JP3993826B2 - 振動予測方法及び振動予測システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加振源から発生し地盤を介して伝達される振動が、各種受振構造物の近傍に到達した際における最終応答出力を予測するための振動予測方法及び振動予測システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ナノテクノロジー研究所やシステムLSI工場等に代表される最先端施設を建設する要求が増加してきている。このような最先端施設は、振動を嫌う高性能な検査機器や生産機器等(以下、「嫌振機器」という)を備えているため、鉄道軌道、道路、大型建設機械等の加振源から地盤を介して伝達する振動が対象構造物に与える影響を事前に予測して、各種の防振対策を講じる必要がある。
【0003】
このような振動予測方法としては、対象地盤を2次元領域又は3次元領域と仮定し、有限要素法(以下、「FEM」という場合がある)を適用して数値計算を行うことにより、解析的に振動の伝播を予測する方法が知られている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
【0004】
【非特許文献1】
田口,長瀧「地盤における防振対策効果の解析的検討」,第35回地盤工学研究発表会(岐阜)講演集,社団法人地盤工学会,2000年6月,p.159−p.160
【非特許文献2】
高橋,「3次元有限要素法による地盤振動抑制法の有効性に関する検討」,日本建築学会大会学術講演梗概集,社団法人日本建築学会,2002年8月,p.285−p.286
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記方法において、対象地盤を2次元領域と仮定した場合には、比較的簡便に解析を行うことが可能であるが、実際は3次元である対象領域を2次元領域と仮定するため、直交方向の振動や半無限に振動が散逸する状態を再現することができないという問題点を有している。一方、対象地盤を3次元領域と仮定した場合には、前記の問題点は解決されることになるが、総ての対象領域をモデル化することは、解析時間及び解析装置の性能等の関係からは極めて難しいという問題点を有している。
【0006】
本発明は、前記問題点を解決することを目的とするものであり、迅速、簡易かつ正確に、加振源から地盤を介して伝達される振動が各種構造物等に与える影響を予測するための振動予測方法及び振動予測システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の振動予測方法は、加振源から発生した振動が地盤を介して伝達された場合における受振構造物への伝播振動を予測するための振動予測方法であって、前記解析対象地盤に加振源及び前記受振構造物を設定し、前記加振源の近傍及び前記受振構造物の近傍に有限要素法により解析される局所領域を作成するとともに、前記各局所領域を結合する領域であり、入力された単位加振力に対応して所望の評価点の単位応答出力を算出する応答解析法により解析される媒介領域を作成し、前記加振源の近傍の局所領域及び前記受振構造物の近傍の局所領域において、前記有限要素法を用いて局所領域インピーダンスマトリクスを算出し、前記媒介領域において、前記応答解析法を用いて、前記媒介領域と前記各局所領域との連成面における連成面インピーダンスマトリクスを算出し、前記各局所領域インピーダンスマトリクスと前記連成面インピーダンスマトリクスと、前記加振源のインピーダンスマトリクス及び前記受振構造物のインピーダンスマトリクスとを結合させて釣り合い方程式を作成し、これを解くことにより、前記受振構造物の近傍の局所領域における最終応答出力を算出すること、を特徴とするものであってもよい。
【0008】
また、前記振動予測方法において、前記加振源が未構築の場合において、所定の構築段階に実施された前記加振源の振動測定結果に基づき、前記局所領域インピーダンスマトリクス、前記連成面インピーダンスマトリクス、前記加振源のインピーダンスマトリクス及び前記受振構造物のインピーダンスマトリクスの少なくとも一つを修正しながら前記受振構造物の近傍の局所領域における最終応答出力を算出すれば、加振源の構築作業の各段階で、実際に行われた振動測定結果に応じて各種インピーダンスマトリクスを変更して、より現実の条件に即した精度の高い予測が可能となることから非常に好適である。
【0009】
また、前記振動予測方法を実現するために、解析対象地盤と、当該解析対象地盤の地盤性状と、加振源の位置、種別及び加振力と、前記受振構造物の位置及び構造特性値との各入力を要求する入力要求手段と、前記解析対象地盤を確定するとともに、当該解析対象地盤の地盤性状と、前記加振源の位置、種別及び加振力と、前記受振構造物の位置及び構造特性値と、を前記解析対象地盤に組み込むことにより解析対象地盤モデルを作成する解析対象地盤モデル作成手段と、前記解析対象地盤モデルにおいて、前記加振源の近傍及び前記受振構造物の近傍に有限要素法により解析される局所領域を作成するとともに、前記各局所領域を結合する媒介領域を作成する解析領域作成手段と、前記加振源に作用する加振力が前記解析対象地盤を介して伝達されて前記受振構造物に到達した際における到達振動を予測するための解析演算手段と、前記解析演算手段による解析結果を表示する表示手段とを備え、前記解析演算手段は、有限要素法解析部と、前記媒介領域に対して、入力された単位加振力に対応して所望の評価点の単位応答出力を算出する応答解析法が適用可能となっている媒介領域解析部と、マトリクス演算部とを備え、前記有限要素法解析部において、前記有限要素法を用いて前記加振源の近傍の局所領域及び前記受振構造物の近傍の局所領域に対して、局所領域インピーダンスマトリクスを算出し、かつ、前記媒介領域解析部において、前記応答解析法を用いて、前記前記加振源の近傍の局所領域及び前記受振構造物の近傍の局所領域と、前記媒介領域との各連成面における連成面インピーダンスマトリクスを算出するとともに、前記マトリクス演算部において、前記各局所領域インピーダンスマトリクスと前記連成面インピーダンスマトリクスと、前記加振源及び前記受振構造物のインピーダンスマトリクスとを結合させて釣り合い方程式を作成し、これを解くことにより、前記受振構造物の近傍の局所領域における最終応答出力を算出することができるように構成されている振動予測システムを用いることが好適である。
