JP3991426B2 - ポリオキシアルキレンモノアミンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオキシアルキレン化合物をシアノエチル化し、水素還元してポリオキシアルキレンモノアミンを製造する方法、特に原料に用いたポリオキシアルキレン化合物や製造中に副生したポリアミンなどを含有せず、生理活性蛋白質の化学修飾やリポソームなどのドラッグデリバリーシステムに使用可能なポリオキシアルキレンモノアミンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高純度のポリオキシアルキレンモノアミンは医薬用途において、生理活性蛋白質の化学修飾やリポソームなどのドラッグデリバリーシステムに使用されるようになってきた。これまで、ポリオキシアルキレンモノアミンは主に繊維工業や樹脂添加剤に使用されていたため、未反応物や副生物は大きな障害とはならなかった。しかし、生理活性蛋白質の化学修飾やリポソームなどのドラッグデリバリーシステムにポリオキシアルキレンモノアミンが使用されるようになると、未反応物や副生物の少ない高純度なポリオキシアルキレンモノアミンが要求されるようになった。
【0003】
従来、高純度のポリオキシアルキレンモノアミンの製造方法として、水酸基を持つポリオキシアルキレン化合物をアクリロニトリルと反応させてシアノエチル化し、得られるシアノエチル化物を水素還元して高純度のポリオキシアルキレンモノアミンを製造する方法が提案されている(特開平8−165343号公報)。この方法はシアノエチル化段階で副生するポリアクリロニトリルの生成量を低く抑えるために、水酸基のアクリロニトリルによる封鎖率を低く抑え、後からイオン交換樹脂を用いるカラム精製で精製する方法である。
【0004】
しかしこの方法では、ポリアミン類の副生を抑えるために、反応させるアクリロニトリルの量を少なくして水酸基の封鎖率を低く抑えるので、水素還元後、イオン交換樹脂を用いて未反応の水酸基を有するポリオキシアルキレンを除去する必要がある。イオン交換樹脂を用いる精製の場合、精製には陽イオン交換樹脂を用いる必要があり、樹脂容量により処理可能なポリオキシアルキレンモノアミンの量が決まるため、大量に目的物を得るためには、イオン交換樹脂もまた大量に使用しなければならない。このため、工業的に大量の高純度ポリオキシアルキレンモノアミンを得ることは困難であった。
【0005】
また、この方法で得られたポリオキシアルキレンモノアミンは、水酸基の封鎖率を低く抑えていることから、不純物として未反応のポリオキシアルキレンエーテル、および分子量の大きなポリアクリロニトリルに由来する高分子量のポリアミンを含む。これらはアルカリ吸着剤のような通常の吸着剤に吸着しないため、吸着剤で精製して高純度のポリオキシアルキレンモノアミンを得ることは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ポリオキシアルキレンモノアミンを製造するに際し、反応溶媒として水を使用し、多量のアクリロニトリルを低温で反応させることにより、ポリアクリロニトリルに由来する高分子量ポリアミンの副生を抑えてシアノエチル化率を高くコントロールでき、しかもその際副生するポリアクリロニトリル誘導体は水素還元後アルカリ吸着剤のような一般的な吸着剤で簡便に除去でき、これにより簡便な操作により容易に未反応物や副生物を含まない高純度のポリオキシアルキレンモノアミンを製造する方法を提案することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のポリオキシアルキレンモノアミンの製造方法である。
(1) 下式(1)
R1O(C2H4O)m(AO)nC3H6NH2…(1)
(式中、R1は炭素数1〜24の炭化水素基またはアシル基、AOは炭素数3または4のオキシアルキレン基、mおよびnはそれぞれオキシエチレン基またはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、m=20〜1000、n=0〜1000かつm+n=20〜1020、{n/(m+n)}≦0.5であり、n≧1のときはオキシエチレン基とオキシアルキレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。)
で示されるポリオキシアルキレンモノアミンを製造する方法であって、
(A):原料として式(2)
R1O(C2H4O)m(AO)nH …(2)
(式中、R1、AO、m、nは前記と同じものを示す。)
で示されるポリオキシアルキレン化合物を、その水酸基に対し20〜500当量倍のアクリロニトリルと、0〜20℃で、アルカリ触媒の存在下、および式(2)の化合物の50〜500重量%の水の存在下に反応させてシアノエチル化する工程、
(B):反応系をpH4〜9に調整する工程、
(C):得られたシアノエチル化物を水素還元用触媒の存在下、アンモニアおよび水素雰囲気下で、100〜160℃で水素還元する工程、および
(D):得られた水素還元物を吸着剤で処理する工程
を含むポリオキシアルキレンモノアミンの製造方法。
(2) 工程(A)において、触媒として水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムから選ばれるアルカリ触媒を式(2)の化合物水溶液に対して0.1〜5重量%の濃度となるように添加し、式(2)の化合物の水酸基の封鎖率が80〜100%になるようにアクリロニトリルを反応させる上記(1)記載の方法。
(3) 工程(B)の後に、
(E):塩類および有機溶媒を加えてシアノエチル化物を抽出する工程、ならびに
(F):抽出物から有機溶媒を除去する工程を含む上記(1)または(2)記載の方法。
(4) 工程(F)の後に、
(G)式(2)の化合物の200〜2000重量%のトルエン、キシレンおよび酢酸エチルから選ばれる溶媒ならびに200〜2000重量%の炭素数6以上の飽和炭化水素を用いて晶析する工程を含む上記(3)記載の方法。
(5) 工程(D)の後に、
(H)イオン交換樹脂を用いて処理する工程を含む上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法。
【0008】
前記式(1)および式(2)において、R1は炭素数1〜24の炭化水素基またはアシル基である。R1で示される炭素数1〜24の炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、オクタデシル基、イソステアリル基、オレイル基、オクチルドデシル基、ドコシル基、デシルテトラデシル基などの飽和および不飽和の直鎖または分岐の炭化水素基があげられる。この場合使用目的に応じて炭化水素基の炭素鎖長は任意のものが使用できるが、炭素数が長くなるとゲルを形成しやすくなり溶解しにくくなるため、好ましい範囲としては炭素数1〜4であり、特に好ましくはメチル基である。
