JP3997853B2 - 通信端末装置、通信中継装置、通信処理システム、および方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

通信端末装置、通信中継装置、通信処理システム、および方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信端末装置、通信中継装置、通信処理システム、および方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。さらに詳細には、サブネットワーク接続時にアドレス設定処理を行なう通信端末装置において、通信状況に応じて短時間でアドレス設定を行ない、高速なアドレス設定、通信開始処理を実現する通信端末装置、通信中継装置、通信処理システム、および方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯型のパーソナルコンピュータ、携帯電話などが普及し、多くのユーザがこれら通信機能、情報処理機能を有する小型の装置を携帯し、屋外であるいは移動先においてネットワークに接続してネットワークを介する通信を行なっている。
【0003】
このようないわゆるモバイルコンピューティング環境では、ネットワークに接続してサービスを受ける装置(ex.パーソナルコンピュータ)であるノードは移動することが前提となる。このようなノードはノード位置が変化しても継続して通信可能な状態を維持することが要請される。
【0004】
現在多く使用されている通信プロトコルとしてのIP(Internet Protocol)は、IPv4であり、発信元/宛先として32ビットからなるアドレス(IPアドレス)が用いられている。インターネット通信においては、32ビットIPアドレスを各発信元/宛先にユニークに割り当てるグローバルIPアドレスを採用し、IPアドレスに応じて、個々の発信元/宛先を判別している。しかし、インターネットの世界は急速に広がりを見せており、IPv4の限られたアドレス空間、すなわちグローバルアドレスの枯渇が問題となってきている。これを解決するためにIETF(Internet Engineering Task Force)では、次世代IPアドレスとしてIPアドレス空間を32ビットから128ビットに拡張する新しいIPv6(Internet Protocol version 6)を提案している。さらに、モバイルコンピューティング環境におけるノードの通信方法として、IETF(Internet Engineering Task Force)で提案しているMobile IPv6がある。
【0005】
IPv6アドレスは図1に示すように128ビット構成であり、下位64ビットがインターネット上、もしくはサブネット上でノードを一意に識別するためのノード識別子としてのインターフェースID(Interface ID)であり、上位64ビットがノードが接続しているサブネットワークを示す位置指示子としてのネットワークプレフィックス(Network Prefix)である。従って、基本的に同一のサブネットワークに属する端末装置は、IPv6アドレスの上位64ビットの示すネットワークプレフィックス(Network Prefix)が同一なものとなる。サブネットは、例えば通信中継装置としてのルータによって区切られた有限のネットワーク領域として構成される。
【0006】
通常、ネットワークプレフィックスは、サブネット単位に割り当てられ、端末装置としてのノード(ホスト)があるサブネットに接続すると、ノード(ホスト)は、そのサブネットに割り当てられているネットワークプレフィックスを用いてアドレス設定処理としてステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration, RFC2461 RFC2462)を行う。すなわち、ノード(ホスト)は、ローカルに自分自身で生成可能な情報としてのインターフェース識別子と、ルータから通知される情報としてのネットワークプレフィックスによりIPv6アドレスの生成処理を実行する。前述したようにIPv6アドレスはネットワークプレフィックスとインターフェース識別子とからなり、通信を実行するノードとしてのホストは、ステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration, RFC2462)により自分自身のアドレスを設定する。
【0007】
ルータから通知される情報は、ルータ通知(RA:Router Advertisement, RFC2461)と呼ばれ、リンク情報としてのネットワークプレフィックス、インターネットパラメータなどが含まれる。ルータ通知(RA)のメッセージフォーマットを図2に示す。タイプ(Type)にはルータ通知(RA)の識別タイプデータ(134)が格納される。リンク情報としてのネットワークプレフィックス、インターネットパラメータは、オプション(Option)フィールドに格納される。
【0008】
ルータ通知(RA)は、ホストからのルータ要請(RS:Router Solicitation)メッセージに応答して、あるいは定期的にルータから送信される。ルータ要請(RS)のメッセージフォーマットを図3に示す。タイプ(Type)にはルータ要請(RS)の識別タイプデータ(133)が格納される。
【0009】
ルータ通知(RA)を受信したホスト(ノード)は、ルータ通知(RA)に格納された情報を元に、IPv6アドレスやデフォルトルータの設定などを行う。IPv6アドレスの設定は、IPv6アドレスの上位64bit部分に、ルータ通知(RA)に格納されているネットワークプレフィックスの値を格納し、下位64bit部分に、ホスト自身が生成したインターフェースIDを格納する処理によって実行される。
【0010】
インターフェースIDの生成方法としては、ランダム値の生成、あるいはホストのインターフェースのMACアドレス(48bit)をEUI64形式に変換した値を利用したりする方法などがある。ホストはIPv6アドレスを作成後、そのアドレスが同じサブネット上で既に使われていないかを確認するために、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)を行う。
【0011】
重複アドレス検出(DAD)の具体的処理は、ホストが作成したIPv6アドレスを格納した近隣要請(NS:Neighbor Solicitation)メッセージをサブネット上に送信(ブロードキャスト)し、その近隣要請(NS)メッセージを受信したサブネット上のノードのうち、近隣要請(NS)メッセージに格納されているIPv6アドレスを既に使っているノードは、アドレスが重複していることを示すために、近隣通知(NA:Neighbor Advertisement)メッセージを返答する。近隣要請(NS)メッセージを送信したホストは一定時間、近隣要請(NS)メッセージに対する近隣通知(NA)メッセージを受信しない場合は、設定したIPv6アドレスは重複していないと判断し、以後、ステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)により生成したアドレスをIPv6アドレスとして利用することができる。
【0012】
近隣要請(NS)メッセージのメッセージフォーマットを図4に示す。タイプ(Type)には近隣要請(NS)メッセージの識別タイプデータ(135)が格納される。近隣通知(NA)メッセージのメッセージフォーマットを図5に示す。タイプ(Type)には近隣通知(NA)メッセージの識別タイプデータ(136)が格納される。
【0013】
なお、上述のルータ要請(RS)、ルータ通知(RA)、近隣要請(NS)、近隣通知(NA)は、IPV6の上位層プロトコルとしてのコントロールメッセージプロトコル:ICMPv6(Internet Control Message Protocol version 6)によって規定されるメッセージである。
【0014】
前述のように、ホストは、ルータからの定期的なルータ通知(RA)を受信するだけでなく、明示的にルータ要請(RS)を送信することでルータにルータ通知(RA)送信を促すことができ、ルータ要請(RS)を受信したルータは、ルータ通知(RA)の定期的な送信間隔に関係なく、ルータ通知(RA)を送信する。
【0015】
このような、ステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理においては、ルータ通知(RA)、ルータ要請(RS)等、様々なメッセージがネットワーク上を飛び交うことになる。これは、ネットワークトラフィックの増大を招き、好ましいものとは言えない。
【0016】
このステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)において、ルータ通知(RA)、ルータ要請(RS)がサブネット上で頻繁に飛び交わないようにするために、ルータ通知(RA)、ルータ要請(RS)の送信時にバックオフ機構が導入されている。
【0017】
バックオフ機構とは、具体的には、ホストがサブネットに接続後にルータ要請(RS)を送信する際、0〜1秒(RFC2462にてMAX_RTR_SOLICITATION_DELAYで定義)のランダムな時間待機を行なうことを条件として、ルータ要請(RS)を送信する。この待機時間中にルータ通知(RA)を受信した場合は、待機後に実行する予定だったルータ要請(RS)の送信はキャンセルする。また、ルータ要請(RS)を受信したルータも、ルータ通知(RA)を返答する際、0〜0.5秒(MAX_RA_DELAY_TIMEで定義)のランダムな時間待機を行なうことを条件として、ルータ通知(RA)を返答する。この待機時間中にルータ通知(RA)の定期的な送信の時刻になった場合は、待機後に実行する予定だったルータ通知(RA)の返答はキャンセルする。
【0018】
このように、ルータ通知(RA)およびルータ要請(RS)の送信時にそれぞれ待機時間を設定することで、サブネット上に数多くのルータ通知(RA)およびルータ要請(RS)が送信されることを回避可能となり、ネットワークトラフィックが緩和される。
【0019】
また、同様に、重複アドレス検出(DAD)の処理においても、ホストが作成したIPv6アドレスが重複していないか確認するために待機する時間は、1秒(RETRANS_TIMERで定義)に設定される。
【0020】
このように、重複アドレス検出(DAD)を含むステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)において、ホストがサブネットに接続後、即座に通信を再開(開始)したい場合でも、IPv6 アドレスやデフォルトルータ(Default Router)を設定するためには、上記で述べたような待機時間が発生してしまうことになる。
【0021】
