JP3993999B2 - 可変容量型気体圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒の吐出容量を変化させることができる可変容量型の気体圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
可変容量型の気体圧縮機は、必要熱負荷の変動に応じて吐出容量を変化させることで最適な冷力を提供すること等を目的としている。また、車載用の圧縮機は、内燃機関からの動力を利用して駆動されるため、内燃機関への大きな負荷となっている。このため、車両の加速時等のように内燃機関への負荷が大きい場合には圧縮機の吐出容量を少なくすることで、内燃機関への負荷を軽減して車両の性能を充分に引き出すことができる。したがって内燃機関への負荷状態や、必要熱負荷の変動に応じて吐出容量を変化させることで最適な冷力を提供することができる。容量可変型の気体圧縮機では、吸入行程におけるシリンダ圧縮室への吸入閉じ込み容積を変化させることにより吐出容量の制御を行うことができる。
【0003】
この気体圧縮機の一例を図12、図13に基づいて説明すると、内周が筒状のシリンダ5と、該シリンダ5の軸方向両端部にあるフロントサイドブロック6、リアサイドブロック7と、前記シリンダ5内に回転可能に配置されたロータ11と、該ロータ11に設けられたベーン溝12に進退可能に収容されたベーン15とを有しており、上記ロータ11の回転によりロータ11とベーン15とシリンダ5とで仕切られる圧縮室21の容積を変化させて気体を圧縮する。上記部材を内蔵する圧縮機のフロントハウジング1aは冷媒の吸入口2を有し、リアハウジング1bは吐出口3を有している。前記吸入口2には、吸入配管25が接続されており、該吸入配管25を通して冷媒ガスが導入される。
前記フロントハウジング1a内には、前記吸入口2に連通する吸入室4が設けられており、該吸入室4と前記シリンダ圧縮室21とがフロントサイドブロック6側およびリアサイドブロック7側でそれぞれ連通している。また、リアサイドブロック7とリアハウジング1bとで形成される空間内には前記シリンダ圧縮室21に連通する吐出室8が設けられており、該吐出室8に前記吐出口3が連通し、該吐出口3に吐出配管(図示しない)が接続されている。また、この容量可変型の気体圧縮機では、リアサイドブロック7とシリンダ5との間に、円板形状からなり、その周縁に通気用切り欠き部32を有する制御プレート31が圧縮機軸方向を中心に回転可能に配置されている。
【0004】
該圧縮機では、吸入行程において冷媒ガスが吸入口2、吸入室4を介してシリンダ圧縮室21内に流入し、ロータ11の回転に伴って圧縮室21が吸入室4と遮断されることにより冷媒ガスが閉じ込まれ、圧縮行程・吐出行程へと移行する。また制御プレート31を回転させると切り欠き部32の位置が変わって圧縮室21の開口面積が変わるので、ベーン15による圧縮開始角度が変わり圧縮室21における閉じ込み量、すなわち冷媒の圧縮容量を変化させることができる。
そして圧縮室21容積が最大になる閉じ込み位置が得られるように制御プレート31の回転位置を制御することで、最大吐出容量を実現し、それよりも閉じ込む位置が遅れた位置にあるように制御プレート31の回転位置を調整する制御域で吐出容量を減少させる制御を可能としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の容量可変型圧縮機は、ベーンロータリ式やスクロール式では制御プレートが制御域(最大吐出容量以下の回転位置)に位置していると、一旦最大となる圧縮室容積になるまで冷媒ガスを吸入し、閉じ込み位置における圧縮室容積になるまで過剰な冷媒ガスの吐き戻し(バイパスロス)が生じる。このバイパスロスによって生じる吸入側低圧空間の圧力変動が吸入圧力脈動として出現する。特に容量が小さくなるほど冷媒ガスの吐き戻し量が多くなるため圧力脈動の大きさが増大する。
吸入圧力脈動は、コンプレッサの低圧側空間から配管あるいは蒸発器(エバポレータ)や膨張弁へと伝播し、配管系の脈動音や共振音、あるいは車両振動の原因となる。
【0006】
