JP3991069B2 - 植物の病害抵抗性評価方法及び増殖方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の病害抵抗性評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マツノザイセンチュウ病によるマツ枯れの被害は、北海道と青森県を除く全国で認められるようになり、ここ数年、夏季の高温で被害材積が増加している。近年は環境問題の視点から、マツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリを抑える薬剤の空中散布を控えるようになり、それに替わる方法としてマツノザイセンチュウ病に抵抗性を有するマツの苗を育種し、それらを枯損地に植栽していくという考え方が広がってきた。
【0003】
そして、マツは挿し木増殖が困難な樹種であることから、上記植栽に先立って以下の検定が必要となっていた。すなわち、マツ枯れ被害の激害地で生存していた個体を先ず接木で増殖し、増殖したマツに対してマツノザイセンチュウを接種して生存したものを選択し、これを用いて母樹として採種園を造成し、そこで得られた種子から実生苗を得て、それにマツノザイセンチュウを接種して検定を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法は夏季に行う重労働である上に、気象条件により検定結果が大きく左右され、結果が得られるまでに長い時間を要するという欠点があった。この結果、上記検定を行った苗の価格が一般のマツに比べて高騰していた。また、樹体そのものにセンチュウを接種するため、枯損させることのできない個体(母樹、天然記念物等)の検定は不可能であった。
【0005】
本発明はかかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、病原体に対して抵抗性(又は感受性)のある植物を評価する植物の病害抵抗性評価方法であって、植物全体ではなくその一部の組織を用いて、重労働を必要とせずに、短期間に高い精度で、植物の病害抵抗性を評価することのできる方法を提供することを目的とする。本発明は、また、上記病害抵抗性評価方法で選別された植物を用いて、病原体に対する抵抗性を有する植物を増殖する増殖方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、病原体を接種した直後の植物に光を照射して一定時間で生じる遅延発光の積算値と、病原体接種後一定期間経過した植物に光を照射して一定時間で生じる遅延発光の積算値とを比較することにより、上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、病原体に対する被検植物の抵抗性あるいは感受性を評価する植物の病害抵抗性評価方法において、(1)上記被検植物の試料に上記病原体を接種し、接種直後の当該被検植物の試料に光を照射して、発生する遅延発光を所定時間検出する第1のステップと、(2)上記病原体を接種した上記被検植物の試料を、所定条件下で所定時間放置した後、当該被検植物の試料に上記光を照射し、発生する遅延発光を所定時間検出する第2のステップと、(3)上記第1及び第2のステップでそれぞれ計測された上記遅延発光の量を比較して比較値を求めることにより、上記被検植物の上記病原体に対する抵抗性あるいは感受性を評価する第3のステップと、を備えることを特徴とする植物の病害抵抗性評価方法を提供するものである。
【0008】
本発明は、上記のように、遅延発光を用いて病原体に対して抵抗性又は感受性のある植物を評価するため、客観的及び精度の高い評価が可能になる。また、被検植物そのものではなく被検植物から得られた試料を用いるために、評価が大掛かりになることがなく、評価を屋外且つ夏季に行う必要がないため重労働が要求されない。更に、被検体として植物体そのものを用いる場合は、ある程度の期間が経過した後でなければ抵抗性等の評価ができないのに対して、上記本発明の方法では短期間(典型的には数日〜数週間)で評価が可能になるため、病原体に対して抵抗性又は感受性のある植物を迅速に選別することができる。
【0009】
上記比較値は、上記第2のステップで上記所定時間検出した上記遅延発光の量を、上記第1のステップで上記所定時間検出した上記遅延発光の量で除した値であることが好ましい。かかる値を用いることにより、より精度高く客観的に病害抵抗性を評価することが可能になる。
【0010】
