JP3992144B2 - 浸炭処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は浸炭処理装置に関し、更に詳しくは、減圧下の浸炭炉内で被浸炭処理材である鋼材の浸炭処理に供した浸炭ガスの炉外に排出される浸炭排ガスを浸炭炉の炉内雰囲気ガス加熱のためのエネルギー源として主にはその浸炭炉に再利用することにより、省エネルギー及び省コストで浸炭処理をすることができる浸炭処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の浸炭処理方法としては、例えば常圧ガス雰囲気下で行う常圧浸炭法が知られている。常圧浸炭法は、一酸化炭素(CO)ガスなどを浸炭ガスとして用い、これを高温・常圧下で被浸炭処理材(例えば鋼材)とを反応させて炭素(C)と二酸化炭素(CO)を生成し、生成した炭素を被浸炭処理材の表面から固溶して表面近傍の領域に拡散させる方法である。
【0003】
現在では、省エネルギー・省資源や公害防止に極めて有効な方法として減圧下での浸炭処理が注目を浴びている。この方法は、減圧下で浸炭ガスとして炭化水素系ガスを導入することにより被浸炭処理材表面の浸炭処理を行うものであり、高温且つ減圧下において炭化水素系ガスが被浸炭処理材との反応によって炭素(C)と水素ガス(H)に分解し、分解により生成した炭素が被浸炭処理材の表面から固溶させ表面近傍の領域に拡散させる方法である。減圧下での浸炭処理によれば、高温度での熱処理により高品質の浸炭処理品が得られ、また浸炭処理の熱エネルギーの無駄がなくなり、ガス消費量も常圧浸炭処理プロセスに比べて少なくて済むうえ、二酸化炭素の排出がないため環境特性にも優れるという利点を有する。
【0004】
図5は、減圧下で使用される一般的な浸炭処理装置の構成の模式図である。図1に示されるように従来の浸炭処理装置100は、被浸炭処理材8を載置して浸炭を行う浸炭炉1と、浸炭炉1内の被浸炭処理材8を加熱する加熱手段と、図示しない浸炭ガス源から浸炭ガスの供給を受け(図中では浸炭ガスの流れを矢印cで示す)浸炭炉1内に放出するための浸炭ガス導入管路7a及び散気管7bと、浸炭炉1内のガスを浸炭排ガスとして吸引する吸引ポンプ51及び浸炭排ガス導出管路2とを備える。なお、加熱手段としては浸炭炉1内の気体の成分に影響を及ぼさないラジアントチューブバーナが広く用いられており、図5ではバーナ部4とラジアントチューブ3を有するラジアントチューブバーナを備える構成を示す。
【0005】
そして、浸炭炉1には炉内の温度を測定する温度測定手段10と、炉内圧力を測定する圧力測定手段9を備え、それぞれの測定値がコントローラ12に伝送され得るように構成される。そしてコントローラ12は設定された条件と実際の状態とに基づいて、浸炭ガス導入管路7a、浸炭排ガス導出管路2、燃焼用空気導入管路5、燃料ガス導入管路6など配設される弁類11、13(燃焼用空気導入管路5、燃料ガス導入管路6に配設される弁類は図示せず)、吸引ポンプ51などを制御する。
【0006】
前記構成によれば、燃料ガス(矢印b)と燃焼用空気(矢印a)が混合されてバーナ部4で燃焼して高温の燃焼ガスを発生させ、浸炭炉1内に配設されるラジアントチューブ3に燃焼ガスを通過させて浸炭炉1内に載置した被浸炭処理材8(例えば鋼材)を加熱する。そして浸炭ガスが図示しない浸炭ガス源(ガスボンベなど)から浸炭ガス導入管路7aを通じて浸炭炉1内に導入され、散気管7bにより浸炭炉1内に放出される。これにより浸炭炉1内に載置された被浸炭処理材8が浸炭される。一方、浸炭炉1内の浸炭雰囲気ガスは、浸炭排ガスとして例えば吸引ポンプ51などの吸引手段により浸炭排ガス導出管路2へ導出され、熱交換器51で冷却された後、処理バーナ53で燃焼し大気中に放散される。
【0007】
