JP3989125B2 - 作業車両の変速装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ等の作業車両の変速装置に関するものであり、特にメインクラッチの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
H−Lの変速機構を有する変速に機構においては、主クラッチ、低速側クラッチ、高速側クラッチの3つのクラッチが配設されており、それぞれの断接が制御される。H−Lの変速の変速の切換えは、変速レバーにより行われており、変速レバーが高速側である場合には高速側クラッチが、変速レバーが低速側である場合には低速側クラッチが接続される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の技術において、主クラッチ、低速側クラッチおよび高速側クラッチと制御すべきクラッチが3つあり、変速機構の組み立ておよび整備に多くの労力を必要とする。また、各クラッチについてそれぞれ制御機構を必要とし、制御機構自体が複雑となるとともに、操作自体が煩雑なものとなる。変速レバーの位置により、低速側クラッチおよび高速側クラッチの切換えが行われるため、変速側レバーを高速側に位置させ、発進する場合などは高速側クラッチに高負荷がかかる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解消すべく、本発明は次のような手段により、課題を解決するものである。
【0005】
請求項1においては、高速−低速変速用の湿式多板方式の主クラッチ(A)と油圧クラッチ(B)を具備し、該主クラッチ(A)は、主クラッチの役目と高速−低速変速用の低速油圧クラッチの役目を兼務し、油圧クラッチ(B)は高速用の油圧クラッチとし、該主クラッチ(A)と油圧クラッチ(B)の動力伝達回路の前段に乾式多板方式のつれまい防止クラッチ(50)を配置し、油圧制御機構は、圧油の供給側から順に、クラッチバルブ(43)、油圧制御バルブ(42)、 H−L切換バルブ(44)と配置し、分岐した油路につれまい防止バルブ(45)を配置した作業車両の変速装置において、前記クラッチバルブ(43)には、油圧制御バルブ(42)に圧油を直接供給する油路、絞りを介して供給する油路、供給を遮断する油路の3種の油路を設け、前記油圧制御バルブ(42)は変速レバー(91)により操作され、低・高の油路とH−L切換時に作動する過渡状態油路の3種の油路を設け、該油圧制御バルブ(42)が低もしくは高の場合には、該油圧制御バルブ(42)を介して圧油をH−L切換バルブ(44)に供給し、前記H−L切換バルブ(44)はソレノイドバルブにより自動制御し、主クラッチ(A)若しくは油圧クラッチ(B)の何れかに作動油を供給できる構成とし、前記つれまい防止バルブ(45)はソレノイドバルブにより構成し、該クラッチペダル(111)の踏み込みに連動し、つれまい防止クラッチ(50)の断接を制御し、前記クラッチペダル(111)の踏み込みと、クラッチバルブ(43)とつれまい防止バルブ(45)を連動し、該クラッチペダル(111)の回動位置を認識し、該クラッチペダル(111)のストロークを、該クラッチペダル(111)の最大踏み込み位置を角度0°として、該クラッチペダル(111)の踏み込み量が少なくなるにつれ、主クラッチ(A)の接続圧力は大きくなるように構成し、前記角度0°より接続圧力が発生するまでを「つれまい防止クラッチ切りストローク(D3)」とし、該「つれまい防止クラッチ切りストローク(D3)」の後に接続圧力が充分に大きくなるまでを「インチングストローク(D2)」とし、以降を「H−Lの切換のストローク(D1)」の3段階とし、該クラッチペダル(111)が「つれまい防止クラッチ切りストローク(D3)」の位置では、主クラッチ(A)の圧力をほぼ0とし、つれまい防止クラッチ(50)を切断し、駆動力の伝達が完全に遮断し、該クラッチペダル(111)が、「インチングストローク(D2)」と「つれまい防止クラッチ切りストローク(D3)」の位置にあり、変速レバー(91)により油圧制御バルブ(42)が高速側にある時には、H−L切換バルブ(44)のソレノイドが通電状態となり、油圧クラッチ(B)から主クラッチ(A)に油路が切換わり、クラッチバルブ(43)の移動量に応じ て、圧油が主クラッチ(A)に徐々に供給され、主クラッチ(A)が急激に接続されることなくインチング状態となり、該クラッチペダル(111)の位置が、「H−Lの切換のストローク(D1)」の位置では、該変速レバー(91)が高速の位置にある時は、H−L切換バルブ(44)のソレノイドの通電が解除され圧油が油圧クラッチ(B)に流れて高速となるものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の作業車両の変速装置において、高速−低速の切換のための変速レバー(91)が高速側に位置された場合に、発進時およびクラッチ接続の初期の段階では、強制的に主クラッチ(A)を作動させ、低速側で駆動した後に高速側クラッチにシフトさせるものである。
【0007】
請求項3においては、請求項1記載の作業車両の変速装置において、湿式多板式の主クラッチ(A)は、同じく湿式多板式の油圧クラッチ装置(B)よりもクラッチ容量を大としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、本明細書及び添付された図面の記載事項全体から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に広く及ぶものである。図1は作業車両の側面図、図2はクラッチ機構を示す側面断面図、図3は同じく正面断面図、図4は主クラッチの側面断面図、図5は高速側の油圧クラッチ装置の側面断面図、図6は主クラッチに作動油を供給する際の油圧回路図、図7は高速側油圧クラッチに作動油を供給する際の油圧回路図、図8は変速レバーが高速側にある状態での発進時に一時的に主クラッチに作動油を供給する際の油圧回路図、図9は油圧制御弁を用いた場合のH−L切換時における油圧クラッチの圧力変動を示す図、図10は本発明の他の実施例である油圧回路を示す図、図11は他の実施例におけるH−L切換時の油圧クラッチの圧力変動を示す図、図12は変速機構およびクラッチ制御機構を示す側面一部断面図、図13はクラッチペダルおよびスイッチの配置構成を示す側面図、図14はコントロールバルブの側面断面図、図15は同じく反対面の側面断面図、図16はスローリターンチェックバルブの配置構成を示す側面断面図、図17はスローリターンチェックバルブの構成を示す側面断面図、図18は同じく平面図、図19はクラッチの接続圧力とクラッチペダルの回動角度の関係を示す図、図20は他の実施例であるクラッチの接続圧力とクラッチペダルの回動角度の関係を示す図、図21は分割されたストロークとスイッチの対応の一例を示す図である。
【0009】
まず、本発明のキャビンを装着した作業車両の全体構成について、図1により説明する。前後に前輪2、後輪3を懸架する本機の前部にボンネット4を配設し、該ボンネット4にはエンジン5を内蔵している。ボンネット4の後方にはステアリングハンドル6を設けて、該ステアリングハンドル6の後方にはシート7を配設している。ステアリングハンドル6及びシート7は、キャビン8によって覆われている。
【0010】
エンジン5の後方には、クラッチハウジング101、ミッションケース201およびアクスルケース202が連結している。このクラッチハウジング101の後方にはミッションケース201が連結しており、ミッションケース201の後方にはアクスルケース202が接続されている。エンジン5からの動力は、クラッチケース101内の動力伝達機構において、断続および高速駆動および低速駆動の制御が行われ、このクラッチケース101内の動力伝達機構を介してエンジン5からの駆動力がミッションケース201内に配設された変速機構に伝達される。ミッションケース202内において変速された駆動力はアクスルケース202に伝達され、該アクスルケース202を介して後輪3が駆動される。
【0011】
次にクラッチの構成について、図2乃至図5において説明する。クラッチハウジング101は前部をエンジンに固設し、後部をミッションケースに固設している。エンジンのクランクシャフトの後端にフライホイール28が固設されている。フライホイール28にショックアブソーバ装置を介して入力軸9が固設されている。入力軸9の先端はフライホイール28の中央の軸受に支持されている。入力軸9は常時回転されているが、リアアクスルケース内に油圧クラッチ式のPTOクラッチ装置が設けられており、ここで断接が行われる。
【0012】
フライホイール28に間座29が固設され、この間座29の後面につれまい防止クラッチ50が押し付けられている。このつれまい防止クラッチ50への押し付けをやめることにより、エンジンよりの駆動力を断つことができる。つれまい防止クラッチ50の接断はクラッチペダルの踏み込みにより、後述するアクチュエータ81に接続したリンク15を介してベルクランク16が枢支軸17を中心に回動し、摺動筒18を前後へ摺動する。
摺動筒18にクラッチレリーズベアリング20が設けられており、このクラッチレリーズベアリング20によりアーム30・30を回動し、つれまい防止クラッチ50の断接を行う。
【0013】
つれまい防止クラッチ50が間座29に押し付けられている状態においては、駆動力が走行駆動軸10に伝えられ、筒軸である走行駆動軸10の回転はキーになって連結された固設歯車と油圧クラッチである主クラッチAの油圧クラッチケース2へ伝えられる。また、駆動力はつれまい防止クラッチ50のショックアブソーバ装置を介して走行駆動軸10に伝えられるため、接続時の衝撃を緩和できるとともに、エンジンの駆動力の急激な変動を吸収できる。また、つれまい防止クラッチ50を構成するクラッチとしては、本実施例にあげる乾式単板のものだけではなく、かみ合いクラッチであるジョークラッチ、ツースクラッチ、歯車クラッチおよび摩擦クラッチである乾式多板クラッチ、円錐クラッチ、ドラムクラッチ、ラップスプリングクラッチ、遠心クラッチ等と、スプリングもしくはダンパを組み合わせたものを使用する事ができる。
【0014】
走行駆動軸10は筒軸となっており、内部を前述の入力軸9が貫通しており、該入力軸9の後端にはPTO伝動軸61がカップリング27により連結されている。また、PTO伝動軸61は、筒軸により構成される走行伝動軸62の内部に貫通している。走行駆動軸10の支持は、前部はクラッチハウジング101の突出壁14の軸受に支持し、後部は図4に示すごとく、入力軸9の連結部のカップリング27の外周に設けたニードルベアリングにて支持されている。固設歯車105と油圧クラッチである主クラッチAはこの走行駆動軸10に支持されている。主クラッチAより動力が伝えられる固設歯車104は走行伝動軸62上に固設され、軸受はクラッチハウジング101の後面に固設された軸受体に固設されている。また、筒軸である走行駆動軸10と平行にカウンター軸11が設けられている。カウンター軸11の前端は突出壁14に軸受され、後端はクラッチハウジング1の後壁に固設突出された軸受体に軸受支持されている。このカウンター軸11上に油圧クラッチ装置Bがキーにて固定され、固設歯車105と常時噛合位した遊嵌歯車106をカウンター軸11と一体化する役目を行う。カウンター軸11の後部に配設された固設歯車13は走行伝動軸62上の固設歯車104と常時噛合している。
