JP3994292B2 - 血小板カウントを推定するためのシステム及び方法 - Google Patents
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Description
本発明は、一般的には、血液処理システム及び方法に関する。
本発明の背景
今日人々は、日常的に、遠心によって全血をその種々の治療成分例えば、赤血球、血小板及び血漿へと分離している。
ある種の療法は、大量の血液成分を輸血する。例えば、化学療法を受けている患者のうちには、多数の血小板の輸血を日常ベースで必要とする者がいる。手動の血液バッグシステムは、これら多数の血小板を個々の供血者から収集するのには効率的でない。
オンライン血液分離システムが、今日、この要求を満たすため多数の血小板を収集するのに使用されている。オンラインシステムは、血小板濃縮物を全血から分離するのに必要な分離ステップを、供血者が居る状態で連続的プロセスとして実施する。オンラインシステムは、全てが連続的な流れのループにおいて、供血者からの全血の流れを確立し、望みの血小板を分離して取り出し、そして残りの血球及び血漿を供血者に返還する。
大量の全血(例えば、2.0l)を、オンラインシステムを用いて処理することができる。この大量の処理量のために、高収穫の濃縮血小板(例えば、200mlの液中4×1011の血小板)を収集することができる。更には、供血者の赤血球が返還されることから、供血者は、マルチ血液バッグシステムにおいて処理するための供血者に比して、一層頻繁に全ての血液をオンライン処理のために提供することができる。
にもかかわらず、血小板等のような極めて必要度の高い細胞性血液成分の高収穫での収集を実現することのできる、大量のオンライン血液収集環境において使用に供し得る、血液成分から細胞に富んだ濃縮物を収集するための更に改良されたシステム及び方法に対する需要がある。
そのような液体処理システムに対する操作上の及び性能上の要求が益々複雑・高度なものとなっているため、処理と分離の効率を最大にするに際してオペレータを助けるために、一層詳細な情報を収集しそして制御信号を生み出すことのできる、自動化されたプロセス制御装置に対する需要がある。
本発明の要約
本発明の一面は、ヒト身体の脾臓内に貯蔵されている血小板数NSPLEENを推定するためのシステム及び方法を提供する。本システム及び方法は、身体中の血小板の事前カウント(PltPRE)を受け取る。該システム及び方法は、脾臓動員関数(Spleen)を求めるが、それは脾臓に通常貯蔵されている血小板数を考慮に入れており、ここに:
Spleen=f(PltPRE)である。
本発明のこの面によれば、本システム及び方法は、NSPLEENを推定し、ここに:
NSPLEEN:(Spleen-1)×PltPRE×DonVol
ここに:
DonVolは、身体中の血液量である。
本発明の別の一面は、Spleen関数(脾臓動員関数のこと。以下同じ。)を考慮に入れて、身体中の血小板の総数NPLTを推定するシステム及び方法を提供する。本システム及び方法は、身体中の血小板の事前カウント(PltPRE)を受け取り、そしてこれから、上に提示したようにSpleenを求める。本システム及び方法は、NPLTを推定し、ここに:
NPLT=PltPRE×Spleen×DonVol
ここに:
Donvolは、身体中の血液量である。
本発明の特徴を具体化する本発明システム及び方法は、脾臓が通常、循環外に貯蔵として多数の血小板を保持しているということを考慮に入れている。血液処理の間に、脾臓はこれらの血小板を供血者の循環系へと放出し、それらを収集可能にする。慣用の手順(脾臓に貯蔵された血小板の数を考慮に入れていない、循環血小板についての現在の事前カウントに依存する)は、収集可能な血小板の実際の数を過小評価する。脾臓動員関数の使用は、血液成分処理に際して血小板収穫を最大にすることを可能にする。
好ましい一具体例においては、曲線がSpleen関数を推定し、それは次のように表される:
Spleen=a−b(PltPRE)
ここに:
aは、該曲線のy切片であり、そして
bは、該曲線の勾配である。好ましい該具体例においては、システム及び方法は、a≒2.25及びb≒0.004を用いて脾臓動員関数を求める。
本発明の種々の面は、オンライン血液処理工程に特によく適している。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の記述、図面及び請求の範囲から明らかになろう。
図面の簡単な記述
図1は、本発明の特徴を具体化する制御装置を含んだ、2針血小板収集システムの概念図であり、
図2は、本発明の特徴を具体化する該制御装置及び関連のシステムの最適化アプリケーションの概念的フローチャートであり、
図3は、図2に示したシステム最適化アプリケーション内に含まれる機能ユーティリティーの概念図であり、
図4は、与えられた処理期間の間の血小板の収穫を求める、システム最適化アプリケーション内に含まれるユーティリティー機能の概念的フローチャートであり、
図5は、処理状態及びパラメーター情報を提供し、最適の分離効率を達成するための制御変数を発生し、そして与えられた処理期間の間のクエン酸塩注入速度を制御する制御変数を発生する、システム最適化アプリケーション内に含まれるユーティリティー機能の概念的流れ図であり、
図6は、与えられた処理期間の間の血小板の収穫に基づいて最適貯蔵パラメーターを推奨する、システム最適化アプリケーション内に含まれるユーティリティー機能の概念的フローチャートであり、
図7は、与えられた処理期間を開始する前に処理時間を推定する、システム最適化アプリケーション内に含まれるユーティリティー機能の概念的フローチャートであり、
図8は、第2段階チャンバー内における血小板分離の効率と無次元のパラメーター(これは血小板のサイズ、血漿の流速、チャンバー面積、及び回転速度を考慮に入れている)との間の、図4に示されたユーティリティー機能によって用いられるアルゴリズムのグラフ表示であり、
図9は、貯蔵容器の個数によって最適貯蔵パラメーターを推奨するに際して、図6に示したユーティリティー機能が考慮に入れる、酸素分圧と特定の貯蔵容器の透過性との間の関係を示すグラフであり、
図10は、血漿貯蔵媒質の量によって最適貯蔵パラメーターを推奨するに際して、図6に示したユーティリティー機能が考慮に入れる、特定の貯蔵容器についての重炭酸塩の消費と貯蔵トロンボサイトクリットとの間の関係を示すグラフであり、そして
図11は、処理の間の血漿再循環を統御する制御変数を発生するに際して、図5に示したユーティリティー機能が考慮に入れる、平均血小板量による、入口ヘマトクリットによる、血小板分離の効率を示すグラフである。
本発明のこれら種々の面は、その精神又は本質的特徴から逸脱することなく、幾つかの形態で具体化することができる。本発明の範囲は、添付の請求の範囲において定義されており、これに先立つ具体的記述によって定義されるものではない。請求の範囲の意味及び均等の範囲に入る全ての具体化は、従って請求の範囲に包含されることが意図されている。
好ましい具体例の記述
図1は、自動化された血小板収集操作を行うための、オンライン血液処理システム10を図式的に示している。システム10は、慣用の1針ネットワークも使用できるが、多くの点において、慣用の2針血液収集ネットワークを代表している。システム10は、本発明の特徴を具体化している処理コントローラー18を含む。
I.分離システム
