JP3785154B2 - 情報記録装置、情報再生装置及び情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、DVDに代表される音声、映像等の情報を高密度に記録可能な高密度光ディスク等の情報記録媒体、並びに当該情報記録媒体に情報を記録するための記録装置、及び当該情報記録媒体から情報を再生するための再生装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
音声、映像等の情報が記録された光ディスクとしては、いわゆるCD(Compact Disk)、LD(Laser Disk)等が広く一般化している。
【0003】
これらのLD等では、複数チャンネルの音声情報を記録でき、例えば、1ch(チャンネル)のモノラル音声の他に2chのステレオ音声を記録し同時に再生できることはもちろん、マルチチャンネルを利用してドルビーAC3方式などのサラウンド音声を記録し同時に再生できる。このようなマルチチャンネルを利用する際には、オーディオコーディングモードと呼ばれる何種類かのスピーカの組み合わせ配置の態様を予め設定しておき、記録された音声情報がどのモードで録音されたのかを再生装置に対して示すサラウンドモード情報を音声情報と共にLD等に記録することが必要になる。
【0004】
ドルビーAC3方式を例にとり、このオーディオコーディングモードについて、図37及び図38を用いて説明する。
【0005】
ドルビーAC3方式では、図37の表に示すように、8つのオーディオコーディングモード(1+1〜3/2)が設定されており、各モードを示すために3ビットのサラウンドモード情報がLD等に記録される。従って、再生装置において、どのオーディオコーディングモードで再生するかは、このサラウンドモード情報(000〜111)を参照することにより決定できる。図37の表にあるように、ドルビーAC3方式では、部屋の中に配置するスピーカの数(5個)とその場所(左、右、中央、左サラウンド及び右サラウンド)が限定されており、その限定の下で8種類のオーディオコーディングモードが用意されている。従って記録用音源(ソース)を作るときには、この8種類のモード以外の組み合わせを選ぶことはできない。
【0006】
ドルビーAC3方式において限定されるスピーカの代表的配置は、例えば図38の配置である。図38において、部屋200の内部において、聞手位置P0を基準として、前方に3つのスピーカとして、左スピーカSPl、中央スピーカSPc及び右スピーカSPrが配置され、後方に2つのスピーカとして、左サラウンドスピーカSPsl及び右サラウンドスピーカSPsrが配置されている。
【0007】
このように、ドルビーAC3方式に従えば、5chの範囲で実用上よく使われる8種類のスピーカの組み合わせ配置を予め用意しておくことで、3ビットのサラウンドモード情報(000〜111)を用いて、複数チャンネルの音声信号を利用して聞手位置P0に立体的な音響空間を創造することができる。
【0008】
また、これらのCD等においては、音声情報や映像情報が、各CD等が有する再生開始位置を基準とした夫々の情報を再生すべき時刻を示す時間情報と共に記録されている。このため、記録されている情報を記録されている順序で再生する一般的な通常再生の他、例えば、CDにおいては、記録されている複数の曲のうち、聞きたい曲のみを抽出して聞いたり、再生順序をランダムに変えて聞く等の再生が可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したドルビーAC3方式によれば、例えば、前方1chで後方1chという組み合わせや、前方5chという組み合わせのように、5chの自由な組み合わせを指定できないという問題点がある。
【0010】
また、上記CDやLDにおいては、再生される音声や表示される映像について視聴者が選択枝をもち、当該視聴者がそれらを選択して視聴する等のいわゆるインタラクティブな変化に富んだ再生はできないという問題点があった。すなわち、例えば、LDに記録されている外国映画を視聴する場合に、音声を選択して(例えば、英語音声と、これを吹き替えた日本語音声とのいずれかを選択して)出力させたり、画面に表示されている字幕で用いられている言語を選択して(例えば、日本語の字幕と原語の字幕とのいずれかを選択して)表示させたりすることができないのである。
【0011】
一方、現在、上記従来のCDに対して、光ディスク自体の大きさを変えずに記憶容量を約10倍に向上させた光ディスクであるDVDについての提案や開発が盛んである。本願発明者らの知識によれば、このように大容量のDVDでは、複数の音声信号ストリームを記録することができ、しかも各音声信号ストリーム当たり最大で8チャンネルの音声信号を記録することが可能となると考えられる。しかるに、ここで例えば、8チャンネルの音声信号を記録するとすれば、考えられる前述のサラウンドモードは膨大な数となり、更に、実用上よく使用されるスピーカの組み合わせ配置を考えただけでも、かなりの数にのぼってしまう。このため、従来の図37の表に示したドルビーAC3方式のように3ビットの情報によっては、実用上使用されるスピーカの組み合わせ配置を指定できなくなると考えられる。しかも、単純に指定できるスピーカの組み合わせ配置の数を増やしたのでは、用意すべき組み合わせの数が膨大となってしまい、各チャンネルがどのスピーカに対応するかを指定するサラウンドモード情報は、逆に分かりにくく取り扱いが煩雑なものとなることも予想される。更に、このように従来からCD等に用いられるドルビーAC3方式等のマルチサラウンド方式を、多チャンネル(最大8チャンネル)でマルチストリーム(最大8ストリーム)のDVD上の音声情報に対して応用する際の問題点自体が当業者の間で認識されていないのが現状である。
【0012】
そこで、本発明の課題は、複数チャンネルで複数ストリームの音声情報が記録される情報記録媒体において、多種多様に富んだマルチサラウンド用のスピーカの組み合わせ配置を比較的簡単に指定可能とする情報記録媒体、並びに該情報記録媒体に情報を記録するための情報記録装置及び該情報記録媒体から情報を再生するための情報再生装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のチャンネルの音声情報を含む多重信号を生成する手段と、前記複数のチャンネルの全てと当該各チャンネルの音声情報の出力先との関係を示す、予め設定された複数のスピーカの組み合わせ配置を示す単一の情報から構成されるサラウンドモード情報を含む付加情報を生成する手段と、前記多重信号と前記付加情報を情報記録媒体に記録する記録手段と、により構成されている。
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、複数のチャンネルの音声情報を含む多重信号を生成する工程と、前記複数のチャンネルの全てと当該各チャンネルの音声情報の出力先との関係を示す、予め設定された複数のスピーカの組み合わせ配置を示す単一の情報から構成されるサラウンドモード情報を含む付加情報を生成する工程と、前記多重信号と前記付加情報を情報記録媒体に記録する記録工程と、により構成されている。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項23に記載の発明は、複数のチャンネルの音声情報と、前記複数のチャンネルの全てと当該各チャンネルの音声情報の出力先との関係を示す、予め設定された複数のスピーカの組み合わせ配置を示す単一の情報から構成されるサラウンドモード情報が記録された情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置であって、前記情報記録媒体から前記情報を読取る読取手段と、前記音声情報を復調する音声復調手段と、前記音声復調手段を制御する制御手段と、を備える。
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項32に記載の発明は、複数のチャンネルの音声情報と、前記複数のチャンネルの全てと当該各チャンネルの音声情報の出力先との関係を示す、予め設定された複数のスピーカの組み合わせ配置を示す単一の情報から構成されるサラウンドモード情報が記録された情報記録媒体から情報を再生する情報再生方法であって、前記情報記録媒体から前記情報を読取る読取工程と、前記音声情報を復調する音声復調工程と、前記音声復調手段を制御する制御工程と、を備える。
【0017】
上記の課題を解決するために、請求項41に記載の発明は、複数のチャンネルの音声情報と、前記複数のチャンネルの全てと当該各チャンネルの音声情報の出力先との関係を示す、予め設定された複数のスピーカの組み合わせ配置を示す単一の情報から構成されるサラウンドモード情報が記録される情報記録媒体であって、最内周部に形成されたリードインエリアと、最外周部に形成されたリードアウトエリアと、を有し、前記リードインエリアと前記リードアウトエリアとの間に、前記音声情報が複数のタイトルセットに分割されており、前記タイトルセットは、前記サラウンドモード情報を含むコントロールデータをその先頭に有するように構成される。
上記の課題を解決するために、請求項46に記載の発明は、複数のチャンネルの音声情報を含む多重信号と、前記複数のチャンネルの全てと当該各チャンネルの音声情報の出力先との関係を示す、予め設定された複数のスピーカの組み合わせ配置を示す単一の情報から構成されるサラウンドモード情報を含む付加情報と、が記録された情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置であって、前記情報記録媒体から前記情報を読取る読取手段と、前記読取手段によって読み出された多重信号を再生する再生手段と、前記読取手段によって読み出されたサラウンド情報に基づいて各チャンネルの音声信号の出力先を決定する決定手段と、を備える。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に好適な実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、上記DVDに対して本発明を適用した実施の形態について説明するものである。
【0019】
(I)情報記録媒体の実施の形態
始めに、本発明が適用された情報記録媒体の実施の一形態であるDVDの物理的及び論理的な構成並びにその動作について、図1から図6を用いて説明する。
【0020】
始めに、映像情報及び音声情報のDVD上における記録フォーマット(物理的記録フォーマット)について、図1を用いて説明する。
【0021】
図1に示すように、実施の形態のDVD1は、その最内周部にリードインエリアLIを有すると共にその最外周部にリードアウトエリアLOを有しており、その間に、映像情報及び音声情報が、夫々にID(識別)番号を有する複数のVTS3(VTS#1乃至VTS#n)に分割されて記憶されている。ここで、VTS(Video Title Set)とは、関連する(音声、サブピクチャのストリーム数や仕様、対応言語などの属性が同じ)タイトル(映画等の、製作者が視聴者に提示しようとする一つの作品)を一まとめにしたセット(まとまり)であり、より具体的には、例えば、一本の同じ映画について、異なる言語のセリフ等を有する複数の映画が夫々にタイトルとして記録されたり、又は、同じ映画であっても劇場版と特別版とが夫々別のタイトルとして記憶されたりするものである。また、VTS3が記録されている領域の先頭には、ビデオマネージャ2が記録される。このビデオマネージャ2として記録される情報は、例えば、各タイトルの名前を示すメニューや、違法コピー防止のための情報、又は夫々のタイトルにアクセスするためのアクセステーブル等、当該DVD1に記録される映像情報及び音声情報の全体に係わる情報が記録される。
【0022】
次に、一のVTS3は、コントロールデータ11を先頭として、夫々にID番号を有する複数のVOB10に分割されて記録されている。ここで、複数のVOB10により構成されている部分をVOBセット(VOBS)という。このVOBセットは、VTS3を構成する他のデータであるコントロールデータ11と、映像情報及び音声情報の実体である複数のVOB10の部分とを区別するために当該実体部分についてVOBセットとしたものである。
【0023】
VTS3の先頭に記録されるコントロールデータ11には、複数のセル(セルについては後述する。)を組合わせた論理的区分であるプログラムチェーンに関する種々の情報であるPGCI(Program Chain Information)等の情報が記録される。また、各VOB10には、制御情報の他に映像情報及び音声情報の実体部分(制御情報以外の映像又は音声そのもの)が記録されている。