【0010】
さらに、本発明の振動予測方法は、加振源から発生した振動が地盤を介して伝達された場合における受振構造物への伝播振動を予測するための振動予測方法であって、前記解析対象地盤に加振源及び前記受振構造物を設定し、前記加振源の近傍及び前記受振構造物の近傍に有限要素法により解析される局所領域を作成するとともに、前記各局所領域を結合する媒介領域を作成し、前記加振源の近傍の局所領域に関し、前記有限要素法を用いて基準加振力に対する1次応答出力を算出し、前記媒介領域に関し、入力された単位加振力に対応して所望の評価点の単位応答出力を算出する応答解析法を用い、前記受振構造物の近傍の局所領域との連成面を前記評価点として定め、前記加振源の近傍の局所領域からの前記1次応答出力を2次入力として、前記連成面の2次応答出力を算出し、前記受振構造物の近傍の局所領域に関し、前記有限要素法を用いて前記2次応答出力を3次入力として、当該3次入力に対する最終応答出力を算出すること、を特徴としている。
【0011】
また、前記振動予測方法を実現するために、解析対象地盤と、当該解析対象地盤の地盤性状と、加振源の位置、種別及び加振力と、前記受振構造物の位置及び構造特性値との各入力を要求する入力要求手段と、前記解析対象地盤を確定するとともに、当該解析対象地盤の地盤性状と、前記加振源の位置、種別及び加振力と、前記受振構造物の位置及び構造特性値と、を前記解析対象地盤に組み込むことにより解析対象地盤モデルを作成する解析対象地盤モデル作成手段と、前記解析対象地盤モデルにおいて、前記加振源の近傍及び前記受振構造物の近傍に有限要素法により解析される局所領域を作成するとともに、前記各局所領域を結合する媒介領域を作成する解析領域作成手段と、前記加振源に作用する加振力が前記解析対象地盤を介して伝達されて前記受振構造物に到達した際における到達振動を予測するための解析演算手段と、前記解析演算手段による解析結果を表示する表示手段とを備え、前記解析演算手段は、前記加振源の近傍の局所領域に関し、前記有限要素法を用いて、前記基準加振力に対する1次応答出力を算出する第1有限要素法解析部と、前記媒介領域に関し、入力された単位加振力に対応して所望の評価点の単位応答出力を算出する応答解析が可能となっており、前記受振構造物の近傍の局所領域との連成面を前記評価点として定め、前記加振源の近傍の局所領域からの前記1次応答出力を2次入力として、前記連成面の2次応答出力を算出する振動伝達媒介部と、前記受振構造物の近傍領域における各局所領域に関し、前記有限要素法を用い、前記2次応答出力を3次入力として、当該3次入力に対する最終応答出力を算出する第2有限要素法解析部と、を備えている振動予測システムを用いることが好適である。
【0012】
ここで、加振源とは、振動発生源である道路、鉄道軌道などの交通施設や工場などの振動を発生する各種施設等、受振構造物とは振動を評価する各種構造物をいう。
また、媒介領域に関し、入力された単位加振力(基準となる1単位当たりの加振力)に対応して所望の評価点の単位応答出力を出力可能とした応答解析法としては、3次元薄層要素法又は境界要素法等を用いることができる。
また、各種応答出力は、変位、速度、加速度のいずれかを選択して算出することが可能である。
また、有限要素法により解析される局所領域は、解析対象地盤及び加振源(又は受振構造物)の少なくとも一方が含まれるように設定されていればよい。
さらに、媒介領域中は、地盤性状が均一な成層地盤と仮定している。従って、前記媒介領域と異なる地盤特性を有する部分(防振地中壁などの地中埋設構造体や、特殊な地層)を有する場合には、媒介領域の内部にさらに、有限要素法の解析対象である他の局所領域を作成して、当該他の局所領域と隣接する局所領域を媒介領域で結合し、他の局所領域と媒介領域間の振動伝播を考慮した解析を行うこともできる。
【0013】
本発明によれば、複雑な振動伝播の挙動を解析する必要がある前記加振源の近傍及び前記受振構造物の近傍の局所領域に関して有限要素法を用いて解析を行い、両局所領域を結合する媒介領域を簡易応答モデルにより結合して、振動伝播の予測を行っている。
従って、3次元の解析対象地盤をそのままモデル化することができるというメリットを享受しつつ、解析対象地盤の全体にFEMを適用した場合と比較して、解析時間及びシステムの作業負荷を減少させることができる。また、媒介領域においては、解析的手法である有限要素法を用いずに理論式を基準とした解析を行うことが可能となるため、解析対象地盤の全体にFEMを適用した場合と比較して、同程度以上の正確性を確保することができる。
【0014】
さらに、前記振動予測システムにおいて、入力された前記解析対象地盤の地盤性状と、前記加振源の加振力と、前記加振源並びに前記受振構造物の構造特性値と、を修正するための入力データ修正手段を備えている構成とすれば、各種の入力データを適宜修正して解析を行うことができるため、より正確な入力データが得られた場合や、仮想的に加振源又は受振構造物の各種条件を変更させた場合等において、簡易にその結果を算出することができるため非常に好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0016】
<振動予測システムの構成>
図1に示すように、本発明の振動予測システム1は、コンピュータから構成されている装置本体2と、入力手段3と、出力手段4とを主要部として構成されている。
【0017】
入力手段3は、装置本体2における入力要求手段20から要求される各種操作に対する指示情報を入力する役割を果たす手段であり、キーボード3a、マウス3b及び記録媒体読込装置3c等を備えている。
また、出力手段4は、各種解析演算結果やデータ等を出力させるための役割を果たす手段であり、ディスプレィ4a、プリンタ4b及び記録媒体書込手段4c等を備えている。
【0018】
[装置本体]
図1に示されているように、装置本体1は、記憶手段10と、入力要求手段20と、解析対象地盤モデル作成手段30と、解析領域作成手段40と、解析演算手段50と、応答結果分析手段60と、解析結果表示手段70と、制御手段80とを主要部としている。
