコントロールデータに含まれる再生制御情報を取得することが必要となる。一般的にオーディオDVD再生装置では、オーディオDVDディスクが挿入されると、リードインエリアLIの読み取りの後、音声の実体情報の読み取りに先立ってAMG202及び各ATS203のATSI211のコントロールデータ内の再生制御情報(APGCI)が読み取られ、再生装置内の所定のメモリに記憶される。従って、各曲の再生時には、再生すべきオーディオ情報が属するタイトルグループの再生制御情報(APGCI)を該メモリから取得し、これに基づいて再生を行う。
【0071】
ところで、ATSI211のコントロールデータ内の再生制御情報(APGCI)は、単にトラックの再生のための情報だけでなく、各種機能を実現するための様々の情報、例えば、曲番サーチや特殊再生のための情報が含まれている。しかしながら、ポータブルプレーヤのような簡易再生装置の場合は多くの機能を必要としない場合が普通であり、この再生制御情報(APGCI)の一部の情報しか使わないことになる。また、タイトルが変わる毎に新しい再生制御情報(APGCI)をディスクから読み出し、該メモリに記憶する必要がある。よって、ディスク全体に何曲収録されているか、どのような属性の曲で構成されているのか、重複した曲があるのか等を知るためには、全ての再生制御情報(APGCI)を読み出し、検索及び計算する必要がある。これには時間がかかり、非効率的である。
【0072】
そこで、本発明においては、オーディオDVDディスク上に記録された全てのトラック(曲)についての再生制御情報をリードインエリアLI又はAMG202内にオーディオ集中情報として記録しておく。こうすることにより、どのタイトルグループに属するどの曲を再生する場合でも、当該オーディオ集中情報を参照することにより容易且つ迅速に再生制御情報を取得することができ、円滑な再生が可能となる。即ち、リードインエリアLIに集中情報が記録されていれば、オーディオDVDディスク挿入後、直ちに曲の再生に必要な再生制御情報を得ることができる。
【0073】
図3に、オーディオ集中情報の例を示すリードインエリアLI又はAMG202に記録されるオーディオ集中情報は、各ATS203内のATSI211に記述される再生制御情報の集合であるということができる。
【0074】
図3の例では、このオーディオDVDは4つのタイトルグループを有している。そして、各タイトルグループがそれぞれ各ATSに対応しているものとする(タイトルグループ#1はATS#1に、タイトルグループ#2はATS#2というような対応)。前述のようにタイトルグループはCDアルバム1枚に相当する概念であり、ユーザからは4枚の異なるCDアルバムが1枚のオーディオDVDに記録されていると認識される。
【0075】
オーディオ集中情報は、さらに各トラック(曲)のスタートアドレス及びエンドアドレスを含む。これらはオーディオDVD上の絶対アドレスであってもよいし、オーディオ集中情報が記録された位置からの相対アドレスであってもよい。
【0076】
また、オーディオ集中情報にはオーディオ属性情報が含まれる。オーディオ属性情報は、オーディオDVD上に記録された全てのトラックのオーディオ情報の属性に関する情報である。具体的には、このオーディオ属性情報は、オーディオ情報の符号化方式、サンプリング周波数、量子化ビット数、オーディオ情報として含まれているチャンネル数、当該オーディオ情報のエンファシスの有無数等の情報である。オーディオDVD再生装置はこれらのオーディオ属性情報に合うように自動的に適応して再生を行う。
【0077】
図3のタイトルグループ#3及び#4は、上述のコレクションに相当するタイトルグループである。つまり、見かけ上タイトルグループ#1、#2とは異なるアルバムとしてユーザに認識されるが、実体的にはグループ#1、#2に含まれるトラックを含んでいる。本発明では、このコレクションに関連する情報として重複フラグという情報を導入し、これをオーディオ集中情報に含めている。重複フラグとは、各トラック毎に付される情報であり、自身のトラックと異なる他のトラックとして再生される実体的オーディオ情報を再生するトラックであることを示すフラグである。図3を参照すると、重複フラグが“1”であるトラック(以下、「重複トラック」と呼ぶ。)は、再生されるべき実体的なオーディオ情報としては、他のタイトルグループに属するトラックと同一のオーディオ情報を再生するトラックであることが分かる。即ち、タイトルグループ#3のトラック#1は、そのアドレスを見ると分かるように、タイトルグループ#1のトラック#1と同一のオーディオ情報を対象としている。つまり、これらのトラックに対応するオーディオ情報はアドレス50000から60000に記録されており、ATS#1に属している。タイトルグループ#3のトラック#1は、タイトルグループ#1のトラック#1と同一のオーディオ情報である。従って、タイトルグループ#3のトラック#1を再生する際は、再生装置はタイトルグループ#1のトラック#1と同一アドレスのオーディオ情報を再生する。