本発明の病害抵抗性評価方法において、上記光として、白色光、赤色光、青色光又は緑色光を用いることが好ましい。かかる光を用いることにより、精度高く病害抵抗性を評価することが可能になる。また、これらの光から得られた遅延発光値をそれぞれ組み合わせることにより、より精度高く病害抵抗性を評価することが可能になる。
【0011】
本発明の病害抵抗性評価方法を適用する場合において、上記被検植物の試料を上記被検植物の枝又は葉とすることができる。枝又は葉を試料として用いることにより、短期間で遅延発光に基づく抵抗性等の判断が可能になる。
【0012】
本発明は、また、(1)2以上の被検植物の試料のそれぞれに、病原体を接種し、接種直後の当該被検植物の試料に光を照射して、発生する遅延発光をそれぞれ所定時間検出する第1のステップと、(2)上記病原体を接種した上記被検植物の試料を、所定条件下で所定時間放置した後、当該被検植物の試料のそれぞれに上記光を照射し、発生する遅延発光をそれぞれ所定時間検出する第2のステップと、(3)それぞれの被検植物の試料について、上記第2のステップで上記所定時間検出した上記遅延発光の量を、上記第1のステップで上記所定時間検出した上記遅延発光の量で除した値を求める第3のステップと、(4)上記値の平均値より低い値を示す被検植物であって、上記値の分散分析により有意な値を示す被検植物を、上記2以上の被検植物から排除して、上記病原体に対する抵抗性を有する被検植物のみを選別する第4のステップと、(5)上記第4のステップで選別された被検植物を有性繁殖又は無性繁殖させて、病原体に対する抵抗性を有する植物を得る第5のステップと、を備えることを特徴とする植物の増殖方法を提供する。かかる増殖方法を実施することにより、病原体に対する抵抗性を備えた次世代の植物等を容易に作出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる植物の病害抵抗性評価方法の実施の形態について、ステップ毎に説明する。
【0014】
先ず、第1のステップについて説明する。第1のステップにおいては、被検植物の試料に病原体を接種し、接種直後の当該被検植物の試料に光を照射して、発生する遅延発光を所定時間検出する。
【0015】
本発明において用いられる被検植物の種類は任意であるが、マツを用いることが好ましく、なかでも松枯れ被害が深刻なクロマツを用いることが好ましい。一方、被検植物に接種する病原体としては、糸状菌、細菌、ウィルス、寄生虫が挙げられるが、寄生虫が好ましく、なかでもマツノザイセンチュウが好ましい。したがって、本発明の病害抵抗性評価方法は、マツのマツノザイセンチュウに対する抵抗性評価方法として適用することが最適である。
【0016】
病原体を被検植物に接種するにあたっては、被検植物の一部を試料として用いる。測定の容易性の観点及び遅延発光による判断の容易性の観点から、本発明においては被検植物の試料は、枝又は葉であることが好ましい。そして、かかる試料に病原体を接種する方法としては、公知の手法がいずれも採用可能である。例えば、試料に被検植物の枝又は葉を用いる場合は、これらの表面を薄く削り、病原体を直接接種するか、病原体を含む溶液中に浸漬させることが好ましい。
【0017】
第1のステップにおいては被検植物の遅延発光の初期値を測定するために、病原体接種直後の試料を用いる。ここで、「接種直後」とは接種を行って3時間以内(好ましくは1時間以内)をいう。
【0018】
接種直後の被検植物の試料に照射する光は、キセノンランプ光源等から発せられる白色光や、発光ダイオード光源等から発せられる赤色光、青色光又は緑色光が好ましく、かかる光を、病原体を接種した面に照射して、この面から発生する遅延発光を検出することが好ましい。また、光照射時間は、2〜5秒(キセノンランプ光源の場合、好ましくは3秒;発光ダイオード光源の場合、好ましくは5秒)が好適であり、遅延発光検出時間は0.1〜4秒(キセノンランプ光源の場合、好ましくは3秒;発光ダイオード光源の場合、好ましくは0.1秒)が好適である。
【0019】
図1に、病害抵抗性の評価に適用され、被検植物から発する遅延発光を測定する病害抵抗性測定装置2を概略的に示す。病害抵抗性測定装置2は、主として、被検植物試料8からの遅延発光を撮像する遅延発光測定装置4、撮像データに適宜の処理を施す制御部6、及び撮像画像等を出力表示する出力部7から構成されている。
【0020】