【0015】
主クラッチAはおよび油圧クラッチ装置Bは常時断形の油圧クラッチ装置である。主クラッチAは、圧油が送られていない場合にはバネ35にてアクチュエータ107が押し戻されて摩擦板36は断状態であり、圧油が送られるとアクチュエータ7がバネ35に抗して後方へ移動し、摩擦板36を圧着状態とするものである。 そして、油圧クラッチ装置Bは圧油が送られていない場合にはバネ65にてアクチュエータ108が押し戻されて摩擦板66は断状態であり、圧油が送られるとアクチュエータ108がバネ65に抗して後方へ移動し、摩擦板66を圧着状態とするものである。
【0016】
油圧クラッチである主クラッチAへの圧油の油路はパイピング32より油路14bを経て、固設歯車105のボス部に設けた受継筒の油路から、筒軸である走行駆動軸10の外径の刻設溝を経て、固設歯車105の後端ボス部の内径油路26に入り摩擦板36へ潤滑のために送られる。また、パイピング33の圧油は油路14cより受継筒の油路から刻設溝を経て、アクチュエータの内側の油圧シリンダに入る。このように筒軸によりなる走行駆動軸10の外周に刻設溝を設け、これに固設歯車105や、クラッチケース102を外嵌させて上面を閉じることにより、貫通孔を開けずに油路を構成しているのである。
【0017】
また、油圧クラッチ装置Bの圧油はパイピング34より入り、油路14a・21aを経て軸受蓋21の内側の穴内に出てくる。この穴にカウンタ軸11の先端が挿入しており、カウンタ軸11内の油路へ送られてアクチュエータ108と、クラッチケース3の間の油圧シリンダへ入る。また、突出壁14の軸受59の軸受蓋19が摺動筒18のガイド筒を兼用しているのである。
【0018】
高低変速作用を説明する。高低変速用油圧制御弁42が低速側の場合には圧油が主クラッチAに送られて、油圧クラッチである主クラッチAが接状態となり、走行駆動力は走行駆動軸10より主クラッチAと摩擦板36と固設歯車104を介して走行伝動軸62へ伝えられる。油圧制御弁42が高速側の場合には圧油が油圧クラッチ装置Bに送られて、油圧クラッチ装置Bが接状態となり、走行駆動力は走行駆動軸10より固設歯車105から遊嵌歯車106へ伝えられ、摩擦板66から油圧クラッチ装置Bを経てカウンタ軸11へ伝えられる。その後は固設歯車13より、走行伝動軸62の固設歯車104へ伝えられて高速となる。
【0019】
上記の構成のごとく、本発明においては、湿式多板クラッチである低速側クラッチを主クラッチAとして利用している。これにより、部品点数を減少できるとともに、変速機構をコンパクトかつ簡便な構成にできる。また、低速側クラッチを主クラッチとして兼用するため、クラッチの操作機構を減少できる。また、乾式単板クラッチをつれまい防止クラッチ50としている。これにより、湿式クラッチにおいて発生しがちな、クリープ現象による動力の伝達を乾式単板クラッチであるつれまい防止クラッチ50の断状態により解消でき、ブレーキによる制動を行うことなう必要がなく、動力伝達を遮断できる。また、主クラッチAは油圧クラッチ装置Bよりも容量の大きいものが使用されているので、断続操作の頻度が高い主クラッチAの耐久性を向上できる。
【0020】
次に、油圧制御機構について、図6乃至図11において説明する。コントロールバルブ83内には、スローリターンチェックバルブ47・47、クラッチバルブ43、油圧制御バルブ42、 H−L切換バルブ44、つれまい防止バルブ45およびディレイリリーフバルブ(以下DRV)48が配設されている。油圧ポンプによりコントロールバルブ83内に導入される圧油は、クラッチバルブ43およびつれまい防止バルブ45に供給される。クラッチバルブ43には、油圧制御バルブ42に圧油を直接供給する油路(入)、絞りを介して供給する油路、供給を遮断する油路(切)の3種の油路が設けられている。
【0021】
また、油圧制御弁42には低・高の油路とH−L切換時に作動する過渡状態油路の3種の油路が設けられている。油圧制御弁42が低もしくは高の場合には、この油圧制御弁42を介して圧油がH−L切換バルブ44に供給される。H−L切換バルブ44はソレノイドバルブにより構成されており、油圧クラッチ装置Bもしくは主クラッチAの何れかに作動油を供給できる構成になっている。この油圧制御弁42にはDRV48が接続されており、該DRV48が油圧制御弁42のH−L切換時の過渡期に作動するため、変速時のショックを緩和できる。
【0022】
H−L切換バルブ44と油圧クラッチ装置B、主クラッチAの間には、スローリターンチェックバルブ47がそれぞれ配設されており、このスローリターンチェックバルブ47を介して作動油が油圧クラッチ装置B、主クラッチAに供給、排出される構成になっている。スローリターンチェックバルブ47はチェックバルブと絞りを並列に接続した構成になっており、油圧クラッチ装置Bもしくは主クラッチAに作動油を供給する際には、チェックバルブを介して作動油が迅速に供給される。しかし、油圧クラッチ装置Bもしくは主クラッチAに作動油を排出する際には、絞りを介して作動油が排出される。油圧制御バルブ42をLからHに、もしくはHからLに切り換えた時、動力を伝達しているクラッチである、主クラッチA(もしくは油圧クラッチ装置B)の圧力を徐々に下げると共に、他方の油圧クラッチ装置B(もしくは主クラッチA)の圧力を上昇させる。このため、主クラッチAと油圧クラッチ装置Bの両クラッチが半クラッチ状態となるので、変速時のショックが緩和される。すなわち、図9に示すごとく、HからLに切り換えた時には、H側の油圧クラッチ装置Bの圧力が徐々に下がると共に、L側の主クラッチAの圧力を上昇させる。これにより、半クラッチ状態が生じ、変速時のショックが緩和される。
