JP3994864B2 - 光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法及びその装置 - Google Patents

光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法及び製造装置、特にOH基の光吸収による伝送損失を低減することのできる光ファイバ母材の製造方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ母材等の製造方法においてよく知られているいわゆるコラップス法は、ガラスパイプを加熱、中実化することで光ファイバプリフォーム又はプリフォーム中間体を得る方法である。一般的にはガラスパイプ内を大気圧よりも低い減圧下とする。この場合、該ガラスパイプ中にガラスロッドを挿入して一体化してもよい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記のコラップス法は、例えば塩素といったガラスパイプ内の水分や金属等の不純物を除去することのできるガスを一種類若しくは混合して、例えば酸素と塩素、不活性ガスと塩素等のガス又はこれらのガスを含む混合ガスをガラスパイプ内に導入しながらコラップスを実施するのが望ましい。しかし、一般的には、減圧下での実施であるため、大気の巻き込みによってガラスパイプ内に水分等の不純物が混入してしまい、伝送損失が増加するという問題がある。これは「2SiO2 +H → SiOH+1/2 O2 」あるいは「GeO2 +H → GeOH+1/2 O2 」といった反応によってOH基が生成され、その結果、波長1.4μm帯においてOH基が光を吸収することによる伝送損失が発生してしまうためである。
特に、横型のコラップスにおいてはガラスパイプと配管部とを接続する継手部は、コラップス時には、パイプは回転するが配管部は回転してはならないので、いわゆる回転継手(ロータリージョイント)を用いる。従って、この回転継手部分はその気密性を保つのが困難である為この部分から大気の巻き込みが多く、これが光ファイバ製造の際に大きな問題となる。
【0004】
本発明の目的は、前記従来技術の問題を解消し、コラップス界面におけるOH基の生成量を減らすことでOH基の光吸収による伝送損失(OH基による吸収損失ともいう)を低くし、信号伝送帯域を短波長域側にも広く保つことができたり、ラマン増幅の媒体として用いる際、ラマン増幅の効率を大きくしたりすることのできる光ファイバを製造するための光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法及びその装置を提供することである。
本明細書において光ファイバ母材とは、線引きして光ファイバとするガラス部材、光ファイバ中間母材とは、その外側に更にガラス層を付加した後線引きして光ファイバとするガラス部材をいう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の目的は、下記のように要約された各発明によって達成されることができる。
(1)加熱によってガラスパイプを中実化、またはガラスパイプと該ガラスパイプ内に挿入されたガラスロッドを一体化するコラップス法による光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法において、各々別個の配管系統で構成されたガス供給口とガス排気口とを有し、前記ガス供給口を構成するガス供給用の配管と前記ガス排気口を構成するガス排気用の配管とは、前記ガス供給用の配管を内側に、前記ガス排気用の配管を外側に配置した二重構造をなし、前記ガス供給口の先端部を大気巻き込みの可能性のある位置よりもコラップスの界面に近い位置としたガラスパイプ接続部を、前記ガラスパイプ内の一端もしくは両端部に設け、前記ガラスパイプ内に前記ガス供給口からプロセスガスを導入するとともに、前記ガラスパイプ内のガスを前記ガス排気口から排気しながらコラップス法を実施することを特徴とする光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
(2)前記ガラスパイプまたは前記ガラスパイプ及びガラスロッドを回転させながらコラップス法を実施することを特徴とする、上記(1)記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
(3)前記プロセスガスが不活性ガス、ハロゲン元素を含むガス及び酸素ガスからなる群より選ばれる1種以上からなる又は前記1種以上を含有するガスであることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
(4)前記プロセスガス中の水素分子もしくは水素元素を含む化合物の濃度が100ppm以下であることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
(5)前記ガラスパイプ内の真空度を絶対圧力で10kPa以下とすることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
(6)前記ガラスパイプ内の圧力が外気圧より大きく、その圧力差が+1kPa以下であることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
【0007】
)前記ガラスパイプ、またはガラスパイプ及びガラスロッドを縦型に配置し、前記プロセスガスが空気の比重よりも大きいときには、前記ガラスパイプの下方から上方に向かってコラップスを実施することを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
)前記ガラスパイプ、またはガラスパイプ及びガラスロッドを縦型に配置し、前記プロセスガスが空気の比重よりも小さいときには、前記ガラスパイプの上方から下方に向かってコラップスを実施することを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