【0009】
このほかR1で示される炭化水素基としては、ベンジル基、クレジル基、ブチルフェニル基、ジブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基、ジオクチルフェニル基、ジノニルフェニル基などの芳香族炭化水素基があげられる。
またさらに、R1で示されるアシル基としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸などの飽和および不飽和の直鎖または分枝の脂肪酸に由来するアシル基があげられる。
【0010】
式(1)および(2)において、AOは炭素数3または4のオキシアルキレン基であり、具体的にはオキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などがあげられる。これらのオキシアルキレン基は、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキシドを付加重合させることにより形成される基である。
式(1)および(2)において、mはオキシエチレン基の平均付加モル数で、そのmが20〜1,000と限定されるのは生体と親和性を持たせるために最低20モルは必要であり、1,000をこえると高粘度となり作業性が著しく悪くなるので好ましくない。mの好ましい範囲は30〜800である。nはAOで示されるオキシアルキレン基の平均付加モル数である。
【0011】
オキシアルキレン基は特に無くても問題はないが、適合性の設計上必要となる場合は導入することも可能である。しかしその場合アルキレンオキシドの付加モル数がエチレンオキシドの付加モル数より多くなると親油性が強くなりすぎ水に溶解しにくくなるので好ましくない。従って一般的な範囲は{n/(m+n)}≦0.5かつnが0〜1000の範囲であり、好ましくは{n/(m+n)}≦0.3かつnが0〜100の範囲である。またm+nの範囲は20〜1020であり、好ましくは40≦m+n≦600である。m+nが1020を越えると粘度が著しく高くなるので好ましくない。
【0012】
本発明では式(2)で示されるポリオキシアルキレン化合物を、工程(A)においてシアノエチル化し、工程(B)においてpH調整し、工程(C)において水素還元し、工程(D)において吸着処理することにより、式(1)で示されるポリオキシアルキレンモノアミンを製造する。
一般的に、水酸基をもつポリオキシアルキレン化合物のシアノエチル化反応ではポリアクリロニトリルの副生が避けられないが、これを水素による還元反応前に完全に除去することは困難である。また水素化後のポリオキシアルキレンモノアミンから、前記の副生するポリアクリロニトリルから誘導される高分子量のポリアミンを簡便に除去する方法も見いだされていない。
【0013】
このため従来はアクリロニトリルの量を少なくして水酸基の封鎖率を低くしていたが、本発明では、大過剰のアクリロニトリルを用いることにより水酸基のシアノエチル基への転換率を80〜100%と高くコントロールする。同時に反応溶剤として大量の水を使用し、反応温度を0〜20℃と低く抑えることにより、低分子量のポリアクリロニトリル誘導体を副生させ、アルカリ吸着剤のような一般的な吸着剤で簡便に除去できるようにする。
【0014】
工程(A)では、アルカリ触媒と水の存在下にアクリロニトリルを原料の式(2)の化合物に反応させてシアノエチル化する。このシアノエチル化工程(A)で使用するアクリロニトリルの量は、目的の封鎖率を得るために充分過剰にする必要がある。アクリロニトリルの量は式(2)の化合物の水酸基当量に対して20〜500当量倍、好ましくは30〜300当量倍である。アクリロニトリルの量が20当量倍より少ないと、反応溶剤として水を使用した場合目的の封鎖率を得ることができず、500当量倍より多い場合は副生するポリアクリロニトリルの量が多くなり後からの除去が困難になる。
【0015】
触媒としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムより選ばれるアルカリ触媒が好ましい。使用するアルカリ触媒の量は式(2)の化合物を溶媒としての水、好ましくはイオン交換水に溶解した水溶液に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%の濃度となるような量が望ましい。触媒量が0.1重量%より低濃度では触媒活性が弱く目的の封鎖率を得ることができず、5重量%を越えると着色物質が生成するので好ましくない。アルカリ触媒を式(2)の化合物のイオン交換水溶液に加える際には、固体のまま直接加えても水溶液で加えても良い。水溶液で加える場合は1〜50重量%水溶液、好ましくは20〜50重量%水溶液とするのが良い。
【0016】
また工程(A)において溶媒として使用する水の量は、原料である式(2)の化合物の50〜500重量%、より好ましくは70〜300重量%とする。
使用する水は特に限定されないが、イオン交換水を使用することが好ましい。使用する水の量が50重量%より少ないとシアノエチル化工程で副生するポリアクリロニトリルが高分子量になり、かつ著しく着色しやすくなるとともに、反応熱を効率よく除去することができなくなるため好ましくない。また、水の量が500重量%より多いと式(2)の化合物の濃度が下がりすぎ、反応率が低下するので好ましくない。
【0017】
工程(A)における反応温度は0〜20℃、好ましくは0〜10℃、特に好ましくは0〜5℃であり、0℃より低いと反応物が凝固しハンドリングが困難になり好ましくない。また、20℃より高いと著しく着色するので好ましくない。圧力は特に限定されないが、常圧で反応させるのが好ましい。反応時間は通常1〜6時間である。
【0018】
シアノエチル化工程(A)における式(2)の化合物の水酸基の封鎖率は80〜100%、好ましくは85〜100%とするのが好適であり、80%より低いと誘導されるポリオキシアルキレンモノアミンの純度が低下するので好ましくない。封鎖率は水の量、触媒の種類および量、反応温度、圧力、時間等により調整することができる。
式(2)の化合物の水酸基の封鎖率は次の式(a)によって算出される。
封鎖率(%)=(反応前の化合物の水酸基価−反応終了後の残存水酸基価)/(反応前の化合物の水酸基価)×100 …(a)
【0019】