システム10は、耐久性のハードウェア要素の配列を含み、その作動は、処理制御装置18によって統御されている。ハードウェア要素は、中で全血(WB)がその種々の治療成分、例えば血小板、血漿及び赤血球(RBC)へと分離されるものである遠心機12を含む。ハードウェア要素はまた、典型的には蠕動式(P1乃至P4で示す)である種々のポンプ、及び種々のインライン・クランプ及び弁(V1乃至V3で示す)をも含む。勿論、ソレノイド、圧モニターその他の、図1が示していない図他のタイプのハードウェア要素が典型的には存在する。
システム10は、典型的にはまた、ハードウェア要素と連携して使用される何らかの形の使い捨て液体処理アセンブリー14をも含む。
図解されている血液処理システム10において、アセンブリー14は、2段階処理チャンバー16を含む。使用に際して、遠心機12は、遠心力によって血液成分を分離するために処理チャンバー16を回転させる。使用できる代表的な遠心機は、Williamson等の米国特許第5,360,542号に示されており、これを参照によりここに導入する。
該2段階処理チャンバー16の構造は、種々であってよい。例えば、Cullis等の米国特許第4,146,172号に示されている様な、ダブルバッグの形を採ることができる。代わりとして、処理チャンバー16は、Brownの米国特許第5,370,802号に示されているような、細長い2段階の一体バッグの形をとることもできる。
図解されている血液処理システム10においては、処理アセンブリー14はまた、液体回路を形成している一並びの可撓性チューブをも含む。この液体回路は、液体を処理チャンバー16へと及び処理チャンバーから移送する。ポンプP1〜P4及び弁V1〜V3は、液体流を所定の方法で統御するためにこれらのチューブと係合する。液体回路は更に、処理の間液体を分配し及び受け取るための多くの容器を含む(C1乃至C3で示した)。
制御装置18は、アセンブリー14を用いた1つ以上の処理タスクを実施するために、種々のハードウェア要素の作動を統御する。制御装置18はまた、処理条件のリアルタイムな評価を実施し、そして、血液成分の分離及び収集を最大化するに当たってオペレータを助けるための情報を出力する。本発明は、特に、制御装置18の重要な特性に関するものである。
システム10は、多様なタイプの血液分離工程を達成するよう形作ることができる。図1は、自動化された2針血小板収集操作を実施するよう形作られている。
収集モードにおいては、第1のチューブ分枝20及び全血入口ポンプP2が、WBを採血針22から処理チャンバー16の第1段階24へと導く。その間、補助的チューブ分枝26が、抗凝固剤を容器C1からWB流へと、抗凝固剤ポンプP1を通して秤込む。抗凝固剤のタイプは種々であってよいが、図解されている具体例はACDAを使用しており、それはアフェレーシスのために普通に用いられている抗凝固剤である。
容器C2は、食塩溶液を保持している。別の補助的チューブ分枝28が、処理の開始前にシステム10をプライミングし空気を排除するのに使用するために、食塩溶液を第1のチューブ分枝20内へと、インライン弁V1を介して移送する。食塩溶液はまた、処理の終了後、供血者に返還するためにアセンブリー14から残存成分を洗い流すために、再び導入される。
抗凝固剤添加WBは、処理チャンバー16の第1段階24に入ってこれを満たす。そこでは、遠心機12の回転に際して生ずる遠心力がWBを赤血球(RBC)及び血小板リッチ血漿(PRP)へと分離する。
PRPポンプP4は、PRPを、処理チャンバー16の第2段階32へと移しかえるために、処理チャンバー16の第1の段階24から第2のチューブ分枝30内へと引くよう作動する。そこでは、PRPは、血小板濃縮物(PC)及び血小板プア血漿(PPP)へと分離される。
所望により、第2の段階32における分離の前に白血球を除去するために、PRPを、フィルターFを通して移送することができる。フィルターFには、Nishimura等の米国特許第4,936,998号(参照によりここに導入する。)に開示されているタイプの繊維を含んだフィルター媒体を用いることができる。これらの繊維を含んだフィルター媒質は、SEPACELLの商品名の下にAsahi Medical Companyによって市販されている。
システム10は、再循環チューブ34、及び関連した再循環ポンプP3を含んでいる。処理制御装置18は、処理チャンバー16の第1の段階24へ入ってくるWBと混合するために、処理チャンバー16の第1段階24から出るPRPの一部分を逸らすようポンプP3を作動させる。PRPの再循環は、RBCとPRPの最高の分離を提供するよう、望ましい条件を第1段階24の入口領域に確立する。
分離のためにWBが第1のチャンバー段階24に引き込まれるとき、図解されている2針システムは、同時に、第2のチャンバー段階32からのPPPの一部と共に、RBCを第1のチャンバー段階24からインライン弁V2及びチューブ分枝38を介し、返還針36を介して、供血者へと返還する。
システム10はまた、PC(ある量のPPP中に懸濁されている)を、貯蔵及び有益な使用のために、チューブ分枝38及び42並びにインライン弁V3を介して、も容器C3のどれかに収集する。好ましくは、PCを貯蔵するよう意図されている容器C3は、DEHP−可塑化ポリ塩化ビニル材料に比して、血小板貯蔵に有益な大きなガス透過性を有する材料で作られている。例えば、ポリオレフィン材料(Gajewski等の米国特許第4,140,162号に開示されているような)又はトリ−2−エチルヘキシルトリメリテート(TEHTM)で可塑化されたポリ塩化ビニルを使用することができる。
システム10はまた、PPPをも、同じ液体流路を通して容器C3のどれかに収集する。PPPの連続的保持は、成分分離工程の最中及び後の双方において、多くの目的に役立つ。
PPPの保持は、処理中の治療目的に役立つ。PPPは、成分分離工程の間にWB中へと量り込まれた抗凝固剤の大部分を含有している。PPPの全てを供血者へ返還する代わりにその一部を保持することにより、処理中に供血者に受け取られる抗凝固剤の全体量が減らされる。この減少は、大量の血液が処理される場合、特に重要である。処理の間のPPPの保持はまた、供血者の循環血小板カウントを、処理の間、より高く且つより一定に維持する。
システム10はまた、保持されたPPPから処理上の利点を導き出す。
システム10は、代わりの再循環モードにおいて、保持されたPPP(PRPでなく)の一部を、第1のコンパートメント24に入ってくるWBと混合するために再循環させる。又は、WB流が処理の間に一時的に停止したならば、システム10は、保持されているPPP量を、抗凝固剤添加された「開存維持」液として、液体ラインを開存させておくために引くことができる。加えて、分離工程の終わりにおいて、システム10は、返還分枝40を介して供血者へ返還するため第1段階コンパートメント24からRBCを再懸濁させて排除するために、「濯ぎ戻し」液として、保持されているPPP量を引く。分離工程の後、システム10はまた、収集容器C3内への移し替えと貯蔵のために、第2コンパートメント24中においてPCを再懸濁させるため、再懸濁モードにおいて作動する。
II. システム制御装置
制御装置18は、記述されているように、全体的プロセス制御及びシステム10のモニタリング機能を行う。
図解されている好ましい具体例においては(図2を参照)、制御装置は、主処理装置(MPU)44を含む。この好ましい具体例においては、MPU44は、Motorola Corporation製の68030型のマイクロプロセッサよりなるが、他の型の慣用のマイクロプロセッサを使用することもできる。
