JP3989722B2 - 可撓性可変装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性可変装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野では、消化管等の検査、診断等に、内視鏡が使用されている。
【0003】
このような内視鏡による検査、診断、処置を行う際には、鉗子、高周波焼灼処置具等が用いられる。
【0004】
このような内視鏡関連品には、ネジ部等の摺動部を有するものがある。このような内視鏡関連品の摺動部には、摺動性を向上させる目的で、潤滑剤を配することがある。
【0005】
ところで、内視鏡関連品は、通常、繰り返し使用されるものであるが、体腔内に挿入して使用されること等により、体液等と接触することがある。このため、内視鏡関連品は、その都度、洗浄および滅菌を行う必要がある。
【0006】
内視鏡関連品に対する滅菌処理としては、通常、高温高圧の水蒸気による水蒸気滅菌(高圧蒸気滅菌)や、EOG(エチレンオキサイドガス)、過酸化水素系消毒液を用いた滅菌等が用いられている。
【0007】
しかしながら、従来用いられていた潤滑剤は、前記滅菌処理等により、変質、劣化し、十分な摺動性が得られなくなるという問題点を有していた。このように、摺動性が低下することにより、内視鏡関連品の操作性が低下し、検査、診断等に支障をきたす場合があった。
【0008】
また、耐薬品性にすぐれ、このような滅菌処理を施してもほとんど変質、劣化しない潤滑剤も知られているが、このような潤滑剤を用いた場合、十分な摺動性が得られない場合があった。
【0009】
また、摺動部(ネジ部)が外部に開放している等の理由により、摺動部に潤滑剤を配することが不可能なものもあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、繰り返し使用しても、摺動部における摺動性の低下を生じにくく、使用後の洗浄が容易であり、内視鏡の可撓性を変化させることができる可撓性可変装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。
【0012】
(1) ネジ部を有する可撓性可変装置であって、
前記ネジ部を構成する雄ネジおよび/または雌ネジの表面の少なくとも一部に、主としてTiNで構成された被覆層が形成されており、
前記雄ネジまたは前記雌ネジのピッチをP[μm]、前記被覆層の平均厚さをT[μm]としたとき、2.5×10≦T/P≦1×1010の関係を満足するものであり、
可撓性可変装置は、内視鏡の可撓管内部に挿通し、前記可撓管の曲げ剛性を変化させる曲げ剛性可変コイル部を有し、
前記曲げ剛性可変コイル部が、自由状態で直線状をなし、軸線方向への伸縮により曲げ剛性を変化させるコイル体と、
前記コイル体の外面に同軸に位置し、内部を液密にする非通水性の筒状防水カバーとを有することを特徴とする可撓性可変装置。
【0013】
これにより、繰り返し使用しても、摺動部における摺動性の低下を生じにくく、使用後の洗浄が容易であり、内視鏡の可撓性を変化させることができる可撓性可変装置を提供することができる。また、長期間にわたって、優れた操作性を有する可撓性可変装置が得られる。
【0014】
(2) 相手材としてWC製のボールを用いたボールオンディスク法を、摺動速度:100mm/秒、荷重:3Nの条件で行ったときに測定される前記被覆層の摩擦係数μは、0.05〜0.4である上記(1)に記載の可撓性可変装置。
【0015】
これにより、摺動部における摺動性がさらに優れたものとなる。
【0016】
(3) 前記被覆層は、少なくともその表面付近に、塩素イオンを含むものである上記(1)または(2)に記載の可撓性可変装置。
これにより、摺動部における摺動性がさらに優れたものとなる。
【0017】
(4) 前記被覆層は、少なくともその表面付近に、塩素イオンがイオン注入されたものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の可撓性可変装置。
これにより、摺動部における摺動性がさらに優れたものとなる。
【0018】
(5) 前記被覆層の表面における塩素イオン濃度は、2×1016〜1×1017[ions/cm2]である上記(3)または(4)に記載の可撓性可変装置。
これにより、摺動部における摺動性がさらに優れたものとなる。
【0019】
(6) 前記被覆層は、気相成膜法により形成されたものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の可撓性可変装置。
これにより、被覆層と、該被覆層の形成部位との密着性が向上する。
【0020】
(7) 前記気相成膜法は、化学蒸着法(CVD)、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、イオンビームミキシングの中から選択されるいずれかの方法である上記(6)に記載の可撓性可変装置。
これにより、被覆層と、該被覆層の形成部位との密着性が向上する。
【0021】
(8) 前記被覆層の平均厚さは、0.01〜10μmである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の可撓性可変装置。
これにより、摺動部における摺動性がさらに優れたものとなる。
【0022】
(9) 前記被覆層の表面の少なくとも一部に潤滑剤が配されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の可撓性可変装置。
これにより、摺動部における摺動性がさらに優れたものとなる。
【0023】
(10) 前記潤滑剤は、オイル状物質である上記(9)に記載の可撓性可変装置。
これにより、摺動部における摺動性がさらに優れたものとなる。
【0024】
(11) 前記オイル状物質は、シリコーンオイル、グリースのうち少なくとも1種を含むものである上記(10)に記載の可撓性可変装置。
これにより、摺動部における摺動性がさらに優れたものとなる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の可撓性可変装置(内視鏡関連品)を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1は、電子内視鏡(電子スコープ)を示す全体図、図2は、図1中のX−X線横断面図、図3は、図1に示す内視鏡の処置具挿入口突起付近の拡大図である。また、以下の説明では、図1および図3中の左側を「基端」、右側を「先端」、上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0031】