上記の工程(A)においてシアノエチル化を行った後、工程(B)において反応系をpH4〜9、好ましくは5〜8に調整する。pH調整剤としては酸が用いられるが、燐酸、塩酸および硫酸から選ばれる酸が好ましい。このようにシアノエチル化工程終了後、燐酸、塩酸または硫酸等の酸を用いて反応系のpHを4〜9に調整することにより、使用した触媒の活性を無くすことができる。触媒の残存したまま次の水素還元工程(C)で温度を上昇させると、未反応のアクリロニトリルが急激に反応するので危険である。pHが9より上である場合、触媒活性が充分に無くなっておらず、またpHが4より下であるとシアノエチル基の加水分解が起こりやすくなるので好ましくない。
【0020】
工程(B)においてpH調整した後、そのまま引き続いて水素還元工程(C)へ入ることも可能であるが、工程(B)の後に、塩類および有機溶媒を加えてシアノエチル化物を抽出する工程(E)、ならびに抽出物から有機溶媒を除去する工程(F)を行った後、工程(C)の水素還元処理を行うのが好ましい。
【0021】
工程(E)で使用する有機溶媒としてはポリオキシアルキレンシアノエチル化物を溶解し、アクリロニトリル、水等を溶解しない溶媒であればよいが、塩素化炭化水素特にクロロホルム、またはジクロロメタンが好ましい。このような有機溶媒は式(2)の化合物の50〜500重量%用いるのが好ましい。
塩類は抽出に際してポリオキシアルキレンシアノエチル化物が有機溶媒側に移行しやすくするものであればよいが、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウムまたはその水溶液が好ましい。塩類の使用量は特に規定されないが、系全体の塩濃度が低すぎるとポリオキシアルキレンシアノエチル化物の収率が低下するので、系全体に対する塩類濃度が5〜20重量%の範囲となるように添加するのが好ましい。
【0022】
工程(E)の抽出はpH調整後の反応系に塩類および有機溶媒を加えて混合、接触させた後、液液分離により水相と有機相に分離する。これにより過剰のアクリロニトリル、反応溶媒としての水、および触媒等は水相に残り、ポリオキシアルキレンシアノエチル化物が有機相に回収される。
工程(F)の溶媒除去は分離された有機相から減圧等の手段により有機溶媒を留去することにより、濃縮されたポリオキシアルキレンシアノエチル化物を得る。
【0023】
塩類および有機溶媒を用いてポリオキシアルキレンシアノエチル化物を抽出し、減圧下にクロロホルムまたはジクロロメタンを留去することにより、反応液から過剰のアクリロニトリル、反応溶剤である水および触媒等を除去し、ポリオキシアルキレンシアノエチル化物を濃縮状態で回収して水素還元工程(C)へ移ることができる。
【0024】
また、さらに高純度の目的物であるポリオキシアルキレンモノアミンを得たい場合は、工程(E)、(F)の抽出および溶剤留去工程終了後、工程(G)において晶析を行った後、工程(C)の水素還元を行うのが好ましい。この場合ポリオキシアルキレンシアノエチル化物を、式(2)の化合物の200〜2000重量%のトルエン、キシレンおよび酢酸エチルから選ばれる溶媒、ならびに200〜2000重量%の炭素数6以上の飽和炭化水素の混合溶剤中に滴下して晶析精製することができる。このとき使用するトルエン、キシレンおよび酢酸エチルから選ばれる溶媒、ならびに炭素数6以上の飽和炭化水素の量が200重量%より少ないと充分な精製効果が得られず、また2000重量%より多いと容量が大きくなりすぎハンドリングが困難となる。炭素数6以上の飽和炭化水素としてはn−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、メチルヘキサンなどがあげられる。
【0025】
工程(G)において、式(2)の化合物の分子量が大きく、得られたポリオキシアルキレンシアノエチル化物の凝固点が高い場合には、いったんポリオキシアルキレンシアノエチル化物をポリオキシアルキレンシアノエチル化物の100〜400重量%のジクロロメタンまたはクロロホルムに溶解させたのち、トルエン、キシレンおよび酢酸エチルから選ばれる溶媒ならびに炭素数6以上の飽和炭化水素の混合溶剤に滴下しても良い。晶析精製工程を行った際は析出した結晶を濾別後、減圧下脱溶剤したのち水素還元工程(C)に用いる。晶析時に使用した溶剤が残存していると水素還元工程(C)で反応圧力が高くなり好ましくない。
【0026】
工程(C)は、工程(B)で得られたシアノエチル化物、もしくはこれを工程(E)、(F)で抽出した抽出物あるいはさらに工程(G)で晶析した精製物を、触媒の存在下、アンモニアおよび水素雰囲気下で温度100〜160℃で水素還元し、目的物であるポリオキシアルキレンモノアミンを生成させる工程である。
【0027】
水素還元工程(C)の具体的な方法には、公知の方法が採用できる。触媒としては水素還元用触媒としての機能を有するものであれば特に限定されないが、ラネーニッケル系のものが好ましい。触媒量は触媒の活性により変化するので特に規定されないが、一般的には反応系に対して0.2〜5重量%の範囲が好ましい。触媒が0.2重量%より少ないと反応時間が長くなり、触媒量が5重量%より多いと後から触媒を除去するのが難しくなる。還元反応はアンモニアおよび水素雰囲気で行われるが、このときの水素分圧は通常1〜10MPa(約10〜100kgf/cm2)である。
【0028】
工程(C)における反応温度は100〜160℃、好ましくは120〜140℃である。反応温度が100℃より低いと反応が進みにくく、160℃より高いと原料の分解などの副反応が生じるので好ましくない。反応時間は通常2〜8時間であり、また水素還元工程(C)では、原料の物性、例えば融点や粘度の点から必要に応じてトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素を希釈溶媒として使用することができる。
工程(C)において水素還元により、シアノエチル化物の水素還元物としてポリオキシアルキレンモノアミンが生成する。
【0029】
工程(D)は工程(C)で得られた水素還元物を吸着剤で処理して、低分子量ポリアミン等の不純物を吸着により除去して精製する工程である。ここで使用する吸着剤としては、工程(A)〜(C)で副生するポリアミンやモノアミン、その他の低分子量の不純物を吸着する吸着剤が使用できる。このような吸着剤としては、無機質固体酸等の一般にアルカリ吸着剤として使用されているものが使用でき、二酸化ケイ素を含む吸着剤が好ましく、市販品でもよい。