この好ましい具体例においては、MPU44は、MPUサイクルを処理タスクに割りつけるために、慣用のリアルタイムのマルチタスク処理を採用している。周期的タイマー割り込み(例えば、5ミリ秒毎)が、実行中のタスク及びスケジュールを、実行のための準備状態にある別のものに差し替える。再スケジュール化が要求されたとき、準備状態にある最優先のタスクがスケジュールに組み込まれる。そうでない場合には、準備状態にあるリスト中の次のタスクがスケジュールに組み込まれる。
A. 機能的ハードウェア制御
MPU44は、アプリケーション制御マネージャー46を含む。アプリケーション制御マネージャー46は、制御アプリケーション(A1乃至A3で示されている)のライブラリ48の活性化を管理する。各制御アプリケーションA1〜A3は、与えられた機能的タスクを、システムハードウェアを(例えば、遠心機12、ポンプP1〜P4、及び弁V1〜V3)を所定の方法で用いて実施するための手順を規定している。図解された好ましいこの具体例においては、アプリケーションA1〜A3は、プロセスソフトフェアとして、MPU44のEPROM内に駐在する。
アプリケーションA1〜A3の数は変更することができる。図解されている好ましい具体例においては、ライブラリ48は、少なくとも1つの臨床手順アプリケーションA1を含む。この手順アプリケーションA1は、一つの所定の臨床的処理手順を実行するための各ステップを含む。図解されている具体例の例示のため、ライブラリ48は、図1に関連して既に一般的に記述したような、2針血小板収集操作を実施するための手順アプリケーションA1を含む。勿論、追加の手順アプリケーションが含まれてもよく、そして典型的には含まれているであろう。例えば、ライブラリ48は、慣用の1針血小板収集操作を実行するための手順アプリケーションを含むことができる。
図解されている好ましい具体例においては、ライブラリ48はまた、システム最適化アプリケーションA2をも含む。システム最適化アプリケーションA2は、システムの性能を最適にする情報及び制御変数を求めるために、リアルタイムの処理状態及び経験的推定に基づいて情報を処理する、相互に関連した特化したユーティリティー機能を含む。最適化アプリケーションA2の更なる詳細は、後で記述されよう。
ライブラリ48はまた、メインメニューアプリケーションA3をも含み、それは、後で記述するようにオペレータによる種々のアプリケーションA1〜A3の選択を調整する。
勿論、追加の非臨床的手順アプリケーションも含むことができ、そして典型的には含むであろう。例えば、ライブラリ48は、構成アプリケーションを含んでよく、これはオペレータがシステム10のデフォールトのオペレーティング・パラメータを構成することを許容するための手順を含む。更なる例としては、ライブラリ48は、診断アプリケーション(これは、システムの機能的完全性の診断と問題解決においてサービス要因を補助する手順を含む。)、及び、システム再始動アプリケーション(これは、システムが管理不能又はエラー状態から回復不能になった場合にシステムの完全な再始動を実行する。)を含むことができる。
機器マネージャー50がまた、MPU44中のEPROM中にプロセスソフトウェアとして駐在する。機器マネージャー50は、アプリケーション制御マネージャー46と通信する。機器マネージャー50はまた、ポンプ、ソレノイド、弁及びシステムの他の機能的ハードウェアのための下位レベルの周辺制御装置52と通信する。
図2が示すように、アプリケーション制御マネージャー46は、活性化アプリケーションA1〜A3によって呼び出されたとき、具体化された機能命令を機器マネージャー50へと送る。機器マネージャー50は、機能を実行するための周辺制御装置52を同定し、ハードウェア固有コマンドをコンパイルする。周辺制御装置52は、ハードウェア固有コマンドを実行するためにハードウェアと直接に通信し、それによりハードウェアを固有の仕方で作動させる。通信マネージャー54は、機器マネージャー50と周辺制御装置52との間の下位のプロトコール及び通信を管理する。
図2がまた示すように、機器マネージャー50はまた、アプリケーション制御マネージャー46に、処理手順の作動上の及び機能的な状態についての状態データを送り返す。状態データは、例えば、液体流速、関知された圧力、及び測定された液体量によって表現される。
アプリケーション制御マネージャー46は、選ばれた状態データをオペレーターに表示するために伝送する。アプリケーション制御マネージャー46は、作動的及び機能的状態を、手順アプリケーションA1及び性能モニタリングアプリケーションA2へと伝送する。
B. ユーザインターフェース制御
図解されている具体例においては、MPU44はまた、対話型ユーザインタフェース58をも含む。このインターフェース58は、オペレータがシステム10の作動に関する情報を眺めて理解することを許容する。インターフェース58はまた、オペレータがアプリケーション制御マネージャー46中に駐在するアプリケーションを選択すること、並びに、システム10のある種の機能及び性能基準を変更することをも許容する。
インターフェース58は、インターフェーススクリーン60及び、好ましくは、オーディオ装置62を含む。インターフェーススクリーン60は、オペレータによって眺められるために、英数字形式で及びグラフィック・イメージとして情報を表示する。オーディオ装置62は、オペレータの注意を引くため又はオペレータの動作を確認するために、可聴のプロンプトを提供する。
図解されている好ましい具体例においては、インターフェース・スクリーン60はまた、入力装置としても働く。それは慣用の接触活性化によって、オペレータからの入力を受ける。接触活性化の代わりとして又はこれと組み合わせて、マウス又はキーボードを入力装置として使用できる。
インターフェース制御装置64は、インターフェース・スクリーン60及びオーディオ装置62と通信する。インターフェース制御装置62は、今度は、インターフェース・マネージャー66と通信し、これが今度は、アプリケーション制御マネージャー46と通信する。インターフェース制御装置64及びインターフェース・マネージャー66は、MPU44内のEPROM中にプロセスソフトウェアとして駐在する。
インターフェース58の更なる詳細は、同時継続出願第XXXに開示されている。
C. システム最適化アプリケーション
図解されている具体例においては(図3が示すように)、システム最適化アプリケーションA2は、F1乃至F6で示した6つの特化した、しかも相互に関係したユーティリティー機能を含む。勿論、ユーティリティー機能の数及びタイプは変えることができる。
図解されている具体例においては、ユーティリティー機能F1は、収集目標とされた特定の細胞成分についてのシステム10の収穫を求める。血小板収集手順アプリケーションA1については、ユーティリティー機能F1は、システム10のその瞬間の物理的状態を、分離効率によって、そして供血者のその瞬間の生理学的状態を、収集可能循環血小板数によって、確認する。これらから、ユーティリティー機能F1は、処理期間の間連続して各瞬間の血小板収穫を求める。
なおも別のユーティリティー機能F2は、選ばれた情報状態値及びパラメータを発生させるために、算出された血小板収穫及び他の処理状態に依存する。これらの値及びパラメータは、最適性能状態を確立し維持するに当たってオペレータを補助するために、インターフェース58に表示される。ユーティリティー機能F2によって求められた状態値及びパラメータは、変更することができる。例えば、図解されている具体例においては、ユーティリティー機能F2は、処理すべき残存量、残りの処理時間、及び成分収集量及び速度を報告する。
別のユーティリティー機能F3は、ユーティリティー機能F1によって求められたた血小板収穫に基づいて、血小板のための最適の貯蔵パラメータを、貯蔵容器数及び使用すべきPPP貯蔵媒質の量として計算し推奨する。