【0023】
つれまい防止バルブ45はソレノイドバルブにより構成されており、このつれまい防止バルブ45により、つれまい防止クラッチ50の断接を制御できるようになっている。つれまい防止バルブ45により、つれまい防止クラッチ50をON−OFFするアクチュエータ81に圧油を供給することにより、つれまい防止クラッチ50の接続を断ち、駆動力の伝達を完全に断つことができる。これにより、主クラッチAによる駆動力の接続を断った場合においても、主クラッチAに供給される潤滑油の粘性により発生する動力の伝達を完全に遮断することができる。このため、エンジンに掛かる負荷を軽減でき、アイドリング状態におけるエンジンの負荷を軽減することにより、カーボンの蓄積を解消し、エンジンの耐久性を延ばすことができる。
【0024】
上記の構成により、図6に示すごとく、クラッチバルブ43が入に、油圧制御弁42が低に設定されており、H−L切換バルブ44を介して圧油が主クラッチAに供給されると、主クラッチAが接続され、前述の走行駆動軸10の駆動力が主クラッチAを介して走行伝動軸62に伝達される。また、図7に示すごとく、クラッチバルブ43が入に、油圧制御弁42が高に設定されており、H−L切換バルブ44を介して圧油が主クラッチ装置Bに供給されると、油圧クラッチ装置Bが接続され、前述の走行駆動軸10の駆動力が主クラッチ装置Bを介して走行伝動軸62に伝達される。さらに、図8に示すごとく、油圧制御弁42が高速側にあり、クラッチバルブ43が図19のD2、D3の位置にある時、H−L切換バルブ44のソレノイドが通電状態となり、油路が切換わり、クラッチバルブ43の移動量に応じて、圧油が主クラッチAに徐々に供給されると、主クラッチAが急激に接続されることなく、インチング状態となる。これにより、前述の走行駆動軸10の駆動力の一部が主クラッチAを介して走行伝動軸62に伝達される。クラッチバルブ43が図19のD1の位置になるとH−L切換バルブ44のソレノイドの通電が解除され圧油が油圧クラッチ装置Bに流れる。
【0025】
また、上記の油圧回路の構成において、油圧制御弁42の別の実施例について説明する。図10において、油圧制御弁42’には低・高と2種の油路が設けられている。このため、図11に示すごとく、H−L切換時の過渡状態における半クラッチ状態で、変速による衝撃を緩和できる。
【0026】
次にクラッチの操作構成について、図12および図13をもちいて説明する。ステアリング6の近傍には変速レバー91が配設されており、この変速レバー91はリンク機構92を介してアーム93が接続されている。アーム93はコントロールバルブ83に回動自在に枢支された軸94に固設されている。軸94はコントロールバルブ83内に配設した油圧制御弁42に接続されており、軸94の回動により油圧制御弁42が切換られる構成になっている。リンク機構92はユニバーサルジョイント等により、変速レバー91に接続されており、変速レバー91の回動により、アーム93を回動する構成になっている。このため、変速レバー91を操作することにより、油圧制御弁42の切換を行うことができるものである。
【0027】
また、ステアリング6の下方には、クラッチペダル111が配設されおり、クラッチペダル111の下方には、アクチュエータ81が配設されている。このアクチュエータ81はリンク15を介してベルクランク16を回動する構成になっている。ベルクランク16は枢支軸17に挿嵌されており、前述の摺動筒18に接続されている。即ち、このアクチュエータ81により、摺動筒18を前後へ摺動する構成になっている。アクチュエータ81はクラッチハウジング101の上方に配設しており、クラッチハウジング101およびアクチュエータ81を含むクラッチ機構を幅方向においてコンパクトに構成できる。このため、従来の機体を流用することができるととともに、該アクチュエータ81をクラッチハウジング101の上方に配置することにより、アクチュエータ81の整備性および組み付け性を向上できる。また、アクチュエータ81に接続したリンク15の調節部をクラッチハウジング101の上方に配置することもでき、調節を容易に行うことができる。
【0028】
クラッチペダル111の基部は支軸112に挿嵌されており、回動自在に枢支されている。クラッチペダル111の基部には、アーム111aが固設されており、クラッチペダル111とともに回動するものである。アーム111aの端部にはリンク95が接続されている。このリンク95は、軸114に相対回動不能に固設されたアーム113の端部に接続されている。軸114はコントロールバルブ83において回動自在に枢支されており、この軸114の回動により、クラッチバルブ43が切換られる構成になっている。このため、クラッチペダル111を回動させることにより、リンク95を介して前述したクラッチバルブ43を操作できるものである。
【0029】
クラッチペダル111の近傍にはスイッチ115が配設されており、アーム111aの近傍にはスイッチ116が配設されている。スイッチ115およびスイッチ116はそれぞれクラッチペダル111に固設されたステー111cおよびアーム111aに固設されたステー111bに当接する構成になっている。すなわち、スイッチ115およびスイッチ116はクラッチペダル111の作動軌跡上に配設されている。このため、スイッチ115およびスイッチ116の配置位置の設定により、クラッチペダル111の回動位置を認識できる。クラッチペダル111が回動されていない状態もしくは少量回動された状態で、スイッチ115がクラッチペダル111に当接することにより、クラッチペダル111が回動されていない状態もしくは少量回動された状態であることを認識できる。また、クラッチペダル111が最大に回動された状態で、スイッチ116がアーム111aに当接することにより、この状態を認識できる。
【0030】
次に、コントロールバルブ83の構成について説明する。図14および図15にしめすごとく、コントロールバルブ83内には、クラッチバルブ43、油圧制御バルブ42、H−L切換バルブ44、つれまい防止バルブ45、スローリターンチェックバルブ47・47が配設されている。油圧制御バルブ42はコントロールバルブ83に回動自在に枢支された軸94に固設されたアーム94aに接続されており、軸94に回動に伴い摺動し、油路の切換を行う構成になっている。クラッチバルブ43コントロールバルブ83に回動自在に枢支された軸114に固設されたアーム114aに接続されており、軸114に回動に伴い摺動し、油路の切換を行う構成になっている。また、H−L切換バルブ44およびつれまい防止バルブ45はソレノイドにより摺動される構成になっており、ソレノイドの作動により油路の切換を行う構成になっている。
【0031】
スローリターンチェックバルブ47は、図16乃至図18に示すごとく、チェックバルブに絞りを設けた構成になっている。スローリターンチェックバルブ47はスリーブ47b、ボール47cおよびボール止め47aにより構成されている。ボール止め47aには縁部の三カ所および中央部より作動油が流入もしくは流出でき、該ボール止め47aおよびスリーブ47bによりボール47が一定範囲内に位置するように構成されている。スリーブ47dには絞り47dが設けられている。これにより、図17において、上方よりスローリターンチェックバルブ47に流入した作動油は、絞り47dを介して流出し、下方よりスローリターンチェックバルブ47に供給された作動油は、ボール47cを押し上げ、スリーブ47b内に流入する。
【0032】
このように、クラッチバルブ43、油圧制御バルブ42、H−L切換バルブ44、スローリターンチェックバルブ47・47およびつれまい防止バルブ45が一つのコントロールバルブ83内に配設されているため、油圧制御機構をコンパクトに構成でき、クラッチハウジング1の近傍の空間を有効に活用できる。また、コントロールバルブ83をクラッチハウジング101の側方に配設するので、動力伝達制御機構をこのクラッチハウジング101の周囲に集中させることができる。
【0033】
次に、クラッチペダルによる動力伝達制御機構について説明する。主クラッチペダル111のペダルストロークは三段階に分けられており、各ストロークはそれぞれH−Lの切換、インチングおよびつれまい防止クラッチ切りに対応している。クラッチペダル111の回動量が少ない場合は、H−Lの切換のストロークであり、回動量が中程度の場合は、インチングのストロークであり、回動量が大きい場合がつれまい防止クラッチ切りのストロークである。H−Lの切換のストロークは、変速レバー91により高速側にシフトされているとき、H−L切換バルブ44の通電が解除され、圧油が低速側から高速側に切換られる。逆に、発進時やクラッチペダルインチング時には低速側クラッチが使用できるので、インチング操作が容易にできる。
【0034】
インチングのストロークは、変速レバー91を高速側に位置させた状態よりの発進の際のクラッチ操作として使用することができる。すなわち、クラッチペダル111をインチングのストロークに位置させることにより、一旦低速側に接続された後に高速側に接続される。このため、クラッチに急激な負荷が掛かることがなく、クラッチの保護をおこなうことができる。変速レバー91が低速側に位置させた状態では、H−L切換バルブ44は切り換わらず、低速側クラッチである主クラッチAに圧油を送り込む。つれまい防止クラッチ切りのストロークは、エンジンの動力を完全に遮断する際に使用されるものである。このつれまい防止クラッチ切りのストロークにクラッチペダル111が位置させられることにより、主クラッチAおよびが切断されるとともに、つれまい防止バルブ45を介してつれまい防止クラッチ50にを摺動するアクチュエータ81に作動油が供給され、つれまい防止クラッチ50の接続が遮断される。
【0035】
また、上述したクラッチペダル111のストロークの分割方法は、図19に示すごとく、クラッチペダル111の回動角度に対応した主クラッチAの接続圧力の特性により分割されるものである。クラッチペダル111の最大踏み込み位置を0°として、クラッチペダル111の踏み込み量が少なくなるにつれ角度が大きくなるとした場合に、主クラッチAの接続圧力はクラッチペダル111の角度が大きくなるにつれ大きくなる。図19において、折れ線はクラッチペダルの角度に対する接続圧力を表す。
【0036】
上記のごとく、角度0°より接続圧力が発生するまでをつれまい防止クラッチ切りストローク(以下ストロークD3)とし、ストロークD3の後に接続圧力が充分に大きくなるまでをインチングストローク(以下ストロークD2)、以降をH−Lの切換のストローク(ストロークD1)としている。