【0024】
更に、一のVOB10は、夫々にID番号を有する複数のセル20により構成されている。ここで、一のVOB10は、複数のセル20により完結するように構成されており、一のセル20が二のVOB10に跨がることはない。
【0025】
次に、一のセル20は、夫々にID番号を有する複数のVOBユニット(VOBU)30により構成されている。ここで、VOBユニット30とは、映像情報、音声情報及び副映像情報(映画における字幕等の副映像の情報をいう。)の夫々を含む情報単位である。
【0026】
そして、一のVOBユニット30は、ナビパック41と、映像情報片としてのビデオデータが記録されたビデオパック42と、音声情報片としてのオーディオデータが記録されたオーディオパック43と、副映像情報片としてのサブピクチャデータが記録されたサブピクチャパック44とにより構成されている。ここで、ビデオパック42には、映像情報の含まれるパケットがそのヘッダなどの付加情報と共に記録され、オーディオパック43には、音声情報の含まれるパケットがそのヘッダなどの付加情報と共に記録される。また、サブピクチャパック44には、副映像情報としての文字や図形等のグラフィックデータの含まれるパケットがそのヘッダなどの付加情報と共に記録される。図1に示すようにデータ量の多いビデオパック42は、一つのVOBユニット30の内部で一又は複数のGOPとして記録されており、各ビデオパック42間にオーディオパック43及びサブピクチャパック44が配置されている。
【0027】
なお、DVD1に記録可能な音声は8種類であり、記録可能な副映像の種類は32種類であることが規格上定められている。更に、一つのVOBU30においてナビパック41は、必ず存在するが、ビデオパック42、オーディオパック43及びサブピクチャパック44の夫々は、必ずしも存在しなくてもよく、存在する場合も、その数や順序は自由である。
【0028】
最後に、ナビパック41は、表示させたい映像や音声等を検索するための検索情報(具体的には、当該表示させたい映像や音声等が記録されているDVD1上のアドレス等)を含むDSI(Data Search Information)パケット51と、DSIパケット51の情報に基づいて検索してきた映像を表示したり音声を発生させたりする際の表示制御に関する情報を含むPCI(Presentation Control Information)パケット50とにより構成され、更に、ビデオパック42の含むビデオデータは、1個以上のGOP(Group Of Picture)により構成されている。なお、PCIパケット50には、視聴者によって選択される選択項目に対して、その項目が選択されたときの表示や動作を定義したハイライト情報が含まれている。ハイライト情報によって、例えば、視聴者が選択すべき項目を表示した画面(いわゆるメニュー画面)における選択された項目に対する画面表示の変化や変化すべき表示位置及び選択した項目に対応するコマンド(選択された項目に対応して実行される命令)の設定が行われる。
【0029】
ここで、メニュー画面を構成して表示するために必要な、枠、選択ボタン等を構成して表示するための映像情報は、上記の副映像情報であるサブピクチャデータとしてサブピクチャパック44に記録される。
【0030】
更に、上記GOPは、本実施の形態におけるDVD1に映像情報を記録する際に採用されている画像圧縮方式であるMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)方式の規格において定められている単独で再生可能な最小の画像単位である。
【0031】
ここで、MPEG2方式についてその概要を説明すると、一般に、連続したフレーム画像において、一枚のフレーム画像の前後にあるフレーム画像は、互いに類似し相互関係を有している場合が多い。MPEG2方式はこの点に着目し、数フレームを隔てて転送される複数のフレーム画像に基づき、当該複数のフレーム画像の間に存在する別のフレーム画像を、原画像の動きベクトル等に基づく補間演算にて生成する方式である。この場合、当該別のフレーム画像を記録する場合には、複数のフレーム画像との間における差分及び動きベクトルに関する情報を記録するだけで、再生時には、それらを参照して上記複数のフレーム画像から予測して当該別のフレーム画像を再生することが可能となる。これにより、画像の圧縮記録が可能となるのである。
【0032】
このように、本実施の形態で採用するMPEG2方式においては、夫々のGOP52に含まれるデータ量が一定でない可変レート方式を採用している。
【0033】
以上説明した図1に示す階層構造の記録フォーマットにおいて、夫々の区分は、製作者がその意図に応じて自在に区分設定をして記録させることができる。これらの区分毎に後述の論理構造に基づいて再生することにより、変化に富んだ種々の再生が可能となるのである。
【0034】
次に、図1に示す物理的な区分により記録された情報を組合わせた論理的フォーマット(論理構造)について図2を用いて説明する。なお、図2に示す論理構造は、その構造で実際にDVD1上に情報が記録されているのではなく、図2に示す論理構造で図1に示す各データ(特にセル20)を組合わせて再生するための情報(アクセス情報又は時間情報等)がDVD1上の、特にコントロールデータ11の中に記録されているものである。
【0035】
説明の明確化のために、図2の下位の階層から説明していくと、上記図1において説明した物理構造のうち、複数のセル20を選択して組合わせることにより、一のプログラム60が製作者の意図に基づいて論理上構成される。このプログラム60は、後述の再生装置におけるシステムコントローラが、区分を識別してコマンドによってアクセスできる最小の論理的単位でもある。なお、このプログラム60を一個以上まとめたものを、視聴者が自由に選択して視聴することができる最小単位として製作者が定義することもでき、この単位をPTT(Part Of Title)という。
【0036】
また、一のプログラム60が複数のセル20を選択して論理的に構成されることから、複数のプログラム60で一のセル20を用いる、すなわち、一のセル20を異なった複数のプログラム60において再生させる、いわゆるセル20の使い回しを行うことも可能となっている。
【0037】
ここで、一のセル20の番号については、当該セル20を図1に示す物理フォーマットにおいて取り扱う際にはセルID番号として扱われ(図1中、セルID#と示す。)、図2に示す論理フォーマットにおいて取り扱う際には、後に述べるPGCI中の記述順にセル番号として扱われる。
【0038】
次に、複数のプログラム60を組合わせて一のPGC(Program Chain)61が製作者の意図に基づいて論理上構成される。このPGC61の単位で、前述したPGCI(Program Chain Information)が定義され、当該PGCIには、夫々のプログラム60を再生する際の各プログラム60毎のセル20の再生順序(この再生順序により、プログラム60毎に固有のプログラム番号が割当てられる。)、夫々のセル20のDVD1上の記録位置であるアドレス、一のプログラム60における再生すべき先頭セル20の番号、各プログラム60の再生方式[本実施の形態のDVD1に情報を記録する際には、再生時において、ランダム再生(乱数によるランダム再生であり、同じプログラム60が複数回再生されることがある。)、シャッフル再生(ランダム再生と同様の乱数によるランダム再生であるが、同じプログラム60は一度しか再生されず、同じプログラム60が複数回再生されることはない。)又はループ再生(一つのPGC61を何度も再生すること。)のうち、いずれか一つ或いはループ再生とランダム再生又はシャッフル再生の組み合わせによる再生方法をPGC61毎に製作者が選択して再生させるようにすることができる。]及び各種コマンド(PGC61又はセル20毎に製作者が指定可能なコマンド)が含まれている。なお、PGCIのDVD1上の記録位置は、上述の通り、コントロールデータ11内であるか又はビデオマネージャ2内のメニューに関するPGCIであればビデオマネージャ2内のコントロールデータ(図示せず)内である(図1参照)。
【0039】
また、一のPGC61には、上記PGCIの他に、実体的な映像及び音声等のデータがプログラム60の組合わせとして(換言すれば、セル20の組合わせとして)含まれることとなる。
【0040】
更に、一のPGC61においては、上記のプログラム60における説明において示したセル20の使い回し(すなわち、異なるPGC61により、同一のセル20を用いること。)も可能である。また、使用するセル20については、DVD1に記録トラック上で記憶されている順番にセル20を再生する方法(記録トラック上で連続配置されたセルの再生)の他に、DVD1に記憶されている順序に関係なく再生する(例えば、記録トラック上で後に記録されているセル20を先に再生する等)方法(非連続配置セルの再生)を製作者が選択することができる。
【0041】
次に、一又は複数のPGC61により、一のタイトル62が論理上構成される。このタイトル62は、例えば、映画一本に相当する単位であり、製作者がDVD1の視聴者に対して提供したい完結した情報である。
【0042】
そして、一又は複数のタイトル62により、一のVTS63が論理上構成される。このVTS63に含まれるタイトル62は、夫々に共通の属性を有するものであり、例えば、一本の同じ映画に対して違う言語の映画が夫々のタイトル62に相当することとなる。また、図2に示す一のVTS63に相当する情報は、図1に示す一のVTS3に含まれている情報に対応している。すなわち、DVD1には、図2に示す論理上のVTS63内に含まれる全ての情報が一のVTS3として記録されていることとなる。
【0043】
以上説明した論理フォーマットに基づいて、DVD1上の物理構造において区分された情報を製作者が指定することにより、視聴者が見るべき映像(映画等)が形成されるのである。
【0044】
なお、図1に示す物理構造の説明においては、内容の理解の容易化のため、複数のセル20がID番号の順に記録されているとして説明したが、実施の形態のDVD1においては、実際には、一のセル20が図−に示す複数のインターリーブドユニットIUに分割されて記録される場合がある。
【0045】
すなわち、例えば図3に示すように、製作者が一のPGC61AをID番号1、2及び4を有するセル20により構成し、他のPGC61BをID番号1、3及び4を有するセル20により構成する場合を考えると、当該PGC61Aに基づいてDVD1から情報を再生する際には、ID番号1、2及び4を有するセル20のみを再生し、PGC61Bに基づいてDVD1から情報を再生する際には、ID番号1、3及び4を有するセル20のみを再生することとなる。この場合に、セル20がID番号毎に分離して記録されていると、例えば、PGC61Aの場合には、ID番号2のセル20のDVD1上の記録位置からID番号4のセル20DVD1上の記録位置まで、再生のためのピックアップをジャンプする時間が必要となり、後述の再生装置におけるトラックバッファの容量によっては、ID番号2のセル20とID番号4のセル20を連続的に再生すること(以下、これをシームレス再生という。)ができなくなる。
【0046】
そこで、図3に示す場合には、ID番号2のセル20とID番号3のセル20を、上記トラックバッファにおける入出力処理の速度に対応して、一時的に入力信号の入力が停止しても、出力信号の連続性が損なわれない長さのインターリーブドユニットIU(すなわち、一のインターリーブドユニットIUの間だけピックアップがジャンプすることによりトラックバッファへの入力信号が途絶えても、当該トラックバッファからの出力信号を連続的に出力可能な長さのインターリーブドユニットIU)に夫々分解して記録し、例えば、PGC61Aに基づいて再生する場合には、ID番号2に対応するセル20を構成するインターリーブドユニットIUのみを連続して検出し、再生することが行われる。同様に、PGC61Bに基づいて再生する場合には、ID番号3に対応するセル20を構成するインターリーブドユニットIUのみを連続して検出し、再生するのである。なお、インターリーブドユニットIUの長さは、上述のように、トラックバッファの容量を勘案して決定される他に、トラックジャンプを行うためのスライダモータ等の駆動機構の性能をも加味して決定される場合がある。
【0047】
このように、製作者の意図によって、一のセル20を複数のインターリーブドユニットIUに分割して記録しておくことにより、飛び飛びのID番号のセル20を含むPGC61を再生する際にも、トラックバッファから出力される信号は途切れることはなく、従って、視聴者は中断することのない再生映像を視聴することができるのである。