ところで、前記浸炭排ガスは浸炭ガスと被浸炭処理材8との反応(浸炭反応)により生成したガスのみならず、反応に寄与しないまま吸引・排出された浸炭ガスも混合していることから、処理バーナ53で燃焼・大気放散処理によれば浸炭ガスの消費に無駄が生じていた。特に、このような減圧下での浸炭処理では、排出される浸炭排ガスの約50%が浸炭ガスである未反応の炭化水素と浸炭ガスが分解して生成される水素から構成される可燃性のガスであり、かつ浸炭排ガスが排出されたときの温度は900℃程度であるため、そのまま燃焼・大気放散処理することはエネルギーの利用の観点からも無駄が生じていた。
【0008】
浸炭排ガスの有効利用の途として、浸炭排ガスを再生し再び浸炭ガスとして用いる方法がある。例えば、炉気中から少なくとも酸素ガス、二酸化炭素ガス、アンモニアガス、炭化水素ガス又は水蒸気の何れか1つ以上にガスを冷熱により液化又は固化させて分離する構成が開発されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の構成によれば、浸炭排ガス中に含有される再利用可能なキャリヤーガス(本発明にいう浸炭ガス)をその他のガス(例えば酸素ガス、二酸化炭素ガス、アンモニアガス、炭化水素ガス)を固化あるいは液化することにより分離して再利用するものであるから、キャリヤーガスの有効利用を図り浸炭ガスの無駄をなくすことができる。しかしながらキャリヤーガスを分離するためには前記ガスの固化あるいは液化の設備が必要であり、設備コストの上昇を招くという問題点を有する。
【0009】
また、浸炭炉の加熱源の熱効率を上げる手段としては、例えばラジアントチューブバーナにおいてラジアントチューブの排気ガスの有する熱を熱交換器により燃焼用空気を加熱することにより省エネルギーを図ろうとする構成(特許文献2参照)が開発さてれいる。しかしながらこの技術によれば燃料ガスの排気ガスが有する熱の有効利用により省エネルギーを図ることができるが、浸炭排ガスについては何ら有効利用の考慮がされておらず無駄が生じていた。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−212644号公報
【特許文献2】
特開2001−165407号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決しようとする課題は、従来減圧下での浸炭処理に供した浸炭ガスを、処理後に炉外に排出し燃焼・大気放散処理していたものを、浸炭排ガスを主には浸炭炉の炉内雰囲気加熱用の燃料として利用し、あるいは、浸炭排ガスの有する熱を回収することにより、省エネルギー化・省コスト化を図ることができる浸炭処理装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため本願請求項1に係る発明は、被浸炭処理材を浸炭処理する浸炭炉に浸炭ガスを導入する浸炭ガス導入管路と、前記浸炭炉に導入された炉内雰囲気ガスを排出する浸炭排ガス導出管路と、この浸炭排ガス導出管路より排出される浸炭排ガス前記浸炭炉の炉内雰囲気ガス加熱のための燃料ガス燃焼式加熱源へ導入する排出ガス導入手段と、浸炭処理において前記浸炭炉から浸炭排ガスが排出されない間または排出された浸炭排ガスを燃焼式加熱源で燃焼しない間は燃料ガス及び燃焼用空気を前記燃料ガス燃焼式加熱源に供給して燃料ガスを燃焼させて前記浸炭炉内を加熱し浸炭排ガスを前記燃料ガス燃焼式加熱源で燃焼している間は燃料ガスの供給を停止して浸炭排ガスの燃焼のみによって浸炭炉内を加熱する制御手段と、を要旨とするものである。
【0013】
かかる構成によれば、浸炭炉から吸引された浸炭排ガスを燃焼式加熱源で燃焼させて炉内雰囲気ガスの熱源の一部又は全部として用いるため、燃料ガスの消費量を減少させ省エネルギー・省コスト化を図ることができるという効果を奏する。