JP3993349B2 - 蒸気冷却ガスタービン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気冷却ガスタービンに関し、特に蒸気冷却ガスタービンのスピンドルボルトのシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンの高効率化のために、ガスタービンの燃焼ガスの膨張機入口温度は年々上昇を続けており、近時この温度を1500°Cとしたガスタービンが提案されている。こうした高温の燃焼ガスからガスタービンの静翼および動翼を保護するために、従来の空気による冷却に代えて比較的低温の蒸気にて冷却する所謂蒸気冷却ガスタービンの開発が行われている。こうした蒸気冷却ガスタービンでは、蒸気は、例えば、蒸気源としてコンバインドサイクルの蒸気タービンからの抽気を用いることができ、特にガスタービンの動力を冷却する冷却蒸気は、前記蒸気源からガスタービンのロータ尾端部からロータ内に形成された蒸気通路を経て、ロータディスクに取り付けられた各動翼に供給される。
【0003】
前記蒸気通路は、ロータ尾端部から軸方向に延びる複数の蒸気供給路と、該蒸気供給路に連通し各ロータディスクに取り付けられた動翼の各々に均一に蒸気を分配するために周方向に形成した蒸気供給室と、動翼からの蒸気を均一に回収する蒸気回収室、および、蒸気回収室から蒸気を蒸気冷却ガスタービン外へ導くための蒸気回収路から成る。
【0004】
図6を参照すると、従来技術による蒸気冷却ガスタービンのロータの部分断面が示されている。図6には、ロータ100の第1段および第2段ロータディスク110、120が示されており、該第1段および第2段ロータディスク110、120は、その周縁部近傍に軸方向に貫通、形成された複数の通孔112、122が周方向に等間隔に配設されており、該通孔112、122にスピンドルボルト102を挿通、締結することにより、第1段および第2段ロータディスク110、120は、他のロータディスクに連結され、一体的に回転するガスタービンロータが形成される。
【0005】
第1段および第2段ロータディスク110、120において、スピンドルボルト102を挿通するための通孔112、122の更に外周部分には動翼を冷却するための蒸気(以下、単に冷却蒸気と記載する)を供給、回収するための複数の蒸気通路114、124が周方向に等間隔に形成されている。蒸気通路114、124には、冷却蒸気を供給する蒸気供給路を形成する複数の蒸気供給管104と、動翼を冷却した後の冷却蒸気を回収する蒸気回収路を形成する複数の蒸気回収管106とが周方向で交互に配設される。また、同様に、第2段ロータディスク120と第3段ロータディスク(図示せず)の間には第2段動翼に冷却蒸気を供給するための蒸気供給室134が形成されている。
【0006】
第1段ロータディスク110の外側の端面には、第1段動翼(図示せず)に冷却蒸気を均一に分配、供給するための蒸気供給室130が形成されており、第1段および第2段ロータディスク110、120の間には、第1段および第2段動翼を冷却した後の冷却蒸気を均一に回収するための蒸気回収室132が形成されている。
【0007】
一般的に、蒸気冷却ガスタービンの冷却蒸気の供給源としては蒸気タービンの抽気が用いられる。冷却蒸気供給源からの冷却蒸気は、蒸気冷却ガスタービンのロータに形成された蒸気供給通路を通って蒸気供給管104に到達し、次いで蒸気供給管104から蒸気供給室130、134を介して第1段動翼および第2段動翼に供給される。第1段動翼および第2段動翼を冷却した後の冷却蒸気は、蒸気回収室132から蒸気回収管106を介して回収される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