具体的には、平均的な場合で、ルータ要請(RS)の送信時に0.5秒、ルータ通知(RA)の返答時に0.25秒、そして重複アドレス検出(DAD)に1秒、計1.75秒の待機時間が発生してしまうことになる。最長の場合には2.5秒の待機時間となる。これらの待機時間以外にも、アドレス等の設定処理自体の最低限の処理時間が必要であるが、この処理時間は、待機時間と比較すると無視できる程小さい。すなわち、ステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)にかかる時間のほとんどは、この待機時間に費やされるといえる。
【0022】
たしかに、バックオフ待機機構によって、無駄なルータ要請(RS)やルータ通知(RA)の送信を回避することはネットワークの負荷等を考慮した場合、効果的である。また、IPv6アドレスの重複の回避という点では、重複アドレス検出(DAD)は必須である。しかし、ホスト(特にノートPCやPDAのような移動ホスト)にとっては、新しいサブネットに接続後、即座に移動前の通信を再開したい場合や、また即座に新しいサービスにアクセスしたい場合は、平均1.75秒の間、待機することはユーザにとって非常にストレスとなる。なお移動ホストは、通信を継続するためにモバイルIPv6(Mobile IPv6)などの移動サポートプロトコルの利用を前提とする。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)において要請されるバックオフ待機による通信再開の遅れという問題に対処することを目的としてなされたものである。
【0024】
上述のステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)において、ホストがルータ要請(RS)やルータ通知(RA)のやりとりにより生成したIPv6アドレスを絶対に重複しない設定とすることが可能である。たとえば、ホストのMACアドレス自体はグローバルユニーク(全世界でユニーク)であるためそれを元にIPv6アドレス(のインターフェースID)を生成した場合などは、アドレスの重複が発生しないことが保証される。この場合、上述の重複アドレス検出(DAD)処理を省略することが可能となる。
【0025】
本発明は、通信端末装置としてのホストがMACアドレスを割り当てられたインターフェースを持つ場合など、ホストが重複のないインターフェースIDを生成できる構成である場合に、ホストがサブネットに接続後に実行するステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)において要請される待機時間を省略して、即座に通信を開始または再開可能とする通信端末装置、通信中継装置、通信処理システム、および方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、
ネットワークを介したデータ通信を実行する通信端末装置において、
通信端末装置自身のアドレス設定処理を実行する制御手段を有し、
前記制御手段は、
通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理を実行するとともに、該通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行するネットワークを介したメッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定し、該決定結果に基づいて、待機時間を省略したメッセージ送信、あるいは待機時間経過後のメッセージ送信処理のいずれかを実行する構成を有し、
前記制御手段は、
前記メッセージが、ネットワーク上に接続されたルータに対するルータ要請(RS)メッセージである場合、
前記通信ステータスの判断結果に基づいて、前記ルータ要請(RS)メッセージに対して実行されるルータからのルータ通知(RA)メッセージの送信処理を待機時間なしで実行すべきか否かの識別データを前記ルータ要請(RS)メッセージに格納する処理を実行する構成であることを特徴とする通信端末装置にある。
【0027】
さらに、本発明の通信端末装置の一実施態様において、前記メッセージが、ネットワーク上に接続されたルータに対するルータ要請(RS)メッセージである場合、前記制御手段は、通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断結果に基づいて、前記ルータ要請(RS)メッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定する処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0029】
さらに、本発明の通信端末装置の一実施態様において、前記制御手段は、前記通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行する重複アドレス検出処理を省略するか否かを決定し、該決定結果に基づいてアドレス設定処理を実行する構成を有することを特徴とする。
【0030】
さらに、本発明の通信端末装置の一実施態様において、前記アドレス設定処理は、インターネットプロトコルとしてのIPv6において実行するステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理であり、前記重複アドレス検出処理は、その一処理としての重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)処理であることを特徴とする。
【0031】
さらに、本発明の通信端末装置の一実施態様において、前記制御手段は、通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理として、該通信端末装置が、
(a)即座に実行すべき通信セッションが存在する状態、
(b)即座に通信を実行する可能性のあるセッションが存在する状態、
(c)即座に実行すべき通信セッションが存在しない状態、
のいずれの状態にあるかを判断する処理を実行し、該判断結果に基づいて、自己のアドレス設定処理時の処理シーケンスを変更して実行する構成であることを特徴とする。
【0032】
さらに、本発明の通信端末装置の一実施態様において、前記制御手段は、前記3状態(a)、(b)、(c)の判別処理を、各通信セッションに対応したプロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)の登録セッション状況、およびソケットバッファ(Socket Buffer)の格納データパケット状況に基づいて行なう構成であることを特徴とする。
【0033】
さらに、本発明の通信端末装置の一実施態様において、前記アドレス設定処理は、インターネットプロトコルとしてのIPv6において実行するステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理であることを特徴とする。
【0034】
さらに、本発明の通信端末装置の一実施態様において、前記アドレス設定処理は、インターネットプロトコルとしてのIPv6において実行するステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理であり、前記制御手段は、自通信端末装置に設定されたMACアドレスをIPv6アドレスにおけるインターフェースIDとして設定する処理を実行する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の第2の側面は、
ネットワークを介したデータ通信を実行する通信端末装置であり、
前記通信端末装置は、
通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理を実行するとともに、該通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行するネットワークを介した通信中継装置に対するルータ要請(RS)メッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定し、該決定結果に基づいて待機時間を省略したルータ要請(RS)メッセージ送信、あるいは待機時間経過後のルータ要請(RS)メッセージ送信処理のいずれかを実行する構成を有することを特徴とする通信端末装置にある。
【0035】
さらに、本発明の第の側面は、
ネットワーク上に接続された通信中継装置であり、
通信処理を実行する通信端末装置からのルータ要請(RS)メッセージを受信し、
該受信ルータ要請(RS)メッセージの格納データに基づいて、
該受信ルータ要請(RS)メッセージに対応する応答メッセージとしてのルータ通知(RA)メッセージを待機時間を省略して送信するか、または待機時間の後に送信するかを決定し、該決定結果に基づいてルータ通知(RA)メッセージの送信処理を実行する構成を有することを特徴とする通信中継装置にある。
【0036】
さらに、本発明の第の側面は、
ネットワークを介したデータ通信を実行する通信端末装置と、前記ネットワーク上に接続された通信中継装置とを有する通信処理システムにおいて、
前記通信端末装置は、
通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理を実行するとともに、該通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行するネットワークを介した前記通信中継装置に対するルータ要請(RS)メッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定し、該決定結果に基づいて待機時間を省略したルータ要請(RS)メッセージ送信、あるいは待機時間経過後のルータ要請(RS)メッセージ送信処理のいずれかを実行する構成を有し、
前記通信中継装置は、
前記通信端末装置からのルータ要請(RS)メッセージを受信し、
該受信ルータ要請(RS)メッセージの格納データに基づいて、
該受信ルータ要請(RS)メッセージに対応する応答メッセージとしてのルータ通知(RA)メッセージを、待機時間を省略して送信するか、または待機時間の後に送信するかを決定し、該決定結果に基づいてルータ通知(RA)メッセージの送信処理を実行する構成を有することを特徴とする通信処理システムにある。
【0041】
さらに、本発明の第の側面は、
ネットワークを介したデータ通信を実行する通信端末装置におけるアドレス設定処理方法であり、
通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理を実行する通信ステータス判断処理ステップと、
前記通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行するネットワークを介したメッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定する待機時間処理決定ステップと、
前記待機時間処理決定結果に基づいて、待機時間を省略したメッセージ送信、あるいは待機時間経過後のメッセージ送信処理のいずれかを実行するメッセージ送信ステップと、