特に前記のような制御手段を備えると、燃料ガスのみの燃焼により浸炭炉の内部を加熱する場合に比較して燃料ガスの消費量を減少させて省エネルギー化・省コスト化を図ることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、被浸炭処理材を浸炭処理する浸炭炉に浸炭ガスを導入する浸炭ガス導入管路と、前記浸炭炉に導入された炉内雰囲気ガスを排出する浸炭排ガス導出管路と、この浸炭排ガス導出管路より排出される浸炭排ガス前記浸炭炉の炉内雰囲気ガス加熱のための燃料ガス燃焼式加熱源とは別個の同じく炉内雰囲気ガス加熱のための浸炭排ガス燃焼式加熱源へ導入する排出ガス導入手段と、浸炭処理において前記浸炭炉から浸炭排ガスが排出されない間または排出された浸炭排ガスを浸炭排ガス燃焼式加熱源で燃焼しない間は燃料ガス及び燃焼用空気を前記燃料ガス燃焼式加熱源に供給して燃料ガスを燃焼させて前記浸炭炉内を加熱し浸炭排ガスを前記浸炭排ガス燃焼式加熱源で燃焼している間は燃料ガスの供給を停止して浸炭排ガスの燃焼のみによって浸炭炉内を加熱する制御手段と、を備えることを要旨とするものである。
【0015】
かかる構成によれば、燃料ガスを燃焼する加熱源と浸炭排ガスを燃焼する加熱源とを別個に備えるため、浸炭排ガス及び燃料ガスをそれぞれ最適な条件で燃焼させて燃焼効率を上げることができ、省エネルギー化を図ることができるという効果を奏する。特に燃料ガスと浸炭排ガスの組成が相違するために共通の加熱源で燃焼させることができない場合や、共通の加熱源で燃焼させると著しく燃焼効率が低下する場合等に好適に適用できる。また、燃焼ガスや浸炭ガスの種類の変更などに対応しやすい。前記のような制御手段を備えると、燃料ガスのみの燃焼により浸炭炉の内部を加熱する場合に比較して燃料ガスの消費量を減少させて省エネルギー化・省コスト化を図ることができる。
【0016】
また請求項3に記載のように、前記浸炭排ガス導出管路より排出される浸炭排ガスを前記燃焼式加熱源の燃焼用空気流を作動媒体として吸引し燃焼用空気と混合させる吸引混合手段を備える構成であっても良い。かかる構成によれば、吸引ポンプを用いることなく前記吸引手段が浸炭炉内のガスを吸引して減圧下で行う浸炭処理装置であれば浸炭炉内を所定の圧力に保つことができると共に、この吸引手段により吸引された浸炭排ガスは作動媒体である燃焼用空気と混合して燃焼式加熱源に送られて燃焼される。すなわち前記吸引混合手段は、従来の構成における吸引ポンプとしての機能と、浸炭排ガスと燃焼用空気と混合する混合器としての機能を兼備するため、構造を単純化して設備コストの低減を図ることができるという効果を奏する。
【0017】
これらの場合において請求項4に記載のように、前記浸炭排ガス導出管路より排出される浸炭排ガスを前記燃焼式熱源へ導入する前に予め復圧する浸炭排ガス復圧手段を備えることが望ましい。かかる構成によれば、浸炭排ガスの吸引・排出のための構成は従来の浸炭処理装置の構成をそのまま用いることができるため、設備改良を低コストで行うことができるという効果を奏する。
【0018】
また請求項5に記載されるように、前記浸炭炉に導入された浸炭ガスを排出する浸炭排ガス導出管路の中間の一部位が前記燃焼式の加熱源の熱交換手段に導入され、浸炭排ガスと燃焼用空気と熱交換可能に構成されることが望ましい。かかる構成によれば、浸炭排ガスの有する熱を浸炭炉の熱源の一部として再利用されるため、浸炭処理装置のエネルギー効率を上げ省エネルギー化を図ることができるという効果を奏する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施の形態とその各種実施例について図面を参照して詳細に説明する。また、図5に示す従来の浸炭処理装置と共通する構成については、同一の符号を付して用い以下における説明は省略する。
【0020】
図1は、本発明の一実施の形態に係る減圧下で使用する浸炭処理装置の第1の実施例の構成の模式図である。本実施例における浸炭処理装置100aは、浸炭排ガス導出管路2aが浸炭炉1内と浸炭炉1の燃焼加熱源(この場合にはラジアントチューブバーナのバーナ部4)に接続され、浸炭炉1から吸引された浸炭排ガスをバーナ部4へ導くように構成される。かかる構成によれば、吸引ポンプ51により浸炭炉1内から吸引・排出された浸炭排ガスは、燃焼加熱源のバーナ部4に送られて燃焼用空気と混合され、バーナ部4で燃焼されて浸炭炉1の加熱源として用いられる。
【0021】