【0008】
)回転可能なガラスパイプを中実化、または回転可能なガラスパイプとガラスパイプ内に挿入されたガラスロッドとを一体化する光ファイバ母材の製造装置において、前記ガラスパイプを回転可能に把持することができるガラスパイプ把持部と、前記ガラスパイプまたは前記ガラスパイプとガラスロッドを加熱する加熱源と、前記ガラスパイプの一端もしくは両端に取り付けられ、それぞれ別個のガス供給口先端部とガス排気口先端部を含むガラスパイプ接続部と、前記ガラスパイプ接続部を介して前記ガラスパイプにガスを導入する手段(ガス供給系統)と、前記ガラスパイプ接続部を介して前記ガラスパイプからガスを排気する手段(ガス排気系統)とを少なくとも有し、前記ガラスパイプ接続部は、回転可能な前記ガラスパイプと、回転しないガス供給系統及びガス排気系統とを接続するロータリージョイントを含み、前記ガラスパイプ接続部の内側にガス供給系統に接続される配管が配置され、前記配管を囲んで、他方にロータリージョイントを介してガス排気系統に接続される配管が配置されていることを特徴とする光ファイバ母材の製造装置。
10)前記ガラスパイプ接続部の外側に、該ガラスパイプ接続部を覆うカバーと、前記カバーの内部にガスを供給する手段とを有することを特徴とする上記()記載の光ファイバ母材の製造装置。
【0009】
まず、従来法について説明する。
横型のガラス旋盤を用いて、コラップス法により例えば、石英ガラスロッドとガラスパイプとを一体化して光ファイバ用母材を製造する場合に、従来は図9に示されるような装置で行われていた。すなわち、ガラスパイプ1にガラスロッド2を挿入し、回転させながら、矢印方向に移動する熱源3により加熱してコラップスし一体化させている。この際、ガラスパイプ1の両端は把持部4により把持され同期回転する。把持部4は回転チャックを有し、ガラスパイプ1は継手6を介して配管部9に接続されている。
ここでプロセスガス、例えば塩素(Cl2 )ガスのような脱不純物性、脱遷移金属性ガス等の供給、排気はそれぞれガス供給部10及びガス排気部11により行う。ガラスパイプ接続部5は、ガス供給口8(ガス排気口と共通)を有する配管部9によりガス供給系統10(流量計、圧力計、流量制御、切換バルブ、フィルター等)及びガス排気部11(流量計、圧力計、切換バルブ、除害装置等)を連結する。
【0010】
図9の装置による従来法ではコラップス中に大気を巻き込みOH基等の不純物が混入してしまうという欠点が生じるが、それは次の理由による:
【0011】
(ア)ガラスパイプ1と継手6との接続は、ガラスパイプ1の径が通常パイプ毎に若干異なるため完全な気密の確保は実現困難であり、そのためコラップス中に大気を巻き込み易い。ここで大気が巻き込まれるとガラスパイプ1内に水分が混入して問題となる。
(イ)継手6の回転部は、密封はしているが、「回転させつつ気密を確保する」という相反した目的を実現するため、大気を巻き込む可能性が極めて高いという問題を有する。
(ウ)継手7と配管部9との接合部分からも同様に大気が巻き込まれる。
(エ)配管部9の系統においては、ガス供給口8からプロセスガス(例えばCl2 ガス等)を供給するが、ガラスパイプ1に到達する前にガス排気部11から排気されてしまい、前記プロセスガスの濃度が低下してしまう。
【0012】
前記(ア)〜(ウ)のいずれかで大気を巻き込むと上記の理由からガラスパイプ1内の大気濃度が高くなる。このことは、大気中に含まれる水素分子(H2 )やH2 O等の水素元素(H)を含む化合物のガラスパイプ内濃度が高くなることを意味し、コラップス界面でOH基が発生してしまうという問題を生じる。またプロセスガスがCl2 の場合には大気巻き込みによりCl2 濃度が低下し、Cl2 の脱水効果が得られずコラップス界面に水分が残留し、やはりOH基発生の問題を生じる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は前記の従来法の欠点を解決するために開発されたものである。
本発明の実施の形態を図1及び図2に沿って具体的に説明する。図1及び図2は本発明において用いられる光ファイバ母材の製造装置の軸線に沿った部分縦断面図で、ガラスパイプ1を保持したガラスパイプ接続部5を模式的に示している。
【0014】
ガラスパイプ接続部(継手部)5の構成が本発明の重要な特徴であり、ガラスパイプ1内に脱不純物性ガス、例えばCl2 ガス等をプロセスガスとして供給かつ排気するために内筒13及び外筒14を二重筒にした点にある〔前記発明(1)〕。すなわち、内筒13の端部に設けられたガス供給口8の先端部8′からガラスパイプ端部〔補助パイプ(ダミーパイプ)を取り付けてある場合には、このダミーパイプ端部でもよい〕に供給されたプロセスガス、例えばCl2 ガスはガラスパイプ1に入り、パイプ内をCl2 ガス高濃度雰囲気として該パイプ内部を脱水処理し、外筒14と内筒13の間に形成され、継手6内に先端部9′が開口する通路15を経てガス排気口9より排気される。
【0015】
ここでガラスパイプ1は図3に示されるようにガラス旋盤に回転自在に把持され回転されながらコラップスされてもよい〔前記発明(2)〕。図1、図2及び図3のガラスパイプ1、継手6、外筒14は回転され、一方導入するプロセスガスの流路を形成する内筒13及び継手7は回転しない。
【0016】
本明細書で「プロセスガス」とは、不活性ガス、ハロゲン元素を含むガス及び酸素ガスからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のガスまたは前記群より選ばれる1種以上を含有するガスをいい、具体的にはN2 、He、Ar、Cl2 、SOCl2 、O2 等を含むガスである。不活性ガスとしてはN2 、He、Ar、ハロゲン元素を含むガスとしてはCl2 が好ましい〔前記発明(3)〕。
【0017】
