JP3991571B2 - 無菌充填陰圧缶詰製造方法及びその装置 - Google Patents

無菌充填陰圧缶詰製造方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶詰製造方法とその装置、特に缶アセプティック充填システムにおける缶密封時の無菌性を確保でき、且つホット充填によらないで無菌充填陰圧缶詰を得ることができる無菌充填陰圧缶詰製造方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、果汁飲料等内容物の過度な加熱によるフレーバーの低下を防止するために、従来のホット充填やレトルト殺菌法に代えて、アセプティック充填法がボトル詰め飲料等で実用化されているが、缶詰でもアセプティック充填法が種々提案されている。缶詰において高度の無菌充填を達成するためには、空缶と蓋の滅菌、内容物の滅菌、無菌下での充填に加えて、無菌下での密封が必要である。従来の巻締装置56は、図6に示すように、蓋供給ターレット兼ガスターレット57、シーマー本体58、ディスチャージターレット59で構成され、シーマー本体のリフター上に移載されてからガス置換及び蓋載せを行って巻締を行うので、前記要求を満たすには、巻締装置内、特に缶の密封が完遂されるシーマー本体まで確実に無菌性を維持していることが要求される。ところが、シーマー本体では容器に近い位置でリフターやノックアウトの上下動、シーミングロールの回転運動等があり、構造上シーマー本体の殺菌と無菌性維持が困難である。そのため、巻締装置、特にシーマー本体の殺菌及び無菌化の維持は、アセプティック充填法による缶詰製造における、高度の無菌性を達成するための解決しなければならない大きな技術的課題となっている。
【0003】
一方、従来、缶詰の密封性や内容物の腐敗劣化を出荷前に正確に且つ簡単に検査する方法として、打検法が広く採用されている。該打検法による内圧検査特性を有するには、缶内真空度が20〜40cmHg程度の陰圧状態にあることが望ましい。ホット充填では、内容物が冷えると缶内が陰圧状態となるので、打検法による内圧検査特性に優れ、容易に且つ確実に缶の密封度や腐敗等を検査することができた。しかしながら、アセプティック充填等、内容物を常温充填する缶詰製造方法では、製造後の缶詰内圧は略大気圧状態であり陰圧状態とならないので、陰圧缶と比べて打検適性にかける欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は上記問題点を解決するためアセプティック缶詰の製造に際して、常温無菌充填した缶をシーマー本体に供給する前に、缶内のヘッドスペースを蒸気又は蒸気と窒素等の不活性ガスの混合ガスにより置換し蓋を被せて圧着することにより、蒸気が凝縮して缶内が減圧になり缶胴と蓋が密着するので、缶内減圧を維持した状態でシーマーに移送して巻締することによって、シーマー本体の殺菌困難性と巻締雰囲気の無菌性維持の困難性を克服して、高度の無菌充填を達成できる方法を提案した(特願2000−210250号)。しかし、その後の研究で荷扱いや充填前工程の容器搬送によって缶のフランジ部など缶蓋と缶胴の嵌合部に若干変形が生じることがあり、この場合には蓋圧着後のシーマーへの移送工程において、缶と蓋の密封性、即ち缶内減圧度の低下が微小ながら生じることがあることが判明した。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題点が生じることなく、蓋圧着後のシーマーへの移送工程において完全に缶と蓋との密封性が維持され、シーマー本体の無菌性に左右されずに缶密封時までの無菌性を確保することで、高度の無菌充填を達成でき、且つ常温無菌充填であっても無菌充填陰圧缶詰を得ることができて打検適性に優れた無菌充填陰圧缶詰を製造することができる無菌充填陰圧缶詰製造方法及びそれらを達成できる無菌充填陰圧缶詰製造装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成する本発明の無菌充填陰圧缶詰製造方法は、無菌空間で内容物が常温充填された缶胴に蓋をシーマー本体で巻締めて密封して無菌充填陰圧缶詰を製造する無菌充填陰圧缶詰製造方法であって、内容物が常温充填された缶胴が前記シーマー本体に到達する前に、該缶胴のヘッドスペースガスを高温置換流体で置換して缶胴開口部に蓋を乗せるガス置換・蓋乗せ工程、前記缶胴に載った蓋を缶胴開口部に圧着することによりヘッドスペース内の前記高温置換流体が冷却されてヘッドスペース内が陰圧化して蓋と缶胴を密着させ、且つ減圧状態となっている缶の缶蓋カール部と缶胴フランジ部を仮巻締する蓋圧着・仮巻締工程を有し、前記ガス置換・蓋載せ工程及び前記蓋圧着・仮巻締工程を前記本巻締工程と分離してなり、前記ガス置換・蓋載せ工程、前記蓋圧着・仮巻締工程及び前記本巻締工程はクリーンボックス内で行い、且つ該クリーンボックス内は前記ガス置換・蓋載せ工程及び前記蓋圧着・仮巻締工程を実施する空間と、前記本巻締工程を実施する空間とに区画され、各空間には該空間の陽圧状態を制御可能に清浄空気が供給され、前記ガス置換・蓋載せ工程及び前記蓋圧着・仮巻締工程が実施される空間の圧力P2と、前記本巻締工程が実施される空間の圧力P3とが、P2>P3の圧力勾配となるように設定してなることを特徴とするものである。
この方法で、シーマー本体の無菌性に左右されずに缶密封時までの無菌性を確保することができ、高度の無菌充填を達成でき、且つ常温充填であっても陰圧缶詰を得ることができ、打検適性に優れた無菌充填陰圧缶詰を製造することができる。仮巻締工程では、ガス置換後蓋を嵌合し圧着した状態で缶内真空度を維持できる程度に仮巻締を行い、シーマーに移送して本巻締を行う。シーマーでの本巻締は、従来と同様にシーミングロールにより巻締を行う一次巻締工程と二次巻締工程により行うか、又は二次巻締工程のみで行うのも可能である。前記高温置換流体としては、蒸気、又は蒸気と不活性ガスの混合ガスが好適に採用できる。
【0007】
また、上記缶詰製造方法を実施するための本発明の無菌充填陰圧缶詰製造装置は、無菌空間で内容物が常温充填された缶胴に蓋を巻締めて密封して無菌充填陰圧缶詰を製造する無菌充填陰圧缶詰製造装置であって、内容物が常温充填された缶胴の開口部に高温置換流体を供給して缶胴のヘッドスペースのガス置換を行うガス置換手段、缶胴に蓋を供給する蓋供給手段、前記高温置換流体でガス置換された缶胴開口部に蓋を載せる蓋載せ手段、前記缶胴開口部に載った蓋を缶胴開口部に圧着することによりヘッドスペース内の前記高温置換流体が冷却されてヘッドスペース内が陰圧化して蓋と缶胴を密着させ、且つ減圧状態となっている缶の缶蓋カール部と缶胴フランジ部を仮巻締する蓋圧着・仮巻締手段、仮巻締された蓋を缶胴に本巻締するシーマー本体とからなり、前記ガス置換手段、前記蓋供給手段、前記蓋載せ手段及び前記蓋圧着・仮巻締手段が前記シーマー本体と分離され、前記ガス置換手段、前記蓋載せ手段、前記蓋圧着・仮巻締手段及び前記シーマー本体はクリーンボックス内に配置され、且つ該クリーンボックス内は前記ガス置換手段、前記蓋載せ手段及び前記蓋圧着・仮巻締手段が配置された空間と、前記シーマー本体が設置された空間とに区画され、各空間には該空間の陽圧状態を制御可能に清浄空気が供給できるようになっており、前記ガス置換手段、前記蓋載せ手段、前記蓋圧着・仮巻締手段が配置された空間の圧力P2と、前記シーマー本体が設置された空間の圧力P3とが、P2>P3の圧力勾配となるように設定されてなることを特徴とする構成からなり、それにより缶フランジに若干の変形があっても高度の無菌充填が可能となった。
【0008】