遅延発光測定装置4には、外部からの光を遮断できる構造を有した暗箱10が設けられており、暗箱10内には、被検植物試料8を設置できる試料設置台30が設けられている。遅延発光測定装置4は、被検植物試料8に光を照射するための投光系11を有しており、投光系11は、光を出射する光源34、光源34からの光を遮蔽可能なシャッター38、及び、光ファイバ36を介してシャッター38に接続された2つの光出射部16を有している。
【0021】
光出射部16は、暗箱10内において試料設置台30の上方に備えられており、各光出射部16は光源34からの光を被検植物試料8に照射する。なお、光源34と光出射部16との間に配置されたシャッター38は、シャッターコントローラ39の制御によって光源34からの光を遮蔽可能であり、シャッター38とシャッターコントローラ39との協働によって、被検植物試料8に所望の時間の光照射を行える。
【0022】
光源34による照射光は、例えば白色光とすることができ、この場合、光源34にはキセノンランプを用いることができる。また、被検植物試料8の照射位置における強度は0.1〜10mW/cm2とすることが好ましい。光源34は、青色発光ダイオード、緑色発光ダイオード又は赤色発光ダイオードとすることもでき、かかる場合は、青色光、緑色光又は赤色光を被検植物試料8の照射位置において、それぞれ0.1〜10mW/cm2となるように照射することが好ましい。
【0023】
暗箱10内の上部には、試料設置台30側から、フィルタ33、レンズ32、イメージインテンシファイア40、CCDカメラ42をこの順に備えるVIMカメラ12が設置されている。被検植物試料8からの遅延発光は、特定の波長成分のみがフィルタ33を通過し、通過光はレンズ32によって集光される。更に、集光された遅延発光はイメージインテンシファイア40の前段に設けられた光電面で光電変換された後に増倍され、増倍された電子が後段の蛍光面に衝突することで蛍光パターンが形成される。そして、蛍光面に形成された蛍光パターンはCCDカメラ42によって撮像される。本実施形態におけるVIMカメラ12は、このような構成を有しているため、極めて微弱な発光であっても検出することが可能となる。
【0024】
制御部6は、VIMカメラ12の電圧を制御するVIMカメラコントローラ50、VIMカメラ12によって得られた画像信号を処理するイメージプロセッサ52、及び得られた画像データを数量化するデータ解析装置56を有している。そして、出力部7は、イメージプロセッサ52により処理された画像データを出力表示する画像出力モニタ54及び数量化されたデータを出力表示するデータ出力モニタ58を有している。データ解析装置56は、VIMカメラコントローラ50、イメージプロセッサ52及び前述のシャッターコントローラ39に接続され、各々の制御を行うことが可能である。
【0025】
VIMカメラ12によって得られた画像信号は、VIMカメラコントローラ50に送られ、VIMカメラコントローラ50は、イメージインテンシファイア40及びCCDカメラ42の電圧を制御することによりVIMカメラ12の感度の調節を行う。また、VIMカメラコントローラ50は、VIMカメラ12の故障を防ぐ働きも同時に有している。すなわち、VIMカメラ12は、光量の少ない条件下で遅延発光の検出を行うことから、作動中のノイズ光の進入により故障する恐れがある。そこで、暗箱10に接続されたVIMカメラコントローラ50がVIMカメラ12の作動中における暗箱10の扉の開閉状態を監視し、扉を開く動作を検知するとVIMカメラ12の電圧を切断するように構成している。このようにして、VIMカメラコントローラ50は、ノイズ光の進入によるVIMカメラ12の故障を防いでいる。
【0026】
更に、VIMカメラコントローラ50から送られた画像信号は、イメージプロセッサ52によって画像処理され、画像出力モニタ54にCCDカメラ42の撮像画像が表示される。そして、イメージプロセッサ52によって処理された画像データは、データ解析装置56によって遅延発光量として数量化され、数量化されたデータはデータ出力モニタ58に出力される。これにより、オペレータは、被検植物試料8の遅延発光量を視認でき、この遅延発光量に基づいて試料の病害抵抗性の程度を評価することができる。なお、データ解析装置56は、被検植物試料8からの遅延発光量を算出するだけでなく、他の試料における遅延発光量との比較値を算出してもよく、更に、前記遅延発光量又は前記比較値を所定の基準値と比較することによって、試料が有する病害抵抗性の程度の評価を行ってもよい。
【0027】