他のユーティリティー機能は、最適の処理条件を確立し維持するためにアプリケーション制御マネージャー46によって使用するため、処理状態に基づいて制御変数を発生させる。例えば、一つのユーティリティー機能F4は、第1段階24内における血小板分離を最適化するための制御変数を発生させる。別のユーティリティー機能F5は、起こり得るクエン酸塩毒性反応を回避するために、クエン酸塩抗凝固剤がPPPと共に供血者に返還される速度を制御するための制御変数を発生させる。
尚も別のユーティリティー機能F6は、推定処理時間を求め、これは供血者が繋がれる前に収集時間を予測する。
これらのユーティリティー機能F1乃至F6の更なる詳細が、今やより詳細に記述されよう。
III. 血小板収穫の誘導
ユーティリティー機能F1(図4を参照)は、システム10の血小板分離効率(ηPlt)についての連続的計算を行う。ユーティリーティー機能F1は、血小板分離効率ηPltを、全血中の利用可能な総血漿量に対する、供血者全血から分離された血漿量の比率と同じであるとして扱う。ユーティリティーF1は、それにより、供血者全血より分離された血漿量中の全ての血小板が収穫されるであろうと仮定する。
供血者のヘマトクリットは、抗凝固剤による希釈及び血漿除去の影響のために、処理中変化し、従って、分離効率ηPltは、一定の値に止まってはおらず、手順を通して変化する。ユーティリティー機能F1は、収穫を増分的にモニターする事によって、これらの工程に依存した変化に対処する。これらの収穫は、増分浄化量(ΔClrVol)と呼ばれるが、現在の分離効率ηPltに現在の供血者全血の、処理されつつある抗凝固剤希釈された増分量を乗ずることによって、次の通りに計算される:
方程式(1)
ΔClrVol=ACDil×ηPlt×ΔVOLProc
ここに:
ΔVolProcは、処理されつつある増分全血量であり、そしてACDilは、増分全血量についての抗凝固剤希釈因子であり、次の通りに計算される:
方程式(2)
ここに:
ACは、抗凝固剤量に対する全血量の、選ばれた比率(例えば10:1すなわち「10」)である。ACは、処理期間中、固定された値よりなるものであってよい。代わりとして、ACを、処理期間中、所定の基準に従って段階的に変化させてよい。
例えば、ACは、処理の開始時に、当初の期間については低い比率に設定され、そして次いで、続く各期間の後は段階的に増大されてよい: 例えばACを、処理の最初の1分間は6:1に設定し、次いで次の2.5乃至3分間は8:1まで増大させ、そして最終的に10:1の処理レベルまで引き上げてよい。
抗凝固剤の導入もまた、第2の処理段階32へ入ってくるPRPの入口圧をモニターする事によって段階的に行ってよい。例えば、ACを、当初の圧力(例えば500mmHg)が設定された閾値レベル(例えば200mmHg乃至300mmHg)へと降下するまでは、6:1に設定してよい。次いで、ACを、所望のレベルに止まるよう圧をモニターしつつ、10:1という処理レベルまで段階的に引き上げてよい。
ユーティリティー機能F1はまた、血漿量1μl中1000個の血小板の単位(すなわちk/μl)で表された、供血者の現在の循環血小板カウント(PltCirc)について連続的推定を行う。ηPltと同様に、PltCircは、希釈及び除去の影響を受けて処理の間変化する。ユーティリティー機能F1は、血小板収穫を、やはり、各増分浄化血漿量ΔClrVol(ηPltの各瞬間の算出に基づく)に循環血小板カウントPltCircの瞬間推定を乗ずることによって、増分的にモニターする。得られた結果は、増分血小板収穫(Δyld)であり、典型的にはen個の血小板の形で表され、ここに、ne=0.5×10n個の血小板である(e11=0.5×1011個の血小板)。
如何なる与えられた時点においても、増分血小板収穫ΔYldの総計は、現在の血小板収穫YldCurrentを構成し、これはまた、次のようにも表すことができる:
方程式(3)
ここに:
YldOldは、最後に計算されたYldCurrentであり、そして
方程式(4)
ここに:
PltCurrentは、供血者の循環血小板カウントについての現在の(瞬間の)推定である。
ΔYldは、単位を揃えるために方程式(4)において100,000で割られている。
以下は、ユーティリティー機能F1による上記の処理変数の誘導の更なる詳細を提供する。
A. 全体分離効率ηPltの誘導
システム全体の効率ηPltは、システムの個々の部分の効率の積であり、次の様に表される:
方程式(5)
ηPlt=η1stSep×η2ndSep×ηAnc
ここに:
η1stSepは、第1の分離段階におけるWBからのPRPの分離の効率である。
η2ndSepは、第2の分離段階におけるPRPからのPCの分離の効率である。
ηAncは、システムにおける他の補助的な処理ステップの効率の積である。
1. 第1の段階の分離効率η1stSep
ユーティリティー機能F1(図4を参照)は、測定した及び経験的な値に基づいて、次の表現を用いて操作の進行の間η1stSepを連続的に求める:
方程式(6)
ここに:
Qbは、測定された全血流速(単位:ml/分)である。
Qpは、測定されたPRP流速(単位:ml/分)である。
Hbは、第1段階分離コンパートメントに流入してくる抗凝固剤添加全血の見かけのヘマトクリットである。Hbは、検知された流れ条件及び理論的考察に基づいてユーティリティーによって求めるられた値である。ユーティリティー機能F1は、従って、実際のWBヘマトクリットを測定するために、オンライン・ヘマトクリット・センサを必要としない。
ユーティリティー機能F1は、次の関係に基づいてHbを求める:
方程式(7)
ここに:
Hrbcは、検知された作動状態及び第1段階分離チャンバーの物理的寸法に基づく、第1段階分離チャンバー内におけるRBCベッドの見かけのヘマトクリットである。Hbに関すると同様に、ユーティリティー機能F1は、Hrbcを決定するのに物理的センサを必要とせず、Hrebは、次の表現に従ってこのユーティリティーによって求められる:
方程式(8)
ここに:
qbは、入口血流速度(cm3/秒)であり、これは、ml/分に換算したとき方程式(6)のQbに対応する既知の値である。
qpは、測定されたPRP流速(単位:cm3/秒)であり、これは、ml/分に換算したとき、方程式(6)のQpに対応する既知の値である。
βは、剪断速度依存性の項であり、そしてSγは、赤血球沈降係数(秒)である。経験的データに基づいて、方程式(8)は、β/Sγ=15.8×106秒-1と仮定する。
Aは、分離チャンバーの面積(cm2)であり、既知の寸法である。
gは、遠心加速度(cm/秒2)であり、第1分離チャンバーの半径(既知の寸法)×回転速度の二乗Ω2(ラジアン/秒)2(別の既知量)である。
kは、粘性定数=0.625であり、Kは、k及び別の粘性定数α=4.5に基づく粘性定数であり、ここに:
方程式(9)
方程式(8)は、次の方程式(10)に表された関係から求められる:
方程式(10)
Brown, The Physics of Continuosu Flow Centrifugation Cell Separation, “Artifical Organs”, 1989;13(1):4-20))に記載。方程式(8)は、方程式(10)をHrbcについて解いたものである。
2. 第2段階分離効率η2ndSep