複数のロータディスクをスピンドルボルトにより互いに連結してロータを組み立てる際の作業性から、通孔112、124は、特に図6からも理解されるように、スピンドルボルトの直径に対して余裕を持たせて若干大きな内径を有しており、両者間には間隙が形成されている。一方、ロータに形成された冷却蒸気回収室132、134は通孔112、122に連通しており、第1段および第2段ロータディスク110、120と、スピンドルボルト102との間の間隙から蒸気が漏洩する。第2段ロータディスク120とスピンドルボルト102との間から漏洩した蒸気は、冷却蒸気回収室132内へ流入し冷却蒸気回収管106を介して回収可能であるが、第1段ロータディスク110とスピンドルボルト102との間から漏洩した蒸気は回収されず、該蒸気冷却ガスタービンを利用するプラントの総合効率を低下させる。
【0009】
この第1段ロータディスク110とスピンドルボルトとの間の蒸気の漏洩を防止するために、例えば、特開平11−50803号公報等の従来技術では、図6、7に示すように、環状のシール部材140およびC形止め輪142により第1段ロータディスク110とスピンドルボルト102との間の漏洩蒸気量の低減を図っている。C形止め輪142は第1段ロータディスク110に形成された環状溝内にスナップ式に嵌合されているが、ロータが回転すると、遠心力の作用により、C形止め輪142が変形、特に径方向の寸法が縮小する所謂縮径が生じ環状溝116から脱落することが危惧される。
【0010】
本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを技術課題としており、蒸気冷却ガスタービンのロータを形成のスピンドルボルト貫通部のシール構造において、シール部材およびその保持部材の取付けを確実にすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、冷却蒸気供給源からガスタービンのロータに形成した蒸気供給路、および、該蒸気供給路に連通する蒸気供給室を介して動翼に冷却用蒸気を供給し、ロータに形成した蒸気回収室、および、該蒸気回収室に連通する蒸気回収路を介して冷却蒸気を回収する蒸気冷却ガスタービンにおいて、
前記ロータは、ロータディスクに形成した通孔にスピンドルボルトを挿通し、該スピンドルボルトにより複数のロータディスクを締結することにより形成されて成り、前記通孔において前記蒸気回収室へ開口する端部に、前記通孔の内径よりも大きな内径を有する凹所より成るシール部材収容部を形成し、前記シール部材収容部の側壁から半径方向内側に突出する係合部を設け、前記シール部材収容部内の底面に当接するように環状のシール部材を配設し、前記シール部材収容部内において、前記シール部材の軸方向外側に保持部材を配設し、前記保持部材が、前記シール部材収容部内に形成した係止部に係合する係合部材と、前記係合部材を軸方向両側部から挟持する第1と第2の保持部材とを含んで成る蒸気冷却ガスタービンを要旨とする。
【0012】
本発明によれば、シール部材は保持部材により挟持され、シール部材収容部内に保持される。従来技術ではシール部材はC形止め輪によってのみ保持されているが、C形止め輪は、ロータが回転したときの遠心力により変形するが、本発明では、係合部材を第1と第2の保持部材により軸方向の両側部から挟持することにより、その変形を可及的に低減される。
【0013】
好ましくは、前記シール部材は、内周縁部および外周縁部に沿って形成された2つのテーパ面により、前記シール部材の一方の端面に形成されるシール面を有している。
【0014】
このように、シール部材の内周縁部および外周縁部に沿って2つのテーパ面を形成し、シール部材の一方の端面において2つのテーパ面の間にシール面を形成し、該シール面をシール部材収容部の底面に当接させることにより、シール面に印加される面圧を高めることが可能となり、シール性が向上する。
【0015】
好ましい実施形態によれば、前記係合部材をC形止め輪状部材により形成することができる。更に好ましくは、C形止め輪状部材の外周縁部に沿って外テーパ面を形成し、前記係止部に前記C形止め輪状部材の外テーパ面に相補形に係合するテーパ面を設けることができる。
【0016】
また、好ましくは、前記C形止め輪状部材の内周縁部に沿って複数の舌部を設け、該舌部に内テーパ面を形成し、前記第1の保持部材に前記C形止め輪状部材の内テーパ面と係合可能なテーパ面を設ける。