アルカリ吸着剤の市販品としては、キョーワード500、キョーワード600、キョーワード700、キョーワード1000、キョーワード2000(協和化学(株)製、商標)、トミックスAD#300、トミックスAD#600、トミックスAD#700、トミックスAD#800(富田製薬(株)製、商標)などがあげられる。
【0030】
工程(D)における吸着処理としては、粉末状の吸着剤を水素還元物と混合した後、固液分離により吸着剤を除去する方法が一般的であるが粒状の吸着剤層に水素還元物を通過させて吸着を行うことも可能である。このような吸着剤処理工程(D)では、原料の物性、例えば融点や粘度の点から必要に応じてトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素を希釈溶媒として使用することができる。
【0031】
粉末状の吸着剤で処理する場合について説明すると、使用する吸着剤量は使用した式(1)の化合物の量に対して5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%とするのが好適である。吸着剤量が5%より少ないと副生するポリアミン類を充分に吸着除去することができず、50重量%より多いと吸着剤を濾別するのが困難になる場合がある。吸着剤処理は水素還元工程(C)終了後、そのまま行っても良いが、水素還元工程(C)で使用した水素還元用触媒を濾別してから行った方が濾過性が良くなるので好ましい。吸着剤処理工程(D)では系が凝固しない条件であれば任意の温度で行っても良いが、温度が高い方が吸着性能があがるので50〜120℃の範囲で行うのが好ましい。使用した吸着剤は濾別して簡便に除去できる。
【0032】
工程(D)により、低分子量の不純物が除去され、高純度のポリオキシアルキレンモノアミンが得られ、これを最終製品とすることができるが、工程(A)における水酸基の封鎖率が低くて原料の式(2)の化合物が残留する場合は、工程(H)としてイオン交換樹脂を用いる処理により、未反応の式(2)の化合物を除去することによりさらに目的物の純度を上げることができる。ここで使用するイオン交換樹脂はポリオキシアルキレンモノアミンを交換吸着する陽イオン交換樹脂を用いる。陽イオン交換樹脂としては強酸性陽イオン交換樹脂が好ましく、またイオン交換樹脂の形態はポーラス型のものが好ましい。
【0033】
イオン交換樹脂による処理方法は、陽イオン交換樹脂の充填層に工程(D)の処理液を通液することにより、目的物であるポリオキシアルキレンモノアミンを交換吸着させる。母液中の式(2)の化合物はイオン化していないため交換吸着されないで流出するが、一部樹脂側に付着するので、交換吸着後イオン交換水を通水して付着した式(2)の化合物を流出させる。その後脱離剤を通液して式(1)のポリオキシアルキレンモノアミンを脱離させ、これを目的物として回収する。
【0034】
脱離剤としては塩基が好ましく、この場合イオン交換樹脂から式(1)の化合物を式(1)の化合物より強い塩基を用いて脱離させるので、アンモニア水や水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を使用することができる。後の濃縮行程を考慮するとアンモニア水を用いることがより好ましい。
アルカリの濃度は特に限定されないが、アルカリの濃度は1〜50重量%で、好ましくは1〜30重量%である。アルカリの中ではアンモニア水が後の濃縮行程の点から好ましいが、その濃度は1〜29重量%であり、1重量%より少ないと溶出量が多くなり、濃縮工程が煩雑になるので好ましくなく、29重量%より多いと入手困難であり、また、加圧下などの取り扱いとなるので好ましくない。より好ましくは1〜10重量%である。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水溶液を使用した場合は、必要により透析などでアルカリを取り除くのが好ましい。
【0035】
上記の各工程により処理した処理液はそのまま目的物のポリオキシアルキレンモノアミンとして用いることができるが、さらに他の精製工程を経てもよく、また低温で減圧条件下あるいは凍結乾燥により濃縮して目的物とすることもできる。
【0036】
本発明で用いるポリオキシアルキレンモノアミンの純度は下記式(b)を用いてアミン価から算出される純度、および高速液体クロマトグラフィーを用いて下記式(c)より算出される純度がある。
純度(%)=(全アミン価)×(ポリオキシアルキレンモノアミンの分子量)/56100×100 …(b)
純度(%)=(ポリオキシアルキレンモノアミンのピーク面積)/(検出される溶剤以外のピーク面積)×100 …(c)
【0037】
アミン価より求めた純度は反応物中に不純物にポリアクリロニトリルから副生したポリアミン、あるいは反応に用いられるアクリロニトリルから副生した低分子アミンが含まれると、純度が100%を越え高くなる。また、高速液体クロマトグラフィーより純度を求めると、未反応のポリオキシアルキレンエーテルが含まれると純度は低くなる。
【0038】
本発明により製造されるポリオキシアルキレンモノアミンは高純度であるため、生理活性を有する蛋白質の化学修飾や、リポソームなどのドラッグデリバリーシステムなどに使用可能であるが、他の用途例えば繊維柔軟剤などにも使用可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、水酸基を持つ式(2)の化合物をシアノエチル化するに際し、多量の水の存在下、大過剰のアクリロニトリルを低温で反応させることにより、水酸基の封鎖率を高くし、これにより未反応の式(2)の化合物の量を少なくし、未反応の式(2)の化合物を除去するためのイオン交換樹脂による精製工程を行わなくても高純度のポリオキシアルキレンモノアミンを製造することが可能となる。この場合過剰のアクリロニトリルを用いることにより副生するポリアミンは温和な反応条件により低分子量となるため吸着剤による吸着処理が可能になる。このため特殊な原料、反応装置および触媒を使用せずに簡便に、高純度のポリオキシアルキレンモノアミンを得ることができる。
【0040】
工程(A)における触媒として、アルカリ触媒を特定濃度で用いることにより、効率よく反応を行って、不純物を生成することなく目的とする封鎖率を得ることができる。
また工程(B)の後に抽出および脱溶媒工程を行うことにより、未反応のアクロニトリルや水からシアノエチル化物を分離して水素還元を行うことができ、より純度の高い製品を得ることが可能になる。
【0041】
さらに抽出および脱溶媒工程の後に晶析工程を設けることにより、より高純度のシアノエチル化物を水素還元できるようになり、さらに高純度の製品を得ることができる。
