JP3997071B2 - 帯電を防止されたポリマー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電を防止されたポリマー組成物に関する。
さらに、本発明は、無機塩水和物の潮解性を利用して帯電を防止されたポリマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリマーの帯電の問題は、身近な問題であるにもかかわらず、解決の難しい問題である。特に最近、急速な電気、電子機器の発達と普及(例えば、携帯電話、パソコンなど)にともない、静電気の影響が重要な問題とされ、その有効な解決手段が望まれている。
【0003】
従来、ポリマーの帯電防止には大別して三つの方法が知られている。すなわち、(1) ポリマ−表面に帯電防止剤を塗布又はコーティングする方法、(2) ポリマー中に帯電防止剤を混練する方法又は (3)ポリマー自体に帯電防止性を持たせる方法である。
上記 (1)の方法は、コーティング直後には効果が発揮されるが、時間の経過とともに剥離や消耗によって効果が低下する問題がある。上記(2) の方法では、ポリマーの中に混練するために (1)のような問題はないが、ポリマーと帯電防止剤との相性の問題がある。例えば、添加により基材ポリマーの性質を大きく損なわれないことが必要である。
また、帯電防止剤がポリマー中に均一に分散し、時間とともに適切なプリーディングによって表面に移動し、長期にわたって効果を発揮することが必要であるが、このためには、ポリマーの種類と使用条件によって適切な帯電防止剤を選ぶことが必要である。上記(3) の方法は、現在、開発途上にあると考えられ、いくつかの優れた材料が開発されてはいるものの、性能及び価格面で未だ満足できる状態ではない。
【0004】
上記(1) 及び(2) の方法では、帯電防止剤としては主に界面活性剤が用いられており、現在、使用されている界面活性剤は、カチオン系、アニオン系、非イオン系に大別されるが、その数は 400種にも及ぶ。しかし、これらは全て有機化合物であり、本発明におけるような無機化合物を帯電防止剤として利用する先行技術は未だ知られていない。
【0005】
また、現在、界面活性剤として用いられている化合物のほとんどは化学合成によって製造されるものであるが、化学合成による製造は、一般にかなり複雑なものであり、必然的に界面活性剤の価格は高くなり、結果として帯電防止されたポリマー製品のコストアップの原因となる。本発明は、ポリマー製品の帯電防止に要する大幅なコストダウンを目指すものである。
【0006】
従来の帯電防止の技術では、基材の外観 (色、透明性など)、物性 (軟らかさ、弾力性など) を大きく変えないで、ポリマーの表面抵抗率を 107Ω以下に下げることはかなり困難である。特殊なポリマーを用いるか、又はカーボンを多量に混合するなどの方法がとられるが、いずれによっても、透明性、軟らかさ、弾力性、外観などを確保することは困難であった。
【0007】
本発明は、上記三つの方法のうち、(2)の方法、すなわち混練法に相当するものの改良にかかるものであるが、この方法において、従来、主に用いられている界面活性剤については、最近、特にその安全性が問題になっている。特に、環境ホルモン(内分泌攪乱物質)の問題であり、この(2)の方法で使用する界面活性剤は、先に述べたように、複雑な化学構造を持っているために、このような安全面での問題が指摘されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述する従来の課題を解決するものであって、課題解決のために、従来用いられることのなかった無機化合物の使用によって、基材ポリマー特有の色、透明性、軟らかさ、弾力性等を保ち、しかも表面抵抗 107Ω以下で、安全性に問題のないポリマー組成物を経済的に提供することが可能となった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明における新規の帯電を防止されたポリマー組成物は、基本的に以下の構成からなる。