この場合、ガラスパイプ1に供給されるプロセスガスの流量は一般に標準状態(0℃,1気圧)換算で50〜1000ml/min(以下、sccmと略記)程度であるが、これに限定されない。また、同時にO2 やHe、N2 等を流したCl2 の混合ガスであってもよい。その大部分はガラスパイプ1内に入り一部は同時に排気される。
【0018】
本発明に係るプロセスガスは、水素分子もしくは水素元素を含む化合物等の気体を殆ど含んでいないことが好ましく、水素分子又は水素元素を含む化合物の濃度は合計で100ppm以下がより好ましく〔前記発明(4)〕、特に好ましくは10ppm以下である。これらプロセスガスを流すことでガラスパイプ中に水や有機物等の不純物を多く含んだ外気の流入を防止することができる。該プロセスガスは必ずしも脱水性、脱不純物性のガスを含む必要はない。勿論含んでいてもよい。
【0019】
ガラスパイプ1内の圧力は、真空度で絶対圧力で10kPa以下とすることが望ましい(前記発明(5)〕。更に好ましくは1kPa以下とする。このとき、ガラスパイプ内圧は外気圧(1気圧なら101kPa)より低くなるが、本発明によれば、ガラスパイプ内に大気を巻き込んだとしても、巻き込んだ大気をプロセスガスと十分に混合、置換することが可能となる。図9に示される従来の継手構造では配管部とガラスパイプ接続部、つまり回転継手部より大気を巻き込むとガラスパイプ内部にはプロセスガスが流れにくいため、ガラスパイプに一旦巻き込まれた大気は置換されにくく、ガラスパイプ内部におけるH2 やH2 O等の水素含有化合物等の不純物濃度が高くなってしまうが、本発明ではこれを防止できる。
【0020】
巻き込まれた大気がプロセスガスと完全に混合し、ガラスパイプ内に導入され、排気されるとしたとき、大気中の水素分子又は水素元素を含む化合物の割合r1 、巻き込まれる大気の流量S1 、プロセスガス中の水素分子又は水素元素を含む化合物の割合r2 、プロセスガスの流量S1 とすれば、パイプ内に流入する水素分子又は水素元素を含む化合物の流量S0 は、
【数1】
Figure 0003994864
となる。
パイプ内に流入するガスの全量はS1 +S2 であるから、プロセスガスの流量S2 が巻き込まれる大気の流量S1 のk倍とすれば、定常状態になったときの割合r0
【数2】
Figure 0003994864
となる。
【0021】
パイプ内の圧力P及び空間の体積をV、温度をTとすると、ガラスパイプ内の水素分子または水素元素を含む化合物(水素元素含有化合物と総称)の量Nは、
【数3】
Figure 0003994864
で表されるから水素元素含有化合物の濃度Cは、
【数4】
Figure 0003994864
によって推測することができる。
従って、P、r1 、r2 が小さいほど、また、r2 は必ず1より小さいのでkが大きいほど上記濃度Cは小さくなる。
【0022】
そして、この濃度Cが低ければ低いほど、下記式
【化1】
Figure 0003994864
で表される反応によって生成するSiOH又はGeOHの量が減るため、波長1.4μm帯で見られるOH基による過剰な伝送損失の上昇を抑制することが可能となる。
ガラスパイプ内の圧力Pは、大気の巻き込み量、プロセスガスの流量が大きいほど大きくなってしまうので、真空ポンプを用いるのが望ましく、排気系統には、ガラスパイプ内の到達真空度が絶対圧力で1kPa以下、好ましくは0.1kPa以下、更に好ましくは0.01kPa以下である排気手段を接続する。真空ポンプを用いて排気することで、ガラスパイプ内の圧力を低減することができ、その結果、ガラスと反応してOH基となるH2 やH2 O等のガスが存在する絶対量自体を減少させ、伝送損失を低減させることができる。勿論、ポンプの能力が高く、より低い圧力まで排気できればできるほど望ましい〔上記発明(4)〕。
【0023】
通常、コラップス時に真空排気してしまうと、コラップス後に楕円化してしまうという問題点があるが、ロッドを挿入して、パイプをその周囲に一体化させるような場合であれば、ロッドが心棒となって楕円化を抑制することが可能である。
例えば、水素含有化合物ガスとしてH2 Oを考えれば、24℃におけるH2 Oの飽和蒸気圧は、約3kPaであるから、その濃度は最大で3.2%=32000ppmとなる。この量を変えるためには、巻き込みが最も懸念される、ガラスパイプと配管部との継手部をカバーで覆い、そのカバー内を不活性ガス、酸素、または酸素及び不活性ガスの混合ガスでパージするのが望ましい。
【0024】
前記したようにプロセスガス中の水素分子又は水素含有化合物の濃度が小さければ小さいほど望ましいが、100ppm以下、より好ましくは10ppm以下であれば好適である〔上記発明(4)〕。こうすることで、大気よりも水素分子又は水素含有化合物の濃度を十分に低くすることが可能であるため、プロセスガスがガラスパイプ内に供給される流量は、大気の巻き込み量の10倍以上、より好ましくは100倍以上であることが望ましい。すなわち、前記数4におけるkが10以上、より好ましくは100以上である。
プロセスガスがHe、N2 、Arなどの不活性ガス、O2 、またはO2 及び不活性ガスの混合ガスであると、コラップスの界面での気泡や微結晶形成等の、欠陥の形成を抑制する。特に、ロッド表面またはパイプ内表面がGeO2 添加SiO2 であるような場合、
【化2】
Figure 0003994864
の反応によってGeOが生成し、ガラス欠陥や気泡が形成されてしまうが、酸素または酸素含有ガスを用いればこの平衡反応は左辺にかたよるので、欠陥や気泡の形成を抑制することが可能である。
【0025】
上述の場合とは逆に、ガラスパイプ1内を陽圧とすることで大気からガラスパイプ1内にガスが巻き込まれるのを大幅に抑制することができる。加えて特にプロセスガスがCl2 等脱水性ガスの場合、そのガスの濃度が高くなるので界面におけるOH基の発生防止効果は一層増大する。ガラスパイプ内の圧は余り高くても、上記のようにコラプスに必要な時間が長くなったり、逆にパイプが膨張したりするので、外気圧との差を+1kPa以下、好ましくは+0.01kPa〜+0.10kPaとするのが良い〔前記発明(6)〕。これによりパイプの膨張を抑え、コラップスを良好に実施可能となる。
