JP3997862B2 - 光反射フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射部材用に使用される光反射フィルムの改良に関し、さらに詳しくは面光源の反射板、およびランプリフレクターとして好適な光反射フィルムであって、より明るく、かつ照明効率に優れた面光源を得ることのできる、光反射フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、テレビ、携帯電話などの表示装置として、液晶を利用したディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、それ自体は発光体でないために、裏側からバックライトと呼ばれる面光源を設置して光を照射することにより表示が可能となっている。また、バックライトは、単に光を照射するだけでなく、画面全体を均一に照射せねばならないという要求に応えるため、エッジ型もしくは直下型と呼ばれる面光源の構造をとっている。なかでも、薄型・小型化が望まれるノート型パソコン等に使用される薄型液晶ディスプレイ用途には、エッジ型、つまり画面に対し側面から光を照射するタイプのバックライトが適用されている(特開昭63−62104号公報)。
【0003】
一般的に、このエッジ型バックライトでは、導光板のエッジから冷陰極線管を照明光源とし、光を均一に伝播・拡散する導光板を利用し液晶ディスプレイ全体を均一に照射する導光板方式が採用されている。この照明方法において、より光を効率的に活用するため、冷陰極線管の周囲にランプリフレクターが設けられ、更に導光板から拡散された光を液晶画面側に効率的に反射させるために導光板の下には反射板が設けられている。これにより冷陰極線管からの光のロスを少なくし、液晶画面を明るくする機能を付与している。
【0004】
一方、液晶テレビのような大画面用では、エッジ型バックライトでは画面の高輝度化が望めないことから直下型バックライト方式が採用されてきている。この方式は、液晶画面の下部に冷陰極線管を並列に設けるもので、反射板の上に平行に冷陰極線管が並べられる。反射板は平面状もしくは、冷陰極線管の部分を半円凹状に成形したものなどが用いられる。
【0005】
このような液晶画面用の面光源に用いられるランプリフレクターや反射板(面光源反射部材と総称される)には、輝度の向上効果や均一性に優れることから、内部に微細な気泡を含有させたフィルム(特開平6−322153号公報、特開平7−118433号公報など)が一般的に使用されている。中でも、非相溶成分を分散させた樹脂シートを延伸するなどの手法によって内部に扁平な気泡を含有させたフィルムは、特に高い反射性を有することから、反射部材として広く用いられている。また、このような反射部材として、光沢度を調節することが提案されている(特開昭63−62104号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液晶画面の用途は、従来からのノート型パソコンに加えて、近年では据置型のパソコンやテレビ、携帯電話のディスプレイなど、様々な機器に採用が広がっており、需要は急速に増大している。液晶画面の画像はより高精細なものが求められ、液晶画面の明るさを増して画像をより鮮明に、より見やすくすることが希求されている。このため、光反射フィルムとしても、反射特性、輝度特性に優れたもの、より具体的には、高輝度なバックライトが得られるものが望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために下記の構成をとる。すなわち、本発明は、フィルムの少なくとも片面において、フィルム表層部分におけるフィルム面に平行な方向の気固界面数SPとフィルム面に垂直な方向の気固界面数SVの比SP/SVが0.7以上であり、かつ、フィルム全体におけるフィルム面に平行な方向の気固界面数APとフィルム面に垂直な方向の気固界面数AVの比AP/AVが0.4以下であり、かつフィルム全体におけるフィルム面に垂直な方向の気固界面数AVがフィルム厚み方向1mm当り590以上であり、かつ反射率が97.9%以上であることを特徴とする光反射フィルムをその骨子とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルムの素材は特に限定されないが、好ましくは熱可塑性樹脂を主たる素材とすることである。ここで、主たるとは40重量%以上であることを言う。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどが挙げられる。中でもポリエステルが好ましく用いられる。これらの樹脂は、ホモポリマーであってもコポリマーであっても良いが、好ましくはホモポリマーである。
【0009】