【0037】
すなわち、駆動力伝達を遮断する場合にはクラッチペダル111を踏み込み、主クラッチAの圧力がほぼ0となる。このとき、ストロークD3にクラッチペダル111が位置することになり、つれまい防止クラッチ50が切断され、駆動力の伝達が完全に遮断される。ストロークD3は、主クラッチAの遊びの範囲に設定されており、この範囲内において、前述したつれまい防止クラッチ50による駆動力の遮断をおこない、つれまい防止を行えるように構成されている。これにより、主クラッチAのつれまいにより微弱ながら伝達される駆動力の伝達を完全に遮断でき、駆動力が微弱になった後に伝達を完全に遮断するため、操作において違和感を感じることがない。自然なクラッチ操作により、駆動力の遮断をおこなうことができる。
【0038】
また、ストロークD2においては、接続圧力が急激に増大するので、このストロークD2インチングを行う範囲とすることで、微小な操作により接続圧力を大きい範囲で調節でき、クラッチの接続をスムーズにする事ができる。これのより、主クラッチAに急激な負荷変動を与えることが無く、耐久性を向上でき、作業車両の乗り心地を良好にすることができる。さらに、クラッチペダル111の踏み込み量が少なく、接続圧力が充分に得られる範囲をストロークD1とし、このストロークD1を高速と低速の変速の切換を行うH−L切換に対応させるので、つれまい防止クラッチ50による駆動力の遮断をおこなうことなく、油圧制御バルブ42が高速側位置にあっても、H−L切換バルブ44により主クラッチAを接続させ、駆動力を伝達することができるので、容易な操作により変速を行うことができ、操作性を向上できる。すなわち、クラッチペダル111の回動量と主クラッチAの接続圧力特性に対応したストロークの分割をすることにより、操作性および乗り心地を向上できるとともに、主クラッチAの負荷を軽減し、耐久性を向上できる。
【0039】
また、クラッチペダル111の回動角度に対応した主クラッチAの接続圧力の特性により分割されるストロークの分割方法において、図19に示す方法とは別の方法にとして、図20に示すごとくおこなうこともできる。すなわち、角度0°より接続圧力が発生するまでストロークD3とし、ストロークD3の後に接続圧力が急激に増大するまでをストロークD2、以降をストロークD1としている。図20に示す実施例において、ストロークD2は接続圧が急激に増大しないので、このストロークD2をインチングを行う範囲とすることで、安定したインチング操作を行えるとともに、接続圧力が急激に増大するストロークD1を高速側と低速側の変速の切換を行うH−L切換に対応させているので、油圧制御バルブ42が高速側位置にあっても低速側クラッチが駆動を伝達するので、操作性を向上できる。また、クラッチの接続をスムーズにする事ができる。これのより、主クラッチAに急激な負荷変動を与えることが無く、耐久性を向上でき、作業車両の乗り心地を良好にすることができる。
【0040】
次に、主クラッチペダル111の回動位置を認識する方法の一例について、図21を用いて説明する。図21に示すごとく、前述したスイッチ115およびスイッチ116がそれぞれ前述したステー111cおよびステー111bに当接しもしくは離れることにより、ON・OFFされ認識される。すなわち、ストロークD1ではスイッチ115がステー111cに当接しており、スイッチ116はステー111bに当接していない。ストロークD2ではスイッチ115がステー111cに当接せず、スイッチ116もステー111bに当接しない。ストロークD3ではスイッチ115がステー111cに当接せず、スイッチ116がステー111bに当接する。上記のごとく、2つのスイッチ115および116により、クラッチペダル111がどのストロークに位置するかを認識することができる。また、上記の構成において、必ずしもスイッチ115および116の両方もしくは一方をが当接により、ONになる必要はなく、当接によりOFFとなるスイッチにより構成することもできる。このように、2つのスイッチにより、クラッチペダル111の回動位置を認識できるものであり、容易に構成でき、ストロークの調節も容易に行うことができる。
【0041】
本実施例において、低速側の油圧クラッチを主クラッチAとして使用しているので、変速レバー91が高速側に位置されている場合でも、発進時およびクラッチ接続の段階で強制的に低速側のクラッチである主クラッチAを作動させ、低速側に変速した後に自動的に高速側の油圧クラッチ装置Bに自動的にシフトする機構を有している。クラッチペダル111の踏み込み位置を前記スイッチ115および116により認識し、変速レバー91が高速側に位置させられたことを認識した場合には、H−L切換バルブ44が摺動する。これにより、変速レバー91により、油圧制御弁42が高速側の油路に切り替えられた場合においても、作動油が主クラッチA側に供給される。すなわち、前述した図8に示すごとく、主クラッチAに作動油が供給される。この後、H−L切換バルブ44が切り替えられ作動油が油圧式クラッチ装置Bに供給されることとなる。
【0042】
上述した構成においては、高速側と低速側の二つの変速機構を有する場合について説明したが、本発明は3つ以上の複数の変速機構を有するものについても実施する事が可能である。つれまい防止クラッチはエンジンのフライホイールの出力側に接続するため、変速段の数に関係無く配設が可能であり、複数の変速機構の内クラッチ容量の大きいものを主クラッチをすることにより、コンパクトかつ耐久性に優れた変速機構を構成できる。また、変速用クラッチの油圧制御機構についても、複数の変速機構に対応する数のバルブおよびソレノイドを配設することにより、実施可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏する。