【0048】
なお、上記インターリーブドユニットIUは、一のVOB10内で完結するように形成され、一のインターリーブドユニットIUが隣り合う複数のVOB10に跨がることはない。また、インターリーブドユニットIUとVOBユニット30との関係については、一のインターリーブドユニットIU内に一又は複数のVOBユニット30が含まれ、一のインターリーブドユニットIU内においては一のVOBユニット30が完結するように構成されており、一のVOBユニット30が分割されて複数のインターリーブドユニットIUに跨がることはない。
【0049】
次に、上記の物理構造及び論理構造のうち、特に本発明に係るサラウンド制御に関する構造ついて図4から図11を参照して詳細に説明する。
【0050】
(i)第1のサラウンド制御の形態
本実施の形態では、予め部屋の中において指定できるスピーカの位置を所定の種類に限定する。
【0051】
この条件下で、チャンネル毎に、そのチャンネルに記録された信号がどの位置にあるスピーカから出力されるのかを指定するサラウンド制御情報が、図1に示したリードインエリアLI、ビデオマネージャ2、各VTS3のコントロールデータ11又は各オーディオパケットの制御情報の中に記述される。また、複数のチャンネルに対して、同じ位置のスピーカが指定される際には、チャンネル番号が小さいものから順により外側(聞手位置からより離れた側)に配置されたスピーカに対応するという規約をサラウンド制御情報に対して設ける。そして、記録装置及び再生装置において、この規約に従って、サラウンド制御情報を記録し、再生すれば、チャンネル番号の大小をスピーカ配置を示す一つの情報として、有効に利用できる。即ち、複数のチャンネルが同一配置のスピーカを指定しても問題ないだけでなく、この場合にもスピーカの位置の指定は作製者の意図に従って行われる。
【0052】
本実施の形態では、例えば、指定可能なスピーカの配置は図4に示す15通りであるとする。従って、15通りのうちいずれか一つのスピーカ位置を示すためのデータとして、各チャンネル当たり、4ビットの情報が必要となる。
【0053】
図4において指定可能な位置にあるスピーカは、部屋200の内部で聞手位置P0を基準として、前方の床の上に配置される左グランドフロントスピーカSPgfl、右グランドフロントスピーカSPgfr及び中央グランドフロントスピーカSPgfcがあり、前方の頭上に配置される左トップフロントスピーカSPtfl、右トップフロントスピーカSPtfr及び中央トップフロントスピーカSPtfcがあり、後方の床の上に配置される左グランドリアスピーカSPgrl、右グランドリアスピーカSPgrr及び中央グランドリアスピーカSPgrcがあり、後方の頭上に配置される左トップリアスピーカSPtrl、右トップリアスピーカSPtrr及び中央トップリアスピーカSPtrcがあり、左及び右側の壁に夫々配置される左サイドスピーカSPsl及び右サイドスピーカSPsrがあり、天井中央に配置される頭上中央スピーカSPtmがある。
【0054】
サラウンド制御情報としては、例えば、図5に示したサラウンド制御情報が構築されている。この例では、当該サラウンド記録にかかる音声信号ストリームは、8チャンネルの音声信号から構成されているものとする。
【0055】
図5において、サラウンド制御情報300は、64ビットの情報からなり、1バイト毎に一つのチャンネルについて以下のように所定のデータが記述されている。
【0056】
先ず、ビットb63〜b56の1バイトのデータ部分において、ビットb63には、空き領域としてデータ「0」が書込まれており、ビットb62には、ch0の音声信号がマルチチャンネルの音声信号にダウンミックスされた旨を示すACH0モードデータ301aが記述されており、ビットb61及びビットb60には、当該1バイトのデータが音声ch0の組み合わせモードにかかることを示すACH0ミックスモードデータ302aが記述されており、これに続くビットb59〜b56の4ビットに、この音声ch0の音声信号が出力されるべきスピーカの配置を示す音声チャンネル内容データ303aが記述されている。
【0057】
ビットb55〜b48の1バイトのデータ部分において、ビットb55には、空き領域としてデータ「0」が書込まれており、ビットb54には、ch1の音声信号がマルチチャンネルの音声信号にダウンミックスされたことを示すACH1モードデータ301bが記述されており、ビットb53及びビットb52には、当該1バイトのデータが音声ch1の組み合わせモードにかかることを示すACH1ミックスモードデータ302bが記述されており、これに続くビットb51〜b48の4ビットに、この音声ch1の音声信号が出力されるべきスピーカの配置を示す音声チャンネル内容データ303bが記述されている。
【0058】
ビットb47〜b40の1バイトのデータ部分において、ビットb47及びb46には、マルチチャンネルの音声信号の組み合わせ特性を示す組み合わせパラメータデータ304cが記述されており、ビットb45及びb44には、当該1バイトのデータが音声ch2の組み合わせモードにかかることを示すACH2ミックスモードデータ302cが記述されており、これに続くビットb43〜b40の4ビットに、この音声ch2の音声信号が出力されるべきスピーカの配置を示す音声チャンネル内容データ303cが記述されている。
【0059】
ビットb39〜b32からなる1バイトのデータ部分、ビットb31〜b24からなる1バイトのデータ部分、ビットb23〜b16からなる1バイトのデータ部分、ビットb15〜ビットb8からなる1バイトのデータ部分及びビットb7〜b0からなる1バイトのデータ部分も夫々、上述したビットb47〜b40の1バイトのデータ部分と同様に、チャンネル3〜7に夫々かかる組み合わせパラメータデータ、ACHn(n=3〜7)ミックスデータ、及び音声チャンネル内容データが記述されている。この音声チャンネル内容データ303として記録される4ビットと出力指定スピーカ位置の関係は、図5に示す関係になっている。
【0060】
例えば、図5の表に示した音声チャンネル内容データ303(303a、303b、303c、…)には、図6に示したようにch0〜ch5にバイナリーデータ0000〜1100が夫々記述され、これらのバイナリーデータ0000〜1100に対し予め対応付けられた図4に示したスピーカの配置のうちのいずれかが、当該バイナリーデータ0000〜1100の値により夫々示される。
【0061】
尚、図6の表に示した例では、当該サラウンド記録にかかる音声信号のストリームは、6つのチャンネルの音声信号から構成されており(2つのチャンネルは使用されておらず)、チャンネルの割り当てはch0〜ch5の6チャンネルとされている。この場合、ch6及びch7に関するサラウンド制御情報300には、図示しない音声属性情報に、ch6及びch7については使用されない旨が記述されるため、ch6及びch7についての音声チャンネル内容データについては無効とされる。
【0062】
図6に示した音声チャンネル内容データ303により示されるスピーカ配置と各チャンネルの関係を図7に示す。
【0063】
図7では、部屋200の内部において、聞手位置P0を基準として、前方の床の上に配置される5つのスピーカとして、ch0に対応する左グランドフロントスピーカSPgfl#1、ch1に対応する右グランドフロントスピーカSPgfr#1、ch2に対応する中央グランドフロントスピーカSPgfc、ch3に対応する左グランドフロントスピーカSPgfl#2、及びch4に対応する右グランドフロントスピーカSPgfr#2、並びに、後方の頭上に配置される一つのスピーカとして、ch5に対応する中央トップリアスピーカSPtrcが配置されている。
【0064】
ここで特に図6の表から分かるように、音声チャンネル内容情報のデータ上では、左及び右のグランドフロントスピーカについて、#1と#2について区別されていないが、このように複数のチャンネルにより同一のスピーカが指定された場合には、チャンネル番号が小さいものを外側に配置するとの規約に従って当該サラウンド制御情報が記述されているため、上記#1と#2とを、「チャンネル番号の大小」を一つの情報として扱うことで明確に区別できている。
【0065】
また例えば、図5に示した音声チャンネル内容データ303(303a、303b、303c、…)には、図8に示したようにch0〜ch6にバイナリーデータ0000〜1111が夫々記述され、これらのバイナリーデータ0000〜1111に対し予め対応付けられた図4に示したスピーカの配置のうちのいずれかが、当該バイナリーデータ0000〜1111の値により夫々示される。
【0066】
図8に示した音声チャンネル内容データ303により示されるスピーカ配置と各チャンネルの関係を図9に示す。図9では、部屋200の内部において、聞手位置P0を基準として、前方の床の上に配置される7つのスピーカとして、ch0に対応する左グランドフロントスピーカSPgfl#1、ch1に対応する右グランドフロントスピーカSPgfr#1、ch2に対応する左グランドフロントスピーカSPgfl#2、ch3に対応する右グランドフロントスピーカSPgfr#2、ch4に対応する左グランドフロントスピーカSPgfl#3、ch5に対応する右グランドフロントスピーカSPgfr#3、及びch6に対応する中央グランドフロントスピーカSPgfcが配置されている。
【0067】
ここで特に図8の表から分かるように、音声チャンネル内容情報のデータ上では、左及び右のグランドフロントスピーカについて、#1と#2と#3とについて区別されていないが、前述のようにチャンネル番号が小さいものを外側に配置するとの規約に従って、#1と#2と#3をデータ上明確に区別できる。
【0068】
以上のように第1のサラウンド制御の形態によれば、予め部屋の中において指定できるスピーカの位置を所定の種類(例えば、図4に示した15種類)に限定することにより、各チャンネル当たり4ビットの情報(即ち、サラウンド制御情報中の音声チャンネル内容データ)により、即ち、一つの音声信号ストリーム当たり32ビットの情報により、余すところなく各チャンネルの音声信号が出力されるべきスピーカの位置を指定することができる。しかも、複数のチャンネルが同じ位置のスピーカを指定している場合に、ch番号が小さいものから順により外側に配置されたスピーカに対応するという規約をこの4ビットの情報に対して設けたので、この場合にも確実に各スピーカの配置を指定できる。
【0069】
尚、本実施の形態において、図4に示した15種類の位置に加えてスーパーウーハー(超低音)用のスピーカの配置(再生装置のアンプ位置又は位置指定のない任意配置)を16種類目の位置としてもよい。更に、複数のチャンネルが同じ位置のスピーカを指定している場合に、ch番号が大きいものから順により外側(聞手位置からより離れた側)に配置されたスピーカに対応するという、ch番号の大小を逆にした規約を設けてもよい。このように逆にしても、記録装置及び再生装置の双方でこの規約にしたがって、データを記録し再生する限り同様の効果が得られる。
【0070】
以上詳細に説明したように、本実施の形態は、チャンネル数が多く、自由にスピーカ配置を指定したい場合には、有利である。例えば、図4に示した15種類のスピーカ配置の場合には、最大で「15(配置数)の8(チャンネル数)乗」通りのスピーカの組み合わせ配置を指定できる。
【0071】
(ii)第2のサラウンド制御の形態
本実施の形態では、予め実用上良く使用されるスピーカの組み合わせ配置の態様が、オーディオコーディングモードとして設定される。そして、このオーディオコーディングモードを示すサラウンドモード情報が、図1に示したリードインエリアLI、ビデオマネージャ2又は各VTSのコントロールデータ11の中に記述される。
【0072】
例えば、図10の表に示すように、このサラウンドモード情報400は4ビットからなり、16つのオーディオコーディングモード(1+1〜4/4)をバイナリー値0000〜1111で示している。そして、前述した従来のドルビーAC3方式の場合とは異なり、部屋の中に配置するスピーカの数やその場所が限定されていない16種類のモードを4ビットの情報で示すことができる。従って記録用音源(ソース)を作るときには、この16種類のモードの組み合わせから所望のモードを選ぶことができる。
【0073】
図10の表に示されたサラウンドモード情報の示すオーディオコーディングモードのうちモード4/4に対応するスピーカの配置を、図11に示す。図11において、左グランドフロントスピーカSPgfl、右グランドフロントスピーカSPgfr、左トップフロントスピーカSPtfl、右トップフロントスピーカSPtfr、左グランドリアスピーカSPgrl、右グランドリアスピーカSPgrr、左トップリアスピーカSPtrl及び右トップリアスピーカSPtrrが部屋200に配置されている。
