JP3991097B2 - 移動体経路制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場内外での点検・保守・搬送などの作業を行うための走行車あるいは産業用ロボットのハンド等が予定の経路から外れたときに位置誘導を行って予定経路に復帰させる移動体経路制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、産業用ロボットがプレイバック中に非常停止したときに早急に原点に復帰して再作動させる方法(例えば特開昭61−60102号公報)や、所定の動作開始点まで復帰する方法(例えば特開昭61−23210号公報)、あるいは非常事態が起こり手動でロボットを操作して教示経路から外した後で元の位置に復帰させる方法(例えば特開昭57−168306号公報)などが知られている。
【0003】
これらはロボットや自律走行車が停止した後の作業再開を効率的に行う方法ではあるが、いずれもプレイバックを中断して停止した位置あるいは作業開始位置に戻す方法であって、プレイバックを継続しながら教示経路にスムーズに復帰する方法ではない。
したがって、たとえば教示経路中に生じた障害物を回避するためロボットが自律的にあるいはオペレータの操作により回避行為として教示経路を外した場合などにも、わざわざ元の位置まで戻って再起動する必要があった。
【0004】
なお、特開平8−241123号公報には、巡回ロボットなどが異常処理のために巡回経路を離脱し処理を終了した後に元の巡回経路に復帰する方法として、遠隔操作により走行してきた地点を逆に辿る方法のほかに現在位置から巡回経路上の最も近い地点まで直線的に戻る方法が開示されている。この場合、巡回ロボットなどが走行する経路は現地点から走行経路への垂直線分になり急激な方向転換と速度変化を生じるため滑らかな復帰動作にはならない。
【0005】
また、障害物回避のために経路をはずれたときに、次の目標位置に向かう方向の目標速度指令ベクトルを演算して目標位置に直線的に近付くようにする方法が知られている。しかしこの方法では平方根演算を含むため演算に時間がかかり、制御性が良くない。
【0006】
特公平7−58442号公報には、この欠点を解消するため、前の目標点と次の目標点を結ぶ直線に対して平行な向きに一定の速さを有し、かつ現在の位置からその直線に立てた垂線の向きに垂線の長さに比例する速さを有するようなベクトル速度を用いて経路復帰させるようにしたものが開示されている。この方法によれば、平行速度成分が一定であり複雑な平方根演算を要しないので演算時間を短縮して十分リアルタイムにロボット軌道制御することができる。
しかし、この方法では現時点における速度にかかわりなく区間毎に決められた一定速度で運動するので、障害物回避を行った後の移動体の速度に影響を受けて滑らかな復帰運動状態を得ることができない。さらに、復帰開始点で大きな加速度を受ける場合には、安全装置により緊急停止をする事態が発生する可能性がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、産業用ロボットや自律走行車などが自動運転中に自律的にあるいは遠隔操作により教示経路から外れた場合に、これら移動体を停止させることなくそのまま自動運転を継続しながら教示経路にスムーズに復帰する移動体経路制御装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の移動体経路制御装置は、移動体の現在位置を測定もしくは算出して求める位置認識装置と、移動体の予定経路を各点における移動方向と速度と共に記憶する記憶装置と、演算装置と駆動制御装置とを備え、演算装置が現在位置から垂線を下ろして決まる最短距離にある予定経路上の対応点における移動方向と速度を基準としてこの基準値に徐々に近づくような移動体移動方向と速度を設定し、駆動制御装置がこの設定方向と速度に基づいて移動体を予定経路に復帰させるように移動制御することを特徴とする。
【0009】
移動体の現在位置から予定した経路の情報を参照し、現在速度に基づいて予定経路上で計画された速度に徐々に近付けるように移動体の運動を制御するので、移動体は激しく速度や方向を変化させることなく徐々に予定経路に近づき極めてスムーズに予定経路とその時点における予定速度状態に復帰することができる。
なお、設定移動方向と速度は、予定経路上の移動方向と平行な成分と垂直な成分に分解して、それぞれの差が徐々に縮小するように設定することが好ましい。