この場合に使用される浸炭ガスのガス種としては、アセチレンガス(例えば特開平8−325701号公報)、エチレンガス(特開2002−146512号公報)、エチレンと水素の混合ガス(特開2001−262313号公報)、エチレンとアセチレンとの混合ガス(特開2000−1765号公報)、プロパンガスの他、本出願人による先の出願に係る都市ガス(特願2002−335666)等が用いられる。一方、燃焼式加熱源の燃料ガスとしてはプロパンガス、都市ガスなどが一般的に使用されることから、浸炭ガスがプロパンガスで燃料ガスもプロパンガス、あるいは浸炭ガスが都市ガスで燃料ガスも都市ガスなどのようにガス種が共通している場合には浸炭排ガスを燃料ガスに混合させても燃料ガスの組成が変動することはほとんどないことになる。
【0022】
図2は、本発明の第2の実施例の構成を示した模式図である。本実施例の浸炭処理装置100bは、燃焼用空気導入管路5に浸炭排ガスの吸引手段としてのエジェクタ20bが配設され、浸炭排ガス導出管路2b浸炭炉1内とエジェクタ20bとを接続するように配設される。このエジェクタ20bは燃焼用空気を作動媒体として浸炭排ガスを吸引するよう構成され、浸炭炉1内の気圧を所定の気圧に維持する。一方でこのエジェクタ20bは燃焼用空気と吸引した浸炭排ガスとを混合して燃焼式加熱源のバーナ部4に供給することからインジェクタとしての機能も有する。このようエジェクタ20bが減圧のための吸引ポンプと混合器の機能を兼備するため吸引ポンプと混合器を別個に配設する必要がなく、特にエジェクタは構造が簡単で外部からの動力源が不要であることからも浸炭処理装置の構成を単純化して省コストをはかることができるという効果を奏する。
【0023】
図3は、本発明の第3の実施例の構成の模式図である。本実施例の浸炭処理装置100cは、浸炭排ガス導出管路2cが浸炭炉1と浸炭排ガス吸引手段としてのエジェクタ20cとを接続して浸炭炉1から浸炭炉内のガスを浸炭排ガスとして吸引し、燃焼用空気と混合して浸炭排ガスを浸炭炉1の加熱源の一部として利用すると共に、浸炭排ガス導出管路2cの中間部位を燃焼式加熱源の熱交換器を通過させる構成を有する(図においては、バーナ部4の熱交換器からエジェクタ20cまでの間には符号「2c’」を付して示す)。燃焼式加熱源の熱交換器は、特に図示しないが一般的な熱交換器の構成でよく、燃焼前に浸炭排ガスの熱で予め燃焼用空気を加熱しうる構成を有する。このような構成によれば前記第1及び第2の実施例と同様の作用効果が得られることに加え、浸炭排ガス自体の有する熱を浸炭炉の加熱源の一部として利用することができ、更なる省エネルギー化を図ることができる。
【0024】
図4は本発明の第4の実施例の構成の模式図である。本実施例においては前記第1から第3の実施例とは異なり、燃料ガスを燃焼する燃焼式加熱源(ラジアントチューブ3及びバーナ部4dを備える)と浸炭排ガスを燃焼する専用の燃焼式加熱源(ラジアントチューブ3及び専用のバーナ部4d’を備える)とを有し、エジェクタ20dにより浸炭排ガスが燃焼用空気と混合されてバーナ部4d’に送られて燃焼する構成である。浸炭排ガスと燃料ガスの種類などが相違すると、共通のバーナ部で燃焼することができない場合や燃焼効率が著しく低下する場合があることから、燃料ガス及び浸炭排ガスをそれぞれ別個のバーナ部4d、4d’により燃焼させて燃焼効率を落とさないようにするものである。
【0025】
なお、第4の実施例においても第3の実施例と同様に燃焼手段に熱交換器を配設し、浸炭排ガス導出管路2dの中間の一部位をこの熱交換器を通して浸炭排ガスにより予め燃焼用空気を加熱する構成としても良い。また、浸炭排ガスを浸炭炉1から吸引し燃焼式加熱源に導入する手段としては、図4に示されるようにエジェクタ20d’を用いる構成の他、第2の実施例に示すような従来の実施例と略同一の構成、すなわちエジェクタ20d’を用いずに直接バーナ4dへ送られる構成であっても良い。
【0026】
以上説明した第1から第4に実施例における燃料ガス及び浸炭排ガスの燃焼は、以下に示す制御の態様を適用することができる。
【0027】
浸炭処理装置100aの運転開始時などにおいて、浸炭炉1内が所定の温度となるよう加熱し、浸炭処理を開始するまでの間は、燃料ガス導入管路6により燃料ガス(矢印b)の供給を行い、燃料ガスを燃焼させることにより浸炭炉1内を加熱する。