本発明の光反射フィルムは、フィルムの少なくとも片面において、フィルム表層部分におけるフィルム面に平行な方向の気固界面数SPとフィルム面に垂直な方向の気固界面数SVの比SP/SVが0.7以上であり、かつ、フィルム全体におけるフィルム面に平行な方向の気固界面数APとフィルム面に垂直な方向の気固界面数AVの比AP/AVが0.4以下であることが必要である。
【0010】
本発明者らは前述した光反射フィルムの課題について鋭意検討した結果、光反射板の光反射性および輝度特性は、従来述べられてきたような気泡体積量や非相溶成分の添加量で単純に規定されるべきものではなく、フィルム表層部分の気固界面数比SP/SVおよびフィルム全体の気固界面数比AP/AVに支配されていることを見出した。
【0011】
すなわち、フィルム表層部分の気固界面数比SP/SVを0.7以上とし、かつ、フィルム全体の気固界面数比AP/AVを0.5以下とした光反射フィルムを形成することで、優れた反射特性を保持しつつ、該光反射フィルムを用いた面光源の正面輝度を飛躍的に向上せしめることができる。
【0012】
従来の反射フィルムにおいて、気相体積量および非相溶成分の単純な増量が光反射性・輝度特性の向上に大きく寄与しなかった詳細な理由については不明であるが、気泡の連結などにより固相および気相の界面の数および形状が適当でなかったためと考えられる。
【0013】
本発明において、フィルム表層部分の気固界面数比SP/SVとは、フィルム表層部分におけるフィルム面に平行な方向の気固界面数SPをフィルム面に垂直な方向の気固界面数SVで除した値である。
【0014】
まず、フィルム表層部分におけるフィルム面に平行な方向の気固界面数SPとフィルム面に垂直な方向の気固界面数SVについて説明する。ここで、フィルム表層部分とはフィルム表面から10μmまでの部分を言う。かかるフィルム表層内部の任意の場所において、フィルム面に平行に長さ10μmの直線を引いた時に線上に存在する気固界面の数をフィルム表層部分におけるフィルム面に平行な方向の気固界面数SPとし、同様に、フィルム表層内部の任意の場所において、長さ10μmの直線をフィルム表面からフィルム面方向に対して垂直に引いた時に線上に存在する気固界面数をフィルム表層部分におけるフィルム面に垂直な方向の気固界面数SVとする。
【0015】
本発明では、フィルムの少なくとも片面において、表層部分の気固界面数比SP/SVが0.7以上であることが必要であり、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1.0以上である。SP/SVをかかる範囲内にすることにより、高い反射率および高輝度特性を得ることができる。SP/SVの上限は特に限定されないが、通常、10以下であるのが、光拡散性・輝度特性およびフィルムの生産性の点から有利である。
【0016】
尚、フィルムにおいて表層部分は表面および裏面のそれぞれについて存在するが、少なくとも何れかの面の表層部分において、気固界面数比SP/SVが0.7以上であれば良い。
【0017】
表層部分のフィルム面方向に垂直な方向の気固界面数SVは1mm当り100以上であることが好ましい。より好ましくは200〜10000であり、さらに好ましくは500〜5000である。気固界面数SVをかかる値にすることにより、より効率的に光反射性および輝度特性を向上させることができる。1mm当りの気固界面数が10000を超えると、散乱・反射現象が波長に依存することがあるため、反射光が着色する可能性がある。
【0018】
フィルム表層部に含まれる気相の形状は特に問われない。略円状や略多角形状であってもよいし、不定形であってもよい。また、孔を形成している場合でも、独立孔、開口孔、貫通孔、連続孔など、孔の種類、形状は特に問われない。
【0019】
本発明において、フィルム表層部の気固界面数比SP/SVを0.7以上とする方法としては特に限定されないが、例えば以下のような方法が挙げられる。
(I)有機中空粒子、無機中空粒子、有機多孔質粒子および無機多孔質粒子から選ばれる少なくとも1種を基材フィルムへコーティングし、乾燥させる方法。
(II)樹脂(a)を溶媒(b)中へ溶解させ基材フィルムに塗布した後、そのフィルムを溶媒(b)は溶解するが樹脂(a)は溶解しない溶媒(c)中に通し凝固させ乾燥させる方法。
(III)樹脂中に不活性ガスを高圧で溶解させ、その後、圧力を開放させる方法。
(IV)基材フィルムに透湿加工用ウレタン樹脂等をコーティングし、乾燥させることによりフィルム表層部に気泡を形成させる方法。
(V)二成分以上のポリマーに、有機物もしくは無機物を混合し、溶融押出しした後、溶媒抽出により、少なくとも一成分を溶解させる方法。
【0020】
これらの方法は単一で用いてもよく、複数の方法を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
以下、本発明の好ましい例の一つとして(I)および(II)の方法について詳述する。
【0022】