ユーティリティー機能F1(図4を参照)はまた、対数正規分布した血小板のどの部分が第2分離段階32内において収集されるかを、それらの寸法(平均血小板量、すなわちMPV)、流速(Qp)、分離段階32の面積(A)、及び遠心加速度(g、これは第2段階の回転半径×回転速度の二乗Ω2である)の関数として、計算するコンピュータモデル化から求められたアルゴリズムに基づいて、操作の間η2ndSepも連続的に求める。
このアルゴリズムは、グラフとして図8に示された関数によって表現することができる。グラフは、1つの無次元のパラメータであるgASp/Qpによってη2ndSepをプロットする。
ここに:
Spは、1.8×10-9 MPV2/3(秒)であり、そして
MPVは、平均血小板量(fl、すなわちμm立方)であり、これは、処理前に収集された供血者血液のサンプルから慣用の技術によって測定できる。MPVには、異なった計数器の使用による変動があり得る。ユーティリティー機能は、従って、使用したタイプの計数器に従って該機能によって使用するためMPVを標準化するための、ルックアップ表を含むことができる。代わりとして、MPVは、臨床的な血小板事前カウントPltPREデータの統計学的評価から求められた関数に基づいて推定することができ、これをユーティリティー機能が使用することができる。本発明者は、そのような臨床データの推定に基づいて、MPV関数を次の通りに表すことができるものと信ずる:
MPV(fl)≒11.5−0.009 PltPRE(k/μl)
3. 補助的分離効率ηAnc
ηAncは、処理システムの他の部分の(血小板損失による)効率を考慮に入れている。ηAncは、第1段階チャンバーから第2段階チャンバーへの(PRPの形での)血小板輸送の効率;血小板を(やはりPRPの形で)白血球除去フィルターを通して輸送する効率;処理の後の第2段階チャンバーからの血小板の(PCの形での)再懸濁及び輸送の効率;及び1針又は2針形態において先に処理された血液を再処理する効率を考慮に入れている。
これらの補助的処理ステップの効率は、臨床データに基づいて評価でき又はコンピュータモデル化に基づいて推定可能である。これらの考慮に基づいて、ηAncについて予測された値を当てはめることができ、これを方程式(5)が、与えられた操作の進行にわたって一定であるとして処理する。
B. 供血者血小板カウント(PltCirc)の誘導
ユーティリティー機能F1(図4を参照)は、処理中における供血者の現在の循環血小板カウントPltCircを予測するため、動力学モデルに依存している。このモデルは、次の関係に従って、PltCircを求めるために、供血者の血液量を推定し、次いで、処理中の希釈及び除去の影響を予測する:
方程式(11)
PltCirc=〔〔Dilution)×PltPre〕−(Depletion)
ここに:
Pltpreは、処理開始前の供血者の循環血小板カウント(k/μl)であり、これは、処理前に供血者から採られた全血のサンプルから慣用の技術によって測定することができる。PltPreには、異なった計数器の使用による変動があり得る(例えば、Peoples et al., “A Multi-Site Study of Variables Affecting Platelet Coumting for Blood Conponent Quality Control,” Transfusion(Special Abstract Supplement, 47th Annual Meeting), V. 35, No.10S, October 1994, Supplementを参照のこと)。ユーティリティー機能は、従って、使用した計数器に応じて該機能によって使用するための、全ての血小板カウント(例えば、後で記述するPltPre及びPltPost)を標準化するためのルックアップテーブルを含むことができる。
「Dilution」は、システムのプライミング液量及び抗凝固剤の放出によって引き起こされる供血者の見かけの循環血液量の増加による、供血者の処理前の循環血小板カウントPlePreを低下させる因子である。Dilutionはまた、操作の間の腎臓による血管スペースからの連続的な液体除去をも考慮する。
「Depletion」は、処理によって利用できる供血者の循環血小板プールの除去を考慮に入れている。Depletionはまた、血小板の回復における、処理の間の循環血液量中への脾臓の対応した動員をも考慮に入れている。
1. Dilutionの推定
ユーティリティー機能F1は、次の表現に基づいて希釈因子を推定する:
方程式(12)
ここに:
Primeは、システムのプライミング量(ml)である。
ACDは、(誘導が行われる時間に依存して現在の又は終点の)使用した抗凝固剤の量(ml)である。
PPPは、(現在の又は目標の)収集されたPPPの量である(ml)。
DonVol(ml)は、供血者の身長、体重及び性を考慮に入れたモデルに基づく供血者血液量である。これらのモデルは、次の一層合理化された表現への回帰によって線形にされた、血液量を供血者体重に対してプロットするための経験的データを用いて、更に単純化される:
方程式(13)
DonVol=1024+51Wgt(r2=0.87)
ここに:
Wgtは、供血者体重(kg)である。
2. Depletionの推定
血小板の連続的な収集は、利用できる循環血小板プールを除去する。一次モデルは、次のように、供血者循環血液量(DonVol)で除した供血者血小板カウントが血小板収穫(Yld)(現在又は目標)によって減少すると予測する:
方程式(14)
ここに:
Yldは、現在の瞬間の又は目標の血小板収穫(k/μl)である。方程式(14)において、Yldは、単位を揃えるために100,000倍されている。
方程式(14)は、除かれた血小板の脾臓による動員〔これは、脾臓動員因子(又はSpleen)と呼ばれる。〕は考慮に入れていない。「Spleen」は、低い血小板カウントを有する供血者は、それにも関わらず、脾臓に保持された大きな血小板貯蔵を有していることを示している。処理の間、循環血小板が供血者血液から抜き取られるにつれて、脾臓は、それが貯蔵のために保持している血小板を放出し、それにより、循環血小板の低下を部分的に補填する。本発明は、初めの血小板カウントは供血者間で大きく変動するが、利用できる全血小板量は、供血者間で驚くほど一定していることを発見した。平均の見かけの供血者量は、血液1l当たり血小板3.10±0.25mlである。変動計数は8.1%であり、正常の供血者のヘマトクリットの変動係数より僅かに高いだけである。
本発明者は、実際の測定された除去をDepl(方程式(14))と比較し、プロットし、そしてPltPreの関数として線形化することによって、動員因子Spleenを求め、それによって、SpleenをPltPREの関数として表現した。すなわち:
Spleen=f(PltPRE)
この解析は、曲線を導き、それは、Spleen関数を推定し、それは次のように表される。
Spleen=a−b(PltPRE)
ここに:
aは、該曲線のy切片であり、そして
bは、該曲線の勾配である。
この分析は、a≒2.25、及びb≒0.004であることを明らかにした。従って、Spleen(これは、下限が1に限定されている)は、次の通りである:
方程式(15)
Spleen=〔2.25−0.004 PltPre〕≧1
方程式(14)及び(15)に基づいて、ユーティリティー機能は、Depletionを次の通りに求める:
方程式(16)
Spleen関数は、他の文脈において使用することができる。例えば、それは、ヒト体内の脾臓によって貯蔵されている血小板数NSPLEENの性格な推定を可能にする。現在の体内の血小板の事前カウント(PltPRE)を入力することによって、、脾臓動員関数(Spleen)を誘導することができる。NSPLEENは推定することができ:
NSPLEEN=(Spleen−1)×PltPRE×DonVol
〔ここに、DonVolは、体内の血液量である。〕
同様に、Spleen関数は、次の表現:
NPLE=PltPRE×Spleen×DonVol
〔ここに、DonVolは、体内の血液量である。〕を用いて、ヒト体内の血小板の総数(NPLT)の正確な推定を可能にする。
C. リアルタイム操作の修正
オペレータは、全ての供血者について操作の開始時に常に現在の血小板事前カウントPltPreを有する訳ではないであろう。ユーティリティー機能F1は、システムがデフォールト・パラメータの下に又は先の操作から得た値の下に稼動することを許容する。ユーティリティー機能F1は、実際の血小板事前カウントPlt Preが後でオペレータによって処理中に入力されることを許容する。ユーティリティー機能F1は、新しく入力された値を反映させる一組の条件の下に、血小板収穫を再計算する。ユーティリティー機能F1は、有効浄化量を計算するのに現在の収穫を使用し、秘蔵動員の血小板事前カウントに依存する性質を保持しつつ、ついでその量を、新しい現在の収穫を計算するために使用する。
ユーティリティー機能F1は、有効浄化量を次の通りに計算するために、現在の収穫を用いる:
方程式(17)
ここに:
ClrVolは、浄化された血漿量である。
DonVolは、方程式(13)に従って計算された供血者循環血液量である。
Yldcurrentは、現在の処理状態に基づく、方程式(3)に従って計算された、現在の血小板収穫である。
Primeは、血液側のプライミング量(ml)である。
ACDは、使用した抗凝固剤量(ml)である。
PPPは、収集された血小板プア血漿の量(ml)である。
Preoldは、処理を開始する前の供血者血小板カウント(k/μl)である。
Spleenoldは、Preoldに基づいて方程式(16)を用いて計算された脾臓動員因子である。
ユーティリティーF1は、方程式(17)を用いて計算されたClrVolを、次のようにして新たな現在の収穫を求めるために使用する:
方程式(18)
ここに:
PreNewは、処理の間に入力された、訂正された供血者血小板事前カウント(k/μl)である。
YldNewは、この訂正された供血者血小板事前カウントPreNewを考慮に入れた、新たな血小板収穫である。
ClrVolは、浄化された血漿量であり、方程式(17)に従って計算される。
DonVolは、供血者の循環血液量であり、方程式(17)と同様に方程式(13)に従って計算される。
Primeは、血液側のプライミング量(ml)であり、方程式(17)と同様である。
ACDは、方程式(17)と同様、使用した抗凝固剤量(ml)である。
PPPは、方程式(17)と同様、収集された血小板プア血漿の量(ml)である。
SpleenNewは、PreNewに基づいて方程式(15)を用いて計算された脾臓動員因子である。
IV. 他の処理情報の誘導
ユーティリティー機能F2(図5を参照)は、手順のための最適な作動条件を決定するに際してオペレータを補助するための他の情報値及びパラメータを求めるために第1のユーティリティー機能F1によるYldの計算に依存する。次の処理値は、ユーティリティー機能F2が提供することのできる誘導を例示する。
A. 処理すべき残存量
ユーティリティー機能F2は、現在の作動効率ηpltを反映させるよう補正を伴って、収集すべき残存収穫を、処理の残りを通じた予想される平均血小板カウントで除すことによって、所望の血小板収穫を達成するのに必要な追加の処理量Vbrem(ml)を計算する。ユーティリティー機能F2は、この値を次の表現を用いて求める:
方程式(19)
ここに:
YldGoalは、所望の血小板収穫(k/μl)であり、
ここに:
vbremは、YldGoalを達成するために必要な処理量(ml)である。
YldCurrentは、現在の血小板収穫(k/μl)であり、現在の処理値に基づいて方程式(3)を用いて計算される。
ηPltは、現在の(瞬間の)血小板収集効率であり、方程式(5)を用いて、現在処理値に基づいて計算される。
ACDilは、抗凝固剤希釈因子(方程式(2))である。
PltCurrentは、現在の(瞬間の)循環供血者血小板カウントであり、方程式(11)を用いて現在の処理値に基づいて計算される。
PltPostは、処理後の予想される供血者カウントであり、やはり方程式(11)を用いて総処理値に基づいて計算される。
B. 残存処理時間
ユーティリティー機能F2はまた、残存収集時間(trem)を(分で)次の通りに計算する:
方程式(20)
ここに:
vbremは、処理すべき残存量であり、方程式(19)を用いて現在の処理状態に基づいて計算される。
Qbは、全血流速であり、これは使用者によって設定されるか又は、後で記述するように方程式(31)を用いてQbOptとして計算される。
C. 血漿収集
ユーティリティー機能F2は、血漿収集量(PPPGoal)を求めるために、次のように種々の血漿収集要求を加える:
方程式(21)
PPPGoal=PPPPC+PPPSource+PPPReinfuse+PPPWaste
+PPPCollCham
ここに:PPPPCは、PC製品のために選択された血小板プア血漿量であり、典型的なデフォールト値として250mlを有するか、又は、後で記述されるように方程式(28)に従って最適値PltMedとして計算される。
PPPSourceは、源血漿として収集のために選択された血小板プア血漿量である。
PPPWasteは、種々の処理目的のために貯蔵中に保持されるよう選択された血小板プア血漿量である(デフォールト=30ml)。
PPPCollChamは、血漿収集チャンバー内の血漿量である(デフォールト=40ml)。
PPPReinfuseは、処理の間に再注入される血小板プア血漿量である。
D. 血漿収集速度
ユーティリティー機能F2は、血漿収集速度(QPPP)を(ml/分で)次の通りに求める:
方程式(22)
ここに:
PPPGoalは、所望の血小板プア血漿収集量(ml)である。
PPPCurrentは、収集された血小板プア血漿の現在の量(ml)である。
tremは、収集の残り時間であり、方程式(20)を用いて、現在の処理状態に基づいて計算される。
E. 合計予想AC使用
ユーティリティー機能F2はまた、処理の間に使用されると予想される抗凝固剤の合計量(ACDEnd)をも、次の通りに計算する(ml):
方程式(23)
ここに: ACDCurrentは、使用した抗凝固剤の現在量(ml)である。
ACは、選択された抗凝固剤比率であり、
Qbは、全血流速であり、これはユーザによって設定されるか、又は、方程式(31)を用いて、現在の処理状態に基づいてQbOptとして計算される。
tremは、収集の残り時間であり、方程式(20)を用いて、現在の処理条件に基づいて計算される。
V. 最適の血小板貯蔵パラメータの推奨
ユーティリティー機能F3(図6を参照)は、処理の間に収集された血小板のための最適の貯蔵条件を決定するに際してオペレータを補助するために、ユーティリティーF1によるYldの計算に依存する。
ユーティリティーF3は、予想される貯蔵期間の間血小板を保持するための最適貯蔵条件を、血小板PltBag及び血小板と共に貯蔵媒質中に存すべき血漿(PPP)量pltMed(ml)のために必要な予め選択される貯蔵容器の数として求める。
血小板に最適な貯蔵条件は、貯蔵される量PltVolに依存し、次のように表される:
方程式(24)
PltVol=Yld×MPV
ここに:
Yldは、収集された血小板の数であり、そして
MPVは、平均血小板量である。