【0010】
さらに、移動体の復帰を始める時点における移動体位置と予定経路上の復帰目標点を結ぶ緩和曲線を設定し、移動体の現在位置から緩和曲線に垂線を下ろしてその垂線の長さが徐々に減少するように働く速度成分を算出して、予定経路上の対応点における値を基準として算出された移動体移動方向と速さを修正するようにしてもよい。
このように、復帰目標点までの経路に拘束される成分を加えることにより、移動体を予定経路上の目標点で予定経路に復帰するようにすることができる。
【0011】
設定移動速度の予定経路上の対応点における移動方向に垂直な成分、あるいは目標点までを結ぶ緩和曲線に立てた垂線の長さを減少させる速度成分は、移動体の現在位置と予定経路上の対応点との距離または垂線の長さをD、時間をt、またcとkを係数として、運動方程式
2D/dt2+cdD/dt+kD=0
の解として求めるようにすることができる。
これにより、移動体と予定経路の間にダンパー付きバネを仮想的に介装したと同様の効果をもたらし、予定経路への復帰を単純な演算で実現することができ、かつその運動形態を容易に予測することができる。
【0012】
さらにまた、上記運動方程式の解を、ζ=c/2k1/2≧1 なる条件の下で求めることがより好ましい。運動方程式の係数をこのような値にすることにより、ロボットの軌跡が予定経路を行き過ぎて振動的になるようなことがなく、しかもその値により予定経路に復帰する様子を予想することができるようになる。
なお、演算は所定の間隔ごとに行うようにすることができる。
本発明の移動体経路制御装置は、自律走行車を走行経路に復帰させるために使用したり、ロボットハンドを教示経路に復帰させるために使用するときに、大きな効果がある。
【0013】
本発明の移動体経路制御装置により、ロボットや走行車を停止させることなく自動で教示経路に復帰させることが可能である。復帰経路は非常に滑らかであり、ロボットや移動体が急に動き出したり激しい姿勢変化をしたりしないため周囲の人に対して安全で装置にかける負担も少ない。また、ビジュアルサーボを用いて誘導する場合にも視界が急激に変化しないためランドマークを見失うことが無く、デッドレコニングによる場合にも自己位置推定累積誤差が小さいためより正確な誘導が可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の詳細を実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の移動体経路制御装置の1実施例を表すブロック図、図2は本実施例における演算手順を示すブロック図、図3と図4は演算のアルゴリズムを説明する図表、図5と図6は演算に使用する係数の例を示す図表、図7は移動体の収束状況を示す図表である。図8は本発明をビジュアルサーボに適用した場合を説明する図表である。
【0015】
【実施例1】
移動体経路制御装置は、図1に示すように、移動体の現在位置を求める位置認識装置1と、移動体の予定経路を各点における移動方向と速度と共に記憶する経路記憶装置2と、演算装置3と駆動制御装置4とを備える。
移動体の予定経路および移動速度は、ロボットハンドの場合はオペレータがハンドを手に持ってガイドすることにより経路教示部5から教示することができる。また、NC装置から機械的にあるいはオペレータコンソールから手動で通過点とそこにおける作業内容を教示するようにもできる。なお、初めから記憶装置に収納しておいても良い。
【0016】
記憶装置2は、教示された移動体の経路と経路上の点における移動体の速度に関する情報を記憶する。経路の情報は2次元的にあるいは3次元的に展開して示すことができる。
移動体は予め決められた自律移動経路Lをたどって自律的に移動しているが、移動体に搭載された物体識別装置が移動経路中に障害物Bを検出すると、自動的にあるいは監視室のオペレータによる遠隔操作で移動体を予定経路から逸脱させてこの障害物を回避する。
回避行動Ldが終了した時の移動体の位置Pは、移動体に付設した位置センサで測定して求めることができ、また駆動装置により移動させた量から算出することもできる。
【0017】
演算装置3は、回避行動を終えた時に位置認識装置1から伝達される移動体の位置情報と経路記憶装置2から与えられる移動体予定経路の情報を用いて、移動体の現在位置座標Pから予定経路の軌跡Lに垂線を下ろして予定経路上の対応点Prを求める。こうして求めた垂線の足は予定経路中で移動体の現在位置に最も近い点であり、垂線の長さDは予定経路までの最短距離である。