【0026】
ガラスパイプ又はガラスパイプ及びガラスロッドを縦型に配置する場合、(i)プロセスガスが空気の比重よりも大きいときは、前記発明(8)のようにコラップスをガラスパイプの下方から上方に向かって行い、また、(ii)プロセスガスが空気より小さい比重を有するときは、前記発明(9)のように、ガラスパイプの上方から下方に向かってコラップスを実施する。すなわち、Cl2 やSOCl2 ,O2 などを含み重いプロセスガスのときには、ガスが下方にたまるようにしてコラップスを実施する。パイプを回転する必要はない。「鉛直方向」だけでなく、斜めであっても良い(図4参照)。
一方、He,N2 などを含む軽いプロセスガスの時には、ガスが上方にたまるようにしてコラップスを実施する。パイプを回転する必要はない。この場合も(i)と同様、「鉛直方向」だけでなく、斜めであっても良い(図5参照)。
いずれにしても重いガスの場合は、下方に帯留するので巻き込んだ空気を置換する効果が高く、軽いガスの場合も、上方に帯留する結果、同様の効果は大きい。
【0027】
上記した各発明の効果は、巻き込まれた大気とプロセスガスが完全に混じり合う装置でないと実現できない。該装置としては、上記発明(10)〜(11)に示されるものが好ましい。これ以外の装置では例えばガラスパイプ部と配管部の継手や回転部があれば、回転部で巻き込まれた大気の濃度が徐々に上昇しOH基の光吸収による過剰な伝送損失(過剰損失ともいう)が大きくなってしまう。
【0028】
ところで、OH基はガラスパイプ内の雰囲気中だけでなく、ガラス表面に吸着したH2 やH2 Oなどの水素分子又は水素元素含有化合物とガラスとの反応によっても発生してしまう。従って、ガラス表面に吸着している水素分子又は水素元素含有化合物の量は、単分子層を形成するに足る量(表面状態や吸着物種類で異なるが10-3mol/cm3 程度)以下に少なければ、少ないほど良好である。ガラスパイプ表面の吸着ガスを低減する手法としては、気相エッチングによって、ガラス表面を削り取り、その後は不活性ガスなど水素分子又は水素元素含有化合物の濃度が低い、清浄なガスでパージするなどすればよい。ガラスロッドをパイプ内に挿入後に、Cl2 、SOCl2 などの脱水性ガスをガラスパイプ内に流しながら、熱源で1150℃程度以上に加熱しても良い結果が得られる。
【0029】
更に好ましいのは、ガラスロッドをガラスパイプ内に挿入後、4kPa以下、好ましくは0.4kPa以下(低い程好ましい)への真空引きを実施し、その後プロセスガスによって50kPa以上、好ましくは101kPa(約1気圧)以上にパージする、ということを1回または複数回繰り返すことである。真空状態にすることによって、ガラスパイプ、ガラスロッド表面に吸着したH2 、H2 Oなどを脱離させることが可能であり、それを一旦プロセスガスでパージすることで、再付着を抑制することが可能となる。
【0030】
本発明により回転可能なガラスパイプ(以下、補助パイプを取り付けたものを含む総称)又は回転可能なガラスパイプ及びガラスロッドから光ファイバ母材を製造する装置においては、例えばガラス旋盤を設け(図3)、該ガラスパイプの一端(または両端)にガス供給口8の先端部8′とガス排気口9の先端部9′をそれぞれ取付け、該ガス供給口8からプロセスガスを該ガラスパイプ1内に供給するとともに、該ガス排出口9の先端部9′から該ガラスパイプ1内のガスを排出しつつ該ガラスパイプ1をコラップスすることが可能となるので光ファイバの品質に悪影響を与えることはない。この場合、ガス供給と排気それぞれの配管は別ラインで行い、途中で1本の配管にまとまることはない。継手部5で大気を巻き込んでも直ちに排気することができる。また上記のガス供給用の配管と排気用配管は二重構造に配置するのが好ましい。〔前記発明(10)〕。
【0031】
図1、図2又は図3において、ガス排気口9は外側に配置された配管(外筒14)及びロータリージョイントを介してガス排気系統と接続されている。ロータリージョイントは回転体と非回転体とを結ぶもので継手6及びキャップ18からなる。 一方、ガス供給口8は内側に配置された配管(内筒13)によって直接ガス供給系統(図6の11)に接続される。このとき内筒13は回転せず、従ってガラスパイプ接続部5において配管の接続点を有さない。すなわち、ロータリージョイント部で大気を巻き込んだとしてもガス供給する配管内(内筒13)には、大気は混入することがなく、直ちに排気することができる。従って、ガラスパイプ内部に水分等の不純物が混入せず高品質の光ファイバを製造することができる。
【0032】
上記したガス供給口8の先端部8′及びガス排気口9の先端部9′は、それぞれガラスパイプ1内の位置を同じとしてもよい(図1)が、ガス供給口先端部8′を大気巻き込みの可能性のある位置よりもコラップスの界面に近い位置とし、ガス排気口先端部9′はガス供給口先端部8′よりもコラップス界面に遠い位置にするのが好ましい〔前記発明(7)、図2参照〕。
図2は、本発明の別の実施形態を示す軸線に沿った部分断面図で、ガス供給口先端部8′がキャップ16よりも更にパイプ長手方向の内側にあり、ガス排気口先端部9′は図1と同じ位置に設けてある。この構成により、コラプス界面では高純度なプロセスガスが充満され、巻き込んだ大気を含まないガスを供給することが可能となる。すなわち、仮に回転継手部(継手6,キャップ19等)等から大気がガラスパイプ1内に入ってもガラスパイプ1内のコラプス界面側にはプロセスガスが充満しているので排気口先端部9′から排気口9(通路15)を経て排気される。これによりOH基光吸収による伝送損失を低減できる。