Pltvolが増加すると、貯蔵期間中における血小板の酸素要求もまた増加する。Pltvolが増加すると、代謝を維持するための血小板のグルコース消費及び、代謝の結果としての二酸化炭素及び乳酸の産生もまた増加する。表面積、厚み、及び材料という貯蔵容器の物理的特徴は、貯蔵期間の間、酸素が流入して二酸化炭素が抜け出すのを許容するよう、所望の程度のガス透過性を提供するように選択される。
血漿貯蔵媒質は、重炭酸塩HCO3を含み、これは血小板代謝によって産生された乳酸を緩衝し、血小板の生存を維持するpHレベルを保つ。PltVolが増大すると、HCO3の緩衝効果に対する要求が増大し、従って貯蔵中の血漿量の必要性も増大する。
A. PltBagの誘導
与えられた透過性を有する貯蔵容器中に貯蔵された血小板の酸素分圧pO2(mmHg)は、容器が保持している総血小板量PltVolに関連して減少する。図9は、与えられた透過性を有する容器に対する貯蔵1日後に測定されたpO2の関係を示すテストデータに基づくグラフである。図9のもととなっているこの貯蔵容器は、表面積54.458インチ2及び容量1000mlを有する。この貯蔵容器は、O2に対する透過性194cc/100インチ2/日、及び、CO2に対する透過性1282cc/100インチ2/日を有する。
分圧pO2が20mmHg未満に低下すると、血小板は酸素欠乏となりそして副生成物乳酸の量が有意に増加する。図9は、選ばれた貯蔵容器が、PltVol≦4.0mlにおいて40mmHgというpO2(酸素欠乏領域の十分上)を維持できることを示している。この控えめな基礎の上に、この容器について4.0mlの量が標的PltTVolとして選択される。他の容器についての標的量PltTVolは、この同じ方法論を用いて決定することができる。
ユーティリティー機能F3は、標的血小板量PltTVolを、次のようにPltBagを計算するために用いる:
方程式(25)
ここに:
BAG≦1.0のときPltBag=1であり、それ以外のときは、PltBag=〔BAG+1〕であり、ここに〔BAG+1〕は、量BAG+1の整数部分である。
例えば、9.5flという供血者MPV、及び血小板4×1011個というYldであり(PltVol=3.8)、且つPltTVol=4.0mlであるなら、BAG=0.95でありPltBag=1.0である。もしも供血者MPVが11.0flであり収穫Yld及びPltTVolが同じままであれば(PltVol=4.4)、BAG=1.1でありPltBag=2である。
PltBag>1のとき、PltVolは、必要とされた数の容器の間で均等に分割される。
B. PltMedの誘導
各日に用いられる重炭酸塩の量は、トロンボサイトクリットTct(%)の関数であり、次のように表される:
方程式(26)
1日当たりの重炭酸塩HCO3消費とTctとの間の関係は、選ばれた貯蔵容器につき実験的に決定することができる。図10は、図9のグラフのもととなったのと同一の容器について、この関係を示すグラフを示している。図10のy軸は、当該容器についてTctに基づいて実験的に測定された、1日当たりの重炭酸塩消費(Meq/4)を示す。ユーティリティーF3は、図10に表されたデータをルックアップテーブル内に含む。
ユーティリティー機能F3は、貯蔵期間にわたる1日当たりの予測された重炭酸塩の分解ΔHCO3を、次のようにして求める:
方程式(27)
ここに:
DonHCO3は、供血者血液中の測定された重炭酸レベル(Meq/l)であるか又は、代わりとして、典型的な供血者の重炭酸塩レベルであり、それは19.0Meq/l±1.3であると信じられている。
Storは、望ましい貯蔵期間(日数、典型的には3乃至6日)である。
ΔHCO3が与えられたとき、ユーティリティー機能F3は、Tctを、選ばれた容器についてのルックアップテーブルから求める。図10のもととなった貯蔵容器については、約1.35乃至1.5%のTctが、6日間の貯蔵のために殆どの場合に控えめにも適当であると信じられる。
Tct及びPltVolを分かると、ユーティリティー機能F3は、PltMedを方程式(25)に基づいて次の通りに計算する:
方程式(28)
PltBag>1のとき、PltMedは、要求された数の容器の間で均等に分割される。PPPPCは、方程式(21)においてPltMedに設定される。
VI. 制御変数の誘導
ユーティリティー機能F4及びF5は、プロセス制御変数を求めるのに、上記の物理学的及び生理学的関係のマトリックスに依存し、そしてプロセス制御変数をアプリケーション制御マネージャー46は、システムの性能を最適化するために使用する。次の制御変数は、ユーティリティー機能F4及びF5がこの目的のために提供することのできる誘導を例示する。
A. 再循環による高い血小板分離効率の促進
収集された血小板については高い平均血小板値MPVが望ましい。それが、第1の分離段階及びシステム全体の分離効率を表すからである。殆どの血小板は、Sysmex K-1000マシンで測定したとき、平均8乃至10flである(赤血球のうち最小のものは約30flに始まる)。残りの少数の血小板集団は、物理的に一層大きな血小板を構成する。これらの大きな血小板は、典型的には、血小板一個当たり15×10-15lを占め、いくらかは、30flを超える。
これらの大きい血小板は、第1の分離チャンバー内において、大半の血小板よりも迅速に赤血球界面上に沈降する。これらの大きい血小板は、赤血球界面に捕らえられる可能性が高く、収集のためのPRPには入らない。第1の分離チャンバー内における血小板の効率的な分離は、PRP中に収集するために該界面からこれら大きい血小板を持ち上げる。これは今度は、PRP中の大きな血小板の集団を増やすこととなり、従ってMPVを高める結果となる。
図11は、臨床データから求められたものであるが、MPVで表したときの血小板分離の効率が、第1段階の処理チャンバーに流入する全血の入口ヘマトクリットに高度に依存することを示している。これは、30%以下のヘマトクリットの場合に特に真であり、この場合分離効率の有意な上昇を得ることができる。
この考察に基づいて、ユーティリティー機能F4は、高いMPVを達成するために選ばれた望ましい入口ヘマトクリットHiを達成するためにPRPを再循環させて第1の分離段階の入口に戻す割合QRecircを設定する。ユーティリティー機能F4は、次の赤血球バランス方程式に基づいてHiを選択する。
方程式(29)
好ましい実施例において、Hiは40%以下であり、最も好ましくは約32%である。
B. クエン酸塩注入速度
抗凝固剤中のクエン酸塩は、身体によって速やかに代謝され、従って、処理の間に戻されるPPPへのその連続的注入を許容する。しかしながら、あるレベルのクエン酸塩注入では、供血者はクエン酸塩毒性を経験する。これらの反応は、強さ及び性質において変動し、異なった供血者は異なった閾レベルを有する。名目上の無症状クエン酸塩注入速度(CIR)は、経験的データに基づいて、約1.25mg/kg/分であると信じられている。これは、実際上全ての供血者が抗凝固剤比率10:1の、45ml/分の抗凝固剤添加血流速度において楽にアフェレーシスに耐えることができること示す、経験的データに基づいている。
クエン酸塩が赤血球内に入らないことを考慮すると、供血者に与えられる量は、操作の間中、血漿一部を連続的に収集することによって減らすことができ、該システムはこれを実行する。そうすることによって、供血者は、そうでない場合に予想されるのに比して高い流速で処理されることができる。これらの条件下における最大の無症状等価血流速度(EqQbCIR(ml/分)は、次の通りであると信じられている:
方程式(30)