【0018】
この対応点Prにおける予定された移動方向と速度Vprを基準として、この基準値に徐々に近づくような移動体移動方向と速度Vmを算出して、駆動制御装置4にこれらの値を設定値として伝送する。なお、通常、対応点における移動方向は予定経路の接線方向と同じである。
駆動制御装置4は、この設定方向と速度に基づいて移動体を駆動制御して予定経路に復帰させる。
【0019】
図2は演算装置3が実行する演算手順例を説明するフロー図、図3および図4は演算原理を説明するための図表である。
障害物回避行動が完了した時点で、移動体は継続して予定の教示経路に復帰するための行動を開始する。
予定経路への復帰は滑らかであることが好ましく、移動体が予定経路上の点Rに復帰する間急激な速度変化を生ぜずかつ迅速に予定経路に近づき、しかも予定経路上に戻ったときに予定経路上の点における運動と移動体の運動の相対速度RVがゼロになるようにしたい。
演算装置3は、移動体が逸脱位置から円滑に元の予定経路上の点Rに復帰し、かつその点Rにおいて期待される速度を持つようにするために、復帰工程中の最適な速度Vmを算出する。
【0020】
演算装置3は、まず、移動体の現在位置座標Pから予定経路の軌跡に垂線を下ろしこの垂線の足Prを求める(S1)。次に、この点Prにおいて期待される移動体の速度Vprを求めて、移動体の現状における速度Vpと比較する。こうして予定経路上の対応点における期待速度に対する移動体Pの相対速度RVを求める(S2)。
相対速度RVはベクトル速度であって、予定経路上の点Prにおける接線方向の速度成分と移動体の同じ方向の速度成分との差RVtとこれに垂直な方向における速度成分RVnに分解することができる(S3)。なお、予定経路中の期待速度の垂直成分はゼロであるから、移動体の速度成分RVnは移動体Pと予定経路上の垂線の足Prまでの距離Dの時間微分値に当たることになる。
【0021】
まず接線方向速度差RVtは現状における値を徐々に減少させていって復帰時点ではゼロにする。このため、復帰工程開始時点から徐々に減少するような関数で表される係数αを現在の速度差RVtに掛けて次の期間の接線方向速度差RVtoを算出するようにする(S4)。このような係数αとして例えば図5に示したような1以下の値を有する単純減少関数を用いれば、予定経路上に戻るまでの速度変化も円滑に最終的な期待速度に復帰することができる。なお、この関数を適当に選択することにより復帰するまでの時間や速度変化状態を調整することができる。
【0022】
また、接線に垂直な方向の速度差RVnも現状における値を徐々に減少させていって復帰時点ではゼロになるように算定する(S5)。本実施例の移動体経路制御装置では、概念的には図6に示すように、予定経路上の垂線の足Prを平衡位置とし移動体Pまでの長さDだけ変位させた仮想的なバネ・ダンパ系を想定し下のような運動方程式(1)を立てて、これに基づいてパラメータを適当に選択することにより予定経路に復帰させるようにした。
2D/dt2+cdD/dt+kD=0 (1)
ここで、時間をt、またダンパ係数をc、バネ定数をkとする。また次の期間の垂線方向速度差RVnoはこの解を用いてdD/dtとして求まる。なお、dD/dtの初期値をP点における移動体の速度成分RVnとする。
【0023】
この運動方程式は、また共振周波数ωnと減衰係数ζを用いた下の式(2)に整理できる。
2D/dt2+2ζωndD/dt+ωn2D=0 (2)
このような運動方程式は工学的によく解析されており、解を求めることが容易でかつ系の挙動が正確に予想できる。
【0024】
すなわち、バネ定数kとダンパ係数cの関数として減衰係数ζ=c/2k1/2が求まり、減衰係数ζが与えられれば予定経路上の点に当たる平衡位置に対する移動体の運動状況が予測できる。
減衰係数ζが小さければ運動は振動的になるが、減衰係数が1以上であれば非振動的となり予定経路を行き過ぎることなく円滑に近づくようになる。このときc2−4k≧1 となる。
【0025】
図7は移動体の垂線方向初期速度差RVniの正負に従って距離Dの経時変化の様相が異なることを示すグラフである。初期速度差RVniが予定経路から離れる方向に向いている場合でも、距離Dは徐々に小さくなって、やがて移動体は予定経路上に復帰する。
なお、減衰係数が大きいほど速度変化は小さいが平衡位置に収束する時間が長くなるので、適当な減衰係数を選択する。