従来、この吸入脈動対策としては、蒸発器からコンプレッサに通じる配管の途中に配管よりも大きな外径を持つ膨張型消音器を設置することで解決する例が見られるが、自動車のエンジンルーム内のスペース上取り付けることが不可能な場合もある。一方、圧縮機内部に同様な大型消音器を設置することも考えられるが、圧縮機外径が大きくなり、補器類と干渉する問題がある。さらに配管を弾性支持する方法も考えられるが、車両上の設置空間に制約があったり、部品点数の増加に伴うコスト増などの問題がある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、容量可変型圧縮機における吸入脈動の問題を取り付けスペース上の問題を招くことなく確実に解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の可変容量型気体圧縮機のうち請求項1記載の発明は、冷媒を吸入する吸入口と、圧縮した冷媒を吐出する吐出口と、前記吸入口に連通する吸入室と、該吸入室に連通する気体圧縮部と、前記気体圧縮部と一方で連通し、他方で前記吐出口と連通する吐出室と、前記気体圧縮部から吐出される冷媒の吐出容量を変化させる吐出容量可変機構とを備えており、前記吸入室が、通気部を有し、かつ冷媒の流れ方向に交差して配置される仕切り板によって、冷媒の流れ方向において通気を確保しつつ複数の空間に仕切られており、前記通気部の通気有効断面積を変化させる通気面積調整部と、該通気面積調整部を駆動する制御可能な駆動手段とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の可変容量型気体圧縮機は、請求項1記載の発明において、前記気体圧縮部は、内周が筒状のシリンダと、該シリンダの軸方向両端部にあるサイドブロックと前記シリンダ内に回転可能に配置されたロータと該ロータに設けられたベーン溝に進退可能に収容されたベーンとを備えており、前記吐出容量可変機構は、周縁に通気用切り欠き部を有する円板形状を有し、前記吐出口側のサイドブロックとシリンダとの間に回転可能に配置されて、前記通気用切り欠き部の回転移動によりシリンダに対する開口面積を変化させる制御プレートを備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項記載の可変容量型気体圧縮機は、請求項1または2に記載の発明において、前記気体圧縮部における吸入口側の冷媒導入開口部に対向して前記仕切り板の板面が位置していることを特徴とする。
【0011】
請求項記載の可変容量型気体圧縮機は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記通気部が、前記仕切り板に設けられた1または2以上の通気口からなることを特徴とする。
【0012】
請求項記載の可変容量型気体圧縮機は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記通気部が、前記仕切り板に設けられ、少なくとも吸入口側に突き出した筒体からなることを特徴とする。
【0013】
請求項記載の可変容量型気体圧縮機は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記通気部は、吸入口の通気有効断面積よりも該断面積を小さくしたものであることを特徴とする。
【0016】
すなわち、請求項1記載の本発明によれば、容量制御時、特に閉じ込み容量が小さい状態で起こるバイパスロスによって圧縮室の開口部分から生ずる吸入圧力脈動が、吸入室における仕切られた空間を移動する際に、仕切り通過時の通路の断面積が変化することで吸入圧力脈動が低減され、外部の配管、蒸発器や膨張弁へ脈動が伝播するのを有効に防止し、異音の発生を防止する。なお、該作用の具体的な現象は、後述する吸入室空間の仕切り構造や通気の確保状態によって異なる。
【0017】
なお、本発明の気体圧縮機は、上記した吸入口、吸入室、気体圧縮部、吐出室、吐出口、吐出容量可変機構を有するものである。これらの構成は本発明としては必須であるが、その具体的な構造、形状等は特に限定されるものではなく、上記構成を具備する種々の構造が対象となる。例えば吸入口および吸入室はフロントハウジングに設けられ、吐出室、吐出口はリアハウジングに設けられる。