ここに:
CIRは、選ばれた名目上の無症状クエン酸塩注入速度、又は、1.25mg/kg/分である。
ACは、選ばれた抗凝固剤比率、又は10:1である。
Wgtは、供血者の体重(kg)である。
CitrateConcは、選ばれた抗凝固剤中のクエン酸塩濃度であり、ACD−A抗凝固剤については21.4mg/mlである。
C. 最適抗凝固剤添加血液流速
供血者に戻される残存血漿量は、利用可能な総量からまだ収集すべき量を減じたものに等しい。この比率は、供血者から抜き取ることのできる最大の、又は最適の、無症状血流速度(QbOpt)(ml/分)を決定するために、ユーティリティー機能F5(図5を参照)によって次の通りに使用される:
方程式(31)
ここに:
Hbは、現在の処理状態に基づいて方程式(7)を用いて計算された、抗凝固剤添加ヘマトクリットである。
VbRemは、現在の処理状態に基づいて方程式(19)を用いて計算された、処理すべき残存量である。
EqQBCIRは、現在の処理状態に基づいて方程式(30)を用いて計算された、クエン酸塩等価血流速度である。
PPPGoalは、収集すべき総血漿量(ml)である。
PPPCurrentは、現在の収集血漿量(ml)である。
VII. 推定操作時間
ユーティリティー機能F6(図7を参照)は、操作時間(t)(分)を推定し、これは、供血者を接続する前に収集時間を予測する。推定操作時間tを求めるために、ユーティリティー機能F6は、オペレータが望みの収穫YldGoal及び望みの血漿収集量PPPGoalを入力することを要求し、更に、供血者体重Wgt、血小板事前カウントPltPre、並びにヘマトクリットHbまたはそのデフォールト推定を要求する。もしも推奨血小板貯蔵パラメータをオペレータが望むならば、ユーティリティー機能はMPVを入力として要求する。
ユーティリティー機能F6は、推定操作時間tを次のようにして求める:
方程式(32)
ここに:
方程式(33)
方程式(34)
方程式(35)
ここに:
Heqは、次のような赤血球ヘマトクリットHRBCの線形化した表現であり:
方程式(36)
Heq=0.9489−λHbEqQbCIR
ここに:
Hbは、実際の又はデフォールト推定の、供血者の抗凝固剤添加ヘマトクリットである。
EqQbCIRは、方程式(30)に従って計算された最大の無症状等価血流速度である。
そして
方程式(37)
ここに:
Ωは、処理チャンバーの回転速度(rpm)である。
そしてここに:
PPPは、処理すべき望みの血漿量である(ml)。
PVは、部分的処理量であり、これは、全体的分離効率ηPltが100%の場合に処理する必要のある量であって、次の通りに求められる:
方程式(38)
ここに:
ACDilは、抗凝固剤希釈因子(方程式(2))である。
CloVolは、浄化された量であり、次のように求められる:
方程式(39)
ここに:
Yldは、望みの血小板収穫である。
DohVolは、供血者の血液量=1024+51Wgt(ml)である。
Primeは、システムの血液側プライミング量(ml)である。
ACDEstは、使用される推定抗凝固剤量(ml)である。
PltPreは、処理前の供血者の血小板カウント、又はそのデフォールト推定である。
SPleenは、PltPreに基づいて方程式(16)を用いて計算された脾臓動員因子である。
機能F6はまた、望みのYldGoalを達成するために処理する必要のある全血量をも求める。この処理量WBVolは、次のように表される:
ここに:
tは、方程式(32)より求められた推定操作時間である。
Hbは、実際の又はデフォールト推定の、供血者の抗凝固剤添加ヘマトクリットである。
EqQbCIRは、方程式(30)に従って計算された最大の無症状等価血流速度である。
PPPGOALは、望みの血漿収集量である。
WBRESは、処理の後にシステム内に残された全血の残存量であり、これは既知のシステム変数でありシステムのプライミング量に依存している。
本発明の種々の特徴が、次の請求の範囲に示される。
Claims (8)
- 選ばれた供血者から血小板を分離するためのシステムであって;
血液を血漿と血小板に分離するための分離装置;
血漿収穫と血小板収穫とに分離するため、血漿と血小板を含んでいる抗凝固剤添加血液を選ばれた供血者から該分離装置へ移送するための該分離装置への入口;
該分離装置へ連結され、かつ少なくとも部分的に、該分離装置内で分離が行われている間、選ばれた供血者から収集可能な現在の血小板カウント(Pltcirc)を下記方法により推定する第1の要素を含んでいる処理要素を備え;該方法は、
選ばれた供血者の血小板事前カウント(PLTPRE)を測定するステップ;
抗凝固剤添加によって引き起こされる希釈因子(Dilution)を推定するステップ;
選ばれた供血者に特異的でなく供血者の集団から誘導された脾臓動員関数(Spleen)に基づき、血液処理の間入手可能な血小板除去によって引き起こされる除去因子(Depletion)を式
〔ここに、Yldは、Depletionが推定された時点の、求められた血小板収穫(k/μl)であり、DonVolは、供血者血液の総量(ml)である。〕によって推定するステップよりなり;
ここでSpleenはPltPREの関数であり;そして
Pltcirc=〔(Dilution)×PltPRE〕−(depletion)
である、前記システム。 - DonVolが、
DonVol=1024+51Wgt(r2=0.87)
〔ここに、Wgtは、供血者の体重(kg)である。〕として求められるものである、請求項2のシステム。 - 関数Spleenは、曲線
Spleen=a−b(PltPRE)
〔ここに、aは、該曲線のy切片であり、
bは、該曲線の勾配であり、
PltPREは、供血者の血小板事前カウントである。〕
として表される請求項1のシステム。 - Spleenが、
Spleen=〔2.25−0.004Pltpre〕≧1
として表され、ここにpltpreが供血者の血小板の事前カウントである、請求項4のシステム。 - 血液を血漿と血小板に分離するための分離装置;
血漿収穫と血小板収穫とに分離するため、血漿と血小板を含んでいる抗凝固剤添加血液を選ばれた供血者から該分離装置へ移送するための該分離装置への入口;
該分離装置へ連結され、かつ少なくとも部分的に、該分離装置内で分離が行われている間、選ばれた供血者に特異的な血小板総数NPLTを下記方法により推定する第1の要素を含んでいる処理要素を備えている、選ばれた供血者から血小板を分離するためのシステムであって;
ここでNPLTは変動する血小板事前カウントを有する供血者集団中の1人の選ばれた供血者から収集可能な血小板総数NPLTであり;
該方法は;
選ばれた供血者の血小板事前カウント(PltPRE)を測定するステップ;
選ばれた供血者に特異的でなく供血者の集団から誘導された脾臓動員関数(Spleeln)すなわち
Spleen=f(PltPRE)
を誘導するステップ;
選ばれた供血者に特異的なNPLTの値を式
NPLT=PltPRE×Spleen×DonVol
(ここでDonVolは選ばれた供血者の体内血液量である。)によって誘導するステップ;および
選ばれた供血者に特異的なNPLTの値を前記処理要素へ出力するステップよりなる;
前記システム。 - 脾臓関数Spleenは、曲線
Spleen=a−b(PltPRE)
(ここで、aは該曲線のy切片であり、bは該曲線の勾配である。)
として表される請求項6のシステム。 - a=2.25であり、そしてb=0.004である請求項6のシステム。
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