また工程(D)の後にイオン交換樹脂による処理を行うことにより、封鎖率の低い場合でもさらに高純度の製品を得ることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明を実施例および比較例によりさらに詳しく説明する。各例中、%は特に言及しない限り重量%である。
またアミン価の測定は次の方法に準じて行った。
<全アミン価の測定>
全アミン価はN/10過塩素酸−氷酢酸滴定液、クリステルバイオレット試示薬、氷酢酸溶剤を用いて電位差滴定により試料1gを中和するのに要する過塩素酸の量を水酸化カリウムのmg数に換算したものである。
<3級アミン価の測定>
3級アミン価はN/10過塩素酸−氷酢酸滴定液、クリステルバイオレット試示薬、氷酢酸と無水酢酸の混合溶剤を用いて電位差滴定により試料1gを中和するのに要する過塩素酸の量を水酸化カリウムのmg数に換算したものである。
<2級アミン価と3級アミン価の合計量の測定>
試料にサルチル酸アルデヒドを加えて1級アミンと反応させ、N/10塩酸エタノール滴定液、ブロムクレゾールグリーン試示薬を用いて電位差滴定により試料1gを中和するのに要する塩酸の量を水酸化カリウムのmg数に換算したものである。
<2級アミン価の測定>
2級アミン価は2級アミン価と3級アミン価の合計量の測定値より3級アミン価の測定値を差し引いたものである。
<1級アミン価の測定>
1級アミン価は全アミン価の測定値より2級アミン価と3級アミン価の合計量の測定値を差し引いたものである。
アミン価が理論値より高いことは、ポリアミンの副生を示唆するものである。
【0043】
実施例1
還流装置、窒素ガス吹き込み管、温度計、かき混ぜ装置および滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、下記表1の仕込み組成の原料を入れ、窒素ガス気流下でかき混ぜながら3±2℃に保持した。
【表1】
【0044】
ついで、アクリロニトリル445g(8.4モル、70当量倍/対原料の水酸基)を滴下ロートに入れ、3±2℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後同温度で2時間熟成したのち、85%燐酸を用いてpHを7.2に調整した。次にイオン交換水2800gおよび塩化ナトリウム500g(系全体の水分に対して13.4%)を加え均一になるまで攪拌した。続いてジクロロメタン1000gおよび500gを用いて2回抽出を行った。抽出液は2回分を合わせてロータリーエバポレーターを用いて200mmHg以下の減圧下、50±2℃で脱溶剤を行いシアノエチル化メトキシポリエチレングリコール562gを得た。得られたシアノエチル化メトキシポリエチレングリコールの水酸基価は1.1であり、水酸基の封鎖率は90.2%であった。
【0045】
次に、得られたシアノエチル化メトキシポリエチレングリコール200gとトルエン400gおよびラネ−ニッケル触媒であるNi−5136P(ENGELHARD DE MEERN B.V.製品、商標)18gを水素による還元用オートクレーブに入れ、かき混ぜながら60℃に保持し、アンモニアガスにより7Kg/cm2まで加圧した。ついで130±10℃に温度をコントロールして、水素ガスを徐々に圧入し、35±5Kg/cm2に圧力を保持しながら水素による還元反応を行った。水素による還元反応進行に伴う圧力の減少が認められなくなってからさらに2時間熟成したのち、70℃まで反応装置を冷却し、その後ブローして反応装置を大気圧に戻し、窒素ガスを吹き込むことによりアンモニアガスを除去した。
【0046】
つづいて濾過により残存触媒を除去した後、120±5℃、5〜30mmHgの条件下脱溶剤を行い、粗メトキシポリエチレングリコールモノアミン186gを得た。
得られた粗メトキシポリエチレングリコールモノアミンの全アミン価は15.8であり、1級アミン価は15.8、2級アミン価および3級アミン価は0であり、アミンから計算した粗メトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は141.1%であった。
粗メトキシポリエチレングリコールモノアミンの1H−NMR測定結果を図1に示す。
図1中の2.7〜2.85ppmにポリアミン由来のピークが認められる。
【0047】
続いて粗メトキシポリエチレングリコールモノアミン100gをトルエン500gに完全に溶解させ80℃に昇温したのち、二酸化珪素を含むアルカリ吸着剤であるキョーワード700(協和化学(株)製、商品名)30g(対原料30重量%)を入れ窒素気流下、同温度で2時間攪拌した。攪拌終了後、減圧濾過により吸着剤を濾別したのち、濾液をロータリーエバポレーターにとり80℃で脱溶剤を行い82gのメトキシポリエチレングリコールモノアミンを得た。
【0048】
得られたメトキシポリエチレングリコールモノアミンの全アミン価は10.0、1級アミン価は10.0、2級アミン価および3級アミン価はそれぞれ0.0であった。
アミン価から計算したメトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は89.3%であった。得られたメトキシポリエチレングリコールモノアミンの1H−NMRを図2に示す。
図1中に認められた2.7〜2.85ppmのピークが消失していることがわかる。
メトキシポリエチレングリコールモノアミンの高速液体クロマトグラムを図3に示す。なお高速液体クロマトグラムの条件は次のとおりである。
【0049】
【表2】
【0050】
高速液体クロマトグラムによるメトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は88.6%であり、アミン価から算出した純度と非常によく相関していることがわかる。
また、目的のメトキシポリエチレングリコールモノアミンのメトキシポリエチレングリコールを基準とする(以下同)収率は71.4モル%であった。
【0051】
実施例2
実施例1で合成したシアノエチル化メトキシポリエチレングリコール100gをビーカーに取り、クロロホルム200gを加えて完全に溶解するまで攪拌し、濾過により中和塩を除いたのち滴下ロートに全量を移した。別に用意したビーカーにヘキサン1500gと酢酸エチル1500gをとり、攪拌しながら0℃に冷却し、滴下ロートの全量を30分かけて滴下した。全量滴下後同温度で3時間さらに攪拌を続けた。析出してきた結晶を濾別したのち、50mmHg以下の減圧下窒素ガスを流しながら減圧デシケーターで室温で16時間乾燥させ、84gの精製シアノエチル化メトキシポリエチレングリコールを得た。全量を実施例1と同様の方法で水素還元したのち、得られた粗メトキシポリエチレングリコールモノアミン73gについて14.6gのトミックスAD#700(富田化学(株)製)吸着剤(対原料20重量%)を用いて80℃、1時間減圧下で吸着処理を行い、吸着剤を濾別後減圧下で脱溶剤を行い、68gのメトキシポリエチレングリコールモノアミンを得た。