【0017】
係合部材の変形量は、係合部材に作用する遠心力の大きさに加えて、係合部材と、第1と第2の保持部材の間に作用する摩擦力により決定されるので、第1と第2の保持部材の製造誤差によっては、係合部材と、第1と第2の保持部材の間に作用する摩擦力が不十分で、遠心力により係合部材が変形することも生じ得る。本発明によれば、係合部材の内周縁部に形成されたテーパ面が、係合部材の変形時に、第1の保持部材のテーパ面に当接することにより、係合部材の変形量を低減し、係合部材が係止部から脱落することを防止することができる。
【0018】
好ましくは、前記第1の保持部材に外ネジを形成し、前記第2の保持部材に前記第1の保持部材の外ネジと係合する内ネジを形成する。そして、第1と第2の保持部材の間に前記係合部材を配置して、前記第1と第2の保持部材の外ネジおよび内ネジを係合させることにより、前記係合部材を第1と第2の保持部材の間に挟持するようにできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、以下の説明では、主として第1段ロータディスクのスピンドルボルト貫通部について記載するが、その余のロータの構成は従来技術のロータと同様となっている。
【0020】
図1から図4は、第1段ロータディスク10の部分断面図であり、スピンドルボルト40を挿通させるための通孔12を有しており、該通孔12は、第1のロータディスク10と第2のロータディスク(図示せず)の間に形成される蒸気回収室50に連通している。第1段ロータディスク10の内側の端面、つまり、蒸気回収室50を形成する端面には、通孔12の開口部を囲繞するように、環状のシール部材20を配設するためのシール部材収容部として通孔12よりも大きな内径を有する座ぐり穴または凹所30(図4参照)が形成されている。凹所30内には、環状のシール部材20と、該シール部材20を凹所30内に保持するための保持部材22、24、26が配設される。前記保持部材は、ボルトを形成する第1の保持部材22と、前記ボルトに係合するナットを形成する第2の保持部材26と、第1と第2の保持部材22、26の間に挟持される係合部材24を具備して成る。
【0021】
凹所30は、その底面32に連続する側面から形成される第1の収容部34と、第1の収容部34に隣接させて形成された環状の凹溝より成る第2の収容部36と、半径方向内側に突き出した環状の突起より成る係止部14を挟んで前記第2の収容部36の軸方向外側に凹所30の開口部に形成された第3の収容部38を含んで成る。
【0022】
シール部材20は、凹所30内において最も奥方に形成されている第1の収容部34内に配設され、凹所30の底面32に当接するシール面20aを有している。シール面20aは、シール部材20の外周縁部および内周縁部に沿って形成されたテーパ面20b、20cの間に、シール部材20の一方の端面から軸方向に隆起した円形の幅の狭い端面として形成されており、このようにシール部材20を細い円形のシール面20aにて凹所30の底面32に当接させることにより面圧を高め、底面32とシール部材20との間のシール性を高めている。
【0023】
第1の保持部材22は、一端に外ネジ22cを有する実質的に円筒状の本体部22aと、該本体部22aにおいて前記外ネジ22cの反対側の端部に連結する環状の挟持部22bとを有し、本体部22aと挟持部22bとの間の連結部にテーパ面22dが形成されている。また、本体部22aにおいて外ネジ22cの設けられている側の端面には、第1の保持部材22を組み付けるときの工具またはジグと係合させるためのすり割り22eが形成されている。
【0024】
第2の保持部材26は、第1の保持部材22の外ネジ22cと係合する内ネジ26aを有する環状部材より成り、一方の端面の中心部には軸方向に隆起する挟持部26bが形成されている。また、第2の保持部材26も同様に、第2の保持部材26を組み付けるときの工具またはジグと係合させるためのすり割り26cが形成されている。
【0025】