前記メッセージが、ネットワーク上に接続されたルータに対するルータ要請(RS)メッセージである場合、前記通信ステータスの判断結果に基づいて、前記ルータ要請(RS)メッセージに対して実行されるルータからのルータ通知(RA)メッセージの送信処理を待機時間なしで実行すべきか否かの識別データを前記ルータ要請(RS)メッセージに格納する処理を実行するステップを有することを特徴とするアドレス設定処理方法にある。
【0050】
さらに、本発明の第の側面は、
ネットワーク上に接続された通信中継装置におけるデータ処理方法であり、
通信処理を実行する通信端末装置からのルータ要請(RS)メッセージを受信するステップと、
該受信ルータ要請(RS)メッセージの格納データに基づいて、該受信ルータ要請(RS)メッセージに対応する応答メッセージとしてのルータ通知(RA)メッセージを待機時間を省略して送信するか、または待機時間の後に送信するかを決定するステップと、
該決定結果に基づいてルータ通知(RA)メッセージの送信処理を実行するステップと、
を有することを特徴とするデータ処理方法にある。
【0051】
さらに、本発明の第の側面は、
ネットワークを介したデータ通信を実行する通信端末装置と、前記ネットワーク上に接続された通信中継装置とを有する通信処理システムにおける通信端末装置アドレス設定処理方法であり、
前記通信端末装置において、
通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理を実行するとともに、該通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行するネットワークを介した前記通信中継装置に対するルータ要請(RS)メッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定し、該決定結果に基づいてルータ要請(RS)メッセージの送信処理を実行し、
前記通信中継装置において、
前記通信端末装置からのルータ要請(RS)メッセージを受信し、
該受信ルータ要請(RS)メッセージの格納データに基づいて、該受信ルータ要請(RS)メッセージに対応する応答メッセージとしてのルータ通知(RA)メッセージを、待機時間を省略して送信するか、または待機時間の後に送信するかを決定し、該決定結果に基づいてルータ通知(RA)メッセージの送信処理を実行することを特徴とする通信端末装置アドレス設定処理方法にある。
【0056】
さらに、本発明の第の側面は、
ネットワークを介したデータ通信を実行する通信端末装置におけるアドレス設定処理をコンピュータ・システム上で実行するために記述されたコンピュータ・プログラムであって、
通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理を実行する通信ステータス判断処理ステップと、
前記通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行するネットワークを介したメッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定する待機時間処理決定ステップと、
前記待機時間処理決定結果に基づいて、待機時間を省略したメッセージ送信、あるいは待機時間経過後のメッセージ送信処理のいずれかを実行するメッセージ送信ステップと、
前記メッセージが、ネットワーク上に接続されたルータに対するルータ要請(RS)メッセージである場合、前記通信ステータスの判断結果に基づいて、前記ルータ要請(RS)メッセージに対して実行されるルータからのルータ通知(RA)メッセージの送信処理を待機時間なしで実行すべきか否かの識別データを前記ルータ要請(RS)メッセージに格納する処理を実行するステップを有することを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0057】
さらに、本発明の第の側面は、
ネットワーク上に接続された通信中継装置におけるデータ処理をコンピュータ・システム上で実行するために記述されたコンピュータ・プログラムであって、
通信処理を実行する通信端末装置からのルータ要請(RS)メッセージを受信するステップと、
該受信ルータ要請(RS)メッセージの格納データに基づいて、該受信ルータ要請(RS)メッセージに対応する応答メッセージとしてのルータ通知(RA)メッセージを待機時間を省略して送信するか、または待機時間の後に送信するかを決定するステップと、
該決定結果に基づいてルータ通知(RA)メッセージの送信処理を実行するステップと、
を有することを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0058】
【作用】
本発明の構成によれば、新しいサブネットに接続時における通信端末装置(ホスト)の通信状態を判別し、即座に通信を実行すべき状態にある場合に、ステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)において実行する各種メッセージ送信の際の待機時間を省略する構成としたので、アドレスを設定し通信を開始するまでの時間が短縮され、サブネットの接続後の通信を短時間で開始または再開することが可能となる。
【0059】
さらに、本発明の構成によれば、通信端末装置(ホスト)の通信状態を複数の状態中のどの状態にあるかを判別し、即座に通信を実行すべき状態にない場合には、ルータ通知、ルータ要請等のメッセージ送信時の待機時間を確保する構成とし、待機時間中にメッセージ受信あるいは定期的なメッセージ送信時間がきたときは、予定のメッセージ送信をキャンセルする構成であるので、全ての待機時間を設けない構成と異なり、ネットワーク上のトラフィックを緩和することが可能となる。
【0060】
さらに、本発明の構成によれば、通信中継装置としてのルータは、識別データを設定したルータ要請(RS)を受信して待機時間の経過を待つことなくルータ通知(RA)を送信する構成としたので、短時間でステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)を行なうことが可能となる。
【0061】
さらに、本発明の構成によれば、通信端末装置(ホスト)の通信状態を判別し、即座に通信を実行すべき状態、あるいはその可能性がある場合には、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)を省略する構成としたので、ホストが即座に通信を実行すべき状態、あるいはその可能性がある場合には、短時間でステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理を行ない、通信を実行することが可能となる。
【0062】
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0063】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づく、より詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の通信端末装置、通信中継装置、通信処理システム、および方法について、図面を参照して説明する。
【0065】
[ネットワーク構成および通信処理概要]
図6は、本発明の構成が適用可能な通信ネットワーク構成例を示す図である。図6において、インターネット101には複数のIPv6サブネットが接続され、それぞれのIPv6サブネットに様々な通信端末装置、例えばPC、PDA、携帯通信端末等のホストが接続し、それぞれのホストがステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)を実行してアドレスの設定を行ない、設定アドレスを適用した通信を行なう構成である。
【0066】
ルータ(IPv6ルータ(R))102は、IPv6サブネット(S)103とインターネット(INET)101を中継するノードであり、ホスト(IPv6ホスト(H))104は、IPv6サブネット(S)103に接続を行なって通信を開始しようとするものとする。例えばホスト(IPv6ホスト(H))104が通信中に他のIPv6サブネットから移動して、IPv6サブネット(S)103に接続を切り替えて通信を再開しようとする場合も含む。
【0067】
IPv6サブネット(S)103には、ホスト(IPv6ホスト(H))104以外の複数のホストが接続し、それぞれ通信処理を実行している。
【0068】
本発明の構成では、ホストおよびルータを改良することによって、ホストのステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)における処理時間を短縮し、ホストがサブネット接続後に自己の通信ステータスの判断を行ない、判断結果に基づいて即座に通信を開始または再開することを可能とするものである。なお、ホストが新しいサブネットに接続後、即座に通信を再開または開始する場合、重複アドレスの発生は避けることが必須であり、ステートレス・アドレス自動設定を行なうホストは、基本的に重複アドレス検出(DAD)を行なうことが求められるが、ホストが接続サブネットで重複が絶対に発生しないインターフェースID(図1参照)を持つIPv6アドレスを生成することができる構成である場合、生成したアドレスに重複が発生することはなく、重複アドレス検出(DAD)の処理を省略可能となる。
【0069】
MACアドレスはハードウェアの製造業者に対して割り当てられる3バイト、および各装置に対して付与される3バイトの計6バイトによって構成され、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)によって管理されており、各装置に固有なアドレスとして設定される。
【0070】
従って、MACアドレスが割り当てられたインターフェースを保持しているホストは、MACアドレスをIPv6アドレスの下位64ビットのインターフェースIDとして適用することで、ホストは、接続サブネットで重複が絶対に発生しないIPv6アドレスを生成可能となる。
【0071】
[アドレス設定処理および通信状態判定処理]
以下、このように、重複の発生しないことが保証されたIPv6アドレスを生成可能なホストにおけるサブネット接続時のステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理について説明する。
【0072】
ホスト(H)104は、まずサブネット(S)103に接続後に、通信ステータス判断処理を実行し、即座に再開あるいは開始すべき通信があるかどうか確認する。この通信ステータス判断方法としては、様々な方法が適用可能であるが、ここではUnix(特にBSD系)のプロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)とソケットバッファ(Socket Buffer)を用いた確認方法を一例として説明する。
【0073】
プロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)とソケットバッファ(Socket Buffer)の構成例を図7に示す。プロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)とは、現在動作している通信を、セッション(通信の単位、例えばtelenetセッション、ftpセッション、httpセッションなど)ごとに管理しているデータベースであり、セッションごとにソケットバッファ(Socket Buffer)と呼ばれる送受信用バッファを対応づけて管理しているデータベースである。なお、このプロトコル・コントロールブロック(PCB)には、TCP用とUDP用がある。
【0074】
ホスト(H)104は、図7に示すように、TCP用のプロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)として、TELENETセッション用PCB211、HTTPセッション用PCB221、FTPセッション用PCB231と、UDP用のプロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)として、xxセッション用PCB241、yyセッション用PCB251、zzセッション用PCB261とを有し、各PCBには、実行中のセッションの間利用データとして、通信処理における始点/終点アドレス、始点/終点ポート情報等のセッション管理情報を格納する。
【0075】
さらに、各セッションPCBに登録されたセッションにおいて送受信するデータパケットが、各PCBのポインタによって示されるバッファ領域としてのソケットバッファに格納される。ソケットバッファは、送信用ソケットバッファと受信用ソケットバッファがあり、TCP用PCBのTELENETセッションに対応するセッションの送信パケットは図7に示す送信用ソケットバッファ212に格納され、受信パケットは、受信用ソケットバッファ213に格納される。
【0076】
図7に示すように、TCP用PCBの各セッションおよびUDP用PCBの各セッションに対応して、それぞれのセッションにおける送信パケットを格納する送信用ソケットバッファ221〜262、各セッションにおける受信信パケットを格納する受信用ソケットバッファ231〜263を有する。アプリケーションとTCP、UDP/IPは、これらのソケットバッファ(Socket Buffer)212〜262,231〜236を介してデータのやりとりを行う。
【0077】
図5に示すネットワーク構成において、ホスト(H)104は、IPv6サブネット(S)103に接続した直後に、ホスト自身の保持するプロトコル・コントロールブロック(PCB)に、1つでもセッションが登録されているかどうかを調べる。もし、セッションが登録されている場合は、さらに、登録されている各セッションに対応づけられた送受信ソケットバッファ(Socket Buffer)を調べる。
【0078】
この送受信ソケットバッファサイズが0以外である場合、つまり、送信用ソケットバッファ(Socket Buffer)および受信用ソケットバッファ(Socket Buffer)のいずれかにデータパケットが存在している場合は、ホスト(H)104は通信中、すなわちデータパケットをやりとりしている最中にサブネット間を移動したことになる。これは、ホスト(H)104が即座に通信を再開すべきセッションを実行中であると判断する。
【0079】
また、ソケットバッファ(Socket Buffer)にデータパケットが存在していない場合でも、プロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)に1つでもセッションが登録されている場合は、ホスト(H)104は、通信中、すなわちデータパケットをやりとりしている最中にサブネット間を移動したわけではないが、サブネット接続直後に通信が再開する可能性があり、この場合も、ホスト(H)104は即座に通信を再開する可能性のあるセッションを持つと判断する。
【0080】
また、プロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)にセッションが全く登録されていない場合は、即座に通信を再開すべきセッションは存在しないと判断する。
【0081】
以上のホストの各状態をまとめると、以下の3態様(a),(b),(c)にまとめることができる。
(a)PCBにセッション登録あり、ソケットバッファにデータパケットあり。
(b)PCBにセッション登録あり、ソケットバッファにデータパケットなし。
(c)PCBにセッション登録なし。
【0082】
上述の(a)〜(c)の状態は、ホストの通信ステータスとして、それぞれ以下のステータスであると判定される。
(a)即座に実行すべき通信セッションが存在する状態、
(b)即座に通信を実行する可能性のあるセッションが存在する状態、
(c)即座に実行すべき通信セッションが存在しない状態、
【0083】
ホスト(H)104が上記3態様:(a)、(b)、(c)のいずれの状態にあるかを判定し、判定状態に従って、ホスト(H)104の実行するステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理のシーケンスを変更する。
【0084】
図8のフローチャートを参照して、プロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)とソケットバッファ(Socket Buffer)を用いた通信ステータス判定処理シーケンスについて説明する。
【0085】
サブネットワークに接続したホストは、まず、ステップS101において、ホストの保有するTCP用、UDP用の各プロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)に登録されているセッションがあるか否かを判定する。
【0086】
すべてのPCBに登録セッションがない場合は、ステップS102に進み、上述の状態(c)、すなわち、ホストの状態は、「即座に通信を再開すべきセッションはない」と判定して処理を終了する。
【0087】
ステップS101において、ホストの保有するTCP用、UDP用の各プロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)に登録されているセッションがあると判定されると、ステップS103に進み、登録されているセッションに対応する送受信ソケットバッファのサイズが0以外のものがあるか否かを判定する。
【0088】
登録されているセッションに対応する送受信ソケットバッファのサイズが0以外のものがない場合、すなわちすべてのバッフアサイズが0である場合は、ステップS104に進み、上述の状態(b)、すなわち、ホストの状態は、「即座に通信を再開する可能性のあるセッションが存在する」と判定して処理を終了する。
【0089】
ステップS103において、登録されているセッションに対応する送受信ソケットバッファのサイズが0以外のものがあると判定した場合は、ステップS105に進み、上述の状態(a)、すなわち、ホストの状態は、「即座に通信を再開すべきセッションが存在する」と判定して処理を終了する。
【0090】
このように、状態(a)、または(b)の場合は、通信の即時再開を実行すべき状態であり、状態(c)にあるときは、即座に通信を再開するセッションはないと判定し、それぞれの判定に基づいて、異なるシーケンスでステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理を実行する。以下、各状態(a),(b),(c)それぞれにおける処理について説明する。
【0091】
状態(a)の場合、すなわち、PCBにセッション登録があり、ソケットバッファにデータパケットが存在する場合、ホストは、「即座に通信を再開すべきセッションが存在する」状態である。この状態(a)の場合、ホストは即座に通信を再開できるように、極力ステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)にかかる時間を短縮することが要求される。
【0092】
状態(b)の場合、すなわち、PCBにセッション登録があり、ソケットバッファにデータパケットが存在しない場合、ホストは、「即座に通信を再開する可能性のあるセッションが存在する」状態である。この状態(a)の場合は、状態(a)ほどではないが、通信が再開される事態に備えて、多少なりともステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)にかかる時間を短縮しておくべきである。
【0093】
状態(c)の場合、すなわち、PCBにセッション登録が存在しない場合、ホストは、「即座に通信を再開すべきセッションは存在しない」状態である。この状態(c)の場合は、ステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)にかかる時間の短縮の必要性がなく、規定どおりのバックオフ待機処理を適用した処理を実行する。
【0094】
状態(a)、(b)、(c)におけるステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理において実行する具体的な処理について、以下説明する。
【0095】
(ルータ要請、通知処理)
まず、ステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理におけるルータ要請(RS)およびルータ通知(RA)処理について説明する。
【0096】
状態(a)の場合、すなわちPCBにセッション登録があり、ソケットバッファにデータパケットが存在し、「即座に通信を再開すべきセッションが存在する」場合は、ホストは、ルータ要請(RS)を送信する際のランダムな時間待機することなく、即座にルータ要請(RS)を送信する。この際、それを受信するルータに、即座にルータ通知(RA)を返答してもらうことを要求するために、ルータ要請(RS)メッセージのリザーブ(Reserved)フィールドを利用する。
【0097】
具体的には、待機時間の経過を待たず、ルータ要請(RS)メッセージのリザーブ(Reserved)フィールドにルータ通知(RA)の即時返答要求識別データとして1(0x0001)を格納して即座に送信する。この結果、ルータ要請(RS)メッセージを受信したルータは待機処理を行なわずルータ通知(RA)を送信する。
【0098】
状態(b)の場合、すなわちPCBにセッション登録があるが、ソケットバッファにデータパケットが存在せず、「即座に通信を再開する可能性のあるセッションが存在する場合」は、ホストは、上述の状態(a)と同様に、ルータ要請(RS)を送信する際のランダム時間の待機を実行せずに、即座にルータ要請(RS)を送信するが、ルータ要請(RS)のリザーブ(Reserved)フィールドには何も指定しない。この結果、ルータ要請(RS)メッセージを受信したルータは通常の待機処理を実行して、ルータ通知(RA)を送信する。
【0099】
状態(c)の場合、すなわちPCBにセッション登録がなく、「即座に通信を再開すべきセッションは存在しない」は、ホストは、通常どおりルータ要請(RS)を送信する前にランダム時間待機する。また、送信するルータ要請(RS)のリザーブ(Reserved)フィールドには何も指定しない。この結果、ルータ要請(RS)メッセージを受信したルータは通常の待機処理を実行して、ルータ通知(RA)を送信する。