まず(I)の場合について述べる。ここで中空粒子とは粒子内部に1つ以上の独立気泡を内包する粒子であり、多孔質粒子とは粒子内部に1つ以上の開口孔(連続孔や貫通孔等も含む)を有する粒子である。また、実質的に中空部が形成された2次粒子、実質的に1つ以上の開口孔を有した2次粒子もこれらに含まれる。これら2次粒子の具体例としては、微小なシリカの1次粒子からなり1次粒子が中空球形状に凝集し2次粒子を構成した”Godd Ball”(鈴木油脂工業(株)製)や”和信マイクロカプセル”(和信化学(株)製)などが挙げられる。
【0023】
中空粒子の中空部や多孔質粒子の孔中に無機、有機を問わず、粒子が存在していても良い。
【0024】
中空粒子、多孔質粒子を形成する成分としては、無機、有機は問わない。無機の例としては、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、炭酸コバルト、炭酸ニッケル、塩基性炭酸銅などの金属塩、酸化鉄、シリカ(無水珪酸)、アルミナ、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの金属酸化物、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、チタン酸バリウムなどを好適に用いることができる。有機では、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェノール樹脂、架橋ポリスチレン−ポリアクリレート樹脂などを好適に用いることができる。かかる粒子のフィルムへのコーティングは任意の手段で行うことができる。例えば、グラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、ディッピングなどの方法を用いることができる。
【0025】
中空粒子および多孔質粒子は塗液中に良分散させることが好ましい。かかる分散状態にすることによって、均一な塗布状態が得られ、良好な光拡散性および輝度特性が得られる。また、コーティングにおいて、乾燥もしくは硬化などの工程がある場合は、熱もしくは活性線によって該中空粒子の中空部もしくは該多孔質粒子の多孔質部が失われないような粒子を用いることが好ましい。かかる中空粒子および多孔質粒子の例として、無機成分もしくは高度に架橋された樹脂成分からなる粒子が挙げられる。
【0026】
塗布層を設けるタイミングとしては特に限定されず、基材フィルム製造時に塗布(インラインコーティング)しても良いし、結晶配向後の基材フィルム上に塗布(オフラインコーティング)しても良い。尚、本発明の効果が失われない範囲で塗液の安定性向上のためや、各種特性向上のために、他の樹脂や有機材料、無機材料を含有させても良い。
【0027】
次に(II)の方法について述べる。(II)の方法において用いる樹脂(a)は特に限定されず、単一の樹脂を用いてもよいが、樹脂材料として互いに混和性の低い樹脂を2種類以上用いることが好ましい。かかる方法により、多量かつ微細な孔を有する層を形成することができる。互いに混和性の低い樹脂の組み合わせとしては、例えば、ポリエステルとポリウレタン、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂と酢酸セルロース等が挙げられるが、本発明の効果を特に発揮できるのは、(A)を塩化ビニル単独又は共重合物、(B)をアクリロニトリルの単独又は共重合物、(C)をブチラール樹脂としたとき、(A)と(B)の組み合わせや(A)と(C)の組み合わせなどが挙げられる。
【0028】
また、上記(A)においての塩化ビニルの共重合成分としては、酢酸ビニル、マレイン酸等が、(B)のアクリロニトリルの共重合成分としては、アクリル酸エステル類、酢酸ビニル類が好ましく使用される。これらの組み合わせを用いると特に多孔化しやすい。その理由としては、溶解パラメータが互いに大きく異なるためと考えられる。溶媒への溶解のしやすさや塗液の安定性の面で、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とブチラール樹脂の組み合わせが特に好ましく使用される。また、上記の組み合わせを主体として、塗液の安定性向上のためや、各種特性向上のために本発明の効果が失われない範囲において、他の樹脂や有機材料、無機材料を含有させても良い。
【0029】
(II ) の方法において用いられる溶媒(b)は、樹脂(a)を溶解させる溶媒であればよく、公知の溶媒の中から適宜選択することができる。樹脂(a)として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とブチラール樹脂の組み合わせが用いられる場合、例えば、ジメチルホルムアミドなどが好ましく使用される。
【0030】
また、(II )の方法において用いられる溶媒(c)は、溶媒(b)は溶解するが樹脂(a)は溶解しない溶媒であればよく、公知の溶媒の中から適宜選択することができる。樹脂(a)として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とブチラール樹脂の組み合わせが用いられ溶媒(b)がジメチルホルムアミドである場合、例えば、水などが好ましく使用される。
