JP3998096B2 - 電磁波増幅器および電磁波発振器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に0.5[THz]から50[THz]程度のテラヘルツ帯高周波の電磁波の増幅器および発振器の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
0.5[THz]から50[THz]程度のテラヘルツ帯高周波では、自由電子レーザ装置が実用化されて運用されている。この自由電子レーザ装置は、少なくとも10[MeV]以上の高エネルギー電子ビームを発生する電子加速器と、数メートル以上の周期的交番磁界を発生するアンジュレータとを備えている。そして、自由電子レーザ装置は、電子加速器によって加速した電子ビームを、アンジュレータの発生した磁場を通すことによって、レーザ光を発振する。(参考文献:M.W.Poole, “Infra-red FEL", CERN90-03, pp.306-334)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記の自由電子レーザ装置には、次のような問題がある。この装置には、少なくとも10[MeV]以上の高エネルギー電子ビームを発生する電子加速器と、数メートル以上の周期的交番磁界を発生するアンジュレータとが必要である。このため、装置本体だけでも10[m]程度の規模となる。また、自由電子レーザ装置は大量の放射線を発生するため、厚さ1[m]以上のコンクリート壁などによる放射線遮蔽が必要となる。このコンクリート壁を含めると、自由電子レーザ装置はさらに大型化する。
【0004】
つまり、自由電子レーザ装置には、大型であり、かつ極めて高価であるという問題がある。さらに、放射線発生装置として厳しい運用管理が、自由電子レーザ装置に求められる。この結果、一般には、自由電子レーザ装置の導入が難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、前記の課題を解決し、小型で運用が簡便なテラヘルツ帯高周波の電磁波増幅器および電磁波発振器を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、異なる誘電率を持つ2種以上の誘電体の周期構造により構成される3次元フォトニック結晶の一部を線状に取り除き、真空の線状格子欠陥を設けることにより構成した3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路と、前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路に向かう電子ビームを発生する電子ビーム発生手段とを備え、前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路に沿って、前記電子ビーム発生手段からの電子ビームを伝搬させることにより、前記電子ビームの速度と一致する位相速度を有する電磁波を増幅することを特徴とする電磁波増幅器である。
前記構成によれば、前記3次元フォトニック結晶の周期構造の大きさは、ほぼ電磁界の波長程度の大きさであり、例えばテラヘルツ帯高周波の領域では、百マイクロメータ程度である。また、この3次元フォトニック結晶中に設けられた線欠陥導波路の断面サイズも電磁界の波長程度の大きさである。線欠陥導波路は、3次元フォトニック結晶の一部を線状に取り除き、真空の線状格子欠陥を設けることにより構成したものである。この線欠陥導波路の中に閉じ込められた電磁波は、その欠陥方向に伝搬することができる。そして、この電磁波は、進行波管や後進波管と同様な原理により、併走する電子ビームと強く相互作用をし、その強度を増す。
一般に、進行方向に電界成分をもつ電磁波と、それに併走する電子ビームとが同時に存在する系において、電磁波の位相速度が電子ビームの速度と一致する場合、電磁波と電子ビーム粗密波とが常に同じ位相関係を保ったまま相互作用を行う。したがって、この位相関係がお互いの波を強め合うような条件になっている場合、正帰還がかかり、電磁波と電子ビーム粗密波とは伝搬とともに増幅していく。
本発明では、フォトニック結晶のフォトニックバンドギャップによる電磁波閉じ込めと、真空中の電子ビームを用いているため、テラヘルツ帯高周波における電磁波増幅の阻害要因であるジュール損失や散乱損失が非常に少なく、小型で効率の良いテラヘルツ帯高周波電磁波の増幅器あるいは発振器が期待される。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電磁波増幅器において、前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路の低誘電率部の誘電体は真空によって置き換えられていることを特徴とする。
本構成をとることにより、3次元フォトニック結晶の持つフォトニックバンドギャップの幅が広くなり、線欠陥導波路としての動作周波数範囲が拡大する。その結果、電磁波増幅器あるいは電磁波発振器としての動作周波数範囲を拡大することが可能となる。
【0007】
請求項3の発明は、異なる誘電率を持つ2種以上の誘電体の周期構造により構成される3次元フォトニック結晶の一部を線状に取り除き、真空の線状格子欠陥を設けることにより構成した3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路と、前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路に向かう電子ビームを発生する電子ビーム発生手段と、前記電子ビーム発生手段からの電子ビームの導入に干渉しないように、前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路の両端面に設置された反射鏡とを備え、前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路に沿って、前記電子ビーム発生手段からの電子ビームを伝搬させることにより、前記電子ビームの速度と一致する位相速度を有する電磁波を発振することを特徴とする電磁波発振器である。