なお、ガス供給口8及びガス排気口9は、図1,図2及び図3のような同心円構造とせず、図4(a)に示されるようにそれぞれ別のガス供給管とガス排気管を設ける形としてもよい。この場合は、回転できないので縦型で回転を必要としない場合に用いられる。しかし、ガス供給口8とガス排気口9を、図4(b)に示されるように、断面円形となるように合体する形〔図4(c),(d)参照〕とすれば回転可能となる。
【0033】
ここで、ガラスパイプ接続部5は、各々別個の配管系統で構成されたガス供給口8とガス排気口9、継手6及びキャップ18等からなる回転継手部、継手7及びキャップ20等からなる継手部とで構成し、それぞれガラスパイプ1の片一方の端部若しくは必要に応じ両方の端部に設けることができる。
ガス供給口8、ガス排気口9は例えばポリフッ化エチレンの他、アルミナ、シリコンカーバイト、SUS等で形成するのが一般的である。
図3ではガラスパイプ1を把持しているが、図7に示すようにガラスパイプ1の端部に接続したガラスパイプ接続部5を把持するようにしても良い。また、ガラスパイプ1の端部に接続した作業用ガラスパイプの端部にさらにガラスパイプ接続部を接続し、これを把持するようにしても良い。
図7ではガラスパイプ1のみを示しているが、ガラスパイプ1中にガラスロッドを配置することもできる。また、熱源3が移動可能としているが、把持部を移動可能としてガラスパイプやガラスロッドが移動可能であっても良い。
【0034】
図1の装置で、ガラスパイプ接続部5全体をケーシングで覆いその内部にN2 ,Ar等の不活性ガス、Cl2 等の脱不純物性のガス、若しくはそれらの混合ガスを充填しておくと得られる光ファイバの品質低下を防止することができる〔前記発明(11)〕。
更に、前記ロータリージョイントを覆うカバーを設け、そのカバーに上記ケーシング内に充填するのと同様のガスを供給する手段を設けることができる(図8)。こうすることによりたとえ外気を巻き込んでも、不活性ガス又は脱不純物性、脱遷移金属性のガスである為、得られる光ファイバの品質を劣化させることはない。
【0035】
【実施例】
以下本発明を実施例により更に詳細に説明するがそれより限定されるものではない。
【0036】
〔実施例1〕
▲1▼ 公知のVAD法により、中心コア部となるGeO2 添加SiO2 ガラス体(GeO2 の添加量の最大値は中心近傍で14mol%)を製造し、加工して外径φ10mm×長さ600mm程度のガラスロッドとした。
▲2▼ 公知のVAD法により、ディプレスト部となるF添加SiO2 ガラス体(F添加濃度は1.2wt%程度)を製造し、加工して外径φ35mm×内径φ12mm×長さ500mm程度のガラスパイプとした。
▲3▼ ▲2▼で合成したパイプ内に▲1▼で合成したガラスロッドを挿入、ロッドインコラップス法により、一体化し、外径φ33mm×長さ400mm程度のガラス体を得た。ここでのGeO2 添加SiO2 ガラス体やF添加パイプは例えばOVD法といった方法を用いても良好に作製可能である。
〔この時、実施例1として、図3の本発明に係る光ファイバ母材製造装置を用い、比較例(従来方法)1として、図9に示される製造装置を用いた。本発明では、熱源としてH2 /O2 火炎バーナーを用いたが、プラズマ火炎や誘導炉など、他の熱源を用いることもできる。〕
【0037】
▲4▼ ▲3▼で合成したガラス体を外径φ10.6mmに延伸した後、機械的な研削やHF溶液によるエッチングなどで外周を研削して外径φ6.6mm、長さ600mmのガラスロッドとした。
▲5▼ 公知のVAD法により、クラッド部となるCl添加SiO2 ガラス体(Cl添加濃度は0.3mol%程度)を製造し、加工して外径φ35mm×内径φ8mm×長さ500mm程度のガラスパイプとした。勿論、OVD法によっても作製可能である。
▲6▼ ▲5▼で合成したガラスパイプ内に▲4▼で合成したガラスロッドを挿入、ロッドインコラップス法により、一体化し、外径φ33mm×長さ400mm程度のガラス体を得た。コラップス中、ガラスパイプ内にはプロセスガスとしてCl2 を500sccm、O2 を250sccm流し、ガラスパイプ内圧を外気圧に対して−0.05kPaとした。
〔この時、実施例1として、図3の本発明による光ファイバ母材製造装置を用い、比較例1として図9に示される製造装置を用いた。本発明では、熱源としてH2 /O2 火炎バーナーを用いたが、プラズマ火炎や誘導炉など、他の熱源を用いることもできる。〕
【0038】
▲7▼ 公知のVAD法により、▲6▼のガラス体の外周に0.3mol%のCl添加SiO2 ガラスを合成し、中心コア部の直径(2a)とクラッド部の外径の直径(D)との倍率D/2aを31.3倍に拡大し、光ファイバ母材を得た。勿論、OVD法、ロッドインコラップス法等でも可能である。
▲8▼ この光ファイバを公知の方法で線引きし、ガラス部の径が125μmの光ファイバとした。
【0039】
▲9▼ この光ファイバの波長1550nmにおける伝送特性は、伝送損失=0.27dB/km、分散=−47ps/km/nm、分散スロープ=−0.14ps/km/nm2 、Aeff=20μm2 、MFD=5μm、カットオフ波長=800nm、PMD=0.1ps/√kmの光ファイバを得た。
この時、波長1380nmのOH基の光吸収による、図10に示される過剰損失Δα1.38の分布を調べた。
▲9▼’従来方法による、Δα1.38の分布は、図11のとおりで、非常に分布が大きい。また、Δα1.38自体が小さいところの分布が非常に少ない。
一方、本発明の方法を用いれば、Δα1.38を安定して低くすることが可能である(図12参照)。
結局、本実施例で得られた光ファイバは図13に示される屈折率差分布を有し、分散補償ファイバとして有用なものであった。
【0040】
分散補償ファイバは導波する光が分散シフトファイバ以上に広く広がっているため、コラップス界面におけるOH基による光の吸収の影響が大きいものであるが、本発明によりコラップス界面におけるOH基発生の量を減じることで、OH基による光の吸収による伝送損失が低くでき、信号伝送帯域が広くなるという優れた効果が達せられた。また、ラマン増幅の際に必要な励起光の強度が小さくて済むこと、その結果、信号光の増幅効率が高められることが明らかとなった。