【0031】
かかる(II )の方法により微細孔が形成される。その形成機構の詳細は不明であるが、塗液状態では2種の樹脂は互いに混和性が低いため、量的に少ない樹脂は量的に多い樹脂中に球状に分散しているが、凝固に伴い溶剤が分離されるため、上記2種の樹脂は濃縮され間隙が形成されると推測される。
【0032】
本発明のフィルムの表層部には本発明の効果を阻害しない範囲内で各種添加物、たとえば蛍光増白剤、架橋剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、有機の滑剤、有機、無機の微粒子、充填剤、耐光剤、帯電防止剤、核剤、染料、分散剤、カップリンブ剤などが添加されていてもよい。
【0033】
本発明の光反射フィルムは、フィルム全体におけるフィルム面に平行な方向の気固界面数APとフィルム面に垂直な方向の気固界面数AVの比AP/AVが0.5以下であることが必要である。
【0034】
フィルム全体の気固界面数比AP/AVを0.4以下とすることで、光反射板に高い反射率と隠蔽性を付与することができる。フィルム全体の気固界面数比AP/AVとは、フィルム全体においてフィルム面に平行な方向の気固界面数APをフィルム面に垂直な方向の気固界面数AVで除した値である。
【0035】
ここで、フィルム全体におけるフィルム面に平行な方向の気固界面数APとフィルム面に垂直な方向の気固界面数AVについて説明する。フィルム全体におけるフィルム面に垂直な方向の気固界面数AVとは、任意のフィルム断面の拡大観察像において、任意のフィルム表面の1点からもう一方のフィルム表面に向かって、フィルム表面に対して垂直に直線を引いたときに、線上に存在する気固界面数である。また、フィルム全体におけるフィルム面に平行な方向の気固界面数APとは、フィルムの任意の場所における厚み方向の略中央位置にフィルム厚みと同一の長さを有する直線をフィルム面に平行に引いたときに、その線上に存在する気固界面数である。
【0036】
本発明ではかかる手法で求められたフィルム全体の気固界面数比AP/AVが0.4以下であることが必要であり、さらに好ましくは0.3以下である。AP/AVを小さくすることにより、高い光反射性および高輝度特性を得ることができる。AP/AVの下限は特に限定されないが、0.05以上であるのが、フィルムの生産性の点で好ましい。
【0037】
フィルム全体のフィルム面方向に垂直な方向の気固界面数AVは1mm当り590以上である。より好ましくは590〜10000であり、さらに好ましくは590〜5000である。1mm当りの垂直方向の気固界面数AVをかかる範囲内にすることにより、高い光反射性および隠蔽性を得ることができる。1mm当りの気固界面数が10000を超えると、散乱・反射現象が波長に依存することがあるため、反射光が着色する可能性がある。
【0038】
フィルム内部に含まれる気相の形状は特に限定されないが、気固界面数比AP/AVを小さくするために、気固界面が孔で形成されている場合は、孔の断面形状はフィルム面方向に対して伸長されている楕円体状気泡、即ち扁平された気泡であることが好ましい。尚、気固界面は独立した気泡により形成されていても良いし、2次元的あるいは3次元的な連続孔などであっても良い。
【0039】
本発明において、気固界面数比AP/AVが0.4以下となる気固界面含有層の形成方法としては、例えば、以下の方法がある。
1)熱可塑性樹脂(d)中に該熱可塑性樹脂(d)とは非相溶の粒子(e)を分散した樹脂組成物をシート状に成形した後、該シートを延伸することによってフィルム内部に微細な扁平気泡を形成させる方法。
2)熱可塑性樹脂に形状が扁平である発泡性粒子を添加し、溶融押出することによってフィルム内部にて発泡させることにより、扁平気泡を内包させる方法。
3)熱可塑性樹脂に形状が扁平である中空粒子を添加し、溶融押出しすることによって、扁平気泡を内包させる方法。
【0040】
本発明においては、フィルム内部に微細な扁平気泡を多量に含むものが好ましく、特に、より反射率が向上し、また、面光源において正面輝度が向上するものとして、1)の方法が好ましい。1)の方法は延伸中に熱可塑性樹脂(d)と非相溶の粒子の界面(e)で剥離が起こることを利用して、微細な扁平気泡を生成させる方法である。
【0041】
以下、本発明の好ましい例として1)の方法について詳述する。
【0042】