前記構成によれば、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路の両端を導体壁などによる反射鏡で閉鎖し、共振器を形成すると、共振器内にて電磁波増幅が再帰的に行われ、レーザー的な電磁波発振が可能となる。
請求項4の発明は、請求項3に記載の電磁波発振器において、前記反射鏡は導体壁により形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3または4に記載の電磁波発振器において、前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路の低誘電率部の誘電体は真空によって置き換えられていることを特徴とする。
【0008】
[実施の形態1]
本実施の形態による電磁波増幅器を図1に示す。ここでは、図1の系における電磁波増幅過程をテラヘルツ帯高周波領域にて具体的に説明する。この電滋波増幅器は、電子ビーム発生手段1と3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2とを備えている。
【0009】
電子ビーム発生手段1は、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2の中心部に向かう電子ビーム101を発生する。電子ビーム発生手段1および3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2は、真空中に配置されている。また、電子ビーム101の発散を抑制するために、電子ビーム発生手段1や3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2には、それらの外部に設置されたソレノイドコイルのような電磁石(図示を省略)、あるいは永久磁石(図示を省略)により、電子ビーム進行方向の磁場が与えられていることが好ましい。電子ビーム発生手段1は、電子ビーム101を発生するために、例えば電子銃(図示を省略)を備えている。また、電子ビーム発生手段1は、発生した電子ビーム101を加速するための加速装置(図示を省略)を備えている。
【0010】
3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2は、異なる誘電率を持つ2種以上の誘電体により構成されると共に、導波路部分が真空となっている。具体的には図2および図3に示すように、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2は、高誘電率部21、低誘電率部22、および導波路部23で構成される。
【0011】
3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2では、高誘電率部21と低誘電率部22とが3次元的に周期的な規則性をもって配置されている。つまり、高誘電率部21と低誘電率部22とが3次元フォトニック結晶を形成する。
【0012】
本実施の形態では、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2は、5層の正方格子型周期構造(参考文献:T.Aoki et al., Physical Review B, vol.64, p.045106)にて構成されている。3次元フォトニック結晶の層数がある値以上になると、電磁波増幅器の増幅度が飽和する。したがって、高誘電率部21および低誘電率部22の層数は、電磁波増幅器の増幅度が飽和に達する値で充分である。また、3次元フォトニック結晶の周期構造は、想定する電磁波周波数帯にてフォトニックバンドギャップを有する条件の元で、上記正方格子型以外の周期構造であっても構わない。
【0013】
正方格子型の周期構造は、細長形状の高誘電率部21を格子定数aの間隔で配置し、その間に、同じく細長形状の低誘電率部22を配置する。さらに、配置済みの高誘電率部21および低誘電率部22に対して交差するように、かつ、それらの上に、細長形状の高誘電率部21を格子定数aの間隔で配置し、その間に、同じく細長形状の低誘電率部22を配置し、これらの積み重ねを繰り返したものである。
【0014】
3次元フォトニック結晶の材料としては、電気的絶縁性および想定周波数電磁波の透過性を兼ね備える、あらゆる誘電体が利用可能である。たとえば、高誘電率部21の材質として、Si、GaAs、InPなどがある。また、低誘電率部22の材質として真空、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、SiO2などがある。特に、低誘電率部22を真空とした場合、高誘電率物質との誘電率差がその他の場合よりも大きくできるため、3次元フォトニック結晶のフォトニックバンドギャップが拡大される。その結果、本発明における動作可能な周波数範囲を拡大することができる。
【0015】
導波路部23は、3次元フォトニック結晶の一部を線状に取り除き、3次元フォトニック結晶の一方の端面から他方の端面まで貫いて、真空にした線欠陥導波路である。つまり、3次元フォトニック結晶に真空の線状格子欠陥を設けることにより、導波路部23を構成した。
【0016】
このような構造の3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2の中を軸方向(方向111、112)に伝搬する電磁波のうち、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2の軸上に軸方向の電界成分を持つ伝搬モードが、電子ビーム101に進行方向粗密を与える。このようなモードのうち、電子ビーム101と最も効率的に相互作用をするものは、いわゆる方形金属導波管におけるTM01的な電磁界分布を持つモードである。このモードの3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2の軸近傍における電磁界分布は、ほぼ図4および図5のようになっている。
【0017】