次に、本発明にかかる植物の病害抵抗性評価方法の第2のステップについて説明する。第2のステップでは、病原体を接種した被検植物の試料を、所定条件下で所定時間放置した後、当該被検植物の試料に光を照射し、発生する遅延発光を所定時間検出する。
【0028】
第2のステップにおいて病原体を接種した試料を放置する条件は、評価の対象となる被検植物の種類又は試料を得る被検植物の部位等によって適宜決定する。例えば、クロマツの枝又は葉を試料として用いる場合は、24℃の薄暗い室内で放置することが好ましく、放置時間としては、枝の場合は5〜9日(好ましくは、6〜8日、より好ましくは7日)が好適であり、葉の場合は10〜14日(好ましくは、11〜13日、より好ましくは12日)が好適である。そして、第1のステップと同様の条件(照射時間、検出時間、照射強度等)で、第1のステップで光を照射した面と同じ面について、遅延発光を測定することが好ましい。
【0029】
次に、本発明にかかる植物の病害抵抗性評価方法の第3のステップについて説明する。第3のステップにおいては、第1のステップで計測された遅延発光の量(DLxとする)と第2のステップで計測された遅延発光の量(DLyとする)とを比較して比較値を求めることにより、被検植物の病原体に対する抵抗性あるいは感受性を評価する。
【0030】
遅延発光量の比較は、例えば、DLx及びDLyの差分、又はDLx及びDLyの比を用いることが可能であり、本発明においては、DLy/DLxを用いることが好ましい。
【0031】
本発明者らの知見によれば、被検植物は、その種類にしたがって、DLy/DLxが経時的に大きく変化するものと、DLy/DLxの経時変化が少ないものとに分かれる。ここで、DLy/DLxの経時的な変化は、病原体による個体変化に対応すると考えられるから、DLy/DLxが経時的に変化が少ないものを抵抗性が高い植物、大きく低下するものを病原体に対する抵抗性が低い植物として識別が可能になる。DLy/DLxに基づいて、病原体に対する抵抗性があるか否かを判定するにあたり、例えば、以下の判断基準が採用可能である。すなわち、各被検植物のDLy/DLxの値を分散分析して、5%水準(より厳密に行う場合は1%水準)で有意な被検植物を選び出す。選び出された被検植物のうちDLy/DLxの値が、全体の平均値より低い値を示す被検植物を選別し、これを病原体に対する抵抗性が低い被検植物とする。かかる基準で有意な被検植物が選び出せない場合は、第2のステップで放置する時間を、分散分析で有意な値が出るまで延長すればよい。
【0032】
例えば、被検植物としてクロマツを用い、病原体としてマツノザイセンチュウを用いた場合は、試料が枝である場合は病原体接種後7日程度で、試料が葉である場合は病原体接種後12日程度で、マツノザイセンチュウに対する抵抗力が低いクロマツについてDLy/DLxの値が顕著に低下する。そして、DLy/DLxの値の低下とクロマツの枯れや褐変には、高い相関関係が認められる。したがって、DLy/DLxの値の変化を7日又は12日という短期間評価することにより、病原体に対する抵抗性(又は感受性)を高い精度で評価することが可能になる。したがって、被検植物そのものを屋外に配置して評価をする従来の方法に比べて、評価期間が圧倒的に短くなるのみならず、評価の客観性も向上し、必要な労力も最低限にすることができる。
【0033】
次に、本発明にかかる植物の増殖方法の実施の形態について、ステップ毎に説明する。先ず、第1のステップにおいては、被検植物として2以上の被検植物を準備する。ここで、被検植物は同一種の植物から選択することが好ましい。例えば、病原体に対する抵抗性を備えたクロマツについて増殖を行う場合には、被検植物としてクロマツのみを用いることが好ましい。なお、第1のステップでは、上述した病害抵抗性評価方法において用いることの可能な上記病害抵抗性測定装置2と同一の装置を用いて遅延発光を検出でき、好適な光の種類、被検植物及び病原体も上述した病害抵抗性評価方法におけるのと同様である。
【0034】
第2のステップは、上述した病害抵抗性評価方法の第2のステップと同様に実施ができ、第3のステップにおいても、上記と同様にして、第2のステップで所定時間検出した遅延発光の量を、第1のステップで所定時間検出した遅延発光の量で除した値を求める。
【0035】
第4のステップにおいては、第3のステップで得られた値の分散分析を行って、病原体に対する抵抗性を有する被検植物を選別する。この場合も、上記と同様の判断基準が採用できる。すなわち、各被検植物のDLy/DLxの値を分散分析して、例えば、5%水準(より厳密に行う場合は1%水準)で有意な被検植物を選び出す。選び出された被検植物のうちDLy/DLxの値が、全体の平均値より低い値を示す被検植物を選別し、これを病原体に対する抵抗性が低い被検植物とする。かかる基準で有意な被検植物が選び出せない場合は、第2のステップで放置する時間を、分散分析で有意な値が出るまで延長すればよい。