【0078】
また、重複フラグは、オーディオ集中情報に必ず設けなければならないものではない。重複フラグがオーディオ集中情報中に存在しない場合は、アドレス情報を比較することにより重複トラックか否かを判定することができる。つまり、今まで再生したトラックアドレス情報をメモリに記憶しておき、今回再生するトラックのアドレス情報と同じものがメモリ内に存在するか否かを判断する。同一のアドレス情報がメモリ内に存在しなければ今回のトラックを再生し、メモリ内に存在すれば重複トラックと判定し再生しないようにすればよい。
【0079】
なお、図3における重複フラグの欄には、説明の便宜上、そのトラックに対応するオーディオ情報が記録されているトラックを数字で示している。たとえば、タイトルグループ#3、トラック#1の「(1-1)」の表示は、そのトラックがオーディオ情報としてはグループ1のトラック1と同一であることを示している。
【0080】
このように、重複フラグを記録しておくと、オーディオDVDに記録された音楽情報を前述のMD(ミニディスク)等にダビングする場合に、同じ曲が重複して再生され、MDにコピーされることを防止することができる。
【0081】
前述のように、1つのタイトルグループはユーザからは1つのCDアルバムに相当するものとして認識される。従って、ユーザが図3に示す内容のオーディオDVDをそのタイトルグループ#1からタイトルグループ#4まで順に再生する指示を再生装置に入力したとすると、同一の曲が複数回に渡り再生されることになる(以下、この再生モードを「通常再生」と呼ぶ。)。ユーザによっては、そのような繰返しを好まないこともある。また、このオーディオDVDの曲をMDなどにダビングする場合は、同一の曲が繰返し記録されることとなり不適当である。
【0082】
このような場合、重複フラグを参照するかアドレス情報の比較により重複トラックを判定し、重複トラックは再生しないこととすれば、同じ曲が繰返し再生されることが防止できる。即ち、ディスクに記録された全ての実体的オーディオ情報(曲)を1回ずつ再生することができる(以下、この再生モードを「非重複再生」と呼ぶ。)。
【0083】
オーディオ集中情報には、さらに再生時間が記録されている。具体的には、図3に示すように、各トラック毎の再生時間、各グループ毎の総再生時間、ディスクの総再生時間、及びディスクの総収録時間である。ここで、ディスク総再生時間は、各グループのトラックを順に再生する場合(通常再生)の再生時間であり、重複トラックに関しては他のグループと同一のトラックが再度再生される場合の再生時間である。これに対し、ディスク総収録時間とは、上記非重複再生、即ち、同一の曲を繰返し再生しないモードにおける総再生時間である。総収録時間は、上記のようにオーディオDVDの曲をテープなどにダビングする際に有用な情報である。
【0084】
また、オーディオ集中情報中に各トラックの再生時間のみを記憶しておき、各トラックの再生時間を加算することにより各種の総再生時間を得るようにしてもよい。例えば、ディスク総再生時間は全てのタイトルグループに含まれるトラックの再生時間を合計することにより得られる。ディスク総収録時間は、重複フラグを参照するかアドレス情報の比較により重複トラックを判定し、重複トラックを除いた全てのタイトルグループに含まれるトラックの再生時間を合計することにより得られる。
【0085】
なお、再生装置の実際の再生動作については、後述する。
(II)再生装置の実施の形態
(1)オーディオDVD再生装置
次に、オーディオDVD200に記録されたオーディオ情報を再生するためのオーディオDVD再生装置の実施の形態を、図4を用いて説明する。
【0086】
図4に示すように、オーディオDVD再生装置は、ピックアップ80と、復調訂正部81と、ストリームスイッチ82及び84と、トラックバッファ83と、システムバッファ85と、デマルチプレクサ86と、オーディオバッファ92と、オーディオデコーダ93と、オーディオデコーダバッファ94と、RTIバッファ95と、RTIデコーダ96と、RTIデコーダバッファ97と、入力部98と、ディスプレイ99と、システムコントローラ100と、ドライブコントローラ101と、スピンドルモータ102と、スライダモータ103と、により構成されている。なお、図4に示す構成は、オーディオDVD再生装置の構成のうち、音声の再生に関する部分のみを記載したものであり、ピックアップ80及びスピンドルモータ102並びにスライダモータ103等をサーボ制御するためのサーボ回路等は従来技術と同様であるので、図示及び細部説明を省略する。
【0087】
次に、動作を説明する。
【0088】