前記蓋圧着・仮巻締手段は、各ポケット毎に缶胴を載置するキャンパッドと缶胴に蓋を圧着するクリンチャーチャックとを有して一体に回転する蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット、該蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレットにより搬送される缶搬送経路に沿って固定位置に配置されたカーリングレールとで構成することが望ましい。また他の形式として、前記ガス置換手段、前記蓋供給手段、蓋載せ手段、及び蓋圧着・仮巻締手段が、内容物が充填された缶胴を充填機から搬送するタイミングコンベヤの直線経路に沿って配置して構成することも可能である。さらに、前記ガス置換手段、前記蓋載せ手段、蓋圧着・仮巻締手段及び前記シーマー本体は、クリーンルーム内に設けられたクリーンボックス内に配置され、且つ該クリーンボックス内は前記ガス置換手段、前記蓋載せ手段、蓋圧着・仮巻締手段が配置された空間と、前記シーマー本体が設置された空間に区画され、各空間には該空間の陽圧状態を制御可能に清浄空気が供給できるようにすることによって、巻締空間の空気が前工程に流入しないようにすることができ、容器の密閉まで巻締空間の雰囲気の影響を受けないようにすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、アセプティック充填における本発明の実施形態に係る缶詰製造装置の配置を示す概略図である。アセプティック充填は、クラス10,000程度のクリーンルーム内で行われ、該クリーンルーム内にさらに缶胴と蓋を密封する工程を実施する空間として、より清浄度の高いクラス100程度に維持されるクリーンボックス1が区画されている。該クリーンボックス内に配置された本実施形態の缶詰製造装置は、基本的構成として蓋供給・ガス置換ターレット2、蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット3、トランスファーターレット4、シーマー本体5、ディスチャージターレット6を有しており、これらは同期回転駆動される。そして、蓋供給・ガス置換ターレット2と蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット3間にフィラーより内容物が充填された缶胴を供給するためのタイミングコンベヤ7と、ディスチャージターレットから排出される缶詰を搬出するディスチャージコンベヤ8を有している。
【0010】
蓋供給・ガス置換ターレット2は、ターレット本体の外周部に蓋嵌合ポケットを有し、該ポケットの回転経路の上部位置に固定された蓋スタッカー11(図2)から蓋切り出し装置(図示せず)により蓋を1枚ずつ切出してポケットに保持して、タイミングコンベヤ7によってフィラーから搬送されてくる缶胴cの上方に蓋eを搬送する。該ターレット本体のポケット周面には、該ターレット内部に設けられた蒸気又は蒸気と不活性ガスとの混合体(以下、単に高温置換流体という)の管路と連通して高温置換流体を噴出するノズル穴が多数形成され、蓋が缶胴の上部に位置する所定区間において、缶胴と蓋の間に向けて高温置換流体を噴出するように構成する。それにより、いわゆるアンダーカバーガッシング装置が構成される。なお、ターレット本体と高温置換流体を噴射するガス置換ターレットを別体に構成して一体に回転するように構成しても良い。図2はそのような例を示し、ターレット本体の下面にガス置換ターレット12が一体に固定されている。また、回転するガス置換ターレットに代えて、置換流体噴出ノズルを蓋が缶胴の上部に位置する所定区間に固定して配置し、その区間で常時高温置換流体を噴出しているように構成することも可能である。
【0011】
蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット3は、前記缶蓋供給・ガス置換ターレットのポケットと同ピッチに設けられたリフター13と、リフターの上面のキャンパッドに移載された缶胴と蓋を挟んで蓋を缶胴に圧着させるクリンチャーチャック14とを有している。リフター13は、図示してないカムによって蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット3の回転に伴って上下動し、蓋が載置された缶胴が図1に示すように蓋供給・ガス置換ターレット2と蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット3の中心線を結ぶ線上でリフター13の上面に移載されると、蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット3の回転に伴って次第に上昇し、リフター13とクリンチャーチャック14によって缶胴と蓋を挟んで蓋を缶胴に圧着させて挾持し、その状態で後述するカーリング装置15が配置されている位置を通過する際には、缶胴と缶蓋を一体に回転させて仮巻締するようになっている。