(1)潮解性を有する無水無機塩又は潮解性を有する無機塩水和物が、基材ポリマーを溶解した状態で含有する水又は実質的に水を含む溶液に溶解した状態でポリマーに添加されてなることを特徴とする帯電を防止されたポリマー組成物。
(2)潮解性を有する無水無機塩又は潮解性を有する無機塩水和物が、基材ポリマーをエマルジョンの状態で含有する水又は実質的に水を含む溶液に溶解した状態でポリマーに添加されてなることを特徴とする帯電を防止されたポリマー組成物。
(3)潮解性を有する無水無機塩又は潮解性を有する無機塩水和物を、基材ポリマーを溶解した状態で含有する水もしくは実質的に水を含む溶液又は基材ポリマーをエマルジョンの状態で含有する水又は実質的に水を含む溶液に添加して帯電を防止されたポリマー組成物を製造する方法。
(4)上記潮解性を有する無水無機塩又は無機塩水和物が、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムから選ばれた無機塩又はこれらの無機塩の水和物である上記(1)又は(2)の帯電を防止されたポリマー組成物。
(5)基材ポリマーに対する上記潮解性を有する無水無機塩又は上記潮解性を有する無機塩水和物の添加量が、基材ポリマー100 重量部に対して1〜50重量部である上記(1)〜(4)のいずれかの帯電を防止されたポリマー組成物。
【0010】
無機塩の潮解性を利用してポリマー製品の帯電を防止する課題の下に、本発明者らは、鋭意研究の結果、帯電防止を目的とする基材ポリマーに対して、潮解性を有する無水無機塩又は潮解性を有する無機塩水和物が水又は実質的に水を含む溶液に溶解した状態で添加すると、ポリマー基材がもともと有する色、透明性、軟らかさ、弾力性などをほとんど損なうことなく添加できること、さらには、その帯電防止性も驚くほど高いという事実を見出した。
【0011】
このときの実際の添加形態としては、(A) 基材ポリマーが水又は実質的に水を含む溶液に溶けた状態にあり、添加される塩又は塩水和物がこの溶液に溶解する場合、(B) 基材ポリマーが水 又は実質的に水を含む溶液中にエマルジョンとして存在し、添加する塩又は塩水和物がこの水 又は実質的に水を含む溶液に溶解する場合があるが、いずれの場合にも、外観、軟らかさ、弾力性などをほとんど損なうことなく、かつ非常に高い帯電防止性を発揮することがわかった。
【0012】
上記(A)の基材ポリマーが、水又は実質的に水を含む溶液に溶けた状態にある例としては、ポリビニールアルコール(PVA)類、アクリル酸エステル類ポリマー、セルロース類、メチルセルロース類、カルボキシメチルセルロース(CMC)類、アクリルアマイド類などが、水又はアルコール水溶液などに溶けた状態が例示される。また、上記(B)の基材ポリマーが水中にエマルジョンとして存在する例としては、ポリ酢酸ビニール類、エチレン/酢酸ビニール系ポリマー類、PVA/酢酸ビニール系ポリマー類、スチレン/アクリル系ポリマー及びその架橋型、アクリル酸エステル類ポリマー、酢酸ビニール/アクリル系ポリマー類、エチレン/酢酸ビニール/アクリル系ポリマー類、アクリル/ウレタン系ポリマー類、塩素化ポリオレフィン類、アクリル/シリコン系ポリマー類、ポリアミド類、変性アマイド系ポリマー類などが例示されるが、基材の種類に限定されることはなく、ポリマーが水に溶けた状態又は水系エマルジョンの状態にあれば良い。さらに、上記(B)に属するものとして、ゴムラテックス類、各種ラテックス類、パルプ液類(カユ状のパルプを含む)等の紙製造原料液なども含まれる。
【0013】
一般には、上記(A) の基材ポリマーを水又は水を実質的に含む溶液に溶解したものを水溶性ポリマーと呼び、(B) の基材ポリマーを水又は水を実質的に含む溶液中にエマルジョンとして含有するものを水系エマルジョンと呼ぶ。水系ディスパージョンと呼ばれる系があるが、これも水系エマルジョンに含まれるものとする。水を実質的に含む溶液とは、例えば、水にアルコール類などを加えたものを指す。