【0026】
このようにして決定する接線方向速度差RVtと垂直方向速度差RVnを現状における対応点速度Vprに加算してその後の移動体のベクトル速度Vmを算出し、移動体の動きを制御する駆動制御装置4に設定値として伝送する(S6)。
駆動制御装置4は上記設定速度Vmに従って移動体の速度を制御し(S7)、次第に予定経路に近付けるようにする。
移動体が教示経路に復帰するまで(S8)、これらの工程を繰り返す。
【0027】
なお、これら各装置は電子計算機の部分として構成することもできる。また、各装置における操作を適当な間隔で繰り返し行うようにすることができるが、この場合は演算装置3における演算はその間隔を1倍を含む整数倍した時間後までの状態を規制するものとして、その間の制御条件を一定に保持するようにしても良い。
【0028】
本発明の移動体経路制御装置をビジュアルサーボにより誘導する自律走行車に付設し、自律走行車がコースを逸脱したときに予定の走行経路に復帰させるために使用することができる。
予定の経路LはランドマークMをプロットした地図上に記述されている。
障害物を回避した後の現在位置Pはランドマークの撮像画面を解析することにより求められるので、図8に示したように、その位置Pから地図上の予定経路Lに垂線を下ろす。垂線の長さが走行車から予定経路までの距離Dである。
【0029】
垂線の足Prにおける予定速度Vprに収束するように接線方向の速度差RVtに1以下の係数を掛けて新しい速度RVtoを求め、上記の距離Dが短くなるように減衰係数ζを用いて新しい垂線方向速度差RVnoを求め、これらから設定速度Vmを決め次の目標位置Poまで走行車を駆動する。
【0030】
次のサンプル時点が来ると、自律走行車の新しい位置Poに基づいてさらに次のサンプル時点までの速度条件を決めて走行車を移動させる。こうして走行車はやがて予定経路L上に復帰し、しかも復帰時の速度は予定されたものと同じ値になっている。
サンプル間隔が短いときには、サンプル時点間の走行条件を一定に保持するようにしても滑らかな運動が実現できる。
【0031】
ビジュアルサーボを用いて誘導する場合には幾つかのランドマークMを視野中にとらえ続けなければならないが、本発明により予定経路に復帰する間は視界が急激に変化しないためランドマークを見失うことが無い。
なお、デッドレコニングによる場合にも本発明の移動体経路制御装置を適用すれば、自己位置推定累積誤差が小さいのでより正確な誘導が可能になる。
【0032】
また、本発明の移動体経路制御装置をロボットハンドの教示経路復帰に使用することができる。
ロボットハンドの教示経路は3次元的になることが多いが、本発明の移動体経路制御装置は3次元マップにも適用できるから、ロボットハンドを停止させることなく自動的に教示経路に復帰させることが可能である。復帰途中の経路は非常に滑らかであり、ロボットハンドが急に動き出したり急激な姿勢変化をしたりしないため周囲の人に対して安全で装置にかける負担も少ない。
【0033】
【実施例2】
本実施例の移動体経路制御装置は、移動体の回避行動が終了して元の自律移動経路すなわち教示経路に復帰させるときに、教示経路への復帰行動を開始した地点と教示経路上の復帰目標点を結んだ適当な曲線と移動体の現在位置との関係をも参酌するようにした点のみが第1の実施例の制御装置と異なる。
【0034】
第1の実施例では、ロボット現在位置Pから教示経路へ垂線を下ろし、その垂線垂線の足PTとロボット現在位置Pの間に適当なダンパ係数ctとバネ定数ktを持つバネ系が介在すると仮想して運動方程式を解き、移動体の運動を決定した。
第1実施例の移動体経路制御装置を用いると、教示経路に復帰することはできるが、教示経路上の復帰位置を指定することはできず成り行きに任せるほかない。
【0035】
ただし、運動方程式のパラメータを用いて復帰位置を推定することは可能であるから、指定した目標位置に復帰できるようなダンパ係数cとバネ定数kなどのパラメータを算出してこれを使用することにより、目標地点において教示経路に復帰するようにすることができる。
【0036】
しかし、この方法は、ある時刻におけるロボット位置に対してパラメータc、kを変えながら何度も自動復帰計算を行って、目標点に最も近い点に復帰した時のパラメータを次の時刻における目標位置計算に使用するものであって、最適パラメータを算出するために大量の計算が必要となる。