【0019】
(1)記憶手段
記憶手段10は、各種データ等を記憶する役割を果たす手段であり、データベース部11と、解析結果等格納部12とを備えている。
そして、データベース部11は、地図データベース11a、地盤データベース11b、加振源データベース11cを備えている。
【0020】
地図データベース11aには、広域地域における平面位置及び深さ方向の情報(以下、「3次元位置情報」という場合がある)を有する電子地図データが記憶されている。
【0021】
地盤データベース11bには、地質データ(各地質に対応した各種地質物性値データ(例えば、せん断弾性係数、ヤング率、ポアソン比(なお、せん断弾性係数、ヤング率、ポアソン比はいずれか2つでもよい)、減衰定数、単位重量)、及び所定の調査地点におけるボーリングデータ等(地層厚、地下水位、各種地質物性値データ等)等の各種地盤性状に関するデータ(以下、「地盤性状データ」という)が前記3次元位置情報と関連づけられた状態で記憶されている。
なお、ボーリングデータは、所定の調査地点でボーリング調査を行った結果を電子データ化したデータである。
【0022】
加振源データベース11cには、各種の加振源K(道路種別及び車輌別、又は、軌道種別及び列車別の移動加振源、建設機械別又は大規模工場別の固定加振源等)の種別、構造(構造特性値データも含む)及び加振力データ等の加振力に関する各種データ(以下、「加振源データ」という)が記憶されている。
【0023】
解析結果等格納部12は、後記する解析対象地盤モデル(解析対象地盤データ群)、又は、解析演算手段50によって算出された解析結果などの各種演算結果等が格納可能となっている。
【0024】
なお、前記記憶手段10に記憶されている各種データや各種プログラムは、入力される指示情報にしたがって、記憶データ管理手段14を介して抽出することや、所定の操作を実行させることができるようになっていることともに、記憶手段10の適切な箇所に格納できるようになっている。
【0025】
(2)入力要求手段
入力要求手段20は、操作者に対して各種の入力操作を要求する役割を果たす手段であり、解析対象地域入力要求部21と、加振源条件入力要求部22と、受振構造物条件入力要求部23と、局所領域入力要求部24と、解析条件入力要求部25と、操作入力要求部26とを備えている。
【0026】
解析対象地域入力要求部21は、解析対象地域Rを地図データベース11aにおける電子地図データから選択するための役割を果たす要素である。
この解析対象地域入力要求部21は、所定の縮尺で広域の電子地図データが表示されているディスプレィ4a上において、操作者に対し、解析を希望するエリアの入力を要求する動作を行うことになる。その要求に応じて、操作者が入力手段3を用いて画面上の位置を指示する(図2)と、後記解析対象地域設定部31を介して、解析対象地域Rが決定されて当該画面上に表示されることになる(図3)。
なお、場合によっては、解析対象地域入力要求部21により、地盤性状データの入力を要求させてもよい。
【0027】
加振源条件入力要求部22は、解析対象とする加振源Kの位置、種別、構造及び加振力条件等、加振源Kに関する各種条件の入力を要求する役割を果たす要素である。
例えば、この加振源条件入力要求部22は、ディスプレィ4aに表示された解析対象地域R上において、操作者に対し、加振源Kの位置(加振源Kの位置が構造物内に存在する場合には、その構造特性と加振源Kの位置)の入力を要求することになる。その要求に応じて、操作者が入力手段3を用いて画面上に示されている加振源Kの位置を指示するとその位置が決定され、後記加振源条件設定部32を介して、その3次元位置が認識されることになる。
【0028】
また、この加振源条件入力要求部22は、ディスプレィ4aに表示された操作画面上において、加振力データベース11cに格納されている各種加振源データを画面上に表示し、操作者に対して、必要なデータを選択することも可能である(但し、新たな加振源データの入力を要求してもよい)。
【0029】
受振構造物条件入力要求部23は、解析対象である構造物(以下、「受振構造物J」という)の構築位置及び構造等、受振構造物Jに関する各種条件の入力を要求する役割を果たす要素である。
例えば、この受振構造物条件入力要求部23は、ディスプレィ4aに表示された解析対象地域R上において、操作者に対し、受振構造物Jの位置の入力を要求することになる。その要求に応じて、操作者が入力手段3を用いて、受振構造物Jの位置を指示するとその位置が決定され、後記受振構造物条件設定部33を介して、その3次元位置が認識されることになる。
【0030】
局所領域入力要求部24は、後記する第1FEM解析部51及び第2FEM解析部52において、FEMの適用対象となる局所領域L1,L2を定める役割を果たす要素である。
例えば、この局所領域入力要求部24は、ディスプレィ4aに表示された解析対象地域R上において、操作者に対し、局所領域L1,L2の入力を要求することになる。その要求に応じて、操作者が入力手段3を用いて画面上で選択を希望する領域のエリアを指示することによってその位置が決定され、後記解析領域作成手段40の局所領域作成部41を介して、局所領域L1,L2が作成されることになる。
【0031】
解析条件入力要求部25は、地盤性状データ、後記する局所領域L1,L2の3次元メッシュ領域の数又は寸法、媒介領域L3の層数又は層厚、最終出力応答の算出位置等、解析に必要なその他の各種条件の入力を要求する役割を果たす要素である。
また、操作入力要求部26は、操作者に、システム全体の各種操作を要求する役割を果たすための要素である。
【0032】
(3)解析対象地盤モデル作成手段
解析対象地盤モデル作成手段30は、解析対象地盤Lを確定するとともに、当該解析対象地盤Lの地盤性状データと、加振源データと、前記受振構造物Jの構造物性値データ等と、を前記解析対象地盤Lの3次元位置情報に関連づけて結合することにより、解析を行うための複数のデータ群から構成される解析対象地盤モデルを作成するための手段であり、解析対象地域設定部31と、加振源条件設定部32と、受振構造物条件設定部33と、入力データ修正部34とを備えている。
