JP3998063B2 - 健康用具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、手の健康用具に関し、より詳言すれば、ゴムや高分子化合物等の柔軟性のある材料で作った空気袋に於いて、握った場合は小さな穴から徐徐に空気が抜けて、しぼんで握り込めると共に握力が得られ、握りを緩めた場合は大きな穴から一気に空気を吸い込んで膨らんで元に戻り、繰り返して何回でも握り込み運動ができる手の健康用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術は、図11(イ)に示すように、可塑性体の握体13或いはゴムボールの様に柔軟性のある袋の中に気体、流体やゲル状物質を入れて密閉し、握る事による変形を利用した健康用具である。または、図11(ロ)に示すように、握棒15を握ってスプリング14を縮めるものが一般的な手の健康用具であった。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−314529号公報
【特許文献2】
特開2001−346855号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来技術の可塑性体や気体・液体を袋に密閉した健康用具では、握っても図11(イ)の様に、健康用具の握体13が変形する量は10%〜30%程で、あとの70%以上は容積として残るため、握り込み量は少ない。また、図11(ロ)の様なスプリングタイプのものであっても握り込み量は約40%であり、従来技術では握力トレーニングにはなるが、手の基本機能である握り込みによる指や手の運動効果は少ない。また、握力も握り込んでゆく程強くなり、一定の握力運動ができないため手の負担が大きい。更に、掌に固定されていないために手を完全に開くストレッチ運動が出来ない健康用具であった。
本発明は、これらの欠点を除き、決められた一定の握力で握り込む事が出来、また完全に握り込んだ静止状態に於いては握り締めた力のみで維持する事が出来、更に手を開いた無握力状態でも健康用具が掌に保持でき、ウオーキングやジョギングなどの足の歩調運動に合わせて手を握る、開くの手の基本運動が出来る健康用具の提供を目的としている。
【0005】
一定の握力でほぼ完全に握り込むには、握り込む握力に従って、手の中の健康用具の物体容積が減って小さくなってゆかなくてはならない。更に、完全に握り込んだ状態では、健康用具の反発力をゼロにし、手の握り締めの力のみにしなくてはならない。また、手の握り込みを緩めるときは、緩める速度に従って、手の中の健康用具の物体容積が自立で復元して膨らまなくてはならない。更に、完全に手の握り込みを緩めても健康用具が掌から離れて落ちない様に保持出来る事が必要である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成して課題を達成するために、本発明の健康用具は、柔軟性のある材料で作った掌で握る事が出来る空気袋の吸排気孔に、握ったときは小さい排気孔から空気を排出して空気袋の容積を小さくしてゆくことにより握り込み運動と排出抵抗から握力が得られ、握りを緩めたときは大きな吸気孔から抵抗なく空気を吸い込んで、握る前の容積状態に自立で膨らんで復元することが出来るバルブ機構を一箇所に設け、更に前記空気袋が掌から離れたり、手から落ちたりしない様に、五指が自由に動かせ、かつ着脱可能な保持具を設けたものである。なお、排気孔の大きさを可変にして空気の流量を調整してその排気抵抗により握力が変えられる様にしたもの。また、空気袋にツボ突起や磁気、マイナスイオンを帯びたものも含まれる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態は柔軟性のある天然ゴムで作った掌により握る事が出来る空気袋に、握ったときは弁が閉まって小さな孔から徐徐に排気し、握りを緩めたときは弁が開いて大きな孔から一気に吸気出来るバルブ機構を設けた。更に吸排気孔には吸排気音を小さくするための消音器を設けた。また保持具には手に装着したとき、手を強く締め付けない様に軽く伸び縮みするゴム系のコイルを用いた。