ピックアップ80は、図示しないレーザダイオード、ビームスプリッタ、対物レンズ、光検出器等を含み、オーディオDVD200に対して再生光としての光ビームBを照射すると共に、当該光ビームBのオーディオDVD200からの反射光を受光し、オーディオDVD200上に形成されている情報ピットに対応する検出信号Spを出力する。このとき、光ビームBがオーディオDVD200上の情報トラックに対して正確に照射されると共に、オーディオDVD1上の情報記録面で正確に焦点を結ぶように、図示しない対物レンズに対して従来技術と同様の方法によりトラッキングサーボ制御及びフォーカスサーボ制御が施されている。
【0089】
ピックアップ80から出力された検出信号Spは、復調訂正部81に入力され、復調処理及び誤り訂正処理が行われて復調信号Sdmが生成され、ストリームスイッチ82及びシステムバッファ85に出力される。
【0090】
復調信号Sdmが入力されたストリームスイッチ82は、ドライブコントローラ101からのスイッチ信号Ssw1によりその開閉が制御され、閉のときには、入力された復調信号Sdmをそのままスルーしてトラックバッファ83に出力する。一方、ストリームスイッチ82が開のときには、復調信号Sdmは出力されず、不要な情報(信号)がトラックバッファ83に入力されることがない。
【0091】
復調信号Sdmが入力されるトラックバッファ83は、FIFO(First In First Out)メモリ等により構成され、入力された復調信号Sdmを一時的に記憶すると共に、ストリームスイッチ84が閉とされているときには、記憶した復調信号Sdmを連続的に出力する。
【0092】
ストリームスイッチ84は、デマルチプレクサ86における分離処理において、後段の各種バッファがオーバーフローしたり、逆に空になってデコード処理が中断することがないように、システムコントローラ100からのスイッチ信号Ssw2により開閉が制御される。
【0093】
一方、トラックバッファ83と並行して復調信号Sdmが入力されるシステムバッファ85は、オーディオDVD200をローディングしたときに最初に検出され、オーディオDVD200に記録されている情報全体に関する管理情報(AMG202等)又はATS203毎のATSI211を蓄積して制御情報Scとしてシステムコントローラ100に出力すると共に、システムコントローラ100に制御情報Scを出力する。
【0094】
ストリームスイッチ84を介して復調信号Sdmが連続的に入力されたデマルチプレクサ86においては、当該復調信号Sdmから各パック毎にオーディオ情報を抽出し、オーディオ信号Sadとしてオーディオバッファ92に出力する。
【0095】
オーディオ信号Sadが入力されるオーディオバッファ92は、FIFOメモリ等により構成され、入力されたオーディオ信号Sadを一時的に蓄積し、オーディオデコーダ93に出力する。オーディオ信号Sadは、オーディオデコーダ93に入力され、システムコントローラ100から出力される制御信号Shcに基づいて、リニアPCM方式における再生処理等が施されて復調オーディオ信号Saddとして図示しないスピーカ等に出力される。
【0096】
例えば、リアルタイムテキスト等のリアルタイム情報は、デマルチプレクサからRTIバッファに出力される。RTIバッハァに一時的に蓄積されたデータは、システムコントローラ100から出力される制御信号Shcに基づいて、RTIデコーダへと出力され、図示しない表示装置に歌詞等の表示を行う。
【0097】
所望の情報へのアクセス直後の再生等において一時的に音声を中断する(ポーズする)必要があることが検出された場合には、システムコントローラ100からポーズ信号Scaがオーディオデコーダ93に出力され、当該オーディオデコーダ93は一時的に復調オーディオ信号Saddの出力を停止する。
【0098】
次に、本発明に特に関連するオーディオデコーダ93の構成及び動作について説明する。図5にオーディオデコーダ93の構成を示す。図示のように、オーディオデコーダ93は、デジタルフィルタなどを含む信号処理部120と、D/Aコンバータ121と、アンプなどを含むアナログ出力回路122と、ディジタル出力回路123と、RAM124aを含むシステムマイコン124と、クロック回路125と、を備える。
【0099】
システムマイコン124は、システムコントローラ100との間で制御信号Scaを交換し、クロック回路125、信号処理部120、D/Aコンバータ121、アナログ出力回路122の動作制御を行う。システムマイコン124は、内部にRAM124aを有する。RAM124aは、システムコントローラ100から制御信号Scaとして供給されるオーディオ属性情報を一時的に記憶し、信号処理部120、D/Aコンバータ121、クロック回路125などへ制御信号を供給する。
【0100】