図1に示すように、内視鏡1は、長尺の挿入部2と、挿入部2の基端側に設けられた操作部3と、操作部3に接続されたユニバーサルチューブ7と、ユニバーサルチューブ7の先端側に設けられたコネクタ部8とを有している。以下、各部の構成について説明する。
【0032】
挿入部2は、生体の管腔(管状器官)の内部に挿入する部分であり、長尺の管状部材の内部に、後述する各種の内蔵物が配設された構成となっている。
【0033】
挿入部2の全長の大部分(先端付近を除いた部分)は、可撓性(弾力性)を有する可撓管部21で構成されている。可撓管部21の外装は、内視鏡用可撓管で構成されている。内視鏡用可撓管は、帯状材を螺旋状に巻回して形成された螺旋管23と、金属製または非金属製の細線を編組して形成され、螺旋管23の外周を被覆する網状管24と、合成樹脂等の弾性材料で構成され、網状管24の外周を被覆する可撓管外皮25とで構成されている。なお、図2に示す構成では、螺旋管23は、2重に設けられている。
【0034】
挿入部2の先端付近の部分は、湾曲部22で構成されている。湾曲部22の外装は、湾曲管で構成されている。湾曲管は、互いに回動自在に連結された複数の節輪(図示せず)と、該節輪の外周に被覆された網状管24と、網状管24の外周に被覆された(被覆)ゴムチューブとで構成されている。このような湾曲部22は、後述するように、その湾曲を操作部3より遠隔操作することができるようになっている。
【0035】
挿入部2(湾曲部22)の先端部には、観察部位における被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設けられている。
【0036】
図2に示すように、挿入部2の内部には、光ファイバー束によるライトガイドファイバーバンドル11と、画像信号ケーブル12と、湾曲操作ワイヤ13と、処置具挿通チャンネル管14と、送気・送水用チューブ15とが、それぞれ、長手方向に沿って挿通・設置されている。内視鏡1は、送気・送水用チューブ15の内部を通して、挿入部2の先端から管腔内に送気・送水を行うことができるようになっている。
【0037】
処置具挿通チャンネル管14の内部は、鉗子、高周波焼灼処置具の処置具や、後述する可撓性可変装置5等が挿通される処置具挿通チャンネル16となる。処置具挿通チャンネル16は、図示の構成では挿入部2の中心軸26から偏心した位置に設けられているが、挿入部2の横断面内での処置具挿通チャンネル16の位置は、特に限定されず、例えば、挿入部2と同心的に設けられていてもよい。
【0038】
処置具挿通チャンネル16は、挿入部2の長手方向に沿って形成され、処置具挿通チャンネル16の先端は、挿入部2の先端で外部に開放し、処置具挿通チャンネル出口18が形成されている。
【0039】
挿入部2の基端部は、操作部3に接続されている。
操作部3は、術者が把持して、内視鏡1全体を操作する部分である。操作部3には、各種操作を行うための操作ボタンと、湾曲操作ノブ31A、31Bとが設置されている。操作ボタンとして、送気・送水操作を行うための送気・送水ボタン33、吸引操作を行うための吸引ボタン34等が設置されている。また、湾曲操作ノブ31A、31Bを操作することにより、挿入部2内に配設された湾曲操作ワイヤ13が牽引され、湾曲部22の湾曲方向および湾曲の度合いを自由に操作することができる。
【0040】
操作部3の先端付近には、斜め上方に突出する処置具挿入口突起32が形成されている。
【0041】
処置具挿入口突起32には、円筒状に突出する処置具挿入口17が形成されており、処置具挿通チャンネル16の基端は、処置具挿入口17において、斜め上方に向かって外部に開放している。
【0042】
処置具挿入口突起32の内部に形成された部分の処置具挿通チャンネル16の内径は、挿入部2の内部に形成された部分の処置具挿通チャンネル16の内径より大きくなっている。すなわち、処置具挿入口突起32付近における処置具挿通チャンネル16の内周面は、先端方向から基端方向に向かってその内径が大きくなる、テーパ内周面36を形成している(図6参照)。
【0043】
また、図3に示すように、処置具挿入口突起32には、ルアー口金部35が設けられている。
【0044】
また、ルアー口金部35の先端付近の外周面には、径方向外方に向けて突出する一対のフランジ突起37が形成されている。一対のフランジ突起37は、ルアー口金部35の軸線を挟んだ径方向の対向位置に設けられている。このルアー口金部35に対しては、鉗子、高周波焼灼処置具等の処置具や、後に詳述する可撓性可変装置5等を着脱可能である。処置具挿入口突起32には、非使用時にルアー口金部35を覆う鉗子栓38が付属している。
【0045】
操作部3の下部には、ユニバーサルチューブ7の一端が接続されており、ユニバーサルチューブ7の他端は、コネクタ部8に接続されている。コネクタ部8には、光源差込部81および画像信号用コネクタ82が設けられており、内視鏡1は、この両コネクタを介して、光源プロセッサ装置(図示せず)に接続される。さらに、光源プロセッサ装置は、ケーブルを介してモニタ装置(図示せず)に接続されている。
【0046】
光源プロセッサ装置内の光源から発せられた光は、コネクタ部8内、ユニバーサルチューブ7内、操作部3内、挿入部2内に連続して配設されたライトガイドファイバーバンドル11を通り、挿入部2(湾曲部22)の先端部より観察部位に照射され、照明する。
【0047】
前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、撮像素子で撮像される。撮像素子で撮像された被写体像に応じた画像信号は、バッファ(図示せず)を介して出力される。
【0048】
この画像信号は、挿入部2内、操作部3内およびユニバーサルチューブ7内に連続して配設され、撮像素子と画像信号用コネクタ82とを接続する画像信号ケーブル12を介して、コネクタ部8に伝達される。
【0049】
そして、コネクタ部8内および光源プロセッサ装置内で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理等)がなされ、その後、モニタ装置に入力される。モニタ装置では、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、すなわち動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
【0050】
本発明は、例えば、このような構成の内視鏡の可撓管内部に挿通して用いられるものである。
【0051】
以下、本発明の可撓性可変装置について説明する。