【0033】
解析対象地域設定部31は、解析対象地域入力要求部21の要求により入力された解析対象地域Rを電子地図データから抽出して、当該解析対象地域Rの地盤を解析対象地盤Lとして確定するとともに、解析条件入力要求部25の要求により入力された地盤性状データを決定して、両者を関連づけて結合することにより解析対象地盤データ群を作成する役割を果たす要素である。
【0034】
加振源条件設定部32は、加振源条件入力要求部22の要求により入力された、加振源Kの3次元位置情報を前記解析対象地盤データに対応する位置として認識させるとともに、解析に必要となる加振源Kの種別、構造及び加振力条件等の加振源データを決定し、当該加振源Kの3次元位置情報と加振源データとを関連づけて、前記解析対象地盤データ群に付加する役割を果たす要素である。
【0035】
受振構造物条件設定部33は、受振構造物条件入力要求部23の要求により入力された、受振構造物Jの3次元位置情報を前記解析対象地盤データに対応する位置として認識させるとともに、解析に必要となる受振構造物Kの構造等の構造物性値データを決定し、当該受振構造物Kの3次元位置情報と構造物物性値データとを関連づけて、前記解析対象地盤データ群に付加する役割を果たす要素である。
【0036】
入力データ修正部34(入力データ修正手段)は、入力された前記解析対象地盤データ群における各種の入力データを修正するための役割を果たす要素である。
【0037】
(4)解析領域作成手段
解析領域作成手段40は、前記解析対象地盤データ群において、数値解析を行うための分析単位となる分割領域(媒介領域L3と局所領域L1,L2)を作成するための手段である(図3,図4)。
この解析領域作成手段40は、媒介領域L3を作成する媒介領域作成部43と、FEMを適用する局所領域L1,L2を作成する局所領域作成部41とを備えている。
【0038】
媒介領域作成部43は、解析対象地盤Lの全域を所定厚さの3次元薄層領域に分割することにより、媒介領域L3を形成するための役割を果たす要素である。
【0039】
局所領域作成部41は、局所領域入力要求部24により入力された局所領域L1,L2と、当該局所領域L1,L2上に設定された加振源K及び受振構造物Jに関して、予め定められているメッシュ寸法(若しくは、総メッシュ数)となるように、当該局所領域L1,L2、加振源K及び受振構造物Jの全体を、平面方向及び深さ方向(高さ方向)について、同寸法である網目状微小領域である3次元メッシュ領域に分割することができるように構成されている。
また、局所領域作成部41で作成される局所領域L1,L2は、加振源Kの近傍領域と受振構造物Jの近傍領域(以下、各々「加振源近傍局所領域L1」、「受振構造物近傍局所領域L2」という)の2箇所に設けることが一般的であり、これにより、加振源近傍局所領域L1と受振構造物近傍局所領域L2が媒介領域L3により結合されることになる。
【0040】
媒介領域作成部43によって作成された各3次元薄層領域の境界値、局所領域作成部41によって作成された3次元メッシュ領域の境界値(各節点m1,m2群の座標)の3次元位置情報は、前記解析対象地盤データ群に付加されることになる。
そして、これらの解析対象地盤データ群が複合的に結合されて、解析対象地盤モデルを構成することになり、これらは解析結果等格納部12に格納されて、解析演算手段50で使用されることになる。
【0041】
なお、媒介領域L3における3次元薄層領域の層厚及び各局所領域L1,L2における3次元メッシュ領域の寸法は予め定められている値に設定されるが、対象とする加振源Kの加振力の周波数や地盤条件等に応じて、適切に定める必要がある。また、加振源近傍局所領域L1と受振構造物近傍局所領域L2の領域の広さ、メッシュ数及びメッシュ寸法数は異なっていても良い。
【0042】
(5)解析演算手段
[解析演算手段]
解析演算手段50は、前記解析対象地盤モデルを用いて、予め設定されている加振源Kに作用する加振力(以下、「基準加振力」という)が解析対象地盤Lを介して伝達されて受振構造物近傍領域L2に到達した際における最終応答出力を予測するための手段であり、第1FEM解析部51と、第2FEM解析部52と、振動伝達媒介部53とを備えており、三者が協働してその役割を果たすことになる(図4、図5)。
なお、第1FEM解析部51と第2FEM解析部52は、便宜的に区別して説明を行うが、入力を行う加振力が異なるだけであり、その構成は同一である。
【0043】
(第1FEM解析部)
第1FEM解析部51は、加振源近傍局所領域L1に関し、基準加振力に対する1次応答出力を算出するための役割を果たす要素である。
この第1FEM解析部51は、後記解析手法を用い3次元メッシュ領域として形成された加振源近傍局所領域L1に対して、公知のFEMを適用することによって、加振源近傍局所領域L1と媒介領域L3との境界である加振源側連成面(境界面)M1における各節点m1(節点群)での1次応答出力を算出できるようになっている。
【0044】
具体的には、以下の演算を行うことができるようになっている。
まず、加振源側連成面M1に単位加振力を作用させたときの当該加振源側連成面M1の応答出力(変位)と単位加振力との関係から算出される加振源側連成面M1の連成面インピーダンスマトリクス(動的剛性マトリクス)を、加振源近傍局所領域L1の局所領域インピーダンスマトリクスに結合することにより、第1インピーダンスマトリクスを作成する(結合方法は後記他の実施形態と同様)。
なお、加振源側連成面M1に単位加振力を作用させたときの当該加振源側連成面M1の応答出力は応答解析法により算出する。
【0045】
そして、加振源近傍局所領域L1に関し、FEMを適用することにより、加振源Kに作用する加振力に対する1次応答出力を算出する。
【0046】
(振動伝達媒介部)
振動伝達媒介部53は、加振源近傍局所領域L1と受振構造物近傍局所領域L2とを結合する媒介領域L3に関し、第1FEM解析部51で算出された加振源側連成面M1における各節点m1での1次応答出力を2次入力として入力し、当該2次入力に対する2次応答出力を算出して、第2FEM解析部52の3次入力の入力値として出力する役割を果たす要素である。