また、本発明の気体圧縮機としては代表的には、請求項2に記載するように、ベーン式の圧縮機が挙げられる。該ベーン式の圧縮機では、吐出容量可変機構としてシリンダの吐出口側に配置された、周縁に切り欠き部を有する制御プレートを備えている。その他の可変容量型圧縮機としてスクロール式や斜板式圧縮機を挙げることもできる。
【0018】
そして本発明では、上記した吸入室が冷媒の通気方向において複数の空間に仕切られており、それぞれの空間は通気が確保されているので吸入口から気体圧縮部への冷媒移動は支障なく行われる。複数空間とする仕切り方法として、冷媒の流れ方向に交差して配置される仕切り板によって吸入室を複数の空間に仕切る。該仕切り板は、吸入室が設けられているフロントハウジング等と別の部材として用意し、これをフロントハウジング等に固定することによって配置してもよく、また、フロントハウジング等と一体となる形状部分を仕切り板として用いるものであってもよい。吸入室の複数空間への仕切りにおいては、仕切り空間を3以上とすることもでき、したがって仕切り板を2以上配置することもできる。複数の仕切り板はそれぞれが形状を異にするものであってもよい。
例えば、該仕切り板の配置においては吸入口側の冷媒導入開口部に対向して仕切り板の板面を位置させることにより、脈動による圧力波が直接吸入口側に向かうのを阻止して遮蔽効果による脈動の減少を促進させることができる。
【0019】
さらに複数空間に仕切る構造では、各空間の通気が確保されており仕切り板においては通気部を設ける。該通気部は、仕切り板とフロントハウジングやロータ軸との間に隙間を確保して、この隙間により通気を確保するものとしたものでもよい。また仕切り板に通気口を設けることによって構成するものでもよく、該通気口は複数設けられるものであってもよい。
なお、上記隙間を通気部として利用する仕切り板を複数設け、上記隙間を交互に位置をずらすことによって圧力波の整流効果を利用して脈動の減衰を図ることもできる。
【0020】
また、上記のように仕切り板に通気口を設けるものでは、通気口を通過した圧力波が空間に拡がることによって脈動を一層減少させることができる。通気部を仕切り板に設ける際に、少なくとも吸入口側に突き出した筒体で構成すれば、空間に放出される圧力波の拡がり角度が一層増して脈動減少効果を増大させることが可能となる。また、通気口を複数設けると、通気口を通過した圧力波が互いに干渉して吸入圧力脈動を低減させる効果もある。
【0021】
さらに、上記通気部の通気有効断面積は吸入口の通気有効断面積よりも小さくするのが望ましい。これにより、通気部での絞り効果により吸入圧力脈動を一層減衰させることができる。このときの絞りの程度は、吸入口における通気有効断面積に対し、通気部のそれを10〜40%の比率にまで減少させるのが望ましい。これは40%以下にまで減少させることにより、上記脈動の減衰効果が顕著になるものであり、一方、10%未満にしても効果の上昇は殆どなく、却って通気抵抗が増えて圧縮機性能に影響を与えやすくなるので、上記範囲が望ましい。通気有効断面積は、該絞り部において通気に有効な断面積の総和であり、複数の通気口があるような場合には、それらの合計断面積により表される。
【0022】
さらに上記絞りにおける通気有効断面積固定されたものでは、冷媒の流量が少ない時には問題がないものの、冷媒の流量が多くなるほど通気抵抗が増し、必要な冷媒流量が確保されず冷房性能が低下するとともに、摺動発熱に対し冷媒等による冷却効果が減少するため内部発熱が高くなり耐久性が劣化するという問題が生じやすくなる。
【0023】
そこで通気部の通気有効断面積を可変とし、流量が少ないときには通気有効断面積を充分に小さくして脈動の減衰効果を高め、流量が増えるに連れて通気有効断面積の減少量を小さくして(又は減少量を0にして)流路抵抗の増加を防止し性能低下、耐久性の低下を避ける。
通気有効断面積を可変とする構造は通気部の通気有効断面積を変化させる通気面積調整部と、該通気面積調整部を駆動する制御可能な駆動手段とを設けたものとする
【0024】
上記構成の一例としては、例えば、固定仕切り板と回転仕切り板とを重ねた状態で配置し、それぞれに形成した通気口の重なり面積が回転仕切り板の回転によって変化することを利用したものが挙げられる。回転仕切り板の回転では、油圧アクチュエータやモータを利用することができ、さらには、回転する制御プレートを駆動手段として利用することもできる。
【0025】