図4は、可撓性可変装置の全体外観図、図5は、図4に示す可撓性可変装置の外観斜視図、図6は、内視鏡の処置具挿入口突起付近と、可撓性可変装置の操作機構部付近の拡大断面図、図7は、内視鏡に、可撓性可変装置を装着した状態の外観図、図8は、可撓性可変装置の曲げ剛性可変コイル部を挿入した内視鏡の処置具挿通チャンネル管の概略を示す図、図9は、曲げ剛性可変コイル部の先端部付近の拡大図である。なお、図8は、処置具挿通チャンネル管の構成例を示すことを目的として、簡素化して表した図であり、挿入部の内蔵物等の図示は省略されている。また、以下の説明では、図4、図6、図7、図8および図9中の左側を「基端」、右側を「先端」、上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0052】
図4に示すように、可撓性可変装置5は、処置具挿入口突起32の外側に位置する操作機構部501と、処置具挿通チャンネル管14等に挿入される曲げ剛性可変コイル部502とを有している。
【0053】
また、図6に示すように、操作機構部501内には、内側ベース筒503が設けられている。この内側ベース筒503は、外面テーパ突起504と、細密雄ネジ505とを有している。また、内側ベース筒503内には、スライダ移動空間506が形成されている。
【0054】
外面テーパ突起504の外周面は、外面テーパ突起504の基端側から先端側の方向に沿って、その外径が漸減する円錐状のテーパ外周面507として形成されており、この外面テーパ突起504の内部には、コイル収納孔(凹部)508が形成されている。
【0055】
内側ベース筒503の外周に設けた細密雄ネジ505には、着脱操作環510の内周面に形成した細密雌ネジ509が螺合しており、この細密雌ネジ509と細密雄ネジ505との関係によって、着脱操作環510を内側ベース筒503に対して回転させる(摺動させる)ことができる。細密雄ネジ505と、細密雌ネジ509とは、着脱操作環510を実質的に回転のみさせるように、すなわち、内側ベース筒503に対する着脱操作環510に軸線方向位置が大きく変化しないように、ネジの傾斜等が設定されている。
【0056】
なお、内側ベース筒503の外側には、内側ベース筒(円筒状ベース)503に対して外側ベース筒(円筒状ベース)511が固定されており、この外側ベース筒511の外周面にも一連の細密雄ネジ505が形成されている。すなわち、着脱操作環510は、内側ベース筒503と外側ベース筒511との両方の外周面に対して、周方向に回動可能に支持されている。
【0057】
また、着脱操作環510の内周面と、内側ベース筒503の外周面との間には、シリコーンゴム等の非通水性および弾性変形性を兼ね備えた材料からなるOリング(防水リング)530が配設され、着脱操作環510の内周面と、外側ベース筒511の外周面との間には、同様の非通水性および弾性変形性を兼ね備えた材料からなるOリング(防水リング)531が配設されている。これらのOリング530、531により、可動部材である着脱操作環510に対して、内側ベース筒503および外側ベース筒511の内側を液密に保つことができる。
【0058】
着脱操作環510には、さらに、外面テーパ突起504と略同心の筒状囲繞壁512が形成されている。
【0059】
筒状囲繞壁512の内面には、外面テーパ突起504のテーパ外周面507を囲む態様で、かつルアー口金部35の一対のフランジ突起37と螺合可能な二条ネジ(内面ネジ溝)513が形成されている。この二条ネジ513を含む筒状囲繞壁512および外面テーパ突起504は、処置具挿入口突起32のルアー口金部35に対して着脱可能なルアー口金受け部(可撓性可変装置着脱機構)514を構成している。
【0060】
外面テーパ突起504に形成したコイル収納孔508には、曲げ剛性可変コイル部502を構成するコイル(コイル体)515が挿入され、このコイル515の端面がコイル収納孔508の底面に当接している。コイル515は、自由状態で直線状をなす筒状コイルであり、その軸線方向に伸縮可能である。
【0061】
コイル515の外面は筒状防水カバー529によって覆われている。筒状防水カバー529は、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等の材料で構成されていて、非通水性と、可撓管部21の変形に対応する可撓性とを備えている。図6および図9に示すように、筒状防水カバー529は、コイル515の外面に同軸に位置しており、その長手方向にはコイル515の全体を覆っている。例えば、コイル515は、その基端部が外面テーパ突起504のコイル収納孔508内に嵌まっているが、筒状防水カバー529は、該コイル収納孔508内の領域までコイル515を覆っている。
【0062】
コイル515の中心部にはコイル牽引ワイヤ516が挿通されている。
このコイル牽引ワイヤ516は、コイル収納孔508に連通させて外面テーパ突起504(内側ベース筒503)内に形成した貫通孔517を通ってスライダ移動空間506内に延出されて、スライダ軸518に固定されている。スライダ軸518の外周には、固定ネジ519によってスライダ520が固定されている。スライダ移動空間506の内側面は非円形断面をなしており、スライダ520は、この非円形断面の内側面に係合する非円形の外面形状を有している。よって、スライダ520とスライダ軸518との結合体(ワイヤ牽引部材)は、スライダ移動空間506を、回転せずにコイル牽引ワイヤ516の延設方向(図6の左右方向)に移動することができる。
【0063】
スライダ軸518の基端部には雄ネジ521が設けられ、雄ネジ521は、外側ベース筒511の内側に設けた回転体522の雌ネジ523に螺合している。
【0064】
また、雄ネジ521および雌ネジ523の表面には、主としてTiNで構成された被覆層(図示せず)が形成されている。被覆層は、後に詳述するように優れた摺動性を有している。このため、雄ネジ521と雌ネジ523とを相対的に回転させた場合における摺動抵抗は小さく、ネジ部の回転操作の操作性に優れる。また、被覆層は、熱安定性、耐薬品性および耐摩耗性にも優れる。このため、可撓性可変装置5は、繰り返し使用しても、ネジ部(摺動部)における摺動性の低下を生じにくい。
【0065】
また、被覆層が形成された雄ネジ521または雌ネジ523のピッチをP[μm]、被覆層の平均厚さをT[μm]としたとき、2.5×10≦T/P≦1×1010の関係を満足する。
【0066】
T/Pが前記範囲内の値であると、ネジ部(摺動部)における摺動性は、特に優れたものとなる。
【0067】
一方、T/Pの値が2.5×10未満であると、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。また、T/Pの値が1×1010を超えると、外部から強い衝撃が加わった場合等に、被覆層の剥離を生じ易くなる。
【0068】
回転体522の外周面には細密雄ネジ524が形成されており、細密雄ネジ524は、可撓性調整操作環525の細密雌ネジ526と螺合固定している。
【0069】