【0028】
浸炭処理を開始し浸炭炉1内から浸炭排ガスの吸引を開始した以降は、浸炭排ガスを燃焼させて浸炭炉1の加熱源として用い、燃料ガスの供給を止めるように制御される。浸炭処理中は浸炭ガスの供給と浸炭排ガスの排出が継続するため浸炭排ガスの燃焼で浸炭炉1の温度を維持することができ、燃料ガスの供給が必要となるのは例えば浸炭処理開始前の準備段階において浸炭炉の内部を加熱する間や、何らかの原因で浸炭排ガスの排出が停止している間のみである。このため燃料ガスの消費量を削減して省エネルギー化を図ることができる。
【0029】
なお、浸炭排ガスの燃焼中であっても燃料ガスの供給を完全に停止しないよう制御してもよい。例えば、浸炭排ガスの排出量が少なく熱量が不足する場合などに補助的に燃料ガスの燃焼を続ける場合などである。この場合でも燃料ガスのみを燃焼させる従来の構成に比較して燃料ガスの消費量を減少させることができ、省エネルギーを図ることができるという効果を奏する。
【0030】
以上、本発明の一実施の形態に係る各種の実施例について説明したが、本発明は上記した実施の形態及び実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。また各図は模式図であり、例えば各実施例において図では燃料ガス導入管路6と燃焼用空気導入管路5とが別個にバーナ部に接続され、燃焼用空気導入管路5にエジェクタ20b、20c、20dが配設される構成を示しているが、燃料ガスと燃焼用空気を予め混合し、燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスをバーナ部に導入する管路を設けこの管路に吸引手段であるエジェクタを配設する構成であっても良く、燃焼式加熱源の数なども現実の数を示すものではない。
【0031】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る浸炭処理装置によれば、従来大気放出あるいは燃焼処理していた浸炭排ガスを浸炭処理装置の加熱源で燃焼させることにより、燃料ガスは浸炭処理装置の浸炭炉内を加熱する浸炭処理準備中のみ供給して燃焼させれば良く、浸炭処理開始後は浸炭炉から吸引・排出される浸炭排ガスを本浸炭処理装置の燃焼式加熱源に導入して燃焼させることにより、燃料ガスの供給は不要となるから、従来に方法に比較して省エネルギー化を図ることができる。また、浸炭排ガス及び燃料ガスを共通の燃焼式加熱源で燃焼させるため、構造が単純で設備コストを低く抑制することができる。
【0032】
また、請求項2に係る発明によれば請求項1と同様に浸炭排ガスを加熱源で燃焼させて浸炭炉の熱源を得る構成であるため、省エネルギー化を図ることができる。また、請求項1にかかる構成とは異なり、燃料ガスと浸炭排ガスを燃焼するか熱源はそれぞれ別個のものであるが、かかる構成とすれば、燃料ガス及び浸炭ガスの種類が異なるために共通の加熱源では効率よく燃焼させることができない場合などに、それぞれ最も効率の良い燃焼状態で燃焼させることができるため、省エネルギー化を図ることができる。
【0033】
さらに請求項1と請求項2のそれぞれに係る発明によれば、燃料ガスが必要となるのは浸炭処理を開始する前の準備段階においてのみであり、浸炭処理開始後は燃料ガスの供給が不要となる。このため、燃料ガスの消費量を削減することができ、省エネルギーを図ることができる。
【0034】
請求項3に係る発明によれば、1の吸引手段が浸炭炉内のガスを吸引して浸炭炉内を所定の圧力に保持すると共に、浸炭排ガスと燃焼用空気との混合手段としての機能をも有する。このため、浸炭処理装置の構成を単純化することができ、設備コストの低減を図ることができる。また、前記吸引手段としてエジェクタを用いることにより、動作効率を高め省エネルギーの効果を高めることができる。
【0035】
請求項4に係る発明によれば、吸引手段としてポンプを用いるなど、浸炭排ガスの吸引 などは従来の浸炭処理装置と同様の構成にて行うことができる。このため、既存の設備の改良を低コストで行うことができる。