また、上記駆動手段の制御に際し、吸入脈動による異音が発生する状況における、アクセル開度、センサ等の情報を事前に把握して、情報をマップにしておく。そして現況の情報と、マップされた情報を比較して異音の発生する状況にあると判断される場合に、駆動手段を制御にすることで絞り効果から圧力脈動を低減し、異音の発生を抑えることができる。それ以外では通気有効断面積の減少量を少なくし、または減少量をゼロにして流量不足等の問題を解決することもできる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下に本発明の一実施形態を添付図面に基づき説明する。なお、従来例と同一の構造については同一の符号を付している。
図1は気体圧縮機の全体構成を表したものである。該気体圧縮機は、一端に吸入口2を有するフロントハウジング1aと、吐出口3を有するリアハウジング1bとを備えている。前記吸入口2には、外部から圧縮すべき冷媒ガスを吸引するべく吸入配管25が接続されており、吐出口3には、圧縮された冷媒をコンデンサ等(図示しない)に供給する吐出配管(図示しない)が接続されている。
上記フロントハウジング1aの内部には吸入室4が形成され、この吸入室4に前記吸入口2が連通している。また、フロントハウジング1a内には、軸方向と直交する縦断面において略楕円形状の内周面を有する筒状のシリンダ5が配置されており、該シリンダ5の軸方向両端面に互いに平行に固着されたフロントサイドブロック6(吸入口2側)およびリアサイドブロック7(吐出口3側)が配置されている。該フロントサイドブロック6およびリアサイドブロック7は、前記吸入室4とシリンダ5内とが連通するように構成されている。すなわち前記フロントサイドブロック6では、図2に示すように冷媒導入開口部22が形成されており吸入室4とシリンダ5内を連通させることができる。また、リアサイドブロック7にも同様に冷媒をシリンダ5内に導入する開口部が形成されている(図示しない)。
【0027】
また、吸入室4には、冷媒ガスの流れを遮断するように圧縮機軸方向と直交して図3に示す円板形状の仕切り板40が配置されており、該仕切り板40には、通気部として一つの通気小孔41が形成されている。該通気小孔41の通気有効断面積は、吸入口2の通気有効断面積の約25%になっている。
【0028】
そしてシリンダ5の内部には、図1、図13に示すように、ロータ軸10で支持された回転可能なロータ11が配設されている。このロータ11には、複数のベーン溝12にそれぞれ摺動可能に嵌装されたベーン15が複数枚(図は5枚)放射状に保持されている。ロータ軸10は電磁クラッチ16に接続されて、ロータ11が回転駆動されることで、ベーン15がその遠心力および背圧室13から供給される潤滑油の油圧によってベーン溝12内を進退してシリンダ室20の内周壁に密着しながら回転するように構成されている。これらシリンダ5、ロータ11、ベーン15を主要な構成として気体圧縮部が構成されている。
【0029】
また、この可変容量型気体圧縮機は容量可変機構30を備えている。容量可変機構30の一構成例を以下に説明する。
図1に示すように、シリンダ5とリアサイドブロック7との間に、シリンダ5の側部に面するように容量可変機構の一部を構成する制御プレート31が回転可能に設けられており、該制御プレート31は、図13に示すように周縁部に2つの通気用切欠き部32を有している。この通気用切欠き部32は、シリンダ5の内部と吸入室4間を連通させる。一方、制御プレート31の通気用切欠き部のない部分、シリンダ5の内壁及びベーン15により閉鎖された空間が圧縮室21となる。このシリンダ圧縮室21に冷媒ガスを順次導入して圧縮する。さらに該気体圧縮室21およびリアサイドブロック7に連通するようにして、リアハウジング1bに吐出室8が設けられている。該吐出室8には、油溜まり9が設けられており、吐出室8は、前記した吐出口3に連通している。前記油溜まり9のオイルは圧縮機内の摩耗防止および油膜によるシールに利用される。また油溜まりのオイルは、後述する容量可変機構30の制御弁35に油圧Pdとして供給される。
【0030】