【0074】
また前述した図7に示したスピーカの組み合わせ配置や図9に示したスピーカの組み合わせ配置を、実用上よく使われるスピーカの組み合わせ配置の一つとして、オーディオコーディングモード5/1や7/0として設定して、サラウンドモード情報で(例えば、1001や1010など)で示すようにしてもよい。
【0075】
以上のように本実施の形態によれば、実用上よく使われるスピーカの組み合わせ配置(例えば、16種類)を予め用意しておくことで、比較的少ない所定数のビット(例えば、8チャンネルに対し全部で4ビット)のサラウンド制御情報(例えば、0000〜1111)を用いて、複数チャンネルの音声信号を利用して聞手位置に立体的な音響空間を創造することができる。
【0076】
特に以上に説明したサラウンドモード情報により指定可能なオーディオコーディングモード(スピーカの組み合わせ配置の態様)は、チャンネル数が8チャンネル以下であれば任意である。そして、再生装置において、サウンドモード情報を再生することによりオーディオコーディングモードを判別できるようにしておく限り、どのようなモードであっても問題はない。但し、視聴者が実際に使用する可能性の無いスピーカの組み合わせ配置に対しオーディオコーディングモードを設定しても役に立たない。
【0077】
以上のように、本実施の形態では、16種類のオーディオコーディングモードであれば、一つの音声信号ストリームの全てのチャンネルについて4ビットの情報で示すことができ、また例えば32種類の場合にも、5ビットの情報で示すことができ、即ち、極めて少ない情報をDVDに書込むことにより、マルチサラウンドを実現できる。特にチャンネル数が少ない場合には、このように実用上よく使われるスピーカの組み合わせ配置を設定しておき、サラウンドモード情報により指定する形態は、DVDに書込む情報量が少なくて済む分有利である。
【0078】
また、各VTSのコントロールデータ中にサラウンド制御情報やサラウンドモード情報を入れた場合には特に、VTS毎にオーディオコーディングモードを変更することもできるので便利である。但し、リードインエリアやビデオマネージャ中にサラウンド制御情報やサラウンドモード情報を入れた場合には、VTS毎にオーディオコーディングモードを参照する必要がなくなり処理が単純となる利点がある。
【0079】
尚、上述したサラウンド制御情報とサラウンドモード情報とは、択一的な情報ではなく、両方の情報を記録でき、且つ両方の情報を再生できるように記録装置及び再生装置の両者を構成しておけば、DVDの作製者にとってみれば、適宜どちらかの情報を用いてサラウンド制御が可能となるので、融通性が高まる。更に、視聴者は、マルチオーディオやマルチサラウンドを簡単に楽しめるようになる。
【0080】
なお、上記DVDは、例えば、一本の映画を記録する他に、当該映画に対応する音声や字幕について、複数種類の言語の音声や字幕をも同一の光ディスクに記録することが可能な大きな記憶容量を有しているので、上記の記録フォーマットは、特にDVD1に対して適用することが効果的である。
【0081】
(II)情報記録装置の実施の形態
次に、上述の制御情報、映像情報及び音声情報をDVD1に記録するための情報記録装置の実施の形態について、図12を用いて説明する。
【0082】
始めに、図12を用いて、実施の形態の記録装置の構成及び動作について説明する。
【0083】
図12に示すように、実施の形態に係る記録装置S1は、VTR(Video Tape Recorder)70と、メモリ71と、信号処理部72と、ハードディスク(HD)装置73と、ハードディスク(HD)装置74と、コントローラ75と、多重器76と、変調器77と、マスタリング装置78とにより構成されている。
【0084】
次に、動作を説明する。
【0085】
VTR70には、DVD1に記録すべき音楽情報や映像情報等の素材である記録情報Rが一時的に記録されている。そして、VTR70に一時的に記録された記録情報Rは、信号処理部72からの要求により当該信号処理部72に出力される。
【0086】
信号処理部72は、VTR1から出力された記録情報RをA/D変換した後、MPEG2方式により圧縮処理し、音楽情報と映像情報とを時間軸多重して圧縮多重信号Srとして出力する。その後、出力された圧縮多重信号Srは、ハードディスク装置73に一時的に記憶される。
【0087】
これらと並行して、メモリ71は、上記記録情報Rを部分記録情報Prに予め区分し、それぞれの部分記録情報Prに関する、図5に示したサラウンド制御情報300及びサラウンドモード情報400などのユーザ定義情報等が記載されたキューシートSTに基づき予め入力された当該部分記録情報Prに関する内容情報を一時的に記憶し、信号処理部72からの要求に基づいて内容情報信号Siとして出力する。
【0088】
そして、信号処理部72は、VTR70から出力される上記記録情報Rに対応したタイムコードTt及びメモリ71から出力される内容情報信号Siに基づき、タイムコードTtを参照して上記部分記録情報Prに対応するDSI情報信号Sdsi及びPCI情報信号Spciを生成して出力し、当該DSI情報信号Sdsi及びPCI情報信号Spciがハードディスク装置74に一時的に記憶される。
【0089】
以上の処理が記録情報R全体について実行される。
【0090】
記録情報Rの全てについて上記の処理が終了すると、コントローラ75は、ハードディスク装置73から圧縮多重信号Srを読み出すとともにハードディスク装置74からDSI情報信号Sdsi及びPCI情報信号Spciを読み出し、これらに基づいて付加情報DAを生成し、ハードディスク装置74に記憶する。これは、各種制御信号中に、圧縮多重信号Srの生成結果によって内容が定まるものがあるからである。一方、コントローラ75は、上記信号処理部72、ハードディスク装置73及びハードディスク装置74の夫々の動作の時間管理を行い、当該付加情報DAに対応する付加情報信号Saをハードディスク装置74から読み出して出力すると共に、圧縮多重信号Srと付加情報信号Saを時間軸多重するための情報選択信号Sccを生成して出力する。
【0091】
その後、圧縮多重信号Srと付加情報信号Saは、情報選択信号Sccに基づき、多重器76により時間軸多重されて情報付加圧縮多重信号Sapとして出力される。なお、副映像情報が存在する場合には、図示されないハードディスク装置など他の手段によって、信号処理部72に入力され、画像、音声情報と同様に処理される。
【0092】
そして、変調器77は、出力された情報付加圧縮多重信号Sapに対してリードソロモン符号等のエラー訂正コード(ECC)の付加及び8−16変調等の変調を施してディスク記録信号Smを生成し、マスタリング装置78に出力する。
【0093】
最後に、マスタリング装置78は、当該ディスク記録信号Smを光ディスクを製造する際のマスタ(抜き型)となるスタンパディスクに対して記録する。そして、このスタンパディスクを用いて図示しないレプリケーション装置により、一般に市販されるレプリカディスクとしての光ディスク即ちDVDが製造される。
【0094】
次に、サラウンド制御情報及びサラウンドモード情報をマスタディスクに記録する記録装置S1の細部動作について説明する。
【0095】
情報処理部72は、キューシートSTから入力されたサラウンド制御情報及びサラウンドモード情報を示す制御情報信号Siが入力されると、図1に示したディスクの内周側に位置するリードインエリアLI又はビデオマネージャ2に入れるための情報信号Scsとして、若しくは各VTS3の先頭に位置するコントロールデータ11に入れるための情報信号Sscとしてハードディスク装置74に出力する。ハードディスク装置74は、これらの制御情報Sscを他のDSI情報信号SdsiやPCI情報信号Spciと共に一時的に格納する。
【0096】
ここで、コントローラ75により、DVDの内周側に位置するリードインエリア又はビデオマネージャの領域に入れるサラウンド制御情報300又はサラウンドモード情報400を選択すべき旨の情報選択信号Sccが出力されると、多重器76は、付加情報信号Sa側にスイッチされる。そして、サラウンド制御情報300又はサラウンドモード情報400は、このとき多重される付加情報信号Saの一部として変調器77に入力されて、更にディスク記録信号Smの一部としてマスタリング装置78に入力される。この結果、リードインエリア又はビデオマネージャの領域箇所に、図5に示したサラウンド制御情報300又は図10に示したサラウンドモード情報400が構築される。
【0097】
若しくは、コントローラ75により、各VTSのコントロールデータ中の所定位置に入れるサラウンド制御情報300又はサラウンドモード情報400を選択すべき旨の情報選択信号Sccが出力されると、サラウンド制御情報300又はサラウンドモード情報400は、このとき多重される付加情報信号Saの一部として変調器77に入力されて、更にディスク記録信号Smの一部としてマスタリング装置78に入力される。この動作は、複数のVTSの夫々について行われ、各VTSのコントロールデータ中には、図5に示したサラウンド制御情報300又は図10に示したサラウンドモード情報400が構築される。
【0098】
また、サラウンド制御情報300を記録情報Rと同時に記録する場合には、信号処理部72が、VTR70から出力された記録情報RをA/D変換した後、圧縮等の処理をし、音声情報と映像情報とを時間軸多重して圧縮多重信号Srとして出力する際、メモリ71から出力される内容情報信号Siに基づき、各オーディオパック(パケット)43の制御情報を記録する部分にサラウンド制御情報300を多重する。
【0099】
以上詳細に説明したように本実施の形態の記録装置S1によれば、前述の“(I)情報記録媒体の実施の形態”で説明したDVD1のマスタディスクを作成することができる。
【0100】
(III)情報再生装置の実施の形態
次に、上記の記録装置S1によりDVD1に記録された情報を再生するための情報再生装置の実施の形態を、図13を用いて説明する。
【0101】
始めに、図13を用いて、実施の形態の再生装置の構成及び動作について説明する。
【0102】
図13に示すように、実施の形態に係る再生装置S2は、ピックアップ80と、復調訂正部81と、ストリームスイッチ82及び84と、トラックバッファ83と、システムバッファ85と、デマルチプレクサ86と、VBV(Video Buffer Verifier)バッファ87と、ビデオデコーダ88と、サブピクチャバッファ89と、サブピクチャデコーダ90と、混合器91と、オーディオバッファ92と、オーディオデコーダ93と、PCIバッファ94と、PCIデコーダ95と、ハイライトバッファ96と、ハイライトデコーダ97と、入力部98と、ディスプレイ99と、システムコントローラ100と、ドライブコントローラ101と、スピンドルモータ102と、スライダモータ103とにより構成されている。なお、図13に示す構成は、再生装置S2の構成のうち、映像及び音声の再生に関する部分のみを記載したものであり、ピックアップ80及びスピンドルモータ102並びにスライダモータ103等をサーボ制御するためのサーボ回路等は従来技術と同様であるので、記載及び細部説明を省略する。
【0103】
次に、全体動作を説明する。
【0104】
ピックアップ80は、図示しないレーザダイオード、偏向ビームスプリッタ、対物レンズ、光検出器等を含み、DVD1に対して再生光としての光ビームBを照射すると共に、当該光ビームBのDVD1からの反射光を受光し、DVD1上に形成されている情報ピットに対応する検出信号Spを出力する。このとき、光ビームBがDVD1上の情報トラックに対して正確に照射されると共に、DVD1上の情報記録面で正確に焦点を結ぶように、図示しない対物レンズに対して従来技術と同様の方法によりトラッキングサーボ制御及びフォーカスサーボ制御が施されている。
【0105】
ピックアップ80から出力された検出信号Spは、復調訂正部81に入力され、復調処理及び誤り訂正処理が行われて復調信号Sdmが生成され、ストリームスイッチ82及びシステムバッファ85に出力される。
【0106】
復調信号Sdmが入力されたストリームスイッチ82は、ドライブコントローラ101からのスイッチ信号Ssw1によりその開閉が制御され、閉のときには、入力された復調信号Sdmをそのままスルーしてトラックバッファ83に出力する。一方、ストリームスイッチ82が開のときには、復調信号Sdmは出力されず、不要な情報(信号)がトラックバッファ83に入力されることがない。
【0107】