【0014】
上記 (A) 及び (B) の場合、無水無機塩を基材ポリマーに加えると、無水無機塩は無機塩水和物に変化するので、ポリマー中では水和物として存在する。すなわち、本発明の実施形態としては、添加された塩又は塩水和物が水に溶解し、水和物としてポリマーに取り込まれる形である。
本発明では、得られた溶液又はエマルジョンから溶媒を蒸発させて固形物を得ることを特徴とするが、その際、塩水和物はポリマー中に均一に取り込まれる。
しかし、ポリマー分子間にどのような形で取り込まれるのか、詳細は不明である。添加後のポリマーの状態及び帯電防止効果において、(A) 及び(B) の両者の間では、ほとんど差は見られない。
【0015】
上記(A)及び(B)のポリマーの使用形態としては、これらのポリマー自体を種々の形状に加工して使用することができるが、他の物質の表面に塗布あるいはコーティングして使用することも可能である。
【0016】
本発明に使用される無機塩水和物は潮解性を有していることが必要条件であるが、上記(A) 又は(B) の状態を作り得るような無機塩水和物であれば、使用可能である。しかし、帯電防止効果、ポリマー基材の外観、物性を変化させないこと、安全性、価格、入手の容易さなどからみて、最も好ましい塩として、CaCl2, MgCl2、AlCl3、Ca(NO3)2, Mg(NO3)2、Al(NO3)3、Na2CO3、Na2SiO3、NaH2PO4であり、水和物としては、それらの水和物であるCaCl26H2O, MgCl26H2O, AlCl39H2O、Ca(NO3)24H2O、Mg(NO3)26H2O、Al(NO3)39H2O、Na2CO310H2O, Na2SiO3nH2O,NaH2PO42H20(又は1H2O)、Na2HPO412H20である。
また、上記無水無機塩又は無機塩水和物の二種以上を混ぜて使用することも可能である。
【0017】
これらの無水無機塩又は無機塩水和物を添加するのは、普通は常温でよいが、溶解速度を早めるために多少加熱することは差し支えない。しかし、この場合でも、加熱は50℃以下で十分である。
【0018】
これらの無水無機塩又は無機塩水和物の添加量は、目的とする帯電防止効果によるが、基材ポリマー100 重量部に対し、水和物換算で 0.5〜100 重量部、好ましくは 1〜50重量部である。例えば、表面抵抗107Ω程度のポリマーを得ようとする場合、 1〜25重量部で十分である。無水無機塩又は無機塩水和物の添加量は、目的とする帯電防止効果の程度によって、適宜、決定される。
【0019】
本発明において、無水無機塩又は無機塩水和物を添加するにあたり、特別な設備は必要としない、上記(A) 又は(B) のいずれの場合にも、例えば、製品タンクに、これらの塩又は塩水和物を投入し、撹拌等により溶解させればよい。
【0020】
また、本発明を実施することにより、経済性が大幅に改善される。何故ならば、本発明に使用する無水無機塩又は無機塩水和物は安価で、容易に入手可能であり、その増量効果を考慮すると、経済的効果は著しい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下の実施例によって、本発明における実施形態、奏せられる効果を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0022】
【実施例1】
基材ポリマーの酢酸ビニール/ポリビニールアルコール/水系接着剤原液(水溶性ポリマー)について、CaCl2 、MgCl2 又はAlCl3 の帯電防止効果をみた。
上記基材ポリマーに表1の無水無機塩を常温で混ぜ、十分撹拌した後、ガラス製シャーレに流し込み、厚さ1mmのシートを形成する。十分乾燥した後、シートを剥がし、得られたシートの表面抵抗率、帯電圧、半減期及び摩擦帯電量を測定した(JIS L1094による) 。ブランクとして、これらの塩を添加しないサンプルも同じ方法で作成し、同様の測定を行い、比較した。