上述したように、電磁波は電子ビーム101と等しい位相速度を持つ必要がある。電磁波の位相速度等を考察するには、伝搬定数に対する周波数をプロットした、いわゆる分散関係図を用いると便利である。図1の系におけるTM01的電磁波の分散関係は一般に方形金属導波管のそれに似ており、図6の実線にて示すようなサイン曲線に近い形状をしている。ここで、図6の伝搬定数や周波数は光速cやフォトニック結晶の格子定数a(図2)にて規格化されているので、注意が必要である。ここで、伝搬モードの分散曲線がカバーする周波数範囲は図6中のf1からf2の間である。この範囲は3次元フォトニック結晶のバンドギャップ内にある必要がある。そこで、3次元フォトニック結晶の構造は、所望の電磁波の周波数がフォトニックバンドギャップ内に入るように、3次元フォトニック結晶の構造や線欠陥導波路の形状が決定される。ここに示した構造の場合、フォトニックバンドギャップ周波数は0.4c/a周辺にあるのが一般的である。
【0018】
このような分散関係図では、位相速度Vpは原点と所望の点とを繋ぐ直線の傾きで示される。そして、光速cは図中の点線で表され、また、電子ビーム101の速度Veは常に光速よりも小さい傾きを持つ、原点を通る直線で表される。たとえば、ここでエネルギー80[keV]の電子ビームを想定すると、この電子は光速の約0.5倍の速度を持つので、速度Veは図6の一点鎖線で示すことができる。また、エネルギー30[keV]の電子を想定すると、電子は光速の約0.33倍の速度を持つので、図6の二点鎖線で示すことができる。
【0019】
この分散関係図から分かるように、80[keV]の電子を用いた場合、この系は図6中のA点にて電磁波の位相速度が電子ビームの速度に一致する。ここでは、電磁波の分散曲線が正の傾きを持っているので、進行波管と同様の原理により、電磁波の増幅の可能性が見いだせる。また、30[keV]を用いた場合、図6中のB点にて電磁波の位相速度と電子ビームの速度とが一致する。ここでは、電磁波の分散曲線の傾きが負であるので、後進波管的な原理により発振器として動作する。(参考文献:J.D.Lawson, Energy conversion in high frequency power sources, CERN 92-03, vol.1, pp.198-219)
【0020】
このように、本実施形態では、異なる誘電率を持つ2種以上の誘電体の周期構造により構成される3次元フォトニック結晶の一部を線状に取り除き、真空の線状格子欠陥を設けることにより構成した3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2を備え、その中心軸に沿って電子ビーム101を伝搬させる。つまり、電磁波閉じ込めには、テラヘルツ帯高周波に対するジュール損失の多い金属を用いるのではなく、損失の少ない誘電体3次元フォトニック結晶のフォトニックバンドギャップによる電磁波閉じ込めを適用する。また、相互作用媒質としては、散乱損失の多い固体中の電子ではなく、散乱の非常に少ない真空中の電子ビームを用いている。したがって、本実施形態では、効率の良いテラヘルツ帯高周波電磁波の増幅器を実現することができる。
【0021】
また、本発明は進行波管や後進波管に似た動作原理を持っているため、増幅器や発振器として必要な長さは、これらの装置との比較で見積もることができる。たとえば、進行波管では電磁波導波部は電磁波進行方向に周期的構造をもった導体にて構成されているが、一般にその周期数は100程度である。したがって、本発明においても、ほぼ同等な周期数が必要であると想定される。本発明における周期構造の周期は、3次元フォトニック結晶の周期である格子定数aに対応する。たとえば、電磁波周波数が1[THz]周辺の場合、格子定数aは100マイクロメータ程度である。したがって、増幅器として必要な周期数である100周期で本発明を構成した場合、導波路部の長さは1[cm]程度となり、従来のTHz発振器である自由電子レーザに比べて、形状を非常に小さくすることができる。
【0022】
[実施の形態2]
本実施の形態による電磁波発振器を図7に示す。この電磁波発振器は、電子ビーム発生手段1、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2、および反射鏡3、4を備えている。なお、図7では、先に説明した図1と同一または同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略している。
【0023】
本実施の形態では、図1の系を進歩させ、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2の両端面に、電子ビーム101の導入に干渉しないような形状の反射鏡3、4を設置している。ここでは、図8に示すように、例として電子ビーム101の導入用に、微小な開口部31、41が設けられた導体板を、反射鏡3、4として用いている。なお、図8のIII−III断面は図3と同じであるので、この断面の図示を省略する。図8に示すこのような系は、いわゆるファブリ・ペロー型共振器であるので、電磁波は反射鏡3、4によって再帰的な増幅が繰り返される。つまり、電磁波は軸方向111およびこの逆方向112に伝搬され、これによって、この系はレーザー発振状態となる。
【0024】
このように、本実施の形態では、異なる誘電率を持つ2種類以上の物質により構成された、中心部が真空となっている3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2を備え、その中心軸に沿って電子ビーム101を伝搬させる。さらに、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2の両端面に、電子ビーム101の導入に干渉しないような反射鏡3、4を設置している。つまり、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2の両端を、導体壁などによる反射鏡3、4で閉鎖し、共振器を形成する。これによって、電磁波増幅が再帰的に行われ、レーザー的な電磁波発振が可能となる。
【0025】