また、細密雄ネジ524と細密雌ネジ526とは、可撓性調整操作環525を実質的に回転のみさせるように、すなわち外側ベース筒511(内側ベース筒503)に対する可撓性調整操作環525の軸線方向位置が大きく変化しないように、ネジの傾斜等が設定されている。
【0070】
可撓性調整操作環525は、着脱操作環510と略共通の回動中心によって回動される。すなわち、可撓性調整操作環525は、外側ベース筒511の外周面に対して周方向に回動可能に支持されており、可撓性調整操作環525の内周面と外側ベース筒511の外周面の間には、シリコーンゴム等の非通水性および弾性変形性を兼ね備えた材料からなるOリング(防水リング)532が配設されている。このOリング532により、可動部材である可撓性調整操作環525に対して、外側ベース筒511の内側を液密に保つことができる。
【0071】
また、可撓性調整操作環525は、その先端部付近において、外側ベース筒511と当接している。可撓性調整操作環525と外側ベース筒511とが当接する部位(当接部533、534)においては、可撓性調整操作環525および外側ベース筒511の表面に、それぞれ、前記と同様の被覆層(図示せず)が形成されている。
【0072】
このように、当接部533、534に、被覆層が形成されることにより、前記当接部位における摺動抵抗が減少する。その結果、可撓性調整操作環525の回動操作をより容易に行うことが可能となる。
【0073】
また、図9に示すように、コイル牽引ワイヤ516の先端部は、コイル515の先端部よりも若干突出しており、該ワイヤ先端部に、コイル515の外径と同程度の径の先端キャップ(コイル押圧部材)527が固定されている。先端キャップ527は、コイル515の先端部に係合しており、該先端キャップ527を介して、コイル牽引ワイヤ516の先端部に対するコイル515の先端位置が規制される。
【0074】
先端キャップ527は、非通水性材料で形成されており、先端キャップ527とコイル牽引ワイヤ516の先端部との間は非通水状態となるように塞がれている。また、先端キャップ527は、前述の筒状防水カバー529の先端部内面に対して非通水状態となるように固定される筒状のキャップ脚部528を有している。したがって、曲げ剛性可変コイル部502の先端部内側は、先端キャップ527と筒状防水カバー529とによって液密に保たれており、コイル515の内側への液体の浸入が防止される。なお、コイル牽引ワイヤ516は、先端キャップ527を介してコイル515に係合する以外には、コイル515に対して固定されていない。
【0075】
以上の可撓性可変装置5の着脱および使用の態様を説明する。
可撓性可変装置5を内視鏡1の処置具挿入口突起32に装着する際には、図3のように鉗子栓38を開けた状態で、処置具挿入口17から処置具挿通チャンネル管14内(処置具挿通チャンネル16)に、曲げ剛性可変コイル部502を挿入する。
【0076】
曲げ剛性可変コイル部502がある程度挿入されると、可撓性可変装置5の操作機構部501を構成するルアー口金受け部514(外面テーパ突起504、筒状囲繞壁512および二条ネジ513)が、処置具挿入口突起32のルアー口金部35に接近する。
【0077】
ここで、ルアー口金部35の一対のフランジ突起37を二条ネジ513にねじ込ませる方向に着脱操作環510を回転させる。すると、一対のフランジ突起37が二条ネジ513に螺合して案内され、ルアー口金受け部514がルアー口金部35へ接近する方向に移動する。その結果、ルアー口金受け部514側の外面テーパ突起504がルアー口金部35の処置具挿入口17内に挿入され、そのテーパ外周面507がルアー口金部35のテーパ内周面36に押し付けられて両テーパ面が密着する。つまり、一対のフランジ突起37を二条ネジ513に螺合させることによって、ルアー口金部35に対してルアー口金受け部514が圧入状態で結合され、図7に示すように、内視鏡1に対して、可撓性可変装置5が装着される。可撓性可変装置5を取り外す際には、着脱操作環510を装着時と反対方向に回転させればよい。すると、ルアー口金部35とルアー口金受け部514とは、二条ネジ513と一対のフランジ突起37にしたがって、互いの離間方向に案内され、テーパ内周面36とテーパ外周面507との密着状態が解除される。
【0078】
図8に示すように、可撓性可変装置5を装着した状態では、処置具挿通チャンネル管14内に挿入された曲げ剛性可変コイル部502は、その先端部が可撓管部21の先端部付近(湾曲部22の近傍)に位置している。ここで、可撓性調整操作環525を回動させることによって、可撓管部21の可撓性を変化させることが可能である。具体的には、次のような態様で可撓管部21の可撓性が変化する。
【0079】
可撓性調整操作環525が回動すると、該可撓性調整操作環525と共に回転体522が回転する。すると、回転体522に形成した雌ネジ523と、雄ネジ521との関係によって、スライダ軸518に軸線方向の移動力が付与される。ここで、スライダ軸518は、内側ベース筒503に対して回り止めされたスライダ520に固定されているため、スライダ軸518は回転することなく軸線方向にのみ移動する。スライダ軸518が移動すると、該スライダ軸518に固定されたコイル牽引ワイヤ516が押し引きされ、その結果コイル515が伸縮する。例えば、図6中の左方向にスライダ軸518が移動すると、コイル515に対して固定されたコイル牽引ワイヤ516の先端部が、該コイル515を縮める方向に移動する。コイル515は、圧縮されると曲がりにくく(硬く)なり、伸ばされると(圧縮を解除すると)曲がりやすく(柔らかく)なる特性を有しているため、圧縮されたコイル515は、自由状態に比して曲げ剛性が増して曲がりにくくなる。よって、コイル515を内部に位置させている可撓管部21の硬度も増す。コイル515の曲げ剛性、すなわち可撓管部21の硬化の程度は、可撓性調整操作環525の回動操作量によって調整することができる。なお、曲げ剛性可変コイル部502は、湾曲部22内までは達していないため、可撓管部21の可撓性が変化しても湾曲部22の硬さ、すなわち湾曲操作性には影響しない。
【0080】
可撓管部21の硬化状態を解除するには、硬化操作時と逆方向に可撓性調整操作環525を回動させる。すると、コイル515の先端部に対する圧縮方向への力が解除または減少されるので、その分だけコイル515が伸びて曲げ剛性が低下する。コイル515が自由状態になるまで可撓性調整操作環525を操作すると、可撓管部21は最も柔軟になる。
【0081】
ところで、本実施形態では、雄ネジ521、雌ネジ523の表面および当接部533、534に、主としてTiNで構成された被覆層が形成されている。このため、可撓性調整操作環525の回動操作を容易に行うことが可能である。また、被覆層は、熱安定性、耐薬品性および耐摩耗性にも優れているため、可撓性可変装置5を繰り返し使用しても、可撓性調整操作環525の操作性が低下し難い。
【0082】