また、この計算量はロボットの現在位置と復帰目標点の距離が離れるに従って著しく増大していく。
【0037】
本実施例の移動体経路制御装置は、最適パラメータの算出を行う手順を経ることなくより簡単な計算により、目標点に確実に復帰するようにしたものである。
図9に表したように、本実施例は、復帰行動開始時点における初期位置POと教示経路上に定めた復帰目標点PRの間を適当な緩和曲線で結び、この緩和曲線と移動体の現在位置Pとの関係を規制することにより移動体を目標点まで導く。
【0038】
すなわち、ロボット現在位置Pから上記緩和曲線に垂線を下ろし、この垂線の足PLとロボット現在位置Pの間に適当なダンパ係数clとバネ定数klを有する新しいバネ系が介在すると仮想して運動方程式を解き、先に述べた教示経路との間に導入したバネ系に係る運動方程式の解と合成して、移動体の次のステップにおける目標位置を決定する。
すると、移動体は復帰目標点PRにおいて教示経路に復帰するようになる。
【0039】
図では上記緩和曲線として最も単純な直線を選んでいるが、教示経路の状態と対応させて例えば放物線や指数関数曲線などを選択しても良い。
【0040】
本実施例では、2つの仮想バネ系(cl、kl)、(ct、kt)に関する運動方程式を解く。図10は、本実施例における運動方程式の解の関係を説明する図である。
運動方程式を表現する座標系は、仮想バネ系(cl、kl)については点PLを原点とし線分PO−PRに垂直な方向に主軸をとり、仮想バネ系(ct、kt)については点PTを原点とし教示経路に垂直な方向に主軸をとっている。
【0041】
仮想バネ系(ct、kt)については、第1実施例におけると同じで、教示経路に平行なベクトル成分VT−hは教示速度との差が徐々に減少していくように相対速度に減衰係数を掛けたものを使用し、教示経路に垂直なベクトル成分VT−vは前出の式(1)と同じようにして仮想バネ系の運動方程式を立てて解き、これらの結果を合成して速度ベクトル(VT−h+VT−v)を求める。
【0042】
また、仮想バネ系(cl、kl)については現在位置Pと垂線の足PLの間に挿入したバネ系として運動方程式を立てて求めた主軸上の速度VLを、仮想バネ系(ct、kt)の座標系成分、すなわち教示経路に平行な成分VL−hと垂直な成分VL−vとに分解する。
そして、この垂直成分VL−vを先に仮想バネ系(ct、kt)について求めた速度ベクトル(VT−h+VT−v)に加え合わせた(VT−h+VT−v+VL−v)を最終的な復帰運動速度ベクトルとする。
【0043】
なお、ここで上記平行成分VL−hを無視するのは、既に減衰係数に基づいた速度変化が予定されている教示経路に平行な速度成分まで現在位置と点PLとの距離に基づいて変化する修正項を持ち込む必要がなかったからである。
【0044】
図11と図12は、上記アルゴリズムに基づいて教示経路に復帰する様子を表したグラフである。横軸に教示経路上に投影した距離を表し、縦軸に移動体から教示経路までの距離を表示している。
【0045】
図11は、仮想バネ系(cl、kl)のダンパ係数clを5.0、バネ定数klを0.06、仮想バネ系(ct、kt)のダンパ係数ctを7.0、バネ定数ktを0.06、教示速度10cm/sec、初期速度の教示経路に平行な成分を10cm/sec、初期速度の教示経路に垂直な成分を0cm/secとし、復帰目標位置を400cm先に設定して、教示経路から100cm離れた地点から教示経路上に復帰させたときの様子を示す。与えられた目標位置で教示経路に復帰していることが分かる。
【0046】
また、図12は、図11で用いた条件中、初期速度の教示経路に平行な成分を100cm/secに変え、復帰目標位置を300cm先に設定したときの復帰状態を示すものである。
復帰動作の初めの段階では初期速度の影響のため教示経路方向へ近づく程度が緩やかであるが、その後は滑らかに復帰目標点に復帰できていることが分かる。
【0047】
このように、本実施例の移動体経路制御装置は教示経路とロボット現在位置を結ぶ仮想バネ系の拘束に、復帰目標位置に関する仮想バネ系の拘束を加味したもので、複雑な演算を大量に行わなくても、教示経路から離脱した移動体を復帰動作開始時点で決めた目標点で教示経路に復帰させることができるので、実地における運行管理上極めて好ましい。