熱可塑性樹脂(d)は、溶融押出しによってフィルムを形成し得る熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、好ましい例として、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなど、およびこれらを主たる成分とする共重合体、またはこれらの樹脂の混合物等を挙げることができる。特に本発明においては、可視光線域における吸収がほとんどないなどの点から、ポリオレフィンまたはポリエステルが好ましく、その中でも寸法安定性や機械的特性が良好である点から、ポリエステルが特に好ましい。ポリエステルはホモポリマーであってもコポリマーであってもよいが、好ましくはホモポリマーである。コポリマーである場合の共重合成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、炭素数2〜15のジオール成分などを挙げることができ、これらの具体例としては、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、スルホン酸塩基含有イソフタル酸、およびこれらのエステル形成性化合物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、分子量400〜2万のポリアルキレングリコールなどを挙げることができる。
【0043】
これらのポリエステル中には本発明の効果を阻害しない範囲内で各種添加物、たとえば蛍光増白剤、架橋剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、有機の滑剤、有機、無機の微粒子、充填剤、耐光剤、帯電防止剤、核剤、染料、分散剤、カップリンブ剤などが添加されていてもよい。
【0044】
次に、微細な扁平気泡を形成させるために添加される非相溶の粒子(e)について述べる。非相溶の粒子(e)は熱可塑性樹脂(d)中に粒子状に分散し得るものであれば特に限定されず、例えば、無機微粒子、有機微粒子、各種熱可塑性樹脂などが挙げられる。上記の成分は単独でも2種以上を併用してもよい。
【0045】
このうち無機微粒子としては、それ自体を核として微細な扁平気泡を形成し得るものが好ましく、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン(アナターゼ型、ルチル型)、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫化亜鉛、塩基性炭酸鉛、雲母チタン、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、カオリンなどを用いることができる。中でも、400〜700nmの可視光域において吸収の少ない炭酸カルシウム、硫酸バリウムを用いることが特に好ましい。可視光域で吸収があると輝度が低下するなどの問題が発生することがあるからである。
【0046】
また、有機微粒子の場合には、溶融押出によって溶融しないものが好ましく、架橋スチレン、架橋アクリルなどの架橋微粒子が特に好ましい。上記の微粒子は単独でも2種以上を併用してもよい。
【0047】
次に非相溶の粒子(e)として樹脂を用いた場合の例としては、熱可塑性樹脂(d)にポリエステル樹脂を用いた場合では、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素樹脂などが好適に用いられる。これらは単独重合体であっても共重合体であってもよく、2種以上を併用してもよい。特にポリエステルとの臨界表面張力差が大きく、延伸後の熱処理によって変形しにくい樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂、中でもポリメチルペンテンが特に好ましく使用される。
【0048】
本発明の光反射フィルムの総厚みは30〜1000μmが好ましく、50〜500μmがより好ましい。厚みが30μm未満の場合、フィルムの平坦性を確保することが困難となり、面光源として用いた際に明るさにムラが生じやすい。一方、1000μmより厚い場合、光反射フィルムとして液晶ディスプレイなどに用いるには、厚みが大きすぎることがある。
【0049】
反射率向上および電磁波遮蔽性、折り曲げ加工性付与などの目的で、本発明の光反射フィルムにアルミニウム、銀などの金属を蒸着や貼り合わせなどの手法によって加えてもよい。さらに、易接着性、表面平滑性付与などの目的で、本発明の光反射フィルムに他のフィルムを貼り合わせたり、各種コーティングを行なってもよい。他のフィルムの貼り合わせは、共押出し等による一括製膜でも良いし、それぞれ別に作製し、公知の技術を用いて貼り合わせても良い。貼り合わせの例としては、熱圧着や各種接着剤を用いた手法等が挙げられる。
【0050】
本発明の光反射フィルムの光反射率は97.9%以上である。光反射率が80%未満の場合、隠蔽性に劣るフィルムとなり、また、光反射フィルムとして液晶ディスプレイなどに用いた場合、充分な輝度が得られないことがある。
【0051】
次に本発明の光反射フィルムの製造方法について、その一例を説明するが、本発明は、かかる例に限定されるものではない。
【0052】