【0052】
得られたメトキシポリエチレングリコールモノアミンの全アミン価は10.5であり、1級アミン価は10.5、2級アミン価および3級アミン価は0であった。
アミン価から計算したメトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は93.6%であった。
得られたメトキシポリエチレングリコールモノアミンの高速液体クロマトグラムを図4に示す。
高速液体クロマトグラムから得られたメトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は94.3%であった。
また、目的のメトキシポリエチレングリコールモノアミンの収率は62.9モル%であった。
【0053】
実施例3
還流装置、窒素ガス吹き込み管、温度計、かき混ぜ装置および滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、下記表3の仕込み組成の原料を入れ、窒素ガス気流下でかき混ぜながら3±2℃に保持した。
【表3】
【0054】
ついで、アクリロニトリル477g(9モル、180当量倍/対原料の水酸基)を滴下ロートに入れ、3±2℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後同温度で2時間熟成したのち、85%燐酸を用いてpHを7.2に調整した。次にイオン交換水2000gおよび塩化ナトリウム578g(系全体の水分に対して17.8%)を加え均一になるまで攪拌した。続いてジクロロメタン1500gおよび1000gを用いて2回抽出を行った。抽出液は2回分を合わせてロータリーエバポレーターを用いて200mmHg以下の減圧下、50±2℃で脱溶剤を行いシアノエチル化メトキシポリエチレングリコール528gを得た。得られたシアノエチル化メトキシポリエチレングリコールの水酸基価は0.31であり、水酸基の封鎖率は93.3%であった。続いて、得られたポリオキシアルキレンシアノエチル化物のうち150gをビーカーに取り、クロロホルム300gを加えて完全に溶解するまで攪拌し、濾過により中和塩を除いたのち滴下ロートに全量を移した。別に用意したビーカーにヘキサン2000gと酢酸エチル2000gをとり、攪拌しながら0℃に冷却し、滴下ロートの全量を30分かけて滴下した。全量滴下後同温度で3時間さらに攪拌を続けた。析出してきた結晶を濾別したのち、50mmHg以下の減圧下窒素ガスを流しながら減圧デシケーターで室温で16時間乾燥させ、シアノエチル化メトキシポリエチレングリコール117gを得た。
【0055】
次に、得られたシアノエチル化メトキシポリエチレングリコール100gとトルエン400gおよびラネ−ニッケル触媒であるNi−5136P(ENGELHARD DE MEERN B.V.製品、商標)15gを用いて実施例1と同様の方法で水素還元を行い、粗メトキシポリエチレングリコールモノアミン91gを得た。続いて粗メトキシポリエチレングリコールモノアミンの全量をトルエン300gに完全に溶解させ80℃に昇温したのち、二酸化珪素を含むアルカリ吸着剤であるキョーワード700(協和化学(株)製、商品名)20g(対原料22重量%)を入れ窒素気流下、同温度で2時間攪拌した。攪拌終了後、減圧濾過により吸着剤を濾別したのち、濾液をロータリーエバポレーターにとり80℃で脱溶剤を行い、79gのメトキシポリエチレングリコールモノアミンを得た。
【0056】
得られたメトキシポリエチレングリコールモノアミンの全アミン価は4.4、1級アミン価は4.4、2級アミン価および3級アミン価はそれぞれ0.0であった。
アミン価から計算したメトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は95.2%であった。
メトキシポリエチレングリコールモノアミンの高速液体クロマトグラムを図5に示す。
高速液体クロマトグラムによるメトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は95.6%であった。
また、目的のメトキシポリエチレングリコールモノアミンの収率は58.2モル%であった。
【0057】
実施例4
還流装置、窒素ガス吹き込み管、温度計、かき混ぜ装置および滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、下記表4の仕込み組成の原料を入れ、窒素ガス気流下でかき混ぜながら3±2℃に保持した。
【表4】
【0058】
ついで、アクリロニトリル795g(15モル、50当量倍/対原料の水酸基)を滴下ロートに入れ、3±2℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後同温度で2時間熟成したのち、85%燐酸を用いてpHを7.2に調整した。次にイオン交換水1000gおよび塩化ナトリウム193g(系全体の水分に対して11.8%)を加え均一になるまで攪拌した。続いてジクロロメタン1000gおよび500gを用いて2回抽出を行った。抽出液は2回分を合わせてロータリーエバポレーターを用いて200mmHg以下の減圧下、50±2℃で脱溶剤を行いシアノエチル化メトキシポリエチレングリコール581gを得た。得られたシアノエチル化メトキシポリエチレングリコールの水酸基価は2.6であり、水酸基の封鎖率は90.6%であった。
【0059】
次に、得られたシアノエチル化メトキシポリエチレングリコール100gとトルエン400gおよびラネ−ニッケル触媒であるNi−5136P(ENGELHARD DE MEERN B.V.製品、商標)15gを用いて実施例1と同様の方法で水素還元を行い、粗メトキシポリエチレングリコールモノアミン90gを得た。続いて粗メトキシポリエチレングリコールモノアミンの全量をトルエン300gに完全に溶解させ80℃に昇温したのち、二酸化珪素を含むアルカリ吸着剤であるキョーワード700(協和化学(株)製、商品名)30g(対原料33重量%)を入れ窒素気流下、同温度で2時間攪拌した。攪拌終了後、減圧濾過により吸着剤を濾別したのち、濾液をロータリーエバポレーターにとり80℃で脱溶剤を行い、83gのメトキシポリエチレングリコールモノアミンを得た。
【0060】
得られたメトキシポリエチレングリコールモノメチルエーテルの全アミン価は25.1、1級アミン価は25.1、2級アミン価および3級アミン価はそれぞれ0.0であった。