【0041】
〔実施例2〕
1) 公知のVAD法により、中心コア部となるGeO2 添加SiO2 ガラス体(GeO2 の添加量の最大値は中心近傍で14mol%)を製造し、加工して外径φ10mm×長さ600mm程度のガラスロッドとした。
2) 公知のVAD法により、ディプレスト部となるF添加SiO2 ガラス体(F添加濃度は3.8mol%程度)を製造し、加工して外径φ35mm×内径φ12mm×長さ500mm程度のガラスパイプとした。
3) 2)で合成したパイプ内に1)で合成したガラスロッドを挿入、ロッドインコラップス法により、一体化し、外径φ33mm×長さ400mm程度のガラス体を得た。ここでのGeO2 添加SiO2 ガラス体やF添加パイプは例えばOVD法といった方法を用いても良好に作製可能である。コラップス中、ガラスパイプ内にはプロセスガスとしてCl2 を500sccm、O2 を250sccm流し、ガラスパイプ内圧を外気圧に対して+0.05kPaとした。
〔この時、実施例2として、図3の本発明に係る光ファイバ母材製造装置を用い、比較例(従来方法)2として、図9に示される製造装置を用いた。本発明では、熱源としてH2 /O2 火炎バーナーを用いたが、プラズマ火炎や誘導炉など、他の熱源を用いることもできる。〕
【0042】
4) 3)で合成したガラス体を外径φ10.6mmに延伸した後、機械的な研削やHF溶液によるエッチングなどで外周を研削して外径φ6.6mm、長さ600mmのガラスロッドとした。
5) 公知のVAD法により、クラッド部となるCl添加SiO2 ガラス体(Cl添加濃度は0.3mol%程度)を製造し、加工して外径φ35mm×内径φ8mm×長さ500mm程度のガラスパイプとした。勿論、OVD法によっても作製可能である。
6) 5)で合成したガラスパイプ内に4)で合成したガラスロッドを挿入、ロッドインコラップス法により、一体化し、外径φ33mm×長さ400mm程度のガラス体を得た。コラップス中、ガラスパイプ内にはプロセスガスとしてCl2 を200sccm、Heを100sccm流し、ガラスパイプ内圧を外気圧に対して−0.5kPaとした。
〔この時、実施例2として、図3の本発明による光ファイバ母材製造装置を用い、比較例2として図9に示される製造装置を用いた。本発明では、熱源としてH2 /O2 火炎バーナーを用いたが、プラズマ火炎や誘導炉など、他の熱源を用いることもできる。〕
【0043】
7) 公知のVAD法により、6)のガラス体の外周に0.3mol%のCl添加SiO2 ガラスを合成し、中心コア部の直径(2a)とクラッド部の外径の直径(D)との倍率D/2aを31.3倍に拡大し、光ファイバ母材を得た。勿論、OVD法、ロッドインコラップス法等でも可能である。
8) この光ファイバを公知の方法で線引きし、ガラス部の径が125μmの光ファイバとした。
【0044】
9) この光ファイバの波長1550nmにおける伝送特性は、伝送損失=0.27dB/km、分散=−47ps/km/nm、分散スロープ=−0.14ps/km/nm2 、Aeff=20μm2 、MFD=5μm、カットオフ波長=800nm、PMD=0.1ps/√kmの光ファイバを得た。
この時、波長1380nmのOH基の光吸収による、図10に示される過剰損失Δα1.38の分布を調べた。
9)’従来方法による、Δα1.38の分布は、図11のとおりで、非常に分布が大きい。また、Δα1.38自体が小さいところの分布が非常に少ない。
一方、本発明の方法を用いれば、Δα1.38を安定して低くすることが可能である(図12参照)。
結局、本実施例で得られた光ファイバは図13に示される屈折率差分布を有し、分散補償ファイバとして有用なものであった。
【0045】
分散補償ファイバは導波する光が分散シフトファイバ以上に広く広がっているため、コラップス界面におけるOH吸収の影響が大きいものであるが、本発明によりコラップス界面におけるOH基発生の量を減じることで、OH基による光の吸収による伝送損失が低くでき、信号伝送帯域が広くなるという優れた効果が達せられた。また、ラマン増幅の際に必要な励起光の強度が小さくて済むこと、その結果、信号光の増幅効率が高められることが明らかとなった。
【0046】
〔実施例3〕
[1] 公知のVAD法により、中心コア部となるGeO2 添加SiO2 ガラス体(GeO2 の添加量の最大値は中心近傍で25mol%)を製造し、加工してφ7.5mm×600mm程度のガラスロッドとした。
[2] 公知のVAD法またはOVD法により、ディプレスト部となるF添加SiO2 ガラス体(F添加濃度は1.2質量%程度)を製造し、加工して外径φ40mm×内径φ8.5mm×500mm程度のガラスパイプとした。このパイプは、コラップスする前に、SF6 などのエッチングガスを流し、熱源によって1500℃程度に加熱、気相エッチング処理を実施した。
[3] 上記[2] で合成したガラスパイプ内に上記[1] で合成したガラスロッドを挿入した。真空ポンプによってパイプ内を0.1kPa以下の真空状態にした後、水素分子もしくは水素元素含有化合物の濃度が1ppm以下である窒素ガスをパイプ内に導入、真空ポンプを停止して105kPaまで加圧した。これを3回繰り返し、ロッド表面、パイプ内面の吸着ガス(主にH2 O)を脱離させた。その後、Cl2 を500sccmだけパイプ内に導入、1150℃まで加熱して金属不純物を除去した。
【0047】
[4] 上記[3] のガラスパイプ、ガラスロッド、図2記載の継手及び図3記載の装置でロッドインコラップス法により、一体化し、φ39mm×400mm程度のガラス体を得た。このとき、大気の巻き込み量を調査した結果、0.1sccm程度であり、水素分子もしくは水素元素含有化合物の濃度が1ppm以下のプロセスガスであるO2 を400sccmだけパイプ内に導入した。ガスを供給しないとき、0.03kPaまでパイプ内の圧力を低減することができる真空ポンプで真空排気した。プロセス中のパイプ内の圧力は0.1kPaであった。