復調信号Sdmが入力されるトラックバッファ83は、FIFO(First In First Out)メモリ等により構成され、入力された復調信号Sdmを一時的に記憶すると共に、ストリームスイッチ84が閉とされているときには、記憶した復調信号Sdmを連続的に出力する。トラックバッファ83は、MPEG2方式における各GOP毎のデータ量の差を補償すると共に、インターリーブドユニットIUに分割されたデータの読み取りの際等に、上記のシームレス再生におけるトラックジャンプに起因して不連続に入力される復調信号Sdmを連続的に出力し、当該不連続による再生の中断を解消するためのものである。
【0108】
連続的に復調信号Sdmが入力されるストリームスイッチ84は、デマルチプレクサ86における分離処理において、後段の各種バッファがオーバーフローしたり、逆に空になってデコード処理が中断することがないように、システムコントローラ100からのスイッチ信号Ssw2により開閉が制御される。
【0109】
一方、トラックバッファ83と並行して復調信号Sdmが入力されるシステムバッファ85は、DVD1をローディングしたときに最初に検出され、DVD1に記録されている情報全体に関する管理情報等(ビデオマネージャ2等)やVTS3のコントロールデータ11を蓄積して制御情報SCとしてシステムコントローラ100に出力すると共に、情報再生中に必要に応じて上記ナビパック41毎のDSIパケット51を一時的に蓄積し、システムコントローラ100に制御情報SCとして出力する。
【0110】
ストリームスイッチ84を介して復調信号Sdmが連続的に入力されたデマルチプレクサ86においては、当該復調信号Sdmから映像情報、音声情報、副映像情報及びナビパック41毎のPCIパケット50を分離し、ビデオ信号Sv、副映像信号Ssp、オーディオ信号Sad並びにPCI信号Spcとして、夫々VBVバッファ87、サブピクチャバッファ89、オーディオバッファ92及びPCIバッファ94に出力する。なお、復調信号Sdmには、音声情報又は副映像情報として複数の言語が別々のストリームとして含まれている場合があるが、その場合には、システムコントローラ100からのストリーム選択信号Slcにより所望の言語が夫々選択されてオーディオバッファ92又はサブピクチャバッファ89に出力される。
【0111】
ビデオ信号Svが入力されるVBVバッファ87は、FIFOメモリ等により構成され、ビデオ信号Svを一時的に蓄積し、ビデオデコーダ88に出力する。VBVバッファ87は、MPEG2方式により圧縮されているビデオ信号Svにおける各ピクチャ毎のデータ量のばらつきを補償するためのものである。そして、データ量のばらつきが補償されたビデオ信号Svがビデオデコーダ88に入力され、MPEG2方式により復調が行われて復調ビデオ信号Svdとして混合器91に出力される。
【0112】
一方、副映像信号Sspが入力されるサブピクチャバッファ89は、入力された副映像信号Sspを一時的に蓄積し、サブピクチャデコーダ90に出力する。サブピクチャバッファ89は、副映像信号Sspに含まれる副映像情報を、当該副映像情報に対応する映像情報と同期して出力するためのものである。そして、映像情報との同期が取られた副映像信号Sspがサブピクチャデコーダ90に入力され、復調が行われて復調副映像信号Sspdとして混合器91に出力される。
【0113】
なお、副映像信号Sspが、メニュー画面を構成して表示するために必要な、枠、選択ボタン等を構成するための映像情報を含んでいる場合には、システムコントローラ100からのハイライト制御信号Schに基づき、表示すべき選択ボタン等の表示状態の変更を行って出力する。
【0114】
ビデオデコーダ88から出力された復調ビデオ信号Svdサブピクチャデコーダ90から出力された復調副映像信号Sspd(対応する復調ビデオ信号Svdとの同期が取れている。)は、混合器91により混合され、最終的な表示すべき映像信号Svpとして図示しないCRT(Cathode Ray Tube)等の表示部に出力される。
【0115】
次に、オーディオ信号Sadが入力されるオーディオバッファ92は、FIFOメモリ等により構成され、入力されたオーディオ信号Sadを一時的に蓄積し、オーディオデコーダ93に出力する。オーディオバッファ92は、オーディオ信号Sadを対応する映像情報を含むビデオ信号Sv又は副映像信号Sspに同期して出力させるためのものであり、対応する映像情報の出力状況に応じてオーディオ信号Sadを遅延させる。そして、対応する映像情報と同期するように時間調整されたオーディオ信号Sadは、オーディオデコーダ93に出力され、所定のデコードが施されて復調オーディオ信号Saddとして図示しないスピーカ等に出力される。なお、アクセス直後の再生で一時的に音声を中断する(ポーズする)必要があることが検出された場合には、システムコントローラ100からポーズ信号Scaがオーディオデコーダ93に出力され、当該オーディオデコーダ93において一時的に復調オーディオ信号Saddの出力を停止する。
【0116】
更に、PCI信号Spcが入力されるPCIバッファ94は、FIFOメモリ等により構成され、入力されたPCI信号Spcを一時的に蓄積し、PCIデコーダ95に出力する。PCIバッファ94は、PCI信号Spcに含まれるPCIパケット50と当該PCIパケット50が対応する映像情報、音声情報、副映像情報等とを同期させ、当該映像情報、音声情報又は副映像情報等にPCIパケット50を適用させるためのものである。そして、PCIバッファ94により対応する映像情報、音声情報又は副映像情報等と同期したPCI信号Spcは、PCIデコーダ95によりPCIパケット50に含まれるハイライト情報が分離され、ハイライト信号Shiとしてハイライトバッファ96に出力されると共に、PCIパケット50のハイライト情報以外の部分がPCI情報信号Spciとしてシステムコントローラ100に出力される。
【0117】
ハイライト信号Shiが入力されるハイライトバッファ96は、FIFOメモリ等により構成され、入力されたハイライト信号Shiを一時的に蓄積し、ハイライトデコーダ97に出力する。ハイライトバッファ96は、当該ハイライト情報のための映像情報が含まれている副映像信号Sspに対応して、ハイライト情報に対応する選択項目の表示状態の変更が正確に表示されるための時間軸補償を行うためのバッファである。そして、時間軸補償が行われたハイライト信号Shiは、ハイライトデコーダ97においてデコードされ、当該ハイライト信号Shiに含まれる情報が復調ハイライト信号Shidとしてシステムコントローラ100に出力される。ここで、システムコントローラ100は、当該復調ハイライト信号Shidに基づき、ハイライト情報による表示状態の変更を行うべく、上記のハイライト制御信号Schを出力することとなる。
【0118】
システムコントローラ100は、システムバッファ85から入力される制御情報Sc、PCIデコーダ95から入力されるPCI情報信号Spci及びリモコン等の入力部98から入力される入力信号Sinに基づき、それらの信号に対応した正しい再生を行うために上記のスイッチ信号Ssw2、言語選択信号Slc、ポーズ信号Sca、ハイライト制御信号Schを出力すると共に、再生装置S2の動作状況等を表示するために表示信号Sdpを液晶表示装置等のディスプレイ99に出力する。
【0119】
更に、システムコントローラ100は、上記制御信号Sc又は前述のDSIデータ等により、シームレス再生のためにサーチ等のトラックジャンプの処理が必要であることを検出したときには、ドライブコントローラ101に対して、当該トラックジャンプの処理に対応するシームレス制御信号Scslを出力する。そして、シームレス制御信号Scslが入力されたドライブコントローラ101は、スピンドルモータ102又はスライダモータ103に対して駆動信号Sd を出力する。この駆動信号Sdにより、スピンドルモータ102又はスライダモータ103は、光ビームBが再生すべきDVD1上の記録位置に照射されるようにピックアップ2を移動させる(図13破線矢印参照)と共に、DVD1の回転数をCLV(線速度一定)制御する。これと並行して、ドライブコントローラ101は、ピックアップ2が移動中であり復調訂正部81から復調信号Sdmが出力されないときには、シームレス制御信号Scslに基づきスイッチ信号Ssw1を出力し、ストリームスイッチ82を開とすると共に、復調信号Sdmが出力され始めると、ストリームスイッチ82を閉成して復調信号Sdmをトラックバッファ83に出力する。
【0120】
次に、本実施の形態のサラウンド制御にかかる構成及び動作について詳しく説明する。
【0121】
ここでは、図5に示したサラウンド制御情報300がリードインエリア、ビデオマネージャ、各VTSのコントロールデータ又は各オーディオパケットの制御情報の一部として再生される場合における二つの再生装置の形態について以下説明する。
【0122】
(i)第1の再生装置の形態
本実施の形態では特に、複数の音声信号が夫々出力されるべきスピーカ位置が、音声信号の再生に先立って再生されるサラウンド制御情報300を参照することにより、コントローラ100により識別される。そして、このように識別された、各チャンネルが部屋の中のどこのスピーカから出力されるべきかの情報が、コントローラ100による制御の下で、再生装置のフロントパネルに設けられたディスプレイ99又は映像情報を再生出力するために当該再生装置S2に接続されているテレビの画面上に表示される。この表示方法は、図14に示すような液晶表示装置等からなるディスプレイ99の画面99a上における文字による表示でもよく、または図15に示すような再生装置S2に接続されたテレビの画面110上におけるグラフィック表示でもよい。
【0123】
従って、視聴者は、この表示を見て自らのスピーカをその表示された位置に動かすことができる。即ち、視聴者は、この表示されたスピーカ配置にしたがって、必要とされる数のスピーカを用意して指定された位置に夫々配置し、そして、各チャンネルの音声信号が夫々指定されたスピーカに出力されるように配線すれば、タイトル制作者の意図したサラウンド音場を極めて正しく再現することができる。このため、この再生装置S2は、業務用や音響マニア用の再生装置として有利である。
【0124】
(ii)第2の再生装置の形態
上述した第1の再生装置の形態では、スピーカ配置がディスプレイやテレビ画面に表示される度に、即ち再生されるDVDを変える度にスピーカを配置し直したり、配線し直したりしなければならず、通常の家庭向けの用途には不便である。逆に、一度行ったスピーカセッティングを変えることなく、前述のサラウンド制御情報により示されるスピーカ配置の相異する複数のDVDから適切なサラウンド音場を再現できれば便利である。
【0125】
そこで、第2の形態では再生装置S2は、先ず図4に示した15種類のスピーカ配置及びスーパーウーハー用の1種のスピーカ配置(合計16種類の配置)のうち実際に部屋に配置されているのは、どのスピーカであるのかをコントローラ100に対し指定できるように構成されている。この指定は、入力装置98を介して行われる。
【0126】
より具体的には、例えば、この指定は、再生装置S2に接続されたテレビ又はディスプレイの表示画面上において、文字により「左グランドフロントスピーカはありますか?Yes/No?」(これに対し、Yesにカーソル操作やキー入力により応答し)、「右グランドフロントスピーカはありますか?Yes/No?」(これに対し、Yesにカーソル操作やキー入力により応答し)、…という質疑応答形式で、先ず各スピーカの有無が入力指定されてもよい。また例えば、ディスプレイ上に図4の如きグラフィック表示がなされ、マウス操作等により各スピーカ位置に実際にスピーカが存在する場合には“○”(及び/又は、存在しない場合には“×”)を付けることにより、各スピーカの有無が入力指定されてもよい。
【0127】
更に、例えば、テレビ又はディスプレイの表示画面上において、文字により「x方向のスピーカまでの距離は?m」(これに対し、“1.5”とテンキー入力やアップダウンキー入力して応答し)、「y方向のスピーカまでの距離は?m」(これに対し、“2”とテンキー入力やアップダウンキー入力して応答し)、…という質疑応答形式で、各スピーカの聞手位置に対する位置が入力指定されてよい。また例えば、聞手位置を原点として各スピーカの(x、y、z)座標を入力することで、各スピーカの聞手位置に対する位置が入力指定されてもよい。更にまた例えば、メニュー画面上で、ルームタイプを4.5畳、6畳、8畳、10畳、12畳、…若しくは長方形の部屋、正方形の部屋、大きい部屋、小さい部屋等の各種の部屋のタイプ中から一つを選ぶことにより、各スピーカの聞手位置に対する位置が間接的に入力指定されてもよい。即ちこの場合、聞手位置を部屋の中心であり部屋の隅にスピーカが配置されている等と仮定して、コントローラ100により各スピーカまでの距離が計算されて各スピーカの(x、y、z)座標が自動的に計算される。更にまた実用上よく用いられる配置パターン(例えば、6畳間や8畳間の4隅にスピーカを4つ置いたパターンなど)を数十種類用意しておき、各配置パターンを順次表示して、その中から該当する配置パターンを選ぶようにしてもよい。