信号処理部120は、クロック回路125からのクロック信号fsを使用し、システムマイコン124から得た符号化方式(リニアPCM又はドルビーAC3など)、サンプリング周波数、量子化ビット数などの情報に従って、オーディオバッファ92から供給されるオーディオ信号の復号化、帯域制限などの処理を行い、更に、エンファシスの有無の情報に従ってディエンファシス処理を行い、D/Aコンバータ121へ出力する。D/Aコンバータ121は、システムマイコン124から得たチャンネル情報に従って、入力された信号をチャンネル毎に分割し、さらに各チャンネル毎のアナログ信号としてアナログ出力回路122へ出力する。アナログ出力回路122は、各チャンネルの信号毎に適正な増幅処理を施し、アナログオーディオ信号として図示しないスピーカなどへ出力する。
【0101】
また、信号処理部120は、ディジタル出力回路123を介してディジタルオーディオ信号Saddを外部へ出力する。
【0102】
次に、曲の再生時の動作について説明する。次に再生すべきトラック(曲)が指定されると、再生装置は、リードインエリアLI又はAMG202内のオーディオ集中情報中のオーディオ属性情報を参照し、指定されたトラックのオーディオ属性情報に従ってオーディオデコーダ93内の動作制御を行う。
【0103】
AMG202内のオーディオ集中情報中には図3に示すように各トラックの記録されているオーディオDVD上のアドレス情報も記録されている。従って、システムコントローラ100は、このアドレス情報(スタートアドレス)に基づいて、ドライブコントローラ101へ制御信号Scslを送り、ピックアップ80を上記スタートアドレスへ移動させる。この処理は、ユーザーによる当該トラックの再生指示後直ちに開始する。即ち、上記のオーディオデコーダ93内の制御と時間的に並行して行う。
【0104】
指示されたトラックのスタートアドレスにピックアップ80を移動させた後、システムコントローラ100は、ピックアップ80を一時的に待機状態とし、オーディオデコーダ93内のオーディオ属性の設定が完了する程度の待機時間の経過後に再生を開始する。以上のようにして、曲の再生が行われる。
【0105】
(2)オーディオDVDの再生方法
次に、オーディオDVD上に記録されたオーディオ集中情報を用いたオーディオ情報の再生方法である、通常再生及び非重複再生について説明する。
【0106】
図6に基づいて通常再生について説明する。図6はその再生処理手順を示したフローチャートである。
【0107】
先ず、再生装置は、メニュー画面などを表示し、ユーザに通常再生モード又は非重複再生モードのいずれかの選択を促す(ステップS1)。これに対してユーザが通常再生を選択すると(ステップS3:YES)、システムコントローラ100は、内部メモリ100a内に記憶されたオーディオ集中情報を参照し、まず、ディスク総再生時間を取得し、ディスプレイ99に表示する(ステップS15)。これにより、ユーザは通常再生に要する時間を知ることができる。なお、前述のように総再生時間は各トラックの再生時間を加算することにより求めてもよい。
【0108】
次に、タイトルグループ#1のトラック#1のスタートアドレス、エンドアドレス、属性情報などを取得する(ステップS16)。次に、システムコントローラ100は、ドライブコントローラ101を制御してピックアップ80を対応するスタートアドレスに移動させると共に、取得した属性情報をオーディオデコーダ93へ送ってオーディオ属性の設定を行う。そして、所定の待機時間の経過後、トラック#1を再生する(ステップS17)。トラック#1の再生が終了すると、システムコントローラ100は、オーディオ集中情報を参照して次のトラックがあるか否かを確認する(ステップS19)。
【0109】
次のトラックがある場合(ステップS19:YES)、同様にそのスタートアドレス、エンドアドレス、属性情報などを取得し、そのトラックの再生を行う(ステップS16乃至17)。以上の処理を最後のタイトルグループの最後のトラックまで繰返し、ディスク上の全てのトラックの再生が終了すると(ステップS19:NO)、通常再生動作を終了する。以上の動作により、全てのトラックが再生される。即ち、コレクションであるタイトルグループ3、タイトルグループ4では、他のタイトルグループにおいて既に再生されたトラックが再度再生されることになる。
【0110】
一方、ユーザが非重複再生を選択すると(ステップS3:NO)、システムコントローラ100は、内部メモリ100a内に記憶されたオーディオ集中情報を参照する(ステップS5)。そして先ず、ディスク総収録時間を取得し、ディスプレイ99に表示する(ステップS6)。これによりユーザはそのオーディオDVDに記録された曲を1回ずつ再生した場合の総再生時間を知ることができる。ユーザはダビングの際には、この時間を基に、使用するテープの時間などを決定することができる。
【0111】