本実施例では、熱源としてH2 /O2 火炎バーナを用いたが、プラズマ火炎や誘導炉など、他の熱源を用いることもできる。横型ではなく、縦型のコラップスとしても良い。
【0048】
[5] 上記[4] で合成したガラス体をφ11.7mmに延伸した後、機械的な研削やHF溶液によるエッチングなどで外周を研削して外径7.5mmφ、長さ600mmのガラスロッドとした。
[6] 公知のVAD法またはOVD法により、クラッド部となるCl添加SiO2 ガラス体(Cl添加濃度は0.3mol%程度)を製造し、加工して外径φ43mm×内径φ9mm×500mm程度のガラスパイプとした。このパイプは、コラップスする前に、SF6 などのエッチングガスを流し、熱源によって1500℃程度に加熱、気相エッチング処理を実施した。
[7] 上記[6] で合成したパイプ内に上記[5] で合成したガラスロッドを挿入した。真空ポンプによってパイプ内を0.1kPa以下の真空状態にした後、水素分子もしくは水素元素含有化合物の濃度が1ppm以下の窒素ガスをパイプ内に導入、真空ポンプを停止して105kPaまで加圧した。これを1回だけ実施し、ロッド表面、パイプ内面の吸着ガス(主にH2 O)を脱離させた。その後、Cl2 を標準状態(0℃、1気圧)で500sccmだけパイプ内に導入、1150℃まで加熱して金属不純物を除去した。
【0049】
[8] 上記[7] のパイプ、ガラスロッド、図2記載の継手及び図3記載の装置によるロッドインコラップス法により一体化し、φ42mm×400mm程度のガラス体を得た。このとき、大気の巻き込み量を調査した結果、0.05sccm程度であり、水素分子もしくは水素元素含有化合物の濃度が1ppm以下であるプロセスガスであるO2 を100sccmだけパイプ内に導入した。ガスを供給しないとき、0.03kPaまでパイプ内の圧力を低減することができる真空ポンプで真空排気した。プロセス中のパイプ内の圧力は0.08kPaであった。
本発明では、熱源としてH2 /O2 火炎バーナを用いたが、プラズマ火炎や誘導炉など、他の熱源を用いることもできる。横型ではなく、図5に示されるような縦型のコラップスとしても良い。
[9] 公知のVAD、OVD、ロッドインコラップス法により、上記[6] のガラス体の外周に0.3mol%のCl添加SiO2 ガラスを合成し、中心コア部の径(2a)とクラッド部の外径(D)との倍率D/2aを52.1倍に拡大し、光ファイバ母材を得た。
【0050】
[10]この光ファイバを公知の方法で線引きし、ガラス部の径が125μmの光ファイバとした。
[11]この光ファイバの波長1550nmにおける伝送特性が、伝送損失=0.50dB/km、分散=−105ps/km/nm、分散スロープ=−0.37ps/km/nm2 、Aeff=12μm2 、カットオフ波長=730nm、PMD=0.1ps/√km程度の1.3μm帯にゼロ分散波長を有する光ファイバの1.55μm帯における分散及び分散スロープを補償する、良好な分散補償ファイバを得た。
このファイバの伝送損失−波長特性は図14のとおりであり、OH基による1.4μm帯の過剰な伝送損失を抑制していることがわかる。
結局、本実施例で得られた光ファイバは図15に示される屈折率差分布を有し、分散補償ファイバとして有用なものであった。
【0051】
分散補償ファイバは導波する光が分散シフトファイバ以上に広く広がっているため、コラップス界面におけるOH吸収の影響が大きいものであるが、本発明によりコラップス界面におけるOH基発生の量を減じることで、OH基による光の吸収による伝送損失が低くでき、信号伝送帯域が広くなるという優れた効果が達せられた。また、ラマン増幅の際に必要な励起光の強度が小さくて済むこと、その結果、信号光の増幅効率が高められることが明らかとなった。
【0052】
以上、図3の装置を用いた実施例1〜3では、Cl2 ,O2 等のプロセスガスの供給口先端部がガラスパイプ1内にあり、ガス供給部10の配管部(内筒13)には継ぎ目がないので大気は混入しない。回転シール部(図6の継手7と外筒14の接続部)で大気が混入してもガス排気部11(減圧部)にあたるのでガラスパイプ側には供給されない。
従って、OH基による過剰損失を抑制できる。
一方、図9の装置を用いた比較例1,2では、ガラスパイプ接続部5の特に回転シール部(継手7の接続部)は完全に気密にすることが難しく大気が混入し易い。また、配管部9の途中でガス排気部11(減圧部)があるため、プロセスガスが石英パイプに迄到達することができない。
従って、OH基による過剰損失が生じ易い。
【0053】
【発明の効果】
本発明により前記の構成を採ることで、コラップス界面におけるOH基混入量を減少させOH基による光の吸収に基づく伝送損失を低くし、信号伝送帯域を広く保つことのできる光ファイバを提供することができる。
更に本発明は、複雑な屈折率分布パターンを有する光ファイバや中心コアのΔが2%以上もあるような高Δコアファイバ(分散補償ファイバや高非線形性ファイバ)等コラップス法に適する光ファイバの製造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光ファイバ母材の製造装置の具体例を示すもので軸線に沿った部分断面図。
【図2】 本発明に係る光ファイバ母材の製造装置の他の具体例を示すもので軸線に沿った部分断面図。
【図3】 ガラス旋盤を用いたコラップス法により本発明に係る光ファイバ母材を製造する装置の概念図。
【図4】 (a)、(b)、(c)、(d)は本発明において用いられるガス供給口、ガス排気口の模式図で、(a)、(b)は部分側面図、(c)、(d)は合体した場合の断面図。
【図5】 本発明の方法を縦型装置を用いてコラップスを実施する場合、脱水性ガスの比重が大きいときの状態を示す模式図。