図5をも参照すると、係合部材24は所謂C形止め輪に類似する部材(本明細書では、C形止め輪状部材と称する)より成り、その内周面に沿って等間隔に配設された複数の舌部24aを有している。舌部24aには、該係合部材24をロータディスク10に組み付けたときに、第1の保持部材22のテーパ面22dに対面する内テーパ面24bが形成されており、係合部材24の断面において対角線を挟んで内テーパ面24bの反対側の隅部には、係止部14のテーパ面14aに係合する外テーパ面24cが、係合部材24の外周縁部に沿って形成される。
【0026】
以下、本実施形態の作用をシール部材20の組立工程を順に追いながら説明する。
第1段ロータディスク10の通孔12にスピンドルボルト40を通した後に、シール部材20をスピンドルボルト40に通しながら、凹所30の第1の収容部34に配置する。次いで、第1の収容部34に配置されたシール部材20の軸方向の外側から、第1の保持部材22をスピンドルボルト40に通しながら、その挟持部22bがシール部材20に当接するように凹所30内に配置する。次いで、係合部材としてのC形止め輪状部材24を第2の収容部36にはめ込むようにして、第1の保持部材22の外周面に配置する。次いで、第2の保持部材26の内ネジ26aを第1の保持部材22の外ネジ22cに係合させ、第2の保持部材26を第1の保持部材22に締結する。
【0027】
第2の保持部材26を締め込んでゆくと、第2の保持部材26の挟持部26aが係合部材24に当接して(図2、3参照)、係合部材24を凹所30の奥へ押し込む。この間、係合部材24は、その外周縁部に形成されたテーパ面24cにおいて係止部14のテーパ面14aと係合しながら半径方向に拡がる。第2の保持部材26を第1の保持部材22に対して完全に締結すると、係合部材24は、凹所30の第2の収容部36に嵌合すると共に、第1と第2の保持部材22、26の各々の挟持部22b、26bの間に挟持される。これにより、第1の保持部材22、係合部材24および第2の保持部材26は一体の保持部材となり、係合部材24のテーパ面24cが係止部14のテーパ面14aに係合することにより、前記保持部材が凹所30内に係止され、シール部材20が凹所30の第1の収容部34内に保持される。このとき、第1と第2の保持部材22、26においてすり割り22e、26cが形成されている端面で、両者をかしめることにより、第1と第2の保持部材22、26が互いに緩むことを防止しても良い。
【0028】
全てのロータディスクをスピンドルボルト40により締結してロータを形成し、蒸気冷却ガスタービンを作動させると、第1のロータディスク10の凹所30は、蒸気回収室50に連通しているために、蒸気回収室50内の第1段動翼および第2段動翼を冷却した後の冷却蒸気の圧力により、シール部材20は凹所30の底面32に押圧される。
【0029】
一般的に、ガスタービンの如く高温となる回転機械では、機械温度が上昇したときの熱膨張を考慮して、各構成要素は遊びを見込んだ寸法にて形成される。本実施形態においても、シール部材20は内径および外径寸法は、こうした遊びを含んでおり、シール部材20の外周面および内周面は、凹所30の第1の収容部34の内周面やスピンドルボルト40の外周面に必ずしも接触していない。特に、蒸気冷却ガスタービンが作動してロータが回転すると、スピンドルボルト40は遠心力により半径方向外側へ変形し、シール部材20および保持部材22、24、26もまた半径方向外側へ変位する。このとき、シール部材20が半径方向外側へ変位すると共に、シール部材20それ自体が蒸気回収室50内の蒸気圧力により凹所30の底面32に押圧されることから、シール部材20の外周面と第1の収容部34の内周面との間からの蒸気漏洩が防止される。然しながら、シール部材20とスピンドルボルト40との間からの蒸気の漏洩は、シール部材20により低減することはできるが、完全に防止することはできない。
【0030】