【0036】
第5のステップにおいては、第4のステップで選別された被検植物を有性繁殖又は無性繁殖させて、病原体に対する抵抗性を有する植物を得る。ここで、有性繁殖としては、交配が挙げられ、無性繁殖としては株分け、さし木、接木、組織培養、遺伝子操作等が挙げられる。第5のステップを実施することにより、病害に対する抵抗性に優れた次世代の植物個体等を生産・育苗することが可能になる。また、必要に応じてこれら次世代の植物等を本発明の病害抵抗性評価方法で評価し、より確実に病害抵抗性に優れる個体を生産・育苗することが可能になる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0038】
[評価に用いるマツの選抜]
本発明の病害抵抗性評価方法が、病原体に対する植物の抵抗性又は感受性の評価のために適用可能かを調べるためには、もともと、病原体に対する抵抗性が高い被検植物と、病原体に対する抵抗性が低い被検植物を用いて、結果を比較する必要がある。したがって、先ず、病原体に対する抵抗性が高い被検植物と低い被検植物を選抜する試験を以下のようにして実施した。
【0039】
先ず、西南日本のマツ枯れ激害地から選抜されたマツノザイセンチュウに対して抵抗性を持つとされるクロマツ(クローン)の当年枝を試験管内に水挿しした。用いたクロマツは、「津屋崎50」、「土佐清水63」、「三崎90」、「波方73」、「志摩64」、「三豊103」、「大瀬戸12」、「波方37」、「頴娃425」、「田辺54」、「吉田2」、「夜須37」及び「川内290」の13個体であった。これらのクロマツにセンチュウ5000頭を接種し、表1の判定基準に従い枯れの程度を調査した。
【表1】
【0040】
その結果、表2に示すように、クロマツ13個体(クローン)の間で、枯れの程度に大きな差が認められた。1回目と2回目の試験で枯れの程度が同程度に現れる個体の中で、「津屋崎50」、「土佐清水63」、「三崎90」などは枯れの程度が軽く、病原体であるセンチュウに対する抵抗性が高いと考えられ、また、「川内290」、「夜須37」、「吉田2」などは枯れの程度が大きく、供試した13個体の中では抵抗性が低いことが判明した。
【表2】
【0041】
[病害抵抗性の評価(枝を試料に用いる方法)]
クロマツ個体(クローン)「津屋崎50」、「三崎90」、「川内290」及び「夜須37」の当年枝を2つに分割し、針葉のついた上部を試験管内に水挿しし、マツノザイセンチュウを5000頭接種した後、枯れの程度を表1の基準に基づいて調べた。
【0042】
下部の切片については表面を削り、マツノザイセンチュウを2500頭接種し、接種直後(接種60分以内)に、図1に示す病害抵抗性測定装置と同様の構成を有する浜松ホトニクス社製ARGUS50/VIMシステムを用いて、3秒間の白色光を照射後、遅延発光(Delayed Luminescence : DL)を3秒間測定した(得られた遅延発光の積算値をDL0とする。)。次いで、この試料を24℃の薄暗い室内で7日間放置した。そして放置期間の毎日、すなわち、接種1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後及び7日後の遅延発光を上記と同様にして測定した(得られた遅延発光の積算値を、それぞれ、DL1、DL2、DL3、DL4、DL5、DL6及びDL7とする。)。そして、DL1/DL0、DL2/DL0、DL3/DL0、DL4/DL0、DL5/DL0、DL6/DL0、及びDL7/DL0の値を比較値として求めた。かかる比較値を図2に示す。なお、図2においては、例えば「津屋崎50」が2つ表されているが、これは母樹「津屋崎50」の2ヶ所の枝についての結果を示すものである。また、図2にはそれぞれの個体について、枯れの程度が記載されているが、これは、試験管内に水挿しした上記当年枝の枯れの程度を表1の基準で評価したものである。
【0043】