なお、可撓性可変装置5では、着脱操作環510と可撓性調整操作環525は略共通の回動中心で回動可能であるが、可撓性調整操作環525による可撓管部21の硬化用の回動操作方向と、前述した着脱操作環510による可撓性可変装置5の装着用の回動操作方向が同じになるように設定されている。すなわち、図7において着脱操作環510をA方向に回動させたときに、前述したルアー口金の結合(ルアーロック)が生じる場合には、可撓性調整操作環525の同A方向の回動ではコイル515の圧縮が生じるように、操作機構部501内のネジ方向等が設定されている。このように、各操作環510、525における可撓性可変装置5の装着操作方向と可撓管部21の硬化操作方向を同じにすることで、硬化操作時にルアーロックが緩んでしまうおそれがなくなり、好ましい。もちろん、着脱操作環510のB方向への回動で可撓性可変装置5が固定されるようにし、可撓性調整操作環525の同B方向の回動でコイル515が硬化されるようにしてもよい。
【0083】
以上のように、可撓管部21の可撓性を調整するための可撓性可変装置5を処置具挿入口突起32に対して装着することで、可撓性可変状態になるので、鉗子等の処置具を扱う場合と同様に、内視鏡の操作者が単独で可撓性の調整を行うことが可能であり、操作性が良い。また、可撓性可変装置5は内視鏡1とは、別部材であるため、可撓性調整用の複雑な機構を新規に内視鏡内に配設する必要がなく、構造が簡略で汎用性が高い。特に、本実施形態の可撓性可変装置5は、処置具挿入口突起に処置具着脱用の口金構造を備えたタイプの内視鏡に対しては、内視鏡側に特別な改造や変更を加えることなく装着することができる。
【0084】
なお、内視鏡による検査時には、挿入可能な範囲において最奥部まで挿入部を挿入し、挿入部を抜く方向に移動させながら観察、処置を行うのが一般的である。一方、挿入部(可撓管部)を硬化させる主たる目的は、挿入時の作業性を向上させるためである。そのため、挿入時には可撓性可変装置5を装着して可撓管部21の可撓性を適宜調整し、最奥まで挿入されたら可撓性可変装置5を取り外して、処置具挿通チャンネル管14に鉗子や高周波焼灼処置具等を挿入することが可能である。つまり、可撓性可変装置5は、その使用時には処置具挿通チャンネル管14を塞ぐものであるが、観察、処置の段階では取り外すことができるので、内視鏡1に関して実用上の問題はない。
【0085】
そして、可撓性可変装置5は防水構造を有しているため、内部に汚物が入りにくく、使用後の洗浄が容易である。具体的には、曲げ剛性可変コイル部502は、筒状防水カバー529で覆うことにより内側が液密にされており、かつ先端部も先端キャップ527を介して液密にされているので、汚物が筒状防水カバー529に付着しても、該筒状防水カバー529より内側には入らず、コイル515やその内部のコイル牽引ワイヤ516には汚物が付着しない。可撓性可変装置5の使用後には、筒状防水カバー529の外面に付着した汚物を取り除く手間がかからない。また、可撓性可変装置5の洗浄時には、洗浄液が筒状防水カバー529よりも内側に入らないので、コイル515の内側まで洗浄液に浸す場合に比して乾燥が早く、洗浄後の収納作業も迅速に行うことができる。さらに、筒状防水カバー529によって保護されるため、使用時や洗浄時において、コイル515やコイル牽引ワイヤ516の劣化や損傷を防ぐことができる。
【0086】
特に、曲げ剛性可変コイル部502が挿入される処置具挿通チャンネル管14は、処置具挿通チャンネル出口18に連通しているため、処置具挿通チャンネル出口18から体液やその他の汚物が入り込む可能性がある。しかし、前述の通り、曲げ剛性可変コイル部502は、筒状防水カバー529と先端キャップ527によって覆われているため、処置具挿通チャンネル管14内に入り込む体液や汚物に対して、コイル515やコイル牽引ワイヤ516を常に非接触にさせることができる。
【0087】
また、可撓性可変装置5では、曲げ剛性可変コイル部502のみならず操作機構部501も液密構造となっているため、全体を一括して洗浄することができ、使用後の洗浄作業性がさらに優れている。具体的には、操作機構部501の本体部分を構成する内側ベース筒503や外側ベース筒511と、該本体部分の外側に回動可能に支持された着脱操作環510や可撓性調整操作環525の間に、前述の複数のOリング530、531および532が設けられており、各Oリングによって操作機構部501の本体部分を構成するベース部材503、511の内側が液密に保たれている。そのため、曲げ剛性可変コイル部502と同様に、使用時には操作機構部501内に汚物が入り込むおそれがない。また、洗浄時には、操作機構部501を洗浄液に浸しても内部まで洗浄液が浸入しないので迅速に乾燥させて収納することができる。
【0088】
以上説明したように、本発明は、摺動部の表面の少なくとも一部に、主としてTiNで構成された被覆層を有する点に特徴を有する。
【0089】
以下、被覆層について詳述する。
被覆層は、主としてTiNで構成されている。このような被覆層は、以下に示すような利点を有する。
【0090】
1.潤滑性
主としてTiNで構成された被覆層は、優れた潤滑性(摺動性)を有する。したがって、被覆層が形成されることにより、摺動部における摺動抵抗が減少し、可撓性可変装置の操作性を優れたものとすることができる。
【0091】
潤滑性を示す指標としては、例えば、JIS R 1613に準じて測定されるボールオンディスク法での摩擦係数μ等が挙げられる。相手材としてWC製のボールを用いたボールオンディスク法を、摺動速度:100mm/秒、荷重:3Nの条件で行ったときに測定される被覆層の摩擦係数μは、0.05〜0.4程度であるのが好ましく、0.05〜0.3程度であるのがより好ましく、0.05〜0.2程度であるのがさらに好ましい。被覆層の摩擦係数μがこのような範囲の値であると、摺動部における摺動抵抗をより効果的に低減させることができる。
【0092】
2.耐薬品性
主としてTiNで構成された被覆層は、耐薬品性に優れている。
【0093】
可撓性可変装置は、過酸化水素系消毒液等を用いた高度な滅菌に供されることがあるが、そのような薬品に接触しても、被覆層は、変質、劣化しにくい。
【0094】
したがって、主としてTiNで構成された被覆層を有する可撓性可変装置は、消毒薬等の薬品に日常的に接触する環境下でも、劣化することなく長期にわたって使用することが可能になる。
【0095】
3.耐熱性
主としてTiNで構成された被覆層は、耐熱性に優れている。
【0096】
可撓性可変装置は、高温高圧の水蒸気を用いた水蒸気滅菌(高圧蒸気滅菌)に供されることがあるが、このような被覆層を有する可撓性可変装置は、高度な滅菌を繰り返し行っても劣化しにくくなり、このような滅菌に繰り返し供することができる。
【0097】
4.耐摩耗性