【0100】
ホストからのルータ要請(RS)を受信したルータ側の処理について、説明する。ルータは、まず、ホストから受信したルータ要請(RS)のリザーブ(Reserved)フィールドを確認する。
【0101】
リザーブ(Reserved)フィールドに1(0x0001)がセットされている場合は、そのルータ要請(RS)を送信したホストが即座にルータ通知(RA)を返答してもらうことを希望していると判断し、ランダムな時間待機することなく、即座にルータ通知(RA)の返答処理を実行する。この処理は、ホストが上述の状態(a)、すなわち、ホストのPCBにセッション登録があり、ソケットバッファにデータパケットが存在する場合であり、ホストは、即座に通信を再開すべきセッションを有している場合の対応処理となる。
【0102】
また、ホストから受信したルータ要請(RS)のリザーブ(Reserved)フィールドに1がセットされていない場合は、通常どおり、ルータ通知(RA)を返答する前にランダム時間の待機を実行する。返答するルータ通知(RA)は、ルータ要請(RS)のリザーブ(Reserved)フィールドの値に関係なく従来と同じ形式である。つまり、ルータ通知(RA)のメッセージには何も変更を行わない。なお、待機時間内に定期的なルータ通知(RA)発送時間となった場合は、その定期発送時間において、ルータ通知(RA)を送信し、ルータ要請(RS)に基づくルータ通知(RA)はキャンセルする。
【0103】
この処理は、ホストが上述の状態(b)または(c)、すなわち、ホストのPCBにセッション登録があり、ソケットバッファにデータパケットが存在しない場合、または、ホストのPCBにセッション登録がない場合に対応する処理であり、ホストは、即座に通信を再開する可能性のあるセッションを有している場合、あるいは、即座に通信を再開すべきセッションが無い場合の対応処理となる。
【0104】
ルータからのルータ通知(RA)を受信したホストは、ルータ通知(RA)に格納されている情報をもとに、IPv6アドレスやデフォルトルータの設定を行う。
【0105】
(重複アドレス検出(DAD)処理)
次に、ホストが、上記3状態(a)、(b)、(c)の各状態にあるときの重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)の処理シーケンスについて説明する。
【0106】
状態(a)の場合、すなわちPCBにセッション登録があり、ソケットバッファにデータパケットが存在し、「即座に通信を再開すべきセッションが存在する」場合は、ホストは、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)を省略する。
【0107】
状態(b)の場合、すなわちPCBにセッション登録があるが、ソケットバッファにデータパケットが存在せず、「即座に通信を再開する可能性のあるセッションが存在する」場合は、状態(a)の場合と同様、ホストは、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)を省略する。
【0108】
状態(c)の場合、すなわちPCBにセッション登録が存在せず、「即座に通信を再開すべきセッションが存在しない」場合は、ホストは、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)を省略せず実行する。
【0109】
ただし、ホストが接続サブネットで重複が絶対に発生しないインターフェースID(図1参照)例えばMACアドレスをインターフェースIDとして設定する場合等には、IPv6アドレスを生成することができる構成である場合、生成したアドレスに重複が発生することはなく、重複アドレス検出(DAD)の処理を省略可能となる。従って、上記状態(a)、(b)、(c)のいずれの場合においても、ホストは、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)を省略することができる。
【0110】
上述したホスト状態に対応したステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理により、ホスト状態に応じて処理時間を短縮することが可能となる。
【0111】
状態(a)の場合、すなわちPCBにセッション登録があり、ソケットバッファにデータパケットが存在し、「即座に通信を再開すべきセッションが存在する」場合は、ルータ要請(RS)の送信時、ルータ通知(RA)の返答時の待機時間、および重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)処理時間が削減される。
【0112】
状態(b)の場合、すなわちPCBにセッション登録があるが、ソケットバッファにデータパケットが存在せず、「即座に通信を再開する可能性のあるセッションが存在する」場合は、ルータ要請(RS)の送信時の待機時間、および重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)処理時間が削減される。
【0113】
状態(c)の場合、すなわちPCBにセッション登録が存在せず、「即座に通信を再開すべきセッションが存在しない」場合は、基本的に従来と同様、ルータ要請(RS)の送信時、ルータ通知(RA)の返答時の待機時間、および重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)処理時間を要することになる。
【0114】
つまり、ホストがサブネット接続時に実行するステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)の処理時間は、(a)<(b)<(c)の順番となり、状態(a)において、最も処理時間が短縮され、状態(b)において、従来より多少処理時間が短縮され、状態、(c)において、従来と同様の処理時間となる。
【0115】
このように、ホストの通信状態((a)、(b)、(c))を判別し、判別した通信状態に応じて、ステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)の処理シーケンスを変更し、ホストの通信状態に適合した処理を実行する構成とすることで、サブネット間の移動時に通信が継続している場合等において、アドレス設定処理に起因する通信中断時間を最小限にすることが可能となる。
【0116】
また、ホストの通信状態((a)、(b)、(c))を判別し、判別した通信状態に応じて、ステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)の処理シーケンスを変更し、ホストの通信状態に適合した処理を実行する構成とすることで、ホストの通信状態にかかわらず、全ての待機動作を省略するという単純な方法に比べて、サブネット上でやりとりされる無駄なホストからのルータ要請(RS)やルータからのルータ通知(RA)の数を増やさずに済むことができる。
【0117】
次に、上述したホストの通信状態((a)、(b)、(c))を判別し、判別した通信状態に応じて実行するステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)の処理について、フローチャートを参照して説明する。
【0118】
まず、図9を参照して、ホストがルータ要請(RS)を送信する際の処理について説明する。
【0119】
ステップS201において、ホストがサブネット(IPv6サブネット)に接続すると、ホストは、サブネット接続後に即座に実行する通信処理があるか否かの判定処理を実行する。これは、先に図8のフローを参照して説明したプロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)とソケットバッファ(Socket Buffer)を用いた通信状態判定処理によって実行される。なお、通信状態判定処理は、この処理方法に限らず、他の処理方法が適用可能であれば、他の通信状態判定方法を適用してもよい。
【0120】
ステップS202における通信状態判定の結果、ホストの通信状態は、前述の3状態(a)、(b)、(c)のいずれかに判別される。
【0121】
まず、状態(a)の場合、すなわちPCBにセッション登録があり、ソケットバッファにデータパケットが存在し、「即座に通信を再開すべきセッションが存在する」場合は、ステップS203に進む。
【0122】
ステップS203では、ホストは、待機時間の経過を待つことなく、ルータ要請(RS)メッセージのリザーブ(Reserved)フィールドにルータ通知(RA)の即時返答要求識別データとして1(0x0001)を格納して即座に送信する。
【0123】
ステップS202の通信状態判定処理において、状態(b)と判定された場合、すなわちPCBにセッション登録があるが、ソケットバッファにデータパケットが存在せず、「即座に通信を再開する可能性のあるセッションが存在する」場合は、ステップS204に進み、待機時間の経過を待つことなく、即座にルータ要請(RS)を送信するが、ルータ要請(RS)のリザーブ(Reserved)フィールドには何も指定しない。
【0124】
ステップS202の通信状態判定処理において、状態(c)と判定された場合、すなわちPCBにセッション登録が存在せず、「即座に通信を再開すべきセッションが存在しない」場合は、ステップS205に進み、ルータ要請(RS)を送信する前にランダム時間待機する。
【0125】
ステップS206では、待機時間中にルータ通知(RA)メッセージを受信したか否かを判定し、ルータ通知(RA)メッセージを受信した場合は、ルータ要請(RS)メッセージを送信することなく、処理を終了する。
【0126】
ステップS206で、待機時間中にルータ通知(RA)メッセージを受信しなかったと判定した場合には、ステップS207において、リザーブ(Reserved)フィールドには何も指定せずにルータ要請(RS)を送信する。
【0127】
このように、本発明の構成によれば、ホストの通信状態を判別し、即座に通信を実行すべき状態、あるいはその可能性がある場合には、即座にルータ要請(RS)を送信し、即座に通信を実行すべき状態にない場合には、ルータ要請メッセージ送信時の待機時間を確保する構成としたので、ホストが即座に通信を実行すべき状態、あるいはその可能性がある場合には、短時間でステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理を行なうことが可能となる。
【0128】
また、ホストが即座に通信を実行すべき状態にない場合には、ルータ要請メッセージ送信時の待機時間を確保する構成とし、待機時間中にルータ通知(RA)メッセージを受信した場合には、予定のルータ要請(RS)メッセージ送信をキャンセルする構成としたので、全ての待機時間を省略する構成と異なり、ネットワーク上のトラフィックを緩和することが可能となる。
【0129】
次に、ルータ要請(RS)を受信したルータ側の処理について、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0130】