本実施形態によれば、シール部材20は保持部材22、24、26により保持される。既述したように、従来技術ではシール部材はC形止め輪によってのみ保持されている。C形止め輪は、ロータ回転したときの遠心力の作用により変形するので、その脱落が危惧されるが、本実施形態によれば、係合部材24を形成するC形止め輪状部材は、第1と第2の保持部材22、26により軸方向の両側面から挟持されるために、遠心力により変形しにくくなっている。また、係合部材24の変形量は、係合部材24に作用する遠心力の大きさに加えて、係合部材24と、第1と第2の保持部材22、26の間に作用する摩擦力により決定される。従って、第1と第2の保持部材22、26の製造誤差によっては、係合部材24と、第1と第2の保持部材22、26の間に作用する摩擦力が不十分で、遠心力により係合部材24が変形することも生じ得る。この場合でも、本実施形態では、係合部材24の内周縁部に形成されたテーパ面24aが、第1の保持部材22のテーパ面24dに当接することにより、係合部材24の変形量を低減し、係合部材24が係止部14から脱落することを防止している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態による蒸気冷却ガスタービンのロータディスクのスピンドルボルト貫通部の要部拡大断面図である。
【図2】保持部材の組立を説明するための図1と同様のロータディスクのスピンドルボルト貫通部の要部拡大断面図である。
【図3】図2においてAで示す部分の更に拡大断面図である。
【図4】本発明実施形態による第1のロータディスクの部分拡大断面図である。
【図5】図3において矢視V−Vの方向に見た、係合部材としてのC形止め輪状部材の部分平面図である。
【図6】蒸気冷却ガスタービンのロータの部分断面図である。
【図7】従来技術によるロータディスクのスピンドルボルト貫通部の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10…第1段ロータディスク
12…通孔
14…係合部
20…シール部材
22…第1の保持部材
24…係合部材(C形止め輪状部材)
26…第2の保持部材
30…凹所

Claims (14)

  1. 冷却蒸気供給源からガスタービンのロータに形成した蒸気供給路、および、該蒸気供給路に連通する蒸気供給室を介して動翼に冷却用蒸気を供給し、ロータに形成した蒸気回収室、および、該蒸気回収室に連通する蒸気回収路を介して冷却蒸気を回収する蒸気冷却ガスタービンにおいて、
    前記ロータは、ロータディスクに形成した通孔にスピンドルボルトを挿通し、該スピンドルボルトにより複数のロータディスクを締結することにより形成されて成り、
    前記通孔において前記蒸気回収室へ開口する端部に、前記通孔の内径よりも大きな内径を有する凹所より成るシール部材収容部を形成し、前記シール部材収容部の側壁から半径方向内側に突出する係合部を設け、前記シール部材収容部内の底面に当接するように環状のシール部材を配設し、前記シール部材収容部内において、前記シール部材の軸方向外側に保持部材を配設し、
    前記保持部材が、前記シール部材収容部内に形成した係止部に係合する係合部材と、前記係合部材を軸方向両側部から挟持する第1と第2の保持部材とを含んで成る蒸気冷却ガスタービン。
  2. 前記シール部材の内周縁部および外周縁部に沿って2つのテーパ面を形成し、シール部材の一方の端面において2つのテーパ面の間にシール面を形成した請求項1に記載の蒸気冷却ガスタービン。
  3. 前記係合部材がC形止め輪状部材により形成される請求項1または2に記載の蒸気冷却ガスタービン。
  4. 前記C形止め輪状部材は、その外周縁部に沿って外テーパ面が形成されており、前記係止部が、前記C形止め輪状部材の外テーパ面に相補形に係合するテーパ面を有している請求項3に記載の蒸気冷却ガスタービン。
  5. 前記C形止め輪状部材は、その内周縁部に沿って複数の舌部が形成されており、該舌部に内テーパ面が形成されており、前記第1の保持部材が前記C形止め輪状部材の内テーパ面と係合可能に設けられたテーパ面を有している請求項3または4に記載の蒸気冷却ガスタービン。