この振動伝達媒介部53は、後記解析手法を用い3次元薄層領域として形成された媒介領域L3に対して、公知の3次元薄層要素法等を適用することによって、受振構造物近傍領域L2との連成面(以下、「受振構造物側連成面M2」という)における任意の各節点m2での2次応答出力を算出できるようになっている。
【0047】
すなわち、前記振動伝達媒介部53は、入力された単位加振力に対して、所望の任意評価点の単位応答出力を算出する応答解析法を適用できるように構成されており、前記加振源近傍局所領域L1から伝達された2次入力から、2次応答出力を算出することができるようになっている。
【0048】
(第2FEM解析部)
第2FEM解析部52は、前記受振構造物側連成面M2における前記各節点m2(評価点)を加振点として、前記各節点m2に作用する2次応答出力を3次入力の入力値とした場合における、受振構造物近傍局所領域L2(受振構造物Jの内部の領域も含む)での最終応答出力を算出するための役割を果たす要素である。
この第2FEM解析部52は、後記解析手法を用い3次元メッシュ領域として形成された受振構造物近傍局所領域L2に対して公知のFEMを適用することによって、任意の各節点での最終応答出力を算出できるようになっている。
【0049】
具体的には、以下の演算を行うことができるようになっている。
まず、第1FEM解析部51で説明した方法と同様の方法により、受振構造物側連成面M2に単位加振力を作用させたときの当該受振構造物側連成面M2の応答出力と単位加振力の関係から算出される受振構造物側連成面M2の連成面インピーダンスマトリクスを、受振構造物近傍局所領域L2の局所領域インピーダンスマトリクスに結合することにより、第2インピーダンスマトリクスを作成する。
【0050】
そして、受振構造物近傍局所領域L2に関し、FEMを適用することにより、前記2次応答出力を入力させた場合における最終応答出力を算出する。
【0051】
(6)応答結果分析手段
応答結果分析手段60は、解析演算手段50により算出された最終応答出力(振動波伝達性状及び時刻歴波形等)のデータを用いて、スペクトル解析や1/3オクターブバンド解析を行うことにより、より詳細な分析を行う手段である。
【0052】
(7)解析結果表示手段
解析結果表示手段70は、解析演算手段50により算出された最終応答出力の振動波伝達性状(動画、静止画)及び時刻歴波形や、応答結果分析手段60により算出されたスペクトル解析結果、1/3オクターブバンド解析結果や、データベース部に記憶されている各種データ等を出力手段4に表示させる手段である。
【0053】
(8)その他
装置本体2は、本システムを実行するにあたり、各手段(入力部手段及び出力部手段も含む)を制御するための制御手段80を備えている。
【0054】
[振動予測方法]
本発明の振動予測システム1を使用した振動予測方法について説明する。
なお、図4、図5において、加振源近傍局所領域L1は、加振源Kである高架鉄道軌道の上部構造体K1と埋設構造体K2のみを含む領域として設定されており、受振構造物近傍局所領域L2は、受振構造物Jであるナノテクノロジー研究所の上部構造体J1及び埋設構造体J2と、当該埋設構造体J2の周囲の地盤とを含む領域として設定されている。
【0055】
まず、振動予測システム1を起動させると、所定エリアの地図データがディスプレィ4aに表示されるとともに、操作者に対して、解析対象地域入力要求部21が解析を行う解析対象地域Rの入力を要求する(図2,図6におけるS1)。操作者は、ディスプレィ4a上において、マウス3a等の入力手段3により所望の位置を指示する作業を行うと、解析対象地域設定部31により解析対象地域Rが決定されてそのエリアが表示されるとともに、解析地盤Lが確定される(図6におけるS2)。
【0056】
次に、操作者に対して、加振源条件入力要求部22、受振構造物条件入力要求手段23及び解析条件入力要求部25が、加振源Kの位置、加振源データ、受振構造物Jの位置及び構造物特性値データ及び地盤性状データ等の解析に必要な各種条件の入力を要求する(図6におけるS3)。操作者は、ディスプレィ4a上において、必要となる条件を指示する作業を行うことにより、加振源条件設定部32及び受振構造物条件設定部33等により加振源K及び受振構造物Jの位置が決定されて表示されるとともに、解析対象地盤モデルにおける解析対象地盤データ群が作成される(図6におけるS4)。
【0057】
さらに、操作者に対して、局所領域入力要求部24が、加振源近傍局所領域L1及び受振構造物近傍局所領域L2のエリアの入力を要求する(図6におけるS5)。操作者は、ディスプレィ4aに表示された解析対象地盤L上において、マウス3a等の入力手段3により所望のエリアを指示する作業を行うとその位置が認識され、解析領域作成手段40が作動する(図3)。
【0058】
まず、媒介領域作成部43により、解析対象地盤Lの全域において、予め定められている所定厚さの3次元薄層領域である媒介領域L3が形成される。
次に、局所領域作成部41により、前記媒介領域L3に存在する加振源近傍局所領域L1と、受振構造物近傍局所領域L2の内部が、予め定められているメッシュ寸法となるように分割されて、3次元メッシュ領域が形成される。これにより、解析対象地盤Lにおける媒介領域L3の内部に、加振源近傍局所領域L1と、受振構造物近傍局所領域L2が作成され、結果的に、当該各局所領域L1,L2が媒介領域L3で結合されることになる(図4及び図5,図6におけるS6)。
【0059】
そして、媒介領域作成部43によって作成された各3次元薄層領域の境界値、局所領域作成部41によって作成された3次元メッシュ領域の境界値(各節点m1,m2群の座標)の3次元位置情報が、解析対象地盤データ群に付加される。
【0060】
続いて、解析演算手段50が作動する。
まず、第1FEM解析部51は、加振源Kに対して基準加振力が作用した場合における、加振源近傍局所領域L1の1次応答出力を算出し、当該算出された3次元メッシュ領域における加振源側連成面M1の各節点m1の1次応答出力を、振動伝達媒介部53に出力する(図6におけるS7)。
そして、振動伝達媒介部53は、加振源近傍局所領域L1の各節点(加振点群)m1に前記1次応答出力(2次入力)が作用した場合における、受振構造物近傍局所領域L2の3次元メッシュ領域における受振構造物側連成面M2の各節点m2での2次応答出力を出力する(図6におけるS8)。