主としてTiNで構成された被覆層は、耐摩耗性に優れている。このため、長期間にわたって、安定した摺動特性が得られる。また、摩耗による粉塵が発生し難いため、外部に開放したネジ部(摺動部)にも適用することができる。
【0098】
このように、主としてTiNで構成された被覆層は、前記4つの優れた利点を有し、これらの相乗効果により、繰り返し使用しても、摺動部における摺動性の低下を生じ難い可撓性可変装置が提供される。
【0099】
また、TiNは、生体侵害性が非常に低いため、生体と接触する可能性のある摺動部にも、被覆層を形成することができる。
【0100】
このような被覆層は、いかなる方法で形成されたものであってもよいが、気相成膜法で形成されたものであるのが好ましく、この中でも特に、熱CVD、プラズマCVD(RFプラズマCVD、ECRプラズマCVD等)、レーザーCVDなどの化学蒸着法(CVD)、化学スパッタリング、物理スパッタリングなどのスパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、イオンビームミキシングのうちいずれかの方法で形成されたものであるのが好ましい。これらの方法を用いることにより、ムラの少ない均質な被覆層を比較的容易に得ることができる。
【0101】
以下、イオンプレーティング(アークイオンプレーティング法)による被覆層の形成方法の一例について説明する。
【0102】
まず、被覆層を被覆すべき部材を、イオンプレーティング装置の炉内にセットする。
【0103】
次に、イオンプレーティング装置の炉内を減圧し、前記部材を加熱する。
このとき、イオンプレーティング装置の炉内の圧力は、5×10−3〜1×10−3Torr程度であるのが好ましい。また、前記部材の温度は、前記部材の構成材料等により若干異なるが、200〜600℃程度であるのが好ましい。
【0104】
その後、前記部材にバイアス電圧を印加し、陰極のTiターゲットと陽極との間で真空アーク放電を発生させることによりTiを蒸気化、イオン化させるとともに、プロセスガスである窒素ガスを導入して、メタルボンバードを所定時間行うことにより、被覆層を形成する。
【0105】
前記部材に印加するバイアス電圧は、特に限定されないが、−0.5〜−5V程度であるのが好ましい。また、このときのイオンプレーティング装置の炉内の圧力は、5×10−3〜1×10−2Torr程度であるのが好ましい。
【0106】
被覆層の成膜速度は、特に限定されないが、0.1〜50μm/hであるのが好ましく、0.1〜30μm/hであるのがより好ましい。被覆層の成膜速度が前記下限値未満であると、成膜に時間がかかり、内視鏡1の生産性が低下する。一方、被覆層の成膜速度が上限値を超えると、被覆層の厚さのバラツキが大きくなり易い。
【0107】
以上のようにして形成される被覆層の厚さは、特に限定されないが、0.01〜10μmであるのが好ましく、0.01〜5μmであるのがより好ましく、0.5〜4μmであるのがさらに好ましい。被覆層の厚さが前記下限値未満であると、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。一方、被覆層の厚さが前記上限値を超えると、被覆層の形成部位に対する、被覆層の密着性が低下する傾向を示す。
【0108】
以上説明したように本発明では、被覆層は、主としてTiNで構成されているものであればいかなるものであってもよいが、少なくとも、その表面付近に塩素イオンを含むものであるのが好ましい。これにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
【0109】
塩素イオンは、いかなる方法で導入されたものであってもよいが、上記のようにして形成された、主としてTiNで構成された膜に対し、イオン注入を施すことにより導入されたものであるのが好ましい。これにより、被覆層の各部位でのイオン濃度を容易に制御することが可能となる。その結果、特に潤滑性に優れた被覆層を、容易に形成することが可能となる。
【0110】
イオン注入に用いるイオン源は、塩素イオンを発生するものであればいかなるものであってもよいが、例えば、塩素ガス、三塩化アルミニウム等が挙げられる。
【0111】
また、イオン注入時の加速エネルギーは、イオン源等により若干異なるが、10000〜1000000eVであるのが好ましく、50000〜200000eVであるのがより好ましい。
【0112】
被覆層が塩素イオンを含むものである場合、被覆層の表面における塩素イオン濃度は、特に限定されないが、2×1016〜1×1017[ions/cm2]であるのが好ましく、5×1016〜1×1017[ions/cm2]であるのがより好ましい。
【0113】
被覆層の表面における塩素イオン濃度が前記範囲内の値であると、上述した効果(特に、潤滑性)がより顕著なものとなる。
【0114】
なお、本実施形態では、塩素イオンは、イオン注入により導入されるものとして説明したが、塩素イオンの導入方法はいかなるものであってもよい。被覆層に含まれる塩素イオンは、例えば、上記のような気相成膜法を、塩素イオン源の存在下で行うことにより、導入されるものであってもよい。
【0115】
また、被覆層の表面の少なくとも一部に、潤滑剤(図示せず)が配されていてもよい。これにより、摺動部における摺動性がさらに向上する。
【0116】
潤滑剤は、例えば、固形状(粉末状)、オイル状等、いかなる形態のものであってもよいが、オイル状のものであるのが好ましい。潤滑剤としてオイル状のものを用いることにより、潤滑剤を目的とする部位に長期間にわたって、安定して保持することができる。これにより、摺動部における摺動性の低下をさらに効果的に防止することができる。
【0117】
オイル状の潤滑剤としては、例えば、シリコーンオイル、グリース等が挙げられる。
【0118】
また、潤滑剤中には、例えば、耐熱向上剤、着色剤、金属石鹸、炭酸カルシウム、シリカ等の各種添加剤等が含まれていてもよい。
【0119】
このような効果は、被覆層、潤滑剤の組成等を適宜選択することにより、さらに顕著なものとなる。
【0120】
以上、本発明の可撓性可変装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、前述した実施形態では、防水型の可撓性可変装置について説明したが、非防水型の可撓性可変装置であってもよい。
【0121】
また、被覆層は、着脱操作環を回転させることにより摺動する摺動部(例えば、細密雄ネジ505、細密雌ネジ509の表面)に形成されていてもよい。これにより、内視鏡への可撓性可変装置の着脱操作を容易に行うことが可能となる。
【0123】
また、前述した実施形態では、TiNで構成された被覆層は、摺動部の表面の全体に形成されたものとして説明したが、摺動部の表面の少なくとも一部に形成されていればよい。