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は本実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本発明に含まれる。たとえば、実施の形態1、2では、電子ビーム101のエネルギーを80[keV]あるいは30[keV]にして、本発明の機能を説明しているが、本質的には電子ビーム101の速度と電磁波の位相速度とが一致すればよいので、電子ビーム101のエネルギーはこの条件を満たす範囲にて適用可能である。ただし、電子ビーム発散の防止効果等を、より具体的に考慮すると、電子ビームエネルギーは2[keV]以上であることが好ましい。
【0026】
また、実施の形態2の、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2の端面に反射鏡3、4を設置した系については、反射鏡3、4が3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2の端面に接した状態で設置されているが、この反射鏡3、4の設置位置は、反射率の低下が電磁波発振を妨げない範囲で、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路2の端面から離れていてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路の中心軸に沿って、電子ビームを伝搬させることにより、テラヘルツ帯高周波の電磁波の増幅、発振を行う。これによって、電子ビームと電磁波との相互作用領域の小型化、および電子ビームのエネルギーの低減を可能にし、小型で運用が簡便なテラヘルツ帯高周波用の電磁波増幅器および電磁波発振器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1による電磁波増幅器の構成を示す構成図である。
【図2】 図1の3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路の断面を示す断面図である。
【図3】 図2のI‐I断面を示す断面図である。
【図4】 図1の3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路の中心部断面におけるTM01的電磁波の電磁界分布を説明するための、3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路の断面図である。
【図5】 図4のII−II断面を示す断面図である。
【図6】 図1の3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路におけるTM01的電磁波の伝搬特性、および実施の形態1の機能の動作条件を説明するための分散関係図である。
【図7】 本発明の実施形態2による電磁波発振器の構成を示す構成図である。
【図8】 図7の3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路の断面を示す断面図である。
【符号の説明】
1 電子ビーム発生手段
2 3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路
21 高誘電率部
22 低誘電率部
23 導波路部
3、4 反射鏡
31、41 開口部
101 電子ビーム
Claims (5)
- 異なる誘電率を持つ2種以上の誘電体の周期構造により構成される3次元フォトニック結晶の一部を線状に取り除き、真空の線状格子欠陥を設けることにより構成した3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路と、
前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路に向かう電子ビームを発生する電子ビーム発生手段とを備え、
前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路に沿って、前記電子ビーム発生手段からの電子ビームを伝搬させることにより、前記電子ビームの速度と一致する位相速度を有する電磁波を増幅する
ことを特徴とする電磁波増幅器。 - 前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路の低誘電率部の誘電体は真空によって置き換えられていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波増幅器。
- 異なる誘電率を持つ2種以上の誘電体の周期構造により構成される3次元フォトニック結晶の一部を線状に取り除き、真空の線状格子欠陥を設けることにより構成した3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路と、
前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路に向かう電子ビームを発生する電子ビーム発生手段と、
前記電子ビーム発生手段からの電子ビームの導入に干渉しないように、前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路の両端面に設置された反射鏡とを備え、
前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路に沿って、前記電子ビーム発生手段からの電子ビームを伝搬させることにより、前記電子ビームの速度と一致する位相速度を有する電磁波を発振する
ことを特徴とする電磁波発振器。 - 前記反射鏡は導体壁により形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電磁波発振器。
- 前記3次元フォトニック結晶型線欠陥導波路の低誘電率部の誘電体は真空によって置き換えられていることを特徴とする請求項3または4に記載の電磁波発振器。
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