次に、システムコントローラ100は、タイトルグループ#1のトラック#1のスタートアドレス、エンドアドレス、重複フラグ、属性情報などを取得し(ステップS7)、そのトラックの重複フラグが“1”であるか否かを確認する(ステップS9)。重複フラグが“1”でない場合、その曲を再生する(ステップS11)。具体的には、ドライブコントローラ101を制御してピックアップ80を対応するスタートアドレスに移動させ、さらに取得した属性情報をオーディオデコーダ93へ送ってオーディオ属性の設定を行う。そして、所定の待機時間の経過後、トラック#1を再生する。
【0112】
一方、重複フラグが“1”である場合(ステップS9:NO)、その曲は既に他のタイトルグループで再生されており、再生不要であるので、次のトラックがあるか否かを調べる(ステップS13)。次のトラックがある場合には、ステップS7へ戻って、次のトラックの重複フラグを確認し、その内容に従って再生処理を継続する。そして、重複フラグが“0”である全てのトラックの再生が終了すると(ステップS13:NO)、再生処理を終了する。
【0113】
以上の動作により、オーディオDVDディスクに記録された曲が各々1回ずつ再生される。従って、図3に示す例では、再生装置はタイトルグループ1及び2の全てのトラックを再生した後、タイトルグループ3のトラック2及びトラック4のみを再生し、再生を終了する。タイトルグループ4のトラックはいずれも重複トラックであり、他のタイトルグループにおいて再生されているので再度の再生は行われない。
【0114】
次に、図7を参照して、オーディオDVD上に記録されたオーディオ情報の再生方法の別の実施形態について説明する。この実施形態はオーディオ集中情報中に重複情報(重複フラグ)が含まれていない場合の再生処理手順を示すフローチャートである。この場合、重複情報が無いので、先に述べたように各トラックのアドレス情報を比較することにより重複トラックであるか否かを判断することになる。具体的には、過去に再生したトラックのアドレス情報をシステムコントローラ100内のメモリ100aに記憶しておき、次に再生しようとするトラックのアドレス情報がメモリ100a内に存在するか否かを判断する。以下、図7に基づいて説明する。
【0115】
図7において、まず、再生モードの選択画面が表示され(ステップS21)、ユーザは通常再生モード又は非重複再生モードのいずれかを選択する(ステップS23)。通常再生モードが選択された場合には、図6に示す実施形態と同様の処理が実行され、通常再生が行われる(ステップS25乃至S31)。
【0116】
一方、ユーザが非重複再生モードを選択した場合(ステップS23:NO)、システムコントローラ100は内部メモリ100a内に記憶されたオーディオ集中情報を参照し(ステップS33)、総収録時間を表示する(ステップS34)。
【0117】
次に、システムコントローラ100は、次に再生しようとするトラックがそのDVDにおける最初のトラックであるか否かを判断する(ステップS35)。この最初のトラックとは、図3の例で言えばタイトルグループ#1のトラック#1である。最初のトラックである場合、システムコントローラ100はそのトラックの情報をオーディオ集中情報から取得し(ステップS37)、そのトラックのアドレス情報をメモリ100aに記憶する(ステップS39)。なお、この場合にメモリに記憶するアドレス情報としては、通常はスタートアドレスのみを利用することが簡便であるが、誤動作防止等の点からスタートアドレス及びエンドアドレスの両方とすることも可能である。
【0118】
次に、システムコントローラ100は、そのトラックを再生し(ステップS41)、オーディオ集中情報に基づいて次のトラックの有無を判断する(ステップS43)。次のトラックがある場合、処理はステップS35へ戻る。今回は最初のトラックではないので(ステップS35:NO)、ステップS45へ進み、そのトラックの情報を取得する。次に、システムコントローラ100はそのトラックのアドレス情報をメモリ100aに記憶されているアドレス情報と比較する。メモリ100aには、それまでに再生されたトラックのアドレス情報が全て記憶されているので、メモリ100a内に同一のアドレス情報が存在する場合(ステップS47:YES)は、そのトラックは重複トラックであることが分かる。従って、そのトラックの再生は行わずステップS43へ飛び、次のトラックの処理を続ける。一方、同一のアドレス情報が存在しない場合(ステップS47:NO)、そのトラックは重複トラックではないので、そのアドレス情報をメモリ100aに登録し(ステップS39)、そのトラックの再生を行う(ステップS41)。その後、ステップS43へ進み、次のトラックの処理を行う。
【0119】
以上のように、リードインエリアLI又はAMG202内のオーディオ集中情報中に重複情報(重複フラグ)が含まれていない場合であっても、オーディオ集中情報中に含まれる各トラックのアドレス情報を利用して重複トラックを迅速に識別し、非重複モードの再生を行うことができる。