【0012】
カーリング装置15は、蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット3の外周部に、缶の搬送経路に沿って固定して配置されている。該カーリング装置15は、その詳細が図3及び図4に示されているように、固定部に立設したネジ棒16に高さ方向に調節可能に設けられたカーリングフレーム17に、搬送中の缶方向に調節ボルト19で調節可能にカーリングレール18が設けられている。カーリングレール18のシーミンググルーブ20は、図4に断面に示すように、ガス置換後蓋を嵌合し圧着した状態で缶内真空度が維持できる程度の仮巻締する巻締形状に形成されている。カーリングレール18は、ガス置換後蓋を嵌合し圧着した状態でターレットにより自転しながら搬送される缶の缶蓋カール部にそのシーミンググルーブが圧接して仮巻締できるように、缶種に応じて調節ボルト19で径方向に位置決めされ、その位置でカーリングクランプ21で固定される。
【0013】
トランスファーターレット4は、蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット3とシーマー本体5との間で蓋が仮巻締された缶を中継するためのターレットであり、外周部に蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット3と等ピッチのポケットを有している。シーマー本体5及びディスチャージターレット6は従来公知と同様なものが採用でき、仮巻締された缶体と蓋をシーマー本体で一次巻締及び二次巻締する。
【0014】
図5は、高温置換流体として蒸気と窒素ガスの混合体を採用する場合の、ガス置換ターレットへの供給管路の実施形態を示している。蒸気供給源に連結された蒸気供給管30に上流側から順にプレフィルター31、減圧弁32、自動弁33、第2次減圧弁34、自動弁35、ファイナルフィルター36を配置して、ミキシング装置37に連結されている。一方、窒素ガス供給源に連結された窒素ガス供給管40には、同様に上流側から順にプレフィルター41、減圧弁42、自動弁43、ファイナルフィルター44を配置して、ミキシング装置37に連結されている。以上のような管路回路により蒸気及び窒素ガスは、プレフィルター及びファイナルフィルターによりそれぞれ除菌されてミキシング装置37に供給され、適当な混合比で混合されて、缶胴開口部と蓋との隙間に吹き込まれて、缶胴ヘッドスペース部のガス置換を行う。なお、図中、45、46は手動弁、47、48はトラップである。また39は窒素ガス管路の滅菌回路である。
【0015】
本発明の実施形態に係る缶詰製造装置は、以上のように構成され、クリーンルーム内に配置されたより清浄度が高く維持されるクリーンボックス1内に設けられている。クリーンボックス1は、容器出入口を除き壁により隔離された構造になっており、図2に示すように無菌エアーの導入により陽圧状態に保持されている。さらに、クリーンボックス1内は、蓋を缶胴に圧着して仮巻締するまでの工程を行う部分と蓋の本巻締を行う部分とを隔離壁51により隔離してある。
【0016】
そして、フィラー側無菌空間52の圧力P1、ガス置換・蓋載せ空間53の圧力P2、巻締空間54の圧力をP3、出口側空間55即ちクリーンルーム内の圧力をP0とすると、P1>P2>P3>P0の圧力勾配となるように設定して、巻締空間54の空気が前工程に流入しないようにしてある。それにより、缶胴がまだ蓋により密封されてない状態での清浄度を確実に保持するようにしてある。
【0017】