【0124】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0125】
1.可撓性可変装置の作製
(実施例1)
図4〜図6、図9に示すような可撓性可変装置を作製した。外側ベース筒511、雄ネジ521、回転体522、可撓性調整操作環525の構成材料としては、ステンレス(SUS304)を用いた。なお、曲げ剛性可変コイル部の長さは、1.6mであった。
【0126】
被覆層は、TiNで構成されたものとし、雄ネジ521、雌ネジ523、当接部533、534の全面に形成した。被覆層の形成は、イオンプレーティングにより行った。
【0127】
このイオンプレーティングは、以下のようにして行った。
まず、被覆層を被覆すべき部材を、イオンプレーティング装置の炉内にセットした。
【0128】
次に、イオンプレーティング装置の炉内を減圧し、前記部材を加熱した。
このとき、イオンプレーティング装置の炉内の圧力は、5×10−3Torrであった。また、被覆層を被覆すべき部材の温度は、400℃であった。
【0129】
その後、被覆層を被覆すべき部材にバイアス電圧を印加し、陰極のTiターゲットと陽極との間で真空アーク放電を発生させることによりTiを蒸気化、イオン化させるとともに、プロセスガスである窒素ガスを導入して、メタルボンバードを所定時間行うことにより、被覆層を形成した。
【0130】
前記部材に印加したバイアス電圧は、−2Vであった。また、このときのイオンプレーティング装置の炉内の圧力は、5×10−3Torrであった。
【0131】
また、被覆層の成膜速度は、1μm/hであった。
このようにして形成された被覆層の平均厚さは、1μmであった。
【0132】
(実施例2)
被覆層の表面のほぼ全体に、潤滑剤を配した以外は、前記実施例1と同様にして可撓性可変装置を作製した。潤滑剤としては、フッ素変性シリコーンオイルを用いた。
【0133】
(実施例3)
イオンプレーティングにより形成したTiN膜に塩素イオン注入を行ったものを、被覆層とした以外は、前記実施例1と同様にして可撓性可変装置を作製した。
【0134】
この塩素イオン注入は、以下のようにして行った。
まず、イオン源として、純度99.99%の三塩化アルミニウムを用意した。
【0135】
この三塩化アルミニウムをイオン注入装置内で気化させた。この気化した三塩化アルミニウムをイオン化させ、質量分離し、一価の塩化イオンのみ選択し、これをTiN膜に注入し、塩素イオンが注入されたTiN膜で構成された被覆層を得た。
【0136】
このときの加速エネルギーは、100000eV、平均イオンビーム電流密度は、4μA/cmであった。
【0137】
このようにして形成された被覆層の表面における塩素イオン濃度は、1×1017[ions/cm2]であった。
【0138】
(実施例4)
被覆層の平均厚さを0.1μmとした以外は、前記実施例3と同様にして可撓性可変装置を作製した。
【0139】
(実施例5)
被覆層の平均厚さを3μmとした以外は、前記実施例3と同様にして可撓性可変装置を作製した。
【0140】
(実施例6)
被覆層の平均厚さを10μmとした以外は、前記実施例3と同様にして可撓性可変装置を作製した。
【0141】
(実施例7)
被覆層の表面のほぼ全体に、潤滑剤を配した以外は、前記実施例3と同様にして可撓性可変装置を作製した。潤滑剤としては、フッ素変性シリコーンオイルを用いた。
【0142】
(実施例8)
被覆層の平均厚さを0.1μmとした以外は、前記実施例7と同様にして可撓性可変装置を作製した。
【0143】
(実施例9)
被覆層の平均厚さを3μmとした以外は、実施例7と同様にして可撓性可変装置を作製した。
【0144】
(実施例10)
被覆層の平均厚さを10μmとした以外は、実施例7と同様にして可撓性可変装置を作製した。
【0145】
(実施例11〜13)
被覆層の表面における塩素イオン濃度を、それぞれ、表1に示す通りにした以外は、前記実施例7と同様にして可撓性可変装置を作製した。
【0146】
(比較例1)
被覆層を形成しなかった以外は、前記実施例1と同様にして可撓性可変装置を作製した。
【0147】
(比較例2)
摺動部の表面のほぼ全体に、潤滑剤を配した以外は、前記比較例1と同様にして可撓性可変装置を作製した。潤滑剤としては、フッ素変性シリコーンオイルを用いた。
【0148】
2.評価
<摩擦係数の評価>
まず、TiN膜、および塩素イオン注入されたTiN膜の摩擦係数についての評価を行った。
【0149】
摩擦係数を評価する指標としては、JIS R 1613に準じて測定されるボールオンディスク法での摩擦係数μを用いた。
【0150】
ボールオンディスク法での摩擦係数の測定は、以下のような条件で行った。
まず、複数枚のSUS304製のディスクを用意し、これらのディスクの上面に、それぞれ、実施例1〜実施例6と同様な条件で、Ti膜または塩素イオン注入されたTiN膜(以下、単に「TiN膜」という)を形成した。TiN膜が形成されたディスク(直径40mm×厚さ5mm)と、WC製のボール(直径10mm)とを用い、摺動速度:100mm/秒、荷重:3Nの条件で、摩擦係数μ(初期、中期および終期における摩擦係数μ)の測定を行った。ボールオンディスク型摩擦摩耗試験機としては、Centre Suisse D'Electronique et de Microtechnique SA社製「CSEM TRIBOMETER」を用いた。
【0151】
その結果、TiN膜の摩擦係数μの測定値は、いずれも0.05〜0.4の範囲の値であった。
【0152】
<可撓性調整操作環の操作性の評価>
各実施例および各比較例で得られた各可撓性可変装置を用いて、以下のような評価を行った。
【0153】
まず、図1に示すような内視鏡を用意し、処置具挿入口突起32から、可撓性可変装置を処置具挿通チャンネル管14内に挿入した。
【0154】
次に、ルアー口金部35の一対のフランジ突起37が二条ネジ513にねじ込まれる方向に、着脱操作環510を回転させることにより、可撓性可変装置を内視鏡に装着した。
【0155】
その後、可撓性調整操作環525を、図7中、A方向、B方向に交互に回動させた。この操作を1500回繰り返し行った。100回目および1500回目の回動操作時における可撓性調整操作環525の操作性を以下の4段階の基準に従って評価した。
◎:トルクが軽く非常に良好。
○:トルクが軽く良好。
△:やや重いが使用可能。
×:引っ掛かりが多く、使用に適さない。
【0156】
その後、可撓性可変装置を内視鏡から取り外し、過酸化水素プラズマ滅菌および高圧蒸気滅菌を施した。
【0157】
過酸化水素プラズマ滅菌は、ガスプラズマ滅菌装置(ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル社製「STERRAD」)を用いて、約75分間かけて行った。
【0158】