【0120】
このように、重複情報が無い場合でも迅速且つ容易に非重複モードの再生を行うことができるのは、リードインエリアLI又はAMG202にオーディオ集中情報として各トラックの情報、特にアドレス情報が記録されているからである。また、オーディオ集中情報を用いない再生の場合は、システムコントローラ100は各ATS203内のATSI211の全てのAPGCIを参照し、各トラックのアドレス情報を取得しなければならず時間を要することになる。
【0121】
以上説明したように、本実施形態の再生装置によれば、ユーザの選択により、通常再生及び非重複再生を行うことができる。よって、ユーザの希望に応じて最適な方法でオーディオ情報を再生することができる。
【0122】
また、通常再生又は非重複再生の選択に応じて、それぞれの場合の所要再生時間が再生開始前に表示される。従って、ユーザは、指定した再生方法による再生時間を前もって知ることができる。これは、テープなどへのダビングの際に非重複再生を選択する時には、録音側のテープの記録時間などを確認するためなどに特に有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録情報の物理的構造(物理フォーマット)を示す図である。
【図2】記録情報の論理的構造(論理フォーマット)を示す図である。
【図3】オーディオ集中情報の例を示す図である。
【図4】オーディオDVD再生装置の概要構成を示すブロック図である。
【図5】オーディオデコーダの概要構成を示すブロック図である。
【図6】通常再生及び非重複再生の方法を示すフローチャートである。
【図7】通常再生及び非重複再生の他の方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
80…ピックアップ
83…トラックバッファ
85…システムバッファ
92…オーディオバッファ
93…オーディオデコーダ
98…入力部
99…ディスプレイ
100…システムコントローラ
101…ドライブコントローラ
200…オーディオDVD
201…UDF
202…AMG
203…ATS
210…VOB
211…ATSI
220…セル
230…オーディオパック
231…RTIパック
Claims (7)
- インデックス、トラック、タイトル及びタイトルグループからなる階層を有する論理構造と、
セル、オーディオオブジェクト及びオーディオタイトルセットからなる階層構造を有する物理構造と、
から規定されるフォーマットでオーディオ情報が記録されている情報記録媒体であって、
少なくとも前記インデックス及びトラックはユーザによりアクセス可能であり、
前記タイトルはアクセスの単位として認識されないことを特徴とする情報記録媒体。 - インデックス、トラック、タイトル及びタイトルグループからなる階層を有する論理構造と、
セル、オーディオオブジェクト及びオーディオタイトルセットからなる階層構造を有する物理構造と、
から規定されるフォーマットでオーディオ情報が記録されている情報記録媒体であって、
前記セルは、オーディオパックとリアルタイムパックから構成されていることを特徴とする情報記録媒体。 - 前記トラックの再生制御情報をまとめて記録したオーディオ集中情報が更に記録されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報記録媒体。
- 前記オーディオ集中情報は、管理情報エリアに記録されていることを特徴とする請求項3に記載の情報記録媒体。
- 前記オーディオ集中情報は、少なくとも、タイトルグループ番号、トラック番号、トラックのスタートアドレス、トラックのエンドアドレス及びトラックの属性情報から構成されていることを特徴とする請求項4に記載の情報記録媒体。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報記録媒体から情報を再生する再生装置であって、
前記情報記録媒体から、前記論理構造に基づいて前記オーディオ情報を特定するための情報を読み取る読取手段と、
前記読み取られた情報を用いて前記オーディオ情報を再生する再生手段と、
を備えることを特徴とする再生装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報記録媒体から情報を再生する再生方法であって、
前記情報記録媒体から、前記論理構造に基づいて前記オーディオ情報を特定するための情報を読み取る読取工程と、
前記読み取られた情報を用いて前記オーディオ情報を再生する再生工程と、
を備えることを特徴とする再生方法。
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