【0044】
請求項1においては、高速−低速変速用の湿式多板方式の主クラッチ(A)と油圧クラッチ(B)を具備し、該主クラッチ(A)は、主クラッチの役目と高速−低速変速用の低速油圧クラッチの役目を兼務し、油圧クラッチ(B)は高速用の油圧クラッチとし、該主クラッチ(A)と油圧クラッチ(B)の動力伝達回路の前段に乾式多板方式のつれまい防止クラッチ(50)を配置し、油圧制御機構は、圧油の供給側から順に、クラッチバルブ(43)、油圧制御バルブ(42)、 H−L切換バルブ(44)と配置し、分岐した油路につれまい防止バルブ(45)を配置した作業車両の変速装置において、前記クラッチバルブ(43)には、油圧制御バルブ(42)に圧油を直接供給する油路、絞りを介して供給する油路、供給を遮断する油路の3種の油路を設け、前記油圧制御バルブ(42)は変速レバー(91)により操作され、低・高の油路とH−L切換時に作動する過渡状態油路の3種の油路を設け、該油圧制御バルブ(42)が低もしくは高の場合には、該油圧制御バルブ(42)を介して圧油をH−L切換バルブ(44)に供給し、前記H−L切換バルブ(44)はソレノイドバルブにより自動制御し、主クラッチ(A)若しくは油圧クラッチ(B)の何れかに作動油を供給できる構成とし、前記つれまい防止バルブ(45)はソレノイドバルブにより構成し、該クラッチペダル(111)の踏み込みに連動し、つれまい防止クラッチ(50)の断接を制御し、前記クラッチペダル(111)の踏み込みと、クラッチバルブ(43)とつれまい防止バルブ(45)を連動し、該クラッチペダル(111)の回動位置を認識し、該クラッチペダル(111)のストロークを、該クラッチペダル(111)の最大踏み込み位置を角度0°として、該クラッチペダル(111)の踏み込み量が少なくなるにつれ、主クラッチ(A)の接続圧力は大きくなるように構成し、前記角度0°より接続圧力が発生するまでを「つれまい防止クラッチ切りストローク(D3)」とし、該「つれまい防止クラッチ切りストローク(D3)」の後に接続圧力が充分に大きくなるまでを「インチングストローク(D2)」とし、以降を「H−Lの切換のストローク(D1)」の3段階とし、該クラッチペダル(111)が「つれまい防止クラッチ切りストローク(D3)」の位置では、主クラッチ(A)の圧力をほぼ0とし、つれまい防止クラッチ(50)を切断し、駆動力の伝達が完全に遮断し、該クラッチペダル(111)が、「インチングストローク(D2)」と「つれまい防止クラッチ切りストローク(D3)」の位置にあり、変速レバー(91)により油圧制御バルブ(42)が高速側 にある時には、H−L切換バルブ(44)のソレノイドが通電状態となり、油圧クラッチ(B)から主クラッチ(A)に油路が切換わり、クラッチバルブ(43)の移動量に応じて、圧油が主クラッチAに徐々に供給され、主クラッチ(A)が急激に接続されることなくインチング状態となり、該クラッチペダル(111)の位置が、「H−Lの切換のストローク(D1)」の位置では、該変速レバー(91)が高速の位置にある時は、H−L切換バルブ(44)のソレノイドの通電が解除され圧油が油圧クラッチ装置Bに流れて高速となるので、ペダルストローク上で、3つの作動が可能である。1つのペダルにより3つの操作を行うことができるので、変速操作の操作性を向上できる。適切なクラッチ操作を容易に行えるため、クラッチの保護を行うことができるのである。
また、主クラッチ、低速側クラッチおよび高速側クラッチと制御すべきクラッチが3つあり、変速機構の組み立ておよび整備に多くの労力を必要とし、また、各クラッチについてそれぞれ制御機構を必要とし、制御機構自体が複雑となるとともに、操作自体が煩雑なものとなり、更に、変速レバーの位置により、低速側クラッチおよび高速側クラッチの切換えが行われるため、変速側レバーを高速側に位置させ、発進する場合などは高速側クラッチに高負荷がかかるという、従来技術の不具合を解消することが出来るのである。
【0045】
請求項2においては、請求項1記載の作業車両の変速装置において、高速−低速の切換のための変速レバー(91)が高速側に位置された場合に、発進時およびクラッチ接続の初期の段階では、強制的に主クラッチ(A)を作動させ、低速側で駆動した後に高速側クラッチにシフトさせるので、高速側クラッチに急激な負荷をかけることがなく、高速側クラッチの保護を行うことができる。また、円滑な変速操作を行うことができ、乗り心地が向上する。
【0046】
請求項3においては、請求項1記載の作業車両の変速装置において、湿式多板式の主クラッチ(A)は、同じく湿式多板式の油圧クラッチ装置(B)よりもクラッチ容量を大としたので、高速−低速変速用の油圧クラッチを有する作業車両の変速装置では伝達量の多い低速側を主クラッチとして利用するので、変速機構をコンパクトに構成できる。
また、主クラッチとしてクラッチ容量の大きい低速側クラッチを利用でき、主クラッチの耐久性を向上できる。変速機構をコンパクトに構成可能であり、作業車両の設計上の自由度を向上できる。また、変速機構の耐久性も充分に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 作業車両の側面図である。
【図2】 クラッチ機構を示す側面断面図である。
【図3】 同じく正面断面図である。