【0061】
さらに、第2FEM解析部52は、受振構造物近傍局所領域L2の各節点(加振点群)m2に、前記2次応答出力(3次入力)が作用した場合における、予め定められている所定位置(例えば、図4のA点)の最終応答出力を算出する(図5におけるS9)。
そして、算出された最終応答出力は、解析結果表示手段70によりディスプレイ4a等の表示されるとともに、解析結果等格納部12に格納される。なお、図7(a)は、A地点における垂直方向変位の時刻歴波形を示したグラフである。
【0062】
さらに、必要に応じて、解析演算手段50により算出された最終応答出力に対し、応答結果分析手段60を用いて、スペクトル解析結果や1/3オクターブバンド解析を行い、詳細に解析することもできる(図6におけるS10)。なお、図7(b)は、A地点における垂直方向変位のスペクトルを示したグラフである。
【0063】
また、入力データ修正部34により、加振源Kや受振構造物Jの位置、その構造及び使用材料等の設計変更、或いは、解析対象地盤Lにおける地盤性状データの修正等を行い、前記と同様の解析を行うことにより、再度の振動予測を行うこともできる。
【0064】
[効果]
本発明によれば、解析対象地盤Lにおいて、複雑な振動伝播の挙動を解析する必要がある加振源近傍局所領域及L1及び受振構造物近傍局所領域L2を分離して、FEMを用いて解析を行うとともに、両局所領域L1,L2を連結する媒介領域L3を簡易応答モデルにより結合して、振動伝播の予測を行っている。
従って、解析対象地盤Lの状況に応じて、3次元の解析対象地盤Lをそのままモデル化することができるというメリットを享受しつつ、解析対象地盤Lの全体にFEMを適用した場合と比較して、解析時間及びシステムの作業負荷を減少させることができる(解析対象地盤Lの全体をFEMでモデル化する場合に比べ、解析容量などの計算負荷を最大1/5程度程度まで低減することが可能となる)。
【0065】
また、本発明を使用することにより、解析対象地盤Lの内部の寸法が異なる直接基礎や直接基礎と杭基礎を併用したような異種基礎等、各種の地中埋設構造体J2を有する受振構造物Jに対する振動予測も可能となるとともに、受振構造物Jの所望の箇所について、自由度ならびに精度の高い振動予測が可能となる。
さらに、媒介領域L3においては、解析的手法である有限要素法を用いずに理論式を基準とした解析を行うため、解析対象地盤Lの全体にFEMを適用した場合と比較して、同程度以上の正確性を確保することができる。
【0066】
また、入力データ修正手段34を備えていることから、各種の入力データを適宜修正して解析を行うことができるため、より正確な入力データが得られた場合や、仮想的に加振源K、受振構造物J、或いは、解析対象地盤Lにおける地盤性状等の各種条件を変更させた場合等において、簡易にその結果を算出することができる。
【0067】
さらに、本発明は種々の振動を分析することに使用可能であり、加振源Kとしては、各種工場、地下鉄躯体或いは高架橋等、受振構造物Jとしては、各種生産施設,研究所など嫌振機器が設置される施設や住居等に適用することが好適である。従って、加振源Kの構築に関する計画段階で本発明の振動予測システム1を適用すれば、高精度で振動の予測を行うことができるため、効果的に各種の防振対策を講じることや計画変更などに迅速に対応することができる。加えて、加振源Kにおける加振力の評価、地盤性状の評価などを見直しながら、試行錯誤的に振動予測システムを改良することにより、この振動予測システム1の精度の向上を図ることも可能となる。
【0068】
また、加振源Kの構築作業の各段階で、実際に行われた振動測定結果に応じて各種インピーダンスマトリクスを変更したり、各種前提条件を変更して本発明の振動予測システム1及び振動予測方法を実施すれば、それらの解析結果に基づいて地盤性状や解析モデルをその都度検証することができ、修正モデルを用いて予測解析を実施することにより精度の高い予測が可能となるとともに、精度の高い予測結果によって,各段階で計画変更を行うことや嫌振機器の設置方法の再検討等も可能となる。
【0069】
[他の実施形態]
前記実施形態では、最終応答出力を算出するにあたり、加振源近傍局所領域L1、受振構造物近傍局所領域L2及び媒介領域L3について、各領域毎に段階的に応答出力を求める方法を採用した。
しかし、前記解析を行う際に、解析対象地盤Lを全体系として一括して演算処理を行い、最終応答出力を算出することも可能であることから、その一例について以下に説明を行う。
【0070】
なお、このときは、前記解析演算手段50にかえて、加振源近傍局所領域L1及び受振構造物近傍局所領域L2に対してFEMを用いた解析を行うFEM解析部51’と、媒介領域L3に対して、前記と同様の3次元薄層要素法等を適用することが可能である媒介領域解析部53’と、マトリクス演算部54’を備える振動予測システム1’を用いる(図8)(他の構成要素については、前記実施形態と同様)。
【0071】
<加振源近傍局所領域及び受振構造物近傍局所領域と媒介領域との結合方法>
解析対象地盤Lを全体系として一括して演算処理する場合において、加振源近傍局所領域L1及び受振構造物近傍局所領域L2と媒介領域L3とを結合してマトリクス演算を行う必要がある。そのために以下の方法を採用する。
すなわち、加振源近傍局所領域L1及び受振構造物近傍局所領域L2において、加振源Kと受振構造物Jの地中埋設構造体K2,J2近傍の各排土部H1,H2に関し、当該各排土部H1,H2の剛性項、慣性項をFEM解析部51’でFEMを用いて計算し、内点消去により加振源側連成面M1上と受振構造物側連成面M2上に縮約した局所領域インピーダンスマトリクス[Xbb E]を作成する。また、媒介領域解析部53’において、3次元薄層要素法等による点加振解を用いて、フリーフィールドシステムでの加振源側連成面M1上と受振構造物側連成面M2における連成面インピーダンスマトリクス[Xbb F]を、計算する。
【0072】