上記試験の対照試験として、2つに分割した「津屋崎50」、「三崎90」及び「川内290」、「夜須37」の当年枝の下部の切片に、マツノザイセンチュウを接種せずに、蒸留水を処理した後、上記と同様にして遅延発光を測定した(得られた遅延発光の積算値をDL’0とする。)。そして、試験開始1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後及び7日後の遅延発光を上記と同様にして測定した(得られた遅延発光の積算値を、それぞれ、DL’1、DL’2、DL’3、DL’4、DL’5、DL’6及びDL’7とする。)。そして、DL’1/DL’0、DL’2/DL’0、DL’3/DL’0、DL’4/DL’0、DL’5/DL’0、DL’6/DL’0、及びDL’7/DL’0の値を比較値として求めた。かかる比較値を図3に示す。なお、図3においては、例えば「津屋崎50」が2つ表されているが、これは母樹「津屋崎50」の2ヶ所の枝についての結果を示すものである。
【0044】
図3に示されるように、枯れの程度が大きく異なる試料であるにもかかわらず、蒸留水処理のみでは、DL値の比(DL値/処理直後のDL値)は、供試個体(クローン)の間で経時的に大きな違いは認められなかった。
【0045】
これに対し、マツノザイセンチュウを接種した試料については、DL値の比(DL値/接種直後のDL値)は日数の経過とともに個体間の差が大きくなり、分散分析の結果、接種から7日後に1%水準で個体間に有意差が認められた(図2)。また、マツノザイセンチュウ接種試験で枯れの程度が大きいものほどDL値の比(DL値/接種直後のDL値)が小さくなる傾向にあり、接種から7日後の遅延発光の比と枯れの程度との相関係数はr=−0.837*であった。
【0046】
これらの結果から、マツノザイセンチュウに対して抵抗性を持つ個体と感受性の個体を、当年枝切片の遅延発光を測定することにより識別が可能であることがわかった。特に、DL値の比(DL値/接種直後のDL値)があまり変化しない個体が存在し、これらは病害抵抗性が高い個体であることがわかった。一方、DL値の比(DL値/接種直後のDL値)が大きく低下する個体が存在し、これらは病害抵抗性が低い個体であることがわかった。
【0047】
マツノザイセンチュウ接種試験による枯れの程度と、マツノザイセンチュウ接種7日後の、DL値の比(初期値に対する遅延発光の比)をまとめて表3に示した。
【表3】
【0048】
なお、病害抵抗性(枝)の評価において、遅延発光の波長は650nm〜800nmの範囲にあり、特に680nm〜700nmと730nm前後にピークが認められた。
【0049】
[病害抵抗性の評価(葉を試料に用いる方法)]
「津屋崎50」、「三崎90」、「川内290」、「夜須37」、「波方73a」及び「吉田2a」の当年枝を試験管内に水挿しし、マツノザイセンチュウ5000頭を接種した後の枯れの程度を表1の基準に基づいて調べた。なお、本発明において「津屋崎50」のように地名の後に数字を付した個体名は、接木により得られたクローンを示し、「波方73a」のように末尾にaを付した個体名は、接木により得られたクローンである「波方73」から得られた種子を育成して得られた個体を意味する。
【0050】
一方、「津屋崎50」、「三崎90」、「川内290」、「夜須37」、「波方73a」及び「吉田2a」の当年枝から採取した針葉を3cmの長さに切断し、100000頭/3mLのマツノザイセンチュウ懸濁液に20時間浸漬した。浸漬直後(浸漬後60分以内)に、1個体につき12本の針葉をシャーレに並べて、浜松ホトニクス社製ARGUS50/VIMシステムを用いて、3秒間の白色光を照射後、遅延発光を3秒間測定した(得られた遅延発光の積算値をDL10とする。)。
【0051】
次いで、この試料を24℃の薄暗い室内で12日間放置した。そして、接種4日後、6日後、8日後、10日後及び12日後の遅延発光を上記と同様にして測定した(得られた遅延発光の積算値を、それぞれ、DL11、DL12、DL13、DL14及びDL15とする。)。そして、DL11/DL10、DL12/DL10、DL13/DL10、DL14/DL10、及びDL15/DL10の値を比較値として求めた。かかる比較値を図4に示す。
【0052】
上記試験の対照試験として、「津屋崎50」、「三崎90」、「川内290」、「夜須37」、「波方73a」及び「吉田2a」の当年枝について、蒸留水に浸漬した後に上記と同様にして遅延発光を測定した(得られた遅延発光の積算値をDL’10とする。)。そして、試験開始4日後、6日後、8日後、10日後及び12日後の遅延発光を上記と同様にして測定した(得られた遅延発光の積算値を、それぞれ、DL’11、DL’12、DL’13、DL’14及びDL’15とする。)。そして、DL’11/DL’10、DL’12/DL’10、DL’13/DL’10、DL’14/DL’10、及びDL’15/DL’10の値を比較値として求めた。かかる比較値を図5に示す。