また、本実施例の移動体経路制御装置をロボットハンドの教示経路復帰に使用することもできる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の移動体経路制御装置により、産業用ロボットや自律走行車などが自動運転中に自律的にあるいは遠隔操作により教示経路から外れたときにも、移動体の運動を中断させずにそのまま自動運転しながらスムーズに教示経路に復帰することができるので、移動体の移動効率が大幅に向上する。
また、教示経路上に決めた復帰目標位置で正しく復帰するようにもすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動体経路制御装置の1実施例を説明するブロック図である。
【図2】本実施例における演算手順を示すフロー図である。
【図3】本実施例におけるアルゴリズムを説明する図面である。
【図4】図3の一部を詳細に示した図面である。
【図5】本実施例における演算に使用する係数の例を示すグラフである。
【図6】本実施例における演算の概念を示す図面である。
【図7】本実施例を用いた移動体が予定経路に接近していく状況を説明するグラフである。
【図8】本実施例をビジュアルサーボで用いた場合について説明する図面である。
【図9】本発明の移動体経路制御装置の第2の実施例を説明する線図である。
【図10】本実施例におけるアルゴリズムを説明する図面である。
【図11】本実施例による作用結果を説明するグラフである。
【図12】本実施例による別の作用結果を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 位置認識装置
2 経路記憶装置
3 演算装置
4 駆動制御装置
5 経路教示部

Claims (8)

  1. 移動体の現在位置を求める位置認識装置と、移動体の予定経路を各点における移動方向と速さと共に記憶する記憶装置と、演算装置と、駆動制御装置とを備え、演算装置が現在位置から最短距離にある予定経路上の対応点における移動方向と速さを求めて移動体の現在の移動方向と速さとの差が単純減少するような値に移動体移動方向と速さを設定し、駆動制御装置がこの設定方向と速さに基づいて移動体を移動制御することにより、予定経路に復帰させることを特徴とする移動体経路制御装置。
  2. 前記設定移動方向と速さは、予定経路上の移動方向に平行な成分と垂直な成分に分解して、それぞれの差が単純減少するような値に設定することを特徴とする請求項1記載の移動体経路制御装置。
  3. さらに、前記演算装置が、移動体の復帰を始める時点における移動体位置と予定経路上に設定された復帰目標点を結ぶ緩和曲線を算出して前記記憶装置に記憶させ、移動体の現在位置から最短距離にある該緩和曲線上の対応点までの距離が単純減少するように働く速度成分を算出して、該速度成分を用いて前記予定経路上の対応点における値を基準として算出された移動体移動方向と速さを修正することを特徴とする請求項1または2記載の移動体経路制御装置。
  4. 請求項1記載の移動体経路制御装置において、前記演算装置が、現在位置から最短距離にある予定経路上の対応点における移動方向と速さと移動体の現在の移動方向と速さとの差が単純減少するような値に移動体移動方向と速さを設定する代わりに、前記設定移動速度の予定経路上の対応点における移動方向に垂直な成分、あるいは前記緩和曲線上の対応点までの距離が減少するようにする速度成分、移動体の現在位置と予定経路上または緩和曲線上の対応点との距離をD、時間をt、またcとkを係数として、運動方程式
    D/dt+cdD/dt+kD=0
    の解として求めることを特徴とする移動体経路制御装置。
  5. 前記運動方程式の解を、ζ=c/2k1/2≧1 なる条件の下で求めることを特徴とする請求項4記載の移動体経路制御装置。
  6. 前記演算装置における演算は所定の間隔ごとに行うことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の移動体経路制御装置。
  7. 前記移動体が自律走行車であって走行経路に復帰するように制御することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の移動体経路制御装置。
  8. 前記移動体がロボットハンドであって教示経路に復帰するように制御することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の移動体経路制御装置。
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