【0036】
請求項5にかかる発明によれば、浸炭排ガスの有する熱を浸炭炉の熱源の一部として再利用することができ、浸炭処理装置のエネルギー効率を上げ省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る浸炭処理装置の構造の模式図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態に係る浸炭処理装置の構造の模式図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態に係る浸炭処理装置の構造の模式図である。
【図4】 本発明の第4の実施の形態に係る浸炭処理装置の構造の模式図である。
【図5】 従来の浸炭処理装置の構造の模式図である。
【符号の説明】
100a 本発明の一実施の形態に係る第1の実施例の浸炭処理装置
1 浸炭炉
2a 浸炭排ガス導出管路
3 ラジアントチューブ
4 ラジアントチューブバーナのバーナ部
5 燃焼用空気導入管路
6 燃料ガス導入管路
7a 浸炭ガス導入管路
7b 散気管
8 被浸炭処理材
9 圧力測定手段
10 温度測定手段
11 弁
12 コントローラ
13 弁
51 吸引ポンプ
52 熱交換器(冷却器)
a 燃焼用空気の流れ
b 燃料ガスの流れ
c 浸炭ガスの流れ

Claims (5)

  1. 被浸炭処理材を浸炭処理する浸炭炉に浸炭ガスを導入する浸炭ガス導入管路と、前記浸炭炉に導入された炉内雰囲気ガスを排出する浸炭排ガス導出管路と、この浸炭排ガス導出管路より排出される浸炭排ガス前記浸炭炉の炉内雰囲気ガス加熱のための燃料ガス燃焼式加熱源へ導入する排出ガス導入手段と、浸炭処理において前記浸炭炉から浸炭排ガスが排出されない間または排出された浸炭排ガスを燃焼式加熱源で燃焼しない間は燃料ガス及び燃焼用空気を前記燃料ガス燃焼式加熱源に供給して燃料ガスを燃焼させて前記浸炭炉内を加熱し浸炭排ガスを前記燃料ガス燃焼式加熱源で燃焼している間は燃料ガスの供給を停止して浸炭排ガスの燃焼のみによって浸炭炉内を加熱する制御手段と、を備えることを特徴とする浸炭処理装置。
  2. 被浸炭処理材を浸炭処理する浸炭炉に浸炭ガスを導入する浸炭ガス導入管路と、前記浸炭炉に導入された炉内雰囲気ガスを排出する浸炭排ガス導出管路と、この浸炭排ガス導出管路より排出される浸炭排ガス前記浸炭炉の炉内雰囲気ガス加熱のための燃料ガス燃焼式加熱源とは別個の同じく炉内雰囲気ガス加熱のための浸炭排ガス燃焼式加熱源へ導入する排出ガス導入手段と、浸炭処理において前記浸炭炉から浸炭排ガスが排出されない間または排出された浸炭排ガスを浸炭排ガス燃焼式加熱源で燃焼しない間は燃料ガス及び燃焼用空気を前記燃料ガス燃焼式加熱源に供給して燃料ガスを燃焼させて前記浸炭炉内を加熱し浸炭排ガスを前記浸炭排ガス燃焼式加熱源で燃焼している間は燃料ガスの供給を停止して浸炭排ガスの燃焼のみによって浸炭炉内を加熱する制御手段と、を備えることを特徴とする浸炭処理装置。
  3. 前記浸炭排ガス導出管路より排出される浸炭排ガスを前記燃焼式加熱源の燃焼用空気流を作動媒体として吸引し燃焼用空気と混合させる吸引混合手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の浸炭処理装置。
  4. 前記浸炭排ガス導出管路より排出される浸炭排ガスを前記燃焼式熱源へ導入する前に予め復圧する浸炭排ガス復圧手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の浸炭処理装置。
  5. 前記浸炭炉に導入された浸炭ガスを排出する浸炭排ガス導出管路の中間の一部位が前記燃焼式加熱源の熱交換手段に導入され、浸炭排ガスと燃焼用空気と熱交換可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至4に記載の浸炭処理装置。
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