【0008】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例を説明するにあたって従来の構成と同一部分には同一符号を付けて述べる。
図1に示すように、本発明の健康用具Hは、空気袋である握袋1の上部にストッパー2を設け、下部にはバルブ機構V(図示せず)を取り付けた消音器3を設け、更にストッパー2と消音器3の間に取り外しが出来る上リング41と下リング42を介して、保持具5を取り付けた健康用具Hの図。なお、ストッパー2と消音器3は上リング41と下リング42の装着、脱着が容易に出来るように球形にした。図2は、図1の健康用具Hの保持具5を除く断面図で内部構造を明示したものであり、バルブ機構Vの弁6は開いている状態である。なお弁6には排気孔である弁孔Aが設けられている。また弁6と消音器3は吸排気孔Bで貫通している。消音器3の内部は空洞になっており消音のため綿7が入っている。また消音器3には大気を吸排気する吸排口Cが設けられている。
【0009】
以上の構成からなる本発明の実施例の健康用具Hの作用を具体的に、図3に基づいて以下説明する。今、図3(イ)の様に手9で握袋1を握った場合、握袋1の中の空気8は圧せられて内圧が高くなり、弁6は押されて閉じる。従って、空気8は弁孔A(図示せず)から抜け、吸排気孔Bを通って消音器3の中の綿7によって吸音され、吸排口Cから大気中に排出される。このとき、弁孔A(図示せず)の孔は小さい穴であるため、空気8は徐徐に抜けてなくなる。この握袋1の中の空気8を圧する力が握力、空気8が徐徐に抜けて握袋1がしぼんで行くのが握り込み量として得られる。この様に、握力は弁孔A(図示せず)の大きさによって決まり、弁孔A(図示せず)が大きければ握力は弱く、弁孔A(図示せず)が小さければ握力は強くなる。また、握り込み速度は弁孔A(図示せず)が大きければ速く、弁孔A(図示せず)が小さければ遅くなる。なお、弁孔A(図示せず)の大きさに関係なく握袋1内の空気8が無くなれば握り込みは止まり、図4(イ)の様に90%以上ほぼ完全に握り込む事が出来る。このときの握力は、握り締めた力となる。図3(ロ)の様に手9の握りを緩めた場合は、握袋1の膨らみにより内圧が大気圧より低くなるため、大気を吸排口Cから吸入して綿7で消音され吸排気孔B通って弁6を押し開け、握袋1の中に流れ込んで握袋1を自立で一気に膨らませる。この時、図4(ロ)の様に手9の指を完全に開いても健康用具Hは保持具5によって手9の掌に保持されており、手9から落ちることはない。従って、手9を完全に開く事が出来ると共に、開いた状態が維持出来る。また再度、握り込める態勢になるため連続の握り込み運動が出来る。
【0010】
この様に、ある決めた握力で握り込みと手の開きが繰り返して何回でも出来る事と握り締めた状態や手を開いた状態も維持出来るため、図5(イ)の様にウォーキング等の足の着地、蹴るの歩調運動に合わせて、腕を振りながら決めた握力で同図(ロ)の様に、手9を握る、手9を開くのグーパー運動が出来る。
【0011】
図6は、本発明の実施例の健康用具Hを足の歩調運動に合わせて実際にグーパー運動をしている主な例をイラスト図で示したものであり、同図(イ)はウォーキングの歩調に合わせて、健康用具Hを使用しているイラスト図である。やや強い握力の健康用具Hが適する。同図(ロ)は、ジョギングの歩調に合わせて、健康用具Hを使用しているイラスト図である。歩数が多くなると手の握る回数も多くなるため、弱い握力の健康用具Hが適する。同図(ハ)は、シエイプアップ運動のステップに合わせて踊る感覚で健康用具Hを使用しているイラスト図である。同図(ニ)は、通勤時に身体のウォーミングアップに健康用具Hを使用しているイラスト図であり、思考力が増す。また冬は手が暖かくなる。同図(ホ)は、ハイキングや登山時に健康用具Hを使用しているイラスト図であり、足を踏ん張るときに握ると力が入る。同図(ヘ)は、他のスポーツと組み合わせて健康用具Hを使用しているイラスト図である。握力トレーニング、気合の集中、タイミングとりなどのときに握ると効果的である。
【0012】
図7は本発明の健康用具Hの保持具5の使い方を示したものであり、同図(イ)は、保持具5を手の甲に深くかけて使用した例である。同図(ロ)は、保持具5を指に浅くかけて使用した例である。同図(ハ)は、上リング41をストッパー2から外して保持具5を使用しない例である。同図(ニ)は上リング41と下リング42の両方ともストッパー2と消音器3からそれぞれ外して、保持具5を健康用具Hから完全に取外した使用例である。