そして、マトリクス演算部54’により、これら2つのインピーダンスマトリクス[Xbb E],[Xbb F]と、加振源K又は受振構造物Jのインピーダンスマトリクス[Saa〜Sbb]とを結合させて釣り合い方程式(a)を作成し、これを複素応答法等を用いて解くことにより必要とする各節点の応答出力を求めることができる。
【0073】
【数1】
Figure 0003993826
a:加振源又は受振構造物の応答出力ベクトル
b:加振源側連成面又は受振構造物側連成面の応答出力ベクトル
b F:フリーフィールドシステムでの加振源側連成面又は受振構造物側連成面の応答出力ベクトル
aa〜Sbb:加振源又は受振構造物のインピーダンスマトリクス
bb E:加振源側連成面上と受振構造物側連成面上に縮約した局所領域剛性マトリクス
bb F:フリーフィールドシステムでの加振源側連成面又は受振構造物側連成面インピーダンスマトリクス
a:加振点群ベクトル
【0074】
<遠方任意点加振時の受振構造物における応答出力>
なお、本振動予測システム1’では、加振源Kだけではなく、遠方任意設定点B(図4)に加振力が作用した場合における受振構造物Jの応答出力をも算出することができる。
【0075】
具体的には、マトリクス演算部54’で、以下の演算を行うことができるようになっている。
媒介領域L3内の部分方程式を算出する(式(b))。
{Pb}=[Xbb G]{Ub} (b)
但し、[Xbb G]=[Xbb F]−[Xbb E
b:解析対象地盤の外力ベクトル
b:媒介領域の応答出力ベクトル
bb E:加振源側連成面上と受振構造物側連成面上に縮約した局所領域インピーダンスマトリクス
bb F:フリーフィールドシステムでの加振源側連成面又は受振構造物側連成面インピーダンスマトリクス
【0076】
また、受振構造物近傍局所領域L2内の部分方程式を算出する(式(c))。
{PF}=[KF]{UF} (c)
F:受振構造部近傍局所領域の外力ベクトル
F:受振構造部近傍局所領域のインピーダンスマトリクス
F:受振構造部近傍局所領域の応答出力ベクトル
【0077】
(b),(c)式より、解析対象地盤Lの全域の運動方程式(d)が得られる。
{PT}=([KF]+[Xbb G]){UT} (d)
T:全体系外力ベクトル
T:全体系変位ベクトル
【0078】
ここで、外力が任意の外力点群{Pa}に作用すると仮定すると、(d)式に外力ベクトル{PT}=[{0},{0},{Pa}]を与えることにより、式(e)に示す解析対象地盤Lの全域の応答出力を求めることができる。
{UT}=([KF]+[Xbb G])-1{PT} (e)
T:全体系外力ベクトル
T:全体系変位ベクトル
【0079】
<媒介領域における遠方任意設定点の応答出力>
さらに、本振動予測システム1’では、受振構造物Jだけではなく、加振源Kに加振力が作用した場合における媒介領域L3の遠方任意設定点B(図4)における応答出力をも算出することができる。
【0080】
具体的には、マトリクス演算部54’で、以下の演算を行うことができるようになっている。
媒介領域L3における遠方任意設定点Bの応答出力{Ur}は、加振構造物Kにおける地中埋設構造体K2の各節点と媒介領域L3の任意点間における地盤柔性マトリクス[Abb F]を作成し、これに当該地中埋設構造体K2が接している地盤面の地盤反力{PS}を乗じることにより式(f)により求めることができる。
【0081】
{Ur}=[Abb F]{PS} (f)
r:媒介領域における遠方任意設定点の応答出力
bb F:地盤柔性マトリクス
S:地盤反力
【0082】
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。特に、本発明では、前記入力要求手段による、各必要データの入力にかえて、入力すべきデータを予め記憶手段に記憶させておき、解析演算手段による解析を行わせてもよい。
【0083】
【発明の効果】
本発明の振動予測方法及び振動予測システムによれば、迅速、簡易かつ正確に、加振源から地盤を介して伝達される振動が各種構造物等に与える影響を予測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動予測システムを示す構成図である。
【図2】地図データを示す図である。
【図3】解析対象地域を示す平面図である。
【図4】解析対象地盤を示す斜視図である。
【図5】解析対象地盤を示す断面図である。
【図6】振動予測方法を示すフロー図である。
【図7】解析結果の一例を示すグラフであり、(a)は、鉛直方向変位の時刻歴波形、(b)は、鉛直方向変位のスペクトルを示す。
【図8】本発明の振動予測システムの他の実施形態における解析演算手段を示す構成図である。
【符号の説明】
K 加振源
J 受振構造物
R 解析対象地域
L 解析対象地盤
L1 加振源近傍局所領域
L2 受振構造物近傍局所領域
L3 媒介領域
1,1’ 振動予測システム
2 装置本体
10 記憶手段
11 データベース部
20 入力要求手段
21 解析対象地域入力要求部
22 加振源条件入力要求部
23 受振構造物条件入力要求部
24 局所領域入力要求部
30 解析対象地盤モデル作成手段
31 解析対象地域設定部
32 加振源条件設定部
33 受振構造物条件設定部
34 入力データ修正部
40 解析領域作成手段
41 局所領域作成部
43 媒介領域作成部
50,50’ 解析演算手段
51 第1FEM解析部
52 第2FEM解析部
53 振動伝達媒介部
51’ FEM解析部
53’ 媒介領域解析部
54’ マトリクス演算部
60 応答結果分析手段
70 解析結果表示手段

Claims (6)

  1. 加振源から発生した振動が地盤を介して伝達された場合における受振構造物への伝播振動を予測するための振動予測方法であって、
    前記解析対象地盤に加振源及び前記受振構造物を設定し、前記加振源の近傍及び前記受振構造物の近傍に有限要素法により解析される局所領域を作成するとともに、
    前記各局所領域を結合する領域であり、入力された単位加振力に対応して所望の評価点の単位応答出力を算出する応答解析法により解析される媒介領域を作成し、
    前記加振源の近傍の局所領域及び前記受振構造物の近傍の局所領域において、前記有限要素法を用いて局所領域インピーダンスマトリクスを算出し、