【0128】
また、指定された配置を示す実在スピーカ配置情報は、所定のフォーマットで、コントローラ100に内蔵された不揮発性の記憶装置に格納され、一旦この指定を行えば、再生装置S2の電源を切っても、この実在スピーカ配置情報が失われないように構成されている。そして、この実在スピーカ配置情報は、視聴者の所望によりいつでも更新できるように構成されている。
【0129】
第2の形態では再生装置S2は、更に、各チャンネルの音声信号を前述の実在スピーカ配置情報及びサラウンド制御情報300に基づいて、再生された複数チャンネルの音声信号を、実際のスピーカ配置によっても、タイトル制作者により意図されたサラウンド音場を再現すべく、実際のスピーカ配置に対応した音声信号へ変換を行うように構成されている。即ち、再生装置S2は、視聴者により指定された実際のスピーカ配置とDVDから再生されたサラウンド制御情報300により示されるスピーカ配置との相異に応じて、各チャンネルの音声信号を実際のスピーカ配置に対応した出力信号へとミックスダウンするように構成されている。
【0130】
次に、この再生されたサラウンド制御情報300により指定されたスピーカ位置に対応した音声信号を実際のスピーカ配置に対応した音声信号へ変換するための構成及び動作について図16及び図17を参照して説明する。
【0131】
ここでは、図16の左側に示すサラウンド制御情報により指定されたスピーカ配置から、右側に示す予め入力指定された実在スピーカ配置情報により示される実際のスピーカ配置に変換する場合について考える。
【0132】
この場合、図17に示すように、図13のオーディオデコーダ93から出力された復調オーディオ信号Saddは、ch0〜ch5の出力端子に出力されるが、再生装置S2は、これらの信号が入力される例えば8つのダウンミックス回路120a、120b、120c、120d、…を備えている。ダウンミックス回路120aは、ch0〜ch7の音声信号をダウンミックスして実在の左グランドフロントスピーカ用のch0の信号として出力する。ダウンミックス回路120bは、ch0〜ch7の音声信号をダウンミックスして実在の右グランドフロントスピーカ用のch1の信号として出力する。ダウンミックス回路120cは、ch0〜ch7の音声信号をダウンミックスして実在の左トップリアスピーカ用のch3の信号として出力する。ダウンミックス回路120dは、ch0〜ch7の音声信号をダウンミックスして実在の右トップリアスピーカ用のch4の信号として出力する。尚、この例では、実在のスピーカが4個しかないので、ここでは使用されておらず図示もされていないが、実際には8チャンネルの出力をカバーできるように8個のダウンミックス回路が再生装置S2には、備えられている。
【0133】
図17において、ダウンミックス回路120の内部に入力チャンネル毎に設けられたアンプは、後述のように変換方式に応じて定まる値の係数Cn(n=0〜7)を夫々掛け、そのゲインを変える機能を持つ可変ゲインアンプである。さらに、各アンプは、DSP(Digital Signal Processor)等による信号処理を行ってもよい。なお、この場合の信号処理の内容としては、位相制御、遅延時間(Td)制御、残響音付加処理等がある。
【0134】
次に、このダウンミックス回路による信号変換方式の具体的な例を図18から図36を用いて説明する。
【0135】
先ず、サラウンド制御情報により指定されたスピーカの位置から実在のスピーカの位置への変換する方法について説明する。
【0136】
この場合、第1にサラウンド制御情報により推定された各スピーカの仮想的な位置を以下のように決定する。ここに、「仮想的な位置」とは、最終的に音声信号の振り分けを決定するためのアルゴリズムの途中で仮想されるスピーカの位置をいう。
【0137】
即ち、視聴者が入力指定したスピーカ指定情報に示される実在するスピーカの位置から、他のスピーカの仮想的な位置を仮定する。原則として左右のグランドフロントスピーカSPgflとSPgfrとは基本的なスピーカであるので、少なくともこれら2つスピーカの位置は視聴者により必ず入力指定される(実在する)ものとする。従って各スピーカの位置指定がない場合でも、これらの2つのスピーカSPgflとSPgflの位置のみが、入力指定されている筈なので、他のスピーカの仮想的な位置は図18のように考える。即ち、部屋200内の聞手位置P0に対し、前後左右対称となる15種類の位置に各スピーカを仮想的に配置する。
【0138】
このとき、Z方向の指示がない場合、全てのスピーカが同一平面上にあるものとみなし、トップスピーカとグランドスピーカとの区別は行わない。ここでは、グランドとして扱うものとする。
【0139】
第2に、以上のようにして求めた各スピーカの仮想的な位置から実在のスピーカの位置への変換(即ち、音声信号の各スピーカへの振り分け)を次のように行う。
【0140】
即ち、先ず各チャンネル毎にサラウンド制御情報により指定されたスピーカ位置から実在する複数のスピーカまでの距離を求め、最も近い位置になる実在するスピーカの位置へ、上述のように求めた各スピーカの仮想的な位置を元に出力スピーカを変更する。即ち、各仮想的な位置にあるスピーカから出力されるべき音声信号を、実在する複数のスピーカに振り分ける。但し、このとき左右対称として扱い、更に、図19に示すように、部屋200の隅に位置するサラウンド制御情報に指定されたスピーカについては、Y0=Z0として扱う。即ち、図20に示すように、Y0とZ0の距離の大小にかかわらず、このような位置関係にある2つのスピーカが実在する場合には、2つのスピーカから出力するように音声信号を振り分ける。また、図21に示すように、部屋の側壁については、L1=L2として扱い、L1とL2の距離の大小にかかわらず、このような位置関係にある2つのスピーカ(SPgfl、SPgfr)が実在する場合には、これら2つのスピーカから出力するように音声信号を振り分ける。
【0141】
続いて、部屋の各スピーカを図22のように面によってグループ化する。
【0142】
ここで、フロント面201上にある仮想的な位置にあるスピーカは、フロント面201上に実在するスピーカに変更しなければならないものとする。即ち、このフロント面201上の仮想的な位置にあるスピーカから出力されるべき音声信号を、このフロント面201上に実在するスピーカに振り分ける。フロント面201から他の面への変換は許されない。即ち、フロント面201が第1優先される。
【0143】
次に、リア面202上にある仮想的な位置にあるスピーカは、リア面202上に実在するスピーカがある場合には、その距離関係にかかわりなくリア面202のスピーカに変換しなければならないものとする。即ち、リア面202上が第2優先される。
【0144】
次に、トップ面203、グランド面204、左側面205及び右側面206も同様の扱いとする。ただし仮想的な位置にあるスピーカが2つの面に存在する場合(センター位置の場合)にはリア面202を優先させる。リア面202から他の面への変換は後回しにする。
【0145】
次に、前述のように、基本的な2つのスピーカSPgflとSPgfrは必ず存在することとしているので、各面のグループ内に実在するスピーカがなかった場合にはフロント面201に、そして最終的には、これら2つのスピーカSPgflとSPgfrから出力するようにする。
【0146】
以上の規則にしたがって行われる、各スピーカの仮想的な位置から実在のスピーカの位置への変換(即ち、音声信号の各スピーカへの振り分けの様子)を図23から図26に示す。
【0147】
図23から図26に示すように、サラウンド制御情報により推定されたスピーカ位置から、実在のスピーカの位置への変換が行われる。尚、これらの図中、丸数字▲1▼、▲2▼、▲3▼、…は、各NOの処理の中における変換の優先順序を示している。▲1▼から▲5▼の順で変換が行われ、変換先に実在するスピーカがあった場合には、それ以降の変換を行わない。このように、上記規則に従って、仮想的なスピーカSPtfc、SPtfl、(SPgfl、)SPgfc、SPtm、SPsl、SPtrc、SPtrl、SPgrl、SPgrcから、実在するスピーカ位置への変換が行われる。なお、原則としてスピーカSPgflは、実在しなければならない。
【0148】
第3に、図23から図26に示したように求めた実在のスピーカの位置への音声信号の振り分けのレベルを次のように決定する。
【0149】
即ち、距離の近いものから捜していって、最も近い実在のスピーカ位置へと変換するが、この際、同じ距離の最も近い実在のスピーカがn個あった場合には、各実在のスピーカへ、音声信号出力をn等分(1/nをかける)にして出力するようにレベルを決定する。通常は2個以上ないので振り分けの振り分けのレベルは0.5+0.5とする。図27に示すように、側面の場合は、距離に応じた重みづけをする。片方のスピーカしかなければ、そのスピーカから全ての音声信号を出すようにレベルを決定する。また、図28に示すように、部屋の各隅の場合も距離に応じた重みづけをする。片方のスピーカしかなければ、そのスピーカから全ての音声信号を出すようにレベルを決定する。即ち、変換すべきスピーカを探すときには、L1=L2、Z0=Y0とし、レベルを決めるときには、実際の距離に応じた重み付けをする。
【0150】
次に、図17に示したダウンミックス回路における各アンプの係数Cn(n=0〜7)の決め方について図29から図33を用いて説明する。
【0151】
例えば、図29に示した例では、実在のスピーカSPgflとSPgfrとが存在するが、この場合の係数C1及びC2方は次のように決められる。
【0152】
先ず、計算を簡単にするために以下のように考える
即ち、図30に示すように、2つの左右のスピーカL、Rを聴取位置から正面に向って±30°の位置にある場合を想定する。また、このとき、仮想スピーカを配置しようとする位置はθだけ右によった位置とする。
【0153】
図31に示す、このときの両耳間の音圧差(右耳の音圧−左耳の音圧)ΔPは、次式で表される。
【0154】
ΔP=P{1/(γ−d/2)−1/(γ+d/2)}
P…点0の音圧
音源からの音波は、両耳に届く頃には平面波になっており、その音圧Pは音源からの距離に逆比例すると考える。
【0155】
すると、右スピーカによる両耳間の音圧差ΔPRは、次式で表される。
【0156】
ΔPR=PR{1/(γ−d/2)−1/(γ+d/2)}
また、左スピーカによる両耳間の音圧差ΔPLは、次式で表される。
【0157】
従って、両スピーカによる音圧差ΔPR+Lは、次のような式(1)で表される。
【0158】
ΔPR+L=(PR−PL){1/(γ−d/2)−1/(γ+d/2)}…(1)
(但し、この差の計算にはベクトルによる加算が必要だが、ここでは説明簡略化のためスカラー量として式を示す)
また、仮想スピーカR′による音圧差ΔPR'は、次のような式(2)で表される。
【0159】
ΔPR'=PR'{1/(γ′−d′/2)−1/(γ′+d′/2)}…(2)
ここで、R′にスピーカがあるように思わせたいのであるから、両スピーカによる両耳間の音圧差(1)を(2)に一致させれば良い。
【0160】
即ち、次の式が成立する。
【0161】
(PR−PL){1/(γ−d/2)−1/(γ+d/2)}
=PR'{1/(γ′−d′/2)−1/(γ′+d′/2)}
∴ (PR−PL)/PR
={d′/(γ′2−d2/4)}/{d/(γ2−d2/4)}
ここで、γとγ′は、ほぼ等しいと考えてよいので、γ=γとし、左右のスピーカからの音圧の合成が仮想スピーカからの音圧と一致するとすると、
PR+PL=PR'
∴C1−C2={d′/(γ2−d′2/4)}/{d/(γ2−d2/4)}
ここで、γ2》d2/4>d′2/4なので
γ2−d′2/4=γ2
γ2−d2/4=γ2
と考えると、
C1−C2=(d′/γ2)/(d/γ2)=d′/d
となる。
【0162】
ここで、d=Lsin30°であるから、
d′=Lsinθ
C1−C2=Lsinθ/Lsin30°=sinθ/sin30°
となる。
【0163】
また、C1+C2=1であるから、
C1=1/2(1+sinθ/sin30°)
C2=1/2(1−sinθ/sin30°)
となる。
【0164】