以上のように構成された缶詰製造装置において、フィラーで内容物が充填された缶胴cは、コンベヤ周辺を囲って高清浄度に維持されたフィラー側無菌空間52をタイミングコンベヤ7によって各ターレットのポケットピッチと同じピッチで搬送され、容器入口9よりクリーンボックス1内に搬入され、蓋供給・ガス置換ターレット2と蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット3との噛み合い位置に搬入される。一方、蓋eは蓋スタッカー11から切り出し装置(図示せず)により1枚ずつ切り出されて蓋供給・ガス置換ターレット2のターレット本体10のポケットに嵌合して搬送され、ターレット本体が回転することによって、図1に示すように、タイミングコンベヤで搬送されてくる缶胴の上方に搬送され、図におけるA位置で缶胴が蓋の真上に位置する。この時点又はこの直前からガス置換ターレット12のノズル穴から蓋と缶胴口部との間に高温置換流体を噴射する。この時点では、缶胴は蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレットのリフター13上に移載されている。
【0018】
蓋と缶胴口部との間に高温置換流体を噴射することによって、缶胴のヘッドスペースに高温置換流体が吹き込まれて、ヘッドスペース内のガスが追い出されて高温置換流体と置換される。その後蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット3の回転に伴って蓋は完全に缶胴開口部に載せられ、リフター13が上昇して図2に示すように、蓋の上面がクリンチャーチャック14の圧着面に当たることにより、蓋が缶胴開口部に圧着される。常温で内容物が充填された缶胴のヘッドスペースのガスを蒸気と窒素ガス等の混合ガス等からなる高温置換流体で置換して蓋を被せて圧着することにより、蒸気が冷却されて缶内が瞬時に減圧される。その結果、缶胴と缶蓋の嵌合部に変形等がなければ、仮巻締め等をせず、単に蓋を缶胴に押しつけただけでも、蓋と缶胴が密着して密封状態となり、缶胴への外部空気の流入が阻止されると共に、搬送中の液こぼれもなくなり、シーマー本体まで搬送することができる。しかしながら、缶のフランジ部など缶蓋と缶胴の嵌合部に変形があると、完全な密封状態が維持されなくなることがあるので、それを防ぐために本発明では、フランジ部に若干の変形があっても蓋を圧着した状態で缶内真空度が維持できる程度に仮巻締する仮巻締手段を採用してある。
【0019】
即ち、リフター13とクリンチャーチャック14とで挾持され蒸気の冷却により減圧状態になっている缶は、カーリングレール18が配置されている位置を回転通過する際に、缶蓋のカール部fがカーリングレール18のシーミンググルーブ20に圧接して缶胴フランジに仮巻締される。この仮巻締方法は、回転方式シーミングロールでなく固定式のカーリングレール18で行うため、回転部の給油に伴う潤滑油の滅菌の必要性や油漏れがなくなり、ノックアウト機構も不要となるため、巻締機構が大幅に簡素化されるので、装置の滅菌及び滅菌後の無菌性維持が容易となり、無菌性を確保できる。従って、缶胴内のガス置換及び蓋載せ工程とシーマーでの本巻締工程を分離することができ、且つ蓋圧着工程ないしは蓋仮巻締工程で缶内が密閉されるので、缶内部の清浄度が巻締空間54の影響を受けることがない。
【0020】
それ故、構造が簡単で且つ可動部分も少なく、シーマー本体と比べて殺菌及び無菌性維持が容易である缶蓋供給・ガス置換ターレット2、蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット3、トランスファーターレット4の部分の無菌性を確保すれば、シーマー本体5の殺菌及び無菌性の維持が困難であっても、それに影響されることなく、アセプティック充填における無菌性の確保・維持が可能となり、缶詰のより高度なアセプティック充填を達成することができる。また、シーマー本体に到達するまでには、缶詰はより安定した密封性が確保されているので、シーマーが設置されている巻締空間54の無菌環境のグレードを下げることが可能となり、例えば清浄度クラス100の状態からクラス10,000又は一般室の状態にすることも可能となり、環境設備コストの低減を図ることができる。
【0021】