一つの押し出し機を有する単膜製膜装置において、必要に応じて真空乾燥を行った熱可塑性樹脂(d)のチップと非相溶成分(e)を混合したものを加熱された主押し出し機に供給する。ここで、第3成分として熱可塑性樹脂(d)と非相溶成分(e)の双方に対して相溶性を有する第3成分を加えることも、より多くの扁平気泡形成に有効である。また、非相溶成分(e)の添加は、事前に均一に溶融混練して配合させて作製されたマスターチップを用いても、もしくは直接押し出し機に供給するなどしてもよい。別の熱可塑性樹脂層を積層するために、必要に応じて真空乾燥を行った熱可塑性樹脂のチップとその非相溶成分を加熱された副押し出し機に供給することもできる。
【0053】
このようにして各押し出し機に原料を供給し、口金よりシート状に押し出し成形し、溶融シートを得る。
【0054】
この溶融シートを、冷却されたドラム上で密着冷却固定化し、未延伸フィルムを作製する。この時、均一なフィルムを得るために、静電気を印加してドラムに密着させることが望ましい。その後、必要により延伸工程、熱処理工程等を経て目的の光反射フィルムを得る。
【0055】
延伸の方法は特に限定されないが、長手方向の延伸と巾方向の延伸を分離して行う逐次二軸延伸法や長手方向の延伸と巾方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸法などが好ましく使用される。
【0056】
逐次二軸延伸の方法としては、例えば、上記の未延伸フィルムを加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に延伸し、次いで冷却ロール群で冷却する。続いて長手方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながら加熱されたテンターに導き、長手方向に垂直な方向(横方向あるいは幅方向)に延伸を行うことができる。
【0057】
同時二軸延伸の方法としては、例えば、上記の未延伸フィルムの両端をクリップで把持しながら加熱されたテンターに導き、巾方向に延伸を行うと同時にクリップ走行速度を加速していくことで、長手方向の延伸を同時に行う方法がある。この同時二軸延伸法は、フィルムが加熱されたロールに接触することがないため、フィルム表面に光学的な欠点となるキズが入りにくいという利点を有する。
【0058】
こうして得られた二軸延伸フィルムに平面安定性、寸法安定性を付与するため、引き続いてテンター内で熱処理(熱固定)を行い、均一に徐冷後、室温付近まで冷却した後、巻き取る。
【0059】
次に互いに混和性の低い2種類の樹脂(a,a')を適当な溶媒(b)に溶解させ塗液を作成する。この塗液を先ほど巻き取ったフィルム上に公知の塗布手段により塗布する。続いて、塗布を施したフィルムを、その塗液中に含まれる溶媒(b)は溶解するが、樹脂(a,a')は溶解しないような溶媒(c)に通し凝固させる。ここで、第3成分として溶媒(c)に可溶性の物質を加えることも気固界面数の増加に有効である。また、溶媒(c)に水を用いた場合は、一度、水(溶媒(c))中へフィルムを通した後に再度、60℃以上(好ましくは80℃以上)に熱した水(溶媒(c))中へ塗布フィルムを通すことにより、溶媒(b)のさらなる離脱および樹脂の収縮が促進され、気固界面数をさらに増大させることができる。溶媒(c)の液切り後、フィルムを乾燥すると、扁平な独立気泡を内包したフィルムに多数の気固界面を有する表層部分が形成されたシートを得ることができる。
【0060】
本発明の光反射フィルムの用途は特に限定されないが、光反射のために面光源に組み込まれる板状材として好ましく用いられ、具体的には、液晶画面用のエッジ型バックライトの反射板、直下型バックライトの面光源の反射板、および冷陰極管の周囲のランプリフレクター等に好ましく用いることができる。
【0061】
次に、本発明で使用する測定方法と評価方法を記載する。
【0062】
[特性の測定方法および評価方法]
(1)フィルム表層部のフィルム面に平行な方向の気固界面数SP、フィルム面に垂直な方向の気固界面数SVおよびSP/SVの測定方法
i)ミクロトームを用いて、フィルムを厚み方向に潰すことなく切断する。次いで、切断した断面を走査型電子顕微鏡を用いて、表層部分(フィルム表面から厚み方向にして10μmまでの部分)の気相部と固相部が明確に観察できるように、適当な倍率(100〜10000倍)に拡大観察する。表層部拡大観察像の任意の位置にフィルム面に平行な方向(フィルム面方向)、及びそれに垂直な方向(厚さ方向)に長さ10μmの直線を引き、それぞれの直線が交差する気相部と固相部の界面、すなわち気固界面の数を数えフィルム面に平行な方向の気固界面数SPとフィルム面に垂直な方向の気固界面数SVを求め、さらにSPをSVで除した値SP/SVを算出する。同様の作業を表層部の任意の場所について100回行ない、それぞれについてSP、SVおよびSP/SVを求め、それらの単純平均値を算出する。
【0063】
ii)次いで、i)の切断方向に対してフィルム面内の直行する方向に、i)と同様に切断し、該層内のSP、SVおよびSP/SVをi)と同様の手法で算出する。
【0064】