この様子を図32のグラフに示す。図32から、仮想スピーカを配置しようとする位置から夫々のスピーカR、Lまでの距離を図33に示すように、L1、L2としたとき、夫々の係数C1、C2を
C1=L2/(L1+L2)
C2=L1/(L1+L2)
と考えた場合とほぼ同じ値になる。
【0165】
従って、係数Cn(n=0〜7)は、角度による計算を行っても求められるし、距離による計算によって求められる。
【0166】
また、遅延などその他の処理を行う場合にはC1とC2の差は少なくなる。実際には、この計算で得られる値Cnを量子化して使うので必ずしも正確にこの値である必要はない。
【0167】
次に、図17に示したダウンミックス回路における各アンプの遅延時間Tdの決め方について図34から図36を用いて説明する。
【0168】
例えば、図34に示した例では、L(左)スピーカとR(右)スピーカとが存在する。
【0169】
この場合、図35に示すように、右耳で聞く音は夫々のスピーカを出た時刻を0とすると、(γ−d/2)/C秒後にRスピーカから出た音が到達し、(γ+d/2)/C秒後にLスピーカから出た音が到達する。左耳で聞く音も同様に(γ−d/2)/C秒後にLスピーカの音が到達し、(γ+d/2)/C秒後にRスピーカの音が到達する。
【0170】
従って最初に到達する音は、両耳とも同じ(γ−d/2)/C秒後となる。
【0171】
ここで、音源がR′にあるとすると、右耳に到達する時刻は(γ′−d/2)/Cとなり、左耳に到達する時刻は(γ′+d/2)/Cとなる。
【0172】
従って、夫々の耳に最初に到達する音の時間差Δtは、
Δt=d′/Cとなる。
【0173】
ここで、Lスピーカ、Rスピーカから音を出し、夫々の耳に最初に到達する音の時刻に注目すると、音源がR′にあるときと同じ時間差を与えるにはRスピーカによる右耳到達の時刻(γ−d/2)/CとLスピーカによる左耳到達の時刻(γ−d/2)/Cの差がΔtになればいいので、単純に左スピーカの音をΔt=d′/Cだけ遅延させればよい。
【0174】
しかるに、
d′=Lsinθ
であり、Lは通常15〜18cmなので、L=18cmとすれば、
Δt=Lsinθ/C
となる。
【0175】
ここで、音速C=340m/secとすると、
Δt=530μsec・sinθ
となる。
【0176】
従って、両スピーカに与える時間差は、
Td=Δt=530μsec・sinθ
とすればよい。
【0177】
尚、実際には、この時間差は、提示する音圧によっても左右され、左右スピーカの音圧差をどの様に与えるかによって、この値は上下する。音圧差を大きくする場合には、この時間差Tdは小さくてもよく、場合によって0でもよい。一方、音圧差を小さくする場合には、その程度に応じてこの時間差Tdを大きくする。
【0178】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、ダウンミックス回路は、DVDから再生される制作者が指定したサラウンド制御情報及び視聴者が実在するスピーカ配置を指定した実在スピーカ配置情報に基づいて定まる係数Cnをかけ、ゲインを変えることにより、実在のスピーカ配置とサラウンド制御情報により示されるスピーカ配置との相異に応じて、各チャンネルの音声信号を実際のスピーカ配置に対応した音声信号へとミックスダウンできる。この係数Cnの決定は、サラウンド制御情報300が一つのDVDに一つだけ書込まれていれば、当該DVDの再生を開始する際に一度行われればよい。一方、各VTSに一つずつ書込まれていれば、当該VTSの再生を開始する度に行われる。このようにすれば、VTS毎に制作者により異なるスピーカ配置が指定されていても、どのVTSに対しても的確にサラウンド音場を再現することができる。また、各オーディオパケットの制御情報に、このサラウンド制御情報が書かれていると、出力すべく選択されているオーディオストリームをデジタルデータとして外部の機器(レシーバ等)に出力する際に一々このサラウンド制御情報を付加する必要が無い。更に、ダウンミックス回路は、DSP等による信号処理を行って、スピーカ間の遅延時間Td等を制御することもできる。
【0179】
尚、ミックスダウンする機能(図17に示したダウンミックス回路やそのための配線等)は、再生装置S2自身が備えてよいが、再生装置S2と通信する機能を持つ各スピーカに接続されたレシーバ等が備えるようにしてもよい。また、このサラウンド音場をより正確に再現するように信号変換を行うためには、各スピーカの実際の配置を示す実在スピーカ配置情報のみならず、各スピーカの感度や出力ワット数についての情報を実在スピーカ配置情報と共に再生装置S2に指定しておき、このスピーカの感度やワット数にも基づいて前述のレベルの決定を行うようにしてもよい。この場合には、例えば、左右や前後のスピーカで感度が異なる場合には、相対的に感度が低いスピーカ程与える音声信号のレベルを高めることで音声信号の変換をより正確に行うようにしてもよい。
【0180】
上述の実施の形態では、図5に示したサラウンド制御情報300の示すスピーカ配置と実在スピーカ配置情報の示すスピーカ配置との相異に基づいて信号変換処理を行っているが、図10に示したサラウンドモード情報400の示すスピーカ配置と実在スピーカ配置情報の示すスピーカ配置との相異に基づいて、信号変換処理を行うことができる。従って、サラウンドモード情報400を用いても、上記実施の形態と同様に、各チャンネルの音声信号を実際のスピーカ配置に対応した音声信号へとミックスダウンでき、スピーカ間の遅延時間Td等を制御することもできる。
【0181】
以上のように、本実施の形態によれば、前述の“(I)情報記録媒体の実施の形態”で説明したDVD1を再生し、複数チャンネルの音声信号及びサラウンド制御情報を介して、制作者の意図したサラウンド音場を視聴者独自のスピーカ配置を用いて再現することができる。
【0182】
以上夫々説明したように、本願の各実施形態によれば、比較的情報量の少ないサラウンド制御情報(例えば、16種類の位置を示すためにチャンネル毎に4ビットの情報)を用いることにより、制作者は、多種多様に富んだマルチサラウンド用のスピーカの組み合わせ配置を比較的簡単に当該DVD1を介して指定でき、視聴者は制作者の意図するサラウンド音場を比較的簡単に再現可能となる。
【0183】
また、更に情報量の少ないサラウンドモード情報(例えば、16種類のモードを示すために全体で4ビットの情報)を用いることにより、制作者は、多種多様に富んだマルチサラウンド用のスピーカの組み合わせ配置を比較的簡単に当該DVD1を介して指定でき、視聴者は制作者の意図するサラウンド音場を比較的簡単に再現可能となる。
【0184】
更にまた、再生装置S2において、オーディオパケットの単位で音声情報片へのアクセスが可能となり、融通性の高い再生が可能となる。
【0185】
また、再生装置S2において、制作者は、多種多様に富んだマルチサラウンド用のスピーカの組み合わせ配置を比較的簡単に当該DVD1を介して指定及び表示させることができ、視聴者は制作者の意図するサラウンド音場を比較的簡単に再現できる。
【0186】
更に、再生装置S2において、制作者は、多種多様に富んだマルチサラウンド用のスピーカの組み合わせ配置を比較的簡単に当該DVD1を介して指定でき、視聴者は、実際のスピーカ配置を指定することができ、指定したスピーカ配置とサラウンド制御情報が示すスピーカの配置とが一致しない場合であっても、制作者の意図するサラウンド音場を比較的簡単に再現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態としてのDVDにおけるデータの物理的構成を示す概念図である。
【図2】図1のDVDにおけるデータの論理的構成を示す概念図である。
【図3】図1のDVDにおけるインターリーブドユニットの構成を示す概念図である。
【図4】図1のDVDに対して設定される部屋内に置かれた15種類のスピーカ配置を示す概念図である。
【図5】図1のDVDに書込まれるサラウンド制御情報のデータ構造とその対応関係の一例を示す概念図である。
【図6】図5のサラウンド制御情報に含まれる音声チャンネル内容データの一例を示す表である。
【図7】図6の音声チャンネル内容データにより示されるスピーカ配置を示す概念図である。
【図8】図5のサラウンド制御情報に含まれる音声チャンネル内容データの他の例を示す表である。
【図9】図8の音声チャンネル内容データにより示されるスピーカ配置を示す概念図である。
【図10】図1のDVDに書込まれるサラウンドモード情報のデータ構造の一例を示す概念図である。
【図11】図10のサラウンドモード情報が示す複数のモードのうちの一つに対応するスピーカ配置を示す概念図である。
【図12】本発明の他の実施の形態としての図1のDVDを記録するための情報記録装置のブロック図である。
【図13】本発明の他の実施の形態としての図1のDVDを再生するための情報再生装置のブロック図である。
【図14】図13の再生装置のディスプレイにおける一表示画面を示すディスプレイ画面の平面図ある。
【図15】図13の再生装置に接続されるテレビにおける一表示画面を示すテレビ画面の平面図である。
【図16】図13の再生装置における音声信号の変換の一例を示す概念図である。
【図17】図13の再生装置の音声出力に接続されるダウンミックス回路を示すブロック図ある。
【図18】図17のダウンミックス回路による信号変換方式を説明するためのスピーカの配置を示す概念図である。
【図19】図17のダウンミックス回路による信号変換方式を説明するためのスピーカの配置を示す概念図である。
【図20】図17のダウンミックス回路による信号変換方式を説明するためのスピーカの配置を示す概念図である。
【図21】図17のダウンミックス回路による信号変換方式を説明するためのスピーカの配置を示す概念図である。
【図22】図17のダウンミックス回路による信号変換方式を説明するためのスピーカの配置を示す概念図である。
【図23】図17のダウンミックス回路による信号変換方式を説明するためのスピーカの配置を示す概念図である。
【図24】図17のダウンミックス回路による信号変換方式を説明するためのスピーカの配置を示す概念図である。
【図25】図17のダウンミックス回路による信号変換方式を説明するためのスピーカの配置を示す概念図である。
【図26】図17のダウンミックス回路による信号変換方式を説明するためのスピーカの配置を示す概念図である。
【図27】図17のダウンミックス回路による信号変換方式を説明するためのスピーカの配置を示す概念図である。
【図28】図17のダウンミックス回路による信号変換方式を説明するためのスピーカの配置を示す概念図である。
【図29】図17のダウンミックス回路による各アンプの係数Cnを決める方法を説明する概念図である。
【図30】図17のダウンミックス回路による各アンプの係数Cnを決める方法を説明する概念図である。
【図31】図17のダウンミックス回路による各アンプの係数Cnを決める方法を説明する概念図である。
【図32】図17のダウンミックス回路による各アンプの係数Cnを決める方法を説明する概念図である。
【図33】図17のダウンミックス回路による各アンプの係数Cnを決める方法を説明する概念図である。
【図34】図17のダウンミックス回路による各アンプの遅延時間Tdを決める方法を説明する概念図である。
【図35】図17のダウンミックス回路による各アンプの遅延時間Tdを決める方法を説明する概念図である。
【図36】図17のダウンミックス回路による各アンプの遅延時間Tdを決める方法を説明する概念図である。
【図37】従来のドルビーAC3方式におけるサラウンドモード情報を示す表である。
【図38】図37のドルビーAC3方式におけるサラウンドモード情報が示す複数のモードのうちの一つに対応するスピーカ配置を示す概念図である。
【符号の説明】
1…DVD
2…ビデオマネージャ
3、63…VTS
10…VOB
11…コントロールデータ
20…セル
30…VOBユニット
41…ナビパック
42…ビデオパック
43…オーディオパック
44…サブピクチャパック
50…PCIパケット
51…DSIパケット
52…GOP
60…プログラム
61、61A、61B…PGC
62…タイトル
70…VTR
71…メモリ
72…信号処理部
73、74…ハードディスク装置
75…コントローラ
76…多重器
77…変調器
78…マスタリング装置
80…ピックアップ
81…復調訂正部
82、84…ストリームスイッチ
83…トラックバッファ
85…システムバッファ
86…デマルチプレクサ
87…VBVバッファ
88…ビデオデコーダ
89…サブピクチャバッファ
90…サブピクチャデコーダ
92…オーディオバッファ
93…オーディオデコーダ
94…PCIバッファ
95…PCIデコーダ
96…ハイライトバッファ
97…ハイライトデコーダ