なお、打検による密封性や出荷前の変敗を効果的に確認するためには、容器内真空度は、20〜40cmHgを維持することが望ましく、前記蓋仮巻締工程ではこの真空度を安定的に確保できる程度に巻締するのが好ましい。また、蒸気と窒素ガスとの混合割合は1:0〜1:1の範囲が望ましい。
【0022】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限るものでなく、その技術的思想の範囲内で種々の設計変更が可能である。例えば、上記実施形態では、蓋圧着後仮巻締工程を行い、シーマー本体では従来と同様に一次巻締及び二次巻締を行ったが、必ずしもそれに限るものでなく、カーリングレールで従来の一次巻締に相当する仮巻締を行い、シーマー本体での本巻締は二次巻締のみを行うようにしてもよい。また、前記実施形態では、高温置換流体として蒸気と窒素ガスの混合ガスを使用したが、蒸気だけ、あるいは炭酸ガスその他の不活性ガスと蒸気との混合ガスの採用も可能であり、充填後缶内を不活性雰囲気にし、且つ蓋圧着後瞬時に冷却して缶が陰圧状態になるものであれば良い。
【0023】
さらに、ガス置換手段及び蓋供給手段は、必ずしも前記実施形態のように、蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレットと噛み合う位置関係で配置された蓋供給・ガス置換ターレット及びガス置換ターレットに限らず、例えばタイミングコンベヤの直線経路に沿って、直線状の蓋供給ユニット及びガス置換ユニットを配置することも可能である。その場合、蓋供給ユニット及びガス置換ユニットのすぐ下流側に、タイミングコンベヤの直線経路に沿って蓋嵌合・圧着・仮巻締ユニットを設けると良い。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、内容物が常温充填された缶胴のヘッドスペースに高温置換流体を吹き込み蓋を圧着し、且つ固定のカーリングレールにより仮巻締を行うという新規な技術手段を採用することによって、フランジ部など缶蓋と缶胴の嵌合部に若干変形が生じている缶であっても本巻締工程前に完全に缶内を密封することができるので、ガス置換・蓋載せ工程と本巻締工程を分離することができ、シーマー本体の無菌性維持に関わらず缶密封時までの無菌性を確保することができ、アセプティック充填システムにおけるシーマー本体の殺菌困難性と巻締雰囲気の無菌性維持の困難性を克服して、高度の無菌充填を達成できる。また、高温置換流体により置換し蓋を被せて圧着することにより、高温置換流体が冷却され缶内が瞬時に減圧状態になり蓋と缶胴が密着し、しかも仮巻締するので、液こぼれなくシーマーに搬送することができる。
【0025】
また、本発明によれば、常温充填であっても陰圧缶詰を得ることができて打検適性に優れた常温充填缶詰を製造することができる。即ち、従来陰圧缶詰は、ホットパック充填することによって得られるが、本発明によれば無菌充填で陰圧缶詰を得ることができるので、無菌充填缶詰であっても打検で密封性や内容物の変敗検査がより簡単に且つ確実にでき、缶詰の品質管理がより容易となる。さらに、請求項8の構成によれば、巻締空間の空気が前工程に流入しないようにすることができ、ガス置換・蓋載せ空間をより効果的に清浄雰囲気に維持することができ、アセプティック充填におけるより高度の無菌性の確保・維持が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る缶詰製造装置の平面模式図である。
【図2】その正面模式図である。
【図3】カーリング装置の平面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】高温置換流体が蒸気窒素ガスの混合ガスである場合の実施形態に係る管路構成図である。
【図6】従来の缶詰製造装置(巻締装置)の平面模式図である。
【符号の説明】
1 クリーンボックス 2 缶蓋供給・ガス置換ターレット
3 蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット 4 トランスファーターレット
5 シーマー本体 6 ディスチャージターレット
7 タイミングコンベヤ 11 蓋スタッカー