容量可変機構30では、前記した制御プレート31を回転させると、通気用切欠き部32の位置が変わり、ベーン15による圧縮開始角度が変化してシリンダ圧縮室21の圧縮容量が変化する。上記制御プレート31の回転は、図4に示すプレート駆動機構33により行われる。該プレート駆動機構33は、油圧アクチュエータからなるプレート駆動部34と、該プレート駆動部34を制御する制御弁35とからなる。
プレート駆動部34は、制御プレート31を回転させる駆動ピストン341を有しており、該駆動ピストン341は、シリンダ342に摺動可能に配置されている。シリンダ342の基端側には、制御弁35に連通して、駆動ピストン341を駆動する制御油圧Pcが生成される駆動圧力室343が設けられており、駆動ピストン341の先端には、該駆動ピストン341を押し戻すコイルバネ344が配置されているとともに、吸気室4内における冷媒の吸入圧力Psが加えられている。また駆動ピストン341の先端側には、ピンはめあい部345が設けられており、該ピンはめあい部345は、制御プレート31上に立設された駆動ピン346と係合している。駆動ピストン341は直線的にスライド移動して駆動ピン346を介して制御プレート31を正逆回転させる。
【0031】
制御弁35は、前記した油圧Pdが加えられており、弁開度を調整して駆動圧力室343に注入する油量を調整する。このときに発生する制御油圧Pcにより駆動ピストン341を直進運動させる。制御プレート31は、ピストン35内の制御圧力Pcと圧力Psの差圧に従いコイルバネ344による弾性力との均衡のもとに回動される。
なお、駆動圧力室343への油の注入量は、制御弁35をON、OFFさせる頻度で変えることが可能である。このON、OFFの頻度は、制御弁35を制御する制御信号パルスのデューティー比を変えることで行うことができる。制御弁35には、例えば車室内に別途配設された空気温度センサの出力と目標温度間の偏差に応じて流す電流量を制御信号として加える。
【0032】
次に、上記圧縮機の動作について説明する。
ロータ軸10を電磁クラッチ16を介して回転駆動することによりロータ11を回転させると、該回転に連れて遠心力及び背圧室13への潤滑油の供給によりベーン15に外周側への押出力が作用する。押出力が作用したベーン15は、シリンダ5の内周壁およびフロントサイドブロック6、リアサイドブロック7の側壁に密着しながら回転する。この回転によりシリンダ室20への吸引力が発生し、前記吸入口2を通して吸入配管25から冷媒ガスを吸引する。冷媒ガスは、吸入室4内に吸引され、仕切り板40の通気小孔41を通して、冷媒導入開口部22および制御プレート31の通気用切欠き部32を通してシリンダ室20内に吸引される。シリンダ室20では、さらに回転するロータ5およびベーン15によって形成される圧縮室21によって冷媒ガスが順次圧縮される。
【0033】
圧縮された冷媒ガスは、吐出室8にリアサイドブロック7を通して放出される。該吐出室8に設けられた油溜まり9では、吐出室8とリアサイドブロック7の背圧室130との圧力差により、潤滑油がロータ11の軸受け部や前記背圧室13、ベーン15とシリンダ室20の内周面および側壁面との密着部に送り出され、摩耗が防止されるとともに油膜によるシールがなされる。また油溜まりのオイルは、制御弁35に供給される。吐出室21に溜められた高圧の冷媒ガスは吐出室8から吐出口3を経て外部の凝縮器(図示しない)へと送られる。
【0034】
なお、制御弁35の開度調整によって駆動ピストン341が前進すると、ピンはめあい部345、駆動ピン346を介して制御プレート31を図示(図13)反時計方向に回転させ、圧縮室21に吸入する冷媒ガス容量を増大させる。一方、駆動ピストン341が後退すると制御プレート31を図示時計方向に回転させ、圧縮室21に吸入する冷媒ガス容量を減少させる。このようにして、各圧力の釣合作用により可変容量型気体圧縮機の容量が変化する。
【0035】
上記動作において、容量制御時、特に閉じ込み容量が小さい状態でバイパスロスが起こる。このバイパスロスによって生じる吸入側低圧空間の圧力変動が吸入圧力脈動として出現するが、本実施形態の圧縮機では、吸入室4が仕切り板40で複数の空間で仕切られ、その通気小孔41を通して冷媒が通過するので、その通気小孔41での通過に際し、先ず圧力波が、冷媒導入開口部22から仕切り板40に当たって脈動が減衰される。これにより脈動が気体圧縮機の低圧側空間から配管あるいは蒸発器(エバポレータ)や膨張弁へと伝播して、配管系の脈動音や共振音、あるいは車両振動の原因となるのを効果的に防止する。