なお、測定は、20℃、相対温度20%で行い、帯電圧、半減期測定の際の印加電圧は10KVである。
結果を表1に示す。
サンプルの状態は、ブランクと比較して、着色、軟らかさ、透明性、弾力性等に大きな変化はない。
【0023】
【表1】
【0024】
【実施例2】
実施例1と同じ基材ポリマーを用いて同様の試験を行ったが、実施例2では、添加した塩を塩化物から硝酸塩に変えた。
すなわち、 表2に示すCa(NO3)2 又はMg(NO3)2、Al(NO3)3を用いた。
結果を表2に示した。
【0025】
【表2】
【0026】
【実施例3】
先の実施例1及び2においては、水溶性ポリマーに対して潮解性を有する無水無機塩を添加したが、本実施例では、実施例1及び2と同じポリマーに対して表3の水和物を添加した。
サンプルの作成方法、測定方法、測定条件は、実施例1及び2と同じである。
結果を表3に示す。
添加後のサンプルの状態は、ブランクとほとんど変わらなかった。
【0027】
【表3】
【0028】
【実施例4】
実施例3と同様の試験を行ったが、本実施例では、添加した塩として塩化物水和物から硝酸塩水和物に変えた。
すなわち、表4に示すCa(NO3)24H2O、Mg(NO3)26H2O又はAl(NO3)39H2Oを添加した。
結果を表4に示した。
【0029】
【表4】
【0032】
【実施例6】
エチレン/酢酸ビニール系ポリマーの水性エマルジョンについて、CaCl2, MgCl2, AlCl3 及びその水和物である CaCl26H2O, MgCl26H2O又はAlCl39H2Oの帯電防止効果を見た。
上記基材ポリマーに対して表中の塩又はその塩水和物を常温で混ぜ、十分撹拌した後、テフロン基板上に流し入れ、アプリケーターにより厚さ0.03mmの膜を形成する。十分常温で乾燥した後、この膜を基板から剥がし、この膜について、表面抵抗率、帯電圧及び半減期を測定した(JIS L1094による) 。
測定は、20℃、相対湿度20%で行い、帯電量、半減期測定のための印加電圧は10KVである。
ブランクとして、これらの塩又は塩水和物を添加しないサンプルも同じ方法で作成し、比較した。
結果を表6に示す。
添加後のサンプルの状態は、ブランクと比較してほとんど変化はなかった。
【0033】
【表6】
【0034】
【実施例7】
スチレン/アクリル系ポリマーの水性エマルジョンについて、表7に示すCa(NO3)24H2O、Mg(NO3)2H2O、Al(NO3)39H2O、Na2CO310H2O 又はNa2SiO310H2Oの帯電防止効果を見た。
サンプルの作成方法は、実施例6と同様に行い、厚さ0.03mmの膜を作成し、表面抵抗率、帯電量及び半減期を測定した。測定条件も実施例6と同じである。
結果を表7に示す。
なお、添加後のサンプルの状態は、ブランクとほとんどかわらなかった。
【0035】
【表7】
【0036】
【実施例8】
エチレン/酢酸ビニール系ポリマーの水性エマルジョンについて、実施例7で添加した塩水水和物に相当する表8に示す無水無機塩を添加し、その帯電防止効果を調べた。サンプルの作成方法、測定方法、測定条件は実施例7と同じである。
結果を表8に示す。
添加後のサンプルの状態は、実施例7とまったく変わらなかった。
【0037】
【表8】
【0038】
【実施例9】
スチレン/アクリル酸エステル共重合樹脂(水系エマルジョン、不揮発分50%)に対して、表9に示すNa2HPO412H2O又はNaH2PO42H2Oを添加し、その帯電防止効果をみた。
サンプルの作成方法は、実施例6〜8と同様に行い、厚さ0.03mmの膜を作成し、表面抵抗率、帯電量、半減期及び摩擦帯電量を測定した。
測定条件は、実施例6と同じである。
結果を表9に示す。
なお、添加後のポリマーの状態、外観はブランクとほとんど変らなかった。
【0039】
【表9】
【0040】
【実施例10】