アミン価から計算したメトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は90.0%であった。
メトキシポリエチレングリコールモノアミンの高速液体クロマトグラムを図6に示す。
高速液体クロマトグラムによるメトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は89.0%であった。
また、目的のメトキシポリエチレングリコールモノアミンの収率は79.3モル%であった。
【0061】
実施例5
実施例3で合成したメトキシポリエチレングリコールモノアミン10gをイオン交換水90gに溶解させ、定法により再生したポーラス型強酸性陽イオン交換樹脂DIAION PK216(三菱化学(株)製品、商標)100gを充填したカラムにイオン交換水を移動相として毎分0.8mlの流速で流した。カラムの液面が充填樹脂の境界面と同じレベルに達した時点でイオン交換水1リットルを毎分3.3mlの流速で流した。ついで5%アンモニア水0.5リットルを毎分0.8mlの流速で流し、流出液550mlを捕集した。続いて捕集した流出液を凍結乾燥することにより、8gのメトキシポリエチレングリコールモノアミンを得た。
【0062】
得られたメトキシポリエチレンモノアミンの全アミン価は4.6であり、1級アミン価は4.6、2級アミン価および3級アミン価はそれぞれ0であった。
アミン価から計算したメトキシポリエチレンモノアミンの純度は98.4%であった。
メトキシポリエチレングリコールモノアミンの高速液体クロマトグラムを図7に示す。
高速液体クロマトグラムによるメトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は99.3%であった。
また、目的のメトキシポリエチレングリコールモノアミンの収率は46.6モル%であった。
【0063】
比較例1
特開平8−165343号公報の方法に基づいてシアノエチル化メトキシポリエチレングリコールを作成し、実施例1と同様の方法で精製を行った。
まず下記表5の仕込み組成で化合物を還流装置、窒素ガス吹き込み管、温度計、かき混ぜ装置、滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに入れ、窒素ガス気流下、かき混ぜながら3±2℃に保持した。
【表5】
【0064】
ついで、アクリロニトリル45g(0.85モル、4.25当量倍/対原料の水酸基)とアセトニトリル180gとをあらかじめ混合したものを滴下ロートに入れ、30±5℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後同温度で2時間熟成したのち、アルカリ吸着剤であるキョーワード700(協和化学(株)製品、商品名)を30g入れ、30分間同温度でかき混ぜた後、加圧濾過して触媒を除去した。ついでロータリーエバポレーターを用いて5〜30mmHg以下の減圧下、120±5℃で脱溶剤を行いシアノエチル化メトキシポリエチレングリコール945gを得た。得られたシアノエチル化メトキシポリエチレングリコールの水酸基価は4.0であり、水酸基の封鎖率は64.3%であった。
【0065】
次に、得られたシアノエチル化メトキシポリエチレングリコール200gとトルエン400gおよびラネ−ニッケル触媒であるNi−5136P(ENGELHARD DE MEERN B.V.製品、商標)18gを水素による還元用オートクレーブに入れ、かき混ぜながら60℃に保持しアンモニアガスにより7Kg/cm2まで加圧した。ついで130±10℃に温度をコントロールして、水素ガスを徐々に圧入し、35±5Kg/cm2に圧力を保持しながら水素による還元反応を行った。水素による還元反応進行に伴う圧力の減少が認められなくなってからさらに2時間熟成したのち、70℃まで反応装置を冷却し、その後ブローして反応装置を大気圧に戻し、窒素ガスを吹き込むことによりアンモニアガスを除去した。つづいて濾過により残存触媒を除去した後、120±5℃、5〜30mmHgの条件下脱溶剤を行い、粗メトキシポリエチレングリコールモノアミン184gを得た。
得られた粗メトキシポリエチレングリコールモノアミンの全アミン価は7.1であり、1級アミン価は7.1、2級アミン価および3級アミン価は0であり、アミンから計算した粗メトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は63.4%であった。
【0066】
続いて粗メトキシポリエチレングリコールモノアミン100gをトルエン500gに完全に溶解させ80℃に昇温したのち、二酸化珪素を含むアルカリ吸着剤であるキョーワード700(協和化学(株)製、商品名)30g(対原料30重量%)を入れ窒素気流下、同温度で2時間攪拌した。攪拌終了後、減圧濾過により吸着剤を濾別したのち、濾液をロータリーエバポレーターにとり80℃で脱溶剤を行い82gのメトキシポリエチレングリコールモノアミンを得た。
【0067】
得られたメトキシポリエチレングリコールモノアミンの全アミン価は7.7、1級アミン価は7.7、2級アミン価および3級アミン価はそれぞれ0.0であった。
アミン価から計算したメトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は68.7%であった。
メトキシポリエチレングリコールモノアミンの高速液体クロマトグラムを図8に示す。
この反応方法では反応率が低いため、イオン交換樹脂を用いるカラム精製無しに純度をあげることが出来ないことがわかる。
【0068】
比較例2
比較例1で封鎖率をあげるために、アクリロニトリルの量を実施例1と同様にして反応を行った。
まず下記表6の仕込み組成で化合物を還流装置、窒素ガス吹き込み管、温度計、かき混ぜ装置、滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに原料を入れ、窒素ガス気流下、かき混ぜながら3±2℃に保持した。
【表6】
【0069】
ついで、アクリロニトリル371g(7モル、70当量倍/対原料の水酸基)とアセトニトリル180gをあらかじめ混合したものを滴下ロートに入れ、30±5℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後同温度で2時間熟成したのち、アルカリ吸着剤であるキョーワード700(協和化学(株)製品、商品名)を30g入れ、30分間同温度でかき混ぜた後、加圧濾過して触媒を除去した。ついでロータリーエバポレーターを用いて5〜30mmHg以下の減圧下、120±5℃で脱溶剤を行いシアノエチル化メトキシポリエチレングリコール483gを得た。得られたシアノエチル化メトキシポリエチレングリコールの水酸基価は9.0であり、水酸基の封鎖率は80.3%であった。