まず、ルータは、ステップS301において、ホストからルータ要請(RS)を受信すると、ステップS302において、受信したルータ要請(RS)のリザーブ(Reserved)フィールドを確認する。
【0131】
リザーブ(Reserved)フィールドに1(0x0001)がセットされている場合は、そのルータ要請(RS)を送信したホストが即座にルータ通知(RA)を返答してもらうことを希望していると判断し、ステップS305において、ランダムな時間待機することなく、即座にルータ通知(RA)の返答処理を実行する。この処理は、ホストが上述の状態(a)、すなわち、ホストのPCBにセッション登録があり、ソケットバッファにデータパケットが存在する場合であり、ホストは、即座に通信を再開すべきセッションを有している場合の対応処理となる。
【0132】
また、ステップS302の判定において、ルータ要請(RS)のリザーブ(Reserved)フィールドに1がセットされていない場合は、ステップS303においてランダム時間の待機を実行する。
【0133】
さらに、ステップS304において、定期的なルータ通知(RA)発送時間となり、ルータ通知(RA)が送信されたか否かを判定する。待機時間内に定期的なルータ通知(RA)発送時間となり、定期的なルータ通知(RA)が送信された場合は、ルータ要請(RS)に基づくルータ通知(RA)は送信を取りやめ(キャンセル)処理を終了する。
【0134】
待機時間内に、定期的なルータ通知(RA)発送時間とならず、定期的なルータ通知(RA)が送信されなかった場合に限り、ステップS305に進み、ルータ通知(RA)を返送する。
【0135】
この処理は、ホストが上述の状態(b)または(c)、すなわち、ホストのPCBにセッション登録があり、ソケットバッファにデータパケットが存在しない場合、または、ホストのPCBにセッション登録がない場合に対応する処理であり、ホストは、即座に通信を再開する可能性のあるセッションを有している場合、あるいは、即座に通信を再開すべきセッションが無い場合の対応処理となる。
【0136】
このように、本発明の構成によれば、ホストの通信状態が即座に通信を実行すべき状態である場合にのみ、ルータがリサーブフィールドに[1]を設定したルータ要請(RS)を受信して、待機時間を設けずに即座にルータ通知(RA)を送信する構成としたので、ホストが即座に通信を実行すべき状態である場合には、短時間でステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)を行なうことが可能となる。
【0137】
また、ホストが即座に通信を実行する可能性がある場合、または通信を実行すべき状態にない場合には、ルータがリサーブフィールドに[1]を設定しないルータ要請(RS)を受信して、ルータ通知メッセージ送信時の待機時間を確保する構成とし、待機時間中に定期的なルータ通知(RA)メッセージの送信がなされた場合には、ルータ要請(RS)に基づくルータ通知(RA)送信をキャンセルする構成としたので、全ての待機時間を省略する構成と異なり、ネットワーク上のトラフィックを緩和することが可能となる。
【0138】
次に、ルータ通知(RA)を受信したホスト側の処理について、図11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0139】
ステップS401において、ルータからのルータ通知(RA)を受信すると、ホストは、ステップS402において、受信ルータ通知(RA)に基づいてIPv6アドレスの設定、デフォルトルータの設定処理等を実行する。
【0140】
次に、ホストは、サブネット接続後に即座に実行する通信処理があるか否かの判定処理を実行する。これは、先に図8のフローを参照して説明したプロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)とソケットバッファ(Socket Buffer)を用いた通信状態判定処理によって実行される。なお、通信状態判定処理は、この処理方法に限らず、他の処理方法が適用可能であれば、他の通信状態判定方法を適用してもよい。
【0141】
なお、先に図9を参照して説明したルータ要請(RS)メッセージ送信処理の際のステップS202の判定処理結果をホスト内に保持し、その結果を適用することも可能であり、その場合はこのステップS402の通信状態判定処理は省略可能である。
【0142】
通信状態判定結果が、状態(a)の場合、すなわちPCBにセッション登録があり、ソケットバッファにデータパケットが存在し、「即座に通信を再開すべきセッションが存在する」場合、および状態(b)の場合、すなわちPCBにセッション登録があるが、ソケットバッファにデータパケットが存在せず、「即座に通信を再開する可能性のあるセッションが存在する」場合は、ステップS404に進み、ホストは、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)を省略する。
【0143】
また、通信状態判定結果が、状態(c)の場合、すなわちPCBにセッション登録が存在せず、「即座に通信を再開すべきセッションが存在しない」場合は、ホストは、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)を省略せず実行する。ただし、前述したように、設定アドレスがユニークであることが保証されている場合は、このDAD処理は省略してもよい。
【0144】
このように、本発明の構成によれば、ホストの通信状態を判別し、即座に通信を実行すべき状態、あるいはその可能性がある場合には、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)を省略する構成としたので、ホストが即座に通信を実行すべき状態、あるいはその可能性がある場合には、短時間でステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理を行ない、通信を実行することが可能となる。
【0145】
また、ホストが即座に通信を実行すべき状態にない場合でっあっても、MACアドレスを適用したIPv6アドレスを生成することで、設定アドレスがユニークであることが保証されるので、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)を省略可能となり、短時間でステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理を行ない、通信を実行することが可能となる。
【0146】
[Mobile IPv6における対応]
Mobile IPv6においては、ホストとしての移動ノードはホームアドレスおよび気付アドレス(CoA:Care of address)という2つのIPアドレスを有する。気付アドレスはノードの移動に伴って接続されているサブネットワークに対応して変化する。ホームアドレスはノードの移動に関わらず一定である。通信相手のノードは、移動するノードのホームアドレスを指定することにより移動するノードの位置、すなわち接続されているサブネットワークの位置に関わらず移動ノードとの通信が可能となる。
【0147】
この移動ノード(ホスト)との通信を可能とする処理を実行するのがMobile IPv6におけるホームエージェントである。ホームエージェントは、移動ノード(ホスト)のホームアドレスに対応するサブネットワークに接続されるエンティテイであり、通信ノードが移動したとき、移動したノードから新たな気付アドレスを含むバインディング(束縛)更新パケット(binding update packet)を受信してホームアドレス(不変)と気付アドレス(CoA:Care of Address)(可変)の対応を記憶したバインディング・キャッシュ(binding cache)を更新する。また、ホームエージェントは移動するノードのホームアドレス宛に対応する経路情報をネットワークにアナウンスする。
【0148】
前述したルータとホストにおける処理を、Mobile IPv6におけるホームエージェントと移動ノード間において実行することで、Mobile IPv6においてもアドレス設定時の処理時間を短縮することが可能となる。すなわち、移動ノードの通信状態((a),(b),(c))に応じてそれぞれの間で実行されるメッセージ送信の際の待機時間を設定したりあるいは省略することで、必要に応じて気付アドレスを用いたIPv6アドレスの処理時間を短縮することが可能となり、移動ノードが、新しいサブネットに接続してから、ホームエージェントへの気付アドレス(CoA:Care-of-Address)の登録までにかかる時間を短くすることができる。
【0149】
[ホストおよびルータの構成]
次に通信端末装置としてのホストおよびルータの構成例について、図12および図13を参照して説明する。まず、図12を参照して通信端末装置としてのホストの構成について説明する。ホストは例えば通信処理機能を持つPC、PDA、携帯通信端末等によって構成される。
【0150】
図12に、制御手段としてCPU(Central processing Unit)を備えたホスト構成例を示す。なお、図12に示す構成例は1つの例であり、ホストは、ここに示すべての機能を必ずしも備えることが要求されるものではない。
【0151】
CPU(Central processing Unit)501は、各種実行プログラム、OS(Operating System)を実行するプロセッサである。ROM(Read-Only-Memory)502は、CPU501が実行するプログラム、あるいは演算パラメータとしての固定データを格納する。RAM(Random Access Memory)503は、CPU501の処理において実行されるプログラム、およびプログラム処理において適宜変化するパラメータの格納エリア、ワーク領域として使用される。
【0152】
HDD504はハードディスクの制御を実行し、ハードディスクに対する各種データ、プログラムの格納処理および読み出し処理を実行する。バス521はPCI(Peripheral Component Internet/Interface)バス等により構成され、各モジュール、入出力インターフェース522を介した各入手力装置とのデータ転送を可能にしている。
【0153】
入力部511は、例えば、各種の入力ボタン、キーボード、ポインティングデバイスを含む入力部である。キーボードやマウス等を介して入力部511が操作された場合、あるいは、通信部513からのデータを受信した場合などにCPU501に指令が入力され、ROM(Read Only Memory)502に格納されているプログラムを実行する。出力部512は、例えばCRT、液晶ディスプレイ等であり、各種情報をテキストまたはイメージ等により表示する。
【0154】
通信部513はノード、あるいはスイッチとの通信処理を実行し、CPU501の制御の下に、各記憶部から供給されたデータ、あるいはCPU501によって処理されたデータを送信したり、他ノード、スイッチからのデータを受信する処理を実行する。
【0155】