12 ガス置換ターレット 13 リフター
14 クリンチャーチャック 15 カーリング装置
17 カーリングフレーム 18 カーリングレール
30 蒸気供給管 37 ミキシング装置
40 窒素ガス供給管 42 フィラー側無菌空間
53 ガス置換・蓋載せ空間 54 巻締空間
55 出口側空間

Claims (5)

  1. 無菌空間で内容物が常温充填された缶胴に蓋をシーマー本体で巻締めて密封して無菌充填陰圧缶詰を製造する無菌充填陰圧缶詰製造方法であって、内容物が常温充填された缶胴が前記シーマー本体に到達する前に、該缶胴のヘッドスペースガスを高温置換流体で置換して缶胴開口部に蓋を乗せるガス置換・蓋乗せ工程、前記缶胴に載った蓋を缶胴開口部に圧着することによりヘッドスペース内の前記高温置換流体が冷却されてヘッドスペース内が陰圧化して蓋と缶胴を密着させ、且つ減圧状態となっている缶の缶蓋カール部と缶胴フランジ部を仮巻締する蓋圧着・仮巻締工程を有し、前記ガス置換・蓋載せ工程及び前記蓋圧着・仮巻締工程を前記本巻締工程と分離してなり、前記ガス置換・蓋載せ工程、前記蓋圧着・仮巻締工程及び前記本巻締工程はクリーンボックス内で行い、且つ該クリーンボックス内は前記ガス置換・蓋載せ工程及び前記蓋圧着・仮巻締工程を実施する空間と、前記本巻締工程を実施する空間とに区画され、各空間には該空間の陽圧状態を制御可能に清浄空気が供給され、前記ガス置換・蓋載せ工程及び前記蓋圧着・仮巻締工程が実施される空間の圧力P2と、前記本巻締工程が実施される空間の圧力P3とが、P2>P3の圧力勾配となるように設定してなることを特徴とする無菌充填陰圧缶詰製造方法。
  2. 前記本巻締工程が、シーミングロールにより巻締を行う一次巻締工程と二次巻締工程、又は二次巻締工程のみからなる請求項1に記載の無菌充填陰圧缶詰製造方法。
  3. 無菌空間で内容物が常温充填された缶胴に蓋を巻締めて密封して無菌充填陰圧缶詰を製造する無菌充填陰圧缶詰製造装置であって、内容物が常温充填された缶胴の開口部に高温置換流体を供給して缶胴のヘッドスペースのガス置換を行うガス置換手段、缶胴に蓋を供給する蓋供給手段、前記高温置換流体でガス置換された缶胴開口部に蓋を載せる蓋載せ手段、前記缶胴開口部に載った蓋を缶胴開口部に圧着することによりヘッドスペース内の前記高温置換流体が冷却されてヘッドスペース内が陰圧化して蓋と缶胴を密着させ、且つ減圧状態となっている缶の缶蓋カール部と缶胴フランジ部を仮巻締する蓋圧着・仮巻締手段、仮巻締された蓋を缶胴に本巻締するシーマー本体とからなり、前記ガス置換手段、前記蓋供給手段、前記蓋載せ手段及び前記蓋圧着・仮巻締手段が前記シーマー本体と分離され、前記ガス置換手段、前記蓋載せ手段、前記蓋圧着・仮巻締手段及び前記シーマー本体はクリーンボックス内に配置され、且つ該クリーンボックス内は前記ガス置換手段、前記蓋載せ手段及び前記蓋圧着・仮巻締手段が配置された空間と、前記シーマー本体が設置された空間に区画され、各空間には該空間の陽圧状態を制御可能に清浄空気が供給できるようになっており、前記ガス置換手段、前記蓋載せ手段、前記蓋圧着・仮巻締手段が配置された空間の圧力P2と、前記シーマー本体が設置された空間の圧力P3とが、P2>P3の圧力勾配となるように設定されてなることを特徴とする無菌充填陰圧缶詰製造装置。
  4. 前記蓋圧着・仮巻締手段は、各ポケット毎に缶胴を載置するキャンパッドと缶胴に蓋を圧着するクリンチャーチャックとを有して一体に回転する蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレット、該蓋嵌合・圧着・仮巻締ターレットにより搬送される缶搬送経路に沿って固定位置に配置されたカーリングレールからなる請求項3記載の無菌充填陰圧缶詰製造装置。
  5. 前記ガス置換手段、前記蓋供給手段、前記蓋載せ手段及び前記蓋圧着・仮巻締手段が、内容物が充填された缶胴を充填機から搬送するタイミングコンベヤの直線経路に沿って配置されている請求項4記載の無菌充填陰圧缶詰製造装置。
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