iii)i)およびii)で得られたSP、SVおよびSP/SVの単純平均値の平均を該表層部のSP、SVおよびSP/SVとする。
【0065】
iv)i)〜iii)の測定をフィルムの表面と裏面の両面について行ない、SP/SVがより高い面のSP、SVおよびSP/SVを該フィルムのSP、SVおよびSP/SVとする。
【0066】
(2)フィルム全体のフィルム面に平行な方向の気固界面数AP、フィルム面に垂直な方向の気固界面数AVおよびAP/AVの測定方法
i)ミクロトームを用いて、フィルム断面を厚み方向に潰すことなく切断する。次いで、切断した断面を走査型電子顕微鏡を用いて、フィルム厚み方向全体の気相部と固相部が明確に観察できるように、適当な倍率(100〜10000倍)に拡大観察する。フィルム厚み方向の中央位置(面方向の位置は任意)にフィルム面に平行な方向(フィルム面方向)にフィルム厚みと同一の長さの直線を引き、かかる直線が交差する気相部と固相部の界面、すなわち気固界面の数を数えフィルム面に平行な方向の気固界面数APを求める。次に、フィルム表面の任意の1点からもう一方のフィルム表面に向かって、フィルム表面に対して垂直に直線(長さはフィルム厚みと同一になるはずである)を引き、かかる直線が交差する気相部と固相部の界面、すなわち気固界面の数を数えフィルム面に垂直な方向の気固界面数AVを求める。次いで、APをAVで除した値AP/AVを算出する。同様の作業を任意の場所について100回行ない、それぞれについてAP、AVおよびAP/AVを求め、それらの単純平均値を算出する。
【0067】
ii)次いで、i)の切断方向に対してフィルム面内の直行する方向に、i)と同様に切断し、該層内のAP、AVおよびAP/AVをi)と同様の手法で算出する。
【0068】
iii)i)およびii)で得られたAP、AVおよびAP/AVの単純平均値の平均を該フィルムのAP、AVおよびAP/AVとする。
【0069】
(3)反射率
分光光度径U−3410((株)日立製作所製)に、φ60積分球130−063((株)日立製作所製)および10°傾斜スペーサーを取りつけた状態で、560nmの反射率をフィルムの両面について求め、最大値を該フィルムの反射率とする。尚、標準白色板はU−3410に添付のもの((株)日立製作所製)を用いた。
【0070】
(4)面光源としての輝度
バックライトにフィルムを組み込み、測定した。使用したバックライトは、評価用に用意したノートパソコンに使用される直管一灯型エッジ式バックライト(14.1インチ)であり、元々組み込まれていた光反射シートに替えて、測定対象となる光反射フィルムを組み込んだ。測定は、バックライト面を2×2の4区画に分け、点灯1時間後の輝度を求めることによって行った。輝度はトプコン社製のBM−7を用いて測定した。光反射フィルムを縦横に4等分したそれぞれの面の対角線の交点4箇所における輝度の単純平均を求め、平均輝度とした。かかる作業をフィルムの両面について行ない、より高い値を輝度として採用した。尚、バックライトには拡散フィルムやプリズムシートなど他の光学フィルムは組み込んでいない。
【0071】
【実施例】
本発明を以下の実施例および比較例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0072】
[実施例1]
主押出し機にポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)を88重量%、ポリメチルペンテンを10重量%、ポリエチレングリコールを2重量%を混合したペレットを供給し、また、別の副押出し機にPETを86重量%、平均粒子径2μmの無機シリカ中空粒子(B-6C(鈴木油脂工業(株)製))を14重量%混合したペレットを供給し、所定の方法により両側表層に副押出し機に供給した成分が積層されるよう溶融押出しを行い、静電印加法により鏡面のキャストドラム上で冷却して3層積層シートを作製した。この積層シートを温度92℃で長手方向に3.1倍に延伸し、続いてテンターにて100℃の予熱ゾーンを通して120℃で巾方向に3.1倍に延伸した。さらに230℃にて30秒間熱処理し、膜厚200μmの延伸熱処理シートを得た。得られた光反射フィルムの表層部分の気固界面数比SP/SVは0.7、フィルム全体の気固界面数比AP/AVは0.3、1mm当りのSVは520、1mm当りのAVは650であった。また、反射率は98.3%、バックライトに組み込んだ際の輝度は3230 cd/m2と高い値を示した。このように、本発明の光反射フィルムおよびそれを用いた面光源は高反射性・高輝度特性を示し、実用性に非常に優れた光反射フィルムであった。
【0073】
[実施例2]