【0053】
図5に示されるように、蒸留水処理のみでは、DL値の比(DL値/処理直後のDL値)は、供試個体(クローン)の間で経時的に大きな違いは認められなかったが、マツノザイセンチュウを接種した試料については、DL値の比(DL値/接種直後のDL値)は日数の経過とともに個体間の差が大きくなり(図4)、分散分析の結果、接種から12日後では1%水準で個体間に有意差が認められ、遅延発光の比と枯れの程度との相関係数はr=−0.730であった。
【0054】
これらの結果から、マツノザイセンチュウ病に対して抵抗性を持つ個体と感受性の個体を、針葉の遅延発光を測定することにより識別が可能であることがわかった。
【0055】
[枝の褐変の程度と遅延発光との関係]
上記「病害抵抗性の評価(枝を試料に用いる方法)」において、接種1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後及び7日後に、DL1/DL0、DL2/DL0、DL3/DL0、DL4/DL0、DL5/DL0、DL6/DL0、及びDL7/DL0の値を求めると共に、接種1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後及び7日後における褐変の程度を、以下の表4に基づいて評価した。そして、DL値の比(DL値/接種直後のDL値)と褐変の程度との関係を評価した。
【表4】
【0056】
その結果、マツノザイセンチュウ接種から7日後におけるDL値の比(DL値/接種直後のDL値)と褐変の程度との相関係数はr=−0.956**であった。したがって、接種7日後のDL値の比(DL値/接種直後のDL値)を用いることにより、枝の褐変の程度を評価可能であることがわかった。
【0057】
[針葉の褐変の程度と遅延発光との関係]
上記「病害抵抗性の評価(葉を試料に用いる方法)」において、接種4日後、6日後、8日後、10日後及び12日後に、DL11/DL10、DL12/DL10、DL13/DL10、DL14/DL10及びDL15/DL10の値を求めると共に、接種4日後、6日後、8日後、10日後及び12日後における褐変の程度を、上記表4に基づいて評価した。そして、DL値の比(DL値/接種直後のDL値)と褐変の程度との関係を検討した。
【0058】
その結果、マツノザイセンチュウ接種から12日後におけるDL値の比(DL値/接種直後のDL値)と褐変の程度との相関係数はr=−0.876*であった。したがって、接種12日後のDL値の比(DL値/接種直後のDL値)を用いることにより、針葉の褐変の程度を評価可能であることがわかった。
【0059】
[植物の病害抵抗性評価方法における照射光の影響]
「津屋崎50」、「三崎90」、「川内290」及び「夜須37」の当年枝を試験管内に水挿しし、マツノザイセンチュウ5000頭を接種した後の枯れの程度を表1の基準に基づいて調べた。
【0060】
一方、「津屋崎50」、「三崎90」、「川内290」、「夜須37」の当年枝から採取した針葉を3cmの長さに切断し、表面を薄く削り取った後に、100000頭/3mLのマツノザイセンチュウ懸濁液に20時間浸漬した。1個体につき10本の針葉をシャーレに並べて、24℃の薄暗い室内で6日間放置した。
【0061】
次いで、この試料を浜松ホトニクス社製ARGUS50/VIMシステムを用いて、発光ダイオードから発する青色光(中心波長470nm)、緑色光(中心波長550nm)又は赤色光(中心波長650nm)をそれぞれ5秒間照射後、遅延発光を0.1秒間測定した(青色光、緑色光及び赤色光により得られた遅延発光の積算値を、それぞれDLb6、DLg6及びDLr6とする。)。それぞれの光によるDL値を図6に示す。また、接種6日後の枯れの程度を表1の基準で求めた。
【0062】
そして、DL値と枯れの程度との相関を、青色光、緑色光又は赤色光それぞれについて求めたところ、相関係数は赤色光でr=−0.686、青色光でr=−0.610、緑色光でr=−0.084であった。この結果から、葉を用いてマツノザイセンチュウに対する抵抗性を評価するにあたっては、照射光として、赤色光及び青色光が特に有効であることが判明した。
【0063】