    前記応答解析法を用いて、前記媒介領域と前記各局所領域との連成面における連成面インピーダンスマトリクスを算出し、
    前記各局所領域インピーダンスマトリクスと前記連成面インピーダンスマトリクスと、前記加振源のインピーダンスマトリクス及び前記受振構造物のインピーダンスマトリクスとを結合させて釣り合い方程式を作成し、これを解くことにより、前記受振構造物の近傍の局所領域における最終応答出力を算出すること、を特徴とする振動予測方法。
  2. 前記加振源が未構築の場合において、
    所定の構築段階に実施された前記加振源の振動測定結果に基づき、
    前記局所領域インピーダンスマトリクス、前記連成面インピーダンスマトリクス、前記加振源のインピーダンスマトリクス及び前記受振構造物のインピーダンスマトリクスの少なくとも一つを修正しながら前記受振構造物の近傍の局所領域における最終応答出力を算出すること、を特徴とする請求項1に記載の振動予測方法。
  3. 加振源から発生した振動が地盤を介して伝達された場合における受振構造物への伝播振動を予測するための振動予測方法であって、
    前記解析対象地盤に加振源及び前記受振構造物を設定し、前記加振源の近傍及び前記受振構造物の近傍に有限要素法により解析される局所領域を作成するとともに、前記各局所領域を結合する媒介領域を作成し、
    前記加振源の近傍の局所領域に関し、前記有限要素法を用いて基準加振力に対する1次応答出力を算出し、
    前記媒介領域に関し、入力された単位加振力に対応して所望の評価点の単位応答出力を算出する応答解析法を用い、
    前記受振構造物の近傍の局所領域との連成面を前記評価点として定め、前記加振源の近傍の局所領域からの前記1次応答出力を2次入力として、前記連成面の2次応答出力を算出し、
    前記受振構造物の近傍の局所領域に関し、前記有限要素法を用いて前記2次応答出力を3次入力として、当該3次入力に対する最終応答出力を算出すること、を特徴とする振動予測方法。
  4. 解析対象地盤と、当該解析対象地盤の地盤性状と、加振源の位置、種別及び加振力と、前記受振構造物の位置及び構造特性値との各入力を要求する入力要求手段と、
    前記解析対象地盤を確定するとともに、当該解析対象地盤の地盤性状と、前記加振源の位置、種別及び加振力と、前記受振構造物の位置及び構造特性値と、を前記解析対象地盤に組み込むことにより解析対象地盤モデルを作成する解析対象地盤モデル作成手段と、
    前記解析対象地盤モデルにおいて、前記加振源の近傍及び前記受振構造物の近傍に有限要素法により解析される局所領域を作成するとともに、前記各局所領域を結合する媒介領域を作成する解析領域作成手段と、
    前記加振源に作用する加振力が前記解析対象地盤を介して伝達されて前記受振構造物に到達した際における到達振動を予測するための解析演算手段と、
    前記解析演算手段による解析結果を表示する表示手段とを備え、
    前記解析演算手段は、有限要素法解析部と、
    前記媒介領域に対して、入力された単位加振力に対応して所望の評価点の単位応答出力を算出する応答解析法が適用可能となっている媒介領域解析部と、
    マトリクス演算部とを備え、
    前記有限要素法解析部において、前記有限要素法を用いて前記加振源の近傍の局所領域及び前記受振構造物の近傍の局所領域に対して、局所領域インピーダンスマトリクスを算出し、かつ、
    前記媒介領域解析部において、前記応答解析法を用いて、前記前記加振源の近傍の局所領域及び前記受振構造物の近傍の局所領域と、前記媒介領域との各連成面における連成面インピーダンスマトリクスを算出するとともに、
    前記マトリクス演算部において、前記各局所領域インピーダンスマトリクスと前記連成面インピーダンスマトリクスと、前記加振源及び前記受振構造物のインピーダンスマトリクスとを結合させて釣り合い方程式を作成し、これを解くことにより、前記受振構造物の近傍の局所領域における最終応答出力を算出することができるように構成されていることを特徴とする振動予測システム。
  5. 解析対象地盤と、当該解析対象地盤の地盤性状と、加振源の位置、種別及び加振力と、前記受振構造物の位置及び構造特性値との各入力を要求する入力要求手段と、
    前記解析対象地盤を確定するとともに、当該解析対象地盤の地盤性状と、前記加振源の位置、種別及び加振力と、前記受振構造物の位置及び構造特性値と、を前記解析対象地盤に組み込むことにより解析対象地盤モデルを作成する解析対象地盤モデル作成手段と、
    前記解析対象地盤モデルにおいて、前記加振源の近傍及び前記受振構造物の近傍に有限要素法により解析される局所領域を作成するとともに、前記各局所領域を結合する媒介領域を作成する解析領域作成手段と、
    前記加振源に作用する加振力が前記解析対象地盤を介して伝達されて前記受振構造物に到達した際における到達振動を予測するための解析演算手段と、
    前記解析演算手段による解析結果を表示する表示手段とを備え、
    前記解析演算手段は、
    前記加振源の近傍の局所領域に関し、前記有限要素法を用いて、前記基準加振力に対する1次応答出力を算出する第1有限要素法解析部と、
    前記媒介領域に関し、入力された単位加振力に対応して所望の評価点の単位応答出力を算出する応答解析が可能となっており、
    前記受振構造物の近傍の局所領域との連成面を前記評価点として定め、前記加振源の近傍の局所領域からの前記1次応答出力を2次入力として、前記連成面の2次応答出力を算出する振動伝達媒介部と、
    前記受振構造物の近傍領域における各局所領域に関し、前記有限要素法を用い、前記2次応答出力を3次入力として、当該3次入力に対する最終応答出力を算出する第2有限要素法解析部と、
    を備えていることを特徴とする振動予測システム。
  6. 入力された前記解析対象地盤の地盤性状と、前記加振源の加振力と、前記加振源並びに前記受振構造物の構造特性値と、を修正するための入力データ修正手段を備えていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の振動予測システム。
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