【0070】
次に得られたシアノエチル化メトキシポリエチレングリコール200gとトルエン400gおよびラネ−ニッケル触媒であるNi−5136P(ENGELHARD DE MEERN B.V.製品、商標)18gを水素による還元用オートクレーブに入れ、かき混ぜながら60℃に保持しアンモニアガスにより7Kg/cm2まで加圧した。ついで130±10℃に温度をコントロールして、水素ガスを徐々に圧入し、35±5Kg/cm2に圧力を保持しながら水素による還元反応を行った。水素による還元反応進行に伴う圧力の減少が認められなくなってからさらに2時間熟成したのち、70℃まで反応装置を冷却し、その後ブローして反応装置を大気圧に戻し、窒素ガスを吹き込むことによりアンモニアガスを除去した。つづいて濾過により残存触媒を除去した後、120±5℃、5〜30mmHgの条件下脱溶剤を行い、粗メトキシポリエチレングリコールモノアミン178gを得た。
得られた粗メトキシポリエチレングリコールモノアミンの全アミン価は29.3であり、1級アミン価は24.2、2級アミン価は2.0および3級アミン価は3.1であり、アミンから計算した粗メトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は261.6%であった。
【0071】
続いて粗メトキシポリエチレングリコールモノアミン100gをトルエン500gに完全に溶解させ80℃に昇温したのち、二酸化珪素を含むアルカリ吸着剤であるキョーワード700(協和化学(株)製、商標)30g(対原料30%)を入れ窒素気流下、同温度で2時間攪拌した。攪拌終了後、減圧濾過により吸着剤を濾別したのち、濾液をロータリーエバポレーターにとり80℃で脱溶剤を行い、82gのメトキシポリエチレングリコールモノアミンを得た。
【0072】
得られたメトキシポリエチレングリコールモノアミンの全アミン価は26.3、1級アミン価は23.8、2級アミン価は0.7および3級アミン価は1.8であった。
アミン価から計算したメトキシポリエチレングリコールモノアミンの純度は212.5%であった。
吸着剤により除去されたポリアミン類の残存量が多いことがわかる。
【0073】
各実施例および比較例の純度(アミン価、高速液体クロマトグラム)および収率を表7に示す。
【表7】
備考:
純度(1)はアミン価より求めた純度
純度(2)は高速液体クロマトグラムの面積比より求めた純度
収率は各工程の収率より算出した
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の粗メトキシポリエチレングリコールモノアミンの1H−NMRチャートである。
【図2】実施例1の精製メトキシポリエチレングリコールモノアミンの1H−NMRチャートである。
【図3】実施例1のメトキシポリエチレングリコールモノアミンの高速液体クロマトグラムである。
【図4】実施例2のメトキシポリエチレングリコールモノアミンの高速液体クロマトグラムである。
【図5】実施例3のメトキシポリエチレングリコールモノアミンの高速液体クロマトグラムである。
【図6】実施例4のメトキシポリエチレングリコールモノアミンの高速液体クロマトグラムである。
【図7】実施例5のメトキシポリエチレングリコールモノアミンの高速液体クロマトグラムである。
【図8】比較例1のメトキシポリエチレングリコールモノアミンの高速液体クロマトグラムである。
Claims (5)
- 下式(1)
R1O(C2H4O)m(AO)nC3H6NH2…(1)
(式中、R1は炭素数1〜24の炭化水素基またはアシル基、AOは炭素数3または4のオキシアルキレン基、mおよびnはそれぞれオキシエチレン基またはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、m=20〜1000、n=0〜1000かつm+n=20〜1020、{n/(m+n)}≦0.5であり、n≧1のときはオキシエチレン基とオキシアルキレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。)
で示されるポリオキシアルキレンモノアミンを製造する方法であって、
(A):原料として式(2)
R1O(C2H4O)m(AO)nH …(2)
(式中、R1、AO、m、nは前記と同じものを示す。)
で示されるポリオキシアルキレン化合物を、その水酸基に対し20〜500当量倍のアクリロニトリルと、0〜20℃で、アルカリ触媒の存在下、および式(2)の化合物の50〜500重量%の水の存在下に反応させてシアノエチル化する工程、
(B):反応系をpH4〜9に調整する工程、
(C):得られたシアノエチル化物を水素還元用触媒の存在下、アンモニアおよび水素雰囲気下で、100〜160℃で水素還元する工程、および
(D):得られた水素還元物を吸着剤で処理する工程
を含むポリオキシアルキレンモノアミンの製造方法。 - 工程(A)において、触媒として水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムから選ばれるアルカリ触媒を式(2)の化合物水溶液に対して0.1〜5重量%の濃度となるように添加し、式(2)の化合物の水酸基の封鎖率が80〜100%になるようにアクリロニトリルを反応させる請求項1記載の方法。
- 工程(B)の後に、
(E):塩類および有機溶媒を加えてシアノエチル化物を抽出する工程、ならびに
(F):抽出物から有機溶媒を除去する工程を含む請求項1または2記載の方法。 - 工程(F)の後に、
(G)式(2)の化合物の200〜2000重量%のトルエン、キシレンおよび酢酸エチルから選ばれる溶媒ならびに200〜2000重量%の炭素数6以上の飽和炭化水素を用いて晶析する工程を含む請求項3記載の方法。 - 工程(D)の後に、
(H)イオン交換樹脂を用いて処理する工程を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
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1998
- 1998-03-18 JP JP06911998A patent/JP3991426B2/ja not_active Expired - Lifetime
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