また、高圧蒸気滅菌は、プレバキュームタイプのオートクレーブを用いて、121℃×10分間という条件で行った。
【0159】
このような過酸化水素プラズマ滅菌および高圧蒸気滅菌を、交互に繰り返し行った(各100回)。
【0160】
その後、可撓性調整操作環525を、前記と同様にして回動させた。1500回目(滅菌処理前の回動操作を含めて3000回目)の回動操作時における可撓性調整操作環525の操作性を前記と同様にして評価した。
【0161】
これらの結果を表1に示す。なお、表1には、各可撓性可変装置の被覆層、潤滑剤の条件も併せて示す。
【0162】
【表1】
Figure 0003989722
【0163】
表1から明らかなように、本発明の可撓性可変装置(内視鏡関連品)は、いずれも、可撓性調整操作環の操作性に優れており、滅菌処理を繰り返し行った後も優れた操作性が維持されていた。これは、本発明の可撓性可変装置(内視鏡関連品)は、摺動部における摺動性が優れており、繰り返し使用しても、摺動性が低下し難いためであると考えられる。
【0164】
これに対し、比較例の可撓性可変装置は、可撓性調整操作環の操作性に劣っていた。
【0165】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、繰り返し使用しても、摺動部における摺動性の低下を生じ難く、使用後の洗浄が容易である可撓性可変装置を得ることができる。
【0166】
また、耐薬品性、耐熱性にも優れるため、高圧蒸気滅菌や、過酸化水素系消毒液等を用いた高度な滅菌などが繰り返し可能な可撓性可変装置を得ることができる。
【0167】
また、被覆層が耐摩耗性に優れるため、前述したような効果を長期間にわたって維持することができる。すなわち、優れた耐久性を有する可撓性可変装置を得ることができる。
【0168】
このような効果は、被覆層の平均厚さ、組成等を適宜選択することにより、さらに顕著なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子内視鏡を示す全体図である。
【図2】図1中のX−X線横断面図である。
【図3】図1に示す内視鏡の処置具挿入口突起付近の拡大図である。
【図4】可撓性可変装置の全体外観図である。
【図5】図4に示す可撓性可変装置の外観斜視図である。
【図6】内視鏡の処置具挿入口突起付近と、可撓性可変装置の操作機構部付近の拡大断面図である。
【図7】内視鏡に、可撓性可変装置を装着した状態の外観図である。
【図8】可撓性可変装置の曲げ剛性可変コイル部を挿入した内視鏡の処置具挿通チャンネル管の概略を示す図である。
【図9】曲げ剛性可変コイル部の先端部付近の拡大図である。
【符号の説明】
1 内視鏡
11 ライトガイドファイバーバンドル
12 画像信号ケーブル
13 湾曲操作ワイヤ
14 処置具挿通チャンネル管
15 送気・送水用チューブ
16 処置具挿通チャンネル
17 処置具挿入口
18 処置具挿通チャンネル出口
2 挿入部
21 可撓管部
22 湾曲部
23 螺旋管
24 網状管
25 可撓管外皮
26 中心軸
3 操作部
31A、31B 湾曲操作ノブ
32 処置具挿入口突起
33 送気・送水ボタン
34 吸引ボタン
35 ルアー口金部
36 テーパ内周面
37 フランジ突起
38 鉗子栓
5 可撓性可変装置
501 操作機構部
502 曲げ剛性可変コイル部
503 内側ベース筒
504 外面テーパ突起
505 細密雄ネジ
506 スライダ移動空間
507 テーパ外周面
508 コイル収納孔
509 細密雌ネジ
510 着脱操作環
511 外側ベース筒
512 筒状囲繞壁
513 二条ネジ
514 ルアー口金受け部
515 コイル
516 コイル牽引ワイヤ
517 貫通孔
518 スライダ軸
519 固定ネジ
520 スライダ
521 雄ネジ
522 回転体
523 雌ネジ
524 細密雄ネジ
525 可撓性調整操作環
526 細密雌ネジ
527 先端キャップ
528 キャップ脚部
529 筒状防水カバー
530 Oリング
531 Oリング
532 Oリング
533 当接部
534 当接部
7 ユニバーサルチューブ
8 コネクタ部
81 光源差込部
82 画像信号用コネクタ

Claims (11)

  1. ネジ部を有する可撓性可変装置であって、
    前記ネジ部を構成する雄ネジおよび/または雌ネジの表面の少なくとも一部に、主としてTiNで構成された被覆層が形成されており、
    前記雄ネジまたは前記雌ネジのピッチをP[μm]、前記被覆層の平均厚さをT[μm]としたとき、2.5×10≦T/P≦1×1010の関係を満足するものであり、
    可撓性可変装置は、内視鏡の可撓管内部に挿通し、前記可撓管の曲げ剛性を変化させる曲げ剛性可変コイル部を有し、
    前記曲げ剛性可変コイル部が、自由状態で直線状をなし、軸線方向への伸縮により曲げ剛性を変化させるコイル体と、
    前記コイル体の外面に同軸に位置し、内部を液密にする非通水性の筒状防水カバーとを有することを特徴とする可撓性可変装置。
  2. 相手材としてWC製のボールを用いたボールオンディスク法を、摺動速度:100mm/秒、荷重:3Nの条件で行ったときに測定される前記被覆層の摩擦係数μは、0.05〜0.4である請求項1に記載の可撓性可変装置。
  3. 前記被覆層は、少なくともその表面付近に、塩素イオンを含むものである請求項1または2に記載の可撓性可変装置。
  4. 前記被覆層は、少なくともその表面付近に、塩素イオンがイオン注入されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載の可撓性可変装置。
  5. 前記被覆層の表面における塩素イオン濃度は、2×1016〜1×1017[ions/cm2]である請求項3または4に記載の可撓性可変装置。
  6. 前記被覆層は、気相成膜法により形成されたものである請求項1ないし5のいずれかに記載の可撓性可変装置。
  7. 前記気相成膜法は、化学蒸着法(CVD)、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、イオンビームミキシングの中から選択されるいずれかの方法である請求項6に記載の可撓性可変装置。
  8. 前記被覆層の平均厚さは、0.01〜10μmである請求項1ないし7のいずれかに記載の可撓性可変装置。
  9. 前記被覆層の表面の少なくとも一部に潤滑剤が配されている請求項1ないし8のいずれかに記載の可撓性可変装置。
  10. 前記潤滑剤は、オイル状物質である請求項9に記載の可撓性可変装置。
  11. 前記オイル状物質は、シリコーンオイル、グリースのうち少なくとも1種を含むものである請求項10に記載の可撓性可変装置。
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