【0036】
上記において、吸入口2に対し、仕切り板40に設けた通気小孔41の径を変化させて、脈動の低減効果を測定した。その結果は、図5に示す通りであり、通気部の通気有効断面積を吸入配管の10%〜40%とすることにより顕著な効果が得られている。すなわち、通気有効断面積を吸入口に対し、適切な比に設定することによって脈動の低減効果が顕著になることが分かる。
【0037】
また、図6は通気部の形状の変更した仕切り板を示すものである。すなわち、仕切り板50は、上記実施形態と同様に吸入室に配置されるものであり、その板面には通気部として複数の通気小孔51が形成されている。該仕切り板50によれば、複数の通気小孔51を圧力波が通過した後、互いに干渉し合って脈動の減衰効果が高まることが期待される。なお、仕切り板における通気部の形状は上記に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0038】
図7は、さらに他の形態を示すものであり、仕切り板60に筒型の通気部61を設けたものである。通気部61は、その筒孔が通気口62となっている。仕切り板60は、前記実施形態と同様に吸入室に配置され、吸入室を複数の空間に仕切るとともに、通気部61は、吸入口側に突出している。
この仕切り板60によれば、圧力波が通気口62を通過する際に、広い範囲に拡がるため、圧力波、すなわち脈動が効果的に減衰し、異音の発生を効果的に防止する。
【0039】
上記各形態では、吸入室に1枚の仕切り板を配置したが、この形態では図8に示すように吸入室4に複数の仕切り板70、71を配置している。なお、前記形態と同様の構造については、同一の符号を付して説明を省略する。
これら仕切り板70、71は、互いに間隔をおいて吸入室4に配置されており、フロントハウジング1aまたはフロントサイドブロック6のコア部と隙間を有しており、該隙間は互い違いになっている。これらの隙間はそれぞれ通気部として機能する。脈動による圧力波は、この通気部を通過する際の整流効果によっても減衰され、脈流の減衰効果が高まる。
【0040】
上記各形態は、通気部の通気有効断面積が固定されたものであるが、本発明の実施形態は、通気部の通気有効断面積を可変としたものでる。以下、図9〜図11に基づいて本実施形態を説明する。なお、この実施形態で、前記各形態と同様の構造については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0041】
吸入室4には、回転仕切り板80と固定仕切り板81とが同軸にかつ、互いに接して配置されており、それぞれには弧状の通気口80a、81aが同軸位置に形成されている。また、回転仕切り板80は、前記制御プレート31にロッド83によって連結されており、制御プレート31の回転に伴って回転仕切り板80が回転するように構成されている。すなわち、回転仕切り板80が通気面積調整部としての機能も有し、さらに制御プレート31が駆動手段、ロッド83が駆動制御手段となっている。回転仕切り板80と固定仕切り板81とは、制御プレート31の回転位置が容量最大のときに、互いの通気口80a、81aが完全に重なりあい、開口面積(通気有効断面積)が最大となり、制御プレート31の回転位置が制御域にあるときに、互いの通気口80a、81aが重なる部分(図10の斜線部分)の開口面積(通気有効断面積)が小さくなるように配置されている。
【0042】
この実施形態においては、脈動が大きくなる圧縮容量が小さい状態では、通気口80a、81aが重なり合う面積、すなわち通気有効断面積が小さくなり、絞り効果を高めて異音の発生を効果的に防止する。一方、脈動が小さくて通気抵抗が問題となる状態では、通気口80a、81aが重なり合う面積、すなわち通気有効断面積が大きくなり、通気抵抗を小さくして圧縮機性能が低下するのを防止することができる。