副押出し機を用いずに、主押出し機にPETを88重量%、ポリメチルペンテンを10重量%、ポリエチレングリコールを2重量%を混合したペレットを供給し、溶融押出した以外は実施例1と同様にして、単層シートを作製し、延伸熱処理シートを得た。該シートの片面に下記の塗材を乾燥後の厚みが15μmになるように塗布し、25℃の水に1分間浸漬した後、95℃の熱水に10秒間浸漬し、取りだして風乾させ、総膜厚200μmの光反射フィルムを得た。塗材には塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂100部(以下、部は重量部を表す)をジメチルホルムアミド(以下DMFと略す)400部に溶解したもの(A)と、ブチラール樹脂100部をDMF400部に溶解したもの(B)を、(A):(B)=1:1で混合したものを用いた。得られた光反射フィルムの表層部分の気固界面数比SP/SVは1.0、フィルム全体の気固界面数比AP/AVは0.4、1mm当りのSVは730、1mm当りのAVは700であった。また、反射率は98.4%、バックライトに組み込んだ際の輝度は3370 cd/m2と高い値を示した。このように、本発明の光反射フィルムおよびそれを用いた面光源は高反射性・高輝度特性を示し、実用性に非常に優れた光反射フィルムであった。
【0074】
[実施例3]
実施例2と同様にして、単層シートを作製し、延伸熱処理シートを得た。該シートの片面に下記の塗材を乾燥後の厚みが20μmになるように塗布し、75℃で1分間無風乾燥した後、135℃で1分間有風乾燥し、総膜厚220μmの光反射フィルムを得た。塗材には、IMPRAPERM43153(脂肪族系ウレタン樹脂溶液、BAYER社製)100部中に2.5%アンモニア水を9部、IMPRANIL AV Solution(ポリアクリレート、BAYER社製)5部とトルエン27部からなる混合溶液32部、IMPRAFIX SK Solution(架橋剤、BAYER社製)1.2部、水80部を撹拌しながらそれぞれ添加し、添加終了後、更に5分間撹拌したものを用いた。得られた光反射フィルムの表層部分の気固界面数比SP/SVは0.9、フィルム全体の気固界面数比AP/AVは0.4、1mm当りのSVは520、1mm当りのAVは590であった。また、反射率は97.9%、バックライトに組み込んだ際の輝度は塗布層を設けた面を反射面とすると3410cd/m2と高い値を示した。このように、本発明の光反射フィルムおよびそれを用いた面光源は高反射性・高輝度特性を示し、実用性に非常に優れた光反射フィルムであった。
【0075】
[比較例1]
主押出し機にPETのみを供給した以外は、実施例1と同様にして、延伸熱処理等を行い、膜厚200μmの積層フィルムを得た。得られたフィルムの表層部分の気固界面数比SP/SVは0.9、フィルム全体の気固界面数比AP/AVは0.9であった。かかる手法で得られたフィルムの反射率は62.3%であり、バックライトに組み込んだ際の輝度は2640 cd/m2と低い値を示した。
【0076】
[比較例2]
実施例2と同様の原料を用いて、単層シートを作製し、延伸熱処理を行い、膜厚170μmの積層フィルムを得た。但し、実施例2とは異なり一切の塗布は行なっていない。得られたフィルムの表層部分の気固界面数比SP/SVは0.3、フィルム全体の気固界面数比AP/AVは0.3であった。かかる手法で得られたフィルムの反射率は97.8%であったが、バックライトに組み込んだ際の輝度は2730 cd/m2と低い値を示した。
【0077】
[比較例3]
主押出し機にPETを94重量%、ポリメチルペンテンを5重量%、ポリエチレングリコールを1重量%を混合したペレットを供給し、副押出し機にPETを85重量%、平均粒子径2μmの炭酸カルシウムを5重量%混合したペレットを供給し、実施例1と同様にして、延伸熱処理等を行い、膜厚200μmの積層フィルムを得た。得られたフィルムの表層部分の気固界面数比SP/SVは0.6、フィルム全体の気固界面数比AP/AVは0.3であった。かかる手法で得られたフィルムの反射率は92.5%、バックライトに組み込んだ際の輝度は2700 cd/m2と低い値を示した。
【0078】
【発明の効果】
本発明の光反射フィルムは、反射特性、輝度特性などに優れており、液晶画面を照明する面光源内の反射板やランプリフレクターとして用いた時、液晶画面を明るく照らし、液晶画像をより鮮明かつ見やすくできる。
Claims (2)
- フィルムの少なくとも片面において、フィルム表層部分におけるフィルム面に平行な方向の気固界面数SPとフィルム面に垂直な方向の気固界面数SVの比SP/SVが0.7以上であり、かつ、フィルム全体におけるフィルム面に平行な方向の気固界面数APとフィルム面に垂直な方向の気固界面数AVの比AP/AVが0.4以下であり、かつフィルム全体におけるフィルム面に垂直な方向の気固界面数AVがフィルム厚み方向1mm当り590以上であり、かつ反射率が97.9%以上であることを特徴とする光反射フィルム。
- フィルム表層部分におけるフィルム面に垂直な方向の気固界面数SVがフィルム厚み方向1mm当り520以上であることを特徴とする請求項1に記載の光反射フィルム。
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