さらに、赤色光によるDL値/緑色光によるDL値、青色光によるDL値/緑色光によるDL値と枯れの程度との相関を求めたところ、相関係数は赤色光によるDL値/緑色光によるDL値でr=−0.709*、青色光によるDL値/緑色光によるDL値でr=−0.670であった(図7)。この結果から、葉を用いてマツノザイセンチュウに対する抵抗性を評価するにあたっては、照射光として、赤色光、青色光及び緑色光が有効であり、これらの光によるDL値をそれぞれ組み合わせることによって評価の精度がさらに高まることが判明した。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、病原体に対して抵抗性(又は感受性)のある植物を、重労働を必要とせずに短期間に高い精度で評価する植物の病害抵抗性評価方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いることのできる病害抵抗性測定装置の概略図である。
【図2】マツノザイセンチュウを接種したクロマツ(枝)の遅延発光量の比の経時変化を示す図である。
【図3】対照として蒸留水処理したクロマツ(枝)の遅延発光量の比の経時変化を示す図である。
【図4】マツノザイセンチュウを接種したクロマツ(針葉)の遅延発光量の比の経時変化を示す図である。
【図5】対照として蒸留水処理したクロマツ(針葉)の遅延発光量の比の経時変化を示す図である。
【図6】照射光の種類の違いによる遅延発光量を示す図である。
【図7】赤色光又は青色光の照射によるDL値を緑色光の照射によるDL値で除した場合の比を示す図である。
【符号の説明】
2・・・病害抵抗性測定装置、4・・・遅延発光測定装置、6・・・制御部、7・・・出力部、8・・・被検植物試料、10・・・暗箱、11・・・投光系、12・・・VIMカメラ、16・・・光出射部、30・・・試料設置台、32・・・レンズ、33・・・フィルタ、34・・・光源、36・・・光ファイバ、38・・・シャッター、39・・・シャッターコントローラ、40・・・イメージインテンシファイア、42・・・CCDカメラ、50・・・VIMカメラコントローラ、52・・・イメージプロセッサ、54・・・画像出力モニタ、56・・・データ解析装置、58・・・データ出力モニタ
Claims (5)
- 病原体に対する被検植物の抵抗性あるいは感受性を評価する植物の病害抵抗性評価方法において、
前記被検植物の試料に前記病原体を接種し、接種直後の当該被検植物の試料に光を照射して、発生する遅延発光を所定時間検出する第1のステップと、
前記病原体を接種した前記被検植物の試料を、所定条件下で所定時間放置した後、当該被検植物の試料に前記光を照射し、発生する遅延発光を所定時間検出する第2のステップと、
前記第1及び第2のステップでそれぞれ計測された前記遅延発光の量を比較して比較値を求めることにより、前記被検植物の前記病原体に対する抵抗性あるいは感受性を評価する第3のステップと、を備えることを特徴とする植物の病害抵抗性評価方法。 - 前記比較値は、前記第2のステップで前記所定時間検出した前記遅延発光の量を、前記第1のステップで前記所定時間検出した前記遅延発光の量で除した値であることを特徴とする請求項1記載の植物の病害抵抗性評価方法。
- 前記光は、白色光、赤色光、青色光又は緑色光であることを特徴とする請求項1又は2記載の植物の病害抵抗性評価方法。
- 前記被検植物の試料は、前記被検植物の枝又は葉であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の植物の病害抵抗性評価方法。
- 2以上の被検植物の試料のそれぞれに病原体を接種し、接種直後の当該被検植物の試料に光を照射して、発生する遅延発光をそれぞれ所定時間検出する第1のステップと、
前記病原体を接種した前記被検植物の試料を、所定条件下で所定時間放置した後、当該被検植物の試料のそれぞれに前記光を照射し、発生する遅延発光をそれぞれ所定時間検出する第2のステップと、
それぞれの被検植物の試料について、前記第2のステップで前記所定時間検出した前記遅延発光の量を、前記第1のステップで前記所定時間検出した前記遅延発光の量で除した値を求める第3のステップと、
前記値の平均値より低い値を示す被検植物であって、前記値の分散分析により有意な値を示す被検植物を、前記2以上の被検植物から排除して、前記病原体に対する抵抗性を有する被検植物のみを選別する第4のステップと、
前記第4のステップで選別された被検植物を有性繁殖又は無性繁殖させて、病原体に対する抵抗性を有する植物を得る第5のステップと、を備えることを特徴とする植物の増殖方法。
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