ドライブ514は、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体515の記録再生を実行するドライブであり、各リムーバブル記録媒体515からのプログラムまたはデータ再生、リムーバブル記録媒体515に対するプログラムまたはデータ格納を実行する。
【0156】
各記憶媒体に記録されたプログラムまたはデータを読み出してCPU501において実行または処理を行なう場合は、読み出したプログラム、データは入出力インターフェース522、バス521を介して例えば接続されているRAM503に供給される。
【0157】
先に、図8を参照して説明したホストの通信状態の判定処理、図9を参照して説明したルータ要請(RS)送信処理、図11を参照して説明したルータ通知に基づくアドレス設定、さらに、ステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)処理等の各種処理プログラムは、例えばROM(Read Only Memory)502に格納されて、CPU501によって読み出されて実行される。
【0158】
次に、パケットの中継処理を実行するルータの構成について図13を参照して説明する。
【0159】
CPU(Central processing Unit)701は、各種アプリケーションプログラムや、OS(Operating System)を実際に実行する。ROM(Read-Only-Memory)702は、CPU201が実行するプログラム、あるいは演算パラメータとしての固定データを格納する。RAM(Random Access Memory)703は、CPU701の処理において実行されるプログラム、およびプログラム処理において適宜変化するパラメータの格納エリア、ワーク領域として使用される。
【0160】
ドライブ705は、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体706の記録再生を実行するドライブであり、各リムーバブル記録媒体706からのプログラムまたはデータ再生、リムーバブル記録媒体706に対するプログラムまたはデータ格納を実行する。各記憶媒体に記録されたプログラムまたはデータを読み出してCPU701において実行または処理を行なう場合は、読み出したプログラム、データはバス704を介して例えば接続されているRAM703、通信部707、通信部708に供給される。
【0161】
通信部707は上位ルータまたはインターネット接続通信部であり、CPU701のデータ処理によって生成したパケットを送信したり、インターネット、上位ルータを介してパケットを受信する処理を実行する。通信部708はサブネットに接続され、上位ルータから受信したパケットをサブネットを介して下位ルータあるいはノードに対して送信する処理を実行する。
【0162】
CPU701乃至通信部708はバス704によって相互接続され、データの転送が可能な構成となっている。
【0163】
先に、図10を参照して説明したルータにおけるルータ要請受信時のリザーブフィールド検証、および検証に基づくルータ通知(RA)の送信処理等の各種処理プログラムは、例えばROM(Read Only Memory)702に格納されて、CPU701によって読み出されて実行される。
【0164】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0165】
なお、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0166】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0167】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0168】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。
【0169】
【発明の効果】
以上、説明してきたように、本発明の構成によれば、新しいサブネットに接続時におけるホストの通信状態を判別し、即座に通信を実行すべき状態にある場合に、ステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)において実行する各種メッセージ送信の際の待機時間を省略する構成としたので、アドレスを設定し通信を開始するまでの時間が短縮され、サブネットの接続後の通信を短時間で開始または再開することが可能となる。
【0170】
さらに、本発明の構成によれば、ホストの通信状態を複数の状態中のどの状態にあるかを判別し、即座に通信を実行すべき状態にない場合には、ルータ通知、ルータ要請等のメッセージ送信時の待機時間を確保する構成とし、待機時間中にメッセージ受信あるいは定期的なメッセージ送信時間がきたときは、予定のメッセージ送信をキャンセルする構成であるので、全ての待機時間を設けない構成と異なり、ネットワーク上のトラフィックを緩和することが可能となる。
【0171】
さらに、本発明の構成によれば、ホストの通信状態が即座に通信を実行すべき状態である場合にのみ、ルータがリサーブフィールドに[1]を設定したルータ要請(RS)を受信して、待機時間を設けずに即座にルータ通知(RA)を送信する構成としたので、ホストが即座に通信を実行すべき状態である場合には、短時間でステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)を行なうことが可能となる。
【0172】
また、ホストが即座に通信を実行する可能性がある場合、または通信を実行すべき状態にない場合には、ルータがリサーブフィールドに[1]を設定しないルータ要請(RS)を受信して、ルータ通知メッセージ送信時の待機時間を確保する構成とし、待機時間中に定期的なルータ通知(RA)メッセージの送信がなされた場合には、ルータ要請(RS)に基づくルータ通知(RA)送信をキャンセルする構成としたので、全ての待機時間を省略する構成と異なり、ネットワーク上のトラフィックを緩和することが可能となる。
【0173】
さらに、本発明の構成によれば、ホストの通信状態を判別し、即座に通信を実行すべき状態、あるいはその可能性がある場合には、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)を省略する構成としたので、ホストが即座に通信を実行すべき状態、あるいはその可能性がある場合には、短時間でステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理を行ない、通信を実行することが可能となる。
【0174】
さらに、本発明の構成によれば、ホストが即座に通信を実行すべき状態にない場合であっても、MACアドレスを適用したIPv6アドレスを生成することで、設定アドレスがユニークであることが保証されるので、重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)を省略可能となり、短時間でステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理を行ない、通信を実行することが可能となる。
【0175】
さらに、本発明の構成によれば、Mobile IPv6においても気付アドレス(CoA:Care of Address)を適用したアドレス設定処理を短時間で実行可能となるので、移動ノードは、短い時間でアドレスを取得することができ、結果として、移動ノードが、新しいサブネットに接続してから、ホームエージェントへの気付アドレス(CoA:Care of Address)の登録までにかかる時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】IPv6アドレスフォーマットを示す図である。
【図2】ルータ通知(RA)メッセージフォーマットを示す図である。
【図3】ルータ要請(RS)メッセージフォーマットを示す図である。
【図4】近隣要請(NS)メッセージフォーマットを示す図である。
【図5】近隣通知(NA)メッセージフォーマットを示す図である。
【図6】本発明の構成を適用した処理の実行可能なネットワーク構成例を示す図である。
【図7】プロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)とソケットバッファ(Socket Buffer)の構成例を示す図である。
【図8】ホストの通信状態判定処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図9】ホストのルータ要請(RS)送信処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図10】ルータのルータ通知(RA)送信処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図11】ホストのルータ通知(RA)受信に基づく処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図12】ホストの構成例を示すブロック図である。
【図13】ルータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 インターネット
102 ルータ(IPv6ルータ)
103 サブネット(IPv6サブネット)
104 ホスト(IPv6ホスト)
211,221,231 TCP用PCB
241,251,261 UDP用PCB
212,222,232 送信用ソケットバッファ
213,223,233 受信用ソケットバッファ
242,252,262 送信用ソケットバッファ
243,253,263 受信用ソケットバッファ
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 HDD
511 入力部
512 出力部
513 通信部
514 ドライブ
515 リムーバブル記憶媒体
521 バス
522 入出力インターフェース
701 CPU
702 ROM
703 RAM
704 バス
705 ドライブ
706 リムーバブル記憶媒体
707,708 通信部

Claims (15)

  1. ネットワークを介したデータ通信を実行する通信端末装置において、
    通信端末装置自身のアドレス設定処理を実行する制御手段を有し、
    前記制御手段は、
    通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理を実行するとともに、該通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行するネットワークを介したメッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定し、該決定結果に基づいて、待機時間を省略したメッセージ送信、あるいは待機時間経過後のメッセージ送信処理のいずれかを実行する構成を有し、
    前記制御手段は、
    前記メッセージが、ネットワーク上に接続されたルータに対するルータ要請(RS)メッセージである場合、