【0013】
図8は、本発明の健康用具Hの保持具5と上リング41、下リング42(図示せず)を一体化した実施例を示した健康用具Hであり、同図(イ)はリング(図示せず)とコイル状の保持具5を一体化した一実施例である。同図(ロ)は、保持具5を紐状にし、リング(図示せず)と一体化した一実施例である。
【0014】
図9は、本発明の健康用具Hの握袋1の他の実施例を示したものであり、同図(イ)は、握袋1の表面にツボ突起10を複数設けた健康用具Hの一実施例であり、握力と共にツボ刺激も得られる。同図(ロ)は、握袋1の表面に網目凹凸11を設けた健康用具Hの一実施例であり、握袋1を握った時のベタ付感を軽減する。
【0015】
図10は、消音器のない請求項1の実施例を断面図で示したものであり、同図(イ)はパルプ機構Vが弁タイプの一実施例である。同図(ロ)はパルブ機構Vがチェックボールタイプの一実施例である。
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の健康用具は、柔軟性のある空気袋を握るため、掌の全面に良くフィットしたソフトな握力とほぼ完全な握り込み運動が出来る。また、保持具を設けたことにより、健康用具が掌に保持され、握力と握り込み運動が連続して何回でも出来る。従って、ウォーキングやジョギング等の足の着地と蹴りの歩調に合わせて使用すると、足の運動と手の運動の相乗効果で、脳や神経の活性化、血行促進、新陳代謝の活発化などに繋り運動効果が格段に高まる。
【0016】
このように、本発明の手の健康用具は、非金属で柔らかく小型、軽量であり、持ち運びが容易で何時、何処でも手軽に使用出来る。従って握力トレーニング、他のスポーツとの組み合わせ、リハビリなどと幅広く使え、子供や若者が使えば体力や運動能力の育成に、中高年者が使えば生活習慣病の予防に、お年寄りが使えば痴呆や寝たきり予防と子供から今後の高齢化社会にも適した国民的な健康維持に寄与する非常に効果的な健康用具の発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の健康用具Hの一実施例に係わる構成を示す図。
【図2】図1の一部断面図。
【図3】本発明の一実施例である健康用具Hの作用を断面図で示したものである。
【図4】本発明の一実施例の健康用具Hを使って手を握った場合と手を開いた場合(グーパー運動)の状態を示したものである。
【図5】本発明の健康用具Hを足の歩調運動と組み合わせて使用例しているイラストとグーパー運動である指の筋肉を縮めて力を出すグー、指の筋肉を伸ばすストレッチのパーを示したものである。
【図6】実際に歩調運動に合わせて健康用具Hを使用している実施状態をイラストで示したものである。
【図7】本発明の実施例に於いて保持具5の使い方を示した図である。
【図8】本発明の実施例に於いて、上リング41及び下リング42と保持具5を一体化した実施例である。
【図9】本発明の実施例に於いて、握袋1の表面を加工した実施例である。
【図10】本発明に於ける消音器の無い実施例に係わる健康用具Hの構成を断面図で示したものである。
【図11】従来の健康用具の使用している状態を示したものである。
Claims (2)
- 柔軟性のある材料で作った掌で握る事が出来る空気袋の吸排気孔に、握ったときは小さい排気孔から空気を排出して空気袋の容積を小さくしてゆくことにより握り込み運動と排出抵抗から握力が得られ、握りを緩めたときは大きな吸気孔から抵抗なく空気を吸い込んで、握る前の容積状態に自立で膨らんで復元することが出来るバルブ機構を一箇所に設け、更に前記空気袋が掌から離れたり、手から落ちたりしない様に、五指が自由に動かせ、かつ着脱可能な保持具を設けたことを特徴とする健康用具。
- 前記空気袋を握り込んだときと緩めたときの吸排気音を小さくするために、吸排気孔の大気側に空洞の消音器を設けたことを特徴とする請求項1記載の健康用具。
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