【図4】 主クラッチの側面断面図である。
【図5】 高速側の油圧クラッチ装置の側面断面図である。
【図6】 主クラッチに作動油を供給する際の油圧回路図である。
【図7】 高速側油圧クラッチに作動油を供給する際の油圧回路図である。
【図8】 変速レバーが高速側にある状態での発進時に一時的に主クラッチに作動油を供給する際の油圧回路図である。
【図9】 油圧制御弁を用いた場合のH−L切換時における油圧クラッチの圧力変動を示す図である。
【図10】 本発明の他の実施例である油圧回路をしめす図である。
【図11】 他の実施例におけるH−L切換時の油圧クラッチの圧力変動を示す図である。
【図12】 変速機構およびクラッチ制御機構を示す側面一部断面図である。
【図13】 クラッチペダルおよびスイッチの配置構成を示す側面図である。
【図14】 コントロールバルブの側面断面図である。
【図15】 同じく反対面の側面断面図である。
【図16】 スローリターンチェックバルブの配置構成を示す側面断面図である。
【図17】 スローリターンチェックバルブの構成を示す側面断面図である。
【図18】 同じく平面図である。
【図19】 クラッチの接続圧力とクラッチペダルの回動角度の関係を示す図である。
【図20】 分割されたストロークとスイッチの対応の一例を示す図である。
【図21】 他の実施例であるクラッチの接続圧力とクラッチペダルの回動角度の関係を示す図である。
【符号の説明】
A 主クラッチ
50 つれまい防止クラッチ
42 油圧制御弁
43 クラッチバルブ
44 H−L切換バルブ
45 つれまい防止バルブ
81 アクチュエータ
83 コントロールバルブ
101 クラッチハウジング
111 クラッチペダル
Claims (3)
- 高速−低速変速用の湿式多板方式の主クラッチ(A)と油圧クラッチ(B)を具備し、該主クラッチ(A)は、主クラッチの役目と高速−低速変速用の低速油圧クラッチの役目を兼務し、油圧クラッチ(B)は高速用の油圧クラッチとし、該主クラッチ(A)と油圧クラッチ(B)の動力伝達回路の前段に乾式多板方式のつれまい防止クラッチ(50)を配置し、油圧制御機構は、圧油の供給側から順に、クラッチバルブ(43)、油圧制御バルブ(42)、 H−L切換バルブ(44)と配置し、分岐した油路につれまい防止バルブ(45)を配置した作業車両の変速装置において、前記クラッチバルブ(43)には、油圧制御バルブ(42)に圧油を直接供給する油路、絞りを介して供給する油路、供給を遮断する油路の3種の油路を設け、前記油圧制御バルブ(42)は変速レバー(91)により操作され、低・高の油路とH−L切換時に作動する過渡状態油路の3種の油路を設け、該油圧制御バルブ(42)が低もしくは高の場合には、該油圧制御バルブ(42)を介して圧油をH−L切換バルブ(44)に供給し、前記H−L切換バルブ(44)はソレノイドバルブにより自動制御し、主クラッチ(A)若しくは油圧クラッチ(B)の何れかに作動油を供給できる構成とし、前記つれまい防止バルブ(45)はソレノイドバルブにより構成し、該クラッチペダル(111)の踏み込みに連動し、つれまい防止クラッチ(50)の断接を制御し、前記クラッチペダル(111)の踏み込みと、クラッチバルブ(43)とつれまい防止バルブ(45)を連動し、該クラッチペダル(111)の回動位置を認識し、該クラッチペダル(111)のストロークを、該クラッチペダル(111)の最大踏み込み位置を角度0°として、該クラッチペダル(111)の踏み込み量が少なくなるにつれ、主クラッチ(A)の接続圧力は大きくなるように構成し、前記角度0°より接続圧力が発生するまでを「つれまい防止クラッチ切りストローク(D3)」とし、該「つれまい防止クラッチ切りストローク(D3)」の後に接続圧力が充分に大きくなるまでを「インチングストローク(D2)」とし、以降を「H−Lの切換のストローク(D1)」の3段階とし、該クラッチペダル(111)が「つれまい防止クラッチ切りストローク(D3)」の位置では、主クラッチ(A)の圧力をほぼ0とし、つれまい防止クラッチ(50)を切断し、駆動力の伝達が完全に遮断し、該クラッチペダル(111)が、「インチングストローク(D2)」と「つれまい防止クラッチ切りストローク(D3)」の位置にあり、変速レバー(91)により油圧制御バルブ(42)が高速側にある時には、H−L切換バルブ(44)のソレノイドが通電状態となり、油圧クラッチ(B)から主クラッチ(A)に油路が切換わり、クラッチバルブ(43)の移動量に応じて、圧油が主クラッチ(A)に徐々に供給され、主クラッチ(A)が急激に接続されることなくインチング状態となり、該クラッチペダル(111)の位置が、「H−Lの切換のストローク(D1)」の位置では、該変速レバー(91)が高速の位置にある時は、H−L切換バルブ(44)のソレノイドの通電が解除され圧油が油圧クラッチ(B)に流れて高速となることを特徴とする作業車両の変速装置。
- 請求項1記載の作業車両の変速装置において、高速−低速の切換のための変速レバー(91)が高速側に位置された場合に、発進時およびクラッチ接続の初期の段階では、強制的に主クラッチ(A)を作動させ、低速側で駆動した後に高速側クラッチにシフトさせることを特徴とする作業車両の変速装置。
- 請求項1記載の作業車両の変速装置において、湿式多板式の主クラッチ(A)は、同じく湿式多板式の油圧クラッチ装置(B)よりもクラッチ容量を大としたことを特徴とする作業車両の変速装置。
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