    前記通信ステータスの判断結果に基づいて、前記ルータ要請(RS)メッセージに対して実行されるルータからのルータ通知(RA)メッセージの送信処理を待機時間なしで実行すべきか否かの識別データを前記ルータ要請(RS)メッセージに格納する処理を実行する構成であることを特徴とする通信端末装置。
  2. 前記メッセージが、ネットワーク上に接続されたルータに対するルータ要請(RS)メッセージである場合、
    前記制御手段は、
    通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断結果に基づいて、前記ルータ要請(RS)メッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行する重複アドレス検出処理を省略するか否かを決定し、該決定結果に基づいてアドレス設定処理を実行する構成を有することを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
  4. 前記アドレス設定処理は、インターネットプロトコルとしてのIPv6において実行するステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理であり、前記重複アドレス検出処理は、その一処理としての重複アドレス検出(DAD:Duplicated Address Detection)処理であることを特徴とする請求項3に記載の通信端末装置。
  5. 前記制御手段は、
    通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理として、
    該通信端末装置が、
    (a)即座に実行すべき通信セッションが存在する状態、
    (b)即座に通信を実行する可能性のあるセッションが存在する状態、
    (c)即座に実行すべき通信セッションが存在しない状態、
    のいずれの状態にあるかを判断する処理を実行し、該判断結果に基づいて、自己のアドレス設定処理時の処理シーケンスを変更して実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
  6. 前記制御手段は、
    前記3状態(a)、(b)、(c)の判別処理を、各通信セッションに対応したプロトコル・コントロールブロック(PCB:Protocol Control Block)の登録セッション状況、およびソケットバッファ(Socket Buffer)の格納データパケット状況に基づいて行なう構成であることを特徴とする請求項5に記載の通信端末装置。
  7. 前記アドレス設定処理は、インターネットプロトコルとしてのIPv6において実行するステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理であることを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
  8. 前記アドレス設定処理は、インターネットプロトコルとしてのIPv6において実行するステートレス・アドレス自動設定(Stateless Address Auto Configuration)処理であり、
    前記制御手段は、
    自通信端末装置に設定されたMACアドレスをIPv6アドレスにおけるインターフェースIDとして設定する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
  9. ネットワーク上に接続された通信中継装置であり、
    通信処理を実行する通信端末装置からのルータ要請(RS)メッセージを受信し、
    該受信ルータ要請(RS)メッセージの格納データに基づいて、
    該受信ルータ要請(RS)メッセージに対応する応答メッセージとしてのルータ通知(RA)メッセージを待機時間を省略して送信するか、または待機時間の後に送信するかを決定し、該決定結果に基づいてルータ通知(RA)メッセージの送信処理を実行する構成を有することを特徴とする通信中継装置。
  10. ネットワークを介したデータ通信を実行する通信端末装置と、前記ネットワーク上に接続された通信中継装置とを有する通信処理システムにおいて、
    前記通信端末装置は、
    通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理を実行するとともに、該通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行するネットワークを介した前記通信中継装置に対するルータ要請(RS)メッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定し、該決定結果に基づいて待機時間を省略したルータ要請(RS)メッセージ送信、あるいは待機時間経過後のルータ要請(RS)メッセージ送信処理のいずれかを実行する構成を有し、
    前記通信中継装置は、
    前記通信端末装置からのルータ要請(RS)メッセージを受信し、
    該受信ルータ要請(RS)メッセージの格納データに基づいて、
    該受信ルータ要請(RS)メッセージに対応する応答メッセージとしてのルータ通知(RA)メッセージを、待機時間を省略して送信するか、または待機時間の後に送信するかを決定し、該決定結果に基づいてルータ通知(RA)メッセージの送信処理を実行する構成を有することを特徴とする通信処理システム。
  11. ネットワークを介したデータ通信を実行する通信端末装置におけるアドレス設定処理方法であり、
    通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理を実行する通信ステータス判断処理ステップと、
    前記通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行するネットワークを介したメッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定する待機時間処理決定ステップと、
    前記待機時間処理決定結果に基づいて、待機時間を省略したメッセージ送信、あるいは待機時間経過後のメッセージ送信処理のいずれかを実行するメッセージ送信ステップと、
    前記メッセージが、ネットワーク上に接続されたルータに対するルータ要請(RS)メッセージである場合、前記通信ステータスの判断結果に基づいて、前記ルータ要請(RS)メッセージに対して実行されるルータからのルータ通知(RA)メッセージの送信処理を待機時間なしで実行すべきか否かの識別データを前記ルータ要請(RS)メッセージに格納する処理を実行するステップを有することを特徴とするアドレス設定処理方法。
  12. ネットワーク上に接続された通信中継装置におけるデータ処理方法であり、
    通信処理を実行する通信端末装置からのルータ要請(RS)メッセージを受信するステップと、
    該受信ルータ要請(RS)メッセージの格納データに基づいて、該受信ルータ要請(RS)メッセージに対応する応答メッセージとしてのルータ通知(RA)メッセージを待機時間を省略して送信するか、または待機時間の後に送信するかを決定するステップと、
    該決定結果に基づいてルータ通知(RA)メッセージの送信処理を実行するステップと、
    を有することを特徴とするデータ処理方法。
  13. ネットワークを介したデータ通信を実行する通信端末装置と、前記ネットワーク上に接続された通信中継装置とを有する通信処理システムにおける通信端末装置アドレス設定処理方法であり、
    前記通信端末装置において、
    通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理を実行するとともに、該通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行するネットワークを介した前記通信中継装置に対するルータ要請(RS)メッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定し、該決定結果に基づいてルータ要請(RS)メッセージの送信処理を実行し、
    前記通信中継装置において、
    前記通信端末装置からのルータ要請(RS)メッセージを受信し、
    該受信ルータ要請(RS)メッセージの格納データに基づいて、該受信ルータ要請(RS)メッセージに対応する応答メッセージとしてのルータ通知(RA)メッセージを、待機時間を省略して送信するか、または待機時間の後に送信するかを決定し、該決定結果に基づいてルータ通知(RA)メッセージの送信処理を実行することを特徴とする通信端末装置アドレス設定処理方法。
  14. ネットワークを介したデータ通信を実行する通信端末装置におけるアドレス設定処理をコンピュータ・システム上で実行するために記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    通信端末装置のサブネット接続時における自己の通信ステータス判断処理を実行する通信ステータス判断処理ステップと、
    前記通信ステータスの判断結果に基づいて、アドレス設定処理プロセスとして実行するネットワークを介したメッセージ送信前の待機処理を省略するか否かを決定する待機時間処理決定ステップと、
    前記待機時間処理決定結果に基づいて、待機時間を省略したメッセージ送信、あるいは待機時間経過後のメッセージ送信処理のいずれかを実行するメッセージ送信ステップと、
    前記メッセージが、ネットワーク上に接続されたルータに対するルータ要請(RS)メッセージである場合、前記通信ステータスの判断結果に基づいて、前記ルータ要請(RS)メッセージに対して実行されるルータからのルータ通知(RA)メッセージの送信処理を待機時間なしで実行すべきか否かの識別データを前記ルータ要請(RS)メッセージに格納する処理を実行するステップを有することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  15. ネットワーク上に接続された通信中継装置におけるデータ処理をコンピュータ・システム上で実行するために記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    通信処理を実行する通信端末装置からのルータ要請(RS)メッセージを受信するステップと、
    該受信ルータ要請(RS)メッセージの格納データに基づいて、該受信ルータ要請(RS)メッセージに対応する応答メッセージとしてのルータ通知(RA)メッセージを待機時間を省略して送信するか、または待機時間の後に送信するかを決定するステップと、
    該決定結果に基づいてルータ通知(RA)メッセージの送信処理を実行するステップと、
    を有することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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