市販されているコピー用紙(A-4サイズ)に、PVA(ポリビニールアルコール)水溶液(PVA20wt%、水80wt%)に対し、2wt%のMg(NO3)26H2Oを添加したものを塗布した後、常温で十分乾燥した。塗膜の厚さは約0.01mmであった。
この紙の帯電性を測定し、Mg(NO3)26H2Oを含まない水溶液を同じ条件で塗布したもの(ブランク)と比較した。
結果を表10に示す。
【0041】
【表10】
【0042】
【結果の評価】
イ.基材ポリマー水溶液の状態又は水系エマルジョンの状態にあるとき、潮解性を有する無機塩水和物の帯電防止効果は明らかであり、顕著である。
すなわち、ポリマー製品の表面抵抗率を107Ω程度に容易に下げることができる。この作用効果は、適切なポリマーと塩の組み合わせによっては104Ωのオーダーに下げることも可能である。
ロ.上記の状態になるとき、無水無機塩を添加しても、塩水和物を添加しても同等の効果が得られる。これは、無水無機塩が水和物に変化し、ポリマー中に取り込まれた結果と考えられる。
ハ.上記無機塩又は無機塩水和物の添加によって、ポリマーの外観 (色、透明性) 、軟らかさ、弾力性などはほとんど変わらない。
ニ.基材が、水溶液の状態にあっても、水系エマルジョンの状態にあっても、添加効果に重大な差はない。
ホ.Na2CO310H2O 又は Na2SiO310H2O の帯電防止効果は、Ca、Mg、Alの塩化物又は硝酸塩の水和物に比べてやや小さいが、その効果は明らかである。また、ある種の塩とポリマーの組み合せによっては、帯電防止効果をさらに改善することができる。
ヘ.本実施例の範囲においては、基材の化学構造とはほとんど関係なく効果が発揮される。
ト.これらの潮解性を有する塩水和物がポリマー中に取り込まれることによって、ポリマ−基材が本来有する外観 (色、透明性) 、軟らかさ、弾力性などをほとんど損なうことなく、表面抵抗率107Ω以下のポリマーを得ることができる。
チ.一般に用いられている紙の表面に潮解性を有する無機塩水和物を含んだポリマーを塗布することにより、顕著な耐電防止性が発揮される。
【0043】
【発明の効果】
従来、無機系化合物の添加によってポリマー本来の性質を失うことなく、表面抵抗率107Ω以下のポリマーを得ることは困難であり、コストアップを余儀なくされたが、本発明では、基材の外観、軟らかさ、弾力性などを失うことなく、経済的にポリマー帯電を防止する効果は顕著である。
また、本発明で用いられる無機塩類は極めて経済性が高く、これら塩類の添加には特別な設備も必要とせず、操作も極めて簡単である。本発明で得られるポリマー組成物は、静電気を嫌う多くの場所で使用可能な帯電防止されたポリマーを経済的に提供できる。
Claims (2)
- 塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムから選ばれた無機塩又はこれらの無機塩の水和物から選ばれた潮解性を有する無水無機塩又は潮解性を有する無機塩水和物を、(A)ポリビニールアルコール(PVA) 類、セルロース類、メチルセルロース類、カルボキシメチルセルロース(CMC) 類から選ばれた水溶性基材ポリマーを溶解した状態で含む水溶液又は(B) ポリ酢酸ビニール類、エチレン/酢酸ビニール系ポリマー類、PVA/酢酸ビニール系ポリマー類、スチレン/アクリル系ポリマー及びその架橋型、アクリル酸エステル類ポリマー、酢酸ビニール/アクリル系ポリマー類、エチレン/酢酸ビニール/アクリル系ポリマー類、塩素化ポリオレフィン類、ポリアミド類、から選ばれた基材ポリマーのエマルジョンに添加し、水を蒸発させて上記無水無機塩又は無機塩水和物と上記基材ポリマーからなる帯電を防止されたポリマー組成物を製造する方法。
- 上記潮解性を有する無水無機塩又は潮解性を有する無機塩水和物の添加量が、基材ポリマ−100 重量部に対して1〜50重量部であることを特徴とする請求項1に記載の帯電を防止されたポリマー組成物を製造する方法。
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