なお、上記実施形態では、回転仕切り板と固定仕切り板の重なりによって通気有効断面積を可変としたが、本発明としてはこれに限定されるものではなく、種々の構成により仕切り板の通気有効断面積を変化させることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の可変容量型気体圧縮機によれば、冷媒を吸入する吸入口と、圧縮した冷媒を吐出する吐出口と、前記吸入口に連通する吸入室と、該吸入室に連通する気体圧縮部と、前記気体圧縮部と一方で連通し、他方で前記吐出口と連通する吐出室と、前記気体圧縮部から吐出される冷媒の吐出容量を変化させる吐出容量可変機構とを備えており、前記吸入室が、通気部を有し、かつ冷媒の流れ方向に交差して配置される仕切り板によって、冷媒の流れ方向において通気を確保しつつ複数の空間に仕切られており、前記通気部の通気有効断面積を変化させる通気面積調整部と、該通気面積調整部を駆動する制御可能な駆動手段とを有するので、脈動が発生した際に、吸入室の複数の空間を通過する際に脈動を吸収して異音の発生を効果的に防止する。
【0044】
また、前記通気部は、通気有効断面積を可変とするので、脈動が大きい圧縮容量小の状態で通気有効断面積を充分に小さくして脈動の吸収効果、異音の発生防止効果を高め、一方、脈動が小さい圧縮容量大の状態で通気有効断面積の減少量を小さくして通気抵抗を小さくし充分な圧縮機性能を発揮させることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 圧縮機の全体を示す正面断面図である。
【図2】 図1のII−II線矢視図である。
【図3】 同じく仕切り板を示す側面図である。
【図4】 同じく容量可変機構を示す概略図である。
【図5】 同じく通気部径と脈流低減効果との関係を示すグラフである。
【図6】 他の仕切り板を示す側面図である。
【図7】 さらに他の仕切り板を示す斜視図である。
【図8】 さらに他の圧縮機の全体を示す正面断面図である。
【図9】 本発明の一実施形態の圧縮機の全体を示す正面断面図である。
【図10】 同じく回転仕切り板と固定仕切り板とを示す図である。
【図11】 同じく回転仕切り板と固定仕切り板とが重なった状態を示す図である。
【図12】 従来の圧縮機の全体を示す正面断面図である。
【図13】 図12のXIII−XIII線矢視図である。

Claims (6)

  1. 冷媒を吸入する吸入口と、圧縮した冷媒を吐出する吐出口と、前記吸入口に連通する吸入室と、該吸入室に連通する気体圧縮部と、前記気体圧縮部と一方で連通し、他方で前記吐出口と連通する吐出室と、前記気体圧縮部から吐出される冷媒の吐出容量を変化させる吐出容量可変機構とを備えており、前記吸入室が、通気部を有し、かつ冷媒の流れ方向に交差して配置される仕切り板によって、冷媒の流れ方向において通気を確保しつつ複数の空間に仕切られており、前記通気部の通気有効断面積を変化させる通気面積調整部と、該通気面積調整部を駆動する制御可能な駆動手段とを有することを特徴とする可変容量型気体圧縮機。
  2. 前記気体圧縮部は、内周が筒状のシリンダと、該シリンダの軸方向両端部にあるサイドブロックと前記シリンダ内に回転可能に配置されたロータと該ロータに設けられたベーン溝に進退可能に収容されたベーンとを備えており、前記吐出容量可変機構は、周縁に通気用切り欠き部を有する円板形状を有し、前記吐出口側のサイドブロックとシリンダとの間に回転可能に配置されて、前記通気用切り欠き部の回転移動によりシリンダに対する開口面積を変化させる制御プレートを備えていることを特徴とする請求項1記載の可変容量型気体圧縮機。
  3. 前記気体圧縮部における吸入口側の冷媒導入開口部に対向して前記仕切り板の板面が位置していることを特徴とする請求項1または2に記載の可変容量型気体圧縮機。
  4. 前記通気部は、前記仕切り板に設けられた1または2以上の通気口を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可変容量型気体圧縮機。
  5. 前記通気部は、前記仕切り板に設けられ、少なくとも吸入口側に突き出した筒体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可変容量型気体圧縮機。
  6. 前記通気部は、吸入口の通気有効断面積よりも該断面積を小さくしたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の可変容量型気体圧縮機。
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