98…入力部
99…ディスプレイ
100…システムコントローラ
101…ドライブコントローラ
102…スピンドルモータ
103…スライダモータ
120a、120b、120c、120d…ダウンミックス回路
300…サラウンド制御情報
400…サラウンドモード情報
S1…記録装置
S2…再生装置
DK…光ディスク
Sr…圧縮多重信号
Sa…付加情報信号
Sdm…復調信号
Sad…オーディオ信号
Ssp…副映像信号
Sv…ビデオ信号
Claims (48)
- 複数のチャンネルの音声情報を含む多重信号を生成する手段と、
前記複数のチャンネルの全てと当該各チャンネルの音声情報の出力先との関係を示す、予め設定された複数のスピーカの組み合わせ配置を示す単一の情報から構成されるサラウンドモード情報を含む付加情報を生成する手段と、
前記多重信号と前記付加情報を情報記録媒体に記録する記録手段と、
からなることを特徴とする情報記録装置。 - 請求項1に記載の情報記録装置において、
前記複数のチャンネルは1つの音声信号ストリームから構成されていることを特徴とする情報記録装置。 - 請求項2に記載の情報記録装置において、
前記音声信号ストリームは最大でチャンネル番号0からチャンネル番号7の八つの前記チャンネルで構成されていることを特徴とする情報記録装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1に記載の情報記録装置において、
前記予め設定された組み合わせ配置を示す情報がオーディオコーディングモードに基づいて変化する情報であることを特徴とする情報記録装置。 - 請求項1ないし4のいずれか1に記載の情報記録装置において、
前記サラウンドモード情報は、所定数のビット数で表されることを特徴とする情報記録装置。 - 請求項1ないし5のいずれか1に記載の情報記録装置において、
前記付加情報は、前記音声情報全体に係る管理情報であることを特徴とする情報記録装置。 - 請求項1ないし5のいずれか1に記載の情報記録装置において、
前記音声情報は複数のセルから構成され、
複数の当該セルを論理的に組み合わせることによりプログラムが構成され、前記付加情報は、前記プログラムを再生するためのコントロールデータを含み、
前記サラウンドモード情報は前記コントロールデータに含まれていることを特徴とする情報記録装置。 - 請求項7に記載の情報記録装置において、
前記音声情報と前記コントロールデータとによりタイトルセットが構成されることを特徴とする情報記録装置。 - 請求項1から8のいずれか一項に記載の情報記録装置において、
前記情報記録媒体はスタンパディスクであることを特徴とする情報記録装置。 - 請求項9に記載の情報記録装置において、
前記スタンパディスクを用いてレプリカディスクを製造するレプリケーション手段を更に備えたことを特徴とする情報記録装置。 - 請求項10に記載の情報記録装置により製造されたレプリカディスク。
- 複数のチャンネルの音声情報を含む多重信号を生成する工程と、
前記複数のチャンネルの全てと当該各チャンネルの音声情報の出力先との関係を示す、予め設定された複数のスピーカの組み合わせ配置を示す単一の情報から構成されるサラウンドモード情報を含む付加情報を生成する工程と、
前記多重信号と前記付加情報を情報記録媒体に記録する記録工程と、からなることを特徴とする情報記録方法。 - 請求項12に記載の情報記録方法において、
前記複数のチャンネルは1つの音声信号ストリームから構成されていることを特徴とする情報記録方法。 - 請求項13に記載の情報記録方法において、
前記音声信号ストリームは最大でチャンネル番号0からチャンネル番号7の八つの前記チャンネルで構成されていることを特徴とする情報記録方法。 - 請求項12ないし14のいずれか1に記載の情報記録方法において、
前記予め設定された組み合わせ配置を示す情報がオーディオコーディングモードに基づいて変化する情報であることを特徴とする情報記録方法。 - 請求項12ないし15のいずれか1に記載の情報記録方法において、
前記サラウンドモード情報は、所定数のビット数で表されることを特徴とする情報記録方法。 - 請求項12ないし16のいずれか1に記載の情報記録方法において、
前記付加情報は、前記音声情報全体に係る管理情報であることを特徴とする情記録方法。 - 請求項12ないし16のいずれか1に記載の情報記録方法において、
前記音声情報は複数のセルから構成され、
複数の当該セルを論理的に組み合わせることによりプログラムが構成され、
前記付加情報は、前記プログラムを再生するためのコントロールデータを含み、
前記サラウンドモード情報は前記コントロールデータに含まれていることを特徴とする情報記録方法。 - 請求項18に記載の情報記録方法において、
前記音声情報と前記コントロールデータとによりタイトルセットが構成されることを特徴とする情報記録方法。 - 請求項12から19のいずれか一項に記載の情報記録方法において、
前記情報記録媒体はスタンパディスクであることを特徴とする情報記録方法。 - 請求項20に記載の情報記録方法において、
前記スタンパディスクを用いてレプリカディスクを製造するレプリケーション手段を更に備えたことを特徴とする情報記録方法。 - 請求項21に記載の情報記録方法により製造されたレプリカディスク。
- 複数のチャンネルの音声情報と、前記複数のチャンネルの全てと当該各チャンネルの音声情報の出力先との関係を示す、予め設定された複数のスピーカの組み合わせ配置を示す単一の情報から構成されるサラウンドモード情報が記録された情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置であって、
前記情報記録媒体から前記情報を読取る読取手段と、
前記音声情報を復調する音声復調手段と、
前記音声復調手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報再生装置。 - 請求項23に記載の情報再生装置において、
前記制御手段は、前記サラウンドモード情報に基づいて前記音声復調手段を制御することを特徴とする情報再生装置。 - 請求項23または24に記載の情報再生装置において、
前記複数のチャンネルは1つの音声信号ストリームから構成されていることを特徴とする情報再生装置。 - 請求項25に記載の情報再生装置において、
前記音声信号ストリームは最大でチャンネル番号0からチャンネル番号7の八つの前記チャンネルで構成されていることを特徴とする情報再生装置。 - 請求項23ないし26のいずれか1に記載の情報再生装置において、
前記予め設定された組み合わせ配置を示す情報がオーディオコーディングモードに基づいて変化する情報であることを特徴とする情報再生装置。 - 請求項23ないし27のいずれか1に記載の情報再生装置において、
前記サラウンドモード情報は、所定数のビット数で表されることを特徴とする情報再生装置。 - 請求項23ないし28のいずれか1に記載の情報再生装置において、
前記サラウンドモード情報は前記音声情報全体に係る管理情報に含まれていることを特徴とする情報再生装置。 - 請求項23ないし28のいずれか1に記載の情報再生装置において、
前記音声情報は複数のセルから構成され、
複数のセルを論理的に組み合わせることによりプログラムが構成され、
前記サラウンドモード情報は、前記プログラムを再生するためのコントロールデータに含まれていることを特徴とする情報再生装置。 - 請求項30に記載の情報再生装置において、
前記音声情報と前記コントロールデータとによりタイトルセットが構成されることを特徴とする情報再生装置。 - 複数のチャンネルの音声情報と、前記複数のチャンネルの全てと当該各チャンネルの音声情報の出力先との関係を示す、予め設定された複数のスピーカの組み合わせ配置を示す単一の情報から構成されるサラウンドモード情報が記録された情報記録媒体から情報を再生する情報再生方法であって、
前記情報記録媒体から前記情報を読取る読取工程と、
前記音声情報を復調する音声復調工程と、
前記音声復調手段を制御する制御工程と、
を備えたことを特徴とする情報再生方法。 - 請求項32に記載の情報再生方法において、
前記制御工程は、前記サラウンドモード情報に基づいて前記音声復調工程を制御することを特徴とする情報再生方法。 - 請求項32または33に記載の情報再生方法において、
前記複数のチャンネルは1つの音声信号ストリームから構成されていることを特徴とする情報再生方法。 - 請求項34に記載の情報再生方法において、
前記音声信号ストリームは最大でチャンネル番号0からチャンネル番号7の八つの前記チャンネルで構成されていることを特徴とする情報再生方法。 - 請求項32ないし35のいずれか1に記載の情報再生方法において、
前記予め設定された組み合わせ配置を示す情報がオーディオコーディングモードに基づいて変化する情報であることを特徴とする情報再生方法。 - 請求項32ないし35のいずれか1に記載の情報再生方法において、
前記サラウンドモード情報は、所定数のビット数で表されることを特徴とする情報再生方法。 - 請求項32ないし37のいずれか1に記載の情報再生方法において、
前記サラウンドモード情報は、前記音声情報全体に係る管理情報に含まれていることを特徴とする情報再生方法。 - 請求項32ないし37のいずれか1に記載の情報再生方法において、
前記音声情報は複数のセルから構成され、
複数の当該セルを論理的に組み合わせることによりプログラムが構成され、
前記サラウンドモード情報は、前記プログラムを再生するためのコントロールデータに含まれていることを特徴とする情報再生方法。 - 請求項39に記載の情報再生方法において、
前記音声情報と前記コントロールデータとによりタイトルセットが構成されることを特徴とする情報再生方法。 - 複数のチャンネルの音声情報と、
前記複数のチャンネルの全てと当該各チャンネルの音声情報の出力先との関係を示す、予め設定された複数のスピーカの組み合わせ配置を示す単一の情報から構成されるサラウンドモード情報が記録される情報記録媒体であって、
最内周部に形成されたリードインエリアと、
最外周部に形成されたリードアウトエリアと、を有し、
前記リードインエリアと前記リードアウトエリアとの間に、前記音声情報が複数のタイトルセットに分割されており、
前記タイトルセットは、前記サラウンドモード情報を含むコントロールデータをその先頭に有することを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項41に記載の情報記録媒体において、
前記複数のチャンネルは1つの音声信号ストリームから構成されていることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項42に記載の情報記録媒体において、
前記音声信号ストリームは最大でチャンネル番号0からチャンネル番号7の八つの前記チャンネルで構成されていることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項41ないし43のいずれか1に記載の情報記録媒体において、
前記予め設定された組み合わせ配置を示す情報がオーディオコーディングモードに基づいて変化する情報であることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項41ないし44のいずれか1に記載の情報記録媒体において、
前記サラウンドモード情報は、所定数のビット数で表されることを特徴とする情報記録媒体。 - 複数のチャンネルの音声情報を含む多重信号と、前記複数のチャンネルの全てと当該各チャンネルの音声情報の出力先との関係を示す、予め設定された複数のスピーカの組み合わせ配置を示す単一の情報から構成されるサラウンドモード情報を含む付加情報と、が記録された情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置であって、
前記情報記録媒体から前記情報を読取る読取手段と、
前記読取手段によって読み出された多重信号を再生する再生手段と、
前記読取手段によって読み出されたサラウンド情報に基づいて各チャンネルの音声信号の出力先を決定する決定手段と、
を備えたことを特徴とする情報再生装置。 - 請求項46に記載の情報再生装置において、
前記複数のチャンネルは1つの音声信号ストリームから構成されていることを特徴とする情報再生装置。 - 請求項46または47に記載の情報再生装置において、
前記予め設定された組み合わせ配置を示す情報がオーディオコーディングモードに基づいて変化する情報であることを特徴とする情報再生装置。
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