【図6】 本発明の方法を縦型装置を用いてコラップスを実施する場合、脱水性ガスの比重が小さいときの状態を示す模式図。
【図7】 本発明の装置において、ガラスパイプ接続部を把持するようにした状態を示す模式図。
【図8】 本発明の装置においてロータリージョイントを覆うカバーを設け、カバー内に不活性ガスを供給するようにした装置を示す模式図。
【図9】 従来法でガラス旋盤を用いたコラップス法により光ファイバ母材を製造する装置の一例を示す概念図。
【図10】 波長1380nmにおけるOH基による光の吸収損失による過剰損失Δα1.38(dB/km)を示すグラフ図。
【図11】 従来法(比較例)により得られたガラス光ファイバのOH基による光の吸収による過剰損失を示すグラフ図。
【図12】 本発明の方法(実施例)により得られたガラスファイバのOH基による光の吸収による過剰損失を示すグラフ。
【図13】 本発明の方法により得られた光ファイバ(分散補償ファイバ)の屈折率プロファイル。
【図14】 本発明の方法(実施例)により得られたガラスファイバの伝送損失−波長特性の関係を示すグラフ。
【図15】本発明の方法により得られた分散補償ファイバの屈折率プロファイル。
【符号の説明】
1 ガラスパイプ、 2 ガラスロッド、 3 熱源、
4 把持部、 5 ガラスパイプ接続部、 6及び7 継手、
8 ガス供給口、 8′ガス供給口先端部、
9 ガス排気口、 9′ガス排気口先端部、
10 ガス供給部、 11 ガス排気部。

Claims (10)

  1. 加熱によってガラスパイプを中実化、またはガラスパイプと該ガラスパイプ内に挿入されたガラスロッドを一体化するコラップス法による光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法において、各々別個の配管系統で構成されたガス供給口とガス排気口とを有し、前記ガス供給口を構成するガス供給用の配管と前記ガス排気口を構成するガス排気用の配管とは、前記ガス供給用の配管を内側に、前記ガス排気用の配管を外側に配置した二重構造をなし、前記ガス供給口の先端部を大気巻き込みの可能性のある位置よりもコラップスの界面に近い位置としたガラスパイプ接続部を、前記ガラスパイプ内の一端もしくは両端部に設け、前記ガラスパイプ内に前記ガス供給口からプロセスガスを導入するとともに、前記ガラスパイプ内のガスを前記ガス排気口から排気しながらコラップス法を実施することを特徴とする光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
  2. 前記ガラスパイプまたは前記ガラスパイプ及びガラスロッドを回転させながらコラップス法を実施することを特徴とする、請求項1記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
  3. 前記プロセスガスが不活性ガス、ハロゲン元素を含むガス及び酸素ガスからなる群より選ばれる1種以上からなる又は前記1種以上を含有するガスであることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
  4. 前記プロセスガス中の水素分子もしくは水素元素を含む化合物の濃度が100ppm以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
  5. 前記ガラスパイプ内の真空度を絶対圧力で10kPa以下とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
  6. 前記ガラスパイプ内の圧力が外気圧より大きく、その圧力差が+1kPa以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
  7. 前記ガラスパイプ、またはガラスパイプ及びガラスロッドを縦型に配置し、前記プロセスガスが空気の比重よりも大きいときには、前記ガラスパイプの下方から上方に向かってコラップスを実施することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
  8. 前記ガラスパイプ、またはガラスパイプ及びガラスロッドを縦型に配置し、前記プロセスガスが空気の比重よりも小さいときには、前記ガラスパイプの上方から下方に向かってコラップスを実施することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光ファイバ母材又は光ファイバ中間母材の製造方法。
  9. 回転可能なガラスパイプを中実化、または回転可能なガラスパイプとガラスパイプ内に挿入されたガラスロッドとを一体化する光ファイバ母材の製造装置において、前記ガラスパイプを回転可能に把持することができるガラスパイプ把持部と、前記ガラスパイプまたは前記ガラスパイプとガラスロッドを加熱する加熱源と、前記ガラスパイプの一端もしくは両端に取り付けられ、それぞれ別個のガス供給口先端部とガス排気口先端部を含むガラスパイプ接続部と、前記ガラスパイプ接続部を介して前記ガラスパイプにガスを導入する手段(ガス供給系統)と、前記ガラスパイプ接続部を介して前記ガラスパイプからガスを排気する手段(ガス排気系統)とを少なくとも有し、前記ガラスパイプ接続部は、回転可能な前記ガラスパイプと、回転しないガス供給系統及びガス排気系統とを接続するロータリージョイントを含み、前記ガラスパイプ接続部の内側にガス供給系統に接続される配管が配置され、前記配管を囲んで、他方にロータリージョイントを介してガス排気系統に接続される配管が配置されていることを特徴とする光ファイバ母材の製造装置。
  10. 前記ガラスパイプ接続部の外側に、該ガラスパイプ接続部を覆うカバーと、前記カバーの内部にガスを供給する手段とを有することを特徴とする請求項記載の光ファイバ母材の製造装置。
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