  6. 前記第1の保持部材が外ネジを有しており、前記第2の保持部材が前記第1の保持部材の外ネジと係合する内ネジを有しており、両者を係合させることにより、前記係合部材を第1と第2の保持部材の間に挟持する請求項1から5の何れか1項に記載の蒸気冷却ガスタービン。
  7. 冷却蒸気供給源から動翼に冷却用蒸気を供給し、該動翼を冷却する蒸気冷却ガスタービンの蒸気漏洩防止用のシール装置において、
    前記ガスタービンは、複数のロータディスクをスピンドルボルトにより締結してロータを形成するために形成した通孔と、該通孔の一方の端部に形成した前記通孔の内径よりも大きな内径を有する凹所より成るシール部材収容部と、前記シール部材収容部の側壁から半径方向内側に突出する係合部とを有しており、
    前記シール装置が、前記シール部材収容部内の底面に当接するように配設された環状のシール部材と、
    前記シール部材収容部内において、前記シール部材の軸方向外側に配設された保持部材とを具備して成り、
    前記保持部材が、前記シール部材収容部内に形成した係止部に係合する係合部材と、前記係合部材を軸方向両側部から挟持する第1と第2の保持部材とを含んで成る蒸気冷却ガスタービンのシール装置。
  8. 前記シール部材の内周縁部および外周縁部に沿って2つのテーパ面を形成し、シール部材の一方の端面において2つのテーパ面の間にシール面を形成した請求項7に記載の蒸気冷却ガスタービンのシール装置。
  9. 前記係合部材がC形止め輪状部材により形成される請求項7または8に記載の蒸気冷却ガスタービンのシール装置。
  10. 前記C形止め輪状部材は、その外周縁部に沿って外テーパ面が形成されており、前記係止部が、前記C形止め輪状部材の外テーパ面に相補形に係合するテーパ面を有している請求項9に記載の蒸気冷却ガスタービンのシール装置。
  11. 前記C形止め輪状部材は、その内周縁部に沿って複数の舌部が形成されており、該舌部に内テーパ面が形成されており、前記第1の保持部材が前記C形止め輪状部材の内テーパ面と係合可能に設けられたテーパ面を有している請求項9または10に記載の蒸気冷却ガスタービンのシール装置。
  12. 前記第1の保持部材が外ネジを有しており、前記第2の保持部材が前記第1の保持部材の外ネジと係合する内ネジを有しており、両者を係合させることにより、前記係合部材を第1と第2の保持部材の間に挟持する請求項7から11の何れか1項に記載の蒸気冷却ガスタービンのシール装置。
  13. 冷却蒸気供給源から動翼に冷却用蒸気を供給し、該動翼を冷却する蒸気冷却ガスタービンの蒸気漏洩防止用のシール装置の組立方法において、
    前記ガスタービンは、複数のロータディスクをスピンドルボルトにより締結してロータを形成するために形成した通孔と、該通孔の一方の端部に形成した前記通孔の内径よりも大きな内径を有する凹所より成るシール部材収容部と、前記シール部材収容部の側壁から半径方向内側に突出する係合部とを有しており、
    前記組立方法は、
    環状のシール部材を前記シール部材収容部内の底面に当接するように配設する工程と、
    前記シール部材収容部内に配置された前記シール部材の軸方向の外側から、第1の保持部材を前記シール部材に当接するように前記シール部材収容部内に配置する工程と、
    係合部材を前記第1の保持部材と前記係止部の間に配置する工程と、
    前記係合部材を前記係止部に係合させた状態で前記係合部材の外側から第2の保持部材を押入し、前記係合部材と前記第1と第2の保持部材により軸方向に挟持する工程とを含んで成る蒸気冷却ガスタービンのシール装置の組立方法。
  14. 前記第1の保持部材が外ネジを有しており、前記第2の保持部材が前記第1の保持部材の外ネジと係合する内ネジを有しており、両者を係合させることにより、前記係合部材が押入され、かつ、第1と第2の保持部材の間に挟持される請求項13に記載の蒸気冷却ガスタービンのシール装置の組立方法。
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